説明

液体のモニタリングのためのサンプリング装置およびサンプリング方法

水面下位置からの液体の化学的特性または生物学的特性を測定するための方法および装置が開示され、密封されたケーシングが、試料採取されるべき液体中に沈められる。サンプリングのための液体の流れは、静水圧により駆動され、したがって正確な水面下位置に配置される際に、ポンプまたは同様のものとは無関係である。流量は、本発明の第1の態様においては、サンプリング期間中に一定の静水圧を提供することにより制御される。代替としては、入口が、トレーサ物質を含むカートリッジを備え、これは、液体により部分的に溶解され、流量に比例して放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水面下位置から液体の化学的特性または生物学的特性を測定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば地下水、河川、湖を含む天然水塊から液体サンプルを採取するために最も頻繁に利用される方法は、密閉されたケーシング中へ一定容積の液体を汲み上げることによるものである。例えば地下水井戸において、一般的な方法は、地下水井戸の中へポンプを沈め、地面上のサンプル容器へ管を介して地下水を汲み上げることである。
【0003】
汲上げを回避するために、井戸内の孔の下方で水を試料採取し、したがって地表面へ水を積極的に汲み上げる必要性を回避させる、例えば米国特許第6,481,300号に開示された装置などの、いわゆる非パージ型試料採取装置(no−purge sampler)が開発されてきた。低流量サンプリング井戸挿入が、PCT国際公開WO2003/072908(Learned)に開示され、そこでは、サンプル管内への流入は、サンプル管へ下方圧力を加えた後で可能となる。同方法の欠点は、サンプリングが低速であるため、サンプリング管に進入する揮発性化合物が、揮発し得る、およびサンプリング管から空気出口を通ってやはり除去され得ることである。
【0004】
湖または海において、サンプル・ケーシングが、ある深さに下ろされ、周囲の水のケーシングへの進入を可能にするアクチュエータ(電子式またはその他)によって瞬間的に充填される方法を利用することも可能である(例えば、米国特許第3,367,191号、Richard)。変更形態が、同時に開かれる、いくつかの深さにおけるいくつかのサンプリング・ケーシングであってよい(例えば、欧州特許第1 521 954号、Sauter)。これらのいわゆるグラブ・サンプルの収集の後に、通常、ケーシングは、冷蔵保管され、溶質の化学的特性および化学的濃度のその後の分析のために実験室に運ばれる。実験室内で測定されるしばしば測定されるパラメータは、植物栄養素、特に、窒素およびリン、重金属、虫害防除剤、ならびに他の有機汚染物質である。
【0005】
上述で説明された方法の重大な限界点は、取得された結果がある指定期間での濃度値を表すということである。しばしば、水の中の化学物質の濃度は、時間が経てば大きく変化する。例えば数ヶ月から1年までのより長期間にわたる代表平均濃度を得るためには、同期間中にいくつかのサンプルを取得することが必要であり、これは、これが度重なる現地訪問および化学分析を要するため、多大な費用がかかり、多大な時間を要する。
【0006】
上述の方法により直面する他の問題は、多数の化学的パラメータについて、取得された水のサンプルが実験室内で分析される前に、恒存のために取得された水のサンプルを冷蔵することが必要であるという点である。したがって、サンプル容器は、冷蔵条件下で輸送されなければならず、化学分析は、サンプリング実施の直後に実施されなければならない。さらに、液体および溶解された化学物質が、管およびサンプル容器などの設備に物理的に接触するのを回避することができない。したがって、これらの材料は、これらが測定されるべき化合物に干渉しない、または測定されるべき化合物を吸着しないように、選択されることが重要である。また、これらの材料は、誤検出を避けるために非常に清浄でなければならず、これは、非常に低濃度値で検出される微細汚染物質に関して特に重要である。したがって、例えば管、フラスコなどの使い捨ての設備が、使用され、またはサンプル容器が、2度のサンプリングの間で非常に徹底的に洗浄されなければならない。同洗浄プロセスは、多大な時間およびエネルギーを要し、また有機溶媒の頻繁な使用を要する。
【0007】
時間分解された情報を取得するための1つの方法は、通常は電子装置により時間制御されるポンプを使用することにより時間内に一連のサンプルを採集する、自動試料採取装置の使用によるものである。同ポンプは、センサに応じて、または予めプログラムされた時間間隔の後に、一連の容器の中に液体を移送し、それによってユーザがその位置に物理的に存在することなく、一連のサンプルを収集する(例えばドイツ国特許第198 36 292号を参照)。水サンプルは、個別に分析されることが可能であり、またはそれらは、時間平均濃度が取得されることが可能となるように混合されることが可能である。しかし、水サンプルの恒存の問題がまだなお該当しており、したがって、好ましくは、水サンプル・装置は、より長期間にわたってサンプルを採取する場合には冷蔵されるべきである。結果として、これらの装置は、電力を要し、度重なる現場訪問が、バッテリー電源または同様のものの交換のために実施されなければならず、そのためこれらは遠隔地用にはあまり適さない。
【0008】
PCT国際公開WO98/40717(FiedlerとDavison)に開示されるのは、改善された自動試料採取装置であり、ポンプは、対象の溶質を吸着するように選択された吸着剤を充填された収集カートリッジ、いわゆる固相抽出カートリッジを介して、制御された速度で水を移送するために使用される。装置がある一定量の時間の間設置された後に、カートリッジは、実験室へ運ばれ、吸着された溶質は、吸着剤から抽出され、標準的な方法を利用して測定される。ポンプは制御された流量で作動しているため、カートリッジを通る水量を確認することも、したがってサンプリング期間中の平均溶質濃度を過去に遡って算出することも可能である。地下水中の化学物質の時間平均サンプリング用の同様の装置が、米国特許第4,717,473号(ScottとRussel)に開示され、ポンプ・ユニットおよび吸着媒体カートリッジが、地下水井戸内の孔の下方に設置される。同方法は、現場固相抽出法と呼ばれ、主な利点は、それが水性サンプルの保管の必要を不要とする点にある。しかし、これらの装置は、電力を消費するポンプおよび他の電子機能をやはり有し、試料採取装置を、費用のかかる、点検整備を要しがちなものにしてしまう。
【0009】
PCT国際公開WO03/098167(de JongeとRothenberg)およびPCT国際公開WO01/33173において、液体および溶解溶質のフラックスを推定するために、移動する液体中に配置される受動サンプリング装置が、開示される。説明されるのは、とりわけ地下水および帯水層中における適用例である。これらの装置は、周囲の液体に毛管(毛細管)接触する、多孔性液体透過性ユニットから構成される。透過性ユニットは、対象の固体を捕捉する吸着剤と、試料採取装置を通る液体の容積に比例してユニットから浸出されるトレーサ化合物とを含む。技術的手順が、対象の媒体の中へ装置を設置し、ある一定期間にわたる周囲の液体との受動毛細接触を可能にすることと、装置を除去することと、溶質の累積量およびトレーサ化合物の残存量を取得することとを伴う。利点は、これらの装置は、溶質および液体のin−situフラックス(質量および運動量の動向)と、溶質濃度を測定するだけである上述の方法とは対照的に平均濃度(容積単位の質量)との両者を、測定することが可能であることである。また、これらの装置は、電力消費型の機能を有さず、したがって遠隔地にて長期間の間設置される場合に、点検整備される必要がない。これらの方法は、設置期間の最適な長さが、試料採取装置付近の流体運動量フラックスの大きさにより決定され、フラックスがより低いほど、正確なフラックス測定を実施するのにより時間がかかるという欠点を有する。明らかに、通常は、フラックスの大きさは、装置の目的が実際のフラックスの測定であるため、先験的には知られない。他の欠点は、これらの装置は、湖、海洋環境、および池などの屋外の水塊における適用例には、これらの環境における流れが正確に計測されるには過度に高速である、過度に乱流的である、または過度に低速であるため、適さないという点である。これらの装置は、層流条件に依拠するため、この場合、これらは、溶質フラックスも溶質濃度も測定することができない。
【0010】
他の受動サンプリング方法が、管と、地下水井戸の中に直接的に設置された吸着媒体を有するカートリッジとを使用した(Pankowら、「Ground Water」23巻、第6号、1985年)。同カートリッジは、管および流量制限装置に連結され、管は地面に通じ、カートリッジは井戸の下方に下ろされ、水柱が、吸着媒体を含むカートリッジを介して水を圧縮した。同方法による主要な欠点は、サンプリングの流量は、管内を上昇する水柱が、背圧の漸進的な上昇を引き起こし、それと共にサンプリング流量の低下を引き起こすため、経時的に一定でないという点である。したがって、同方法は、時間平均濃度を取得するためにはあまり適さない。
【0011】
他の文献が、受動試料採取装置を開示し、周囲の液体から収集装置への物質移動が、試料採取された液体に対しては不透過性であるが、調査される溶質に対しては透過性である膜を介して生じる(米国特許第5,996,423号、PCT国際公開WO92/04646、米国特許第5,904,743号、PCT国際公開WO01/14852)。次いで、半透過性膜を介する物質移動は、拡散作用によって支配され、周囲の液体中の溶質の質量濃度が、均衡値または拡散パラメータを使用して算出される。同方法の重要な特徴は、それが、自由溶解相のみを測定し、したがって生物学的に利用可能な割合の基準としてしばしば使用されるという点である。また、同方法においては、これらの装置は、より長期間にわたり溶質を試料採取することが原則的に可能である。同方法の1つの欠点は、膜に直接的に隣接する流体媒体中の溶質の濃度が、液体の混合状態に、したがって膜の周囲の乱流および/または流量に左右される点である(Gustavson,K.E.、Harkin J.M.、「Environ.Sci.Technol.」2000年、34、4445−4451)。十分な混合がない状態において、膜を介する物質移動は、周囲の流体媒体中の液体フラックスの大きさによって制御され、拡散パラメータを用いた濃度の直接的な逆算は、もはや不可能となる。他の欠点は、各単独的に観測された分子に関する拡散係数が、個別に照応されなければならないという点である(Huckinsら、「Environ.Sci.Technol.」1999年、33、3918−3923)。拡散パラメータは、温度変化に非常に敏感であり得る。他の欠点は、これらの装置が、リン、重金属、無極汚染物質などの強度に吸着される化合物のキャリアとして作用することが可能である流動性コロイドに対して透過性でない点である。したがって、懸濁されたコロイドに吸着された溶質は、これらの装置を使用して試料採取されない。
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,481,300号
【特許文献2】PCT国際公開WO2003/072908
【特許文献3】米国特許第3,367,191号
【特許文献4】欧州特許第1 521 954号
【特許文献5】ドイツ国特許第198 36 292号
【特許文献6】PCT国際公開WO98/40717
【特許文献7】米国特許第4,717,473号
【特許文献8】PCT国際公開WO03/098167
【特許文献9】PCT国際公開WO01/33173
【非特許文献1】Pankowら、「Ground Water」23巻、第6号、1985年
【特許文献10】米国特許第5,996,423号
【特許文献11】PCT国際公開WO92/04646
【特許文献12】米国特許第5,904,743号
【特許文献13】PCT国際公開WO01/14852
【非特許文献2】Gustavson,K.E.、Harkin J.M.、「Environ.Sci.Technol.」2000年、34、4445−4451
【非特許文献3】Huckinsら、「Environ.Sci.Technol.」1999年、33、3918−3923
【特許文献14】米国特許第5,259,450号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、既知の装置に関する解決されるべき全課題は、汲上げ機能、真空機能、または他の電力消費機能、およびそのための装置なしに、より長期間にわたる、停滞するまたは流動する液体の高精度の平均化学的特性または平均生物学的特性のin−situサンプリングのための方法を提供することである。
同課題および他の課題が、特許請求の範囲中におよび以下の説明中に記載される本発明を用いて解決される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の方法および装置が、試料採取されるべき液体中に沈められる密閉されたケーシングを備え、それにおいて上述の目的が達せられ、高精度の平均特性が得られる。サンプリングのための液体の流れは、静水圧によって駆動され、したがって正確な水面下位置に配置される際に、ポンプまたは同様のものとは無関係であり、流量は、本発明の第1の態様においては、ケーシング中への、およびケーシングの空洞部内部の、空洞部の底部の十分上方の位置への液体のために、入口から液体導管を提供することによって制御され、そのため静水圧およびしたがって流量は、サンプリング期間中に実質的に一定となる。代替として、入口は、トレーサ物質を含むカートリッジを備え、トレーサ物質は、液体により部分的に溶解可能であり、流量に比例して放出される。したがって、装置がサンプリング期間後に分析される際に、カートリッジ内の残存トレーサ物質の分析が、ケーシングの空洞部中へ流入した液体の全流量を明らかにする。サンプリングは、数日間から数ヶ月間までの長期間にわたり行われてよく、サンプリング期間の終了時点での空洞部内の液体の量は、気化のため全流量未満となる。さらに、2つの方法、すなわち液体導管およびトレーサ物質が、高度に正確な平均値が取得されるのを可能にするように組み合わされてよい。
【0015】
したがって、本発明は、液体の化学的特性または生物学的特性を決定するための方法、およびそのための装置に関し、同方法は、
水面下位置で、液体の上面の下方に、流体充填される空洞部を有するサンプリング装置を配置するステップであって、流体は、液体よりも低い濃度を有するステップと、
液体の流れが、サンプリング期間の間に、サンプリング装置の入口開口を通り、空洞部内へ至るのを可能にするステップと、
流体の流れが、空洞部から出て、サンプリング装置の出口開口を通るのを同時に可能にするステップと、
液体の前記化学的特性または生物学的特性を決定するためのその後の分析のために、水面下位置からサンプリング装置を除去するステップと
を含み、
サンプリング装置の入口開口は、空洞部内におよび空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結され、そのためサンプリング期間の大部分、少なくともその80%、好ましくは少なくともその95%などの間に、空洞部の内部の液体の自由表面は、静水圧が、サンプリング期間の大部分の間に実質的に一定となるように液体の流れを空洞部内へ追いやるため、液体導管出口の下方に存在する。
【0016】
通常、サンプリング期間の開始時の空洞部内の流体は、大気であるが、例えば油などの水以外の他の液体中におけるサンプリングのためには、アルコールなどのより軽量の液体であってよい。
【0017】
前記サンプリング期間は、好ましくは少なくとも1時間であり、好ましくは1日間から400日間の範囲内であり、14日間から200日間までの範囲内であるとより好ましい。装置の設計に関して、液体導管出口の高さの下方の空洞部の内部の容積と、液体の流入流量とが、そのような範囲内のサンプリング期間を可能にするように選択されてよい。
【0018】
液体の流入流量が、本発明の好ましい実施形態においては、0.0001〜5リットル/日の範囲内であり、より好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、さらにより好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である。液体の流入流量を制御するために、サンプリング装置の入口は、液体の流入流量を調整するように背圧調整装置を備えてよい。好ましい実施形態において、背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管(毛細管)を備え、毛管は、液体導管の少なくとも一部を構成してよい。
【0019】
代替として、背圧調整装置は、0.1〜2000μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜20μmの公称濾過有孔度を有する入口フィルタ、またはインライン背圧調整制限バルブによって構成されてよい。
【0020】
試料採取される液体の化学的特性または生物学的特性は、空洞部の内容物の分析から決定されてよい。しかし、これは、空洞部内の液体中の構成要素が、経時的に、例えば気化および/または大気への露出により劣化し得るため、全タイプの特性に関して適切なわけではない。したがって、流入が、液体の構成要素と相互に作用する物質を含むカートリッジを通過し、液体の前記化学的特性または生物学的特性が、その後のカートリッジの分析によって決定されることが、有利であろう。
【0021】
特に、カートリッジは、液体に対して透過性であり、液体により溶解不可能な、少なくとも1つの吸着剤マトリックスを含んでよく、マトリックスは、決定されるべきその化学的特性または生物学的特性を示す液体の構成要素に対する吸着剤特性を有する物質を含む。同物質は、有機物質、無機物質、または混合有機/無機物質であってよい。好ましい実施形態において、吸着剤マトリックスは、以下の物質グループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウム、金属酸化物、合成イオン交換樹脂、炭素質材料、ゼオライト、炭水化物、および合成ポリマー材料から選択される。
【0022】
上述のように、カートリッジは、少なくとも1つの流体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質をさらに含んでよく、これは、制御された速度で、カートリッジから計測されるべき流体中へ放出され、そのためカートリッジを通る全流量は、カートリッジの分析より決定されてよい。トレーサ物質の適用例の好ましい実施形態に関する詳細が、以下でさらに説明される。
【0023】
ある特定の実施形態において、装置は、同一のおよび/または異なる吸着剤マトリックスおよび/またはトレーサ物質を含む、2つ以上のそのようなカートリッジを備える。
【0024】
本発明は、他の態様においては、液体の化学的特性または生物学的特性を決定するための方法と、そのための装置とに関し、同方法は、
水面下位置で、液体の上面の下方に、流体充填される空洞部を有するサンプリング装置を配置するステップであって、流体は、液体よりも低い濃度を有するステップと、
液体の流れが、サンプリング期間の間に、サンプリング装置の入口開口を通り、空洞部内へ至るのを可能にするステップと、
流体の流れが、空洞部から出て、サンプリング装置の出口開口を通るのを同時に可能にするステップと、
液体の前記化学的特性または生物学的特性を決定するためのその後の分析のために、水面下位置からサンプリング装置を除去するステップと
を含み、
流入が、少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質を含むカートリッジを通過し、同少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質は、制御された速度でカートリッジから測定されるべき流体中へ放出され、カートリッジを通る全液体流量の測定が、カートリッジ内のトレーサ物質の残存量の分析によって得られる。
【0025】
少なくとも1つのトレーサ物質は、好ましい実施形態においては、以下の物質グループ、すなわち無機塩、有機塩、および混合有機/無機塩と、ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびある化学結合の加水分解が物質の一部の損失に至り得るオリゴマーを含む、有機固体、無機固体、または混合有機/無機固体と、マイクロカプセル化された物質とから選択される。
【0026】
特に、トレーサ物質は、対象の流体中に、10−2と10−60との間、好ましくは10−2と10−40との間、より好ましくは10−5と10−12との間の溶解度積(Ksp)を有する塩であってよい。
【0027】
好ましくは、トレーサ物質は、以下の塩グループ、すなわちCaF、クエン酸カルシウム(Ca-citrate)、CaHPO、オレイン酸カルシウム(Ca-oleate)、およびラウリン酸カルシウム(Ca-laurate)から選択され、これらの塩は、同目的に適する特性を有する。
【0028】
さらに、カートリッジは、液体の構成要素と相互に作用する物質をさらに含んでよく、液体の前記化学的特性または生物学的特性は、カートリッジの分析によって決定され、特に少なくとも1つの吸着剤マトリックスは、液体に対して透過性であり、液体によって溶解不能であり、マトリックスは、決定されるべきその化学的特性または生物学的特性を示す液体の構成要素に対して吸着剤特性を有する物質を含む。吸着剤マトリックスは、有機物質、無機物質、または混合有機/無機物質から製造されてよい。
【0029】
特に、吸着剤マトリックスは、以下の物質グループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウム、金属酸化物、合成イオン交換樹脂、炭素質材料、ゼオライト、炭水化物、および合成ポリマー材料から選択されてよい。
【0030】
空洞部への液体の一定の流入を実現するために、サンプリング装置の入口開口は、空洞部の内部に空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結されてよく、そのためサンプリング期間の大部分の間に、空洞部の内部の液体の自由表面は、静水圧が、サンプリング期間の大部分の間に実質的に一定となるように液体の流れを空洞部内へ追いやるため、液体導管出口の下方に存在する。そのような液体導管の好ましい特徴と、背圧調整装置の可能な提供は、前述中で説明されている。
【0031】
前記サンプリング期間は、好ましくは少なくとも1時間であり、好ましくは1日間から400日間までの範囲内であり、14日間から200日間までの範囲内であるとより好ましい。装置の設計に関して、液体導管出口の高さの下方の空洞部内部の容積と、液体の流入流量が、そのようなサンプリング期間を可能にするように選択されてよい。
【0032】
液体の流入流量は、本発明の好ましい実施形態においては、0.0001〜5リットル/日の範囲内であり、より好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、さらにより好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である。液体の流入流量を制御するために、サンプリング装置の入口は、液体の流入流量を調整するように背圧調整装置を備えてよい。好ましい実施形態において、背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管を備え、毛管は、液体導管の少なくとも一部を構成してよい。
【0033】
代替として、背圧調整装置は、0.1〜2000μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜20μmの公称濾過有孔度を有する入口フィルタ、またはインライン背圧調整制限バルブによって構成されてよい。
【0034】
本発明の実施例が、同封される図面を用いて示される。
図面は、本発明の好ましい実施形態を説明するために同封され、特許請求の範囲の中に略述された保護の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図面に示されるのは、例えば1日間から1年間までの長期間にわたる、溶質の継続的な時間平均濃度値のin−situモニタリングのための、本発明による改善されたサンプリング装置および方法である。
【0036】
図1Aは、設置時に液体2の中に沈められる装置のケーシング1を有する、本発明の1つの好ましい実施形態の概略図を示す。ケーシング1自体は、任意の所望の形状を有してよいが、多くの場合円筒形状が好ましい。ケーシング1は、ステンレス鋼、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、およびポリ塩化ビニルを含むがそれらに限定されない、水密性であり、周囲液体2の圧力に耐え得る、任意の所望の材料から製造されてよい。また、ケーシング1自体は、いくつかの構成要素(図面に図示せず)から組み立てられることが可能である。一実施例として、円筒部は、例えば可撓性のOリングを使用して、水密嵌合により円筒部に固定される上部蓋および底部蓋を用いてキャップされてよい。上部蓋および底部蓋は、入水管3および放水管4を含む。ケーシング材料の体積重量に応じて、ケーシングの壁部の厚さは、ケーシングの重量がケーシングによって変位される液体2の重量より高くなるように、選択されてよい。代替としては、ケーシングが液体の中において浮力を有する場合には、ケーシングにおもりを取り付けることが可能である(図示せず)。両者の場合において、ケーシングは、固定位置に試料採取装置を固定する必要なしに、ある一定の深さに可撓性ワイヤを介して設置されることが可能である。
【0037】
初めに、ケーシング1の内部空洞部5は、大気で満たされており、毛管(毛細管)6、入水管7、および固相抽出カートリッジ8を介して、外部液体2に毛管接触する。ケーシング1および入水管7に、毛管6およびカートリッジ8を嵌合する様式は、任意の好ましい水密嵌合であることが可能である。同嵌合の例は、ルエル式と、ルエルロック式と、緊密嵌合するOリングへのフラットボトムフィッティド嵌合と、伸長可能なフェルールへのねじ式嵌合とを含むが、それらに限定されない。固相抽出カートリッジ8は、少なくとも1つの吸着剤9を含む。同吸着剤または吸着剤の混合が、PCT国際公開WO03/098167により詳細に説明されるように、ある一定範囲の溶質の吸着を目的として選択される。入水管の吸着媒体9と共にカートリッジ8を使用することは、ケーシング1からの揮発の危険性のため、あるいは化学的劣化または微生物学的劣化の危険のため、空気にさらされるべきではない成分が試料採取されるべきである場合に、特に必要とされる。成分の吸着は、化合物がサンプリング期間の間に化学的におよび生物学的に恒存されるように、非常に強力である。
【0038】
また、図1に図示されるカートリッジは、カートリッジを通る水の容積を記録する機能を有する、少なくとも1つのトレーサ物質10を含む。トレーサ物質10は、PCT国際公開WO03/098167に詳細に説明されるように、カートリッジ8を通る容積に比例して溶液中に入る。吸着剤9およびトレーサ物質10は、フリットと呼ばれる多孔質フィルタの補助により所定位置に維持される(図1に図示せず)。そのようなフリットは、多孔質ガラス、多孔質プラスチック(ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、またはポリエーテルエーテルケトンなど)、多孔質金属(スチールまたはチタンなど)、あるいは金属合金を含むがそれらに限定されない、任意の適当な物質により製造されてよい。また、吸着剤9およびトレーサ物質10をカートリッジ8内に物理的に固定させておく機能を有することに加えて、フリットは、フリットの公称孔径に比べてより大きな粒子がカートリッジ8に進入するのを物理的に防止する。
【0039】
カートリッジ8と毛管6との中間に配置されるインライン・フィルタが、小粒子が進入し、毛管6を塞ぎ得るのを防ぐために、使用されることが可能である。毛管6は、ケーシング1の空洞部5内への液体経路の流動抵抗を制御する機能を有する。毛管流の理論は、ある一定の圧力水頭を仮定した場合に、流れは、rが毛管の内径である場合にrに比例し、Lが毛管6の長さである場合に1/Lに比例する、ということを突き止めている。したがって、毛管6の径および長さは、ケーシング1の空洞部5中への液体の流量を制御するために利用されることが可能である。図1において、毛管6は、ケーシング1中に垂直に延在され、サンプル・ケーシング1の上部付近にその出口11を有し、そのためケーシング1に進入する液体2の方向は、上方向である。毛管6の所望の長さおよび流動抵抗に達するように、異なる径を有する2つまたはそれ以上の毛管を直列に結合することもまた可能である。
【0040】
また、図1におけるケーシング1の内部中の空洞部5は、通気管12を備えており、通気管12の機能は、ケーシング内の圧力を資料採取された液体の上方の大気圧と均衡させることである。
【0041】
図1に図示される好ましい実施形態の設置と同時に、入口の上方の液柱の重量であり、以後上部圧力と呼ぶものにより引き起こされる、固相抽出カートリッジ8の入口と、液体2の上面の上方で上方向に延在する通気管12を介して大気圧と均衡状態にある、ケーシング1の内部の空洞部5との間に、水圧勾配が存在する。カートリッジ8および毛管6は、液体2で充満し、液体2は、ケーシング1の内部の空洞部5に進入する。カートリッジ8および毛管6が完全に充満するまで、液体2は、上方へ流れ、カートリッジ8および毛管6内の水柱の重量の増加が、背圧の増大に寄与するため、若干の背圧の増大がある。効果を最小限にするために、カートリッジ8は、入水管7にカートリッジ8を固定し、試料採取装置を設置する前に、予め湿らされることが可能である。毛管6の内部の容積は、200mlと3リットルとの間などの、典型的に100mlよりも大きなケーシング1の空洞部5の内部容積と比較して非常に小さく、典型的には0.1ml未満である。したがって、変動する背圧は、カートリッジ8が予め湿らされている場合には、試料採取された容積の0.1%未満しか影響を及ぼさない。カートリッジ8および毛管6が完全に充満すると、ケーシング1の空洞部5は、試料採取装置の上方の圧力水頭に比例して充填される(図1B)。同装置は、可撓性ワイヤ14により浮遊部材13に固定されるため、サンプリングユニット全体は、自由液面が変動しつつある場合でさえも、一定の深さで液体2中に浮かんでいる。
【0042】
したがって、ケーシングに進入する液体のサンプリング速度は、ケーシング中の液面が毛管6の出口11の高さに達するまで、時間内で実質的に一定である。通常は、好ましい設置時間が事前に知られ、当業者は、内部ケーシング容量、毛管6の長さおよび径の優先的な組合せを企図することが可能であり、組み合わされる同パラメータが、最適な流体サンプリング速度を決定する。上述の説明より、同優先的な組合せは設置の深度により異なることが、明らかである。さらに、同優先的な組合せは、試料採取される液体2の粘度によって、またしたがって、ある程度は隣接する液体の温度によって決まる。
【0043】
事前に知られた規準、設置深度、および必要とされる設置時間の近似値で一度組み立てられた、図1に示される装置の作動形態は、非常に簡単である。試料採取装置は、既知の深度に設置され、試料採取装置は、予め定められた速度で受動的に充填され、その後、試料採取装置は、除去される。設置時間は、サンプリングの目的に応じて変動し、例えば1日間から数ヶ月間まで変動してよい。試料採取装置の除去後、カートリッジおよび資料採取された流体は、化学的特性または生物学的特性に関して分析される。カートリッジ8の分析は、PCT国際公開WO03/098167に詳細に説明される。簡潔に説明すると、吸着剤9が、抽出され、吸着された化合物または生体化合物の質量に関して分析され、カートリッジ8は、トレーサ物質10の変位された量に関して分析される。また、ケーシング1の空洞部5内の試料採取された液体は、試料採取された液体の化学的濃度および/または生物学的濃度に関する情報を引き出すために、量(容積)および化学成分の両者に関して分析されてよい。
【0044】
図1に図示されない、本発明の他の好ましい実施形態によれば、2つ以上のカートリッジ8が、ケーシング1に嵌合されてよい。これらのカートリッジ8は、サンプリング方法の精度および再現精度を適正化するために、同様の吸着剤9とトレーサ化合物10とを有してよい。代替として、これらの別個のカートリッジ8は、別個の吸着剤タイプ9および/またはトレーサ化合物10、あるいは別個の量のトレーサ化合物10を備えてよい。これは、多様な化学的パラメータまたは生物学的パラメータを抽出するためになされる。
【0045】
図1に図示されない、本発明の他の好ましい実施形態によれば、カートリッジ8または複数のカートリッジ8は、ケーシング1の上部の上に配置されてよく、それにより毛管6を通る液体2の流れは、上方向ではなく下方向になる。同位置の利点は、液体表面のより近くで液体2を試料採取することが可能である点である。図1に図示されるカートリッジ8の位置は、より大きい粒子がカートリッジ8の入口に定着するのを防ぎ、これは、液体2が高荷重の懸濁粒子を含む場合に有益である。図1に図示されない、本発明の他の好ましい実施形態によれば、カートリッジ8または複数のカートリッジ8は、ケーシング1の垂直壁部上に水平方向に配置されてよい。これは、装置が浅い液体中に設置される場合に、または他の理由によりカートリッジ8を通る垂直流がなく、カートリッジ8を通る流れの全圧力勾配に付加することが重要であると考えられる場合に、利点となり得る。
【0046】
図2は、ケーシング1の空洞部5内の内部圧力が、サンプリング装置の深度とは無関係に出口15と毛管6の出口11との間に静水圧を得るように、液体2の水面の下方に出口15を有する通気管12によって調整されるという点において図1のものと異なる、サンプリング装置の他の好ましい実施形態を示す。空洞部5からの同出口15は、試料採取装置の入口の間の圧力勾配を低減させる。図2中に示される試料採取装置が液体2の中に沈められ、毛管6が、液体2で充填される場合、ケーシング1の空洞部5中への流れを調整する圧力勾配駆動力は、ケーシング1の空洞部5の上部セクションに配置される毛管6の出口11の上方の液体2の水頭から、空気で満たされた管12の出口の上方の液体の水頭を差し引いたものに比例する。したがって、同圧力勾配は、サンプリング期間を通じて一定であり、液体2の高さに対する設置の深度とは無関係である。空気は、出口15を通って空洞部5から変位され、一方で空洞部5は、上記で説明された一定の圧力勾配により規定された一定速度で低速で充填される。図2における圧力勾配は、図1に比較して大幅に低減されることが可能であり、したがってより幅広の毛管5および/またはより低い流動抵抗を有するより粗目な入口フィルタが、使用されてよい。当業者は、空洞部5の所与の容積と、装置に所望される設置時間とに対して、最適な流体サンプリング速度を企図するために、フィルタの多孔率、毛管の長さおよび径の好ましい組合せを見出すことが可能であろう。図2に図示される装置の作動形態は、図1に図示される装置のために上記で説明されたものと、本質的に同一である。
【0047】
図3は、地下水井戸内への図1のサンプリング装置の設置の好ましい形態を示す。そのような井戸は、飲料水の生成のため、および環境保全上の目的のために使用される。井戸は、密で堅いパイプ16と、井戸スクリーンとも呼ばれるパイプのスロット付きセクション17とから構成される。後者は、細いスロットを介して周囲の地下水に毛管接触している。井戸スクリーン17の全体または一部が、地下水面の下方に恒久的にまたは断続的に存在する。井戸スクリーン17の頂部が毛管水帯の下方に存在する場合、パイプ内の水は、パイプ内での高さが大気圧と均衡状態になるまで上昇する。また、非閉塞帯水層において、周囲の地下水は、大気圧と均衡状態にある。したがって、この場合において、スタンディング・パイプ内での高さと、地下水位とは、一致する。井戸スクリーン17内の水は、周囲の沈殿物内での地下水の流れのため、継続的に補給され、一方で井戸スクリーン17の上方の水は、澱み、補給されない。試料採取装置は、可撓性ワイヤ14を介して、例えばストッパ18などを用いて井戸パイプ16の頂部に設置される。試料採取装置は、カートリッジ8の入口がパイプのスロット付きセクション17と同じ高さになるように設置され、それにより試料採取装置は、新たに補給される地下水で充填される。この場合に試料採取装置は地表面に対して固定されるため、サンプリング装置内への流れは、パイプ内の水位における変動と共に変動する。これは、地下水が、付近の表層水がない場合に水平地下水フラックスに比例するため、望ましい。したがって、非閉塞帯水層において、サンプリング装置中に変位される水の容積が、設置期間中に平均地下水水位の尺度として使用されることが可能である。いくつかの場合において、井戸内の地下水補給の速度は非常に低いため、井戸内の水質は、スタンド・パイプ内の水柱への気体の拡散により影響を受ける。したがって、ライザー・パイプ16から井戸のスロット付きセクション17を隔離することが、望ましいことがある。当業者には、例えば米国特許第5,259,450号(Fischer)に開示されるように、パッカーを用いてこれらのセクションを隔離することが実現可能であろう。
【0048】
本発明の方法および装置の1つの利点は、電力消費型の機能を必要とせず、そのため設備の点検整備が、2度のサンプリング実施の間において必要とされないという点である。同方法および装置は、非常に異なる化学的性質の極性分子および無極性分子を有する溶質のサンプリングに適するという利点をさらに有する。同方法および装置の他の利点は、それらが、水および水性溶液などの非常に異なる化学的性質の液体だけでなく、また油などの極性液体ならびに有機溶剤におけるサンプリングにも適する点である。同方法および装置の他の利点は、それらが、自由溶解化合物およびコロイド状結合化合物の両者を試料採取するのに適用されてよい点である。同方法および装置の他の利点は、吸着媒体およびトレーサ化合物を含むカートリッジの使用が、恒存および実験室内での迅速な分析を要する液体サンプルとは異なり、実験室への輸送の前に容易に保管されることが可能である点である。同方法および装置の他の利点は、溶質のサンプリング速度が、拡散パラメータに依拠せず、サンプリング方法が、低速流環境、中速流環境、および高速流環境のいずれにも適するという点である。また、同方法および装置の1つの利点は、設置期間が、周囲の液体中のフラックスの大きさに依拠しないという点である。したがって、装置が設置される必要のある流れ条件の先験的な知識なしに、予め定められたある一定の設置期間に対する装置の最適な構成を設計することが可能である。
【実施例】
【0049】
実験が、図1に図示される大気圧補正および毛管入口導管6の異なる使用での、サンプリング流量の制御の実現可能性を立証するために行われた。
【0050】
浅い地下水井戸(1〜7mの深度範囲)において使用されるサンプリング方法のサンプリング流量の一例として、試料採取装置ケーシングが、ステンレス鋼円筒部(外径22mm×内径20mm×長さ105cm)と、水密可撓性Oリングを用いて円筒部に嵌合されたテフロン上部ストッパおよびテフロン底部ストッパとから構成された。上部ストッパは、ナイロン管(径3.18mm×1.9mm×長さ7m)および7mの可撓性スチール・ワイヤのための嵌合部を有して構成された。底部ストッパは、2つの外部ルエル式嵌合部と、内部ねじ式嵌合部とを備えた。内部ねじ式嵌合部は、スチール円筒部内に垂直に延在するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)毛管(径1/16インチ×0.0025インチ×長さ70cm)に嵌合された。ルエル式出口を有する2つの3mlプラスチック・カートリッジが、モデル吸着剤としてのイオン交換樹脂と、モデル・トレーサ化合物としてのクエン酸カルシウムとで充填された。同樹脂およびトレーサは、孔径20μmを有するポリエチレン・フリットを有するカートリッジ内に適合された。2つのカートリッジが、予め湿らされ、底部ストッパに嵌合され、試料採取装置は、水道水で充填された、内径24mmを有する7mのスタンディング・パイプ内に下ろされた。ナイロン管は、スタンディング・パイプの上方の大気圧に連絡する状態で維持された。1〜7mの深度区間において、試料採取装置は、指定期間の間に6つの異なる深度で配置され、その後、試料採取装置は除去され、累積された水の容積が決定された。流量が、設置深度に応じて、0.01〜0.25ml/hrの範囲内で測定された(図4を参照)。深度とサンプリング速度との関係は、相関係数R=0.99を有する一次的なものであり、これは毛管流の理論から予期される。
【0051】
試料採取装置の効率的な内部容積は、約314mlである。水面の下方5mの深度に試料採取装置が設置された状態で、流量は、0.2ml/hrの速度を有するように制御されることがあり、1つのカートリッジが嵌合された状態で、試料採取装置ケーシングは、約65日の期間の後に充填されることがある。より長い設置期間が要される場合には、ケーシングの容積が、増加されるべきであり、または毛管の口径が、サンプリング速度を低減するように変更されるべきである。
【0052】
浅い表層水(深度0.3〜2m)において利用されるサンプリング方法の一例として、2つの標準的なガラス・ボトルが、試料採取装置ケーシングとして使用された。ボトルは、ナイロン管(径3.18mm×1.9mm×長さ2m)のための水密嵌合部を有して構成されたテフロン蓋を用いて閉じられた。蓋は、外部ルエル式嵌合部および内部ねじ式嵌合部をさらに備えた。内部ねじ式嵌合部は、実験1においてはPEEK毛管(径1/16インチ×0.0025インチ×長さ8cm)と、および実験2においてはPEEK毛管(径1/16インチ×0.004インチ×長さ8cm)と嵌合される、2つのボトルのそれぞれのためのものであった。ルエル式出口を有する2つの3mlプラスチック・カートリッジが、予め湿らされ、ルエル式嵌合部に嵌合されて、上記で説明されたようにパックされた。さらに、蓋は、ガラス・ボトルの底部へ延在するナイロン管を備えた。2つのボトルは、貯水槽内に上下逆の状態で下ろされ、支持具上に設置された。ナイロン管は、貯水槽の上方の周囲大気圧と均衡状態にあった。0.3〜1.7mの深度区間において、試料採取装置は、指定期間の間、実験1においては5つの異なる深度に、実験2においては8つの異なる深度に配置された。次いで、試料採取装置は除去され、蓄積された水の容積が決定された。実験1において、流量は、設置深度に応じて、0.05〜0.25ml/hrの範囲内に制御された(図5を参照)。より幅広な毛管を用いた実験2において、流量は、設置深度に応じて、0.2〜1.5ml/hrの範囲内に制御された(図5を参照)。両者の毛管に関して、深度とサンプリング速度との関係は、毛管流の理論から予期されるように、一次的なものであった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】装置の作動前の(図1A)および作動中の(図1B)の、水面下位置に設置された本発明による装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】装置の作動前の(図1A)および作動中の(図1B)の、水面下位置に設置された本発明による装置の第2の実施形態を示す図である。
【図3】地下水井戸内への図1のサンプリング装置の設置を示す図である。
【図4】1〜6mの深度区間における、深度に対するサンプリング流量の一次関係を示す曲線である。
【図5】0.4〜1.7mの深度区間における、深度に対するサンプリング流量の一次関係を示す曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の化学的特性または生物学的特性を決定するための方法であって、
水面下位置で、前記液体の上面の下方に、流体充填される空洞部を有するサンプリング装置を配置するステップであって、前記流体は、前記液体よりも低い濃度を有するステップと、
前記液体の流れが、サンプリング期間の間に、前記サンプリング装置の入口開口を通り、前記空洞部内へ至るのを可能にするステップと、
前記流体の流れが、前記空洞部から出て、前記サンプリング装置の出口開口を通るのを同時に可能にするステップと、
前記液体の前記化学的特性または生物学的特性を決定するためのその後の分析のために、前記水面下位置から前記サンプリング装置を除去するステップと
を含み、
前記サンプリング装置の前記入口開口は、前記空洞部内におよび前記空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結され、そのため前記サンプリング期間の大部分の間に、前記空洞部の内部の前記液体の自由表面は、静水圧が、前記サンプリング期間の大部分の間に実質的に一定となるように前記液体の前記流れを前記空洞部内へ追いやるため、前記液体導管出口の下方に存在する方法。
【請求項2】
前記空洞部内の前記流体は、気体であり、好ましくは大気である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプリング期間は、少なくとも1時間であり、好ましくは1日間から400日間までの範囲内であり、14日間から200日間までの範囲内であるとより好ましい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記液体の流量は、0.0001〜5リットル/日の範囲内であり、好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、より好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプリング装置の前記入口は、前記液体の流入流量を調整するように、背圧調整装置を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流入が、前記液体の構成要素と相互に作用する物質を含むカートリッジを通過し、前記液体の前記化学的特性または生物学的特性は、前記カートリッジの分析によって決定される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記カートリッジは、前記液体に対して透過性であり、および前記液体により溶解不可能な少なくとも1つの吸着剤マトリックスを含み、前記マトリックスは、決定されるべきその化学的特性または生物学的特性を示す前記液体の構成要素に対する吸着剤特性を有する物質を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
液体の化学的特性または生物学的特性を決定するために、前記液体の水面下位置に配置されるための装置であって、
内部流体充填される空洞部を有するケーシングであって、前記流体は、前記液体よりも低い濃度を有するケーシングと、
前記液体が前記空洞部に進入するのを可能にするための、前記空洞部中への入口開口と、
前記空洞部から出る前記流体の流れを可能にするための出口開口と
を含み、
前記サンプリング装置の前記入口開口は、前記空洞部内で前記空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結され、そのため前記サンプリング期間の大部分の間に、前記空洞部の内部の前記液体の自由表面は、静水圧が、実質的に一定となるように前記液体の前記流れを前記空洞部内へ追いやるため、前記液体導管出口の下方に存在する装置。
【請求項10】
前記空洞部内の前記流体は、気体であり、好ましくは大気である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記サンプリング装置の前記入口は、前記液体の流入流量を調整するように、背圧調整装置を備える、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置の使用時の前記液体の流入流量が、0.0001〜5リットル/日の範囲内であり、好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、より好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記液体導管出口の高さの下方の前記空洞部内部の前記容積と、前記液体の流入流量とが、前記空洞部内の前記液体の自由表面が前記液体導管出口の前記高さに達するまでに、少なくとも1時間の、好ましくは1日間から400日間までの範囲内の、より好ましくは14日間から200日間までの範囲内のサンプリング期間を可能にする、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記流入は、前記液体の前記化学的特性または生物学的特性が前記カートリッジの分析によって決定され得るように、前記液体の構成要素と相互に作用する物質を含む前記カートリッジを通過するようになされたカートリッジを有する、請求項9乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記カートリッジは、前記液体に対して透過性であり、および前記液体によって溶解不可能な少なくとも1つの吸着剤マトリックスを含み、前記マトリックスは、決定されるべきその前記化学的特性または生物学的特性を示す前記液体の構成要素に対する吸着剤特性を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記吸着剤マトリックスは、以下の物質グループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウム、金属酸化物、合成イオン交換樹脂、炭素質材料、ゼオライト、炭水化物、および合成ポリマー材料から選択される、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記カートリッジは、少なくとも1つの流体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質をさらに含み、これは、制御された速度で、前記カートリッジから計測されるべき流体中へ放出される、請求項9乃至17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのトレーサ物質は、以下の物質グループ、すなわち無機塩、有機塩、および混合有機/無機塩と、ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびある化学結合の加水分解が物質の一部の損失に至り得るオリゴマーを含む、有機固体、無機固体、または混合有機/無機固体と、マイクロカプセル化された物質とから選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記トレーサ物質は、対象の前記流体中に、10−2と10−60との間、好ましくは10−2と10−40との間、より好ましくは10−5と10−12との間の溶解度積(Ksp)を有する塩である、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記トレーサ物質は、以下の塩グループ、すなわちCaF、クエン酸カルシウム、CaHPO、オレイン酸カルシウム、およびラウリン酸カルシウムから選択される、請求項18乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
液体の化学的特性または生物学的測定を決定するための方法であって、
水面下位置で、前記液体の上面の下方に、流体充填される空洞部を有するサンプリング装置を配置するステップであって、前記流体は、前記液体よりも低い濃度を有するステップと、
前記液体の流れが、サンプリング期間の間に、前記サンプリング装置の入口開口を通り、前記空洞部内へ至るのを可能にするステップと、
前記流体の流れが、前記空洞部から出て、前記サンプリング装置の出口開口を通るのを同時に可能にするステップと、
前記液体の前記化学的特性または生物学的特性を決定するためのその後の分析のために、前記水面下位置から前記サンプリング装置を除去するステップと
を含み、
流入が、少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質をさらに含むカートリッジを通過し、同少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質は、制御された速度で前記カートリッジから測定されるべき流体中へ放出され、前記カートリッジを通る全液体流量の測定が、前記カートリッジ内のトレーサ物質の残存量の分析によって得られる方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのトレーサ物質は、以下の物質グループ、すなわち無機塩、有機塩、および混合有機/無機塩と、ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびある化学結合の加水分解が物質の一部の損失に至り得るオリゴマーを含む、有機固体、無機固体、または混合有機/無機固体と、マイクロカプセル化された物質とから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記トレーサ物質は、対象の前記流体中に、10−2と10−60との間、好ましくは10−2と10−40との間、より好ましくは10−5と10−12との間の溶解度積(Ksp)を有する塩である、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記トレーサ物質は、以下の塩グループ、すなわちCaF、クエン酸カルシウム、CaHPO、オレイン酸カルシウム、およびラウリン酸カルシウムから選択される、請求項22乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記カートリッジは、前記液体の構成要素と相互に作用する物質をさらに含み、前記液体の前記化学的特性または生物学的特性は、前記カートリッジの分析によって決定される、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記物質は、前記液体に対して透過性であり、および前記液体により溶解不可能な少なくとも1つの吸着剤マトリックスを含み、前記マトリックスは、決定されるべきその化学的特性または生物学的特性を示す液体の構成要素に対する吸着剤特性を有する物質を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプリング装置の前記入口開口は、前記空洞部内に前記空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結され、そのため前記サンプリング期間の大部分の間に、前記空洞部の内部の前記液体の自由表面は、静水圧が、前記サンプリング期間の大部分の間に実質的に一定となるように前記液体の前記流れを前記空洞部内へ追いやるため、前記液体導管出口の下方に存在する、請求項22乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記空洞部内の前記流体は、気体であり、好ましくは大気である、請求項22乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記サンプリング期間は、少なくとも1時間であり、好ましくは1日間から400日間までの範囲内であり、14日間から200日間までの範囲内であるとより好ましい、請求項22乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記液体の流量は、0.0001〜5リットル/日の範囲内であり、好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、より好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である、請求項22乃至30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記サンプリング装置の前記入口は、前記液体の流入流量を調整するように、背圧調整装置を備える、請求項22乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管を備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
液体の化学的特性または生物学的特性を決定するために、前記液体の水面下位置に配置されるための装置であって、
内部流体充填される空洞部を有するケーシングであって、前記流体は、前記液体よりも低い濃度を有するケーシングと、
前記液体が前記空洞部に進入するのを可能にするための、前記空洞部中への入口開口と、
前記空洞部から出る前記流体の流れを可能にするための出口開口と
を含み、
カートリッジが、流入が、少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質を含むカートリッジを通過するようになされ、同少なくとも1つ液体透過性であり部分的溶解性であるトレーサ物質は、制御された速度で前記カートリッジから測定されるべき流体中へ放出される装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つのトレーサ物質は、以下の物質グループ、すなわち無機塩、有機塩、および混合有機/無機塩と、ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびある化学結合の加水分解が物質の一部の損失に至り得るオリゴマーを含む、有機固体、無機固体、または混合有機/無機固体と、マイクロカプセル化された物質とから選択される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記トレーサ物質は、対象の前記流体中に、10−2と10−60との間、好ましくは10−2と10−40との間、より好ましくは10−5と10−12との間の溶解度積(Ksp)を有する塩である、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記トレーサ物質は、以下の塩グループ、すなわちCaF、クエン酸カルシウム、CaHPO、オレイン酸カルシウム、およびラウリン酸カルシウムから選択される、請求項34乃至36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
前記カートリッジは、前記液体の前記化学的特性または生物学的特性が、前記カートリッジの分析によって決定され得るように、前記液体の構成要素と相互に作用する物質をさらに含む、請求項34乃至37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記物質は、前記液体に対して透過性であり、および前記液体により溶解不可能な少なくとも1つの吸着剤マトリックスを含み、前記マトリックスは、決定されるべきその化学的特性または生物学的特性を示す前記液体の構成要素に対する吸着剤特性を有する物質を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記吸着剤マトリックスは、以下の物質グループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウム、金属酸化物、合成イオン交換樹脂、炭素質材料、ゼオライト、炭水化物、および合成ポリマー材料から選択される、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記サンプリング装置の前記入口開口は、前記空洞部内に前記空洞部の底部の上方にその出口を有する液体導管に連結され、そのため前記装置の使用の際に、前記空洞部の内部の前記液体の自由表面は、静水圧が、実質的に一定となるように前記液体の前記流れを前記空洞部内へ追いやるため、前記液体導管出口の下方に存在する、請求項34乃至40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記サンプリング装置の前記入口は、前記液体の流入流量を調整するように、背圧調整装置を備える、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記背圧調整装置は、10〜2000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは25〜150μmの内径を有する毛管を備える、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記装置の使用時の前記液体の流入流量が、0.0001〜1リットル/日の範囲内であり、好ましくは0.0005〜0.1リットル/日以内であり、より好ましくは0.001〜0.02リットル/日以内である、請求項34乃至43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記液体導管出口の高さの下方の前記空洞部内部の前記容積と、前記液体の流入流量とが、前記空洞部内の前記液体の自由表面が前記液体導管出口の前記高さに達するまでに、少なくとも1時間の、好ましくは1日間から400日間までの範囲内の、14日間から200日間までの範囲内であるとより好ましい、サンプリング期間を可能にする、請求項34乃至44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記空洞部内の前記流体は、気体であり、好ましくは大気である、請求項34乃至45のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−510409(P2009−510409A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532596(P2008−532596)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000613
【国際公開番号】WO2007/036226
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508095599)
【Fターム(参考)】