説明

液体から触媒を分離する方法

【課題】濾過媒体から濾滓を除くにあたって、費用効果の優れた方法を提供する。
【解決手段】フラッシュ用液体として、第一濾液を濾過した第二濾液であって、微細触媒粒子を含むが、濾過媒体の開口幅に近似する粒径を有する粒子を含まない第二濾液を用い、濾過媒体を逆フラッシュすることによって濾過媒体から濾滓を除く方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状反応物から液体を生成し、場合によりガス状生成物も生成させる方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明により、ガス状反応物から液体を生成させ、場合によりガス状生成物も生成させる反応において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低い水準(レベル)で供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物、及び場合によりガス状生成物も形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμの規定開口幅(controlling dimention)を有し、その結果xμより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、開口幅近似粒径(near−size)触媒粒子、及び微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子、及び場合により幾らかの微細触媒粒子を液体生成物から分離し、それにより液体生成物、及び場合により微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法を与える。
【0003】
本方法は、少なくとも原理的には、一層広い用途を有するが、懸濁液体は、通常液体生成物であるが、必ずしもいつもそうである必要はないものと想定されている。
【0004】
更に、原理的には、本方法は一層広い用途を有することができるが、ガス状反応物がスラリー床中で触媒による反応を行い、液体炭化水素生成物、及び場合によりガス状炭化水素生成物を形成することができる炭化水素合成で特に用途を有するものと期待されている。特に、炭化水素合成はフィッシャー・トロプシュ合成でもよく、ガス状反応物は、主に一酸化炭素及び水素を含む合成ガス流の形態になっており、液体とガス状の両方の炭化水素生成物が形成され、従って、その触媒粒子はフィッシャー・トロプシュ触媒粒子になっていてもよい。
【0005】
従って、スラリー床は、反応器を構成する適当な容器、例えば塔中に与えられ、未反応反応物及びガス状生成物が容器からそのスラリー床より上の所から取り出されるようになっているであろう。この容器は、フィッシャー・トロプシュ合成に伴われる通常の上昇させた圧力及び温度、例えば、10〜50バールの範囲内の予め定められた操作圧力、及び180℃〜280℃の範囲内、或は一層低い沸点の生成物を形成するためには更に一層高い予め定められた温度に維持されるであろう。
【0006】
触媒粒子は、少なくとも原理的には、鉄系触媒、コバルト系触媒、又は他のフィッシャー・トロプシュ触媒のようなどのような希望のフィッシャー・トロプシュ触媒にでもすることができる。無担体触媒よりも物理的に強い担体付き触媒を用いるのが典型的である。
【0007】
従って、スラリー床中の大きな触媒粒子は、xμよりも大きな粒径を有する。開口幅近似粒径又は間隙近似粒径触媒粒子は、xμより小さいが、xμに近い粒径を有し、1μ以上であるのが典型的である。このように、開口幅近似粒径触媒粒子は、1μ〜約xμの粒径範囲になっていてもよい。従って、開口幅近似粒径触媒粒子は、第一濾過段階で、特にその逆フラッシュ(バックフラッシュ)中に、濾過媒体の閉塞又は目詰まりを起こし易い。そのような目詰まりは、個々の触媒粒子が濾過媒体の濾過開口中に楔状に嵌まり込んだ時に起きる。更に、目詰まりは、逆フラッシュ中に、多数の触媒粒子が一緒になって濾過媒体の濾過開口中へ押し込まれ、それにより濾過開口を塞いだ時に起きる。微細触媒粒子は、xμよりかなり小さく、1μより小さいのが典型的である。触媒がコバルト系触媒である時、スラリー床中の触媒粒子構成(inventory)は、45μmより小さい粒子が占める体積が5体積%より少ないのが典型的であり、22μmより小さな粒子が占める体積は1体積%より少ないのが典型的である。特定の用途では、触媒がコバルト系触媒である場合、スラリー床触媒粒子構成は、44μmより小さな粒子が占める体積は6体積%より少なく、典型的には22μmより小さい粒子が占める体積は3体積%より少ないであろう。
【0008】
種々の範疇の粒径の間には、通常幾らかの重複があることは認められるであろう。触媒粒子は、通常多かれ少なかれ球状であろう。従って、粒径はそれら粒子の直径である。
【0009】
触媒粒子は、希望の粒径範囲を有することがある。従って、300μより大きな粒子はなく、或は250μより大きな粒子さえ存在しないことがある。22μより小さなものは、触媒粒子の5質量%未満、或は3質量%未満になっていることさえあるであろう。触媒粒径範囲は、濾過媒体を考慮に入れて選択することができる。逆に、濾過媒体を、触媒粒径範囲を考慮に入れて選択してもよい。
【0010】
一般に、濾過開口の規定開口幅、即ち、xは、70μまでにしてもよいが、通常それは70μより小さく、従って、55μ以下、例えば、45μ、或は10μにさえなることがある。
【0011】
濾過開口の規定開口幅、即ち、xは、鉄系フィッシャー・トロプシュ触媒の場合、25μであるのが典型的であり、コバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒の場合には10μであるのが典型的である。従って、鉄系触媒の場合、25μより大きな触媒粒子は、第一濾過段階で除去され、濾過媒体上に濾滓を形成する。その場合、1μ〜25μの範囲の粒径を有する触媒粒子は、開口幅近似粒径触媒粒子と考えられるが、1μより小さなものは微細触媒粒子であると考えられる。鉄系触媒の場合、開口幅近似粒径触媒粒子はゆっくり沈降し、液体生成物と共に動く傾向があり、これらの粒子は堅く、容易には破壊されない。微細触媒粒子は、規定開口幅よりもかなり小さく、それらは沈降せず、液体生成物と共に残留する。
【0012】
物理的に強いか、耐摩耗性である触媒粒子、例えば、担体付きコバルト触媒粒子を用いた場合、スラリー床が、規定開口幅即ち、濾過媒体の開口の大きさに近い粒径、即ち、間隙近似粒径の触媒粒子を常に認め得る割合では含まないようにすることが重要である。なぜなら、そのような粒径の粒子は、濾過媒体の永久的な閉塞を起こすことがあるからである。従って、スラリー床中の触媒粒子構成中の開口幅近似粒径触媒粒子の割合は、通常18体積%より少なく、典型的には4体積%より少ないであろうが、2体積%より少なくすることさえできる。
【0013】
少なくとも原理的には、第一濾過段階ではどのような適当な濾過媒体でも使用することができる。典型的には、濾過媒体の実質的に全ての濾過開口が、通常同じ粒径及び同じ幾何学的形態を公称上有するであろう。濾過媒体は、容器中に取付けられたフィルター・カートリッジ又は素子の一部分で、長い形をした形態のものでもよく、フィルター媒体は濾液収集領域を取り囲む円筒状の形をしており、濾液、即ち、液体生成物を取り出すための濾液出口がその一端に与えられている。このように、濾過媒体は筒形フィルターのものでもよい。原理的に濾過媒体は、xμの規定開口幅を有する濾過開口を有するどのような希望の濾過媒体にでもすることができるが、触媒粒子による永久的閉塞、即ち、充満が簡単には起きないような型又は構造のものにするのが好ましい。従って、濾過媒体は、網、例えば織った網;セラミック材料のような多孔質材料;有孔シート;螺旋状に巻いたワイヤー、例えば楔型ワイヤーからのもの;等にすることができる。
【0014】
濾過開口に関連して「規定開口幅」とは、それらの開口を通過することができる最大触媒粒径を決定するその大きさを意味する。例えば、規定開口幅は、フィルター製造業者の明細から得ることができる。このように、それは許容上限でもよく、或はそれは平均開口にしてもよく、或は間隙の標準偏差の倍数、例えば、3倍まで加えた平均開口又は間隙の大きさにしてもよい。
【0015】
このように、濾過開口は、どのような希望の形をしていてもよい。一つの態様として、濾過媒体の開口は、開口を通る液体の流れの方向に見て、円状になっていてもよく、各開口の規定開口幅は、その場合、その直径である。それとは異なる別の態様として、開口を通る液体の流れの方向に見た時、多かれ少なかれ矩形の形をしていてもよく、従って、各開口の縦(width)はその横(length)よりも短く、その場合、各開口の規定開口幅はその縦になる。
【0016】
本発明の一つの態様として、第一濾過段階は外部、即ち、スラリー床の外に配置してもよく、例えば反応器の外に位置していてもよい。しかし、本発明の別の態様として、第一濾過段階は、内部、即ちスラリー床の内側に位置していてもよい。
【0017】
第一濾過段階が内部に位置している場合、濾過領域内の同じか又は異なった水準の所に位置する複数のフィルター素子が与えられていてもよい。濾過領域は、スラリー床の上方表面より下のどこかに配備することができる。フィルター素子は複数の列状に配列し、各フィルター列が複数のフィルター素子を含んでいるようにしてもよい。
【0018】
原理的に、それら素子はどのような希望の傾斜で配置されていてもよいが、それらは垂直に配置され、それらの液体生成物、又は第一濾液が下方へ向かって流出するようになっているのが好ましい。
【0019】
濾過媒体を通る液体生成物の通過は、濾過媒体及びその上に蓄積した濾滓を通る圧力差を適用することにより行うことができる。この圧力差は8バールまでであるのが好ましく、典型的には、1〜4バールの範囲にある。圧力差は、反応容器よりも低い圧力にある第一濾液収集容器中へ第一濾液を取り出し、そのフィルター素子の濾液出口を、適当な液体生成物導管により第一濾液収集容器へ接続することにより行うことができる。それら導管は:各フィルター素子の濾液出口から導かれた第一濾液導管;フィルター素子の特定の列の全てのフィルター素子の第一導管が連結している第二濾液導管;及び第一濾液収集容器へ導く第三濾液導管;を含み、第二導管は全て第三導管へ連結している。
【0020】
第二濾過段階は、通常反応器の外側に位置しているであろう。第二濾過段階は、開口幅近似粒径触媒粒子を除去することができるどのような濾過手段により与えられていてもよい。典型的には、それは加圧葉状フィルター(a pressure leaf filter)、特に垂直又は水平に配向された加圧葉状フィルターにより与えることができる。
【0021】
フィルター媒体の開口を直ぐに閉塞する微細粒状材料を含む懸濁物を、不活性で容易に濾過することができる粒状フィルター補助材料を含有させることにより一層低い(不純物/粒子濃度)レベルまで濾過することができる。不活性フィルター補助材料の例は、高度に多孔質の珪藻土シリカ、粉末ガラス、フラー(Fuller)土等である。フィルター助剤は、加圧葉状フィルターの薄い垂直又は水平に配向した葉状物又はスクリーンの上に予め被覆する。予め与える被覆は、フィルター助剤が添加されているクリーンな濾液を、全てのフィルター助剤がスクリーンの上の多孔質濾滓を形成するまで連続的に再循環することにより達成される。濾滓は液体供給物に対しては透過することができるが、微細粒状材料に対しては、それらがフィルター助剤の微細通路及び支持スクリーンを通過するのを妨げる深いフィルターとして働く。固体不純物による微細通路の閉塞により、予め被覆したフィルターによる予め定められた圧力低下が起きたならば、濾滓を機械的作用により、例えば、回転、振動、叩き、又は打つ作用によりスクリーンから除去する。「汚れた」濾滓を、例えば、円錐状容器の底にあるスライドバルブを通して取り出し、廃棄又は再利用する。
【0022】
第二濾液中に依然として存在する触媒粒子は、このように微細な触媒粒子であり、前に記載したように、1μより小さいのが典型的になる。加圧葉状フィルターは、Fe及びCo触媒の両方について実質的に全ての開口幅近似粒径粒子を除去するであろう。
【0023】
第二濾液収集容器は、第二濾過段階より下流に配置してもよい。
【0024】
第一濾過段階の濾過媒体を通過する液体生成物が中断される時間の少なくとも一部分の間で逆フラッシュを行なってもよい。
【0025】
逆フラッシュは、一般にパルス状のやり方で行うことができる。従って、逆フラッシュは、フラッシュ用液体の初期パルス、最適にはそれに続く一つ以上の更に別のフラッシュ用液体パルスを含んでいてもよい。各逆フラッシュパルスは、逆フラッシュの迅速な開始、即ち、迅速にフラッシュ用液体の流れを開始し、多量のフラッシュ用液体でフィルター素子を迅速に逆フラッシュすることを含んでいるであろう。初期パルスのためのフラッシュ用液体のこの体積は比較的大きくすることができる。例えば、本発明の一つの態様では、フラッシュ用液体の体積は、初期パルスについては、フィルター素子の内部体積にほぼ等しいであろう。しかし、本発明の別の態様として、初期パルスのために、更に一層大きな体積のフラッシュ用液体を用いることができ、例えば、逆フラッシュされるフィルター素子の一緒にした内部体積の3倍よりも多くすることができる。用いられる更に別のどのような逆フラッシュ用パルスでも、その性質は、前に記載した初期パルスの性質と同様なものにすることができる。どのような更に別の逆フラッシュパルスでも、その間に用いられるフラッシュ用液体の体積は、初期逆フラッシュパルスのものと同様であるか、又はそれより少なくてもよい。
【0026】
しかし、初期逆フラッシュパルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積は、或る場合には、フィルター素子の内部体積よりも少なく、例えば、それらの内部体積の半分より少なくすることができる。更に続く第二パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積は、その場合、初期パルスの体積と同様にしてもよい。更にどのような別のパルスを用いる場合でも、それらの性質及びそのようなパルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積は、第二パルスのものと同様でもよい。
【0027】
逆フラッシュ中の濾過媒体と濾滓を通る圧力差は、濾過媒体の目詰まり又は老化度により、10バールまでにすることができ、典型的には濾過圧力差よりも少なくとも1バール高い。
【0028】
フラッシュ用液体の流量は、濾過媒体について少なくとも6000リットル/時/mにすることができる。従って、濾過媒体を通る圧力差が約5バールである場合、フラッシュ用液体の流量は、濾過媒体の約6000リットル/時/mにすることができ、圧力差が約10バールの場合、約10000〜12000リットル/時/mにすることができる。
【0029】
本方法は、フィルター素子を、濾過又は逆フラッシュが行われない待ち時間、即ち素子の濾過媒体を通る液体の流れが存在しない時間を持つようにして、続く濾過を向上させることを含むのが好ましい。待ち時間は、60分まで、或はそれより長くさえすることができるが、30分より短いのが典型的であり、1分より短かくさえすることができる。
【0030】
逆フラッシュは、同様なやり方で行なってもよく、ここに参考のため入れるZA 94/0582、US 5599849、US 5844006に記載されているのと同様な逆フラッシュ用手段を用いて行なってもよい。このように、逆フラッシュは、残留液体生成物、即ち、第一濾液のみならず第二濾液を第二方向へフィルター素子を逆に通り、好ましくは各フィルター素子の第一導管中に位置している制限オリフィスも通って、加圧ガスにより強制的に導管中に送るか又は推進するかことにより行なってもよい。実質的に全ての残留液体生成物、即ち、第一濾液をフィルター素子から移動させ、開口幅近似粒径触媒粒子を含まない第二濾液によるフィルター素子の実質的逆フラッシュを確実に行うのに少なくとも充分な長い時間、逆フラッシュを行なった場合に、フィルター素子表面のクリーニングはかなり改善され、それにより続くその濾過性能を向上させることが判明している。前に示したように、このことは、フラッシュ用液体の全体積(第一濾液+第二濾液)が、逆フラッシュされる全てのフィルター素子の一緒にした内部体積の3倍を越えるような、充分長い時間逆フラッシュが行われた場合に達成することができる
【0031】
濾液導管及び第二濾液収集容器は、従って、逆フラッシュ手段の一部分を形成し、第二濾液収集容器もフラッシュ用液体容器も構成し、濾液導管の幾つかはフラッシュ用導管を構成する。当然、もし望むならば、その代わりに逆フラッシュ用手段は別のフラッシュ用導管のシステム又は配列を含んでいてもよく、それらは第二濾液収集容器をフィルター素子へ連結し、第二濾液フラッシュ用液体をフィルター素子へ送る。
【0032】
用いる逆フラッシュ手段とは無関係に、第二、即ち、逆方向にフィルター素子を通過する初期逆フラッシュ用液体の一部分は、濾過から逆フラッシュへの切り替えが行われる時に濾過及び逆フラッシュに共通のいずれかの導管及びフィルター素子中に存在する残留第一濾液から構成されているであろう。この残留第一濾液は、当然濾過の中断直前に、即ち、実質的濾滓が既に各フィルター素子の濾過媒体上に形成されてしまった時に、フィルター素子及び導管中に収集されている。そのような濾滓は濾過を助け、濾過工程が終わった時に残留第一濾液中に存在している開口幅近似粒径触媒粒子は、従って、濾過工程が開始された時に生じた第一濾液についての場合よりも小さくなっている可能性がある。更に、フラッシュ用液体の体積、即ち、逆フラッシュの時間は、逆フラッシュ用液体の実質的部分が開口幅近似粒径粒子を含まない第二濾液からなるように選択される。
【0033】
逆フラッシュ手段は、フラッシュ用導管の一つ中に逆フラッシュパルスを行わせるための少なくとも一つの即開バルブ(急速弁)等を含み、フラッシュ用液体容器を加圧するための加圧手段を含んでいてもよい。従って、容器に第二濾液が入っている場合、フラッシュ用液体容器を加圧し、次に希望の体積のフラッシュ用液体が、第二方向にフィルター素子列のフィルター素子を通過してしまうまで、即開バルブを作動させることにより逆フラッシュを行うことができる。加圧されたフラッシュ用液体容器を用いる代わりに、フィルター素子にフラッシュ用液体を供給するためにポンプを用いることができる。
【0034】
スラリー床中で触媒粒子が沈降するのを防ぐために、本方法はスラリー床中でスラリーを撹拌することを含んでいてもよい。撹拌は、スラリー床中のスラリーを少なくとも一つの降下器(downcomer)を通って高い水準から低い水準へ下方へ送ることを含んでいてもよい。スラリーは、スラリー床の第一降下器領域中に位置する少なくとも一つの降下器を下方へ通るのみならず、スラリー床の第二降下器領域中に位置する少なくとも一つの更に別の降下器を通って下方へ送られ、第二降下器領域が、第一降下器領域に対し垂直方向に間隔を開けて存在し、ここに参考として入れるZA 98/5992、PCT/GB 98/02070に教示されているように、スラリー床中に触媒粒子を再分布させるようにしてもよい。従って、降下器(単数又は複数)は、降下器の外側のスラリー床の領域中で、スラリー床に正味の上方への液体速度を与えるのに役立ち、それにより触媒を均一に近い懸濁状態に維持する。
【0035】
本方法は、スラリー床が不均質又は撹拌乱流状態(churn−turbulent flow regime)になっており、速く上昇する大きな気泡のガス状反応物、時にはプラグフロー(plug flow)の仕方で反応領域又はスラリー床を垂直方向に移動するガス状生成物からなる希薄相、及び液体相、即ち液体生成物、固体触媒粒子、及びガス状反応物とガス状生成物との一層小さな取り込まれた気泡を含む緻密相を含むように塔を操作することを含んでいてもよい。
【0036】
スラリーの幾らかを降下器を通って送るか、又は再循環させることにより、そのような降下器が無い場合よりも一層均一な触媒のスラリー床中での再分布を達成する。スラリー床中の触媒粒子は、このようにして、降下器が存在することにより起こされる上方への液体速度と一緒になって、スラリー床を通過する合成ガス流により生ずる撹乱により懸濁状態に維持される。触媒粒子を均一な懸濁状態に維持するために降下器を使用することにより、最適触媒粒径分布を選択した時に触媒が沈降する問題を回避できることが判明している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、ガス状反応物から液体及びガス状生成物を生成させるための本発明による方法の簡単化した工程図を示している。
【図2】図2は、図1に示したフィルター素子の一つの拡大側面図である。
【図3】図3は、図2の線III−IIIを通る部分的拡大断面図である。
【図4】図4は、図2の線IV−IVを通る部分的断面図である。本発明を、図面に関連して例として次に記述する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面において、参照番号10は、全体的にガス状反応物から液体及びガス状生成物を生成させる本発明による方法を示している。
【0039】
方法10は、直立円筒状フィッシャー・トロプシュ合成スラリー相反応容器12を含んでいる。
【0040】
容器12は、液体生成物中に懸濁した触媒粒子のスラリー床14が通常入っているスラリー床領域を与え、下で一層詳細に記述するように、それを通ってガスが通過する。スラリー床14は、上方表面16を有する。全反応器長さが約24mの場合、ガスがそれを通過する間、スラリー床14の拡大した高さは14〜18mであるのが典型的である。
【0041】
容器12の底に備えられたガス分配器20に合成ガス流ライン即ち導管18を接続し、一方、ガス流取り出しライン、即ち導管22が、容器12の頂部から出ている。
【0042】
方法10は、スラリー床14中の濾過領域22中に位置する複数の列状に配置した複数の筒形フィルター素子30(その幾つかだけが示されている)も含む。各フィルター素子30は、長い円筒状をしており、濾液又は液体収集領域33を包む円筒状濾過媒体32を含む。媒体32は、末端プレート34と支持リング36との間に位置する。取付け棒38が末端プレート34から突出し、一方フランジ付き液体出口40が支持リング36に与えられている。従って、出口40により、第一濾液又は液体生成物を、素子又はカートリッジ30の収集領域から取り出すことができる。素子30は、棒38及びフランジ付き出口40により容器12の適所に取付けられている。この取付けは、図面に詳細には示されてはいないが、容器12にまたがる格子又はグリッドへ棒38を接続することにより行われるのが典型的であり、一方出口は、後で記述するような導管に接続されている。
【0043】
濾過媒体32は、末端プレート34、36の間に伸びる周辺に間を開けて配置された長い支持体44に固定されるか、又はその中に埋められた螺旋状に巻いたワイヤー42を含む。従って、濾過開口又はスロット46は、ワイヤー42の隣接するループの間に与えられている。ワイヤー42は、開口又はスロット46に隣接して、収集領域の方へ互いに離れて行く傾斜をした表面47を有する。従って、ワイヤー42は、一層詳細に後で記述するように、液体生成物が、矢印49の方向にスロット46を通過する間に素子30により濾過される時に、触媒粒子の濾滓(図示されていない)が形成される表面48を有する。表面47が傾瀉している結果として、固体触媒粒子は、矢印49の方向に濾過される生成物が通過した時に、開口又はスロット46を容易には永久的に閉塞又は充満したりはしないであろう。
【0044】
フィルター素子30は、2〜12cmの外径を有し、ワイヤー42はステンレス鋼からなるのが典型的である。ワイヤー42の幅は、その底部では約1.2mmであるのが典型的であるが、好ましくは0.8mm又は0.5mmである。これによりスロットの幅の変動を一層少なくし、平均スロット幅を越える開口の数を減少する。スロット又は開口46の平均の幅は、10〜25μであるのが典型的であるが、20μ以下であるのが好ましい。これにより、フィルターの規定開口幅が希望より大きくなる可能性を減少する。それにより、濾過されるワックス中に達成される触媒含有量を10ppm以下にすることができる。間隙の大きさの変動が大きくなりどのフィルター間隙でもその最大開口が大きくなるに従って、平均間隙幅よりも大きな粒子がフィルター媒体を通過する可能性は大きくなる。濾過の技術に精通したものは、これが濾過装置の分離効率を減少することになることを知っている。この変動は、一般にフィッシャー・トロプシュ触媒、特に適切なコバルトフィッシャー・トロプシュ触媒の堅い性質により、逆フラッシュ中にフィルターの目詰まりの可能性を増大することも見出されている。間隙幅に近い堅い粒径の触媒粒子は、フィルター媒体の逆フラッシュ側に不可逆的に嵌まり込んだようになることがある。
【0045】
フィルター素子30の代わりに、セラミック又は焼結金属フィルター素子のようなどのような他の適当な長いフィルター素子又はカートリッジでも用いることができる。
【0046】
濾過領域22は、スラリー床中の充分高い水準の所に位置し、ガス供給18が中断されたならば、フィルター素子30が沈降した触媒領域の外側に位置するようになるのが好ましい。その結果、それらは床14が落ち込んだ時に沈降した固体又は触媒中に埋まらないようになる。しかし、濾過領域22が、必ずしもスラリー床14の頂部近くに配置される必要はなく、その代わり一層低い所に位置させることもできることが見出されている。なぜなら、そのような床の落ち込みが起きてそれら素子が沈降した固体又は触媒により完全に取り巻かれていても、フィルター素子30の永久的閉塞が依然として容易には起きないことが見出されているからである。濾過素子30は、ガス供給が中断された時にそれらが液体中に沈められたままになっており、ガスに曝されないように充分低い水準の所に配置されているのが好ましいが、フィルターの表面が触媒の付着を回避できるような形にされているならば、フィルターの露出は許容することができる。
【0047】
素子30は、それらの出口40を下方へ向けて配置し、濾液(液体生成物)と共にスロット46を通過するどのような固体又は触媒微粒子でもフィルター素子30の収集領域の底に収集される傾向を持つようにし、その底からそれらが液体生成物で洗浄除去されるようになるのが好ましい。
【0048】
フィルター素子30の各々の出口40に、制限オリフィス50を取付けた第一導管51を接続する。素子の列を構成する全てのフィルター素子30の導管51を、開閉バルブ52を取付けた共通の第二導管53へ接続する。全ての導管53は、即開バルブ56を取付けた共通の第三導管54に接続している。
【0049】
導管54は、第一濾液ブローダウン(blow down)容器又はドラム58中に通じ、開閉バルブ60が与えられている。導管62は、ドラム58から、シェンク(Schenk)(商標名)フィルターのような水平に配向した加圧葉状フィルターを含む第二濾過段階64へ通じている。残留物取り出しライン66は、第二濾液取り出しライン68と同様に、段階64から出ている。ライン68には、開閉バルブ70が取付けてある。
【0050】
導管68は、第二濾液ブローダウン容器72の頂部中へ通じている。液体流下導管74には開閉バルブ76が取付けられ、容器72の底から出ている。液体逆フラッシュ導管78には開閉バルブ80が取付けられ、バルブ76の上流にある導管74から出て導管60へ、バルブ56と60との間で戻る。
【0051】
制御バルブ84が取付けられた加圧用ガス導管又はライン82は、容器72の頂部に通じているのに対し、制御バルブ88が取付けられた通気導管又はライン86は、容器72の頂部から出ている。
【0052】
加圧用導管82を配備する代わりに、ポンプ(図示されていない)を導管78に配備してもよい。
【0053】
塔12は、少なくとも一つの降下器90を含む。冷却用コイル92も降下器90の下に配備されている。
【0054】
もし望むならば、第一降下器領域とは垂直に離れた位置にある第二降下器領域(図示されていない)も含む塔12では、降下器90は第一降下器領域に配備してもよい。その場合、少なくとも一つの降下器(図示されていない)が第二降下器領域中に配備され、この降下器は、降下器90とは同じ軸上に配列されないようにする。
【0055】
使用する場合、主に一酸化炭素及び水素を含む合成ガスが、ガス流ライン18に沿って反応容器12へ入る。容器12へのガス流量は、濾過領域の開口断面積に基づき、5〜70cm/秒、典型的には、約30〜40cm/秒の見掛けのガス速度を濾過領域22中に与えるような速度である。
【0056】
スラリー床14を、反応容器12中に維持する。スラリー床14は、液体生成物、即ち、ガス状反応物の反応で容器12中で生成した液体ワックス中に懸濁した触媒粒子を含む。触媒粒子は、スラリー床14中で、特に濾過領域22中で、上方へそこを通過するガスによりその中に生じた乱流により懸濁状態に維持される。この乱流も、濾過媒体上に過剰の濾滓が蓄積するのを防ぎ、それによって媒体を通る濾過を促進するものと考えられる。
【0057】
容器12は、20バール〜30バール、典型的には、約25バールの操作圧力、及び180℃〜260℃、典型的には、約220℃〜約240℃の操作温度に維持されるのが典型的である。しかし、前に記載したように、要求されるガス状及び液体生成物の性質及び広がり及び用いられる触媒の種類により、操作圧力は25バールを越えてもよく、操作温度も240℃より高くても、または220℃より低くてもよい。勿論、容器12には、反応温度を制御するための冷却用コイル92のような適当な温度調節手段のみならず、圧力制御バルブのような適当な圧力制御手段が配備されるであろう。
【0058】
容器12では、合成ガスがスラリー床14を通過する間に、一酸化炭素と水素とが反応して、既知のフィッシャー・トロプシュ反応に従い或る範囲の生成物を形成する。これらの生成物の或るものは、容器12の操作条件でガス状形態になり、未反応合成ガスと一緒にガス流ライン20に沿って取り出される。既に言及したワックスのような生成した生成物の或るものは、容器12の操作条件で液体状態になっており、触媒粒子の懸濁媒体として働く。液体生成物が形成されると、スラリーベットの液面16は自然に上昇し、従って、液体生成物はフィルター素子30及びランダウン(rundown)容器58により濾過領域中に引き込まれ、スラリーベットの液面を維持する。この内部濾過は、濾過素子30の操作サイクルの第一段階を構成する。
【0059】
用いた触媒は、鉄系又はコバルト系触媒であるのが典型的であり、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物がスラリー床中に形成される。鉄系触媒の場合、フィルター素子30の濾過媒体の規定開口幅は、25μであるのが典型的である。その場合、生成物混合物は、xμより大きな大きさ、例えば、直径を有する大きな触媒粒子、大きさが1〜25μである開口幅近似粒径触媒粒子、及び1μより小さな微細触媒粒子を含むであろう。このようにして、大きな触媒粒子はフィルター素子の濾過開口46を通過せず、フィルター素子の外側に濾滓となって蓄積するであろう。液体生成物、開口幅近似粒径触媒粒子、及び微細粒子を含む第一濾液は、濾過開口を通過し、導管53及び54により容器58中へ送られるであろう。そこから、それは第二濾過段階64を通り、そこで開口幅近似粒径粒子は液体生成物から除去される。液体生成物及び微細触媒粒子を含む第二濾液は、第二濾過段階64から、ライン68により、ドラム容器72中へ送られる。
【0060】
容器72は、ライン82に沿って導入された加圧用ガスにより上昇させた圧力に維持されるが、それは容器12中の圧力よりも低い。容器72中の圧力は、濾過素子30とその上に蓄積した全ての濾滓である濾過媒体を通る圧力差が約2〜4バールになるように設定されるのが典型的である。
【0061】
このやり方で、反応器中に比較的一定したスラリー床レベルが維持される。しかし、濾滓が或る厚さまで蓄積すると、フィルター素子30の操作サイクルの第二段階で、それは濾過媒体から逆フラッシュされなければならない。逆フラッシュは、即開バルブ56及びバルブ60を閉めることにより行われる。次に容器72中の圧力を、ガス加圧用ライン82によって、容器12中の操作圧力よりも高い圧力へ増大する。流下導管中の液体(ワックス)の静水ヘッドの結果として、即開バルブ56の所の液体圧力は、容器72中の圧力より僅かに低いが、逆フラッシュするのには依然として充分な圧力であるのが典型的である。このように、容器72には第二濾液が入っているであろう。
【0062】
逆フラッシュは、フィルター素子30の一つの列について、容器72からの第二濾液を用いて一度にパルス状のやり方で行う。従って、逆フラッシュ中、バルブ52の一つを開き、残りのバルブ52を閉じる。バルブ80は開く。第一逆フラッシュ工程では、即開バルブ56を迅速に0.8秒未満開き、典型的にはフラッシュされる素子列を構成するフィルター素子30の内部体積に少なくとも等しい体積、一層好ましくは逆フラッシュされるフィルター素子30の一緒にした内部体積の3倍より多くの体積の第二濾液を容器72から送る。この第二濾液は逆フラッシュ用導管78、及び導管54、53、及び51を通って流れ、濾過中に生成物が流れる方向とは逆の第二方向に素子30の列を通過するフラッシュ用液体を構成する。これは、30秒まで掛かるのが典型的である。然る後、即開バルブ56を再び閉める。
【0063】
もし第二の逆フラッシュ工程が望まれるならば、その場合には、容器72を再び加圧する。第二パルス状逆フラッシュ工程では、即開バルブ56を再び迅速に2回目のために開く。然る後、バルブ56を再び閉める。もし望むならば、濾過素子のその特定の列について、少なくとも1回の更に別の同様な逆フラッシュ工程を行ってもよい。
【0064】
次に残りの素子列を、適当なバルブ52を開閉して同様に逆フラッシュすることができる。
【0065】
然る後、フィルター素子30の各列の操作サイクルの第三段階で、フィルター素子を、それらを液体が通過しない待ち時間にかける。本出願人は、フィルター素子30をその後で再び前に述べたような濾過にかけると、濾過速度が、待ち時間、即ち、非活動時間の増大と共に増大することを見出している。しかし、これは、これらの待ち時間中にフィルター素子が作動していない欠点に対してバランスさせなければならない。10〜30分の待ち時間が良好な結果を与えることが判明している。しかし、待ち時間は、10分より短くすることもできる。この待ち時間の間、素子30のフィルター媒体から緩んだ触媒濾滓及び逆フラッシュ段階中に部分的に破壊された触媒濾滓は、更に効果的に破壊され、フィルター媒体表面から除去され、スラリー床14内の乱流によりフィルター30から遠い所で再混合されると考えられる。更に、濾過領域22を通るガスの見掛けの速度は、待ち時間の最適長さに影響を与えることがあると考えられる。
【0066】
幾らかのスラリーは、連続的に降下器90を通って下方へ送られており、それによりスラリー床14内に触媒粒子の均一な再分布を達成し、下で一層詳細に記述するように、スラリー床全体に亙って均一な熱分布を確実に与える。
【0067】
容器、即ち、塔12は、そのスラリー床14が不均質か又は撹拌乱流状態になり、ガス状反応物の速く上昇する比較的大きな気泡、及び実質的にプラグフロー状態でスラリー床を横切るガス状生成物からなる希薄相と、液体生成物、固体触媒粒子、及びガス状反応物及びガス状生成物の取り込まれた比較的小さな気泡を含む緻密な相とを含むように操作される。
【0068】
このように、容器72、加圧用ガスライン82、導管74、78、54、53、及び51、及びバルブ80、56、及び52は、一緒になって逆フラッシュ用手段を構成する。しかし、逆フラッシュのために、濾過用に用いられている導管54及び53及びバルブ56及び52を用いる代わりに、容器72をフィルター素子30へ接続する別の、又は専用の逆フラッシュ用導管配列(図示されていない)及び付随するバルブを配備することができることは認められるべきである。更に、望むならば、逆フラッシュのために逆フラッシュ用容器72を用いる代わりに、逆フラッシュ用手段は、導管74、78等、又は専用の逆フラッシュ用導管配列へ接続した別の逆フラッシュ用容器(図示されていない)を含み、その別の逆フラッシュ用容器には、その場合、第二濾液、例えば、前の濾過操作、又は別の同様な過程から得られた第二濾液が入っていてもよい。
【0069】
本出願人は、第一濾過段階の濾過素子が第一濾液、即ち、第一濾過ワックスで逆フラッシュして、その上に形成された濾滓を除去する場合、内側からフィルターの閉塞が起きることがあることを見出している。このことは、第一濾液中に開口幅近似粒径触媒粒子及び微細触媒粒子が存在している結果である。この種の閉塞は不可逆的であり、第一濾液中に開口幅近似粒径触媒粒子が存在することによって起き、或は第一濾液中に多量に存在するならば、微細触媒粒子によっても起こされる。
【0070】
本発明は、開口幅近似粒径触媒粒子を第二濾過段階64で第一濾液から除去するので、この問題を解決する手段を与えている。
【0071】
本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.ガス状反応物から液体生成物、場合によりガス状生成物も生成させる方法において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低い水準で供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物、及び場合によりガス状生成物も形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμの規定開口幅を有し、その結果xμより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、開口幅近似粒径触媒粒子、及び微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子、及び場合により幾らかの微細触媒粒子を液体生成物から分離し、それにより液体生成物、及び場合により微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法。
2.懸濁液体が、液体生成物である、1に記載の方法。
3.炭化水素合成がフィッシャー・トロプシュ合成であり、ガス状反応物が、主に一酸化炭素及び水素を含む合成ガス流の形態をしており、液体及びガス状の両方の炭化水素生成物が生成し、従って、触媒粒子がフィッシャー・トロプシュ触媒粒子である、2に記載の方法。
4.容器中にスラリー床が与えられ、反応しなかった反応物及びガス状生成物をスラリー床の上の容器から取り出し、前記容器をフィッシャー・トロプシュ合成圧力及び温度条件に維持する、3に記載の方法。
5.スラリー床中の大きな触媒粒子が、xμより大きな粒径を有し、一方、開口幅近似粒径触媒粒子が1μ〜約xμの粒径範囲を有し、微細触媒粒子が1μより小さい、4に記載の方法。
6.触媒が鉄系又はコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒である、5に記載の方法。
7.触媒が鉄系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が25μであり、第一濾過段階で25μより大きな触媒粒子が濾別され、濾過媒体上に濾滓を形成し、1μ〜25μの範囲の粒径を有する触媒粒子が、開口幅近似粒径触媒粒子であり、一方、1μより小さなものが微細触媒粒子である、6に記載の方法。
8.触媒がコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が10μである、7に記載の方法。
9.濾過媒体が、容器の内側に取付けられた長い形をしたフィルター素子の一部分であり、濾過媒体が円筒状をし、濾液収集領域を取り巻いており、濾液を取り出すための濾液出口が、フィルター素子の一方の端の所に与えられている、4〜8のいずれか1項に記載の方法。
10.第一濾過段階が、スラリー床の内部に位置する、9に記載の方法。
11.スラリー床の上方表面の下にある濾過領域内の異なった水準に位置する、複数のフィルター素子を与えることを含む、10に記載の方法。
12.濾過媒体を通る液体生成物の通過が、濾過媒体及びその上に蓄積した濾滓を通って圧力差を加えることにより行われる、11に記載の方法。
13.圧力差が、第一濾液を取り出して、前記容器よりも低い圧力にある第一濾液収集容器へ入れることにより達成され、フィルター素子の濾液出口が、液体生成物導管によって第一濾液収集容器へ接続されている、12に記載の方法。
14.第二濾過段階が、容器の外側に位置している、12又は13に記載の方法。
15.第二濾過段階が、垂直又は水平に配向させた圧力葉状フィルターにより与えられる、14に記載の方法。
16.第二濾過段階が、濾過可能な粒状フィルター補助材料を含む、14又は15に記載の方法。
17.逆フラッシュが、第一濾過段階の濾過媒体を通る液体生成物の通過が中断される時間の少なくとも一部分で行われる、12〜16のいずれか1項に記載の方法。
18.逆フラッシュが、パルス状の仕方で行われる、17に記載の方法。
19.逆フラッシュが、フラッシュ用液体の最初のパルス、続く一つ以上のフラッシュ用液体の更に別のパルスを含み、各逆フラッシュ用パルスが、逆フラッシュを迅速に開始すること、及び或る体積のフラッシュ用液体を用いて素子を迅速に逆フラッシュすることを含む、18に記載の方法。
20.初期パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積が、フィルター素子の内部体積の少なくとも3倍である、19に記載の方法。
21.第二パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積が、初期パルス中に用いられたものよりも少ない、20に記載の方法。
22.逆フラッシュ中に濾過媒体及び濾滓を通る圧力差が、濾過媒体の閉塞又は老化度により、10バールまでである、11〜21のいずれか1項に記載の方法。
23.フラッシュ用液体流量が、濾過媒体について少なくとも6000リットル/時/mである、11〜22のいずれか1項に記載の方法。
24.フィルター素子を、濾過又は逆フラッシュが行われていない待ち時間にかけ、その結果、素子の濾過媒体を通る液体の流れがないようにし、後の濾過を向上させる、11〜23のいずれか1項に記載の方法。
25.スラリー床中のスラリーを撹拌し、触媒粒子の沈降を防ぐことを含む、9〜24のいずれか1項に記載の方法。
26.撹拌が、スラリー床中のスラリーを、高い水準から低い水準へ少なくとも一つの降下器を通って下方へ送ることを含む、25に記載の方法。
27.スラリー床が、不均質又は撹拌乱流状態になっており、ガス状反応物及び時にはガス状生成物の速く上昇する大きな気泡からなり、実質的にプラグフローの仕方で反応領域又はスラリー床を横切る希薄相と、液体生成物、固体触媒粒子、及びガス状反応物及びガス状生成物の取り込まれた比較的小さな気泡を含む緻密相とを含むように容器を操作することを含む、26に記載の方法。
【0072】
また、本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.ガス状反応物から液体生成物、場合によりガス状生成物も生成させる方法において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低い水準で供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物、及び場合によりガス状生成物も形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμの規定開口幅を有し、その結果xμより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、1μ〜xμの粒径範囲の開口幅近似粒径触媒粒子、及び1μより小さな微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子、及び場合により幾らかの微細触媒粒子を液体生成物から分離し、それにより液体生成物及び微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法。
【0073】
また、本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.ガス状反応物から液体生成物及びガス状生成物を生成させる方法において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低いレベルで供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物及びガス状生成物を形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμmの規定開口幅を有し、その結果xμmより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、1μm〜xμmの粒径範囲の開口幅近似粒径触媒粒子、及び1μmより小さな微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子及び微細触媒粒子の一部を液体生成物から分離し、それにより液体生成物及び微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法。
2.懸濁液体が、液体生成物である、1に記載の方法。
3.炭化水素合成がフィッシャー・トロプシュ合成であり、ガス状反応物が、主に一酸化炭素及び水素を含む合成ガス流の形態をしており、液体及びガス状の両方の炭化水素生成物が生成し、従って、触媒粒子がフィッシャー・トロプシュ触媒粒子である、2に記載の方法。
4.容器中にスラリー床が与えられ、反応しなかった反応物及びガス状生成物をスラリー床の上の容器から取り出し、前記容器をフィッシャー・トロプシュ合成圧力及び温度条件に維持する、3に記載の方法。
5.触媒が鉄系又はコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒である、4に記載の方法。
6.触媒が鉄系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が25μmであり、第一濾過段階で25μmより大きな触媒粒子が濾別され、濾過媒体上に濾滓を形成し、1μm〜25μmの範囲の粒径を有する触媒粒子が、開口幅近似粒径触媒粒子であり、一方、1μmより小さなものが微細触媒粒子である、5に記載の方法。
7.触媒がコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が10μmである、6に記載の方法。
8.濾過媒体が、容器の内側に取付けられた長い形をしたフィルター素子の一部分であり、濾過媒体が円筒状をし、濾液収集領域を取り巻いており、濾液を取り出すための濾液出口が、フィルター素子の一方の端の所に与えられている、4〜7のいずれか1項に記載の方法。
9.第一濾過段階が、スラリー床の内部に位置する、8に記載の方法。
10.スラリー床の上方表面の下にある濾過領域内の異なったレベルに位置する、複数のフィルター素子を与えることを含む。9に記載の方法。
11.濾過媒体を通る液体生成物の通過が、濾過媒体及びその上に蓄積した濾滓を通って圧力差を加えることにより行われる、10に記載の方法。
12.圧力差が、第一濾液を取り出して、前記容器よりも低い圧力にある第一濾液収集容器へ入れることにより達成され、フィルター素子の濾液出口が、液体生成物導管によって第一濾液収集容器へ接続されている、11に記載の方法。
13.第二濾過段階が、容器の外側に位置している、11又は12に記載の方法。
14.第二濾過段階が、垂直又は水平に配向させた圧力葉状フィルターにより与えられる、13に記載の方法。
15.第二濾過段階が、濾過可能な粒状フィルター補助材料を含む、13又は14に記載の方法。
16.逆フラッシュが、第一濾過段階の濾過媒体を通る液体生成物の通過が中断される時間の少なくとも一部分で行われる、11〜15のいずれか1項に記載の方法。
17.逆フラッシュが、パルス状の仕方で行われる、16に記載の方法。
18.逆フラッシュが、フラッシュ用液体の最初のパルス、続く一つ以上のフラッシュ用液体の更に別のパルスを含み、各逆フラッシュ用パルスが、逆フラッシュを迅速に開始すること、及び或る体積のフラッシュ用液体を用いて素子を迅速に逆フラッシュすることを含む、17に記載の方法。
19.初期パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積が、フィルター素子の内部体積の少なくとも3倍である、18に記載の方法。
20.第二パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積が、初期パルス中に用いられたものよりも少ない、19に記載の方法。
21.逆フラッシュ中に濾過媒体及び濾滓を通る圧力差が、濾過媒体の閉塞又は老化度により、10バールまでである、10〜20のいずれか1項に記載の方法。
22.フラッシュ用液体流量が、濾過媒体について少なくとも6000リットル/時/mである、10〜21のいずれか1項に記載の方法。
23.フィルター素子を、濾過又は逆フラッシュが行われていない待ち時間にかけ、その結果、素子の濾過媒体を通る液体の流れがないようにし、後の濾過を向上させる、10〜22のいずれか1項に記載の方法。
24.スラリー床中のスラリーを撹拌し、触媒粒子の沈降を防ぐことを含む、8〜23のいずれか1項に記載の方法。
25.撹拌が、スラリー床中のスラリーを、高いレベルから低いレベルへ少なくとも一つの降下器を通って下方へ送ることを含む、24に記載の方法。
26.スラリー床が、不均質又は撹拌乱流状態になっており、ガス状反応物及びガス状生成物の速く上昇する大きな気泡からなり、実質的にプラグフローの仕方で反応領域又はスラリー床を横切る希薄相と、液体生成物、固体触媒粒子、及びガス状反応物及びガス状生成物の取り込まれた比較的小さな気泡を含む緻密相とを含むように容器を操作することを含む、25に記載の方法。
【0074】
また、本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.ガス状反応物から液体生成物及びガス状生成物を生成させる方法において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低いレベルで供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物及びガス状生成物を形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
スラリー床の内部に位置する、第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμmの規定開口幅を有し、その結果xμmより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、1μm〜xμmの粒径範囲の開口幅近似粒径触媒粒子、及び1μmより小さな微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子及び微細触媒粒子の一部を液体生成物から分離し、それにより液体生成物及び微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法。
2.懸濁液体が、液体生成物であり、炭化水素合成がフィッシャー・トロプシュ合成であり、ガス状反応物が、主に一酸化炭素及び水素を含む合成ガス流の形態をしており、液体及びガス状の両方の炭化水素生成物が生成し、従って、触媒粒子がフィッシャー・トロプシュ触媒粒子である、1に記載の方法。
3.容器中にスラリー床が与えられ、反応しなかった反応物及びガス状生成物をスラリー床の上の容器から取り出し、前記容器をフィッシャー・トロプシュ合成圧力及び温度条件に維持する、2に記載の方法。
4.触媒が鉄系又はコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、鉄系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が25μmであり、第一濾過段階で25μmより大きな触媒粒子が濾別され、濾過媒体上に濾滓を形成し、1μm〜25μmの範囲の粒径を有する触媒粒子が、開口幅近似粒径触媒粒子であり、一方、1μmより小さなものが微細触媒粒子である、3に記載の方法。
5.触媒がコバルト系フィッシャー・トロプシュ触媒であり、濾過開口の規定開口幅が10μmである、4に記載の方法。
6.濾過媒体が、容器の内側に取付けられた長い形をしたフィルター素子の一部分であり、濾過媒体が円筒状をし、濾液収集領域を取り巻いており、濾液を取り出すための濾液出口が、フィルター素子の一方の端の所に与えられている、3〜5のいずれか1項に記載の方法。
7.スラリー床の上方表面の下にある濾過領域内の異なったレベルに位置する、複数のフィルター素子を与えることを含む。6に記載の方法。
8.濾過媒体を通る液体生成物の通過が、濾過媒体及びその上に蓄積した濾滓を通って圧力差を加えることにより行われる、7に記載の方法。
9.圧力差が、第一濾液を取り出して、前記容器よりも低い圧力にある第一濾液収集容器へ入れることにより達成され、フィルター素子の濾液出口が、液体生成物導管によって第一濾液収集容器へ接続されている、8に記載の方法。
10.第二濾過段階が、容器の外側に位置している、8又は9に記載の方法。
11.第二濾過段階が、垂直又は水平に配向させた圧力葉状フィルターにより与えられる、10に記載の方法。
12.第二濾過段階が、濾過可能な粒状フィルター補助材料を含む、10又は11に記載の方法。
13.逆フラッシュが、第一濾過段階の濾過媒体を通る液体生成物の通過が中断される時間の少なくとも一部分で行われる、8〜12のいずれか1項に記載の方法。
14.逆フラッシュが、パルス状の仕方で行われ、逆フラッシュが、フラッシュ用液体の最初のパルス、続く一つ以上のフラッシュ用液体の更に別のパルスを含み、各逆フラッシュ用パルスが、逆フラッシュを迅速に開始すること、及び或る体積のフラッシュ用液体を用いて素子を迅速に逆フラッシュすることを含む、13に記載の方法。
15.初期パルス中に用いられるフラッシュ用液体の体積が、フィルター素子の内部体積の少なくとも3倍である、14に記載の方法。
16.逆フラッシュ中に濾過媒体及び濾滓を通る圧力差が、濾過媒体の閉塞又は老化度により、10バールまでである、7〜15のいずれか1項に記載の方法。
17.フラッシュ用液体流量が、濾過媒体について少なくとも6000リットル/時/mである、7〜16のいずれか1項に記載の方法。
18.フィルター素子を、濾過又は逆フラッシュが行われていない待ち時間にかけ、その結果、素子の濾過媒体を通る液体の流れがないようにし、後の濾過を向上させる、7〜17のいずれか1項に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状反応物から液体生成物、場合によりガス状生成物も生成させる方法において:
懸濁液体中に懸濁した固体触媒粒子のスラリー床中へガス状反応物を低い水準で供給し;
前記ガス状反応物を、それらが前記スラリー床を通って上方へ行く間に反応させ、それにより液体生成物、及び場合によりガス状生成物も形成させ、然も、前記反応には触媒粒子により触媒作用が与えられ、液体生成物及び或る範囲の粒径を有する触媒粒子を含む生成物混合物を形成し;
第一濾過段階で、前記液体生成物が通過する複数の濾過開口を有する濾過媒体に前記液体生成物を通すことにより、前記生成物混合物を第一濾過にかけ、然も、前記液体生成物は前記濾過開口を第一方向に通過し、前記濾過開口はxμの規定開口幅を有し、その結果xμより大きな粒径を有する大きな触媒粒子が前記液体生成物から分離され、それにより液体生成物、開口幅近似粒径触媒粒子、及び微細触媒粒子を含む第一濾液を得;
第二濾過段階で、前記第一濾液を第二濾過にかけ、前記開口幅近似粒径触媒粒子、及び場合により幾らかの微細触媒粒子を液体生成物から分離し、それにより液体生成物、及び場合により微細触媒粒子を含む第二濾液を得;
前記第一濾液段階で前記濾過媒体上に触媒粒子の濾滓を蓄積させ;
前記第一濾過段階で前記濾過媒体を通る液体生成物の通過を時々中断し;そして
前記液体生成物の通過が中断されている時間の少なくとも一部分の間、第二濾液をフラッシュ用液体として前記第一方向とは反対の第二方向に前記濾過媒体に通すことにより前記濾過媒体を逆フラッシュし、それにより前記濾過媒体から前記濾滓を離脱させる;
ことを含む生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−61464(P2012−61464A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228091(P2011−228091)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【分割の表示】特願2006−520028(P2006−520028)の分割
【原出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(500159211)サソール テクノロジー(プロプライエタリー)リミテッド (25)
【Fターム(参考)】