説明

液体の分析装置および液体の分析方法

【課題】 サンプリングした土壌または土質試料から作成した供試体Sを加圧し、または加圧水を供給することにより供試体Sから染み出させた僅かな水に含まれるナトリウムイオン等の特定のイオンの濃度を測定する。
【解決手段】 供試体Sにろ紙7を介して面接触する液体回収用セル4の接触面に、前記染み出た水を捕捉して誘導するための捕捉誘導溝6を刻設すると共に、該捕捉誘導溝6に接続するよう液体回収用セル4の表面から裏面に貫通する回収孔5を穿設し、前記捕捉誘導溝6で捕捉誘導され回収孔5に達した水を分析装置21に供給して特定イオンの濃度を測定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に微量水分を含む供試体や透水係数が小さい供試体等の各種供試体に含まれる液体の分析装置および液体の分析方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、土壌等から供試体を作成し、該供試体に含有する微量の水等の液体を回収し、該回収した液体に含まれる成分の分析をすることが要求される場合がある。そしてこのような要求の一つとして、土砂災害の予測があげられる。土砂災害は、不安定な傾斜地に発生する地すべり、表層崩壊、がけ崩れ、土石流などによる災害がある。そして傾斜地での土砂災害は、斜面地盤の崩壊によって地盤の変位、つまり地盤の変状や移動が引き起こされることになり、このような地盤変位を測定する手法については、例えば高精度の電子測距・測角儀を用い、地盤変位のある地域からはずれた任意の位置を基準点として地盤変位が生じている区域に配した指標までの距離や角度の変化を測定して地盤変位を測定するようにしたもの(特許文献1参照)、あるいは地盤変位が生じている任意の位置の地盤に測定用の孔を掘り、ここに歪ケーブルを挿入し、地盤変位によって生じた歪量を計測することで地盤変位の測定をするようにしたもの(特許文献2参照)がある。
ところが前記従来のものは、高価な測定機器が必要であるうえ、実際に斜面崩壊が発生している最中または発生した後の地盤変位を測定するものであって、該地盤変位の発生を予知するものではない。しかもこのような地盤変位による土砂災害は、小規模であれば発生後においても、被害発生がないか、あっても殆ど影響がない範囲で対処ができるが、規模が大きいものについては、何らかの被害を生じた後での対処となる場合が多く、土砂災害を未然に防ぐことはできないのが現状である。
【0003】
そこで本発明の発明者は、地すべり等の斜面崩壊による地盤変位の予測を、当該地盤を流れる地下水中に含まれるナトリウムイオン等の特定イオンの濃度が急激に上昇するような異常変化が認められた場合、これを地すべり等の斜面崩壊による地盤変位が発生する前兆であるとして予測する方法を提唱した(特許文献3参照)。これは、地すべり等の斜面崩壊が発生するときにはその地盤内部において土粒子の微視的な変位や破壊がすでに先行して生じている一方、土壌は効率的なイオン交換の場でもあり、土壌において地盤変位が発生する前兆として微視的な変位や破壊が起こることによって今までのイオン交換の環境が変化し、これが特定イオンの濃度の異常な変化となって現れるという推論に基づくものである。
前記地盤変位の予測方法は今までになく簡単なものでありながら信頼性が高いものであるとして評価されているが、このような特定イオンの濃度測定は、対象とする地盤から漏出した地下水を採取して行うことになる。
【特許文献1】特開平5−118851号公報
【特許文献2】特開平10−82667号公報
【特許文献3】特開2002−339373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サンプリングした土壌(供試体)に含まれる水のいま現在の特定イオンの濃度を測定することは、測定始点を決定したりするため重要となるが、このような供試体に含まれる水分は微量であるため、該供試体に圧力をかけて水を染み出させたとしても僅かであるから、特定イオンの濃度を測定するに足る量の水を回収するには大量の供試体から水を採取しなければならないという問題があり、ここに本発明が解決しようとする一つの課題がある。
また、供試体を透過する水に含有する特定イオンの濃度の変化を測定することは、供試体の経時的変化を認識するうえで重要であるが、自然状態で透過する水に含有する特定イオンの濃度を測定したのでは時間がかかりすぎるという問題がある。そこで供試体に水を加圧供給して強制的に水を透過させ、この透過した水を採取し、該採取した水に含有する特定イオンの濃度を測定することが提唱されるが、透水係数が1×10−7cm s−1(センチメートル 秒のマイナス1乗)程度と小さい土質試料においては、特定イオンの濃度を測定するに足るだけの水を採取するには長時間かかってしまうことになって作業性に劣るという問題がり、ここに本発明の解決すようとする別の課題がある。
さらにまた、前述したように地盤変位の予測をするような場合、地盤内部において先行して生じであろう土粒子の微視的な変位や破壊の発生を自然に待つのでは時間がかかりすぎ、このためこのような変位や破壊を積極的に生じさせる必要がある。そのためには、供試体自体を加圧して前記変位や破壊(歪み)を擬似的に発生させながら、水を加圧供給して透過した水に含有する特定イオンの濃度を経時的に測定することが必要となるが、このような装置は従来知られておらず、ここに本発明が解決しようとするさらに別の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、供試体に含有する液体を分析するための分析装置であって、該分析装置は、供試体を加圧して前記含有する液体を染み出させるための加圧手段と、供試体に面接触して前記染み出た液体を回収するための液体回収用セルと、該液体回収用セルに接続され、前記回収した液体の分析をする分析手段とを備え、前記液体回収用セルには、供試体との接触面に形成され、前記染み出た液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された回収路とが形成され、該回収路に達した液体を分析手段に供給するように構成したことを特徴とする液体の分析装置である。
請求項2の発明は、供試体を透過した液体を分析するための分析装置であって、該分析装置は、供試体に液体を加圧供給して供試体から液体を透過させて染み出させるための加圧液体供給手段と、供試体に面接触して染み出た液体を回収するための液体回収用セルと、該液体回収用セルに接続され、前記回収した液体の分析をする分析手段とを備え、前記液体回収用セルには、供試体との接触面に形成され、前記染み出た液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された回収路とが形成され、該回収路に達した液体を分析手段に供給するように構成したことを特徴とする液体の分析装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、分析手段は、液体に含有される特定イオン種の濃度を測定するものであることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかにおいて、回収用セルと供試体とのあいだに親水性シートが介在していることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかにおいて、液体回収用セルは、平板材であって、一側面が供試体の接触面であり、回収路は、前記一側面から他側面に設けられる回収孔であることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかにおいて、捕捉誘導溝は、回収路を基準として放射状に複数形成されていることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかにおいて、捕捉誘導溝は、放射状の本流溝と、該本流溝から分岐される支流溝とで形成されていることを特徴とする液体の分析装置である。
請求項9の発明は、供試体に含有する液体を分析するための分析方法であって、該分析方法は、供試体を加圧することで前記供試体から染み出た液体を、供試体に面接触する液体回収用セルの該接触面に形成された捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される回収路に誘導し、該回収路に回収された液体を、該回収路に接続される分析手段に供給して分析するようにしたことを特徴とする液体の分析方法である。
請求項10の発明は、供試体を透過した液体を分析する分析方法であって、該分析方法は、供試体に液体を加圧供給することで供試体から透過して染み出た液体を、供試体に面接触する液体回収用セルの該接触面に形成された捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される回収路に誘導し、該回収路に回収された液体を、該回収路に接続される分析手段に供給して分析するようにしたことを特徴とする液体の分析方法である。
請求項11の発明は、請求項9または10において、分析手段は、液体に含有される特定イオン種の濃度を測定するものであることを特徴とする液体の分析方法である。
請求項12の発明は、請求項9乃至11の何れかにおいて、液体回収用セルと供試体とのあいだに親水性シートが介在されていることを特徴とする液体の分析方法である。
請求項13の発明は、請求項9乃至12の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする液体の分析方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1または9の発明にすることで、供試体中に含まれる水分が微量であっても、加圧した供試体から染み出た水を分析することができる。
請求項2または10の発明にすることで、透水係数が小さい供試体であっても、該供試体を透過して染み出た水を分析することができる。
請求項3または11の発明にすることで、回収した液体中の特定イオンの濃度測定が連続的にできることになる。
請求項4または12の発明にすることで、供試体から染み出た液体が親水性シートを介して分散した状態で回収用セルの捕捉誘導溝に捕捉されることになって、捕捉性能が向上し、もって分析精度の向上が図れる。
請求項5または13の発明にすることで、土質試料に含まれる液体、あるいは土質試料を透過する液体が微量であっても確実に液体の分析をすることができる。
請求項6の発明にすることで、分析手段に供給するための液体を回収する液体用回収セルの加工が簡単になる。
請求項7または8の発明にすることにより、液体の平均的な回収が効率よくできる。
請求項12、13または14の発明にすることにより、さらに効率のよい液体回収ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図面において、1は供試体Sから染み出た水を回収し、該回収した水に含有されるナトリウムイオン等の特定のイオンの濃度を測定する測定装置を構成している回収部であって、該回収部1は、基台1aに加圧用の容器2が支持されているが、該容器2には水が注入されており、容器2に設けられる水の排出路2aを封止する状態で水の供給路2bから圧力を加えることで容器2内の圧力を調節できるようになっている。
【0008】
前記容器2の底部2cにはペデスタル3が設けられ、該ペデスタル3上に、液体の回収用セル4が配設されている。この回収用(収集用)セル4は、中央部(中心部)に表面(上面(一側面)であって本発明の接触面に相当する)から裏面(下面(他側面))に至るべく貫通した回収孔5が穿設された円盤状の平板材(例えばアクリル板)で構成され、その表面に捕捉誘導溝6が刻設されているが、その詳細は後述する。そしてこの回収用セル4の上面に、ろ紙(本発明の親水性シートに相当する)7を介在する状態で円柱状に整形された前記供試体(後述するようにサンプリングした土質試料)Sの底面が載せられ、さらに該供試体Sの上面にキャップ8が載せられる。そして前記ペデスタル3の上半部、供試体S全体、そしてキャップ8の下半部の外周面には供試体Sの崩壊(崩落)の防止および供試体Sを透過、あるいは染み出す水の散逸を防止するための防止部材9が被着されているが、防止部材9としては、例えば延び弾性の小さいシリコーンチューブ等が挙げることができる。
また、前記キャップ8には水路10が設けられ、該水路10から水が供試体Sに加圧供給されるようになっている。一方、前記ペデスタル3には貫通路3aが形成されている。
【0009】
11は前記キャップ8を加圧するための加圧装置であって、該加圧装置11は、キャップ8の上面に下端が当接する加圧棒12を備えて構成されるが、該加圧棒12はベアリング13により回動自在に容器天井板2dに支持されていると共に、クランプ14によって回動を制御できるようになっている。加圧棒12には荷重計15、外部変位計16が設けられるが、さらに加圧棒12の上端部は載荷装置17に連結されている。載荷装置17は、電動モーター18の駆動によりべべルギア機構19を回転させ、これによって加圧棒12を押し出してキャップ8の加圧をするようになっている。
【0010】
前記供試体Sは、例えばある地域の土壌試料(泥岩)について、一辺が500mmの立方体の大きさでサンプリングし、これを整形して高さ50mm、直径50mmの前記円柱状の供試体Sを製作する。また前記回収用セル4は、直径が前記供試体Sと同じ長さの平板円盤状であり、その中心に回収孔5が供試体Sの接触面である上面4aから下面4bに至るよう貫通して形成されている。一方、上面4aに刻設され、回収孔5の始端5aに接続する捕捉誘導溝6は、回収孔5を中心として複数本(本実施の形態では8本)が放射状に設けられている。回収孔5の径並びに捕捉誘導溝6の太さ、深さおよび長さは供試体Sから染み出てくる水の量によって適宜調整されるものである。一方、回収孔5の終端部5bは、前記始端5aよりも大径になっていて、この終端部5bに、前記回収された水が流れ込む配管20の一端部が止着されているが、この配管20は、前記貫通路3aを通って外部に引き出されてイオンクロマトグラフィー、キャピラリーカラムイオンクロマトグラフィー等の分析装置21に接続され、該分析装置21によって例えば水中に含まれるナトリウムイオン等の特定のイオンの濃度測定ができるようになっている。尚、22は前記回収された水を吸引して分析装置21に供給するための吸引ポンプである。
【0011】
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、供試体Sを、回収用セル4、ろ紙7が載置されたペデスタル3とキャップ8とのあいだにセット(防止部材9も被着しておく)し、容器2に水を充填した状態にして電動モーター18を駆動してキャップ8を加圧していく。するとキャップ8とペデスタル3とのあいだに挟まれる供試体Sは加圧されることになって、該供試体Sに含有される水分は供試体Sの表面から染み出すことになるが、この染み出した水はろ紙7を湿らす状態で回収用セル4全体を濡らすことになり、これによって前記染み出た水は捕捉誘導溝6で捕捉されて回収孔5の始端まで誘導され、さらに配管20を経由して分析装置22に供給されて特定のイオンの濃度が測定される。
【0012】
このように、本発明が実施された形態においては、含有する水分量が少ない供試体Sの場合、これを加圧することで供試体Sから染み出させた水は、供試体Sの底面に面接触する回収用セル4の表面に設けた捕捉誘導路6で捕捉誘導されて回収孔5に達するため、染み出た水が僅かな水分量であっても、これを容易に回収し、これを分析装置21を用いてそのまま分析することができ、これによって供試体Sをサンプリングした箇所の土壌の性状、そして今後の土壌の変位を予測することができる。
【0013】
また、前記のようにセットされた供試体Sに加圧水を供給することで該供試体Sを透過した水の回収をするには、供試体Sを位置ずれしない程度に加圧した状態で、水路10から水を加圧供給する。これにより供試体Sを透過する水の透過速度および量が、前記単に圧縮しただけの場合よりも大きくなって回収できるため、透水係数が小さいものであっても、迅速で確実な透過水の回収をして分析することができる。
【0014】
しかもこれらのものでは、回収用セル4と供試体Sとのあいだに親水性シートであるろ紙7が有るため、前記供試体Sから染み出た水がろ紙7で広く拡散された状態で回収用セル4に達して捕捉誘導され、回収されることになる結果、捕捉誘導溝6のない部位に染み出た水も確実に捕捉されることになって、回収効率が向上する。
【0015】
しかも前記回収用セル4は、板材を用い、その表面に捕捉誘導溝6を刻設すると共に、該捕捉誘導溝6に接続する回収孔5を表面から裏面に貫通するよう穿設することで簡単に形成できるため、低コストで提供できることになる。そしてこの回収用セル4は、供試体Sの接触面の中心に回収孔5が穿設され、該回収孔5に接続する状態で複数の捕捉誘導溝6が等角度ピッチで放射状に形成されているため、供試体Sから染み出た広い範囲の水を一箇所に集中させる状態で平均的に回収できることになって、回収用セルを多数の回収孔を穿設しただけで、捕捉誘導溝がない構造にした場合のように、染み出た僅かな水が多数の回収孔に分散して回収されることになってこれら水の寄せ集め回収が面倒、かつ、煩雑になってしまうことがない。
【0016】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないものであることは勿論であって、供試体としては土質試料に限定されずコンクリート、木材等、適宜のものにおいて実施することかできることは勿論である。そして本発明は、含水率の小さい供試体や透水係数の小さい供試体について該供試体に含まれる水、供試体を透過する水を回収する場合に特に有効であるが、回収する液体としては水に限らず、有機溶媒のような液体であってもよいことは勿論であり、さらに液体を含む割合の大きい供試体や透液係数の大きい供試体等に用いることも勿論できる。
【0017】
さらにまた、前記回収用セルとしては、捕捉誘導溝について各種の形状にすることができるが、次のようなものを例示することができる。つまり図3(A)(B)に示す第二および第三の実施の形態のものは、回収孔5が供試体接触面の中心Oから等距離の位置に、何れも等角度である180度ピッチ、あるいは120度ピッチで2個または3個形成されたものである。また図3(C)に示す第四の実施の形態のものは、回収孔5が90度ピッチで4個形成されると共に、さらに供試体接触面の中心に回収孔5が形成されたものである。そしてこのようにすることで、複数個の回収孔5があることにより寄せ集め回収の手間がかかるが、回収孔の数としては少ないため殆んど問題になることはなく、より迅速で効率のよい液体の回収ができる。
【0018】
まず、図4(A)〜(D)に示す第五〜第八の実施の形態のものは、捕捉誘導路が、回収孔5に接続される本流溝6aと該本流溝6aから分岐される支流溝6bとで形成されたものであり、このうち第五および第六の実施の形態のものは、直線状の支流溝6bが、本流溝6aを対称線として線対称に分岐したものであり、また第七の実施の形態のものは、直線状の支流溝6bが本流溝6aから交互に分岐形成されたものであり、第八の実施の形態のものは、本流溝6aから交互に分岐形成される支流溝6bが、回収孔5を中心として円弧状に分岐形成されたものである。そしてこのように支流溝6bがあることで、染み出た液体をより広範囲においてより効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】液体の回収装置の概略正面図である。
【図2】(A)および(B)は第一の実施の形態の液体回収用セルの正面図および断面図である。
【図3】(A)、(B)および(C)は第二、第三および第四の実施の形態の液体回収用セルの正面図である。
【図4】(A)、(B)、(C)および(D)は第五、第六、第七および第八の実施の形態の液体回収用セルの正面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 液体の回収装置
4 回収用セル
5 回収孔
6 捕捉誘導溝
6a 本流溝
6b 支流溝
7 ろ紙
11 加圧装置
21 分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試体に含有する液体を分析するための分析装置であって、該分析装置は、供試体を加圧して前記含有する液体を染み出させるための加圧手段と、供試体に面接触して前記染み出た液体を回収するための液体回収用セルと、該液体回収用セルに接続され、前記回収した液体の分析をする分析手段とを備え、前記液体回収用セルには、供試体との接触面に形成され、前記染み出た液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された回収路とが形成され、該回収路に達した液体を分析手段に供給するように構成したことを特徴とする液体の分析装置。
【請求項2】
供試体を透過した液体を分析するための分析装置であって、該分析装置は、供試体に液体を加圧供給して供試体から液体を透過して染み出させるための加圧液体供給手段と、供試体に面接触して染み出た液体を回収するための液体回収用セルと、該液体回収用セルに接続され、前記回収した液体の分析をする分析手段とを備え、前記液体回収用セルには、供試体との接触面に形成され、前記染み出た液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された回収路とが形成され、該回収路に達した液体を分析手段に供給するように構成したことを特徴とする液体の分析装置。
【請求項3】
請求項1または2において、分析手段は、液体に含有される特定イオン種の濃度を測定するものであることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかにおいて、回収用セルと供試体とのあいだに親水性シートが介在していることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかにおいて、液体回収用セルは、平板材であって、一側面が供試体の接触面であり、回収路は、前記一側面から他側面に設けられる回収孔であることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかにおいて、捕捉誘導溝は、回収路を基準として放射状に複数形成されていることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかにおいて、捕捉誘導溝は、放射状の本流溝と、該本流溝から分岐される支流溝とで形成されていることを特徴とする液体の分析装置。
【請求項9】
供試体に含有する液体を分析するための分析方法であって、該分析方法は、供試体を加圧することで前記供試体から染み出た液体を、供試体に面接触する液体回収用セルの該接触面に形成された捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される回収路に誘導し、該回収路に回収された液体を、該回収路に接続される分析手段に供給して分析するようにしたことを特徴とする液体の分析方法。
【請求項10】
供試体を透過した液体を分析する分析方法であって、該分析方法は、供試体に液体を加圧供給することで供試体から透過して染み出た液体を、供試体に面接触する液体回収用セルの該接触面に形成された捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される回収路に誘導し、該回収路に回収された液体を、該回収路に接続される分析手段に供給して分析するようにしたことを特徴とする液体の分析方法。
【請求項11】
請求項9または10において、分析手段は、液体に含有される特定イオン種の濃度を測定するものであることを特徴とする液体の分析方法。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れかにおいて、液体回収用セルと供試体とのあいだに親水性シートが介在されていることを特徴とする液体の分析方法。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする液体の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−133069(P2006−133069A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322113(P2004−322113)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】