液体クロマトグラフ、溶出時間導出装置、溶出時間導出用プログラム、溶出時間導出方法、混合比決定装置、混合比決定用プログラム、及び、混合比決定方法

【課題】液体クロマトグラフィにおいて試料に含まれる各成分の溶出時間をより高精度に導出する。
【解決手段】溶離液がカラムに流入し始めてから溶離液がカラムから流出し始めるまでの時間をt0とし、試料に含まれる成分cの移動度を、試料がカラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)とした場合に、試料がカラムに流入し始めてから成分cがカラムから溶出するまでの溶出時間tを式(1)から導出する。この際、式(1)内の移動度R(t/t0)が式(2)で表される。
【数1】


【数2】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ、溶出時間導出装置、溶出時間導出用プログラム、溶出時間導出方法、混合比決定装置、混合比決定用プログラム、及び、混合比決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィにおいては、固定相が充填されたカラムに、複数の成分を有する試料、及び、所定の混合比で混合された複数の溶媒からなる移動相に相当する溶離液が流される。このとき、溶離液とともにカラムに流入した試料は、カラムに充填された固定相に吸着しつつ溶離液の流下に伴って移動し、所定時間後にカラムから排出される。ここで、試料に含まれた各成分が排出されるのに要する時間は、溶離液との親和性及びカラムの固定相と各成分との相互作用などに依存し、成分ごとに異なる。つまり、溶離液との親和性が弱いもの及び固定相との相互作用が強いものは、カラム内に長く留まる。また、逆に、溶離液との親和性が強いもの及び固定相との相互作用が弱いものは、早く排出される。これによって、カラムを通過する試料が成分ごとに分離されて溶出する。
【0003】
液体クロマトグラフィを行うに当たって、溶媒の混合比が与えられているときに試料中の各成分の溶出時間を事前に高精度に知ること、またこれとは逆に、所定の溶出時間で成分を溶出させるための複数の溶媒の混合比を事前に高精度に知ることが求められている。特許文献1は、当該溶出時間を、溶離液がカラムに流入し始めてから流出し始めるまでの時間t0、試料がカラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻t、時刻tの関数である試料中の成分cの移動度R(t/t0)を用いて以下の式(1)によって導出する技術が開示されている。
【数1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−3398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術では、2つの溶媒の混合比が第1の混合比からこの第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する場合、横軸を試料がカラムに流入し始めた時刻からの経過時間、縦軸を移動度R(t/t0)としたときに、移動度が傾斜直線で表されるとして溶出時間を導出している。ここで、長さL0のカラムに溶離液が流入し始めてからカラムから流出し始めるまでの時間をt0としたときに、時間t0間における成分の移動距離がLであるとすると、当該成分の移動度Rfは、L/L0と表すことができる。
【0006】
本発明者は、特許文献1の技術にしたがって導出された試料内の各成分の溶出時間が、実測された溶出時間からわずかにずれることを知見した。したがって、より高精度に溶出時間を予測することが求められている。同様に、所定の溶出時間で試料に含まれる成分を溶出させるための2つの溶媒の混合比の変化率を事前に高精度に知ることも求められている。
【0007】
本発明の目的は、液体クロマトグラフィにおいて試料に含まれる各成分の溶出時間をより高精度に導出できる液体クロマトグラフ、溶出時間導出装置、溶出時間導出用プログラム、及び、溶出時間導出方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、液体クロマトグラフィにおいて試料に含まれる成分を所定の溶出時間で溶出させるための2つの溶媒の混合比の変化率をより高精度に導出できる液体クロマトグラフ、混合比決定装置、混合比決定用プログラム、及び、混合比決定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液体クロマトグラフは、第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する2つの溶媒の混合比の変化率を記憶する混合比変化率記憶手段と、前記混合比変化率記憶手段が記憶した前記変化率に従って前記2つの溶媒の混合比が変化する溶離液を生成する混合手段と、複数の成分からなる試料及び前記混合手段が生成した前記溶離液が通過するカラムと、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを式(1)から導出する溶出時間導出手段とを備えており、前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする液体クロマトグラフである。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0010】
後述する実施形態においては、混合比記憶部21aに記憶されたデータの一部が混合比の変化率aとして移動度記憶部21cに記憶される。混合比と移動度とは比例関係にある。また、定数bは、初期移動度Rf0から導くことができ、b=ln(1−Rf0)である。bは薄層クロマトグラィ(TLC)又はカラムを用いた液体クロマトグラフィを行うことによって実測できる。薄層クロマトグラフィを行うことによって得られた定数bと、カラムを用いた液体クロマトグラフィを行うことによって得られた定数bは、実質的に同じとなる。これは、特許文献1の段落0073及び0080に記載されているように、薄層クロマトグラフィと液体クロマトグラフィとの間には、t0/t=Rという関係があるからである。
【0011】
本発明の溶出時間導出装置は、2つの溶媒の混合比が直線的に変化するように混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを導出する溶出時間導出装置であって、第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する2つの溶媒の混合比の変化率を記憶する混合比変化率記憶手段と、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、前記成分cに係る溶出時間tを式(1)から導出する溶出時間導出手段とを備えており、前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする溶出時間導出装置である。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0012】
本発明の溶出時間導出方法は、第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを導出する溶出時間導出方法であって、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間をt0、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)とした場合に、前記成分cに係る溶出時間tを式(1)から導出するステップを備えており、移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする溶出時間導出方法である。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0013】
本発明者が確認したところによると、本発明によって、特許文献1に開示された技術よりもより高精度に溶出時間tを導出できることが分かった。これは、式(2)がカラム内において成分のバンドが存在している場所での混合比をより正確に反映しているからであると推察される。
【0014】
別の観点において、本発明の液体クロマトグラフは、複数の成分からなる試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる前記成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを記憶する溶出時間記憶手段と、第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する混合比で前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成する混合手段と、複数の成分からなる試料及び前記混合手段が生成した前記溶離液が通過するカラムと、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、前記溶出時間記憶手段に記憶された前記成分cに係る溶出時間tに対して、式(1)を満たすように前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定手段とを備えており、前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする液体クロマトグラフである。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0015】
別の観点において、本発明の混合比決定装置は、第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tに対する前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定装置であって、前記成分cに係る溶出時間tを記憶する溶出時間記憶手段と、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、前記成分cに係る溶出時間tに対して、式(1)を満たすように前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定手段とを備えており、前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする混合比決定装置である。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0016】
別の観点において、本発明の混合比決定方法は、
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tに対する前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定方法であって、前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間をt0、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)とした場合に、前記成分cの溶出時間tに対する前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを式(1)から導出することによって、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求めるステップを備えており、移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする混合比決定方法である。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【0017】
本発明者が確認したところによると、本発明によって、所望溶出時間に対する成分の移動度を特許文献1に開示された技術よりもより高精度に導出できることが分かった。これは、式(2)がカラム内において成分のバンドが存在している場所での混合比をより正確に反映しているからであると推察される。
【0018】
本発明による上述の溶出時間導出用プログラム及び混合比決定用プログラムは、コンピュータを溶出時間導出装置及び混合比決定装置として機能させることが可能なプログラムである。本発明の溶出時間導出用プログラム及び混合比決定用プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ディスク、フレキシブルディスク(FD)、MO(Magneto Optical)ディスクなどのリムーバブル型記録媒体や、ハードディスクなどの固定型記録媒体のような記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。ここで、コンピュータは、パーソナルコンピュータのような汎用型に限らず、溶出時間導出又は混合比決定のために特化した装置であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、試料に含まれる各成分の溶出時間を事前に高精度に知ること、つまり予測ができるため、複数の成分の分離の程度をユーザが例えば目視で容易に事前に把握することが可能となり、混合比の変化率を評価することができる。また、分離精製に用いられるカラムとして最適なサイズのものを選択することが可能になる。
【0020】
また、本発明によると、所望溶出時間に対する成分に係る移動度を高精度に導出することができるので、成分の分離に十分な溶出時間が確保された、短い溶出時間での液体クロマトグラフィが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体クロマトグラフの概略図である。
【図2】図1に示される溶離液に係る溶媒の混合比の条件、及び、図1に示される液体クロマトグラフによって溶出される成分に係る測定結果の一例を表す図である。
【図3】図1に示される液体クロマトグラフ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】移動度の時間的な変化を示すグラフである。
【図5】図1に示される液体クロマトグラフによる液体クロマトグラフィの実施手順を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る液体クロマトグラフ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る液体クロマトグラフィの実施手順を示したフローチャートである。
【図8】実施例の結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
まず、好適な実施形態の一例である第1実施形態が提示される。図1は、第1実施形態に係る液体クロマトグラフ11の概略構成図である。
【0023】
<液体クロマトグラフの概略構成>
液体クロマトグラフ11は、溶媒A及びBをそれぞれ貯留した容器12及び13、電磁弁14、ポンプP1、並びに、容器15(以上、混合手段)を有している。容器12及び13が貯留した溶媒A及びBは、ポンプP1によって汲み上げられ、いったん容器15に貯留される。このとき、汲み上げられる溶媒A及びBのそれぞれの量は、電磁弁14によって調節されている。これによって、電磁弁14によって調節された混合比で溶媒A及びBが混合され、容器15において移動相となる溶離液10が形成される。
【0024】
溶離液として用いられる溶媒は2種類に限定されず、使用状態・目的に応じてその数が増やされる。一般に、溶媒A及びBには、非極性分子及び極性分子が用いられる。
【0025】
液体クロマトグラフ11は、さらに、ポンプP2、インジェクター17、及び、カラム18を有している。ポンプP2は、容器15に貯留された溶離液10を汲み上げて、インジェクター17へと流し出す。インジェクター17には、複数の成分を含んでいる試料が設置されている。インジェクター17に設置された試料は、ポンプP2によって汲み上げられた溶離液とともに、カラム18へと流し出される。
【0026】
カラム18には、固定相が充填されている。本実施形態においては、固定相にはシリカゲルが用いられている。移動相である溶離液10とともにカラム18に流入した試料は、カラム18の固定相に吸着しつつ溶離液10の流下に従って移動し、所定時間後にカラムから排出される。ここで、試料に含まれた各成分が排出されるのに要する時間は、溶離液との親和性やカラムの固定相と各成分との相互作用などに依存し、成分ごとに異なる。つまり、溶離液との親和性が弱いもの、及び、固定相との相互作用が強いものは、カラム内に長く留まる。また、逆に、溶離液との親和性が強いもの、及び、固定相との相互作用が弱いものは、早く排出される。これによって、カラムに設置された試料が成分ごとに分離されて溶出する。
【0027】
なお、カラムは一本に限定されない。複数のカラムが並設されており、例えば、複数種類の液体クロマトグラフィが可能となるように、選択的に経路を選ぶことができるような構成とされていてもよい。
【0028】
液体クロマトグラフ11は、さらに、検知器19及びフラクションコレクター20を有している。検知器19は、カラム18から溶出される試料の各成分を検知する。フラクションコレクター20は、検知器19の検知結果に基づいて、試料に含まれる各成分をそれぞれ異なる試験管に収容する。
【0029】
液体クロマトグラフ11は、さらに、液体クロマトグラフ制御装置21を有している。液体クロマトグラフ制御装置21は電磁弁14に電気的に接続されている。そして、液体クロマトグラフ制御装置21は、後述のように、電磁弁14を制御して、溶媒A及びBの混合比を調節する。また、液体クロマトグラフ制御装置21は、図示されないポンプP1及びP2の駆動モータに電気的に接続されており、ポンプP1及びP2の駆動を制御する。
【0030】
<液体クロマトグラフィの概略>
上記のような構成を有する液体クロマトグラフ11によって、液体クロマトグラフィが以下のように行われる。
【0031】
まず、容器12及び13に溶媒A及びBが貯留される。そして、インジェクター17に試料が設置される。
【0032】
次に、液体クロマトグラフ制御装置21が、電磁弁14を制御して混合比を調節しつつ、ポンプP1の駆動を制御して、ポンプP1に溶媒A及びBを汲み上げさせる。このとき、液体クロマトグラフ制御装置21は、例えば、図2に示されるグラフ25に従って混合比を調節する。汲み上げられた溶媒A及びBは、調節された混合比で混合され、溶離液10として、いったん容器15に貯留される。
【0033】
グラフ25は、溶媒A及びBの混合比の時間変化を表したものである。グラフ横軸は経過時間、縦軸は、溶媒A及びB全体の質量に対する溶媒Bの質量の割合である。グラフ25に示されるように、時間帯28が、G(gradient)、T(top)、FW(forward wash)、EQ(equilibration)(EQのみ図示されず)の順に設定されている。
【0034】
グラフ25に示されるように、溶媒A及びBの混合比は、時間帯Gにおいて直線的に増加するように経時変化する。時間帯T及びFWでは混合比が一定である。
【0035】
表27は、時間帯28の各時間帯ごとの溶媒A及びBにおける混合比の設定例を示している。表27に示される設定例によると、溶媒Aの質量:溶媒Bの質量が、時間帯Gの開始時では、80:20に、時間帯T、FW及びEQでは、74:26に、それぞれ設定されている。
【0036】
次に、液体クロマトグラフ制御装置21が、ポンプP2の駆動を制御して、ポンプP2に容器15に貯留された溶離液10を汲み上げさせる。汲み上げられた溶離液10は、インジェクター17に設置された試料とともに、カラム18に流入する。カラム18に流入した試料に含まれる各成分は、成分ごとに分離され、所定時間経過後にカラム18から溶出する。
【0037】
グラフ26は、カラム18から流出する試料の溶出曲線である。グラフ横軸は経過時間、縦軸は吸光度である。カラム18から溶出した試料に含まれる各成分がピークに達するごとに、溶出曲線は突出した値を示す。グラフ26は、このような突出値PK1及びPK2を示している。
【0038】
なお、液体クロマトグラフ制御装置21が、図示されない表示装置を有しており、グラフ25及び52、並びに、表27をその表示装置に表示させるようなものであってもよい。
【0039】
なお、本明細書において、「試料中の成分がカラムから溶出する時」とは、カラム18から溶出される試料中の成分の単位時間当たりの量が最大となる時にほぼ相当するものである。
【0040】
<液体クロマトグラフ制御装置>
以下は、液体クロマトグラフ制御装置21についての説明である。図3は、液体クロマトグラフ制御装置21が有している各制御部の構成を示している。
【0041】
液体クロマトグラフ制御装置21の機能は、汎用のコンピュータ及び所定のプログラムによって実現されている。このコンピュータには、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、このコンピュータを液体クロマトグラフ制御装置として機能させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくことにより、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、以下に説明する記憶部51及び制御処理部52が構築されている。
【0042】
液体クロマトグラフ制御装置21は、混合比記憶部21a、溶出時間導出部21b、移動度記憶部21c、及び、混合制御部21dを有している。
【0043】
混合比記憶部21aは、溶離液10を構成する溶媒の経時変化する混合比を示すデータ、つまり時間帯G、T及びFWにおける混合比を記憶する。この混合比を示すデータは、液体クロマトグラフ11による液体クロマトグラフィに先立って入力されるものである。このデータには、図2のグラフ25に示される時間帯Gにおける混合比の変化率(時間帯Gの開始時刻及びそのときの混合比と、終了時刻及びそのときの混合比との組み合わせであってもよい)が含まれる。時間帯Gにおける混合比はある混合比からこれより大きい混合比へと直線的に変化している。なお、混合比記憶部21aが複数種類の経時変化する混合比を示すデータを記憶しており、液体クロマトグラフィを実行する際に、その中から一種類のデータがクロマトグラフィの実行者に選ばれるようになっていてもよい。
【0044】
溶出時間導出部21bは、試料がカラム18に流入し始めてから試料に含まれる各成分がカラム18から溶出するまでの溶出時間tを式(1)から事前にそれぞれ導出(予測)する。溶出時間は、各成分の移動距離がカラムの全長Lに等しくなる時間である。本実施の形態において、試料がカラム18に流入し始めるのは時間帯G内の時刻であって、各成分がカラム18から溶出する時刻も時間帯G内の時刻であるとする。式(1)において、tは試料がカラム18に流入し始めた時刻からの経過時間であり、t0は溶離液がカラム18に流入し始めてからカラム18から流出し始めるまでの時間である。また、式(1)に記載されている移動度R(t/t0)は、移動度記憶部21cに記憶されており、式(2)で表される。また、式(2)を式(1)に代入して積分を実行した結果は式(3)で表される。
【0045】
【数1】

【数2】

【数3】

【0046】
式(2)において、aは混合比の変化率を表しており、混合比記憶部21aに記憶されたデータの一部が混合比の変化率aとして移動度記憶部21cに記憶される。混合比と移動度とは比例関係にある。また、bは初期移動度Rf0によって決まる定数である。より詳細には、定数bは、初期移動度Rf0から導くことができ、b=ln(1−Rf0)である。bは薄層クロマトグラィ(TLC)又はカラムを用いた液体クロマトグラフィを行うことによって実測できる。薄層クロマトグラフィを行うことによって得られた定数bと、カラムを用いた液体クロマトグラフィを行うことによって得られた定数bは、実質的に同じとなる。これは、特許文献1の段落0073及び0080に記載されているように、薄層クロマトグラフィと液体クロマトグラフィとの間には、t0/t=Rという関係があるからである。
【0047】
図4は、t/t0に対する移動度R(t/t0)の変化の様子を表したグラフである。一般に液体クロマトグラフィにおいては、aを混合比の変化率、Rf0を初期移動度(定数)としたとき、移動度R(t/t0)は図4において破線で示された直線a(t/t0)+Rf0となる。一方、式(2)で表される移動度R(t/t0)は、実線で示された曲線となって、直線よりもやや下方に位置する。式(2)において定数bは、t=0のときに成り立つ等式Rf0=1−eから導くことができる。
【0048】
上記式(1)及び(2)を用いて導出された溶出時間は、実測された導出時間とのずれが少ない高精度なものであることが確認された(後述の実施例参照)。これは、図4の破線がカラム18の入口での混合比を示しているに過ぎないのに対して、式(2)で表される移動度曲線がカラム18内において成分cのバンドが存在している場所での混合比をより正確に反映しているからであると推察される。
【0049】
混合制御部21dは電磁弁14及びポンプP1と電気的に接続されている(図1参照)。混合制御部21dは、混合比記憶部21aが記憶している経時変化する混合比に従って電磁弁14及びポンプP1を制御する。これによって、混合比記憶部21aが記憶している経時変化する混合比に従って溶媒が混合され、溶離液10が形成される。なお、混合比記憶部21aが記憶する混合比データは、溶出時間導出部21bが溶出時間を導出した後に、ユーザによって書き換えられたものであってもよい。
【0050】
<液体クロマトグラフィの流れ>
次に、液体クロマトグラフ11によって行われる液体クロマトグラフィの流れについて、図5を参照して説明する。
【0051】
まず、ステップS1において、ユーザが時間帯Gにおける混合比の変化率を決定し、それを図示しない入力装置を用いて液体クロマトグラフ制御装置21に入力する。入力された変化率は、混合比記憶部21aに記憶される。そして、ステップS2において、溶出時間導出部21bが、上記式(1)及び(2)を用いて試料に含まれる各成分cの溶出時間を導出する。導出された各成分cの溶出時間を例えばグラフ(ピーク位置が描かれたもの)としてディスプレイに表示することによって、ユーザによる分離の程度の目視確認が容易になる。
【0052】
ステップS3では、ステップS2で導出された各成分cの溶出時間に基づいて、液体クロマトグラフ制御装置21が最適なカラム18のサイズを選択し、それをディスプレイに表示する。ステップS2で導出された溶出時間が所望時間からかけ離れている場合には、さらにステップS3において、混合比記憶部21aに記憶された混合比の変化率を変更する。この場合、ステップS2を再度行ってもよい。そして、ステップS4では、混合制御部21dが、混合比記憶部21aに記憶された混合比の変化率を用いて、液体クロマトグラフィを実行する。
【0053】
本実施の形態によると、試料に含まれる各成分の溶出時間を事前に高精度に知ることができるため、複数の成分の分離の程度をユーザが例えば目視で容易に事前に把握することが可能となり、混合比の変化率を評価することができる。そのためには、混合比記憶部21aに記憶された混合比の変化率を変更して複数の混合比の変化率について各成分の溶出時間を導出することで、その結果をクロマトグラムに表示させることが好ましい。また、この結果を用いれば、分離精製に用いられるカラムとして最適なサイズのものを選択することが可能になる。
【0054】
[第2実施形態]
以下は、本発明の好適な実施形態の他の例である第2実施形態についての説明である。第2実施形態は第1実施形態と同様の構成を多く含むため、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については適宜省略される。
【0055】
第2実施形態の液体クロマトグラフは、第1実施形態とほぼ同様の構成を有している。しかし、図6に示すように、第2実施形態の液体クロマトグラフ制御装置121は、第1実施形態の液体クロマトグラフ制御装置21と異なる構成を有している。
【0056】
液体クロマトグラフ制御装置121は、溶出時間記憶部121a、移動度導出部121b、移動度記憶部121c及び混合制御部121dを有している。このうち、混合制御部121dは、第1実施形態と同様のものである。
【0057】
溶出時間記憶部121aは試料中の目的とする任意の一成分(変形例として各成分)の所望溶出時間を記憶する。この所望溶出時間は、ユーザによって入力されたものである。
【0058】
移動度導出部121bは、試料が前記カラムに流入し始めてから目的とする一つの成分がカラム18から溶出するまでの溶出時間tが与えられたときに、上記式(1)を満たすように混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数b(当該成分cの初期移動度Rf0を示す)を導出する。その結果、移動度導出部121bは、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求めることになる。第1実施形態と同様に、式(1)に記載されている移動度R(t/t0)(a,bが未知数となっている)は、移動度記憶部121cに記憶されており、式(2)で表される。本実施の形態において、移動度導出部121bは、時間帯Gだけに試料がカラム内を移動するとして混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、これによって成分cに係る移動度R(t/t0)が求められる。移動度導出部121bが導出した成分cに係る移動度R(t/t0)は、当該成分cに特有の移動度として移動度記憶部121cに記憶される。
【0059】
混合制御部121dは電磁弁14及びポンプP1と電気的に接続されている(図1参照)。混合制御部121dは、移動度導出部121bが導出して移動度記憶部121cに記憶された移動度に従って電磁弁14及びポンプP1を制御する。これによって、導出された移動度に従って溶媒が混合され、溶離液10が形成される。なお、溶出時間記憶部121aが記憶する溶出時間データは、移動度導出部121bが成分cの移動度を導出した後に、ユーザによって書き換えられたものであってもよい。
【0060】
<液体クロマトグラフィの流れ>
次に、本実施の形態に係る液体クロマトグラフによって行われる液体クロマトグラフィの流れについて、図7を参照して説明する。
【0061】
まず、ステップS11において、ユーザが目的とする一つの成分の溶出時間を決定し、それを図示しない入力装置を用いて液体クロマトグラフ制御装置121に入力する。入力された溶出時間は、溶出時間記憶部121aに記憶される。そして、ステップS12において、移動度導出部121bが、溶出時間記憶部121aに記憶された目的とする一つの成分cの溶出時間に対する混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを上記式(1)及び(2)を用いて導出して、成分cに係る移動度R(t/t0)を得る。得られた成分cに係る移動度R(t/t0)は移動度記憶部121cに記憶される。
【0062】
ステップS13では、ステップS12で導出された成分cに係る移動度R(t/t0)を用いて、混合制御部21dが液体クロマトグラフィを実行する。
【0063】
本実施の形態によると、所望溶出時間に対する成分cに係る移動度R(t/t0)を高精度に導出することができるので、成分の分離に十分な溶出時間が確保された、短い溶出時間での液体クロマトグラフィが可能となる。
【0064】
上述した実施形態では固定相としてシリカゲルが充填されたカラムを用いた順相クロマトグラフィーを例に説明したが、本発明は、逆相クロマトグラフィーにも適用可能である。逆相クロマトグラフィーを行う場合、例えば、オクタデシルシリル(Octa Decyl Silyl) 基 (C1837Si) で表面が修飾された化学結合型多孔性球状シリカゲルが固定相として充填されたC18カラムを用いてもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では図2のグラフ25に描かれているように、クロマトグラフィーの開始時刻からグラジェントモードでの分離を始めているが、クロマトグラフィーの開始時刻から所定期間内においては溶媒A及びBの混合比を一定としたアイソクラテックモードでの分離を行い、アイソクラテックモードの終了時刻からグラジェントモードでの分離を始めるようにしてもよい。この場合、試料に含まれる所望の成分cのアイソクラテックモード期間におけるカラム内での移動を考慮して、本発明を適用することが可能である。具体的には、カラムへの溶離液及び成分cの流入位置が、カラム入口ではなく、そこからアイソクラテックモード期間の長さと(1−e)との積で求められる距離だけ下方へと移動した位置であると見なして、つまり成分cのアイソクラテックモード期間におけるカラム内での移動分だけカラムが短くなっているものと見なして、本発明を適用すればよい。
【0066】
さらに、上述した実施形態ではグラジェントモード期間内に成分cがカラムから溶出するようにしているが、グラジェントモード期間終了時刻から始まるアイソクラテックモード期間内に成分cがカラムから溶出するようにしてもよい。この場合、グラジェントモード終了時刻までのカラム内での成分cの移動距離を考慮して、本発明を適用することが可能である。具体的には、カラムからの成分cの流出位置が、カラム出口ではなく、そこからアイソクラテックモード期間開始時刻から成分cのカラムからの溶出時刻までの長さと(1−e−a+b)との積で求められる距離だけ上方へと移動した位置であると見なして、つまり成分cのアイソクラテックモード期間におけるカラム内での移動分だけカラムが短くなっているものと見なして、本発明を適用すればよい。
【0067】
また、クロマトグラフィーの開始時刻からアイソクラテックモードでの分離を行い、アイソクラテックモードの終了時刻からグラジェントモードでの分離を始め、グラジェントモードの期間終了時刻から始まるアイソクラテックモード期間内に成分cがカラムから溶出するようにしてもよい。
【実施例】
【0068】
上述した第1実施形態に係るクロマトグラフを用いて、混合比の変化率aと成分cとの組み合わせを変えて、溶出時間導出部21bが導出した溶出時間の予測値と、実際にクロマトグラフを行って測定された溶出時間の実測値とを比較した。その結果について、図8に示すと共に、以下に説明する。なお、この実施例は、以下の条件を前提としている。
カラムサイズ:15×300mm
充填剤:シリカゲル
流速6ml/mm
試料:赤色色素(ズダンレッド)などを含む
【0069】
本実施例においてt0は8分である。したがって、図8の横軸に示す目盛の8倍の数値が実際の時間(分)となる。また、図8において、成分の溶出時間は、図8内の各曲線の値(∫Rfd(t/t0))が1となる時刻となる。本実施例では、溶出時間以外に溶出までの複数の時刻における値∫Rfd(t/t0)をも算出又は測定しており、それを各曲線状にプロットしてある。
【0070】
(実施例1)
混合比の変化率a=0.1で成分c(赤色色素)に係る定数b=0.22の場合について、溶出時間導出部21bが導出した溶出時間の予測値は25.6であった。一方、同じ条件で実際にクロマトグラフを行って測定された溶出時間の実測値は25.5であった。
【0071】
(実施例2)
混合比の変化率a=0.075で成分c(赤色色素)に係る定数b=0.22の場合について、溶出時間導出部21bが導出した溶出時間の予測値は27.2であった。一方、同じ条件で実際にクロマトグラフを行って測定された溶出時間の実測値は26.8であった。
【0072】
(実施例3)
混合比の変化率a=0.1で成分c(赤色色素)に係る定数b=0.36の場合について、溶出時間導出部21bが導出した溶出時間の予測値は20.8であった。一方、同じ条件で実際にクロマトグラフを行って測定された溶出時間の実測値は21.2であった。
【0073】
以上のように、溶出時間導出部21bが導出した溶出時間の予測値が実測値に非常に近いことが確認された。
【符号の説明】
【0074】
10 溶離液
11 液体クロマトグラフ
18 カラム
21、121 液体クロマトグラフ制御装置
21a 混合比記憶部
21b 溶出時間導出部
21c 移動度記憶部
21d 混合制御部
121a 溶出時間記憶部
121b 移動度導出部
121c 移動度記憶部
121d 混合制御部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する2つの溶媒の混合比の変化率を記憶する混合比変化率記憶手段と、
前記混合比変化率記憶手段が記憶した前記変化率に従って前記2つの溶媒の混合比が変化する溶離液を生成する混合手段と、
複数の成分からなる試料及び前記混合手段が生成した前記溶離液が通過するカラムと、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、
前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを式(1)から導出する溶出時間導出手段とを備えており、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする液体クロマトグラフ。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項2】
複数の成分からなる試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる前記成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを記憶する溶出時間記憶手段と、
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する混合比で前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成する混合手段と、
複数の成分からなる試料及び前記混合手段が生成した前記溶離液が通過するカラムと、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、
前記溶出時間記憶手段に記憶された前記成分cに係る溶出時間tに対して、式(1)を満たすように前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定手段とを備えており、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする液体クロマトグラフ。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項3】
2つの溶媒の混合比が直線的に変化するように混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを導出する溶出時間導出装置であって、
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する2つの溶媒の混合比の変化率を記憶する混合比変化率記憶手段と、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、
前記成分cに係る溶出時間tを式(1)から導出する溶出時間導出手段とを備えており、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする溶出時間導出装置。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項4】
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tに対する前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める混合比決定装置であって、
前記成分cに係る溶出時間tを記憶する溶出時間記憶手段と、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段と、
前記成分cに係る溶出時間tに対して、式(1)を満たすように前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定手段とを備えており、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする混合比決定装置。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項5】
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを導出する溶出時間導出方法であって、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間をt0、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)とした場合に、前記成分cに係る溶出時間tを式(1)から導出するステップを備えており、
移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする溶出時間導出方法。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項6】
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tに対する前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める混合比決定方法であって、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間をt0、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)とした場合に、前記成分cの溶出時間tに対する前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを式(1)から導出することによって、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求めるステップを備えており、
移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする混合比決定方法。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項7】
2つの溶媒の混合比が直線的に変化するように混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tを導出するためのプログラムであって、
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化する2つの溶媒の混合比の変化率を記憶する混合比変化率記憶手段、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる前記成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段、及び、
前記成分cに係る溶出時間tを式(1)から導出する溶出時間導出手段としてコンピュータを機能させ、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする溶出時間導出用プログラム。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)
【請求項8】
第1の混合比から前記第1の混合比よりも大きい第2の混合比まで時刻T0から時刻T1にかけて直線的に変化するように2つの溶媒の混合比を変えつつ前記2つの溶媒を混合して溶離液を順次生成し、生成した前記溶離液及び複数の成分からなる試料をカラムに通過させて行う液体クロマトグラフィにおいて、前記試料が前記カラムに流入し始めてから前記試料に含まれる成分cが前記カラムから溶出するまでの溶出時間tに対する前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求めるためのプログラムであって、
前記成分cに係る溶出時間tを記憶する溶出時間記憶手段、
前記溶離液が前記カラムに流入し始めてから前記溶離液が前記カラムから流出し始めるまでの時間がt0で表される場合に、前記試料に含まれる成分cの移動度を、前記試料が前記カラムに流入し始めた時刻からの経過時間である時刻tの関数R(t/t0)として記憶する移動度記憶手段、及び、
前記成分cに係る溶出時間tに対して、式(1)を満たすように前記混合比の変化率a及び初期移動度に関連した定数bを導出し、前記成分cに係る移動度R(t/t0)を求める移動度決定手段としてコンピュータを機能させ、
前記移動度記憶手段に記憶された移動度R(t/t0)が式(2)で表されることを特徴とする混合比決定用プログラム。
【数1】

【数2】

(aは混合比の変化率,bは初期移動度に関連した定数)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54028(P2013−54028A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169240(P2012−169240)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(391048533)山善株式会社 (11)