説明

液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物

本発明は、研磨性クリーニング粒子を含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家の中及び周りの硬質表面、皿表面、歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質の組織表面、ヒトの及び動物の皮膚、車及び車両表面、などが挙げられる、様々な無生物及び生物表面をクリーニング及び/又はクレンジングするための液体組成物に関する。より具体的には、本発明は、クリーニング及び/又はクレンジングに好適な粒子を含む液体磨き用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子組成物などの磨き用組成物又は研磨性成分を含有する液体(ゲル、ペースト型を含む)組成物は当業界では周知である。このような組成物は、いろいろな表面、特に、しみ及び汚れの除去が困難な汚染を受ける傾向のある表面をクリーニング及び/又はクレンジングするのに使用される。
【0003】
現時点で既知の磨き用組成物の中で、最も好評な磨き用組成物は、球状から不規則なものまでの様々な形状の研磨性粒子をベースとするものである。最も普通の研磨性粒子は、炭酸塩、粘土、シリカ、ケイ酸塩、シェールアッシュ、パーライト及び珪砂のような無機物質、あるいは、ポリプロピレン、PVC、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアクリレート及び誘導体のような有機ポリマービーズのいずれかであり、研磨性粒子を懸濁させたクリームのような稠度を有する液体組成物の形になる。
【0004】
このような現時点で既知の磨き用組成物の表面安全プロフィールは不適切なものであり、あるいは適切な表面安全プロフィールの組成物に対しては劣ったクリーニング性能が示される。実際、極めて硬い研磨性粒子が存在することにより、これらの組成物は、塗布した表面を損傷、すなわち擦傷する可能性がある。配合物メーカーは、激しい表面損傷を示すがクリーニング/クレンジング性能が良好であるか、又は許容可能な表面安全プロフィールを示すがクリーニング/クレンジング性能の点で妥協するかの間で選択する必要がある。加えて、消費者は、少なくともある適用分野(例えば、硬質表面クリーニング)におけるこのような現時点で既知の磨き用組成物が時代遅れであると感じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、本発明の目的は、家の中及び家の周りの硬質表面、皿表面、歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質の組織表面、ヒトの及び動物の皮膚などが挙げられる、様々な無生物及び生物表面をクリーニング及び/又はクレンジングするのに好適な液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物であって、良好な表面安全プロフィールをもたらすと同時に、良好なクリーニング/クレンジング性能をもたらす、組成物を提供することである。
【0006】
上記目的は、本発明に記述の組成によって達成可能であることが見出された。
【0007】
釉薬加工済及び非釉薬加工セラミックタイル、エナメル、ステンレススチール、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)、ビニル、非ワックスビニル、リノリューム、メラミン樹脂、ガラス、プラスチック、塗装表面、ヒト及び動物の皮膚、毛髪、歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質の組織表面などの様々な材料からできている無生物及び生物表面のクリーニング及び/又はクレンジングに使用し得るということが本発明による組成物の利点である。
【0008】
本発明の更なる利点は、本明細書での組成物では、上記のメリットをなお提供しながら、粒子を極めて低濃度で配合することができるということである。実際、良好なクリーニング/クレンジング性能に到達するためには、他の技術に対しては一般に、高濃度の研磨性粒子が必要とされ、高い配合及び加工のコスト、困難なリンス、及び最終クリーニングプロフィール、並びにクリーニング/クレンジング組成物の審美性及び気持ちのよい手触りに対する限界をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
研磨性クリーニング粒子を含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物であって、上記研磨性クリーニング粒子が10kg/m3〜250kg/m3の充填密度を有し、並びに、上記研磨性クリーニング粒子が3〜50kg/mm2のHVビッカース硬さを有する、液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【0010】
本発明は、研磨性クリーニング粒子を含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物により表面をクリーニング及び/又はクレンジングする方法であって、上記表面が上記組成物に接触され、好ましくは上記組成物が上記表面上に塗布される、方法を更に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】フォームのストラットアスペクト比を計算する方法の図示。
【発明を実施するための形態】
【0012】
液体クリーニング/クレンジング組成物
本発明による組成物は、様々な無生物及び生物表面用のクリーナー/クレンザーとして設計される。好ましくは、本明細書での組成物は、無生物表面、生物表面からなる群から選択される表面のクリーニング/クレンジングに好適である。
【0013】
好ましい実施形態では、本明細書での組成物は、家庭用硬質表面;皿表面;皮革又は合成皮革のような表面;及び自動車車両の表面からなる群から選択される無生物表面のクリーニング/クレンジングに好適である。
【0014】
極めて好ましい実施形態では、本明細書での組成物は家庭用硬質表面のクリーニングに好適である。
【0015】
「家庭用硬質表面」により、本明細書中では、例えば、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リニリューム、メラミン樹脂、ガラス、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)、任意のプラスチック、プラスチック化木材、金属又は任意の塗装又はワニス仕上げ又は密封表面などのような異なる材料からできている、床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワープラスチック化カーテン、洗面台、WC、什器及び付属品等などのキッチン、バスルームのような家の中及び家の周りで見出される任意の種類の表面を意味する。家庭用硬質面には、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機などが挙げられるがこれらに限定されない家庭用電化製品も包含される。このような硬質表面は、個人の家庭用並びに商業用,企業用及び工業用の環境の両方で見出される。
【0016】
「皿表面」により、本明細書中では、皿、食事用器具、まな板、鍋などのような、皿のクリーニングで見出される任意の種類の表面を意味する。このような皿表面は、個人の家庭用並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見出され得る。
【0017】
別の好ましい実施形態では、本明細書での組成物は、ヒトの皮膚、動物の皮膚、ヒトの毛髪、動物の毛髪、及び歯からなる群から選択される生物表面のクリーニング/クレンジングに好適である。
【0018】
本発明の組成物は、固体又は気体ではなく、液体組成物である。液体組成物は、水のような粘度を有する組成物、並びにゲル及びペーストなどの増粘された組成物を含む。
【0019】
本明細書中の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は水性組成物である。したがって、組成物は、組成物全体の65重量%〜99.5重量%、好ましくは75重量%〜98重量%、より好ましくは80重量%〜95重量%の水を含んでもよい。
【0020】
本明細書中の別の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は、組成物全体の0重量%〜10重量%の水、好ましくは組成物全体の0重量%〜5重量%、より好ましくは0重量%〜1重量%、最も好ましくは0重量%の水を含んでもよいが、ほぼ非水性組成物である。
【0021】
本明細書での好ましい実施形態では、本明細書での組成物は中性の組成物であり、したがって25℃で測定して、6〜8、より好ましくは6.5〜7.5、更により好ましくは7のpHを有する。
【0022】
他の好ましい実施形態では、組成物は、好ましくはpH 4以上のpHを有し、あるいは好ましくはpH 9以下のpHを有する。
【0023】
したがって、本明細書での組成物は、pHの調整のために好適な塩基及び酸を含んでもよい。
【0024】
本明細書で使用される好適な塩基は、有機及び/又は無機塩基である。本明細書での使用に好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び/又は水酸化リチウムのような苛性アルカリ、並びに/又は酸化ナトリウム及び/又は酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物、又はこれらの混合物である。好ましい塩基は、苛性アルカリ、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである。
【0025】
他の好適な塩基としては、アンモニア、アンモニウム炭酸塩、K2CO3、Na2CO3、Ca2CO3、Mg2CO3などのすべての使用可能な炭酸塩、アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン)、尿素及び尿素誘導体、ポリアミンなどが挙げられる。
【0026】
存在する場合、このような塩基の典型的な濃度は、組成物全体の0.01重量%〜5.0重量%であり、好ましくは0.05重量%〜3.0重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜0.6重量%である。
【0027】
本明細書での組成物は、酸の存在にも拘わらず、必要とされるレベルにpHを調整するために酸を含んでもよく、本明細書での組成物は本明細書中で上記の好ましい中性のpHを維持する。本明細書中での使用に好適な酸は、有機及び/又は無機酸である。本明細書中での使用に好ましい有機酸は、6未満のpKaを有する。好適な有機酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸、並びに、これらの混合物からなる群から選択される。上記酸の混合物は、商品名Sokalan(登録商標)DCSでBASFから市販されている。好適な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
存在する場合、このような酸の典型的な濃度は、組成物全体の0.01重量%〜5.0重量%、好ましくは0.04重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜1.5重量%である。
【0029】
本発明による好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、増粘組成物である。好ましくは、本明細書での液体組成物は、ステンレス鋼製の4cm円錐形スピンドル、角度2°(最大8分内で0.1〜100sec-1の直線的な増分)を有するレオメーターモデルAR 1000(TA Instrumentsにより供給)で測定した場合、20s-1において7500cpsまで、より好ましくは5000cp〜50cps、更により好ましくは2000cps〜50cps、最も好ましくは20s-1及び20℃において1500cps〜300cpsの粘度を有する。
【0030】
本明細書による別の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は水のような粘度を有する。「水のような粘度」により、本明細書中では水の粘度に近い粘度を意味する。好ましくは、本明細書での液体組成物は、ブルックフィールドデジタル粘度計モデルDVIIを用い、スピンドル2で測定した場合、60rpmで50cpsまで、より好ましくは0cps〜30cps、更により好ましくは0cps〜20cps、最も好ましくは60rpm及び20℃で0cps〜10cpsの粘度を有する。
【0031】
研磨性クリーニング粒子
本出願人は、驚くべきことには、クリーニング組成物中に装填される粒子の重量当たりで大きな容積を粒子集団が占めることにより、効率的なクリーニング結果を達成することができるということを見出した。粒子が占める容積は、粒子の充填密度により定義される。粒子集団の充填密度は、粒子集団の試料の重量を、正常な重力で充填後乾燥条件で測定された粒子試料が占める容積で除算したもので表される。ちなみに、低充填密度の粒子集団は、クリーナー中及びクリーニング操作時の両方において高容積を占めて、有効なクリーニング性能を与え、他方、高充填密度の粒子試料は、クリーナー中及びクリーニング操作時の両方において低容積を占めて、したがって有効性の低いクリーニング性能を与える。
【0032】
実際、低充填密度の粒子は、研磨性粒子とクリーニング対象の汚れ及び/又は表面との間の最大接触面積をもたらす点で有効である。それゆえ、より少量、すなわち、10%以下(通常20%以上と比較して)の研磨性粒子が、同等又はより良好なクリーニング有効性を発揮しながら、クリーニング組成物中で使用可能である。クリーニング組成物中の粒子の量が多いほど、クリーニング有効性が良好となることは普通に知られており、加えて、クリーニング性能を最大とするために、より高重量の粒子が使用された。本出願人は、クリーニング効率が、典型的には研磨剤集団の重量と比較して、クリーニング界面における研磨剤集団の占有容積によりむしろ影響を受けるということを確認した。ちなみに、効率的なクリーニングを生じるためには、低充填密度の粒子は、典型的には、高充填密度粒子と比べてクリーナー中の研磨剤の重量装填量がより低いことを必要とする。
【0033】
典型的な研磨性クリーニング粒子は、例えば、充填密度を最小化する低/無多孔性を示すことに加えて、高い固有材料密度を示す、単純な材料から作られた顆粒状ないし球状の形状を有する。少数の鉱物をベースとする研磨剤(例えば、パーライト又はパミスなど)については例外が存在し、これらは、発泡構造により低充填密度を示すにも拘わらず、硬度が高く、表面損傷を促進するために一般的なクリーニング作業の大部分に対して不適切である。ちなみに、クリーニング組成物中で普通に使用される研磨性粒子は、400kg/m3以上の充填密度を有し、容積占有率/重量の観点から低効率であり、低クリーニング効率を示す。
【0034】
研磨性粒子の充填密度
本出願人は、驚くべきことには、50〜250kg/m3の範囲の充填密度(充填密度試験方法は下記に記述)を有するクリーニング粒子が、例外的なクリーニング性能を発揮するということを見出した。充填密度は、粒径及び粒子形状などのクリーニング性能に影響を及ぼすことも知られている、クリーニング粒子の重要な固有の情報を組み込んでいるということは理解される。しかしながら、充填密度は、粒子の原材料の密度を更に考慮に入れているので、重量効率的な情報も含んでいる。更には、優れたクリーニング性能に加えて、低い充填密度及びクリーニング粒子の精密に選択された粒子硬さ範囲の組み合わせによって、優れた表面安全プロフィールを発揮することが可能となる。
【0035】
本出願人は、高充填密度の研磨剤集団が、低いクリーニング性能を示し、過度の低充填密度の研磨剤集団が、機械的な摩耗によりクリーニング目的には不適切でもある固有な脆弱性を有するということを見出した。ちなみに、本出願人は、10kg/m3〜250kg/m3、好ましくは50kg/m3〜150kg/m3、より好ましくは70kg/m3〜120kg/m3の充填密度を有する研磨性クリーニング粒子が、改善されたクリーニング性能及び表面安全性をもたらすということを見出した。
【0036】
充填密度試験方法:
10分の1グラム(0.1g+/−0.001g)の乾燥粒子を、20mLの正確な計量目盛付きのPyrex(登録商標)容積測定用シリンダー(Sigma−Aldrichから入手可能)に入れる。シリンダーを密封し(例えば、栓又はフィルムにより)、引き続いてVortexミキサー(例えば、モデルL−46 Power Mix(Labinco DNTESP−016))を用いて、2500rpm(最大速度)で30秒間振盪する。振動後、粒子の容積を測定する。容積が5〜15mLの場合には、これをkg/m3で表される充填密度に適宜変換する。0.1gの容積が5mL未満である場合には、10分の2グラム(0.2g+/−0.001g)の乾燥粒子を使用して、きれいなシリンダー中で試験を再び行う。0.2gの容積が5mL未満である場合には、2分の1グラム(0.5g+/−0.001g)の乾燥粒子を使用して、きれいなシリンダー中で試験を再び行う。0.5gの容積が5mL未満である場合には、1グラム(1.0g+/−0.001g)の乾燥粒子を使用して、きれいなシリンダー中で試験を再び行い、3〜15mLの容積を充填密度に対するkg/m3に転換する。
【0037】
研磨性粒子の硬さ:
本明細書での使用に好適な好ましい研磨性クリーニング粒子は、良好な表面安全プロフィールをもたらすと同時に、良好なクリーニング/クレンジング性能をもたらすのに充分に硬いものである。
【0038】
フォームから縮小される研磨性粒子の硬さは、フォームの調製に使用される原材料を変えることにより改変可能である。例えば、ポリウレタンフォームの硬さの改変は、いくつかの方法により可能である。例えば、網羅的ではないが、ジイソシアナートの選択、特に、高官能基数、例えば、>2、好ましくは>2.5、最も好ましくは2.7以上のイソシアナートを選択することによって、ポリウレタンの硬さが増大する。同様に、例えば<4000Mw、好ましくは<2000Mw、最も好ましくは1000Mw以下の低分子量ポリオールを使用することによっても、ポリウレタン硬さが増大する。過剰のジイソシアナートもフォーム硬さを増大させるが、反応混合物中のジイソシアナート/ポリオールのバランスがより重要である。硬さを増大させる別の可能性は、低分子量架橋剤を導入することである。あるいは、触媒の選択は、尿素結合の形成を促進し、フォーム硬さを増大させる更なる方法である。
【0039】
本発明における好ましい研磨性クリーニング粒子は、HVビッカース硬さで3〜50kg/mm2、好ましくは4〜25kg/mm2、最も好ましくは5〜15kg/mm2の硬さを有する。
【0040】
ビッカース硬度試験方法:
ビッカース硬さHVは、標準的な方法ISO 14577−1、ISO 14577−2、ISO 14577−3に従い、23℃で測定される。ビッカース硬さは、少なくとも2mm厚の原材料の中実ブロックで測定される。ビッカース硬さ微小押し込み測定は、CSM Instruments SA(Peseux,Switzerland)製の微小硬さ試験機(MHT)を用いて行われる。
【0041】
ISO 14577の指示に従い、試験表面は、最大圧子貫入深さの5%未満の粗さ(Ra)値を有し、平坦かつ平滑でなければならない。200μmの最大深さに関して、これは10μm未満のRa値に等しい。ISO 14577に従い、試験材料のブロックを新しい鋭利なミクロトーム又は外科用メスの刃により、切断し、研削、研磨することを含み得る任意の好適な手段によって、このような表面を調製してもよく、又は溶融材料を平坦かつ平滑なキャスト型上にキャストし、試験に先立って充分に固化させることにより、調製してもよい。
【0042】
微小硬さ試験機(MHT)に対する好適な一般的な設定は次の通りである:
制御モード:変位、連続
最大変位:200μm
接近速度:20nm/s
ゼロ点決定:接触時
接触時に温度ドリフトを測定するための保持期間:60秒
力印加時間:30秒
データロギングの頻度:少なくとも毎秒
最大力における保持時間:30秒
力除去時間:30秒
圧子チップの形状/材料:ビッカースピラミッド形状/ダイヤモンドチップ
【0043】
あるいは、本発明の硬さにおける研磨性クリーニング粒子を、MOHS硬さスケールで適宜表してもよい。好ましくは、モース硬さは0.5〜3.5、最も好ましくは1〜3で構成される。モース硬さスケールは、既知の硬さの化合物と比較して化合物の硬さを測定するための国際的に認定されたスケールである。Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer,4th Edition Vol 1,page 18又はLide,D.R(ed)CRC Handbook of Chemistry and Physics,73rd edition,Boca Raton,Fla.:The Rubber Company,1992〜1993を参照のこと。既知のモース硬さの材料を含む多数のモース試験キットが市販されている。形状粒子のモース測定は誤った結果をもたらすので、選択されたモース硬さの研磨性材料を測定及び選択するためには、モース硬さ測定を非賦型粒子、例えば球状又は顆粒状の形の研磨性材料により行うことが推奨される。
【0044】
研磨性粒子の粒径:
好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子は、10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜500μm、より好ましくは100μm〜350μm、最も好ましくは150〜250μmの平均ECDを有する。
【0045】
本出願人は、小さい粒径、例えば、典型的には10マイクロメートル以下の過剰に研磨性の集団は、小さい粒径に固有のクリーナー中の粒子装填量当たりの高い粒子数を示すにも拘わらず、クリーニングと比較してポリッシュ作用を示すが、効率的なクリーニング性能を達成するのに研磨性粒径が極めて重要であり得るということを見出した。他方、過度の高粒径、例えば典型的には1000マイクロメートル以上の研磨性集団は、大粒径に固有なこととしてクリーナー中の粒子装填量当たりの粒子数が著しく減少するので、最適でないクリーニング効率を与える。加えて、使用時には多数の小粒子は、様々な表面形態からの除去が難しいことがしばしばあり、但し、目視可能な粒子残渣を表面に残すのは別にして使用者が除去に過度の努力を要求されるので、過度の小粒径は、クリーナー中で/クリーニング作業には望ましくない。他方、過度の大粒子は、目視での検出が容易過ぎるか、又はクリーナーの取扱い又は使用時に悪い触覚体験をもたらす。それゆえ、本出願人らは、最適なクリーニング性能及び使用体験の両方を与える最適な粒径範囲を本明細書中で定義する。
【0046】
研磨粒子は、等価円直径ECD(ASTM F1877−05第11.3.2項)とも呼ばれる、面積等価直径(ISO 9276−6:2008(E)第7項)により定義される粒径を有する。粒子集団の平均ECDは、10マイクロメートル以下の面積等価直径(ECD)を有する粒子のデータを測定及び計算から排除した後、少なくとも10000粒子、好ましくは50000粒子以上、より好ましくは100000粒子以上の粒子集団のそれぞれの粒子の各ECDの平均として計算される。平均データは、数を基準にした測定と比較して容積を基準にした測定から抽出される。
【0047】
1つの好ましい例では、本発明で使用される研磨性クリーニング粒子の粒径は、特に著しい粒径低下を受ける使用時に改変される。したがって、粒子は、液体組成物中及び使用プロセスの開始時に目視又は触覚で検出可能なままで、有効なクリーニングを提供する。クリーニングプロセスが進行するにしたがって、研磨粒子はより小粒子に分散又は破砕し、肉眼で目視不能又は触覚で検出不能となる。
【0048】
驚くべきことには、本発明の研磨性クリーニング粒子は、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、更により好ましくは0.5重量%〜2重量%の上記研磨性クリーニング粒子などの比較的低濃度でも良好なクリーニング性能を示すということが判った。
【0049】
本発明で使用される粒子は、白色、透明、又は、好適な染料及び/若しくは顔料の使用により着色したものであることができる。加えて、好適な着色安定化剤を使用して、所望の色を安定化することができる。研磨性粒子は、好ましい着色安定な粒子である。
【0050】
1つの好ましい例では、本発明で使用される研磨性クリーニング粒子は、瓶での貯蔵時には目視可能のままであり、一方、有効なクリーニング工程時には研磨性粒子は小粒子に分散又は破砕し、肉眼で目視不能となる。
【0051】
植物源、鉱物源由来の材料又は有機/ポリマー合成由来の材料及びこれらの混合物の注意深い選択又は準備により、適切なHVビッカース硬さの低充填密度の研磨剤を作製することができる。
【0052】
植物源の典型的な材料は、好ましくは木、米、トウモロコシの穂軸、パームバイオマス、竹、ケナフなどに由来するものであり、特定の繊維質又はスポンジ状の種が固有の天然の低密度によって特に好ましい。典型的な例は、RettenmeirからのArcobel、Lignocel又はRheofix、あるいは、EngageNRCからのケナフ粉末である。
【0053】
低充填密度の研磨性粒子を得るための特に好適な手段は、例えば発泡法により、研磨性材料をガスにより膨張させることである。微細な粒子、例えば、好ましくは50マイクロメートル以下、より好ましくは10マイクロメートル以下の粒径で入手可能な鉱物又は植物材料を混合し、固化剤によりフォーム化工程を行うことにより、低充填密度の鉱物又は植物をベースとする研磨剤を得ることができる。最も単純かつ一般的な場合、フォーム化工程を行う前に、研磨性原材料(例えば鉱物質又は非鉱物質の充填剤)をマトリックス内で分散させて、適切なフォーム構造を得る。その場合、発泡法で充填剤として使用される材料は、網羅的ではないが、典型的には、例えば、炭酸塩由来の塩、リン酸塩由来の塩、ピロリン酸塩由来の塩、シリカ又はアルミナ由来の塩、珪藻土、酸性白土、タルクなどのような有機又は無機塩研磨剤、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミドの構造に由来するポリマー材料、あるいはセルロース、リグノ(lingo)セルロース又はくるみの殻などの殻、穀粒、木、竹、植物などに由来する天然材料である。
【0054】
好ましくは、研磨性粒子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー材料と、セルロース、リグノ(lingo)セルロース又はくるみの殻などの殻、アップルシード、オリーブストーン、アプリコットシード、穀粒、木、竹、及び植物及びこれらの混合物に由来する天然研磨剤とから作製される。より好ましくは、研磨性粒子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー材料から作製される。更により好ましくは、研磨性粒子は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスチレン及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー材料から作製される。最も好ましくは、研磨性粒子は、ジイソシアナート(例えば、Lupranate M200R又はLupranate M20S)及びジオール(Lupranol 3423)から作製される硬質ポリウレタンから作製される。
【0055】
好ましい実施形態では、低充填密度材料は合成品であり、充填剤無しで使用されるフォーム化又は発泡有機材料又はポリマー材料から作製される。所望の標的範囲内の充填密度を有する本発明の粒子は、フォーム化又は発泡材料から典型的な磨砕若しくはミル掛けプロセスにより粒子中で縮小される。フォーム化又は発泡材料を研磨性粒子に縮小するための他の好適な手段は、ホイールの表面がパターンを彫刻されているか、又は研磨性サンドペーパーなどにより被覆されて、本明細書中の研磨性クリーニング粒子を形成する、ダストコレクター付きの高速摩減ホイールなどの摩減ツールの使用を含む。
【0056】
好ましい実施形態では、研磨性粒子は、フォームを研磨性粒子に縮小すること(好ましくは磨砕又はミル掛け)によりフォームから得られる。より好ましくは、研磨性粒子は、ポリマー材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群から選択される、フォーム化ポリマー材料から得られる。更により好ましくは、研磨性粒子は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスチレン及びこれらの混合物からなる群から選択される、フォーム化ポリマー材料から得られる。最も好ましくは、研磨性粒子は、ジイソシアナート(例えば、Lupranate M200R又はLupranate M20S)及びジオール(Lupranol 3423)から作製される硬質ポリウレタンフォームから得られる。
【0057】
原材料のフォーム構造物へのフォーム化及び/又は発泡工程は、典型的には、ガス膨張法により行われる。ガス又は溶媒を研磨剤前駆体内に注入し、圧力低下及び/又は温度の上昇により膨張させること、例えば、押し出しフォーム化工程により、ガス発泡法を行うことができる。押し出し法では、純粋なポリマー又はポリマーブレンド又は可塑化されたポリマーの形の熱可塑性材料が通常使用される。熱可塑性ポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物である。押し出しフォーム化又はガスフォーム化の文献について代替的な熱可塑性ポリマーの豊富な一覧表が存在する(例えば、James L.Throne,「Thermoplastic Foam Extrusion」又はShau−TarngLee,「Foam Extrusion:Principles and Practice」を参照のこと)。このような方法で使用される典型的なガスは、核形成剤及びフォーム安定化剤を添加した又は添加していない、空気、窒素、二酸化炭素、又はペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物などの有機溶媒である。大部分の場合、制御された量のガスをポリマー/ポリマー混合物の溶融相の中に溶解し、熟練した作業者がフォーム化パラメーター、例えば配合、時間/温度/圧力サイクルパラメーターを正確に制御して、特定のフォーム構造物を標的とすることが可能となる。
【0058】
フォーム化工程及びフォーム構造物は、典型的には、モノマーをエマルションフォーム化し、続いて化学的、加熱又は照射、例えばUV硬化により、硬化し、及び必要ならば続いて固化したフォームを乾燥することによっても得られる。モノマー構造、例えばビニル、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ジエンなどの非網羅的な一覧表に由来する、多数のモノマータイプが使用可能である。材料、フォーム化及び硬化工程の例が、文献に網羅的に記載されている(例えば、Robert D.Athey,「Emulsion Polymer Technology」を参照のこと)。フォームを製造するための好ましい経路は、モノマー混合物中の水の水/油高内部相エマルションを形成し、米国特許第6369121号(Catalfamo et al.)で記述されているように系内で重合させることである。好ましい実施形態では、フォームは、ジビニルベンゼンで架橋したスチレンポリマーを水/油高内部相エマルション法により重合させた後に作製され、硬化後、磨砕又はミル掛け操作により後で粒子に縮小される。
【0059】
フォーム化工程及びフォーム構造物は、典型的には、例えば、乳化及び潜在的安定化特性を持つたんぱくを含む粘稠な混合物を機械的に揺動し、例えば激しく撹拌し、続いてキュア/硬化し、及び必要ならば固化したフォームを乾燥することにより得られる。たんぱくの非網羅的な例は、卵白又は純粋なアルブミン、ゼラチン、サポニン、グルテン、大豆たんぱく、グロブリン、プロラミン、グルテリン、ヒストン、プロタミン及びこれらの混合物である。たんぱくは、水、乳化剤、安定化剤、例えばアルギニン酸、及び極めて望ましくはかなりの量の重合性モノマー及び/架橋剤の存在下にてしばしば揺動されて、かなりの硬さのフォームとなる。更なる参照としては、Joseph F.Zayas,「Functionality of Proteins in Food」、Hettiarachchy,「Protein Functionality in Food Systems」、Article in Journal of Cereal science 47(2008)233〜238中のE.Zukowska et al.の論文、又は米国特許第2006/0065159号を参照のこと。
【0060】
特に好ましいフォーム化工程及びフォーム構造物は、典型的には、モノマーの架橋の有無と無関係に同時に重合を行い、ポリウレタンフォームの製造に使用される典型的な工程のように膨張ガスを系内で生成させることにより得られる。方法、ポリウレタン前駆体、配合物、添加物など、並びに、クリーニング粒子の有効な形状を生成させるための本発明の目的である、フォーム密度、セルサイズ、クローズドセルの含有量、ストラットアスペクト比及び一部フォーム及び粒子硬さなどの様々な重要なフォーム構造パラメーターに及ぼすそれらの影響範囲が、最も便利なことには、文献に豊富に記述されている。ポリウレタン配合及び製造方法についての多くの情報が入手可能である(Robert Wood,「Rigid polyurethane/polyisocyanurate foam processing」、Kaneyoshi Ashida,「Polyurethane and Related Foams:Chemistry and Technology」、及びMihailIonescu,「Chemistry and technology of polyols for polyurethanes」を参照のこと)。
【0061】
本発明者は、低充填密度を示す良好なクリーニング粒子が、本明細書で後述する極めて特定の構造パラメーターを持つフォームから製造可能であるということを見出した。実際、本発明者は、フォームの構造によってクリーニング粒子の充填密度の制御が可能となり、上記充填密度が粒子のクリーニング性能に対する重要な因子であることを示すことを見出した。後述のフォーム構造パラメーターが、フォームを研磨性粒子に磨砕した後充填密度に直接的な影響を及ぼし、したがってフォーム構造の正確な制御が効率的な研磨性粒子を合成するための好ましくかつ好都合な方法であるということが理解される。
【0062】
本明細書中の特に好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子の所望の充填密度を得るために、研磨性クリーニング粒子を、フォーム化ポリマー材料から得、好ましくは上述のように磨砕又はミル掛けにより研磨性粒子に縮小する。
【0063】
本出願人は、低充填密度粒子が、制御されたフォーム密度、フォームセルサイズ及びストラットアスペクト比を持つフォームから作製可能であるということを見出した。低充填密度粒子を、100kg/m3以上、更には500kg/m3までの密度を有するフォームにより作製することができる。しかしながら、本出願人は、より低充填密度の粒子を、100kg/m3以下、より好ましくは50kg/m3〜100kg/m3、最も好ましくは5kg/m3〜50kg/m3(ASTM D3574を、フォーム密度を評価するためのプロトコルとして使用することができる)の密度を有するフォームから作製することができるということを見出した。
【0064】
同様に、低充填密度粒子を、20マイクロメートルから2000マイクロメートルまでの範囲のセルサイズを持つフォームから作製することができる。しかしながら、本出願人は、100マイクロメートル〜1000マイクロメートル、より好ましくは200マイクロメートル〜500マイクロメートル、最も好ましくは300マイクロメートル〜450マイクロメートル(セルサイズを評価するためのプロトコルとして、ASTM D3576を使用することができる)のセルサイズを示すフォームによって、より低い充填密度を得ることができるということを見出した。用語「セルサイズ」によりフォームの五辺形12面体構造中に内接した仮想球の直径を意味し、これはVisiocellソフトウエアを使用することにより測定することができる。
【0065】
図1はセルサイズの図である。
【0066】
本出願人は、低充填密度粒子を、高アスペクト比のストラットでできたフォームから作製することができるということも見出した。ストラットにより、例えば、典型的には本明細書での目標である、5〜50kg/m3の密度のフォームに対しては五辺形12面体構造として最適化される、相互接続して、フォームのセル構造を形成する細長い材料を画定することを意味する。ストラット長さ(L)は、典型的には、2つの相互接続する結び目の幾何学的中心間の距離として数えられる。ストラット厚さ(T)は、典型的には、ストラット長さの中間での投影されたストラット厚さである。本出願人は、過度の小L/T比を持つストラットを表すフォームから得られる粒子は、転がりにより粒子がまるくなる可能性があるので、クリーニングには次善の形状となると理解した。これに反して、過度な高L/T比を持つストラットを表すフォームから得られる粒子も、低汚れ除去性を示す過剰な量の棒状粒子を生じる可能性があるので、クリーニングには次善の形状となる。ところで、本出願人は、驚くべきことには、著しく低い充填密度粒子を、1.5〜10、好ましくは2.0〜8.0、より好ましくは3.0〜6.0、最も好ましくは3.5〜4.5の範囲の、Visiocellソフトウエアにより定義される、ストラットL/T比により得ることができるということを見出した。
【0067】
図1は、ストラット長さ(L)及び厚さ(T)の五辺形12面体構造物のストラットアスペクト比を測定する図である。
【0068】
本出願人は、磨砕/ミル掛け又はフォーム化/発泡材料の他の類似の工程の注意深い制御を使用しなければ、フォーム化又は発泡材料と、フォーム化又は発泡材料から得られる粒子の充填密度との間に直接的な相関を確立することができないということを見出した。特に、粒径の過度の縮小は、高充填密度を生じ、低クリーニング効率を生じるということが判明した。特に、本出願人は、典型的にはフォームセルサイズの約半分以上の粒径を標的とすることにより、優れた充填密度を得ることができるということを見出した。
【0069】
任意成分
本発明の組成物は、目的とする技術的効果及び処理される表面に応じて、種々の任意成分を含んでもよい。
【0070】
本明細書で用いるのに好適な任意成分には、キレート剤、界面活性剤、ラジカル掃去剤、芳香剤、表面変性型ポリマー、溶媒、ビルダー、緩衝剤、殺菌剤、向水性物質、着色剤、安定剤、漂白剤、漂白活性化剤、脂肪酸のような泡抑制剤、酵素、汚れ懸濁剤、増白剤、防塵剤、分散剤、顔料、及び染料が挙げられる。
【0071】
懸濁助剤
本発明の組成物中に存在する研磨性クリーニング粒子は、液体組成物中の固体粒子である。上記研磨性クリーニング粒子は液体組成物中に懸濁していてもよい。しかしながら、このような研磨性クリーニング粒子が、組成物内で不安定な懸濁であったり、組成物の最上部で沈降又は浮遊するということは、充分本発明の範囲内のことである。この場合には、使用者は、使用前に組成物を揺動(例えば、振盪又は撹拌)することにより、研磨性クリーニング粒子を一時的に懸濁させなければならないこともある。
【0072】
しかしながら、本明細書では研磨性クリーニング粒子は、本明細書での液体組成物に安定に懸濁することが好ましい。したがって、本明細書での組成物は懸濁助剤を含む。
【0073】
本明細書中の懸濁助剤は、構造形成剤など、本発明の液体組成物中で研磨性クリーニング粒子の懸濁液をもたらすように特に選択された化合物であるか、あるいは、増粘剤又は界面活性剤(本明細書中で別箇所で述べるような)などの別の機能をもたらす化合物であってもよい。
【0074】
クリーニング/クレンジング組成物及び他の洗剤又は化粧用組成物中でゲル化、増粘又は懸濁剤として典型的に使用される、任意の好適な有機及び無機懸濁助剤を、本明細書中で使用してもよい。好適な有機懸濁助剤は多糖ポリマーを含む。加えて又は代替として、ポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤を本明細書中で使用してもよい。また、加えて又は上述の代替として、層状ケイ酸塩小板、例えばヘクトライト、ベントナイト又はモンモリロナイトも使用することができる。好適な市販の層状ケイ酸塩は、Rockwood Additivesから入手可能な、Laponite RD(登録商標)又はOptigel CL(登録商標)である。
【0075】
好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤としては、(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートが挙げられる。特に好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤は、商品名Carbopol 674(登録商標)でLubrizolから市販されているCarbopolである。
【0076】
本明細書での使用に好適な多糖ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースのような置換セルロース材料、スクシノグリカン、及びキサンタンガム、ゲランガム、グアーガム、イナゴマメガム、トラガカントガムなどの天然の多糖ポリマー、若しくはこれらの誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。キサンタンガムは商品名Kelzan TでKelcoから市販されている。
【0077】
好ましくは、本明細書中の懸濁助剤はキサンタンガムである。代替の実施形態では、本明細書中の懸濁助剤は、ポリカルボキシレートポリマー増粘剤、好ましくは(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートである。本明細書中の極めて好ましい実施形態では、液体組成物は、多糖ポリマー又はこれらの混合物、好ましくはキサンタンガムと、ポリカルボキシレートポリマー又はこれらの混合物、好ましくは架橋ポリアクリレートとの組み合わせを含む。
【0078】
好ましい例として、キサンタンガムは、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5%〜2%、更により好ましくは0.8%〜1.2%の濃度で存在する。
【0079】
有機溶媒
任意ではあるが、極めて好ましい成分として、本明細書での組成物は有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0080】
本明細書での組成物は、組成物全体の0重量%〜30重量%、より好ましくは1.0重量%〜20重量%、最も好ましくは、2重量%〜15重量%の有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0081】
好適な溶媒は、4〜14個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子、より好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、エーテル及びジエーテル;グリコール又はアルコキシル化グリコール;グリコールエーテル;アルコキシル化芳香族アルコール;芳香族アルコール;テルペン;及びこれらの混合物からなる群から選択可能である。脂肪族アルコール及びグリコールエーテル溶媒が最も好ましい。
【0082】
Rが1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは5〜12個の炭素原子の線状又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基である、式R−OHの脂肪族アルコールが好適な溶媒である。好適な脂肪族アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合物である。脂肪族アルコールの中で、蒸気圧が高く、及び残渣を残さない傾向があるために、エタノール及びイソプロパノールが最も好ましい。
【0083】
本明細書で使用される好適なグリコールは、式HO−CR12−OH(式中、R1及びR2は、独立にH又はC2〜C10飽和又は不飽和脂肪族炭化水素鎖及び/又は環状鎖である)に従う。本明細書の使用に好適なグリコールは、ドデカングリコール及び/又はプロパンジオールである。
【0084】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのグリコールエーテル溶媒が本発明の組成物に組み込まれる。特に好ましいグリコールエーテルは、結合された末端C3〜C6炭化水素を有して、1〜3個のエチレングリコール又はプロピレングリコール部分を形成し、適度な疎水性、及び好ましくは表面活性をもたらす。エチレングリコール化学品をベースとする市販の有機洗浄溶媒の例としては、Dow Chemicalから入手可能な、モノ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル(Hexyl Cellosolve(登録商標))が挙げられる。エチレングリコール化学品をベースとする市販の溶媒の例としては、商品名Arcosolv(登録商標)及びDowanol(登録商標)でArcoから入手可能な、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体が挙げられる。
【0085】
本発明の文脈では、好ましい溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;エチレングリコールモノ−ブチルエーテル;ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。「ブチル」は、ノーマルブチル、イソブチル、及びターシャリーブチル基を含む。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルが、最も好ましいクリーニング溶媒であり、商品名Dowanol DPnP(登録商標)及びDowanol DPnB(登録商標)で入手可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルは商品名Arcosolv PTB(登録商標)でArcoChemicalから市販されている。
【0086】
特に好ましい実施形態では、クリーニング溶媒は、不純物を最少化するために、精製される。このような不純物としてはアルデヒド、ダイマー、トリマー、オリゴマー及び他の副生成物が挙げられる。これらは、製品の臭い,芳香剤溶解性及び最終結果に悪影響を及ぼすことが見出されている。本発明者らは、低濃度のアルデヒドを含有する普通の市販の溶媒が、特定の表面の不可逆的及び修復不能な黄化を生じる可能性があるということを見出した。クリーニング溶媒を精製して、このような不純物を最少化又は除去することにより、表面損傷が軽微化又は排除される。
【0087】
好ましくはないが、テルペンを本発明で使用することができる。本明細書で使用される好適なテルペンとしては単環テルペン、双環テルペン及び/又は非環状テルペンが挙げられる。好適なテルペンは、D−リモネン;ピネン;パインオイル;テルピネン;メントール、テルピネオール、ゲラニオール、チモールなどのテルペン誘導体;及びシトロネラ又はシトロネロールタイプの成分である。
【0088】
本明細書で使用される好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R−(A)n−OH(式中、Rは、炭素原子が1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは2〜10個のアルキル置換又はアルキル非置換アリール基であり、Aは、アルコキシ基、好ましくはブトキシ基、プロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは1〜5、好ましくは1〜2の整数である)に従う。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾキシエタノール及び/又はベンゾキシプロパノールである。
【0089】
本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、式R−OH(式中、Rは1〜20個、好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜10個の炭素原子のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基である)に従う。例えば、本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。
【0090】
界面活性剤
本明細書での組成物は、非イオン性、アニオン性、双性イオン性、カチオン性及び両性界面活性剤又はこれらの混合物を含み得る。好適な界面活性剤は、8〜18個の炭素原子を含有する疎水性鎖を有する非イオン性、アニオン性、双性イオン性、カチオン性及び両性界面活性剤からなる群から選択されるものである。好適な界面活性剤の例は、McCutcheon’s Vol.1:Emulsifiers and Detergents,North American Ed.,McCutcheon Division,MC Publishing Co.,2002に記載されている。
【0091】
好ましくは、この組成物は、組成物全体の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%の界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0092】
非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物での使用に極めて好ましい。好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコールアルコキシレート、アルキル多糖、アミンオキシド、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、フルオロ界面活性剤及びケイ素系界面活性剤が挙げられる。好ましくは、この水性組成物は、組成物全体の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%の非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0093】
本発明に好適な好ましい類の非イオン性界面活性剤は、アルキルエトキシレートである。本発明のアルキルエトキシレートは、線状又は分岐のいずれかであり、疎水性末端基中に約8〜約16個の炭素原子、及び親水性先端基中に約3〜約25個の単位を含有する。アルキルエトキシレートの例としては、Shell Corporation(P.O.Box 2463,1 Shell Plaza,Houston,Texas)により供給される、Neodol 91−6(登録商標)、Neodol 91−8(登録商標)及びCondea Corporation(900 Threadneedle P.O.Box 19029,Houston,TX)により供給される、Alfonic 810−60(登録商標)が挙げられる。より好ましいアルキルエトキシレートは、疎水性末端基中に9〜12個の炭素原子、及び親水性先端基中に4〜9のオキシド単位を含む。最も好ましいアルキルエトキシレートは、商品名Neodol 91−5(登録商標)でShell Chemical Companyから入手可能な、C9〜11EO5である。非イオン性エトキシレートは分岐アルコールからも誘導可能である。例えば、プロピレン又はブチレンなどの分岐オレフィンフィード原料からアルコールを作製することができる。好ましい実施形態では、分岐アルコールは、2−プロピル−1−ヘプチルアルコール又は2−ブチル−1−オクチルアルコールのいずれかである。望ましい分岐アルコールエトキシレートは、商品名Lutensol XP 79/XL 79(登録商標)でBASF Corporationにより製造及び販売されている2−プロピル−1−ヘプチルEO7/AO7である。
【0094】
本発明に好適な別の類の非イオン性界面活性剤は、アルキル多糖である。そのような界面活性剤は、米国特許第4,565,647号、米国特許第5,776,872号、米国特許第5,883,062号及び米国特許第5,906,973号に開示されている。アルキル多糖の中では、5及び/又は6炭素糖環を含むアルキルポリグリコシドが好ましく、6炭素糖環を含むものがより好ましく、並びに6炭素糖環がグルコースから誘導されるもの、すなわち、アルキルポリグリコシド(「APG」)が最も好ましい。APG鎖長中のアルキル置換基は、好ましくは、8〜16個の炭素原子を含有し、平均鎖長が10個の炭素原子である、飽和又は不飽和アルキル部分である。C8〜C16アルキル多糖は、いくつかの供給者から市販されている(例えば、Seppic Corporation(75 Quai d’Orsay,75321 Paris,Cedex 7,France)からのSimusol(登録商標)界面活性剤、及びCognis Corporation(Postfach 13 01 64,D 40551,Dusseldorf,Germany)からのGlucopon 220(登録商標)、Glucopon 225(登録商標)、Glucopon 425(登録商標)、Plantaren 2000 N(登録商標)、及びPlantaren 2000 N UP(登録商標))。
【0095】
本発明に好適な別の類の非イオン性界面活性剤は、アミンオキシドである。アミンオキシド、特に疎水性末端基中に10〜16個の炭素原子を含むものは、及び0.10%以下の濃度でもクリーニングプロフィール及び有効性が強力であるために、メリットがある。加えて、C10〜16アミンオキシド、特にC12〜C14アミンオキシドは、芳香剤の優れた可溶化剤である。本明細書に使用される別の非イオン性洗剤界面活性剤は、一般にアルコールの疎水性アルキル鎖中に概ね約8個〜約16個の炭素原子を含むアルコキシル化アルコールである。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はプロポキシ基との組み合わせでアルキルエトキシプロポキシレートを生成するエトキシ基である。このような化合物は、商標名Antarox(登録商標)でRhodia(40 Rue de la Haie−Coq F−93306,Aubervilliers Cedex,France)から、及び商標名Nonidet(登録商標)でShell Chemicalから市販されている。
【0096】
エチレンオキシドと、プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性塩基との縮合生成物も本明細書での使用に好適である。これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは1500〜1800の分子量を有し、非水溶性を呈する。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の付加は、分子の水溶性を全体として増加させる傾向にあり、製品の液体性は、ポリオキシエチレン含有率が、縮合生成物の総重量の約50%であり、約40モルまでのエチレンオキシドの縮合に相当する点まで保持される。この種の化合物の例としては、BASFにより市販されている、あるPluronic(登録商標)界面活性剤が挙げられる。化学的には、このような界面活性剤は、構造(EO)x(PO)y(EO)z又は(PO)x(EO)y(PO)z(式中、x、y、及びzは1〜100、好ましくは3〜50である)を有する。良好な湿潤性界面活性剤であることが知られているPluronic(登録商標)界面活性剤がより好ましい。Pluronic(登録商標)界面活性剤、及び湿潤特性を含むその特性の記述は、BASFから入手可能な、表題「BASF Performance Chemicals Plutonic(登録商標)& Tetronic(登録商標)Surfactants」のパンフレットに見出すことができる。
【0097】
好ましくはないが、他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルフェノールとエチレンオキシドとのポリエチレンオキシド縮合物、例えば、6〜12個の炭素原子を直鎖又は分岐鎖構造のいずれかで含有するアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物であって、エチレンオキシドがアルキルフェノール1モル当たり5〜25モルに等しい量で存在するものが挙げられる。このような化合物中のアルキル置換基は、オリゴマー化プロピレン、ジイソブチレン、又はイソ−オクタンn−オクタン、イソ−ノナン又はn−ノナンの他の供給源から誘導可能である。使用可能な他の非イオン性界面活性剤としては、糖のような天然供給源由来のものが挙げられ、更にC8〜C16 N−アルキルグルコースアミド界面活性剤が挙げられる。
【0098】
本明細書での使用に好適なアニオン性界面活性剤は、当該技術分野で一般に既知のすべてのものである。好ましくは、本明細書中での使用のためのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、C6〜C20アルキルアルコキシル化線状又は分岐ジフェニルオキシドジスルホン酸塩、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0099】
本明細書での使用に好適なアルキルスルホン酸塩には、式RSO3M(式中、RはC6〜C20の線状又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、及びより好ましくはC10〜C16アルキル基であり、MはHあるいは、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びに、四級アンモニウムカチオン、例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びに、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど)といったカチオンである)の水溶性塩又は酸が挙げられる。
【0100】
本明細書での使用に好適なアルキルアリールスルホン酸塩としては、式RSO3M(式中、RはC6〜C20の線状又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、より好ましくはC10〜C16アルキル基で置換された、アリール、好ましくはベンジルであり、MはH又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチル−アンモニウムカチオン及び四級アンモニウムカチオン、例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミンから得られる四級アンモニウムカチオンなど)といったカチオンである)の水溶性塩又は酸が挙げられる。
【0101】
14〜C16アルキルスルホン酸塩の例は、Hoechstから入手可能なHostapur(登録商標)SASである。市販のアルキルアリールスルホン酸塩の例は、Su.Ma.から入手可能なラウリルアリールスルホン酸塩である。特に好ましいアルキルアリールスルホン酸塩は、商品名Nansa(登録商標)でAlbright & Wilsonから市販されているアルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0102】
本明細書での使用に好適なアルキル硫酸塩界面活性剤は、式R1SO4M(式中、R1は、6〜20個の炭素原子を含有する線状又は分岐のアルキルラジカル、及びアルキル基中に6〜18個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択される、炭化水素基を表す)に従う。Mは、H又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど等)といったカチオンである。本明細書で使用される特に好ましい分岐アルキル硫酸塩は、Isalchem 123 AS(登録商標)のように10〜14個の全炭素原子を含有するものである。Enichemから市販されているIsalchem 123 AS(登録商標)は、94%分岐した、C12〜13界面活性剤である。この材料は、CH3−(CH2m−CH(CH2OSO3Na)−(CH2n−CH3(式中、n+m=8〜9である)と記述可能である。また、好ましいアルキル硫酸塩は、アルキル鎖が計12個の炭素原子を含むアルキル硫酸塩、すなわち、硫酸2−ブチルオクチルナトリウムである。このようなアルキル硫酸塩は、商品名Isofol(登録商標)12SでCondeaから市販されている。特に好適な線状アルキルスルホン酸塩としては、Hoechstから市販されているHostapur(登録商標)SASのようなC12〜C16パラフィンスルホン酸塩が挙げられる。
【0103】
本明細書での使用に好適なアルキルアルコキシル化硫酸塩界面活性剤は、式RO(A)mSO3M(式中、RはC6〜C20アルキル成分を有する未置換のC6〜C20アルキル又はアルキルヒドロキシアルキル基であり、好ましくはC12〜C20アルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC12〜C18アルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、Aはエトキシ又はプロポキシ単位であり、mは0超であり、典型的には0.5〜6であり、より好ましくは0.5〜3であり、MはH又は例えば金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム若しくは置換アンモニウムカチオンであることができるカチオンである)に従う。アルキルエトキシル化硫酸塩並びにアルキルプロポキシル化硫酸塩を、本明細書において考察する。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウム及びテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウムのような4級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物などのようなアルカノールアミンから誘導されるカチオンなどが挙げられる。代表的な界面活性剤は、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(1.0)硫酸塩(C12〜C18E(1.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(2.25)硫酸塩(C12〜C18E(2.25)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(3.0)硫酸塩(C12〜C18E(3.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(4.0)硫酸塩(C12〜C18E(4.0)SM)であり、式中、Mは便宜的にナトリウム及びカリウムから選択される。
【0104】
本明細書での使用に好適なC6〜C20アルキルアルコキシル化線状又は分岐ジフェニルオキシドジスルホン酸塩界面活性剤は、式
【0105】
【化1】

(式中、Rは、C6〜C20線状又は分岐の、飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC12〜C18アルキル基、より好ましくはC14〜C16アルキル基であり、X+はH又はカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)である)に従う。本明細書で使用される特に好適なC6〜C20アルキルアルコキシル化線状又は分岐ジフェニルオキシドジスルホン酸塩界面活性剤は、それぞれ商品名Dowfax 2A1(登録商標)及びDowfax 8390(登録商標)でDowにより市販されている、C12分岐ジフェニルオキシドジスルホン酸、及びC16線状ジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム塩である。
【0106】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤としては、せっけんの塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、例えば、モノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩を含む)、C8〜C24オレフィンスルホン酸塩、例えば、英国特許明細書第1,082,179号に記載されているようなクエン酸アルカリ土類金属塩の熱分解生成物のスルホン化により調製されるスルホン化ポリカルボン酸、C8〜C24アルキルポリグリコールエーテルスルホン酸塩(10モルまでのエチレンオキシドを含有);C14〜C16メチルエステルスルホン酸塩などのアルキルエステルスルホン酸塩;アシルグリセロールスルホン酸塩、脂肪酸オレイルグリセロール硫酸塩、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アシルイセチオネートなどのイセチオネート、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメート及びスルホサクシネート、スルホサクシネートのモノエステル(特に、飽和及び不飽和C12〜C18モノエステル)、スルホサクシネートのジエステル(特に、飽和及び不飽和C6〜C14ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキル多糖の硫酸塩、例えば、アルキルポリグルコシド硫酸塩(以下に記述される非イオン性非硫酸化化合物)、アルキルポリエトキシカルボン酸塩、例えば、式RO(CH2CH2O)kCH2COO-+(式中、RはC8〜C22アルキルであり、kは0〜10の整数であり、Mは可溶性塩形成カチオンである)のアルキルポリエトキシカルボン酸塩が挙げられる。ロジン、水素添加ロジン、並びにトール油中に存在する又はトール油から誘導される樹脂酸及び水素添加樹脂酸のような樹脂酸及び水素添加樹脂酸も好適である。更なる例は「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I and II bySchwartz,Perry and Berch)に示されている。種々のこのような界面活性剤は、米国特許第3,929,678号(Laughlinらに1975年12月30日発行)の第23欄58行目〜第29欄23行目にも概括的に開示されている。
【0107】
双性イオン性界面活性剤は、本発明の文脈内の好ましい界面活性剤の別な類である。
【0108】
双性イオン性界面活性剤は、幅広いpH範囲にわたって、同一分子上にカチオン性基とアニオン性基との両者を含有する。典型的なカチオン性基は四級アンモニウム基であるが、スルホニウム基やホスホニウム基などその他の正電荷を持つ基を使用することもできる。硫酸塩、リン酸塩などの他の基も使用できるが、典型的なアニオン基は、カルボン酸及びスルホン酸であり、好ましくはスルホン酸である。これらの洗剤のうちいくつかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、米国特許第2,702,279号及び米国特許第2,255,082号の特許文献に記載されている。
【0109】
双性イオン性界面活性剤の具体例は、商品名Mackam LHS(登録商標)でMcIntyre Company(24601 Governors Highway,University Park,Illinois 60466,USA)から入手可能な、3−(N−ドデシル−N,N−ジメチル)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート(ラウロイルヒドロキシルスルタイン)である。別の具体的な双性イオン性界面活性剤は、商品名Mackam 50−SB(登録商標)でMcIntyreから入手可能な、C12〜14アシルアミドプロピレン(ヒドロキシプロピレン)スルホベタインである。他の極めて有用な双性イオン性界面活性剤としては、ヒドロカルビル、例えば脂肪族アルキレンベタインが挙げられる。極めて好ましい双性イオン性界面活性剤は、Albright & Wilsonにより製造されている、Empigen BB(登録商標)、ココジメチルベタインである。別の同等に好ましい双性イオン性界面活性剤は、McIntyreにより製造されている、Mackam 35HP(登録商標)、ココアミドプロピルベタインである。
【0110】
別の類の好ましい界面活性剤は、両性界面活性剤からなる群を含む。1つの好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレングリシネート界面活性剤(「アンフォグリシネート」)である。別の好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレンプロピオネート界面活性剤(「アンフォプロピオネート」)である。他の好適な両性界面活性剤は、ドデシルβ−アラニン、N−アルキルタウリン(例えば、米国特許第2,658,072号の教示に従い、ドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることにより調製されるもの)、N−高級アルキルアスパラギン酸(例えば、米国特許第2,438,091号の教示に従い、調製されるもの)、及び商標名「Miranol(登録商標)」として販売され、米国特許第2,528,378号に記載されている製品のような界面活性剤により表される。
【0111】
キレート剤
本明細書での使用のための1つの類の任意の化合物としては、キレート剤又はこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、本明細書の組成物中に組成物全体の0.0重量%〜10.0重量%、好ましくは0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で組み込み可能である。
【0112】
本明細書での使用に好適なホスホン酸塩キレート剤としては、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)、アルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、並びにアミノアミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸塩(NTP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)を包含するアミノホスホン酸塩化合物を挙げることができる。ホスホン酸塩化合物は、その酸形として又は酸性官能基の一部若しくは全部で異なるカチオン塩として存在してよい。本明細書で用いるのに好ましいホスホン酸塩キレート剤は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)及びエタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)である。このようなホスホン酸塩キレート剤は、Monsantoから商品名DEQUEST(登録商標)で市販されている。
【0113】
多官能性置換芳香族キレート剤もまた、本明細書での組成物において有用な場合がある。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。好ましいこの種の酸形の化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0114】
本明細書での使用に好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそのアルカリ金属塩、若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、又はこれらの混合物である。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、特に(S,S)異性体は、米国特許第4,704,233号(Hartman及びPerkins、1987年11月3日)で広範に記述されている。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸は、例えば、商品名ssEDDS(登録商標)でPalmer Research Laboratoriesから市販されている。
【0115】
本明細書での使用に好適なアミノカルボキシレートとしては、酸形態、又はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩形態の両方での、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタノール−ジグリシン、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)が挙げられる。本明細書での使用に特に好適なアミノカルボン酸塩は、ジエチレントリアミン五酢酸、例えばBASFから商品名Trilon FS(登録商標)で市販されているプロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)である。
【0116】
更に、本発明での使用のためのカルボン酸塩キレート剤としては、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0117】
ラジカル掃去剤
本発明の組成物は更に、ラジカル掃去剤又はその混合物を含んでもよい。
【0118】
本明細書での使用に適したラジカル掃去剤としては、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン並びにそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書での使用に好ましいこのようなラジカル掃去剤としては、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−tert−ブチルヒドロキノン、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチル−ヒドロキシアニソール、安息香酸、トルイル酸、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、没食子酸n−プロピル、又はこれらの混合物が挙げられ、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンが極めて好ましい。没食子酸N−プロピルのようなラジカル掃去剤は、Nipa Laboratoriesから商標名Nipanox S1(登録商標)で市販されている。
【0119】
ラジカル掃去剤は、使用される場合、本明細書中では典型的に全組成物の10重量%まで、好ましくは0.001重量%〜0.5重量%の量で存在してもよい。ラジカル掃去剤の存在は、本発明の組成物の化学的安定性に貢献する可能性がある。
【0120】
芳香剤
本発明での使用に好適な芳香剤化合物及び組成物は、例えば、EP−A−0957156号の13ページの「芳香剤」という表題が付された項に記載されているものである。本明細書での組成物は、芳香剤成分又はその混合物を組成物全体の5.0重量%まで、好ましくは0.1重量%〜1.5重量%の量で含んでもよい。
【0121】
染料
本発明による液体状の組成物は着色していてもよい。したがって、組成物は染料又はその混合物を含んでもよい。
【0122】
組成物の送達形状
本明細書での組成物は、液体組成物を注ぐためのプラスチック瓶、搾り出し式瓶又は液体組成物をスプレーするための引き金式噴霧器を備えた瓶など、当該技術分野では既知の様々な好適なパッケージングに包装され得る。あるいは、本発明によるペースト様組成物をチューブに包装してもよい。
【0123】
本発明の代替的な実施形態では、本明細書での液体組成物を基材上に含浸させ、好ましくは基材を可撓性の薄いシート又はスポンジなどの材料のブロックの形とする。
【0124】
好適な基材は、織製シート又は不織シート、セルロース材料をベースとしたシート、オープンセル構造のスポンジ又はフォーム、例えば、ポリウレタンフォーム、セルロースフォーム、メラミン樹脂フォームなどである。
【0125】
表面のクリーニング方法
本発明は、表面を本発明による液体組成物によりクリーニング及び/又はクレンジングする方法を包含する。本明細書中の好適な表面は、見出し「液体クリーニング/クレンジング組成物」で本明細書では上述されている。
【0126】
好ましい実施形態では、上記表面は本発明による組成物と接触され、好ましくはその場合、上記組成物は上記表面に塗布される。
【0127】
別の好ましい実施形態では、本発明中の方法は、上記液体組成物を入れた容器から本発明による液体組成物を(例えば、スプレーする、注ぐ、搾り出すことにより)分注し、その後、上記表面をクリーニング及び/又はクレンジングする工程を含む。
【0128】
本明細書での組成物は、未希釈の形又は希釈された形のものであってもよい。
【0129】
「未希釈の形」により、上記液体組成物が、いかなる希釈も受けずに処理対象の表面上に直接塗布されること、すなわち、本明細書での液体組成物が、本明細書で述べられるように表面上に塗布されるということを理解すべきである。
【0130】
「希釈された形」により、本明細書では、上記液体組成物を典型的には水によりユーザーが希釈することを意味する。液体組成物は水の重量の10倍までの典型的な希釈レベルまで使用前に希釈される。通常の推奨希釈レベルは水中での組成物の10%希釈である。
【0131】
本明細書での組成物は、本明細書中の希釈された又は未希釈の組成物中に浸けた、モップ、ペーパータオル、ブラシ(例えば、歯ブラシ)又は布などの適切な道具を用いて塗布してもよい。更には、上記表面上に塗布したならば、適切な器具を用いて上記組成物を上記表面上で揺動してもよい。実際、モップ、ペーパータオル、ブラシ又は布を用いて、上記表面を拭いてもよい。
【0132】
本明細書中の方法は、好ましくは上記組成物の塗布後、すすぎ工程を追加的に含んでもよい。本明細書では「すすぐ」により、本明細書の液体組成物を上記表面に塗布する工程の後、本発明に従う方法によりクリーニング/クレンジングされる表面と、相当量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「相当量」により、本明細書では表面1m2当たり0.01L〜1Lの水、より好ましくは表面1m2当たり0.1L〜1Lの水を意味する。
【0133】
本発明の極めて好ましい実施形態では、クリーニングの方法は、家庭用硬質表面を本発明による液体組成物でクリーニングする方法である。
【0134】
クリーニング有効性
クリーニング有効性の試験方法:
タイル(典型的には、光沢のある白色セラミック、24cm×4cm)に、ステアリン酸カルシウムベースの0.3gの典型的なグリース状せっけんスカム汚れ及び市販の人工的なからだの汚れを被覆する(噴霧器によりタイルに塗布)。次いで、汚れたタイルを、オーブン中140℃の温度で10〜45分間、好ましくは40分間乾燥し、次いで、室温で(ほぼ20℃)制御された環境湿度(60〜85% RH、好ましくは75% RH)で2〜12時間エージングする。次いで、水で予め濡らしたSpontex(登録商標)セルローススポンジ上に直接注いだ、5mLの本発明の組成物を用いて、汚れたタイルをクリーニングする。次いで、粒子組成物を被覆した面がタイルに向き合うように、スポンジを湿式摩耗スクラブ試験装置(Sheen Instruments Ltd.(Kingston,England)製などの)に載せる。摩耗試験機は、圧力(例えば、600g)を供給し、設定速度(例えば、1分当たり37ストローク)にて、設定ストローク長さ(例えば、30cm)でスポンジを試験表面上で移動するように設定可能である。組成物がグリース状せっけんスカムを除去する能力は、目視評価により判定される、表面を完全にクリーニングするのに必要とされるストローク数により測定される。ストローク数が少ないほど、組成物のグリース状せっけんスカムのクリーニング能力は高い。
【0135】
下記のクリーニングデータはクリーナー中の1%の研磨性粒子により得られたものである。実施例のクリーニングデータの取得に使用された研磨性粒子は、7kg/mm2のHVビッカース硬さを有するポリウレタンフォームから作製されたものであったことを特記する。
【0136】
【表1】

*クリーナー中の1%研磨性粒子装填物を用いて、グリース状せっけんスカムのクリーニングのためのクリーニング粉末の区分として、クリーニング指数を測定する。最低充填密度材料を参照(100%)とする。硬質ポリウレタンフォームを製造するための4つの異なる配合物から粒子を作製する。粒子HVビッカース硬さは、7kg/mm2である。
【0137】
【表2】

*グリース状せっけんスカムをクリーナー中の3%粒子装填物でクリーニングするためのストローク数
【0138】
【表3】

*グリース状せっけんスカムをクリーナー中の3%粒子装填物でクリーニングするためのストローク数
【0139】
表面安全性
表面損傷方法:
試験粒子により生じる表面損傷を測定するために、0.2gの試験対象の研磨性粒子をNEODOL C9〜11 EO8界面活性剤(ShellChemicals)(3重量%界面活性剤)の4gの水性ローションと混合する。寸法4cm×8.5cm(及び4.5cm厚)の新しいセルロースキッチンスポンジ(Spontex(登録商標)などの)を24mLの蒸留水又は脱イオン水で濡らし、次いでスポンジの1つの4cm×8.5cm側面の上に界面活性剤及び粒子混合物を均一に分配することにより装填する。次いで、粒子及び界面活性剤を被覆した面が試験表面に向き合うように、湿式摩耗スクラブ試験装置(Sheen Instruments Ltd.(Kingston,England)製などの)にスポンジを載せる。使用される試験表面は、25kg/平方mm(+/−2)のビッカースHV硬さ値(標準試験方法ISO 14577を用いて測定して)を有する、無着色の透明な未使用ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA、Plexiglass、Perspex、Luciteとしても知られる)の新しいシートでなければならない。摩耗試験機は、600gの圧力を供給し、30cmの設定ストローク長さで毎分37ストロークの速度にてスポンジを試験表面上で動かすように設定可能である。湿式摩耗スクラブ試験機に1,000ストローク(すなわち、1,000回の単一方向変位)の試験を行わせ、次いで、スポンジに追加の0.2gの研磨剤及び4gの界面活性剤ローションを再装填する。スポンジを再充填するとき、追加の水を塗布してはならない。1,000ストローク毎に10回の連続装填物(すなわち、試験表面当たり合計10,000ストローク)に対して、このやり方でスポンジを再装填する。10,000ストロークを完了した後、試験表面への損傷の評価を行う。引き裂かれたり、ぼろぼろになるなどの損傷でない限り、試験の間スポンジを取り換えてはならない。その場合には、試験を完結するために、元のスポンジに対する指示書に従い、新しいスポンジを濡らし、装填し、及び取り付けなければならない。
【0140】
ポリ(メチルメタクリレート)試験表面上の表面損傷を評価するために、目視による等級付けを、次の5レベルの表面損傷等級付け尺度に従って行う:0=引っ掻きを見なかった;1=引っ掻きを見たと思う;2=確かに引っ掻きを見た;3=多数の引っ掻きを見た;4=多数の損傷を見た。目視による損傷等級は5人の独立の等級選別人により与えられる等級の平均である。
【0141】
加えて、TR200(Portable Testers com LLC)などの粗さ試験機を用いて、スポンジで摩耗させた表面の粗さを測定することによって、ポリ(メチルメタクリレート)試験表面上の表面損傷を評価する。平均最大高さ(Rz);全山−谷高さ(Rt);最大山高さ(Rp);最大谷深さ(Rv);不規則性の平均間隔(RSm);及び歪度(Rsk)を含む、いくつかのプロフィール粗さパラメーターを測定する。
【0142】
【表4】

*注記7kg/mm2のHVビッカース硬さを持つポリウレタンフォームから作製される研磨性粒子。
【実施例】
【0143】
列挙された成分を列挙された比率(重量%)で含む、下記の組成物を、作製した。本明細書での実施例1〜43は、本発明の組成物を例示するためのものであるが、本発明の範囲の限定又は別の方法による定義に必ずしも使用されるものでない。
【0144】
以下の実施例で使用される研磨性粒子を、硬質ポリウレタンフォーム(制御されたフォーム構造、例えばフォーム密度、セルサイズ、ストラットアスペクト比及び%セルサイズ含有量)から磨砕した。ポリウレタンフォームを、ジイソシアナート(例えば、ポリマー型メチレンジフェニルジイソシアナートをベースとした)及びポリオール(例えば、ポリエーテル又はポリエステルベースのポリオール)の反応から合成する。その場合、ジイソシアナートは、例えば、BASFからのLupranate M200Rであり、ポリオールは、例えばBASFからのLupranol 3423である。フォームを小粒子に磨砕し、ロータリーミルを用いて篩い掛けし、及びRetschからのエアジェット篩掛け装置を用いて、粒子選択を行った。
【0145】
【表5】

【0146】
【表6】

【0147】
【表7】

【0148】
【表8】

【0149】
【表9】

【0150】
【表10】

【0151】
【表11】

【0152】
【表12】

【0153】
上記ワイプローション組成物を、1平方メートル当たり56グラムの坪量及び約0.80mmの厚さと、ほぼ16.5cm幅×19.1cm長(6.5インチ幅×7.5インチ長)を有するパターン化された、70%ポリエステル及び30%レイヨンを含む、水流絡合不織基材である、水不溶性基材上に装填する。所望によっては、慣用の基材被覆法を用いて、基材を、ジメチコン(Dow Corning 200 Fluid 5E−6m2/s(5cst))により予備被覆することができる。ローション:ワイプ重量比は約2:1であり、慣用の基材被覆法を用いる。
【0154】
【表13】

【0155】
【表14】

【0156】
【表15】

*供給元の使用指示書に従い、塩基をアクリレートコポリマーの活性化に使用する。
**配合物を低pHに調整するために、酸を使用することができる。
1.Carbopol Aqua SF−1(登録商標)(Noveon(商標),Inc.)
2.Carbopol Ultrez 21(登録商標)(Noveon(商標),Inc.)
3.Miranol(登録商標)Ultra L32(Rhodia)
4.Glucamate LT(登録商標)(Chemron)
5.Crothix(登録商標)(Croda)
【0157】
実施例24〜27を次の方法で作製する:
Carbopol(登録商標)を配合物の脱イオン遊離水に添加する。カチオン性界面活性剤及びベタイン界面活性剤を除いて全部の界面活性剤を添加する。pHが6未満の場合には、中和剤(典型的には、塩基、例えばトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム)を添加して、6超のpHに調整する。必要ならば、穏やかに加熱して、粘度を低下させ、空気同伴の最少化を援助する。ベタイン及び/又はカチオン性界面活性剤を添加する。コンディショニング剤、追加のレオロジー変性剤、真珠光沢化剤、カプセル化材料、剥離剤、防腐剤、染料、芳香剤、研磨性粒子及び他の所望の成分を添加する。最後に、所望ならば、pHを酸(すなわち、クエン酸)により低下させ、塩化ナトリウムを添加することにより粘度を増加する。
【0158】
【表16】

Zeodent 119、109及び165は、J.M.Huber Corporationにより販売されている沈降性シリカ材料である。
Gantrezは、マレイン酸無水物又は酸及びメチルビニルエーテルのコポリマーである。
CMC 7M8SFは、ナトリウムカルボキシメチルセルロースである。
Poloxamerは、一級ヒドロキシル基末端の2官能性ブロックポリマーである。
【0159】
【表17】

【0160】
【表18】

【0161】
【表19】

1 アクリルアミド(AM)及びTRIQUATのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq./グラム;Rhodia
2 Jaguar C500、MW−500,000、CD=0.7、Rhodia
3 Mirapol 100S、31.5%活性、Rhodia
4 ジメチコン流体、Viscasil 330M;30ミクロン粒径;Momentive Silicones
【0162】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨性クリーニング粒子を含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物であって、前記研磨性クリーニング粒子が10kg/m3〜250kg/m3の充填密度を有し、並びに、前記研磨性クリーニング粒子が3〜50kg/mm2のHVビッカース硬さを有する、液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項2】
前記研磨性クリーニング粒子が、材料をフォーム化した前駆体から磨砕又はミル掛けにより縮小されたものである、請求項1に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項3】
前記研磨性クリーニング粒子が、好ましくは30kg/m3〜150kg/m3、より好ましくは50kg/m3〜100kg/m3の充填密度を有し、前記充填密度が、本明細書で開示されている方法に従って測定される、請求項1又は2に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項4】
前記組成物が、前記組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.3重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、最も好ましくは1重量%〜3重量%の前記研磨性クリーニング粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項5】
前記研磨性クリーニング粒子が、好ましくは4〜25kg/mm2、より好ましくは5〜15kg/mm2のHVビッカース硬さを有し、前記ビッカース硬さが、本明細書で開示されている方法に従って測定される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項6】
前記研磨性粒子が、ISO 9276−6に従い、10〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは100〜350μm、最も好ましくは150〜250μmの面積等価直径により表される平均粒径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項7】
懸濁助剤を更に含み、前記懸濁助剤が、ポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤;ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪族せっけんワックス様材料;カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、スクシノグリカン及びキサンタンガム、ゲランガム、グアールガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、スクシノグルカンガム、若しくはこれらの誘導体のような天然起源の多糖ポリマー、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項8】
前記研磨性クリーニング粒子が、ポリマー材料から磨砕又はミル掛けにより粒子へと縮小され、並びに、前記ポリマー材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記ポリマー材料が、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスチレン及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは前記研磨性粒子が、ジイソシアナート及びジオールから作製されるポリウレタンから得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項9】
前記研磨性クリーニング粒子が、フォーム化されたポリマー材料から磨砕又はミル掛けにより粒子へと縮小され、並びに前記フォーム化されたポリマー材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記フォーム化されたポリマー材料が、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスチレン及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは前記研磨性粒子が、ジイソシアナート及びジオールから作製される硬質ポリウレタンフォームから得られる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項10】
前記クリーニング組成物が、クリーニング基材上に装填され、前記基材が、紙又は不織布タオル又はワイプ又はスポンジである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物により表面をクリーニング及び/又はクレンジングする方法であって、前記表面が前記組成物に接触され、好ましくは前記組成物が前記表面上に塗布される、方法。
【請求項12】
前記表面が無生物表面であり、好ましくは家庭用硬質表面;皿表面;皮革又は合成皮革のような表面;及び自動車車両表面からなる群から選択される無生物表面である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記表面が生物表面であり、好ましくはヒトの皮膚;動物の皮膚;ヒトの毛髪;動物の毛髪;並びに、歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質組織表面からなる群から選択される生物表面である、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−515151(P2013−515151A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546105(P2012−546105)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061222
【国際公開番号】WO2011/087744
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】