説明

液体クロマトグラフ質量分析装置

【課題】脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部の先端への不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどの析出を防止して、高精度な測定が可能な液体クロマトグラフ質量分析装置の提供。
【解決手段】液体クロマトグラフから送液される試料溶液を排液部4あるいは質量分析計3の試料導入部31へ向けて噴出させる噴出部1と、噴出部1を排液部4への噴出位置と試料導入部31への噴出位置との間で変更可能に位置決めする多関節ロボット2と、を備える液体クロマトグラフ質量分析装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロスプレーイオン化法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテオーム解析のための有効な手段としてエレクトロスプレーイオン化法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−ESI−MS)が用いられている。LC−ESI−MSは、分子量10万程度以下の全分子量領域で測定が可能であり、測定に必要な試料量も数ピコモル(pmol)オーダーであるため、タンパク質や高分子量の複合糖質などの生体関連物質の測定に特に有用である。
【0003】
LC−ESI−MSでは、電気伝導性の試料溶液をスプレーノズル部に供給し、高電圧を印加して帯電した均一で微細な液滴を噴霧させ、液滴から溶媒を蒸発させて試料分子の多価イオンを生成させて質量分析計内に導入している(特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−203599号公報
【特許文献2】特開2004−139962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LC−ESI−MSでは、試料溶液に含まれる不揮発性塩がスプレーノズル部の先端に析出すると、ノズルの詰まりや、質量分析計の汚染や感度低下が引き起こされる。このため、試料溶液に不揮発性塩が含まれる場合には、試料溶液を分析カラムに送液する流路とは別に試料溶液を脱塩カラムに送液する流路を設け、流路の切り換えを行うことにより試料溶液の脱塩操作を行っている。
【0006】
しかし、脱塩用のカラム及び流路を設ける場合、流路の接続部や切換バルブから金属イオンやポリマーなどが発生してスプレーノズル部の先端に析出するという新たな問題が生じる。スプレーノズル部の先端に析出した金属イオンやポリマーも、ノズルの詰まりや、質量分析計の汚染や感度低下の要因となる。
【0007】
脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部の先端に析出した不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどを洗浄により取り除くことができれば、問題を解決できるとも考えられる。しかし、スプレーノズル部は質量分析計の試料導入部に対して高精度に位置決めされている必要があり、通常はその位置が固定されている。このため、洗浄のためにスプレーノズル部を取り外すとその度に改めて位置決め操作(アラインメント)を行う必要が生じ、作業効率が著しく低下してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部先端への不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどの析出を防止して、高精度な測定が可能な液体クロマトグラフ質量分析装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため、本発明は、液体クロマトグラフから送液される試料溶液を排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部と、該噴出部を前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする多関節ロボットと、を備える液体クロマトグラフ質量分析装置を提供する。
この液体クロマトグラフ質量分析装置は、多関節ロボットにより分析時には噴出部を試料導入部への噴出位置に位置決めし、試料溶液の脱塩操作時などの非分析時には噴出部を排液部への噴出位置に位置決めする。
この液体クロマトグラフ質量分析装置において、前記排液部は、液体を流下する流路を含んで構成され、前記多関節ロボットは、排液部への噴出位置において、前記噴出部の噴出口を、流下される前記液体中に位置させることが好ましい。この場合、前記多関節ロボットは、特に水平多関節ロボットとされることが好適となる。
また、前記排液部は、前記排液部は内部に液体を充填可能であり、前記噴出部は排液部への噴出位置において前記液体中に前記試料溶液を噴出させるように構成されてもよい。
これらの排液部の構成によれば、非分析時に噴出部から不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどが排出される場合にも、不揮発性塩等が噴出部の先端に析出するのを防止できる。
また、この液体クロマトグラフ質量分析装置において、前記多関節ロボットは、2以上の液体クロマトグラフにそれぞれ接続された噴霧部を質量分析計の試料導入部に対して択一的に位置決めするように構成してもよい。
【0010】
また、本発明は、液体クロマトグラフから送液される試料溶液を排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部を、前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする液体クロマトグラフ質量分析装置用多関節ロボットを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、液体を流下する流路を含んで構成される排液部と、液体クロマトグラフから送液される試料溶液を前記排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部を、前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする多関節ロボットと、を含む、液体クロマトグラフ質量分析装置用システムをも提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部先端への不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどの析出を防止して、高精度な測定が可能な液体クロマトグラフ質量分析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の構成を説明する図である。
【図2】排液部4の構成を説明する図である。
【図3】第一実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の変形例の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0015】
1.第一実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置
図1は、本発明の第一実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の構成を説明する模式図である。
【0016】
この液体クロマトグラフ質量分析装置は、図示しない液体クロマトグラフから送液される試料溶液を噴出させる噴出部1、噴出部1を支持する多関節ロボット2、質量分析計3、排液部4を含んで構成される。図中、符号31は、質量分析計3の試料導入部を示す。噴出部1は、一般にスプレーカラムやスプレーチップ、スプレーノズルなど称されている微細管によって構成できる。
【0017】
液体クロマトグラフは試料中の微量成分を分離するための分析カラムを備え、分析カラムに吸着された微量成分は溶離液によって再度溶出されて噴出部1へ送液される(図中矢印f参照)。なお、ここで、溶離液とは、液体クロマトグラフの移動相として用いられる液体であって、水や、アセトニトリルおよびメタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒、これらの混合溶媒を意味するものとする。溶離液には、水や有機溶媒に添加して使用されるギ酸や酢酸、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、酢酸アンモニウム等が含まれ得る。
【0018】
噴出部1への試料溶液の導入後、質量分析が開始されると、多関節ロボット2は、噴出部1を図1(A)に示す待機位置から図1(B)に示す試料導入部31への噴出位置に移動させる。これにより、噴出部1から噴霧された試料溶液中の試料分子がエレクトロスプレーイオン化法によってイオン化され、試料導入部31から質量分析計3内に導入され、分析に供される。
【0019】
このとき、多関節ロボット2は、オペレーターによって事前に指定された位置情報あるいは制御部に予め記憶された位置情報に基づいて、噴出部1を試料導入部31に対して高精度に位置決めする。試料導入部31に対する噴出部1の位置がずれると、質量分析計3による分析精度が大きく低下する。
【0020】
図1(C)は、噴出部1が排液部4への噴出位置に位置決めされた状態を示す。この状態では、噴出部1から噴出された試料溶液などの液体は、排液部4内に回収され排液される(図中矢印d参照)。
【0021】
液体クロマトグラフに脱塩用のカラム(プレカラム)及び流路を設けない場合に、試料溶液の脱塩操作を行うときには、多関節ロボット2は、噴出部1を、図1(A)に示した待機位置又は図1(B)に示した試料導入部31への噴出位置から、図1(C)に示す排液部4への噴出位置に、移動させる。これにより、試料溶液の脱塩操作中に噴出部1から噴出される不揮発性塩を含む溶液(緩衝液)を、質量分析計3側に影響を与えることなく、排液部4から排液できる。
【0022】
排液部4の内部には液体(洗浄液)を充填可能とし、排液部4への噴出位置にある噴出部1の少なくとも先端部が洗浄液中に浸漬されるように構成することが好ましい。これにより、噴出部1から噴出される不揮発性塩を含む緩衝液を洗浄液中に排出することができ、不揮発性塩が噴出部1の先端に析出するのを防止できる。不揮発性塩が噴出部1の先端に析出すると、噴出部1の詰まりの原因となり、分析時に質量分析計3の汚染や感度低下を引き起こす要因となる。
【0023】
脱塩操作の完了後、分析を開始すると、多関節ロボット2は、噴出部1を図1(B)に示した試料導入部31への噴出位置に移動させる。このときも、多関節ロボット2は、オペレーターによって事前に指定された位置情報あるいは制御部に予め記憶された位置情報に基づいて、噴出部1を試料導入部31に対して高精度に位置決めする。噴出部1を試料導入部31への噴出位置に移動させる際、噴出部1の先端部に洗浄液が付着する場合には、付着する洗浄液を風乾あるいは吹き飛ばすための送風機(ブロワー)を設けることが望ましい。送風機は、排出部4への噴出位置から試料導入部31への噴出位置までの間の噴出部1の移動経路上のいずれかの位置に配置される。
【0024】
また、測定毎の分析カラムの洗浄を行う場合にも、多関節ロボット2は、噴出部1を排液部4への噴出位置に移動させる。
【0025】
さらに、分析を行わずに質量分析計3を停止して、液体クロマトグラフのカラム及び流路に移動相のみを通流しているときにも、多関節ロボット2は、噴出部1を、図1(A)に示した待機位置又は図1(B)に示した試料導入部31への噴出位置から、図1(C)に示す排液部4への噴出位置に、移動させる。これにより、移動相の通流中に噴出部1から噴出される金属イオンやポリマーなどを含む溶液(移動相)を、質量分析計3側に影響を与えることなく、排液部4から排液できる。また、噴出部1から噴出される金属イオンやポリマーなどを含む移動相を洗浄液中に排出することができ、金属イオン等が噴出部1の先端に析出するのを防止できる。従って、特に液体クロマトグラフに脱塩用のカラム及び流路を設ける場合において、流路の接続部や切換バルブから発生する金属イオンやポリマーなどが噴出部1の先端に析出して噴出部1の詰まりや、質量分析計3の汚染や感度低下が生じるのを防止するために有効である。なお、液体クロマトグラフへの移動相のみの通流は、分析を行っていない間にカラム及び流路が乾燥してつまったり劣化したりするのを防止するために一般的に行われている。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、多関節ロボット2により分析時には噴出部1を試料導入部31への噴出位置に位置決めし、試料溶液の脱塩操作時などの非分析時には噴出部1を排液部4への噴出位置に位置決めできる。このように、両位置間を変更可能に構成したことにより、本実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、分析カラムとは別に脱塩カラムを設けることなく試料溶液の脱塩操作を行うことができ、流路の接続部や切換バルブを少なくしてノイズ物質の発生やデッドボリュームの増大を抑え、メンテナンスの手間も軽減できる。また、脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部の先端への不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどの析出を防止でき、高精度な測定が可能である。
【0027】
さらに、本実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、従来、試料導入部31に対する正確なアラインメントを保つために取り外して洗浄することが困難であった噴出部1を、多関節ロボット2によって試料導入部31への噴出位置と排液部4への噴出位置との間で位置変更することで、洗浄効果と高精度なアラインメントをともに得ることができ、安定した高い再現性での測定が可能である。
【0028】
なお、本実施形態において、多関節ロボット2は、水平多関節ロボット(水平多軸型)であっても垂直多関節ロボット(垂直多軸型)であってよく、水平軸及び垂直軸を組み合わせて有する多関節ロボット(複合多軸型)であってもよいものとする。
【0029】
2.排液部の変形例
排液部4は、液体(洗浄液)を流下する流路を含んで構成されてもよい。この場合、多関節ロボット2は、排液部4への噴出位置において、噴出部1の噴出口を、流下される液体中に位置させる。
【0030】
図2を参照して説明する。図中、符号411は、洗浄液を流下する流路を示す。流路411には、送液ポンプなどの汎用の供給手段(不図示)により洗浄液が供給される(図中矢印w参照)。供給手段は、複数の異なる洗浄液を順次切り替えて流路411に供給するように構成してもよい。
【0031】
流路411に供給された洗浄液は、流路411の開孔から、流路111の下方に配設された回収部412に向かって流下され、回収部412内に一時的に貯留された後、図中矢印wに従って回収部412外に排出される。流路411の開孔から回収部412内に流下される洗浄液の流れを図中符号Fによって示す。回収部412は、上面が開放され、流路411から流下される洗浄液を内部に受容可能な容器であればよい。
【0032】
図中、符号111は、噴出部1の噴出口を示す。多関節ロボット2(不図示)は、噴出口111を、流下される洗浄液の流れF中に位置させる。これにより、噴出部1の先端部を洗浄液中に浸漬して、噴出部1から噴出される不揮発性塩を含む緩衝液を洗浄液中に排出でき、不揮発性塩が噴出部1の先端に析出するのを防止できる。
【0033】
なお、本変形例において、多関節ロボット2は、水平多軸型、垂直多軸型及び複合多軸型のいずれであってもよい。ただし、噴出部1の噴出口を試料導入部31への噴出位置から流下される液体中に移動させるためには、噴出部1が水平方向に移動可能であれば十分であることから、多関節ロボット2は、特に水平多軸のみを有する多関節ロボットとすることができる。
【0034】
3.第一実施形態の変形例に係る液体クロマトグラフ質量分析装置
図3は、第一実施形態の変形例に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の構成を説明する模式図である。
【0035】
この液体クロマトグラフ質量分析装置は、2台の液体クロマトグラフと1台の質量分析計を含んで構成されている。図示しない2台の液体クロマトグラフにそれぞれ接続された噴出部11,12は、それぞれ多関節ロボット21,22によって支持され、上述した待機位置および試料導入部31への噴出位置、排液部41,42への噴出位置との間で変更可能に位置決めされる。
【0036】
図には、噴出部11が試料導入部31への噴出位置に、噴出部12が排液部42への噴出位置にある状態を示している。この状態では、噴出部11から噴霧された試料溶液中の試料分子がエレクトロスプレーイオン化法によってイオン化され、試料導入部31から質量分析計3内に導入され、分析に供される。この間、噴出部12に接続された液体クロマトグラフでは、試料溶液の脱塩操作や分析カラムの洗浄操作を行うことができる。
【0037】
噴出部11に接続された液体クロマトグラフから送液される試料溶液の分析が完了し、噴出部12に接続された液体クロマトグラフ側の脱塩あるいは洗浄操作が完了すると、多関節ロボット21は噴出部11の位置を待機位置あるいは排出部41への噴出位置に変更する。一方、多関節ロボット22は噴出部12を試料導入部31への噴出位置に変更する。これにより、引き続いて噴出部11から噴霧される試料溶液の分析が開始される。
【0038】
このように、本変形例に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、噴出部11あるいは12のどちらかに接続された液体クロマトグラフから送液される試料溶液の分析を行っている間に、他方に接続された液体クロマトグラフで試料溶液の脱塩操作や分析カラムの洗浄操作を行うことができる。そして、一方の液体クロマトグラフから送液される試料溶液の分析が完了後、多関節ロボット21,22によって試料導入部43に対して位置決めされる噴霧部を択一的に変更することにより、脱塩あるいは洗浄操作が完了した他方の液体クロマトグラフから送液される試料溶液の分析を速やかに開始することができる。このため、本変形例に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、試料溶液の脱塩や分析カラムの洗浄のための時間を短縮して分析のスループットを向上できる。
【0039】
ここでは、1台の質量分析計に対して2台の液体クロマトグラフを配設した例を説明したが、本発明に係る液体クロマトグラフ質量分析装置において、液体クロマトグラフは1台の質量分析計に対して3台以上並行化して配設してもよい。この場合にも、各液体クロマトグラフに接続された噴霧部を多関節ロボットによって択一的に質量分析計の試料導入部に対して位置決めされるようにすることで、いずれかの液体クロマトグラフから送液される試料溶液の分析を行っている間に、他の液体クロマトグラフで脱塩操作や洗浄操作を行うことができる。これにより、脱塩あるいは洗浄が完了した液体クロマトグラフから次々に質量分析計内へ試料を導入し、分析を行うことが可能となり、スループットを大幅に向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る液体クロマトグラフ質量分析装置は、脱塩用のカラム及び流路の有無にかかわらず、スプレーノズル部の先端への不揮発性塩や金属イオン、ポリマーなどの析出を防止して、高精度な測定が可能である。このため、本発明に係る液体クロマトグラフ質量分析装置は、微量成分の分離、分析のために有用であり、特にナノスケール流量で移動相の送出を行う液体クロマトグラフ質量分析装置として好適に実施され得る。
【符号の説明】
【0041】
1,11,12:噴出部、111:噴出口、2,21,22:多関節ロボット、3:質量分析計、31:試料導入部、4,41,42:排液部、411:流路、412:回収部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフから送液される試料溶液を排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部と、
該噴出部を前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする多関節ロボットと、を備える液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項2】
前記排液部は、液体を流下する流路を含んで構成され、
前記多関節ロボットは、排液部への噴出位置において、前記噴出部の噴出口を流下される前記液体中に位置させる請求項1記載の液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項3】
前記多関節ロボットが水平多関節ロボットである請求項2記載の液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項4】
前記排液部は内部に液体を充填可能であり、前記噴出部は排液部への噴出位置において前記液体中に前記試料溶液を噴出させる請求項1記載の液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項5】
前記多関節ロボットは、2以上の液体クロマトグラフにそれぞれ接続された噴霧部を質量分析計の試料導入部に対して択一的に位置決めする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項6】
液体クロマトグラフから送液される試料溶液を排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部を、前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする液体クロマトグラフ質量分析装置用多関節ロボット。
【請求項7】
液体を流下する流路を含んで構成される排液部と、
液体クロマトグラフから送液される試料溶液を前記排液部あるいは質量分析計の試料導入部へ向けて噴出させる噴出部を、前記排液部への噴出位置と前記試料導入部への噴出位置との間で変更可能に位置決めする多関節ロボットと、
を含む、液体クロマトグラフ質量分析装置用システム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−33025(P2013−33025A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87240(P2012−87240)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(503318666)日京テクノス株式会社 (19)
【Fターム(参考)】