説明

液体の被膜組成物

【課題】液体の被膜組成物を提供すること。
【解決手段】シロキサン含有ポリマーと、揮発性ポリジメチルシロキサンと、脂肪族炭化水素と、を含む液体の被膜組成物が提供される。液体の被膜組成物は、18〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、5〜55重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含むのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
〔分野〕
本発明は、一般に、シロキサン含有ポリマー、揮発性ポリジメチルシロキサン、および脂肪族炭化水素、を含む液体の被膜組成物に関する。
【0002】
〔背景〕
種々の液体の被膜組成物が知られている。例えば、米国特許第4,987,893号および第5,103,812号は、両方共に、液体のポリジメチルシロキサンと混合されたアルキルシロキシシロキサン含有ポリマーの組み合わせに関する。かかる組み合わせは、爪、皮膚および粘膜の創傷に付着し、且つ、これらの創傷を擦過、汚染、および乾燥から保護する、適合性包帯として機能する薄膜を形成すると共に、露出した神経終末からの痛みを止めることにより、体液の蒸発を可能にする、良好な無刺痛性で、無刺激性の液体の被膜材料として記載されている。
【0003】
米国特許第6,383,502号は、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、60〜99重量%のアルカンベースのシロキシポリマー反応性溶剤と、0〜15重量%の補助剤と、を含む組成物に関する。かかる組成物は、皮膚に施す場合に有用であるか、或いは、美容または局所用薬剤組成物の成分として、記載されている。
【0004】
〔概要〕
一つの形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)18〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、(c)5〜55重量%の脂肪族炭化水素と、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。
【0005】
他の形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)20〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、(c)15〜55重量%の脂肪族炭化水素と、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。
【0006】
更に別の形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)25〜50重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、(c)20〜50重量%の脂肪族炭化水素と、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。
【0007】
さらなる形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)25〜45重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、(c)20〜45重量%の脂肪族炭化水素と、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。
【0008】
更に追加の実施の形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)30〜40重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、(c)30〜40重量%の脂肪族炭化水素と、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。
【0009】
更に別の形態において、(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、(b)30〜40重量%のヘキサメチルジシロキサンと、(c)30〜40重量%のイソオクタンと、(d)0〜15重量%の補助剤と、を含む液体の被膜組成物が提供される。かかる組成物は、可塑剤を含む補助剤を含む。
【0010】
〔詳細な説明〕
本発明は、シロキサン含有ポリマーと、揮発性ポリジメチルシロキサンと、脂肪族炭化水素と、を含む液体の被膜組成物に関する。本明細書で説明されるように、液体の被膜組成物は、使用者の皮膚、爪、および/または粘膜に施された場合、乾燥して、被膜または薄膜を形成するので、使用者の皮膚、爪および粘膜の保護または処置に有用である。液体の被膜組成物は、溶液の状態であるのが好ましい。
【0011】
液体の被膜組成物は、18〜55重量%(wt. %)の揮発性ポリジメチルシロキサンと、5〜55重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含むのが好ましい。いくつかの実施形態において、液体の被膜組成物は、20〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、15〜55重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含む。他の実施形態において、液体の被膜組成物は、25〜50重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、20〜50重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含む。追加の実施形態において、液体の被膜組成物は、25〜45重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、20〜45重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含む。更なる追加の実施形態において、液体の被膜組成物は、30〜40重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、30〜40重量%の脂肪族炭化水素と、1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、0〜15重量%の補助剤と、を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、シロキサン含有ポリマーは、組成物中において、5〜40重量%、10〜30重量%、または15〜25重量%で含まれていても良く、そして補助剤は、組成物中において、0.01〜10重量%、0.1〜8重量%、または1〜6重量%で含まれていても良い。種々の実施形態において、揮発性ポリジメチルシロキサン、脂肪族炭化水素、シロキサン含有ポリマー、および自由選択の補助剤は、液体の被膜組成物(liquid coating composition)が100重量%となるように選択される。
【0012】
液体の被膜組成物における揮発性ポリジメチルシロキサンは、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの混合物を含むポリジメチルシロキサンであって良いものの、これらに限定されない。組成物中で用いられるポリジメチルシロキサンとして、HMDSを使用するのが好ましい。
【0013】
液体の被膜組成物における脂肪族炭化水素は、アルカン、アルカンの混合物、アルケン、アルケンの混合物、アルキン、アルキンの混合物、あるいはこれらの混合物、を含む任意の脂肪族炭化水素であって良い。脂肪族炭化水素は、アルカン、例えばペンタン、イソオクタン、あるいはアルカンの混合物、であるのが好ましい。脂肪族炭化水素は、イソオクタンであるのがより好ましい。
【0014】
液体の被膜組成物におけるシロキサン含有ポリマーは、米国特許第6,383,502号、第5,103,812号、および第4,987,893号に記載されているシロキサン含有ポリマーであって良く、参照することによって、これら特許の記載内容全体を、そのまま本明細書に組み込む。これらの特許に記載されているように、シロキサン含有ポリマーは、ビニル含有アルキルシロキシシランを単独で、あるいは、共重合体、ターポリマーまたは多成分ポリマーとして含むことが可能であるが、共重合体、ターポリマーまたは多成分ポリマーは、上記のポリマーを親水性にしない他の重合性モノマーを含んでいても良い。利用することが可能である一般的なビニルアルキルシロキシシランは、例えば、以下のものである:
3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、
3−メタクリロイルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、
3−メタクリロイルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、
3−アクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、および、
その他のもの。
【0015】
ビニルアルキルシロキシシランと反応して、多成分のシロキサン含有ポリマーを形成することが可能である一般的な付加重合性モノマーは、以下のものである:アクリレート、非限定例として、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ジメチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−オクタデシルアクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、およびn−トリデシルメタクリレート;並びに他の重合性モノマー、非限定例として、アルファメチルスチレン、スチレン、p−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、安息香酸ビニル(vinyl benzoate)、ビニルナフタレン。更に、フッ素化シロキサン、フッ素化イタコネート、フッ素化メタクリレートまたはアクリレート、例えばヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートを用いても良い。任意の疎水性の重合性モノマーは、結果として得られる共重合体が所望のO2およびH2O蒸気透過性を有する限りにおいて、使用されても良い。かかる追加の重合性コモノマーは、シロキサン含有ポリマー中において、最大で0.85モル分率の量で含まれていても良い。
【0016】
シロキサン含有ポリマーは、約15〜100モル%のビニルアルキルシロキシシランの割合であるのが好ましく、その成分は、揮発性ポリジメチルシロキサンおよび脂肪族炭化水素中において、ポリマーの所望の相溶性(compatibility)を維持し、かかる成分により、高い湿潤性および酸素透過性、ならびに生体適合性が得られる。ポリマー中において、20〜40モル%の範囲のビニルアルキルシロキシシランが好ましい。他の追加の重合性モノマーは、ポリマー組成物において約0〜85モル%のビニルアルキルシロキシシランと共重合され、これにより、いくつかある薄膜の特性の中で特に、透過性、接着性、靱性、弾性、温度安定性、および耐衝撃性、を調節することが可能となる。
【0017】
シロキサン含有ポリマーは、液体の被膜組成物における揮発性ポリジメチルシロキサンおよび脂肪族炭化水素溶媒系(solvent system)に対して、少なくとも部分的に溶解性であるのが好ましく、液体の被膜組成物における揮発性ポリジメチルシロキサンおよび脂肪族炭化水素溶媒系に対して、完全な溶解性であるのがより好ましい。
【0018】
シロキサン含有ポリマーは、直鎖、分岐または僅かに架橋されていても良く、そして単独重合体、共重合体、ターポリマーまたはマルチポリマーであっても良い。かかるポリマーは、ランダム共重合体であるか、または実際にセグメント(segmental)であっても良い。
【0019】
シロキサン含有ポリマーの形成で用いることが可能である一般的なビニルアルキルシロキシシランモノマーは、下式を有するモノマーを含む。

CH2=C(R1)COOR2SiR345
但し、
1は、H、CH3、またはCH2COOR’を表し、
2は、アルキル(C1〜C4)またはCH2CH(OH)CH2を表し、 R3、R4、R5は、OSi(Y)3またはアルキル(C1〜C6)を表し、
3、R4、R5の少なくとも1つが、OSi(Y)3を表し、
Yが、アルキル(C1〜C6)、OSi(Z)3またはR2OOC(R1)C=CH2を表し、
Zが、アルキル(C1〜C6)またはアリールを表し、
R’が、R2SiR345を表す。
【0020】
シロキサン含有ポリマーは、50,000〜数百万の範囲の分子量を有していても良い。好ましい分子量範囲は、50,000〜500,000の重量平均分子量である。より低分子量のシロキサン含有ポリマーは、溶剤および溶媒系に対して著しく高い溶解性を有しているので、かかるポリマーが薄膜の構成員(film formers)であっても良いと共に、一般にゆっくり乾燥して、粘性のままとなる。シロキサン含有ポリマーの分子量は、開始剤、開始剤の濃度、反応温度、反応溶剤、および/または反応方法を変更することによって、制御され得る。
【0021】
シロキサン含有ポリマーは、シラン誘導体であるモノマー“A”成分と、単独重合体として提供される場合に“硬質(hard)”ポリマーを形成するであろうモノマー“B”成分と、単独重合体として提供される場合に“軟質(soft)”ポリマーを形成するであろうモノマー“C”成分と、を有するアクリレートまたはメタクリレートターポリマーであるのが好ましい。このようなモノマーの混合物により、モル分率の割合を調節して、薄膜の酸素透過性、延性、透湿性および材料のコストを最適化することが可能となる。高い耐久性の被膜は、かかる被膜が広範な時間に亘って皮膚上に残留することが可能であり、且つ優れた保護を提供するために、特に望ましい。
【0022】
モノマー“A”の場合、シラン誘導体の例示は、上述されている。モノマー“B”は、“硬質”であり、且つ対応の単独重合体は、約−5℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有しているのが一般的である。かかるモノマーの例示は、アクリレートまたはメタクリレートモノマーであり、好ましくはC1〜C4アルキルメタクリレートである。硬質モノマーは、メチルメタクリレートであるのが最も好ましい。硬質モノマー成分に用いられ得るモノマーの他の例示は、上述された以外の構造を有するメタクリレート、例えばベンジルメタクリレートおよびイソボルニルメタクリレート、メタクリルアミド、例えばN−t−ブチルメタクリルアミド;アクリレート、例えばイソボルニルアクリレート;アクリルアミド、例えばN−ブチルアクリルアミドおよびN−t−ブチルアクリルアミド;不飽和ジカルボン酸のジエステル、例えばジエチルイタコネートおよびジエチルフマレート;亜硝酸ビニル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル;ビニルエステル、例えば酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル;並びに芳香族環を含むモノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンを含み、必須のTg値を有するモノマーである。
【0023】
モノマー“C”は、軟質の単独重合体を形成するモノマーから選択されても良い。“軟質”モノマーは、対応の単独重合体が約10℃未満のTgを一般的に有するモノマーであるが、硬質モノマーは、各々のポリマーにおける軟質ポリマーより高いTgを有するという条件付きである。かかるモノマーは、C4〜C12アルキルアクリレートおよびC4〜C12アルキルメタクリレートであっても良く、且つアルキル基は、直鎖であっても、分岐であっても、または環式であっても良い。軟質モノマーは、直鎖のC7〜C10アルキルアクリレートから選択されるのが最も好ましい。軟質モノマー成分に用いられ得るモノマーの他の例示としては、ジエン、例えばブタジエンおよびイソプレン;アクリルアミド、例えばN−オクチルアクリルアミド;ビニルエーテル、例えばブトキシエチレン、プロピルオキシエチレンおよびオクチルオキシエチレン;ビニルハライド、例えば1,1−ジクロロエチレン(1,1-dichloroethylene);並びにビニルエステル、例えばカプリン酸ビニルおよびラウリン酸ビニルを含む、必須のTg値を有するモノマーである。
【0024】
シロキサン含有ポリマーは、約50〜60重量%のモノマーAと、25〜45重量%のモノマーBと、約3〜20重量%のモノマーCと、を含むのが最も好ましい。特に好ましい実施形態において、シロキサン含有ポリマーは、約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3- methacryloxypropyl tris(trimethylsiloxy)silane)と、約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、約3〜20重量%の、直鎖または分岐のC7〜C10アルキルアクリレートから選択されるモノマーと、を含む。
【0025】
シロキサン含有ポリマーに用いられるモノマーの選択における一つの変法では、各々のカテゴリーA、BまたはC内で1を超えるモノマーを使用する。例えば、ポリマーは、57%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、39%のメチルメタクリレートと、2%のイソオクチルアクリレートと、2%のデシルアクリレートと、を含んでいても良い。最後の2個のモノマーは、それぞれモノマーCの規定(definition)を満たし、これらを組み合わせて、かかる成分の所望の品質を提供する。
【0026】
任意のフリーラジカル開始剤が、シロキサン含有ポリマーの形成で使用されても良く、当該シロキサン含有ポリマーは例えば、アゾビスイソブチロニトリル;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(2,2'-azobis(2,4 dimethylpentane nitrile));2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル);過硫酸カリウム;過硫酸アンモニウム;ベンゾイルペルオキシド;2,5−ジメチル2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン(2,5-dimethyl 2,5-bis(2-ethylhexanoylperoxy)hexane)など、を含んでいる。重合は、溶液、エマルジョン、または懸濁技術(suspension techniques)によって行われても良い。ポリマーは、溶剤、例えば揮発性ポリジメチルシロキサン、脂肪族炭化水素(例えば、アルカン)、他の溶剤、またはこれらの組み合わせにおいて、形成されても良い。
【0027】
液体の被膜組成物における補助剤は、1種類以上の可塑剤、極性溶剤(例えば、イソプロピルアルコール)、薬剤または他の有効成分、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、他の補助剤、およびこれらの混合物であっても良い。いくつかの実施形態において、極性溶剤を含まない補助剤は、液体の被膜組成物中に含まれる。
【0028】
補助剤として用いられ得る薬剤および他の有効成分が含んでいる、非限定的なものとしては、防腐剤(例、塩化ベンザルコニウム)、抗菌剤(anti-microbial agent)、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤(anti-bacterial agent)、抗ウィルス剤、抗ガン剤、血圧調節剤、心臓調節剤(heart regulator)、他の有効成分、およびこれらの組み合わせである。組み込まれるのが望ましい場合がある他の種類の有効成分は、植物生長抑制剤、DEET、シトロネラ油、植物の殺虫剤、UVおよびIR吸収剤等である。薬剤または他の有効成分(例えば、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤)が液体の被膜組成物中に含まれる場合、薬剤または他の有効成分は、組成物中において、0.01〜5.00重量%で含まれるのが一般的であるが、組成物中には、より多量またはより少量の薬剤および有効成分が用いられても良い。
【0029】
液体の被膜組成物は、補助剤として可塑剤を含み、皮膚に載置される薄膜に可撓性を提供するのが好ましい。補助剤として使用される可塑剤は、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート、アセチルトリプロピルシトレート、トリプロピルシトレート、ジブチルセバケート、アセチルジブチルセバケート、ジプロピルセバケート、アセチルジプロピルセバケート、ジエチルセバケート、アセチルジエチルセバケート、他の可塑剤、およびこれらの混合物を含んでいても良い。かかるエステルの同族体および誘導体を含む、他の可塑剤を用いても良い。液体の被膜組成物が可塑剤を含む場合、可塑剤は、組成物中において、1〜3重量%、好ましくは1.60〜2.25重量%で含まれるのが一般的であるが、組成物中には、より多量またはより少量の可塑剤が用いられても良い。
【0030】
他の一般的な可塑剤/接着促進剤は、ジブチルナフタレート、スクロースアセテートイソブチレート、スクロースベンゾエート、鉱油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ブチルグリコレート等である。利用され得る一般的なレオロジー添加剤は、ヒュームド・シリカ、例えばCab−o−sil(登録商標)ヒュームド・シリカ、ベントナイトおよび他のクレー誘導体、並びに飽和脂肪酸、例えば水和されたリシノール酸である。
【0031】
補助剤として使用され得る着色剤またはマスキング剤は、染料および顔料を含む。
【0032】
一つの実施形態において、液体の被膜組成物は、可塑剤を含む補助剤、薬剤または他の有効成分(例えば、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤)および必要により極性溶剤を含む。必要により含まれる極性溶剤は、液体の被膜組成物を調製するために、薬剤または他の有効成分を溶解するのに有用な場合がある。極性溶剤は、含まれる場合、組成物中において、1〜3重量%、より好ましくは1.2〜3.0重量%で含まれていても良いが、より多くのまたはより少ない極性溶剤を用いても良い。
【0033】
好ましい実施形態において、液体の被膜組成物における補助剤は、1〜3重量%、より好ましくは1.60〜2.25重量%で組成物中に含まれる可塑剤;0.10〜0.15重量%で組成物中に含まれる防腐剤、例えば塩化ベンザルコニウム;および1〜3重量%、より好ましくは1.2〜3.0重量%で組成物中に含まれる極性溶剤、例えばイソプロパノールを含む。かかる実施形態において、防腐剤は、液体の被膜組成物を調製するために、極性溶剤中に溶解されていても良い。
【0034】
液体の被膜組成物は、使用者の皮膚、爪、および/または粘膜に施された場合、乾燥して、被膜または薄膜を形成する。被膜または薄膜は、皮膚、爪、および粘膜の保護または処置に有用な場合がある(例えば、皮膚の切り傷、擦過、切開および膨れ;乾燥したひび割れ皮膚;擦過歯茎および他の口腔面;痔および擦過体表面;炎症した消化管;他の粘膜の切開および創傷)。液体の被膜組成物から形成される薄膜は、爪、皮膚および粘膜の創傷に付着し、そしてこれらの創傷を擦過、汚染、および乾燥から保護する適合性包帯として作用することが可能である。なぜなら、液体の被膜組成物により、迅速に乾燥し、可撓性で、防水で、通気性があり、無刺激性の液体の接着被膜または包帯を提供することが可能だからである。
【0035】
薬剤または他の有効成分が液体の被膜組成物中に含まれる場合、組成物により形成される被膜は、薬剤または他の有効成分を、標的の部位(targeted site)に投与するために使用され得る。
【0036】
液体の被膜組成物は、使用者の皮膚、爪、および/または粘膜に施された場合、室温(20℃)で作用して、好ましくは数分以内で薄膜を形成するのが好ましい。薄膜は、適合性で且つ快適性であるのが好ましく、そして弾性で且つ可撓性であっても良い。薄膜は、塗布中に任意の方法で噴霧または載置された場合、および乾燥後の使用時において、皮膚および粘膜に刺激を与えないのが好ましい。包帯は、実質的に痛みのなく、そして実質的に痛みを伴うことなく容易に取り除くことが可能であるのが好ましい。液体の被膜組成物から形成される乾燥した包帯はまた、実質的に非感水性で且つ防水性であるのが好ましく、これにより高い水蒸気および酸素ガス透過性を有するのが好ましい。包帯は、表面に対して施された場合、標準の室温下で短期間に水、血液または体液との液体およびその妥当な変体を形成するのが好ましい。液体の組成物および/または乾燥したポリマー薄膜は、無菌性を保持しおよび/または使用者の体の基礎をなす領域に放出するために、種々の薬剤または他の有効成分を、かかる組成物および/または薄膜に組み込んで有していても良い。
【0037】
液体の被膜組成物は、皮膚、爪、粘膜等に対して、アプリケーター(applicator)、例えばブラシ、ロッド、指、スポンジ、布、ドロッパー等を利用することによって液体の状態で;噴霧またはミストの状態で;或いは液体を表面に塗布する他の任意の使用可能な技術で、施されても良い。液体の被膜組成物は、無刺激性であるのが好ましい。
【0038】
薬剤およびまた他の有効成分は、容易にまたは継続的に放出するために、液体または固体の、乾燥した薄膜包帯に組み込まれても良い。なぜなら、液体の被膜組成物から形成される包帯により、不活性で、長持ちし、高い透過性の薄膜を形成することが可能であり、かかる薄膜は、皮膚、粘膜および他の体表面(これに対して、有効成分を長時間に亘って放出するのが望ましい。)に施される薬剤または他の有効成分を含んでいても良い。
【0039】
液体の被膜組成物は、医療用ボディケア以外の用途に使用されても良い。例えば、被膜は、撥水剤として、更にH2O蒸気透過性で、生理用ナプキン、オムツ、またはパンティーに施される薄膜として使用され得る。殺菌剤を取り込むと、被膜は、タイル張りの表面におけるグラウト(grout)を保護するために使用され得る。液体の被膜組成物は、更に、UV吸収剤を組み込んだ日焼け止め剤として有用な場合がある。更に別の使用法は、ひび割れた唇の排出、皮膚および体内面の処置、並びに塗布前に薬剤投与される場合がある皮膚および他の表面の保護において用いる場合に薄膜を形成することを含む。
【0040】
上述したように、シロキサン含有ポリマーは、液体の被膜組成物の最終調製で使用される1種以上の溶剤中で、他の溶剤中で、および/またはこれらの組み合わせにおいて、製造され得る。液体の被膜組成物は、製造された混合物中でシロキサン含有ポリマーを使用するか、またはポリマーを、製造された混合物から分離し、その後、液体の被膜組成物を調製することによって調製され得る。液体の被膜組成物は、例えば、シロキサン含有ポリマー(当該ポリマーが製造された溶剤を用いて、または、用いないで)、揮発性ポリジメチルシロキサン、脂肪族炭化水素、および必要により補助剤を混合することによって調製され得る。シロキサン含有ポリマーが揮発性ポリジメチルシロキサンおよび/または脂肪族炭化水素中で製造される実施形態において、液体の被膜組成物を調製する場合、多くの上記の溶剤を添加することは必要でない場合がある。
【0041】
〔実施例〕
本発明は、以下の実例となる実施例によって更に説明されるが、実施例は、限定をする意図ではない。
【0042】
<実施例1> ポリマーの合成
窒素雰囲気下、撹拌器、N2導入部、冷却器および熱電対を頂部に備える1Lの樹脂フラスコに、455mLのイソオクタン、111.3g(0.263モル)のメタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、81.9g(0.818モル)のメチルメタクリレート、16.8g(0.091モル)のイソオクチルアクリレートおよび0.315gのフリーラジカル開始剤のVAZO(登録商標)−67(デュポン社製(obtained from DuPont))が充填された。反応混合物が75℃に加熱され、かかる温度で24時間保持した。75℃での保持中、2つの追加量の、8gのイソオクタンに溶解された0.153gのフリーラジカル開始剤のVAZO(登録商標)−67が、それぞれ12時間および18時間で反応混合物に対して添加された。75℃で24時間後、反応混合物が100℃に加熱され、そして100℃にて6時間維持されたが、反応時間の合計は、30時間であった。その後、反応混合物が室温まで冷却された。かかる反応により、シロキサン含有ポリマーを有する溶液を生成した。
【0043】
<実施例2> 液体の被膜組成物としてのシロキサン含有ポリマーの調製
23.7g(63.3%の固体)の、実施例1で調製されたシロキサン含有ポリマーを含むフラスコに対して、8.7gのヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)(HMDS)が添加された。64.4gの希釈剤(HMDS:イソオクタン 50:50重量/重量)がフラスコに添加され、そして混合物が室温下で撹拌された。1.6gのセバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate)が添加され、そして溶解するまで混合物が撹拌された。これにより得られた液体の接着被膜組成物は、15%のシロキサン含有ポリマー固体を含んでいた。
【0044】
<実施例3> 生物活性剤を有する液体の被膜組成物としてのシロキサン含有ポリマーの調製
23.7g(63.3%の固体)の、実施例1で調製されたシロキサン含有ポリマーを含むフラスコに対して、8.7gのヘキサメチルジシロキサン(HMDS)が添加された。64.4gの希釈剤(HMDS:イソオクタン 50:50重量/重量)がフラスコに添加され、そして混合物が室温下で撹拌された。1.5gのイソプロパノールおよび1.6gのセバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate)に溶解された0.106gの塩化ベンザルコニウムがフラスコに添加され、そして完全に溶解し、透明になるまで混合物が撹拌された。これにより得られた液体の接着被膜組成物は、15%のシロキサン含有ポリマー固体および0.1%の防腐剤を含んでいた。
【0045】
本発明は、詳細に且つ本発明の特定の実施形態を参照しつつ説明されたが、当業者であれば、本発明の精神および目的から逸脱することなく種々の変更および修正が可能であることは明らかであろう。
【0046】
〔実施の態様〕
(1) 液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)18〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)5〜55重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
(2) 実施態様1に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(3) 実施態様2に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
(4) 実施態様1に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、アルカン、アルケン、アルキン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(5) 実施態様4に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、ペンタン、イソオクタン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカンである、組成物。
(6) 実施態様5に記載の組成物において、
前記アルカンが、イソオクタンである、組成物。
(7) 実施態様1に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(8) 実施態様1に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
シラン誘導体であるモノマーA成分と、
単独重合体として重合される場合に硬質ポリマーを形成するモノマーB成分と、
単独重合体として重合される場合に軟質ポリマーを形成するモノマーC成分と、
を含む、組成物。
(9) 実施態様8に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の前記モノマーAと、
約25〜45重量%の前記モノマーBと、
約3〜20重量%の前記モノマーCと、
を含む、組成物。
(10) 実施態様9に記載の組成物において、
前記モノマーAが、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであり、
前記モノマーBが、メチルメタクリレートであり、
前記モノマーCが、イソオクチルアクリレートである、組成物。
(11) 実施態様1に記載の組成物において、
前記組成物が、
20〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサン、および、
15〜55重量%の脂肪族炭化水素、
を含む、組成物。
【0047】
(12) 液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)25〜50重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)20〜50重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
(13) 実施態様12に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
(14) 実施態様12に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
(15) 実施態様12に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
(16) 実施態様12に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(17) 実施態様12に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
(18) 実施態様17に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
(19) 実施態様12に記載の組成物において、
前記組成物が、
25〜45重量%の揮発性ポリジメチルシロキサン、および、
20〜45重量%の脂肪族炭化水素、
を含む、組成物。
(20) 実施態様19に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンであり、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【0048】
(21) 液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)30〜40重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)30〜40重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
(22) 実施態様21に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
(23) 実施態様21に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
(24) 実施態様21に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
(25) 実施態様21に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(26) 実施態様21に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンであり、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【0049】
(27) 液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)30〜40重量%のヘキサメチルジシロキサンと、
(c)30〜40重量%のイソオクタンと、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含み、
前記組成物が、可塑剤を含む補助剤を含む、組成物。
(28) 実施態様27に記載の組成物において、
前記組成物における前記補助剤が、防腐剤および極性溶剤をさらに含む、組成物。
(29) 実施態様27に記載の組成物において、
前記可塑剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
(30) 実施態様28に記載の組成物において、
前記防腐剤が、塩化ベンザルコニウムであり、
前記極性溶剤が、イソプロパノールである、組成物。
(31) 実施態様28に記載の組成物において、
前記防腐剤が、前記組成物中に0.10〜0.15重量%で含まれる、組成物。
(32) 実施態様31に記載の組成物において、
前記極性溶剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
(33) 実施態様27に記載の組成物において、
前記組成物における前記補助剤が、防腐剤および極性溶剤をさらに含み、
前記可塑剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれ、
前記防腐剤が、前記組成物中に0.10〜0.15重量%で含まれ、
前記極性溶剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
(34) 実施態様33に記載の組成物において、
前記組成物が、溶液の状態である、組成物。
(35) 実施態様27に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)18〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)5〜55重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、アルカン、アルケン、アルキン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、ペンタン、イソオクタン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカンである、組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の組成物において、
前記アルカンが、イソオクタンである、組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
シラン誘導体であるモノマーA成分と、
単独重合体として重合される場合に硬質ポリマーを形成するモノマーB成分と、
単独重合体として重合される場合に軟質ポリマーを形成するモノマーC成分と、
を含む、組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の前記モノマーAと、
約25〜45重量%の前記モノマーBと、
約3〜20重量%の前記モノマーCと、
を含む、組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物において、
前記モノマーAが、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであり、
前記モノマーBが、メチルメタクリレートであり、
前記モノマーCが、イソオクチルアクリレートである、組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物において、
前記組成物が、
20〜55重量%の揮発性ポリジメチルシロキサン、および、
15〜55重量%の脂肪族炭化水素、
を含む、組成物。
【請求項12】
液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)25〜50重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)20〜50重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
【請求項15】
請求項12に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【請求項16】
請求項12に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項17】
請求項12に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
【請求項18】
請求項17に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【請求項19】
請求項12に記載の組成物において、
前記組成物が、
25〜45重量%の揮発性ポリジメチルシロキサン、および、
20〜45重量%の脂肪族炭化水素、
を含む、組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンであり、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【請求項21】
液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)30〜40重量%の揮発性ポリジメチルシロキサンと、
(c)30〜40重量%の脂肪族炭化水素と、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含む、組成物。
【請求項22】
請求項21に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンである、組成物。
【請求項23】
請求項21に記載の組成物において、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンである、組成物。
【請求項24】
請求項21に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【請求項25】
請求項21に記載の組成物において、
前記補助剤が、可塑剤、防腐剤、極性溶剤、抗菌剤、抗真菌薬、痒み止め剤、抗バクテリア剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、接着促進剤、レオロジー添加剤、着色剤、マスキング剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項26】
請求項21に記載の組成物において、
前記揮発性ポリジメチルシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであり、
前記脂肪族炭化水素が、イソオクタンであり、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。
【請求項27】
液体の被膜組成物において、
(a)1〜40重量%のシロキサン含有ポリマーと、
(b)30〜40重量%のヘキサメチルジシロキサンと、
(c)30〜40重量%のイソオクタンと、
(d)0〜15重量%の補助剤と、
を含み、
前記組成物が、可塑剤を含む補助剤を含む、組成物。
【請求項28】
請求項27に記載の組成物において、
前記組成物における前記補助剤が、防腐剤および極性溶剤をさらに含む、組成物。
【請求項29】
請求項27に記載の組成物において、
前記可塑剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
【請求項30】
請求項28に記載の組成物において、
前記防腐剤が、塩化ベンザルコニウムであり、
前記極性溶剤が、イソプロパノールである、組成物。
【請求項31】
請求項28に記載の組成物において、
前記防腐剤が、前記組成物中に0.10〜0.15重量%で含まれる、組成物。
【請求項32】
請求項31に記載の組成物において、
前記極性溶剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
【請求項33】
請求項27に記載の組成物において、
前記組成物における前記補助剤が、防腐剤および極性溶剤をさらに含み、
前記可塑剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれ、
前記防腐剤が、前記組成物中に0.10〜0.15重量%で含まれ、
前記極性溶剤が、前記組成物中に1〜3重量%で含まれる、組成物。
【請求項34】
請求項33に記載の組成物において、
前記組成物が、溶液の状態である、組成物。
【請求項35】
請求項27に記載の組成物において、
前記シロキサン含有ポリマーが、
約50〜60重量%の3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
約25〜45重量%のメチルメタクリレートと、
約3〜20重量%のイソオクチルアクリレートと、
を含む、組成物。

【公表番号】特表2008−535956(P2008−535956A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502031(P2008−502031)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009461
【国際公開番号】WO2006/101955
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500512427)クロージャー メディカル コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】