説明

液体サンプルのテスト方法、テスト装置および複数のテスト装置の自動化システム

本発明は、液体サンプルのテスト方法、テスト装置および複数のテスト装置の自動化システムである。特定の目的は、異なる場所にある多数のテスト装置を含みかつ共通の制御装置を経由して接続された、患者の血液の大規模テスト用システムである。個々のテスト装置においては、液体投与室(5)と、キャリブレータと対照液体(8、9)の密閉されたパッケージと、液体試薬パッケージ(10)と、液体サンプル入口(14)と、反応からの結果を登録する手段のみならず、反応成分を投与しかつ混合するための作動装置(16)がある。該テスト装置は、制御装置の監視下に、較正反応、対照反応およびテスト反応を、自動的に行うことができる。該システムは、各テスト装置中の同一パッケージされた液体を使用することができ、対照結果の平均を計算でき、また個々の結果を該平均値と比較することにより、許容された偏差外の結果を通して、欠陥を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の病気または他の健康状態に対して、患者から由来する血液ベースサンプルをテストするための、特に生物化学および臨床化学の分野における液体サンプル分析方法に関するものである。さらに本発明の目的は、通信のデータ転送ネットワークを経由して、中央自動操作を受ける種々の位置における複数のテスト装置を含むシステムのみならず、本発明の方法を行うためのテスト装置である。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的な目的は、化学的、生物化学的および臨床実験室テストの品質制御を向上させることである。最も頻繁にテストが行われるタイプは、生体外診断(IVD)として知られている。大抵のIVDテストは、患者の血液サンプルから由来する血清または血漿にたいして行われる。テスト結果は、公知の対照血清サンプルから同時(〜同じ日に)に得られる値に比較される。ここでは、与えられた対照値は、典型的には単一濃度ではなく、かなり広い範囲であり、機器製造工程のあいだ、対照血清の製造工程間および最終の患者測定の対照値中での追跡可能性に蓄積された不確実性を反映している。多数の因子は、対照血清生成物の不確実性に、現在貢献している。
【0003】
対照血清を含めていずれの血清に関連する一般的な問題は、血清は、急速に成長しかつ周囲の環境に暴露するといつでも血清を腐らせる微生物および菌に対する非常に良好な媒体であるということである。デバイスレベルでの現在の研究室での実施は、露出した対照血清コップと他の分析行程のあいだをピペット採取することにより行われる。対照血清瓶は、対照サンプルとして、その一部を移送するために空けなければならない。血清対照瓶を雰囲気に開放するときにはいつでも、それは、微生物および菌汚染で撒き散らされる。さらに、血清成分自身内に、強力な化学的効果および反応性があり、時間の経過とともに濃度を変化させる。もしたとえ、開かれた血清瓶が、冷蔵庫中で2〜8℃で貯蔵したとしても、典型的には1週間の作業時間を持つことになる。もし、血清瓶が、開けられなければ、作業時間は、2か月になる。−20℃での凍結状態では、未開の対照血清は、典型的には30か月保存する。
【0004】
対照血清の作業時間を延ばすための従来法は、液体の水もなく、乾燥状態でそれを保存することであり、それにより正当な貯蔵は、問題がない。対照血清の凍結乾燥およびそれを小さな部分に分割して同時に、同日に使用できることは、現在では、最も普通の慣例である。ユーザは、特定の少量の水を添加しまた乾燥血清を注意深く均一溶液中に溶解することにより、対照血清をもどす必要がある。この方法の欠点は、ユーザが、非常に少量の純水を非常に正確に分配し、そして内容物を均一溶液に溶解する必要があるということである。製造においては、ミニ/マイクロ瓶中で小さな対照血清を製造するにあたり、多数の製造工程および制御工程がある。これらの製造工程は、過失誤差が検出されるように、モニターされかつプロセス制御される。患者作業レベルでの最終ユーザによる較正は、非常に少ない体積の戻しにおける過失誤差をするときに、見出す手段がほとんどない。最終ユーザが、研究室の専門家から見れば、注意点のテストで素人であるときには、患者の安全は、IVDテストの品質制御によっては、危険にさらされる。このことが、より高価なすぐに使用可能な血清が、より高度な品質を提供するが、専門家の研究管理を必要とする理由である。
【0005】
原理上は、対照血清製品は、高レベルの参照研究室からの値を追跡可能にすることを目的としている。数十のおよび数百の特定のテスト化合物の値を正確に測定することは、いくつかの参照研究室でのみ使用可能な特定の、退屈なまた非常に高価な参照方法を必要とする。品質追跡可能性標準ISO17511:2003は、製造における多段工程を経由した参照研究室から、現場での患者サンプルの最終較正への工程を記述しており、これらはほぼ10工程ある。各工程は、標準偏差として多くのパーセントまで計算して、参照研究室値からの追跡可能性に対して、変化を加えている。それは、品質追跡可能性の観点から、満足に程遠い。IVD製造業者は、高価な参照較正材料を彼らの研究室に移送し、製造機器の較正のための、また製造における対照血清製品の較正のための尺度として働く。全ての分析器は、製造者と同一製造者の異なったモデル内のあいだに、いくらかの異なった結果を生み出している。
【0006】
経時的にあまりにも遠くに運びかつ患者の安全を危険にさらす機器と製造業者のあいだの対照値におけるドリフトを避けるために、合同外部品質保証機構は、研究室間の再現性をモニターするために、形成された。該品質機構は、分析用品質リングの各関係者に対して、1年に1回または2回同じ未知の血清サンプルを送付し続けている。品質機構は、統計的にすべての結果を集約し、同一分析器を持つすべての他の者に比較して、彼らの各分析器の場合に平均からいかに離れているかを、各関係者に報告している。そのテスト平均値が、正しいか間違っているかどうかについては、態度を示していない。他の研究室が、平均上どこにあるか、また標準偏差が、どのくらい高いかを告げているのみである。このようにして得られたフィードバックは、1年以上必要とし、他からは、非常に離れているか、または同一分析器モデルを使用している他の研究室のあいだにあることになる。実際、研究室IVDデータを、患者の臨床図に比較しかつ予想されない研究室データを単に信じないことは、主治医の責任である。予想されない結果は、不完全なまたは誤ったサンプルから、較正におけるエラーから、または腐ったテスト試薬から、または分析器のドリフトから始まった人工物資源から生じるかもしれない。予想されない結果は、再テスト、患者ケアの遅れおよび研究室サービスの不十分さを示している。この不確実さの源は、テスト品質の長鎖の劣化した追跡可能性から生じており、それにより、変化の他の源の検出は、劣った追跡可能性および較正の多様性によって隠ぺいされる。
【0007】
多くの化学的、生物化学的および臨床的研究所テストは、敏感な試薬および他の分析工程を使用しており、そのために、分析器および試験法は、既知のテストサンプルを用いて1日につき1度またはそれ以上テストされるべきであり、それは、品質制御プロセスと呼ばれている。品質の追跡可能性は、製造業者の生産および品質制御プロセスを経由した品質制御サンプルの精度を、参照法を用いた参照研究室の値にさかのぼらせることに関係している。現在の品質手法は、研究室環境と専門家の熟練を見込んでいる。品質追跡可能性における本実施は、約10工程を含み、各工程は、多様性を加え、真の値に対する範囲のみを与えている。
【0008】
12〜18ケ月の液体試薬の作業時間は、たとえば、JASダイアグノスチクス、フロリダ州マイアミおよびその他から入手可能である。その部品に対する試薬は、全自動を可能にしまた研究室が試薬を管理する必要性を除去してくれる。しかし、この品質制御規則は、毎日、または8時間毎にサンプルを制御する必要があり、現在は、研究室環境における研究室熟練度を用いてのみなしうる。自動化による効率が、実際に進行する前に、品質制御および追跡可能性の問題が、専門家の熟練度を必要とすることなく、解決される必要がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、研究室外の現場での、すなわちケアポイント部位および専門家の熟練度もない他の非研究室場所であるところでのテスト装置中で行われるIVDテストの品質制御および品質追跡可能性の向上と自動化により、問題点の解決を提供する。全体における本発明の成果は、IVDテストの品質および追跡可能性は、ユーザが、非専門家であることができるように、専門的であるが遠隔的に送られまたモニターされる。研究室の熟練度の少ない、またはまったくない状態で、患者のテストデータの高品質を確立することが、本発明の有意な利点である。さらに、本発明は、本発明方法を用いた現場でのネットワークで管理された分析器の品質を、リアルタイムにモニタリングし、調整しかつ制御することを可能にしている。本発明は、対照材料における変化を追跡しかつ調整し、追跡可能性をダイナミックにモニターし、それにより較正の無人作業時間を、数時間から数か月に伸ばすことも可能である。
【0010】
本発明による液体サンプルのテスト方法は、液体投与室からなるテスト装置を使用し、該方法は、
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された少なくとも1つの閉じられたキャリブレータ液体パッケージの提供と、
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された少なくとも1つの密閉された参照液体パッケージであって、参照液体は、キャリブレータ液体とは異なるものであるパッケージの提供と、
少なくとも1つの液体試薬用の開口可能なバルブを持った少なくとも1つの入り口の提供と、
テストされる液体サンプル用の開口可能なバルブを持った入口の提供と、
キャリブレータ液体、対照液体、液体サンプルそれぞれと、少なくとも1つの液体試薬のあいだの対照反応およびテスト反応の調整を、別の段階で行い、
各段階は、各バルブの開口と、各反応を起こすために、投与室に対して所定の反応液体の所定量を吸引することからなり、
反応のあいだに投与室を洗浄し、
対照反応およびテスト反応の調整結果を登録し、かつ
該結果の比較によって、液体サンプルに対するテスト結果を取得することを特徴とするテスト方法である。
【0011】
本発明による液体サンプルテスト用テスト装置は、液体投与室を含み、
開口可能なバルブを経由して液体投与室に接続されている少なくとも1つの閉じられたキャリブレータと、
開口可能なバルブを経由して液体投与室に接続されている少なくとも1つの密閉された対照液体パッケージと、
少なくとも1つの液体試薬用の少なくとも1つの開口可能な入口と、
テストされる液体サンプル用開口可能な入口と、
それぞれ較正を行い、反応を制御しかつテストするために、異なる段階で液体投与室に対して、該キャリブレータ液体、該対照液体、該液体サンプルおよび/または少なくとも1つの液体試薬の量を吸引するための作動装置と、
テスト結果をえるために、反応結果を登録しかつ比較する手段を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によるテスト装置は、開口可能なバルブを持った入口を経由して、液体投与室に接続されている少なくとも1つの閉じられた液体試薬パッケージを含んでいることが好ましい。液体試薬は、較正と、対照反応またはテスト反応をそれぞれ行うために、投与室中において、さらにキャリブレータ液体と、対照液体または液体サンプルと組み合わされていることが、好ましい。液体は、ベロー、ポンプまたは注射器である差動装置によって、液体投与室中に吸引してもよい。
【0013】
さらに、本発明によるテスト装置は、希釈液を用いて液体投与室を充填させるために、開閉可能な入口をさらに含んでいてもよい。本発明によるテスト装置は、液体投与室から希釈液体を吸引するために、開閉可能な出口をさらに含んでいてもよい。反応に必要な液体を投与するための上記の吸引操作の前に、投与室は、希釈液体で充填されているものとする。反応液体の投与は、投与室から対応する量の希釈液体を吸引することにより、起こされる。充填および吸引目的のための共通の入口/出口が、あることが好ましい。
【0014】
例として、本テスト装置中で行われる較正反応は、次の一連の工程:
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された閉じられたキャリブレータ液体パッケージの提供と、
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された少なくとも1つの閉じられた試薬液体パッケージの提供と、
希釈液体での液体投与室の充填と、
各バルブの開口により、ある量のキャリブレータ液体を、パッケージから液体投与室までの吸引しまた対応する量の希釈液体の液体投与室からの吸引と、
各バルブの開口により、ある量の少なくとも1つの試薬液体を、各パッケージから液体投与室までの吸引しまた対応する量の希釈液体の液体投与室からの吸引と、
キャリブレータ液体と液体投与室中に結ばれた少なくとも1つの試薬液体のあいだの反応の実行と、
テスト予定の液体サンプルとの対応する反応を実行するにあたり、参照として使用するための反応の結果の登録とを含むことができる。
【0015】
言及したように、該充填および吸引工程は、そこに接続されている作動装置により共通の入り口/出口を経由して行われることが、好ましい。
【0016】
対照反応およびテスト反応は、同様に、行うことができ、閉じられた対照液体パッケージの対照液体および閉止可能なバルブを用いて入口から供給されるテストサンプルは、それぞれ、キャリブレータ液体を置換する。
【0017】
試薬パッケージのみならずキャリブレータ液体パッケージおよび対照液体パッケージは、液体が、そこから吸引されるにしたがって、容積の減少とともに密閉される折り畳み袋であることが、好ましい。そのような袋は、本明細書に参照としてここに組み入れられている米国特許第4588554号明細書に記載されている。
【0018】
診断目的に用いられるときの本発明に用いられる対照液体は、血液血清であることが好ましい。キャリブレータ液体は、溶媒中に溶解された血液血清の純粋成分であってもよい。
【0019】
テスト装置中での各目的に使用する前に、該キャリブレータ液体および対照液体は、凍結状態で該袋中に保存することが好ましい。液体投与室に吸引される予定の液体を選択的に解凍するための加熱手段のみならず、冷蔵庫を、テスト装置に設けることができる。
【0020】
開口可能なバルブを経由して、投与室に接続される別の反応室または空間がある。反応の結果を検出するために、センサーが、投与室中に、または反応室または空間に設けられている。
【0021】
全テスト装置およびその機能は、国際公開第02/061395号パンフレット中に記載されているものに一般的に対応しており、それが、本明細書中に参照によりここに組み入れられている。しかし、該参照は、本発明に対して必須である組み合わされた較正および対照操作を開示していない。参照のテスト装置は、参照符号10により図2中に示される試薬を含んでおり、それは、本発明によれば、較正液体を含む少なくとも1つの袋と対照液体を含む少なくとも1つの袋をも含んでいる。
【0022】
上記した複数の液体サンプルテスト用テスト装置を含む本発明によるシステムは、各テスト装置が、同じテスト反応を行うために設けられ;該テスト装置類が、異なったところで置かれておりまたデータ転送通信を経由して、該通信を経由して転送されるデータにより、システム中のテスト装置をモニターする共通の制御装置に、それぞれ接続され;該対照液体との反応は、所定の時間間隔で各テスト装置中で行われ、テスト装置に対する個々の対照値を取得し、全テスト装置の該対照値の平均が、求められ、個々の対照値が、該平均と比較され、また平均からの許容された偏差内にある参照値を持ったテスト装置のみが、テスト予定のサンプルとの反応を行うことを許諾されることを特徴とする。
【0023】
上記した複数の液体サンプルテスト用テスト装置を含む本発明によるシステムは、各テスト装置が、同じテスト反応を行うために設けられ;該テスト装置類が、異なったところで置かれておりまたデータ転送通信を経由して、該通信を経由して転送されるデータにより、システム中のテスト装置をモニターする共通の制御装置に、それぞれ接続され;該テストシステムの性能は、テスト装置中に蓄えられたキャリブレータ液体に対する、対照液体に対する、また試薬に対する時間効果を見積もりまた調整するために、テスト装置中に行き渡っているものに対応した状態で保存されている対照液体およびキャリブレータ液体参照サンプルの正確な解析により、ときどき独立に評価されることを特徴とする。
【0024】
本発明によるシステムは、上記に同時に列挙した特性の両セットを含んでいることが、好ましい。つまり、システムの較正が、制御装置の方向で行われ、参照サンプルの解析は、共通の実験室で行われ、一方相対的に短時間間隔で、毎日またはよりさらに頻繁に、自動方向および制御装置によるモニタリングの下に、制御がおこなわれる。
【0025】
該システムにおいては、各テスト装置は、少なくとも1つの正確に公知のキャリブレータ液体および/または少なくとも1つの正確に公知の対照液体および各テスト装置中では同じである少なくとも1つのテスト試薬とを持っている。キャリブレータ液体と、対照液体とテスト試薬とが、同一である、すなわちシステム中の各テスト装置中で、同一製造バッチから由来していることが、好ましい。そのような場合、個々のテスト装置から受け取られる全ての較正および対照結果は、比較することが可能であり、また比較に使用される結果の各々に対して、平均値を計算できる。
【0026】
テスト装置において、平均値から許容される偏差外の参照値が、得られた場合には、対照液体との反応は、制御装置が、以前のおよび以後のテスト結果を許容できるように、制御装置の求めに応じて、ランダムエラーの可能性を排除するために、一度以上反復されることになる。
【0027】
本発明の方法と、該方法を用いたテスト装置と該テスト装置からなる品質モニタリングシステムとは、次のようにまとめることができる:
【0028】
1.該方法は、そのパッケージを機能的に開くことなくかつ未開封として実質的に保存されたときには、作業時間を短くすることなく、液体対照血清を使用することを含む。
【0029】
2.本発明を使用する基本的装置は、密封したキャリブレータ血清パッケージを、分析器の液体処理部分すなわち投与室または反応室に接続する密封バルブに機能的に対応している。
【0030】
3.該システムは、新規な較正装置、すなわちテスト装置および較正の立場からリアルタイムで作動するネットワークを経由した現場での較正機能を含み、かつ使用された対照血清の較正値が、経時的に変化するときでさえも、妥当な値のみを使用することを確保する。
【0031】
本発明は、可変効果および手動取扱いの短時間作業およびテストする患者のサンプルに接して、対照血清およびキャリブレータを周囲の雰囲気に露出しないようにする。同じ全て公知の高品質対照血清、キャリブレータおよび試薬を用いて負荷された複数のテスト装置が、共通の制御装置の下に、品質データの自動共モニタリングに対してネットワークできるように、長時間の実質的未開封およびキー液体処理における水圧精度と信頼性が、全自動を可能にしている。エラーが検出されると、制御テストの反復読み取りが、ランダムエラーを排除するために行われる。もし反復制御が、検出された問題点を解決できないときには、同じテストが、安定なキャリブレータで自動的に行われる。もし結果が、以前と同じであれば、対照血清が、不良である。テスト結果が、変化し、また対照血清テストが、比例的に変化する場合には、対照血清は、良好で、テスト試薬が、不良である。さらに、共通制御装置の自動的共モニタリングが、複数のテスト装置からのテストデータの平均値の標準誤差として、対照血清および試薬の真の安定性または動向の自動的、リアルタイムの高精度の評価を可能にしている。複数のテスト装置からの測定された平均値の高精度は、与えられた広いエラーマージンを持った短期の名目上安定な対照またはキャリブレータを与えるよりも、より信頼性のあるテストを可能にしている。まとめとして、本発明のメジャーコストおよび品質利得は、エラー、時間遅延および手動の研究室作業に関連するコストが、除去されまた複数のテスト装置からのリアルタイムの品質関連データからの統計的信頼性が、品質において優れた安全性を提供するということである。
【0032】
本発明の好ましい実施態様の種々の態様および工程のより詳細な記述は、
1.多数の対照血清の高精度レベルでの較正
2.何も入ることもなく液体が取り出せるように、たとえば、米国特許第4588554号明細書などに記載されている密封した空気のない折り畳み可能な袋中に、血清を包装することおよび長期間貯蔵のためのパッケージの冷凍。さらに、充填における無菌での濾過、空気または酸素の除去が、腐敗を減少させることになる。
【0033】
3.システムの残りの能力および作業時間をカバーするために、テスト装置中への1つ以上の凍結された対照血清パッケージの設置。一つのパッケージが溶かされ、密封した状態で、容量の自動分析のため、または未開封の状態で有効期限になるまで利用される。他のパッケージは冷凍されて保存される。
【0034】
4.該較正手段は、密封した対照血清パッケージおよび液体投与システムを接続する機能的な密封バルブを含んでいる。機能的には、密封とは、密封したキャリブレータパッケージ中に何も入れなくて、流れ方向のみが、外に向いていることを意味している。技術的には、それを、種々の方法で確信することが、出来る。チェックバルブが、逆流とアクセスを防いでいる。対照パッケージからの加圧ヘッドが、たとえあったとしても、外部への漏えいを守っている。たとえば、HPLC中で使用されているような、または付与前公告米国特許第20040115829号明細書(WO02/061395A1)中に記載されているような、閉じられた水圧サンプリングは、解放液体面間のピペット採取よりも、より高い精度を与える。この利点は、該対照血清パッケージは、機能的には未開封であり、また現在の作業時間2か月を維持するものであるし、それは、以下に記述されているシステムで伸ばすことができる。多数の凍結されたパッケージは、実際に長期の無人の操作を維持するために、接続と、凍結と解凍の自動化手段を持ったテスト装置内に、設けることができる。液体貯蔵温度は、臨界的であるので、温度安定性は、モニターされ、その経緯は、モニタリング用に集められている。このことが、研究室外で素人により使用される全自動の分析器、「ブラックボックス」(BB)を可能にするであろう。
【0035】
5.設定された較正手段を有するBB−分析器は、典型的には、毎日の最初の最も静かな時間中で行われる全ての較正結果値を中央でモニターするための(インター)ネット接続をも提供可能である。もし、いずれのテスト装置内でのすべてのテストの較正結果値が、妥当な値の外であるとすると、該テスト装置中のテストは、作業シフトが、スタートする前に、中央で止めることができるし、または適当に注意を与えることができる。エラーが、キャリブレータ液体から、試薬からまたは機器のハードウエアから、またはソフトウエアから、来るとすれば、それは、問題ない。テスト装置の大きなプールからのリアルタイムの統計的情報は、データベースを経由して、現場における単一の例外的出来事を自動的に処理するために、良好な統計的道具を与える。
【0036】
6.他の良好な液体対照血清中においては、いくつかの成分は、長い間活性を緩め、またいくつかの他の成分は、結合された状態から、活性な状態に増加される。現場でのテスト装置中での対照血清ロットの作業時間を延ばすために、これらに対して、中央で、注意深くロットをモニターし、またキャリブレータ手段よりも正確に同じ凍結された状態にある他の可能な変化が、現場では、作用する。そのような小さいが系統的な変化は、長い間訂正されずに、悪い較正を導くことになる。制御値の中央モニタリングは、その後、テスト現場および関係するロットにおいて、自動的に更新したキャリブレータ値となる。キャリブレータの作業寿命は、できるだけ、大きく伸ばされる。
【0037】
7.テストのキャリブレータ結果値が、確かめられた方法でありまた現場でのテスト装置が、キャリブレータ値を、妥当な範囲外、「不良」値に与える時には、それは、電気的工程および他の測定工程が内部的に制御されかつOKの報告を受けるため、試薬は、正しく働いていないということを意味している。もしそうでなければ、テスト装置は、現場において自動的に置き換えられる。このように、テスト装置の全ネットワークが、巧くモニターされ、再調整によりネットワークを経由して情報を提供され、またはユーザの関与なしに置換される。
【0038】
図面を参照して、本発明によるテスト装置をより詳細に次に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明に用いることができる折り畳み可能な袋の形状をした液体パッケージを示している。
【図2】図2は、本発明によるテスト装置の1つの実施態様を示している。
【図3】図3は、本発明による他のテスト装置を示している。
【図4】図4は、本発明によるさらに他のテスト装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、血液サンプルなどの患者からの液体サンプルの診断テストを行う臨床化学におけるテストシステムに関するものである。該システムは、制御装置に対して離れている多数のテスト装置との無線通信を行う中央制御装置からなる。該システム中での遠隔端末として働くテスト装置は、中央制御装置の制御および監視の下に実際のテストを行う。
【0041】
図1において、袋形状の折り畳み可能な密封液体パッケージ1が、例として記述されており、該液体は、キャリブレータ液体、対照液体または試薬である。対照液体は、たとえば、血清であり、キャリブレータ液体は、血清の反応性成分である。他の折り畳み可能な充分な密封袋は、市場に存在している。そのような袋は、外側にポリエステル、中間にアルミホイルおよび内側にポリエチレンを持っている2つのサンドイッチホイルからなる。2つのサンドイッチホイルは、内部ポリエチレン層を合わせるライン2に沿って、熱シールされている。熱シール可能な接続チューブ3が、袋1の内容物を、液体処理システムに接続する。圧力ヘッドが、チューブ3に向けられ、また下位に置かれているテスト装置の液体処理システムに向けられるように、パッケージ1の上部は、充填された袋をぶら下げるための開口部4を持っている。チューブ3を経由して対照血清を用いて充填する前に袋を殺菌し、真空にして、また充填後、貯蔵のために密封して閉じて、長期の貯蔵の前に凍結する。
【0042】
図2は、凍結されたキャリブレータ液体および対照液体への密封したアクセスを提供するテスト装置を示している。図示された装置は、液体処理部分のみを含んでいる。エレクトロニクス、検出、結果計算などのテスト装置の残りは、準自動分析器、臨床研究における最も頻繁に見られる分析器と同じであってもよい。この部分の処理液体は、非常に単純である。それは、バルブ6およびバルブ7で閉じることが可能な伸びた経路の形状で、液体投与室5を持っている。その上に、多数の液体パッケージ1を含む凍結された液体貯蔵がある。受器8には少なくとも1つのキャリブレータ液体パッケージと、受器9には、凍結された液体中で少なくとも2か月の作業寿命を持つ少なくとも1つの対照液体と、受器10に同様に包装されたテスト用に必要な他の液体種のみならず、受器10中には、2年まで保存される多数の試薬パッケージとがある。受器9は、血清などの1つの対照液体、凍結器温度になっている袋、および作業袋の時間または能力が、無効になるときには、プログラムが可能でアドレスも可能な解凍できる深い冷凍器温度になっている他の物を保持する配置を含んでいる。液体投与室5へのオンラインアクセスは、通常は、密封して閉じられたバルブ11を経由して行われる。バルブ12は、作動装置に対するアクセスを提供し、作動装置は、バルブ6とバルブ7の間にある室5に純水を用いて、水圧で充填する高精度液体分配器である。空気が存在しないときには、1ナノリットルの非常に高精度の再現性を持って希釈液で、試薬および対照血清を引き取ることができる。テストされる液体サンプル用の入り口導管14は、バルブ11’を経由して投与室5に接続され、他のバルブ11のように働く。試薬と、キャリブレータ液体と対照液体とが、閉じられたテスト装置中で箱詰めされているときには、手動操作もなく、局部操作もなく、たとえば1日1回または遠隔で、プログラムされているように自動で、較正および制御を開始できることは明らかである。高精度を提供しかつそうでなければ分析作業に適した他のバルブシステムも、巧く使用できる。分析の品質を決定する全てのキー液体を、1年に1回かまたは2回積み込む時には、典型的な1年に2回のサービス訪問の接触で専門の分析器サービスに係る技術者が、それを行う。液体精度が、研究室分析器中よりも記述されたテスト装置中で、20倍高い場合には、本発明によるテスト装置の消費およびサイズは、対応して小さくできる。較正および対照手段を持ったテスト装置は、携帯可能でありまた移送可能であり、それにより、1年に1回かまたは2回のサービスが、専門家により中央で行われる。サービスステーションまで出かける分析人が、液体管理を注意しかつ品質のモニタリングが、データベースおよび専門家により遠隔で行われるとき、全IVDの4/5に寄与する研究所のコストが、不必要となる。
【0043】
図3において、本発明は、系統的に示されるテスト装置の関係する部分のみを持った典型的な臨床分析器に用いられる。統合されたまたは個々の反応/測定セル13中で分析が行われ、そこでは、テストサンプルのみならずキャリブレータ液体と対照液体の投与が、混合、培養および測定前に、それぞれ試薬とともに分配される。バルブ7からの出口導管は、測定セル13に、正確に測定されたキャリブレータ液体または対照液体を分配するための分配プローブ15を形成する。キャリブレータ液体または対照液体は、密閉したテスト材料受器8〜10に接続するバル配列11内の適当なバルブによって選択される。正確な投与のために、出口バルブ7は、閉じられ、また図示された注射器または蠕動ポンプのような作動装置16は、たとえば、圧力フィードバック制御下で、室5中の1回分を引き取りまたその後、バルブ配列11中の開口バルブをすぐに閉じる。サンプル入口導管14およびバルブ11’は、バルブ11のいずれかのように、液体投与室5に開かれている。バルブ18は、注射器16を充填するために、希釈用として使用されまた洗浄用に使用される水への接続を提供している。バルブ17は、必要な場合には、空気を取り入れるために空気に向けて解放される。システム液体としての水は、作動装置16の体積変更を伝達するために使用される。システム水および対照/キャリブレータ投与、または導管14からのサンプル投与のあいだに、空気緩衝器が、典型的には配置される。もし液体投与室5が、出口バルブ7まで水圧で充填されるが、空気緩衝器なしでは、境界液体が、層流で互いの内側に“はめ込む”ために、その後かなり大量の水希釈液が、キャリブレータ液体と対照液体またはテストサンプルと共に分配されなければならないときには、投与における最高の精度が、達成される。液体材料受器8〜10は、試薬も含んでもよいが、研究室中でのより典型的な分析器は、テスト体積の大部分を形成しかつ雰囲気に解放されたときでさえも典型的には長い間保存する試薬が、液体投与室5に向けてまたは投与スペースを構成する測定セル13に向けて、より大きな分配器を使用することにより、別々に分配されるということである。その後、より小さな体積に向けてまたより高い精度に向けて、作動装置16を選択できる。投与が、充分に行われると、バルブ7が、開けられ、そして液体投与量が、押し上げられまたは空気緩衝器で押し上げられる。より高い精度に対しては、公知の量の水も、測定セル13に対して投与し、置かれた液体フィルムを空気緩衝器によって、運んでもよい。受器8〜10中に存在する試薬は、いずれもキャリブレータ液体または対照液体と共に、またはテストサンプルと共に投与される。
【0044】
キャリブレータ液体と対照液体パッケージは、空気には解放されていなくて、また解放容器への投与とは反対に、投与操作からフィードバックされる圧力が、適当である閉じられたシステムにおいて、投与が行われるときには、本発明の恩恵が、何が汚染しかつ投与操作フィードバックのないときに、何が“見えないか”を実現する。対照血清などの対照液体を決定する精度は、長期の搭載を保存しかつ対照血清を用いた手動のばらつき付加型研究室作業を、完全に回避する。長期保存対照材料を分配するフィードバック制御された精度に基づいた自動分析は、本発明による多数のテスト装置の制御値の遠隔でのネットワーク化された共動モニタリングを可能とする。対照血清の製造業者が、義務的ラベル付で提供する名目上の短期間の安定な値を信じることもなくまた仮定することもなく、データベース分析は、対照材料のまた試薬の実際のリアルタイム作業値の高精度な情報を提供する。
【0045】
図4は、テスト反応を行うことによりまた反応の最終結果を検出することにより、患者から採取された血液サンプルなどの液状医療試験品の診断テストを行うテスト装置の液体処理部品を示している。このテスト装置も、必要な較正反応および対照反応を行いかつ同様に結果を検出する。該テスト装置は、伸びた管状の投与室5を含んでおり、該室に対して、サンプル入口を形成する針状吸引導管14が、バルブ11’を経由して接続されている。さらに、液体投与室5は、バルブ11を経由して液体貯蔵受器8〜10中の複数の液体パッケージ1と接続されており、そこでは、少なくとも1つのキャリブレータ液体用受器8と、少なくとも1つの対照液体用受器9と、試薬用の受器10がある。テスト装置を用いて行われるテスト反応およびキャリブレータ反応と対照反応中で必要な試薬は、受器10中の試薬袋に蓄えられる。テスト装置には、液体が、反応には必要であるから、パッケージの選択的解凍用の手段のみならず、それらの各受器8〜10中で、キャリブレータ液体と対照液体と試薬パッケージの一部を凍結させたままにするためのクーラー(図示していない)が、設けられている。供給導管14および各液体パッケージに対する接続には、オン/オフバルブ11、11’が、設けられており、またさらに、投与室5が、オン/オフバルブ7、19、20によって定められている。このように、バルブは、投与室5の体積を決定する。テストされるサンプルの希釈およびテストに必要な試薬用に、テスト装置は、水を媒体として使用し、この目的のためには、バルブ22が設けられているパイプ21を超えて、装置が、水道水に接続されている。水は、パイプ21から、作動装置として働く往復ベロー16中に供給され、それは、バルブ20、24が設けられた導管23を越えて、投与室5と連通する。テスト装置は、ベロー16により発生する吸引と排除運動を用いて装置の全部品中への液体移送を制御するように、設計されている。
【0046】
バルブ26が設けられた空気導管25は、投与室5とベロー16とのあいだで、該導管23に接続されている。このことが、テスト装置の一部から他の部分への液体の移送用バッファーとして、空気の使用を可能にしている。さらに、導管23には、装置の異なった部品においてベロー16で生じる液体移動のモニタリングを可能にするセンサーとして働く圧力センサー27が、設けられている。該センサー27は、導管システム中の圧力変化として、バルブ位置に対する出発、到着および液体の停止を検出する。
【0047】
ベロー16の反対側端部に対して、また水および空気入口21、25に対して反対側の端部において、投与室5は、バルブ7中で終わり、そこから、導管28は、培養スペース29およびテスト装置中で測定フィルターボウルから形成されている検出スペース30に続いている。培養スペース29は、導管28からオン/オフバルブ31を用いて分離されており、また投与室5中で形成されまたこれらの中でテストされるサンプルからなっている混合物と、1つ以上の試薬と、媒体として作用する水とを、規制された反応温度での残りの反応に必要な期間に亘り保存できる。関連した液体を、投与室5中で混合するために、導管28は、混合室として働く膨張32を含んでいる。培養スペース29間の配列された接続には、光源34および検出器35が設けられた測定フィルターボウル30の前に来る導管28中のオン/オフバルブ33が、続いている。出口導管36は、テスト装置からテスト用に使用される液体を放出するための測定フィルターボウル30から続いている。
【0048】
投与、較正、対照、テスト反応および結果の検出用に使用されるテスト装置の部品は、テストのあいだに洗浄する必要があり、またこの目的のためには、ブロックには、投与室5に接続されまたバルブ7を用いてこれから離れている洗剤液体入口37が設けられている。この洗剤液体を、測定フィルターボウル30からスタートした出口導管36中に、ブロックから放出できる。
【0049】
テスト装置を用いて行われるテストの初期状況において、液体処理部分は、洗浄されかつ乾燥され、また投与室5を定めるバルブ7、11、19は、閉じられる。ユーザは、サンプル入口として働く針状吸引導管14を、検査するサンプルに接続し、そしてプロセスを開始する。その後、ベロー16は、バルブ11’までずっとサンプルを導管14中に引き込み、そしてバルブ11’を閉じる。
【0050】
次に、ベロー16は、水パイプ21から供給される媒体として働く水を用いて、投与室5の充填を行う。投与室5の後のバルブ7は、開かれ、また水が、開かれたバルブ7に到達するまで、ベロー16は、導管23を経由して、水を投与室5中に推進させる。バルブギャップに入る水は、少しの圧力変化を引き起こし、それが、圧力センサー27によって記録され、その瞬間、オートメーションは、バルブ7を閉じる。充填が、スタートするにしたがって、空気バルブ26、19および洗剤液体入口25、37も、開かれ、その結果、ベロー16によって推進された水は、バルブまでずっとこれらのパイプを充填し、圧力センサー27は、充填の瞬間に、バルブを閉じさせる。これらの操作の結果として、投与室5は、水圧で水を用いて充填される。
【0051】
それ以後のサンプル投与段階において、サンプル入口14のバルブ11’が、開かれ、そしてベロー16は、投与室5水を引き出し、その結果、排気吸引に等しいサンプル量が、入口14から投与室中に吸引される。このサンプル投与段階は、入口14のバルブ11’が、閉じられるとき、終了する。
【0052】
較正に対しては、各バルブ11を開き、ベロー16により、ある量のキャリブレータ液体を液体投与室5まで吸引し、そしてその後バルブを閉じることにより、同様にキャリブレータ液体を、容器8中の液体パッケージから吸引する。対照のためには、バルブ開口工程と、吸引工程とバルブ閉止工程によって、同様にある量の対照液体を、容器9中の液体パッケージから、液体投与室5まで吸引する。そこで、較正および対照反応は、次に詳細に記述するサンプルテストと同様の方法で行われる。
【0053】
次に、テスト中に必要な1つ以上の試薬は、それゆえ、投与室5中に投与される。選択された試薬を含む容器10中でパッケージを閉じるバルブ11は、開かれ、また排気吸引に等しい量の水が、投与室中に引き込まれるように、ベロー16は、投与室5から水を引き込み、その後、バルブ11は閉じられる。もし1つ以上の試薬が、必要な場合には、異なった試薬の投与は、上記した操作により、1つずつ行われる。結果として、投与されたサンプルおよび試薬は、この段階で液体の注目すべき混合を行うことなく、伸ばされた、管状の投与室5中に、引き続いて持ち込まれる。投与が終了すると、ベローに面する投与室5のバルブ20は、閉じられ、またベロー16を用いた吸収により、導管23から水を追い出す。
【0054】
テストの次の段階は、投与される液体の混合とサンプルおよび1つ以上の試薬の相互反応からなる。この目的に対して、投与室5後のバルブ7および選択された培養スペース29に接続されているバルブ31が、開かれ、投与された液体は、ベローを用いて、室5から混合室32中に排出され、またこれと同時に、入口25のバルブ26は、ベローにより生じた液体移送に対するバッファーとして空気を使用するために、開かれる。これらの液体は、ベローによって生じた往復運動を用いて、室32中で混合され、また混合液体の一部は、さらに、測定の初期値の決定のために、ベローを用いて、測定フィルターボウル30へと排出される。該液体の主な部分は、展開するためにテスト反応に必要な期間に亘り、ベローを用いて、培養空間29中に押し出される。反応は、起こるが、パイプ37から供給される洗剤液を用いて、測定フィルターボウル30は、洗浄され、該洗剤は、投与室5および混合室35を経由して、測定フィルターボウル30まで、またさらにパイプ25から供給される空気により出口導管36まで、押し出される。反応後、反応混合物は、培養スペース29から、投与スペースおよび測定フィルターボウルのあいだにある導管28まで引き出され、そして最終測定のために、測定フィルターボウル中に押し出される。測定後、空気によって、反応混合物を、出口導管36中に押し出す。
【0055】
テスト後の反応混合物のテスト装置からの除去は、テスト間の装置の操作に統合されている。洗剤液体をパイプ37から供給し、またそれは、投与室5と混合室32と測定フィルターボウル30とを経由して、パイプ25から出口導管36に導かれる空気を用いたベロー16によって、追い立てられる。空気は、室および導管の中央で流れ、また非常に少量の水は、スペースの壁とフィルムに沿って、空気駆動のフィルムの形状での洗浄用に充分である。サンプル入口14は、バルブ11’を開けることにより洗浄され、その結果、ベローで押し出された空気は、入口14を経由して、液体テスト装置から洗浄液体を追い出す。
【0056】
上記した液体処理操作の全ては、該入口14、21、25、37を除いて、環境から密封されているテスト装置の自動制御の下に行われる。その結果は、自動データ転送として、中央制御装置中の処理に転送できる。
【0057】
上記したテスト装置において、全ての用量は、ベロー16の運動の反復制度により、水圧精度用量であり、該用量は、圧力センサー27により確保される。試薬袋中に含まれる試薬は、濃縮された貯蔵溶液であり、中央制御装置には、試薬の残存量が、連続して報告される。追い出されると、試薬および他の液体袋は、置換空気を必要とすることなく、折りたたまれ、汚染のない保存が、閉じられたブロック中で確保される。自動化により、ベロー16によって生じた真空は、バルブ11が開いているあいだは、連続していきわたり、その結果、液体は、袋から用量スペース中に流れるのみであり、決して反対方向には流れないことが、連続して確保できる。
【0058】
上記した複数のテスト装置を含むシステムは、ネットワークを構成し、そこでは、個々のテスト装置が、中央制御装置を経由して接続されている。各テスト装置は、容器中に、同じキャリブレータ液体と対照液体および同じ試薬を貯蔵している。現場での多数のテスト装置としては、種々の液体および試薬を大きなバッチで、削減された製造コストで得られる恩恵がある。さらに、液体および試薬は、同じであり、種々の装置からの結果は、比較することができ、また制御装置は、テスト装置から受け取るにしたがって、較正および対照反応の結果に対して平均値を計算する。このように、テスト装置からの結果におけるエラーまたは異常は、瞬時に認識できて、エラーの源を検出するための対照反応の反復として、または欠陥のあるテスト装置を、操作から締め出して、必要な対策をとることができる。
【0059】
一般に、較正反応は、特に、種々の液体の新しいバッチが、使用に取り込まれたときのみ、テスト装置中で行われる必要がある。その代わり、対照反応は、頻繁な間隔で、または患者のサンプルを用いたテストをスタートする前に、有利には毎朝またはたとえば8時間毎に、要求される。各回毎に、対照反応の結果は、システム中の全テスト装置の平均と比較され、装置を順番にし、テスト用に使用可能であることを確認する。
【0060】
個々のテスト装置中にエラーが、検出された場合、または疑われる場合には、較正反応および対照反応は、装置中で行われる。もし2つの反応の結果が、同一であるとすれば、試薬が、腐敗していることが明らかであり、一方、もしその結果が、異なる場合には、対照液体が腐敗していることを意味している。全てのこれらの反応は、制御装置の監視の下に、自動的にテスト装置中で行われ、また手動で行われる訂正対策のみが、欠陥のある液体パッケージを置き換えることである。
【0061】
本発明の実施態様は、以上詳細に記述した実施例に限定されることなく、次の請求項の範囲内で変化することは、当業者には、明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体投与室からなるテスト装置中の液体サンプルをテストする方法であって、
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された少なくとも1つの閉じられたキャリブレータ液体パッケージの提供と、
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された少なくとも1つの密閉された参照液体パッケージであって、参照液体は、キャリブレータ液体とは異なるものであるパッケージの提供と、
少なくとも1つの液体試薬用の開口可能なバルブを持った少なくとも1つの入口の提供と、
テストされる液体サンプル用の開口可能なバルブを持った入口の提供と、
キャリブレータ液体、対照液体、液体サンプルそれぞれと、少なくとも1つの液体試薬のあいだの対照反応およびテスト反応の調整を、別の段階で行い、
各段階は、各バルブの開口と、各反応を起こすために、投与室に対して所定の反応液体の所定量を吸引することからなり、
反応のあいだに投与室を洗浄し、
対照反応およびテスト反応の調整結果を登録し、かつ該結果の比較によって、液体サンプルに対するテスト結果を取得することを特徴とするテスト方法。
【請求項2】
開口可能なバルブを持った入口を経由して投与室に接続された少なくとも1つの閉じられた液体試薬パッケージが、設けられることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
吸引操作の前の各段階において、投与室が、希釈液体で充填されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
該吸引操作は、液体投与室から対応する量の希釈液体を、吸引することにより行われることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
希釈液体を用いた液体投与室の充填と液体投与室からの希釈液体の吸引は、共通の入口/出口接続を経由して行われることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
該充填および吸引操作は、入口/出口接続上で行う作動装置を用いて行われることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
該充填および吸引操作は、該作動装置は、ベロー、ポンプまたは注射器であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
開口可能なバルブを経由して投与室に接続された反応室があり、該バルブが開かれ、そして投与室に吸引された反応液体は、反応室にそれぞれ移送されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
液体が、そこから吸引されるにしたがって、該キャリブレータ液体パッケージは、容積の減少とともにシールされる折り畳み袋であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
該対照液体パッケージは、液体が、そこから吸引されるにしたがって、容積の減少とともに密封される折り畳み袋であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの試薬パッケージは、液体が、そこから吸引されるにしたがって、容積の減少とともにシールされる折り畳み袋であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
該対照液体は、凍結状態で保存され、また投与室に、投与室に吸引される前に解凍されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
該キャリブレータ液体は、凍結状態で保存されまた投与室に、投与室に吸引される前に解凍されることを特徴とする1〜12請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
該対照液体は、血清であり、またテストされる液体サンプルは、血液ベースであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
該テスト装置中に保存されたキャリブレータ液体および/または対照液体の状態を見積もるために、キャリブレータ液体および/または対照液体参照サンプルが、テスト装置中に広がっているものに対応した状態で保存され、またときどき分析されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
新しいキャリブレータ液体または対照液体または試薬パッケージが、テスト装置中に設けられるにしたがって、該較正反応が、行われることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
該対照反応は、通常の間隔で、好ましくは少なくとも毎日行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
液体サンプルテスト用テスト装置であって、
液体投与室と、
開口可能なバルブを経由して液体投与室に接続されている少なくとも1つの閉じられたキャリブレータ液体と、
開口可能なバルブを経由して液体投与室に接続されている少なくとも1つの密閉された対照液体パッケージと、
少なくとも1つの液体試薬用の少なくとも1つの開口可能な入口と、
テストされる液体サンプル用開口可能な入口と、
それぞれ較正反応、対照反応およびテスト反応を行うために、異なる段階で液体投与室に対して、該キャリブレータ液体、該対照液体、該液体サンプルおよび/または少なくとも1つの液体試薬の量を吸引するための作動装置と、
テスト結果を得るために、反応結果を登録しかつ比較する手段とからなることを特徴とするテスト装置。
【請求項19】
少なくとも1つの液体試薬を、キャリブレータ液体と、対照液体と、液体サンプルとそれぞれ液体投与室中で組み合わせるために、開口可能なバルブを持った入口を経由して液体投与室に接続されている少なくとも1つの閉じられた液体試薬パッケージを含んでいることを特徴とする請求項18記載のテスト装置。
【請求項20】
希釈液を用いて液体投与室を充填させるために、開閉可能な入口をさらに含んでいることを特徴とする請求項18または19記載のテスト装置。
【請求項21】
液体投与室から希釈液体を吸引するために、開閉可能な出口をさらに含むことを特徴とする請求項20記載のテスト装置。
【請求項22】
希釈液体を用いて液体投与室を充填するための、また液体投与室から希釈液体を吸引するための共通入口/出口接続があることを特徴とする請求項21記載のテスト装置。
【請求項23】
該作動装置は、該充填操作および吸引操作するための入口/出口接続上で作動することを特徴とする請求項22記載のテスト装置。
【請求項24】
該作動装置は、ベロー、ポンプまたは注射器であることを特徴とする請求項23記載のテスト装置。
【請求項25】
開口可能なバルブを経由して投与室に接続される反応室があることを特徴とする請求項18〜24のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項26】
該対照液体パッケージは、液体が、そこから吸引されるにしたがって、容積の減少とともに密閉される折り畳み袋であることを特徴とする請求項18〜25のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項27】
該キャリブレータ液体パッケージおよび液体試薬パッケージは、液体が、そこから吸引されるにしたがって、容積の減少とともにシールされる折り畳み袋であることを特徴とする請求項18〜26のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項28】
キャリブレータ液体および対照液体を凍結状態に保存するための冷蔵庫と、液体投与室に吸引される前に選択されたキャリブレータ液体または対照液体を解凍するための加熱手段が、あることを特徴とする請求項18〜27のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項29】
該キャリブレータ液体が、溶媒中に溶解される血清の純粋な成分であることを特徴とする請求項18〜28のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項30】
該対照液体が、血清であることを特徴とする請求項18〜29のいずれかに記載のテスト装置。
【請求項31】
各テスト装置は、同じテスト反応を行うために設けられ;該テスト装置類が、異なったところで置かれており、またデータ転送通信を経由して、該通信を経由して転送されるデータにより、システム中のテスト装置をモニターする共通の制御装置に、それぞれ接続され;該対照液体との反応は、所定の時間間隔で、各テスト装置中で行われ、テスト装置に対する個々の対照値を取得し、全テスト装置の該対照値の平均が、求められ、個々の対照値が、該平均と比較され、また平均からの許容された偏差内にある参照値を持ったテスト装置のみが、テスト予定のサンプルとの反応を行うことを許諾されることを特徴とする請求項18〜30のいずれかに記載の複数の液体サンプルテスト用テスト装置を含むシステム。
【請求項32】
平均からの許容された偏差外の対照値を持ったテスト装置中においては、ランダムエラーを排除するために、対照液体との反応が、制御装置の求めに応じて、一度以上反復されることを特徴とする請求項31記載のシステム。
【請求項33】
毎日のテスト結果を受け入れるために、対照液体との反応が、少なくとも毎日行われることを特徴とする請求項31または32記載のシステム。
【請求項34】
請求項18〜30のいずれかに記載の液体サンプルテスト用テスト装置を複数含むシステムであって、
各テスト装置は、同じテスト反応を行うために設けられ;該テスト装置類が、異なったところで置かれておりまたデータ転送通信を経由して、該通信を経由して転送されるデータにより、システム中のテスト装置をモニターする共通の制御装置に、それぞれ接続され;該テストシステムの性能が、テスト装置中に蓄えられたキャリブレータ液体に対する、対照液体に対する、また試薬に対する時間効果を見積もりまた調整するために、テスト装置中に行き渡っているものに対応した状態で保存されている対照液体およびキャリブレータ液体参照サンプルの正確な解析により、ときどき独立に評価されることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−501842(P2010−501842A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525083(P2009−525083)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/FI2006/000282
【国際公開番号】WO2007/023205
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(509052148)
【Fターム(参考)】