説明

液体をノズル供給するための噴射装置を備えた軸流圧縮機

【課題】公知の実施形態における欠点を回避し、単純かつ容易に実現可能な形態で、ガス流内への液体の効果的なノズル供給を可能する軸流圧縮機を提供する。
【解決手段】軸流圧縮機(10)が、液体をノズル供給するための少なくとも1つの噴射装置(18,18’,18a,b)を備えていて、該噴射装置(18;18’,18a,b)が、少なくとも1つのノズル(22)を有していて、該ノズル(22)が、抽気スリット(17)を介してガス通路(12)内に液体をノズル供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、特にガスタービンに用いられる空気を圧縮するための軸流圧縮機であって、該軸流圧縮機が、複数の動翼を備えた、機械軸線を中心として回転可能なロータと、該ロータを同心的にかつ間隔を置いて取り囲むハウジングとを有しており、該ハウジングが、ロータと一緒に環状のガス通路を形成し、かつ該ガス通路の外側に、ほぼ環状かつ同心的な少なくとも1つの抽気室を有しており、該抽気室が、少なくとも1つの抽気スリットを有しており、該抽気スリットが、ガス通路に作用結合(開口)している形式の軸流圧縮機のものに関する。
【0002】
さらに本発明は、軸流圧縮機を製造する方法ならびに軸流圧縮機を備えたガスタービンに関する。
【背景技術】
【0003】
特にガスタービンの一部として使用される軸流圧縮機では、進行する熱力学的なプロセスに影響を与えるために、圧縮が行われるガス通路内に液体、特に水をノズル供給することがしばしば所望される。このようなノズル供給では、軸流圧縮機の構造における広範囲で費用のかかる変更および適合を回避することが望ましい場合には、軸流圧縮機の構造的な特異性および幾何学的な状態を考慮しなければならない。
【0004】
欧州特許第0984138号明細書から公知の圧縮機では、ロータ軸を冷却するために、冷却空気が、案内翼の翼先端の吹出し開口を通じて、ロータ軸に対して吹き出される。このような構成は、ガス流内に液体をノズル供給するためには適しておらず、案内翼の特別な形態を要求する。
【0005】
米国特許第6644935号明細書では、軸流圧縮機の効率を改善するために、液体をガス流内にノズル供給することが提案される。このためには、半径方向に位置調節されたノズルが使用される。これらのノズルは、圧縮機のハウジングの孔内に直接に収容されている。外部からハウジング壁内への通路を備えたこのような直接的な配置は、ハウジング構造が極めて単純である圧縮機においてのみ可能である。これに対して圧縮機に抽気室および相応する抽気フランジが設けられている場合、このようなノズル配置を簡単に実現することはできない。さらに、密閉性の問題と、機械的かつ熱力学的な強度の問題も生じる。
【0006】
米国特許第7033135号明細書は、液体を、ターボ機械のガス流内に、案内翼の後縁に半径方向で分配されて配置された開口を通じてノズル供給することを提案している。案内翼を液体供給部に接続するためには、ハウジングは内側で手間をかけて加工されなければならない。さらに、流れ方向で液体をノズル供給することは、ガスと液体霧の混合のために特に有利ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0984138号
【特許文献2】米国特許第6644935号明細書
【特許文献3】米国特許第7033135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、公知の解決手段の上述の欠点を回避し、単純かつ容易に実現可能な形態で、ガス流内への液体の効果的なノズル供給を可能する軸流圧縮機を提供することである。さらにこの軸流圧縮機の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するための本発明の請求項1に記載の構成では、冒頭で述べた形式の軸流圧縮機において、軸流圧縮機が、液体をノズル供給するための少なくとも1つの噴射装置を備えていて、該噴射装置が、少なくとも1つのノズルを有していて、該ノズルが、抽気スリットを介してガス通路内に液体をノズル供給するようにした。
【0010】
本発明の有利な態様では、抽気スリットが、環状にかつ同心的に形成されており、噴射装置が、複数のノズルを有していて、該ノズルが、ガス通路内へ液体を供給しかつ分配するために、抽気スリットの全周にわたって分配されている。
【0011】
本発明の有利な態様では、少なくとも1つの噴射装置が、ノズルに液体を供給しかつ分配するための第1の手段を有していて、該第1の手段が、抽気スリットに対応配置された抽気室内に配置されており、該第1の手段が、ハウジングに取り付けられた接続フランジを有していて、該接続フランジが、外側から噴射装置に液体を供給する。
【0012】
本発明の有利な態様では、ノズルが、抽気スリット内に配置されている。
【0013】
本発明の有利な態様では、ノズルが、該ノズルのノズル軸線を機械軸線に向けて位置調節されていて、かつ半径方向から流れ方向に傾斜して配置されていて、液体がガス通路内の流れに抗してノズル供給されるようになっている。
【0014】
本発明の有利な態様では、第1の手段が、湾曲管を有していて、該湾曲管が、流れ方向に対して横方向に抽気室を通って延びており、かつ該湾曲管にノズルが固定されている。
【0015】
本発明の有利な態様では、湾曲管が、抽気室の内壁に取り付けられていて、湾曲管が、可撓性の結合チューブを介して、接続フランジに結合されている。
【0016】
本発明の有利な態様では、ハウジングが、水平方向の分割平面で、上側のハウジング半部と、下側のハウジング半部とに分割されていて、噴射装置が、ハウジングに対応して、上側の噴射装置と、下側の噴射装置とに分割されていて、上側の噴射装置および下側の噴射装置に、それぞれ1つの個別の接続フランジが対応配置されている。
【0017】
本発明の有利な態様では、第1の手段が、上側の噴射装置と、下側の噴射装置とのために、それぞれ1つの半円形の湾曲管を有していて、該半円形の湾曲管が、流れ方向に対して横方向に抽気室を通って延びていて、該半円形の湾曲管にノズルが固定されている。
【0018】
本発明の有利な態様では、同一の複数の噴射装置が、軸方向で相前後して配置されている。
【0019】
上記課題を解決するための本発明に請求項9に係る軸流圧縮機を製造する方法では、該軸流圧縮機が、ハウジングを有していて、該ハウジングが、水平方向の分離平面で、上側のハウジング半部と、下側のハウジング半部とに分割されている形式の軸流圧縮機を製造する方法において、1つのステップで1つまたは複数の接続フランジをハウジングに取り付け、別のステップで第1の手段のための支持エレメントを抽気室の内壁に取り付け、さらに別のステップで第1の手段と、該第1の手段に不動に配置されたノズルと一緒に支持エレメントに固定するようにした。
【0020】
本発明に係るガスタービンは、本発明による軸流圧縮機が形成されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、特にガスタービンに用いられる空気を圧縮するための軸流圧縮機であって、軸流圧縮機が、複数の動翼を備えた、機械軸線を中心として回転可能なロータと、該ロータを同心的に、間隔を置いて取り囲むハウジングとを有しており、該ハウジングが、ロータと共に環状のガス通路を形成し、該ガス通路の外側に、有利には環状かつ同心的な抽気室を有しており、該抽気室が、それぞれ有利には環状かつ同心的な抽気スリットを介してガス通路に接続している形式の軸流圧縮機を起点とする。
【0022】
本発明は、当該軸流圧縮機が、液体、特に水をノズルによって供給するための少なくとも1つの噴射装置を備えていて、該少なくとも1つの噴射装置が、複数のノズルを有していて、該複数のノズルが、全周にわたって分配されて抽気スリットを介して液体をガス通路内にノズル供給可能であり、少なくとも1つの噴射装置が、個々のノズルに液体もしくは水を供給しかつ分配するための第1の手段を有しており、第1の手段が、抽気スリットに対応配置された抽気室内に配置されており、前記第1の手段に、ハウジングに取り付けられた接続フランジを介して外部から液体が供給されることにより優れている。
【0023】
本発明に係る軸流圧縮機の1態様は、ノズルが、抽気スリット内に配置されていることを特徴とする。存在している抽気スリットを、ノズルを収容するための開口として使用することによって、液体をノズル供給するために必要となる、ハウジングの周方向の加工は劇的に減じられる。同時に、簡単な形式で、抽気スリットの背後に配置された抽気室からノズルへの通路が得られる。
【0024】
通常、抽気スリットは、流れ方向に対して傾斜して配置されており、これによってガス流が改善されて抽気され得る。このことは、有利には、液体がガス通路内の流れに対してノズル供給されるように、ノズルのノズル軸線が機械軸線に向けて位置調節されていて、半径方向から流れ方向に傾斜して配置されていることを特徴とする本発明の1実施の態様のために利用され得る。
【0025】
本発明の別の態様は、第1の手段が、湾曲管を有していて、該湾曲管が、流れ方向に対して直交する横方向に抽気室を通って延びており、該湾曲管に、ノズルが固定されていることにより優れている。湾曲管とノズルとを統合して1つのユニットを形成することによって、装置の構造的な簡略化が達成されると同時に、装置の機械的な安定性が保証される。
【0026】
さらなる簡略化は、別の態様により、湾曲管が抽気室の内壁に固定されていて、湾曲管が、可撓性の結合チューブを介して接続フランジに結合されていることにより生じる。これによって、ノズルもしくは湾曲管と、ハウジングの外側との間の分離が達成されて、この分離は、熱膨張を許容し、シールに関しても僅かな問題しか有していない。
【0027】
ハウジングが、水平方向の分離平面で、上側のハウジング半部と下側のハウジング半部とに分割されていると、有利には、噴射装置が、ハウジングに相応して、上側の噴射装置と下側の噴射装置とに分割されている。この場合、上側の噴射装置と下側の噴射装置とに、それぞれ1つの固有の接続フランジが対応配置されていると有利である。これによって、機械の組立ておよび分解が著しく簡単にされる。
【0028】
このことは特に、第1の手段が、上側の噴射装置と下側の噴射装置とのための、流れ方向に対して直交する横方向で抽気室を通って延び、かつノズルが固定されているそれぞれ1つの半円形の湾曲管を有している場合に当てはまる。
【0029】
本発明の別の態様によれば、相応する抽気室および抽気スリットが存在している場合、軸方向で相前後して、同一の複数の噴射装置が配置されていてよい。したがって液体のノズル供給プロセスは、さらに改善され、かつより柔軟に熱力学的な要求に適合され得る。
【0030】
軸流圧縮機がハウジングを有していて、該ハウジングが、水平方向の分離平面で上側のハウジング半部と下側のハウジング半部とに分割されている形式の軸流圧縮機を製造する本発明による方法は、1つのステップで1つまたは複数の接続フランジをハウジングに取り付け、別のステップで、第1の手段のための支持エレメントを抽気室の内壁に取り付け、さらに別のステップで、第1の手段を、該第1の手段に不動に配置されたノズルとともに支持エレメントに固定することにより優れている。
【0031】
本発明によるガスタービンは、本発明による軸流圧縮機を備えている。
【0032】
本発明を以下に実施の形態につき図面に関連して詳しく説明する。本発明を直接的な理解のために必要ではない全ての構成要素は省略されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の1態様による、ガス通路内に液体を噴射するための噴射装置を備えた軸流圧縮機の一部を示す図である。
【図2】図1に示した噴射装置の詳細を拡大した部分で示す図である。
【図3】軸方向で見た、本発明による分割されたハウジングを備えた軸流圧縮機内の噴射装置の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、特にガスタービンに用いられる、ガス通路内に液体を噴射もしくはノズルを介して供給するための装置を有している軸流圧縮機と、該圧縮機を製造する方法とを含む。
【0035】
噴射装置は、液体をノズル供給もしくはノズルを介して噴射するためのノズル配置構造と、ノズルに液体を分配するための相応する湾曲管と、噴射装置をガス通路に固定するための設備とを有している。さらに、可撓性の結合チューブと、軸流圧縮機のハウジングにおける接続フランジとが設けられている。接続フランジを介して、外部から液体が供給され得る。ノズルは、軸流圧縮機内に設けられた抽気スリット内に配置されていて、液体を円錐形の噴霧で主ガス流に対向する方向に噴霧する。ノズル供給される液体噴射の噴霧角度は、流れ通路の全体的な高さにわたって精確に分配された霧を生ぜしめる。
【0036】
図1には、本発明の1つの実施の形態による、ガス通路内に液体を噴射するための噴射装置を備えた軸流圧縮機の一部が再現されている。軸流圧縮機10は、中央のロータ11を有している。該ロータ11は、多数の動翼14を支持している。これらの動翼14は、半径方向に位置調節されていて、直径が先細りする環状のガス通路12内に突入している。動翼14は、ガス通路12内で案内翼15と交互に配置されている。案内翼12は、ハウジング13の内側に取り付けられている。ハウジング13は、ロータ11を同心的に取り囲んでいる。動翼14の位置は、ロータ11の相応する回転時に、ガスがガス通路12内で図示された矢印の方向で右側から左側に向かって流れ、この場合に圧縮されるように選択されている。
【0037】
軸流圧縮機10のハウジング13内には、外方に向かって、ガス通路12に接続する環状の複数の抽気室16が形成されている。これらの抽気室16は、流れ方向で見て傾斜させられた環状に延びる抽気スリット17を介してガス通路12に接続している。抽気スリット17を介して、運転時に圧縮された空気が隣接する抽気室16内に流れ、抽気室16から軸流圧縮機10に外側で配置された抽気フランジ24(および図3の25)を介して別の用途のために導出される。
【0038】
本発明によれば、抽気室16は、液体をノズル供給するために必要となる噴射装置18もしくは18’を少ない手間で収容するために、適当なスペースを成している。同時に、付属する抽気スリット17は、その構成および傾斜に基づいて、付属するノズル22を収容するために特に適している。ハウジング13内に既に存在するスペースを最適に使用することによって、噴射装置18a,bのためにハウジング13を加工する場合に発生する手間を著しく小さく維持することができる。
【0039】
図1から図3によれば、噴射装置18,18’を形成するために、それぞれ抽気室16の内壁には、適当な支持エレメント23を用いて湾曲管21もしくは21a,bが固定されている。これらの湾曲管21もしくは21a,bから、全周にわたって分配されたノズル22が対応する抽気スリット17内に突入して、この場合、ノズル22の先端部は、ガス通路12の外側縁部で、もしくはハウジング内壁(図3の13c)で終わっている(図2を参照)。湾曲管21もしくは21a,bは、可撓性の結合チューブ20を介して、相応する接続フランジ19もしくは19a,bに接続されている。この接続フランジ19もしくは19a,bは、外部から、外側のハウジング壁を通って抽気室16内に突入している。
【0040】
図3から判るように、軸流圧縮機10のハウジング13が、機械軸線27を通る分離平面において、ハウジングフランジ26において、上側のハウジング半部13aと、下側のハウジング半部13bとに分離可能である場合、噴射装置18,18’は、同様に上側の噴射装置部分18aと、下側の噴射装置部分18bとに分離される。上側の噴射装置部分18aおよび下側の噴射装置部分18bは、それぞれ半円形の上側の湾曲管21aおよび下側の湾曲管21bならびに付属する上側の接続フランジ19aおよび下側の接続フランジ19bを備えている。
【0041】
噴射装置を有するこのような軸流圧縮機を製造する方法では、接続フランジ19もしくは19a,bを取り付けるために、外側の圧縮機ハウジングは機械的に加工される。さらに、ハウジングは、湾曲管21もしくは21a,bのための支持エレメント23を取り付けるために、分離平面で加工される。最終的には、半円形の湾曲管21a,bが、該半円形の湾曲管21a,bに配置されたノズル22と一緒に組み込まれる。
【0042】
すなわち噴射装置は、抽気室内に、複数のノズルを備えた半円形の2つの湾曲管を有している。この場合、これらのノズルは、管軸線に沿って配置されている。ノズルは、付属する抽気スリット内に向けられている。抽気スリットは、規則的に流れ方向で案内翼列の直後に、かつ動翼列の前方に位置決めされている(図1の噴射装置18,18’)。各湾曲管は、可撓性の結合チューブを介して、相応してハウジングを貫通する接続フランジに結合されている。この接続フランジを介して、液体が導入される。ノズルは、円錐の形の微細な噴霧を生ぜしめる。噴霧は、流れ方向とは反対に向けられていて、ガス通路の高さ全体をカバーする(図1を参照)。
【0043】
全体的に、本発明では以下の利点が得られる。
・軸流圧縮機のハウジングを、噴射装置のために、僅かにしか変更しなくてよい。
・ノズルのために、2つのハウジング壁を貫通させて、次いでシールする必要はない。
・半円形かつ管形の湾曲管は、外側ハウジングの設計と互換性がある。
・案内翼と動翼との間の領域を変更する必要はない。
・案内翼を交換する場合に、噴射装置を取り外す必要がない。
・上側のハウジング半部を取り除いた場合に、外側の管接続部を取り外す必要がない。
・(たとえば噴射装置の拡張時に)案内翼を変更する必要なしにノズルの数を変更可能である。
・特に案内翼の個数が圧縮機の加工時に変更される場合に、ノズルの位置を、該ノズルが案内翼の間に液体をノズル供給するために変更することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 軸流圧縮機
11 ロータ
12 ガス通路
13 ハウジング
13a,b ハウジング半部
13c ハウジング内壁
14 動翼
15 案内翼
16 抽気室
17 抽気スリット
18,18’,18a,b 噴射装置
19,19a,b 接続フランジ
20 結合チューブ
21,21a,b 湾曲管
22 ノズル
23 支持エレメント
24,25 抽気フランジ
26 ハウジングフランジ
27 機械軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にガスタービンに用いられる空気を圧縮するための軸流圧縮機(10)であって、該軸流圧縮機(10)が、複数の動翼(14)を備えた、機械軸線(27)を中心として回転可能なロータ(11)と、該ロータ(11)を同心的にかつ間隔を置いて取り囲むハウジング(13,13a,b)とを有しており、該ハウジング(13,13a,b)が、ロータ(11)と一緒に環状のガス通路(12)を形成し、かつ該ガス通路(12)の外側に、ほぼ環状かつ同心的な少なくとも1つの抽気室(16)を有しており、該抽気室(16)が、少なくとも1つの抽気スリット(17)を有しており、該抽気スリット(17)が、ガス通路(12)に作用結合している形式の軸流圧縮機において、
軸流圧縮機(10)が、液体をノズル供給するための少なくとも1つの噴射装置(18;18’,18a,b)を備えていて、該噴射装置(18;18’,18a,b)が、少なくとも1つのノズル(22)を有していて、該ノズル(22)が、抽気スリット(17)を介して液体をガス通路(12)内にノズル供給することを特徴とする、空気を圧縮するための軸流圧縮機。
【請求項2】
抽気スリット(17)が、環状にかつ同心的に形成されており、噴射装置(18;18’,18a,b)が、複数のノズル(22)を有していて、該ノズル(22)が、ガス通路(12)内へ液体を供給しかつ分配するために、抽気スリット(17)の全周にわたって分配されている、請求項1記載の軸流圧縮機。
【請求項3】
少なくとも1つの噴射装置(18;18’,18a,b)が、ノズル(22)に液体を供給しかつ分配するための第1の手段(20,21,21a,b)を有していて、該噴射装置(18;18’,18a,b)が、抽気スリット(17)に対応配置された抽気室(16)内に配置されており、該第1の手段(20,21,21a,b)が、ハウジング(13,13a,b)に取り付けられた接続フランジ(19,19a,b)を有していて、該接続フランジが、外側から噴射装置に液体を供給する、請求項1または2記載の軸流圧縮機。
【請求項4】
ノズル(22)が、抽気スリット(17)内に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の軸流圧縮機。
【請求項5】
ノズル(22)が、該ノズル(22)のノズル軸線を機械軸線(27)に向けて位置調節されていて、かつ半径方向から流れ方向に傾斜して配置されていて、液体がガス通路(12)内の流れに抗してノズル供給されるようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の軸流圧縮機。
【請求項6】
第1の手段(20,21,21a,b)が、湾曲管(21,21a,b)を有していて、該湾曲管(21,21a,b)が、流れ方向に対して横方向に抽気室(16)を通って延びており、かつ該湾曲管(21,21a,b)にノズル(22)が固定されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の軸流圧縮機。
【請求項7】
湾曲管(21,21a,b)が、抽気室(16)の内壁に固定されていて、湾曲管(21,21a,b)が、可撓性の結合チューブ(20)を介して接続フランジ(19,19a,b)に結合されている、請求項6記載の軸流圧縮機。
【請求項8】
ハウジング(13)が、水平方向の分割平面で、上側のハウジング半部(13a)と、下側のハウジング半部(13b)とに分割されていて、噴射装置(18;18’,18a,b)が、ハウジング(13)に相応して、上側の噴射装置(18a)と、下側の噴射装置(18b)とに分割されていて、上側の噴射装置(18a)および下側の噴射装置(18b)に、それぞれ1つの個別の接続フランジ(19aもしくは19b)が対応配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の軸流圧縮機。
【請求項9】
第1の手段(20,21,21a,b)が、上側の噴射装置(18a)と、下側の噴射装置(18b)とのために、それぞれ1つの半円形の湾曲管(21a,b)を有していて、該半円形の湾曲管(21a,b)が、流れ方向に対して横方向に抽気室(16)を通って延びていて、該半円形の湾曲管(21a,b)にノズル(22)が固定されている、請求項8記載の軸流圧縮機。
【請求項10】
同一の複数の噴射装置(18,18’)が、軸方向で相前後して配置されている、請求1から9までのいずれか1項記載の軸流圧縮機。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の軸流圧縮機を製造する方法であって、該軸流圧縮機が、ハウジング(13)を有していて、該ハウジング(13)が、水平方向の分離平面で、上側のハウジング半部(13a)と、下側のハウジング半部(13b)とに分割されている形式の軸流圧縮機を製造する方法において、
1つのステップで1つまたは複数の接続フランジ(19,19a,b)をハウジング(13)に取り付け、別のステップで第1の手段(20,21,21a,b)のための支持エレメント(23)を抽気室(16)の内壁に取り付け、さらに別のステップで第1の手段(20,21,21a,b)を、該第1の手段(20,21,21a,b)に不動に配置されたノズル(22)と共に、支持エレメント(23)に固定することを特徴とする、軸流圧縮機を製造する方法。
【請求項12】
請求項1から10までのいずれか1項記載の軸流圧縮機(10)が形成されていることを特徴とする、軸流圧縮機を有するガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−24248(P2013−24248A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164657(P2012−164657)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】