説明

液体サンプルを入力するためのサンプル入力デバイス(凝塊キャッチャー)

本発明は、液体サンプルをサンプル容器から分析器デバイスへと移送するための接続要素に関する。分析器デバイスは、サンプルの液体部分のみが分析器装置内に導かれるのを確実にする粒子フィルタを備え、また、サンプル容器と周囲環境の間の圧力を保証する換気デバイスも備える。粒子フィルタと換気デバイスは互いに接続することができる別個の部品である(ルアーロック)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体サンプル、特に血液サンプルを、サンプル容器、特に注射器から、サンプルの組成を検査する分析デバイスへと移送するためのサンプル入力デバイスに関する。特に、本発明は、医療用サンプル、好ましくは全血、血清、及び血漿を、異なるサンプル容器から血液を分析する分析デバイスへと移送するためのサンプル入力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
分析デバイスとして、例えば、POC(ポイントオブケア)パラメータを、例えば血液ガス(O2、CO2、pH)、電解質(例えば、K+、Na+、Ca++、Cl-)、代謝物(例えば、グルコース及び乳酸)、ヘマトクリット、ヘモグロビンパラメータ(例えば、tHb、SO2など)及びビリルビンを判定するとともに、全血サンプル中の上述のパラメータを分散的且つ迅速に判定するのに主に使用される、携帯型の分析器がある。この分析器の例として、Roche Diagnostics製のcobas(登録商標) b 123及びcobas(登録商標) b 221システムが挙げられる。また、獣医学における類似の使用、並びに血清、血漿、尿、及び透析物サンプルの使用も知られている。
【0003】
場合によっては、この分析器は、一つのタイプのサンプル容器用にのみ特別に作られているので、デバイス側の入力機構は、例えば注射器又は細管を用いたサンプル入力しかできない。
【0004】
特に血液サンプル用の、サンプル収集部位から分析器及びそのデバイス側のサンプル入力機構へとサンプルを搬送するのに使用される共通のサンプル容器は、次のとおりである。
【0005】
(注射器)
市場で入手可能な注射器、特に血液ガス分析専用の注射器は、プラスチック又はガラスで作られていてもよく、その充填容量(約1ml〜20ml)及び使用される抗凝固剤が異なる。血液サンプルを採取するために針が接続される注射器の円錐部は、ルアー規格(DIN-EN20594-1; EN1707; EN20594-1)によって標準化される。それに加えて、ルアーテーパーの最小内径は、使い捨て用無菌皮下注射器の規格(EN ISO 7886-1)で規定される。充填容量が大きいため、一つの注射器で複数回の測定が可能な場合が多い。
【0006】
(細管)
市場で入手可能な細管、特に血液ガス分析用のものは、プラスチック又はガラスで作られていてもよく、やはりその充填容量及び使用される抗凝固剤が異なる。しかし、充填容量は注射器の場合よりも大幅に少なく(約50μL〜250μL)、したがって通常はサンプル容器当たり一回の分析しかできない。更に、使用してもよい細管の外径は、充填容量及び使用される分析器に応じて変わる。
【0007】
従来の分析デバイスでは、デバイス側のサンプル入力は次の二つの主群に分割されてもよい。
【0008】
(充填口(filling mouth))
充填口は、通常、軟質プラスチック材料で作られ、使用される分析器に応じて、細管及び/又は注射器が接続されてもよい。使用される分析器及び操作モードに応じて、異なる入力方法が可能である。
【0009】
(吸引)
細管から可能である(例えば、Roche Diagnostics製のcobas(登録商標) b 123を使用)。細管は充填口に取り付けられる。次に、サンプルは自動的に分析器によって吸引される。
【0010】
(注入)
注射器を用いて可能である(例えば、Roche Diagnostics製のcobas(登録商標) b 221を使用)。注射器は充填口に押し付けられる。次に、サンプルはユーザによって能動的に注入される。
【0011】
(吸引針)
cobas(登録商標) b 221及びcobas(登録商標) b 123などの一部の血液ガス分析器は、単独で又は充填口と組み合わせて、格納式の針(鋼管)を装備している。管は、サンプル容器の、例えば注射器の開口部に挿入される。使用される分析器に応じて、管の挿入は手動で実施されるか、或いは分析器によって自動的に実施される。次に、分析器は管を介してサンプルを吸引する。
【0012】
次の表は、選択された血液ガス分析器を用いたサンプル入力例の概要を示す。表中、「Yes」は、提示したサンプル入力タイプがそれぞれの分析器によって可能であることを意味する。
【表1】

【0013】
凝血及び組織粒子が分析器に入り込むのを防ぐため、文献では「凝塊キャッチャー」と呼ばれる凝血トラップ(coagulate traps)が最新技術において知られている。凝塊キャッチャーは、統合された保持要素、例えば統合された機械的グリッドを用いて、デバイス内の閉塞、又は凝血による測定結果の誤りを防ぐ。或いは、適切なフィルタ又はふるい構造並びに当業者には知られている他の保持要素が、保持デバイスとして使用されてもよい。
【0014】
この凝塊キャッチャーは、例えば、充填口を装備しているとともに、サンプル容器として細管を使用する吸引モードで操作される分析器に使用されてもよく、その場合、凝塊キャッチャーは細管と充填口との間に位置する。
【0015】
他の実施形態では、凝塊キャッチャーは、例えば、充填口を装備しているとともに、サンプル容器として注射器を使用する注入モードで操作される分析器に使用されてもよく、その場合、凝塊キャッチャーは注射器と充填口との間に位置する。
【0016】
吸引針によって作動するサンプル入力デバイスを装備した分析器では、通常、凝塊キャッチャーは使用されない。
【0017】
Roche Diagnosticsから入手可能な凝塊キャッチャーは、細管及びRoche Microsamplers(登録商標)を用いた全ての測定に無制限に適している。しかし、注射器と組み合わせた場合、凝塊キャッチャーは、ユーザが能動的にサンプルを注入することができるデバイス及び操作モードにのみ適している。この凝塊キャッチャーは熱可塑性エラストマー(TPE)で作られる。
【0018】
この既知の凝塊キャッチャーを使用する際、血液で充填されたサンプル容器(例えば、細管、Roche Microsampler(登録商標)、又は注射器)にきつく嵌合され、次いで、それぞれの取扱説明書に従って分析が実施される。
【0019】
最新技術によって知られている全ての凝塊キャッチャーの不利な点は、分析器を用いる際、その設計又は操作モードのために特定のポイントまでしかサンプルの吸引ができず、サンプル容器として注射器を使用できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明の目的は、注射器をサンプル容器として、やはり分析器内にある凝塊キャッチャーと組み合わせて使用できるようにすることであり、能動的注入は行わずにデバイスによるサンプルの吸引のみが可能であるか、又は吸引モードで使用される。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、この問題を解決するため、液体サンプル、特に血液サンプルを、サンプル容器、特に注射器から、それぞれのサンプルの組成を検査する分析器へと移送するためのサンプル入力デバイスが開発されており、サンプル入力デバイスは、サンプルの粒子成分がサンプル容器を通りすぎて分析器に入るのを少なくとも部分的に防ぐ、少なくとも一つの保持要素を有し、サンプル入力デバイスは、特に分析器を介してサンプルを吸引するときに、サンプルをサンプル容器から分析器へと移送するのと同時にサンプル容器を換気できるようにする、少なくとも一つの換気デバイスを更に含む。
【0022】
一つの可能な本発明の実施形態では、最新技術によって知られている凝塊キャッチャー、例えばRoche Diagnostics製の凝塊キャッチャーを、サンプル容器を換気する換気デバイスと組み合わせることによって、機能的サンプル入力デバイスの形態の分析器接続デバイスが提供される。
【0023】
既知の換気デバイスは、例えば、分析器がサンプルを吸引するのと同時に空気交換できるようにする、換気アダプタ又は取付け可能な部品である。この換気アダプタは、例えば、OPTI CCAシステム用のセンサカセットと併せてOPTIMedicalによって販売されている。ここで、換気アダプタはサンプル材料で充填された注射器に取り付けられる。
【0024】
続いて、換気アダプタの前部が、分析器デバイスの充填口に取り付けられ、デバイスによってサンプルが吸引される。サンプルが分析器に吸引されるのと同時に、注射器から吸引されたサンプル材料が、換気アダプタを介して注射器に入る空気によって交換される。
【0025】
本発明のサンプル入力デバイスに関して、機械的保持デバイスとして、特にグリッド、フィルタ、又はふるいとして、少なくとも一つの保持デバイスが提供されることが有用である。
【0026】
本発明の枠組みの中で、サンプル入力デバイスの同じ区画に、又は離隔した異なる区画に複数の保持要素を提供することも可能である。
【0027】
特に有利には、本発明のサンプル入力デバイスの換気デバイスは換気チャネルとして提供される。
【0028】
本発明はまた、複数の換気デバイスを備えたサンプル入力デバイスを備える。それに加えて、当業者であれば、本発明の実施形態に従って同様に使用することができる、代替の換気又は通気デバイスを理解している。更なる可能な換気デバイスの例は、空気を入れることができる、ガス透過性であるが液体不透過性の膜又はフィルタ又は適切な脱気バルブである。
【0029】
一つの可能な実施形態では、保持要素として使用される共通の凝塊キャッチャーは、注射器と凝塊キャッチャーとの間に配置されるとともに、吸引中の注射器の換気を可能にする換気アダプタと接続される。二つの構成要素は、きつく又は緩く連結されてもよく、したがって、サンプル入力デバイスの対応する本発明の機能的単位体を形成する。
【0030】
特に有用なのは、サンプル容器、例えば注射器に挿入可能な吸引チューブを備える本発明のサンプル入力デバイスである。
【0031】
本発明の更なる代替実施形態では、少なくとも一つの保持要素が吸引チューブ内に設けられる。
【0032】
この好ましい実施形態では、したがって、少なくとも一つの保持要素並びに少なくとも一つの換気デバイスを備える、一体成形としての完全なサンプル入力デバイスを提供することも可能である。かかる一体成形のサンプル入力デバイスの一つの利点は、複数の個別部品を在庫しておき、それらを組み立てる必要がないことである。
【0033】
同様に、個々の構成要素から成るサンプル入力デバイスにより、少なくとも一つの保持要素を吸引チューブ内に、並びに更なる保持要素を分析器接続部、凝塊キャッチャー内に統合することも可能になる。
【0034】
例示の換気アダプタは、一方で、サンプルを注射器から吸引する間の注射器の換気をもたらし、他方で、本発明の有利な更なる発展例では、更なる機能を別個に又は組み合わせて可能にする。
【0035】
本発明の好ましい変形例では、サンプル入力デバイスの保持要素及び換気デバイスは、特にルアーテーパー接続を用いて個々の構成要素を接続することによって、緊密に組み立てられて機能的単位体を提供する、個々の構成要素の形で実現される。
【0036】
ここで、換気アダプタの前部は、凝塊キャッチャーを換気アダプタに直接適合できるようにするため、ルアー規格に従って形成される。したがって、分析器接続部(凝塊キャッチャー)及びサンプル容器接続部(換気アダプタ)という個々の構成要素間で、解放可能な接続が達成される。分析器接続部、即ち例えば保持要素を備える構成要素は、単にそれを換気アダプタのルアーテーパーに取り付けることによって、サンプル容器接続部に固着される。
【0037】
或いは、分析器接続部(凝塊キャッチャー)及びサンプル容器接続部(換気アダプタ)という二つの個々の構成要素が、例えば二つのスナップフックによって固着されてもよい実施形態が可能である。このようにして、二つの個々の構成要素は解放不能に接続される。
【0038】
個々の構成要素が分析器のサンプル入口に接続可能な分析器接続部を備え、保持要素が分析器接続部に配置される、本発明のサンプル入力デバイスが有用である。
【0039】
サンプル容器のサンプル出口に接続可能なサンプル容器接続部が設けられ、換気デバイスがサンプル容器接続デバイスに配置される、個々の構成要素を備えるサンプル入力デバイスが有利である。
【0040】
触覚性を改善し、ルアーロック注射器とともに使用できるようにするため、有利な一実施形態では、サンプル入力デバイスは、例えばサンプル容器接続部に、追加の円周リングを備える。
【0041】
分析器接続部は、好ましくは、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン材料で作られる。
【0042】
例えば、メタクリル酸メチル-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(MABS)、コポリエステル、又はポリエチレンテレフタレートが、サンプル容器接続部を製造するのに特に有用な材料であることが示されている。スチレン-アクリロニトリル(SAN)も、その剛性により、サンプル容器接続部を製造するのに特に適している。
【0043】
本発明の更なる発展例では、サンプル入力デバイスは、サンプル容器との解放可能な接続を形成するサンプル容器取付けデバイス、特にルアーテーパー接続を備える。
【0044】
サンプル容器取付けデバイス内に換気スリット又は換気チャネルとして設けられる換気デバイスが特に有用である。
【0045】
本発明の更なる発展例では、液体サンプル、特に血液サンプルを、サンプル容器、特に注射器から、サンプルの組成を検査する分析器へと移送する方法であって、本発明のサンプル入力デバイスを提供するステップと、サンプル入力デバイスをサンプル容器のサンプル出口に接続するステップと、サンプル入力デバイスを分析器のサンプル入口に接続するステップと、分析器内に作られるサブ圧力(subpressure)によって液体サンプルをサンプル容器から分析器内へと吸引するステップとを実施する方法が提供される。
【0046】
本発明の更なる詳細、特徴、及び利点は、図面に概略的に示される例示的実施形態の以下の説明による。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】サンプル容器が取り付けられ、分析器のサンプル入口に取り付けられた、多要素サンプル入力デバイスの本発明の第一の実施形態を示す縦断面斜視図である。
【図2】サンプル容器接続部の詳細を示す側面斜視図である。
【図3】分析器接続部が取り付けられた、図2に示されるサンプル容器接続部の正面斜視図である。
【図4】本発明のサンプル入力デバイスを分析器の充填口とともに示す大幅に簡略化した分解組立図である。
【図5】サンプル容器接続部の更なる実施形態を詳細に示す側面斜視図である。
【図6】一体成形のサンプル入力デバイスの更なる本発明の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、多要素サンプル入力デバイス1の第一の実施形態を示す。サンプル入力デバイス1は、サンプル容器2、例えばサンプル材料で充填された注射器、及び分析器3に接続するポートを備える。図示されるサンプル入力デバイス1は、複数の構成要素から成り、内部に保持要素5を有する分析器接続部4を備える。分析器接続部4は分析器3への取付け領域4.1を更に備える。
【0049】
ここで、保持要素5は、例えば、サンプルの粒子成分がサンプル容器2を通りすぎて分析器3内に入るのを少なくとも部分的に防ぐ、機械的グリッドである。
【0050】
サンプル容器2に収容された分析すべき液体サンプルが、例えば血液サンプルである場合、保持要素5は、凝血を抑え、したがって、分析器デバイス3における閉塞又は誤った測定結果を防ぐ。
【0051】
更に、サンプル入力デバイス1は換気デバイス6を備える。この目的のため、例えば、サンプルを分析器3に入力する間、サンプル容器2を換気する複数の換気チャネル7.1が、例えば嵌合することによってサンプル容器2を接続可能な、サンプル容器接続デバイス7内に設けられる。サンプル材料がサンプル容器2の内部から矢印8の方向でサンプル入力デバイス1を通して分析器3のサンプル入口3.1へと運ばれるのと同時に、空気が矢印9の方向で換気デバイス6を通して、即ち設けられた換気チャネル7.1を通してサンプルデバイス2の内部に入る。
【0052】
サンプル容器接続部7は、接続されたサンプル容器2、例えば注射器の内部へと突出する吸引チューブ7.2を有する。更に、サンプル容器接続部7は、この場合、ルアーテーパー7.4として設けられ、サンプル出口開口部2.1の領域に補完的なルアーテーパー7.4を備えたサンプル容器2とともに解放可能なルアーテーパー接続を形成する、サンプル容器取付けデバイス7.3を備える。
【0053】
サンプル入力デバイス1、分析器接続部4、及びサンプル容器接続部7の個々の構成要素は、スナップフック接続7.5によって相互に解放不能に接続される。
【0054】
図2は、サンプル容器接続部7の詳細を示す側面斜視図である。前景において、図示されないサンプル容器、例えば注射器が取り付けられる又は嵌合される側は、サンプル容器取付けデバイス7.3の領域に換気スリットとして設けられる二つの換気チャネル7.1を有する。中空の吸引チューブ7.2は、サンプルを搬送するのに役立ち、サンプル容器の液体サンプル内へと突出する。図2の奥側において、サンプル容器接続部は、吸引チューブ7.2の反対側では、図2には図示されない分析器接続部、例えば凝塊キャッチャーを解放可能に取り付けるルアーテーパー7.4である。スナップフック7.5は、サンプル容器接続部7及び分析器接続部を解放不能に接続するのに役立つ。
【0055】
図3は、分析器接続部4が取り付けられた、図2に示されるサンプル容器接続部7の正面斜視図である。分析器接続部4は、分析器3(この図には図示なし)に対する取付け領域4.1を更に備える。この場合、保持要素5(この図には明示されないが、分析器接続部4内における空間位置が矢印によって示される)は、例えば、サンプルの粒子成分がサンプル容器2を通りすぎて分析器内に入るのを少なくとも部分的に防ぐ、機械的グリッドである。ルアー接続によるサンプル容器接続部7と分析器接続部4との間の接続に加えて、スナップロック7.5による取付けが使用される。
【0056】
図4は、本発明のサンプル入力デバイス1を、図示されない分析器のサンプル入口を構成するいわゆる充填口3.1とともに示す大幅に簡略化した分解組立図である。
【0057】
この場合、サンプル入力デバイス1の分析器接続部4及びサンプル容器接続部7は接続位置で示されている。分析器接続部4は複数の保持要素5を備え、サンプル容器接続デバイス7は換気デバイス6を備える。前景に示される分析器接続部4の自由端は分析器に対する取付け領域4.1を有する。サンプル容器が接続されてもよい、図面の背景に示されるサンプル入力デバイス1の反対側の自由端は、吸引チューブ7.2、並びにサンプル容器との解放可能な接続のためのルアーテーパー7.4を備える。
【0058】
図5は、サンプル容器接続部7.Aの更なる実施形態を詳細に示す側面斜視図である。ここで、触覚性を改善し、ルアーロック注射器とともに使用できるようにするための、追加の円周リング7.6が設けられる。
【0059】
図6は、一体成形のサンプル入力デバイス1.Aの更なる本発明の実施形態を示す斜視図である。ここで、サンプル容器接続部7.Bは、その自由端に、保持要素5を内部に備える吸引チューブ7.2を有する。したがって、換気に加えて、サンプル容器接続部7.Bは凝塊キャッチャーとしても機能する。したがって、吸引チューブ7.2と反対側にある一体成形のサンプル入力デバイス1.Aの自由端は、その分析器接続部4.1で図示されない分析器に直接取り付けられてもよい。別個の分析器接続部、例えば既知の凝塊キャッチャーは、この場合不要である。
【0060】
当然ながら、本発明の枠組みの中でサンプル入力デバイス1.Aを分析器接続部と組み合わせ、その結果、複数の保持要素が離隔したサンプル入力デバイスを提供することも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 サンプル入力デバイス、又は変形例1.A
2 サンプル容器(注射器)
2.1 サンプル出口
3 分析器
3.1 サンプル入口
4 分析器接続部(凝塊キャッチャー)
4.1 分析器に対する取付け領域
5 保持要素
6 換気デバイス
7 サンプル容器接続部(換気アダプタ)、又は変形例7.A、7.B
7.1 換気チャネル
7.2 吸引チューブ
7.3 サンプル容器取付けデバイス
7.4 ルアーテーパー接続
7.5 スナップフック
7.6 円周リング
8 サンプル経路(矢印の方向)
9 空気経路(矢印の方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプル、特に血液サンプルを、サンプル容器(2)、特に注射器から、前記サンプルの組成を検査する分析器デバイス(3)へと移送するためのサンプル入力デバイス(1; 1.A)であって、
前記サンプル入力デバイス(1; 1.A)が、前記サンプルの粒子成分が前記サンプル容器(2)を通りすぎて前記分析器(3)に入るのを少なくとも部分的に防ぐ、少なくとも一つの保持要素(5)を有し、
前記サンプル入力デバイス(1; 1.A)が、特に前記分析器(3)を介して前記サンプルを吸引するときに、前記サンプルを前記サンプル容器(2)から前記分析器(3)へと移送するのと同時に前記サンプル容器(2)を換気できるようにする、少なくとも一つの換気デバイス(6)を更に含んでいる、サンプル入力デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも一つの保持要素(5)が、機械的保持デバイスとして、特にグリッド、フィルタ、又はふるいとして提供されている、請求項1に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも一つの換気デバイス(6)が換気チャネル(7.1)として提供されている、請求項1又は2に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項4】
前記サンプル容器(2)に挿入可能な吸引チューブ(7.2)によって特徴付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも一つの保持要素(5)が前記吸引チューブ(7.2)内に設けられている、請求項4に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項6】
前記保持要素(5)及び前記換気デバイス(6)が、ルアーテーパー接続(7.4)を用いて個々の構成要素(4; 7)を接続することによって、緊密に組み立てられて機能的単位体を提供する、前記個々の構成要素(4; 7)の形で実現されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項7】
前記個々の構成要素(4; 7)が、特にスナップフック接続(7.5)によって相互に解放不能に接続されている、請求項6に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項8】
前記個々の構成要素(4; 7)が、前記分析器(3)のサンプル入口(3.1)に接続可能な分析器接続部(4)を備え、前記保持要素(5)が前記分析器接続部(4)内に配置されている、請求項6又は7に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項9】
前記個々の構成要素(4; 7)が、前記サンプル容器(2)のサンプル出口(2.1)に接続可能なサンプル容器接続部(7)を備え、前記換気デバイス(6)が前記サンプル容器接続部(7)内に設けられている、請求項6から8のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項10】
前記サンプル容器接続部(7)が、メタクリル酸メチル-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(MABS)、コポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、好ましくはスチレン-アクリロニトリル(SAN)から選択された材料で作られている、請求項6から9のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項11】
前記分析器接続部(4)がスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン材料で作られている、請求項6から10のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項12】
前記サンプル容器(2)との解放可能な接続を提供するサンプル容器取付けデバイス(7.3)、特にルアーテーパー接続(7.4)によって特徴付けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項13】
前記換気デバイス(6)が前記サンプル容器取付けデバイス(7.3)の換気スリット(7.1)として設けられている、請求項12に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項14】
少なくとも一つの円周リング(7.6)によって特徴付けられる、請求項1から13のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイス。
【請求項15】
液体サンプル、特に血液サンプルを、サンプル容器(2)、特に注射器から、前記サンプルの組成を検査する分析器(3)へと移送する方法であって、
請求項1から14のいずれか一項に記載のサンプル入力デバイスを提供するステップと、
前記サンプル入力デバイス(1; 1.A)を前記サンプル容器(2)のサンプル出口(2.1)に接続するステップと、
前記サンプル入力デバイス(1; 1.A)を前記分析器(3)のサンプル入口(3.1)に接続するステップと、
前記分析器内に作られるサブ圧力によって前記液体サンプルを前記サンプル容器(2)から前記分析器(3)内へと吸引するステップとによって特徴付けられる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−505435(P2013−505435A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529262(P2012−529262)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063578
【国際公開番号】WO2011/033000
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】