液体ディスペンサ用のノズルアセンブリ
液体ディスペンサ用のノズルアセンブリは、液体供給導管を規定するアウトレット部材と出口穴を含むノズルを含み、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置される。前記ノズルと前記アウトレット部材とによって液体圧縮路が規定され、前記液体圧縮路は液体を前記液体供給導管から前記出口穴に供給する液体圧縮室を含む。前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、第一平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出する第二の噴霧位置との間で調節可能である。前記第一の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第一の容積を有し、前記第二の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第二の容積を有する。好ましくは、前記液体噴霧は渦チャンバーなしに形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的には液体ディスペンサ用のノズルアセンブリ、より詳細には異なる液体アウトプットパターンを生成可能なノズルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
液体ディスペンサは様々な一般的形態、例えば、引き金噴霧器、フィンガータイプのポンプ、エアロゾルディスペンサ等の形態をとることができる。さらにノズルアセンブリは、このような液体噴霧器に、異なる液体アウトプットパターン、例えば、ストリーム、発散状あるいは円錐状の噴霧パターン、空気を含む泡、等のアウトプットパターンを射出(プロジェクト)するために接続することができる。このようなノズルアセンブリの設計は、一般には散布される液体の意図される用途および/または特性に依存する。
【0003】
例えば、もしその液体を空中に漂わせることを意図する場合は、発散状の噴霧を射出するためのノズルアセンブリを用いても良いが、もしその液体が表面、例えば、カーペット、木、ペイントされた表面等に塗布することを意図する場合は、ストリームあるいは泡を噴射するためのノズルアセンブリを用いても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発散状の噴霧を噴射するために設計されているノズルアセンブリは、典型的には、出口穴のすぐ上流にある渦チャンバーを含む。典型的な渦チャンバーにおいては、液体を、出口穴から出る前に、一つあるいは複数の概ね接線方向の経路を通って渦チャンバーに入るように制限することによって、渦が渦チャンバー内において生成される。このような接線方向の経路は出口穴への直接の放射状の流路を実質的に遮断する妨害物を含む。対照的に、もしストリームパターンが要求される場合は、液体は実質的に直接の放射状の流路を通って出口穴へと流れることを許容される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によると、液体ディスペンサ用のノズルアセンブリは、液体供給導管を規定するアウトレット部材と内部を貫通する出口穴を含むノズルを含み、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置される。液体圧縮路は、前記ノズルと前記アウトレット部材とによって規定され、前記液体圧縮路は液体を前記液体供給導管から前記出口穴に供給する液体圧縮室を含む。前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出する第二の噴霧位置との間で調節可能である。前記第一の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第一の容積を有し、前記第二の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は前記第一の容積より大きな第二の容積を有する。前記液体噴霧は前記出口穴のすぐ上流の渦チャンバーなしに形成される。
【0006】
もう一つの実施形態によると、液体を第一の平均液滴直径サイズを有する第一の液体噴霧アウトプットとして空中に、最小の液滴降下で散布するため、および液体を第二の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットとして表面に塗布するために単一の調節可能なノズルアセンブリを使用する方法は、単一の調節可能なノズルアセンブリを提供するステップを含む。前記ノズルアセンブリは第一の不連続の液体圧縮路と第二の不連続の液体圧縮路を規定し、前記第一と前記第二の液体圧縮路の間の連続的に可変な調節は与えない。この方法はさらに、前記第一の液体圧縮路を形成するために前記ノズルアセンブリを調節するステップと、前記第一の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、前記ノズルアセンブリから第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップであって、前記第一の液体噴霧は、周囲の空気内への十分な蒸発を確保することで周囲の表面上への液滴が落ちるのを最小化するように選択された平均液滴直径サイズを有するステップと、周囲の表面に到達する前に前記第一の液体噴霧アウトプットが実質的に完全に蒸発することができるように選択されたやり方で、前記第一の液体噴霧アウトプットを周囲の空気中に導くステップと、を含む。この方法はさらに、前記第二の液体圧縮路を形成するために前記ノズルアセンブリを調節するステップと、前記第二の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、前記第一の噴霧アウトプットの平均液滴サイズの少なくとも約二倍の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットを前記ノズルアセンブリから生成するステップと、前記第二の液体噴霧アウトプットを表面に対して導くステップとを含む。
【0007】
さらに、もう一つの実施形態によると、液体ディスペンサ用のノズルアセンブリは、液体供給導管を規定するアウトレット部材と、出口穴を含むノズルを含み、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置される。前記ノズルと前記アウトレット部材との間に液体圧縮路が規定され、前記液体圧縮路は前記液体供給導管から前記出口穴に液体を供給する液体圧縮室を含む。前記液体圧縮室は前記出口穴のすぐ上流にあり、前記出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を提供する。前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第二の噴霧位置との間で調節可能である。前記第一の平均液滴サイズは約40マイクロメートルから約60マイクロメートルの間であり、前記第二の平均液滴サイズは約90マイクロメートルから約120マイクロメートルの間である。
【0008】
本発明の他の特徴および長所が以下の詳細な説明を考察することでより明白になるであろう。
【発明の効果】
【0009】
ここに開示されるノズルアセンブリは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する異なる発散状の液体噴霧アウトプットを生成するために適合される。これら異なる発散状の液体噴霧アウトプットは液体が空中に浮遊されるおよび/または表面に散布されるような用途に対して適する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるノズルアセンブリの等角図である。
【図2】図1のノズルアセンブリの拡大等角図である。
【図3】図1によるノズルの背面図である。
【図4】図3の概ね線4−4に沿って切断された断面図である。
【図5】図3の概ね線5−5に沿って切断された断面図である。
【図6】図1による選択バルブの拡大等角図である
【図7】図6の選択バルブの背面図である。
【図8】図7の概ね線8−8に沿って切断された断面図である。
【図9】図2による放出バルブの側面図である。
【図10】図9の放出バルブの正面図である。
【図11】図9の放出バルブの背面図である。
【図12】図2によるバルブ主部の正面図である
【図13】図1の概ね線13−13に沿って切断された、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図14】図13の概ね線14−14に沿って切断された断面図である。
【図15】図13の概ね線15−15に沿って切断された断面図である。
【図16】図13の概ね線16−16に沿って切断された断面図である。
【図17】図13に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図18】図13に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図19】図1の概ね線19−19に沿って切断されたノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図20】図19に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図21】本発明によるもう一つのノズルの等角図である。
【図22】図21のノズルの背面図である。
【図23】図21のノズルと共に用いるためのもう一つの選択バルブの等角図である。
【図24】図13に類似する、図13のノズルおよび選択バルブが、それぞれ、図21のノズルおよび図23の選択バルブによって置換されている、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図25】図24に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図26】本発明によるもう一つのノズルアセンブリの拡大等角図である。
【図27】図26の概ね線27−27に沿って切断された、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図28】図27に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図29】図27に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
関連出願の相互参照
適用なし
【0012】
連邦政府による委託研究もしくは開発に関する参照
適用なし
【0013】
配列表
適用せず
【0014】
本開示は、液体ディスペンサ、例えば、引き金ディスペンサ、フィンガータイプのポンプ、エアロゾルディスペンサ等の供給端に接続することができるノズルアセンブリを目的とする。このノズルアセンブリは、異なる液体アウトプットパターンを射出するための様々な機能的な位置あるいは設定の間で調節可能である。好ましくは、このノズルアセンブリは、約5度から約90度の間の噴霧円錐角を有する異なる発散状もしくは円錐状の噴霧アウトプットを射出するように適合され、噴霧アウトプットは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する。このような噴霧アウトプットは、泡だったアウトプットパターン、非発散状のストリームパターン、および発散状のストリームパターンとは区別できる。さらに発散状の噴霧を生成する従来技術のノズルアセンブリは、通常、出口穴のすぐ上流に渦チャンバーを有する。実質的に発散状の噴霧を形成ために、出口穴に入る流体の渦を生成ように、典型的な渦チャンバーは、通常、液体が出口穴のすぐ上流の接線方向の経路に流れ込むことを制限する。対比的に、本ノズルアセンブリは、幾つかの場合においては、出口穴のすぐ上流において渦チャンバーを用いて渦を生成することなしに、発散状の噴霧アウトプットを生成する。むしろ、ここに開示されるこのようなノズルアセンブリは、渦を生成することなしに発散状の噴霧を生成するように、出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を含む。さらに、本ノズルアセンブリは、出口穴のすぐ上流にある液体圧縮室のサイズを変更することで、異なる平均液滴サイズを有する発散状の噴霧アウトプットが生成されるように、望ましくは、少なくとも二つの異なる設定の間で調節することができる。一例においては、このノズルアセンブリは、異なった平均液滴サイズを有する特定の噴霧アウトプットを生成するために、第一と第二の不連続な噴霧位置の間で調節できる。これら不連続の噴霧位置は、このノズルアセンブリが第一と第二の噴霧位置との間の連続的に可変な調節を与えることを阻止する。しかしながら、他の例においては、このノズルアセンブリは、不連続、連続、もしくは不連続と連続との任意の組合せであり得る複数の噴霧位置の間で調節可能である。ここで用いられる不連続な噴霧位置とは、単一の位置であり、無限数の中間噴霧位置の間で連続的に可変ではない。
【0015】
さらにもう一つの実施形態においては、ここに開示されるノズルアセンブリは、空気中に浮遊する第一の発散状の噴霧アウトプットとして放出されたと、表面に散布される第二の発散状の噴霧アウトプットとして放出されたときに使用されることを意図される液体、例えば空気清浄剤、脱臭剤、洗剤、および類似物の任意の組合せと使用するように適合される。このような用途においては、第一と第二の発散状の噴霧アウトプットは、概ね均質な液体の散布を提供すべきであり、異なる平均液滴サイズを有する発散状の噴霧パターンを有することは有益であり得る。例えば、第一の発散状の噴霧は、最小の液滴の降下で、空気内にエアロゾル状の噴霧を浮遊させるために、より小さな平均液滴サイズを有することができる。液滴の降下とは、例えば、エアロゾル化された液体粒子が周囲の空気の環境内から周囲の表面、例えば、床とか家具上に、空気内に完全にあるいは大部分が蒸発する前に、降下する振る舞いを指し、これは表面に触れたとき湿感を与え、ユーザには望ましくないかも知れない。第一の発散状の噴霧のより小さな平均液滴サイズは、液体が任意の妨害物から空気中へと向かったとき、物体に辿り着く前に、実質的に完全に蒸発することを促進する。こうして、第一の発散状の噴霧は、より長期間に渡って持続する環境効果を提供するために、液体を空気内に実質的に完全に蒸発する空気清浄剤として散布するためにはとりわけ適する。しかしながら、当業者においては理解できるように、液体の幾つかの成分は空気内に完全には蒸発しないかも知れない。かわりに、このような非蒸発性の成分は、通常は、液体の他の蒸発性の成分が蒸発する際に、さらに小さな粒子サイズへと分解する。これら非蒸発性成分のより小さな粒子サイズは、ユーザが気づく程度の不快感を与えることはないように、通常は十分に小さい。
【0016】
さらに、第二の発散状の噴霧は、特定の目的のために、例えば、脱臭剤あるいは洗浄剤として狙い通りに液体を表面に散布するために、より大きな平均液滴サイズを有することもできる。限定しない一例においては、第二の平均液滴噴霧は、繊維上の汚れに散布することもでき、ここでは、このより大きな平均液滴サイズは、液体が実質的に蒸発することなく表面に直接に塗布されること、およびより効果的な脱臭あるいは洗浄機能を提供するように液体が汚れの中に染みこむことを可能にする。一実施例においては、表面に散布される第二の発散状の噴霧は、好ましくは、それが散布されている表面から約10インチ(約25cm)から約18インチ(約46cm)離れたところで生じたとき、表面の所で約6インチ(約15cm)から約14インチ(約36cm)の間の直径を有する概ね円錐状の噴霧形状を有する。もう一つの実施形態においては、第二の発散状の噴霧は、それが散布されている表面から約14インチ(約36cm)離れたところで生じたとき、表面の所で約10インチ(約25cm)の直径を有する概ね円錐状の噴霧形状を有する。形状、サイズ、および表面からの距離からの観点でのこのような噴霧形状は、液体を表面に最適かつ均一に塗布できることが見出された。
【0017】
好ましい一例においては、これらより大きなおよびより小さな平均液滴直径のサイズは、概ね約120マイクロより小さく、より大きな平均液滴直径のサイズはより小さな平均液滴直径のサイズの概ね二倍である。好ましくは、より大きな平均液滴直径のサイズは概ね約90マイクロから約120マイクロの間であり、より小さな平均液滴直径のサイズは、概ね約40マイクロから約60マイクロの間である。さらなる一例においては、より大きな平均液サイズは約100マイクロであり、より小さな平均液滴サイズは約40マイクロである。このような平均液滴サイズは任意の適当な粒子分析器、例えば、英国、ウースターシャー(Worcestershire)のMalvern Instruments Ltd.により製造されるMastersizer粒子分析器を用いて測定することができる。
【0018】
通常の環境条件、例えば、室温および相対湿度50%においては、噴霧が典型的な引き金噴霧器から射出されたとき、約40マイクロから約60マイクロの間の液滴サイズは、通常は、任意の妨害物から空気内に向かったとき、物体に辿り着く前に実質的に完全に蒸発してしまう。しかしながら、約40マイクロから約60マイクロの間の直径サイズであっても、液体の幾つかの成分は空気内に完全には蒸発してしまわないこともある。代わりに、このような非蒸発性の成分、例えば、表面活性剤は、しばしば、その液体の他の蒸発性の成分が蒸発する際に、さらに小さな粒子サイズへと収縮あるいは分解する。一例においては、通常の環境条件においては、これら非蒸発性の成分は、しばしば、ノズルアセンブリから約2から3フィート(約0.5から1.0メータ)内において、平均直径において約10から20マイクロあるいはこれより小さな粒子へと収縮あるいは分解するだろう。非揮発性成分のこのような小さな粒子サイズは、一般には、ユーザに対する目だった望ましくない効果に寄与することはない。
【0019】
図1は、液体ディスペンサの放出端に接続することができるノズルアセンブリ40の一例を示し、当業者には明白であると思われるが、その一例が図2のアウトレット部材によって示されている。このノズルアセンブリ40は、異なる発散状の液体噴霧アウトプットを射出もしくは生成するために、あるいは液体噴霧アウトプットの射出を防止するために、一連の機能上の位置の間で回転できるように調節可能である。本実施形態においては、ノズルアセンブリ40は概ね長方形として示され、この長方形の各辺は現在の設定を示すための隆起した文字もしくは他の標識を含む。例えば、ノズルアセンブリ40が液体ディスペンサに接続されているときは、ノズルアセンブリ40の上面は現在の設定の標識、例えば、図1における「MIST」を与える。制限することを意図しない一例においては、ノズルアセンブリ40の他の一連の辺は、時計回りに、「OFF」、「SPRAY」(図示せず)、および「OFF」(図示せず)と記されている。
【0020】
図2を参照し、ノズルアセンブリ40は、選択バルブ44上に配置されたノズル42を含み、選択バルブ44はさらにアウトレット部材46上に配置されている。ノズル42は端壁50によって閉じられている第一の端部48と、端壁50の周囲から延びる側壁54によって規定される第二の開放端52とを含む。ノズル42は概ね長方形の外側の断面の輪郭を有するが、他の実施形態は他の外側の断面形状、例えば、円形、正方形、あるいは他の対称もしくは抽象的な形状をとることもできる。ノズル42は、さらに、それぞれ端壁50を貫通して配置されている第一と第二の出口穴56、58を含む。本実施形態においては、これら第一と第二の出口穴56、58は正反対の位置に配置されている。しかしながら、他の実施形態においては、これら第一と第二の出口穴56、58の位置と配列は本開示の精神から逸脱することなく変更することもできる。
【0021】
図3から5を追加的に参照し、ノズル42の側壁54は概ね円筒状の空洞60を規定する。概ね円筒状の中央プラグ62が端壁50の中央領域から空洞50内へと延伸し、横方向に向かい合う開口もしくは凹部64が中央プラグ62の遠位端内に配置されている。他の例においては、中央プラグ62はその内部により少数のもしくは追加的な開口を含んでも良い。空洞60に隣接する端壁50は、さらに、第一と第二の出口穴56、58の各々の反対側に配置されている軸方向に延伸するリッジ66を含む。より具体的に図4を参照し、空洞60に隣接する端壁50は、第二の出口穴58の周囲には凹部68を含むが、第一の出口穴56の周囲においては概ね平坦である。追加的に、図4および5は、空洞60に隣接する端壁54内に配置されている環状の溝もしくは凹部70を示す。
【0022】
第一と第二の出口穴56、58は任意の寸法と形状にすることができる。しかしながらこの限定しない例においては、概ね円筒形である。さらに、第一と第二の出口穴56、58は、同一の寸法および形状であってもよく、異なった寸法および形状であっても良い。本例においては、第二の出口穴58は第一の出口穴56より大きい。より具体的には、第二の出口穴58は第一の出口穴56より大きな直径を有する。一例においては、第二の出口穴58は約0.017インチ(約0.44mm)から約0.021インチ(約0.53mm)の間の直径を有し、第一の出口穴56は約0.013インチ(約0.33mm)から約0.017インチ(約0.44mm)の間の直径を有する。もう一例においては、第二の出口穴58は約0.019インチ(約0.48mm)の直径を有し、第一の出口穴56は約0.015インチ(約0.38mm)の直径を有する。代わりに、あるいは併せて、第一と第二の出口穴56、58の長さを変更することもできる。一例においては、第一と第二の出口穴56、58の長さは、約0.055インチ(約1.40mm)から約0.035インチ(約0.89mm)の間である。もう一つの例においては、第一と第二の出口穴56、58の長さは、約0.045インチ(約1.14mm)である。
【0023】
今度は図2および6から8を参照し、選択バルブ44は、入口端80と放出端82とを有する概ね円筒形の部材である。入口端80の所には平坦で、概ね長方形の端壁84が配置され、外側管状壁86が端壁84から放出端82に向かって延びる。内側管状壁88が外側管状壁86内に放射状に間隔をあけ、これらの間に延在する端壁90によって接続される。端壁90は、凹チャネル92を規定するように、選択バルブ44の放出端82から間隔をあける。放射状に向き合う開口94が放出端82の近傍において内側管状壁88を貫通して配置されている。他の例においては、内側管状壁88はそれを貫通するより少数のもしくは追加の開口を含んでも良い。さらに、こぶもしくは段96が、向き合う開口94の第一の側との間の凹チャネル92内に配置されている。本実施形態においては、こぶ96は向き合う開口94から概ね半分間隔を開けている。こぶ96は平坦な上部を含み、端壁50からこぶ96の底部と上端に向かって滑らかな概ね放物線状の遷移が存在する。しかしながら、他の例においては、本発明の精神から逸脱することなく、こぶ96に対して変更を加えることもでき、例えば、こぶ96はその内部に配置されたチャネルおよび/または空洞を含むように変更することもできる(図示せず)。
【0024】
選択バルブ44はさらに凹チャネル92と正反対のところに、向き合う開口94の第二の側との間に配置されている壁98を含む。本例においては、壁98は向き合う開口94との間を実質的に延び、外側および内側管状壁86、88の端部を通過して突出する。壁98は、後により詳細に説明されるように、使用されてない出口穴を遮断するように機能する。このために、壁98がそれでもこのような機能を遂行することを可能にする壁98に対する変更も考えられる。図6は、使用されてない出口穴をさらに遮断するために、ノズル42内のリッジ66と相互作用して、壁98内に後退して形成された放射状のチャネル100をさらに示す。これら放射状のチャネル100もノズルアセンブリ40の様々な機能上の位置の各々に対するスナップタイプの位置ストップとして作用する。
【0025】
さらに具体的に図7および8を参照し、内側管状壁88はそれを貫通する軸方向の通路102を規定する。加えて、内側管状壁88を貫通する向き合う開口94は、軸方向の通路102から凹チャネル92への一つあるいは複数の通路104を形成する。さらに、一つあるいは複数のチャネル106が軸方向の通路102に隣接する内側管状壁88に沿って軸方向に延びる。選択バルブ44は、さらに、選択バルブ44がアウトレット部材46に対して実質的に回転可能に固定されるように回転防止機構も含む。図7および8はこのような回転防止機構の一例として内側管状壁88から延びる一対のフィンガー108を示す。フィンガー108は、後により詳細に説明されるように、アウトレット部材46上での選択バルブ44を回転することを防止するために、アウトレット部材46上の構造と相互作用する。他の例においては、当業者には明らかであるように、異なる回転防止機構を使用しても良い。
【0026】
図6および8はさらに端壁90から間隔をあけて外側管状壁86上に配置されている環状のリブ110を示す。図13はノズル42の環状の凹部70が選択バルブ44の環状のリブ110上に、ノズル42を選択バルブ44上に回転可能に搭載するために配置されているのを示す。図8はさらにアウトレット部材46と相互作用する外側管状壁86内の環状の凹部112を示すが、これについては後により詳細に説明される。
【0027】
本開示においては、アウトレット部材46は、液体を液体ディスペンサの供給端からノズルに供給し、一つもしくは複数の出口穴から放出させる導管を概ね規定する。限定しない例示として、図2および図9から12は、液体供給導管を規定するために、アウトレット部材46とともに、バルブ主部132内に配置された放出バルブ130を示す。放出バルブ130は、円形の端壁134と、端壁134から延伸する長方形のカラム136と、長方形のカラム136から軸方向に突き出る概ね円筒形の部材138とを含む。より具体的に図9から11を参照し、さらに中央穴140がカラム136および円筒形の部材138を貫通して規定されている。中央穴140はカラム136と端壁134の部分によって規定される長方形の部屋142を含む。図9は長方形の部屋142に隣接して端壁134から延びるフィンガー144を示す。本例においては、円筒形の部材138はさらに中央穴140内に配置されているプラグ146と、円筒形の部材138を貫通して中央穴140へと延びる一つもしくは複数の軸方向のチャネル148とを含む。図10を参照し、本例は円筒形の部材138を放射状に貫通して中央穴140へと延びる6つの軸方向のチャネル148を含む。
【0028】
図2、12、および13を参照し、バルブ主部132はそこから延びる円筒形のカラム162を有する基礎壁160を含む。長方形のプラグ164が基礎壁160から円筒形のカラム162内を延び、開口166がプラグ164に隣接して基礎壁160を貫通して配置されている。加えて、円筒形のカラム162は環状のリブ168を含み、ここで選択バルブ44の環状の凹部112は、例えば、図13に示されているように、選択バルブ44をバルブ主部132に固定するために、環状のリブ168上に配置される。
【0029】
図13はさらにノズル42が選択バルブ44上に配置されているとき、中央プラグ62は選択バルブ44の内側管状壁88によって規定される軸方向の通路102内に配置されることを示す。放出バルブ130の円筒形の部材138も、中央プラグ62と円筒形の部材138との間に空洞170が形成されるように、選択バルブ44の軸方向の通路102内に配置される。さらに、選択バルブ44のフィンガー108が、上述の回転防止機構を提供するために、放出バルブ130の長方形のカラム136の面と係合する。加えて、長方形のプラグ164が長方形の部屋142内に配置するために、放出バルブ130がバルブ主部132の円筒形のカラム162内に配置される。ノズル42、選択バルブ44、放出バルブ130、および円筒形のカラム162は、好ましくは、全て、図2および13に見られるように単一の軸に沿って整列される。
【0030】
ノズルアセンブリ40の限定しない一例においては、使用において、液体は、バルブ主部132の基礎壁160内の開口166を通り、放出バルブ130の端壁134の周辺を通過する。端壁134は、液体が通過することを可能にするように、円筒形の部材138に向かって弾性的にたわみ、端壁134上への前方向の圧力が存在しないときは弾性的に閉じる。本例においては、放出バルブ130および端壁134は、液体が一方向にノズルアセンブリ40を通って流れ、出口穴から出ることをのみを許容するチェックバルブとして機能する。図13および14を参照し、液体は放出バルブ130の端壁134を通過した後に、選択バルブ44の内側管状壁88内に配置されているチャネル106を通り、空洞170内へと向かう。
【0031】
ノズル42は、選択バルブ44の外側管状壁86のまわりを4つの一連の機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、第二の噴霧位置、および第二のオフ位置の間で、軸方向に回転可能である。両方のオフ位置においては、例えば、図17および20に示されているように、ノズル42の中央プラグ62内の凹部64は、軸方向の通路102と凹チャネル92との間の通路104を閉じるために、選択バルブ44の内側管状壁88を貫通する開口94とは整列しない。従って、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れることができない。しかしながら、例えば、図13、15、18、および19に示されている第一と第二の噴霧位置においては、中央プラグ62内の凹部64は、軸方向の通路102から凹チャネル92への通路102を開くように、選択バルブ44の内側管状壁88を貫通する開口94と整列する。この位置においては、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れることができる。
【0032】
液体通路104が開いている状態では、液体はここを通って凹チャネル92内に流れ、こぶ96の上を通って、出口穴から出る。例えば、図13に示されている第一の噴霧位置においては、第一の出口穴56はこぶ96上に整列し、第二の出口穴58は壁98上に整列する。液体は第一の出口穴56を通ってのみ流れ、他方、第二の出口穴58は壁98によって遮断される。例えば、図18に示されている第二の噴霧位置においては、第二の出口穴58はこぶ96上に整列し、第一の出口穴56は壁98上に整列する。液体は第二の出口穴58を通ってのみ流れ、他方、第一の出口穴56は壁98によって遮断される。
【0033】
より具体的には、第一の噴霧位置においては、第一の液体圧縮路がノズル42と選択バルブ44との間に規定される。この第一の液体圧縮路は第一の出口穴56とこぶ96との間に規定される第一の圧縮容積を含む。同様に、第二の噴霧位置においては、第二の液体圧縮路がノズル42と選択バルブ44との間に規定される。この第二の液体圧縮路は第二の出口穴58とバンプ96との間に規定される第二の圧縮容積を含む。この第二の圧縮容積は、第二の出口穴58のまわりのノズル42の端壁50内の凹部68のせいで、第一の圧縮容積より大きい。このため、第二の噴霧位置は、第一の噴霧位置におけるより大きな平均液滴サイズを有する液滴を有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0034】
一例においては、第一と第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さい平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の位置における平均液滴サイズの約二倍である。もう一の例においては、第二の噴霧位置は、概ね約90マイクロから約120マイクロの間の平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第一の噴霧位置は概ね約40マイクロから約60マイクロの間の平均液滴サイズを有する噴霧を生じる。さらにもう一の例においては、第二の噴霧位置は、約100マイクロの平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第一の噴霧位置は約40ミクロの平均液滴サイズを有する噴霧を生じる。
【0035】
ノズルアセンブリ40の異なる噴霧位置を分析するもう一つのやり方は、各々の噴霧位置におけるノズルアセンブリ40を通過する流体の流れと関連する圧力低下および/またはピーク速度に関する。一つの分析においては、約1から2ml/秒の間の、より具体的には約1.8ml/秒の、流速における水の定流がシミュレートされる。このような流速は、典型的な引き金噴霧器によって生成することができるが、ここではトリガポンプの1ストロークは、約0.5秒なるストローク時間で約0.9mlの容積を有する液体の流れを生成し、トリガポンプストローク当たり約0.8から1.8グラムの間の液体の出力を生成する。第一の噴霧位置においては、こうしてシミュレーションされた水の流れは、約39から40psi(約269から276kPa)の間の、より具体的には約39.1psi(約270kPa)の圧力低下を受け、約22から23m/sの間の、より具体的には約22.8m/sのピーク速度を有する。第二の噴霧位置においては、こうしてシミュレーションされた水の流れは、約15から16psi(約103から110kPa)の間の、より具体的には約15.8psi(約109kPa)の圧力低下を受け、約14から15m/sの間の、より具体的には約14.3m/sのピーク速度を有する。この例においては、第一と第二の噴霧位置における平均液滴サイズを推定するために、これら異なる圧力低下およびピーク速度に周知の計算流体力学「CFD」法を適用するらことができる。一つのCFD法によると、第一の噴霧位置は、約44マイクロなるザウター平均粒径(sauter mean diameter)と、約51マイクロなる最尤水滴平均直径を有する出力を生成し、第二の噴霧位置は、約94マイクロなるザウター平均粒径と、約108マイクロなる最尤水滴平均直径を有する出力を生成する。ザウター平均粒径とは、その容積の表面積に対する比が噴霧全体のそれに等しい液滴の直径である。
【0036】
図21から25は図1から20のノズルアセンブリ40と構造および機能において類似するが、以下に示される点が異なるもう一つの実施形態ノズルアセンブリ200を示す。ノズルアセンブリ200は選択バルブ204上に配置されるノズル202を含み、選択バルブ204はさらに図2のアウトレット部材46上に配置される。しかしながら、他の例においては、液体を液体ディスペンサの供給端からノズルに供給する異なるアウトレット部材を用いることもできる。本例におけるノズル202は、図1から5のノズル42と実質的に類似するが、端壁50は、空洞60に隣接するところで概ね平坦であり、端壁50を貫通して単一の出口穴206が配置される点が異なる。本例における選択バルブ204は、図2および図6から8の選択バルブ44と実質的に類似するが、凹チャネル92は向き合う開口94の第一の側との間に配置される第一のこぶ208と、向き合う開口94の第二の反対の側との間に配置される第二のこぶ210とを含む点が異なる。本例においては、第一のこぶ208は第二のこぶ210より大きな高さを有する。選択バルブ44の壁98とは対照的に、後に詳細に説明されるように、第二のこぶ210は、ノズルアセンブリが噴霧位置にあるとき、液体がその付近を流れることを許容する。
【0037】
使用において、液体はバルブ主部132の基礎壁160内の開口166を通って、放出ブルブ130の外周を通過する。その後、液体は内側管状壁88内に配置されているチャネル106を通って、空洞170内へと流れる。図21から25のノズルアセンブリ200も4つの一連の機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、第二の噴霧位置、第二のオフ位置の間で回転可能である。オフ位置においては、ノズル202の中央プラグ62内の凹部64は、選択バルブ204の内側管状壁88を貫通する開口94と整列せず、軸方向の通路102と凹チャネル92の間の通路104は閉じられる。このために、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れない。しかしながら、第一および第二の噴霧位置においては、中央プラグ62内の凹部64は、内側の軸方向の通路102と凹チャネル92の間の液体の通路104を開けるように、選択バルブ204の内側管状壁88を貫通する向き合う開口94と整列する。この位置においては、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れ込むことを許容される。
【0038】
液体通路104が開いた状態では、液体はそこを通って第一あるいは第二のこぶ208、210上の凹チャネル92内へと流れ込み、出口穴206から出る。図24に示されている第一の噴霧位置においては、凹チャネル92内の第一のこぶ208上に整列された出口穴206で第一の液体圧縮路が規定される。この第一の液体圧縮路は、第一のこぶ208と出口穴206との間に規定される第一の容積を有する第一の圧縮室を含む。図25に示されている第二の噴霧位置においては、第二のこぶ210上に整列された出口穴206で第二の液体圧縮路が規定される。この第二の液体圧縮路は、第二のこぶ210と出口穴206との間に規定される第二の容積を有する第二の圧縮室を含む。第二の圧縮容積は、第二のこぶ210は第一のこぶ208より高さが低いために、第一の圧縮容積よりも大きい。このために、第一の噴霧位置は第二の噴霧位置において射出される発散状の噴霧の第二の平均液滴サイズよりも小さな第一の平均液滴サイズを有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0039】
一例においては、第一および第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の噴霧位置における平均液滴サイズよりも大きい。
【0040】
図26から29は、アウトレット部材246上に配置されるノズル242を含むもう一つの実施形態のノズルアセンブリ240を示す。アウトレット部材246は、前の実施形態のアウトレット部材46と類似する選択バルブ130およびバルブ主部132を含む。ノズル242は端壁50から空洞60内へと延びる中央突起248および中央突起248の周囲に配置された複数の出口穴250を含む。さらに、概ね管状のプラグすなわちスリーブ252が端壁50から空洞60内へと延伸する。スリーブ252は中央突起248から放射状に離され、例えば、図28に示されているように、スリーブ252の内側面に沿って軸方向に延伸する一つもしくは複数の軸方向のチャネル254を含む。さらに、ノズル242の側壁54は第一のねじ山256を含み、バルブ主部132の円筒形のカラム162は第一のねじ山256と補完的な第二のねじ山258を含む。
【0041】
使用において、ノズル242は、第一のねじ山256が第二のねじ山258と係合し、スリーブ252が放出バルブ130の概ね円筒形の部材138の上および周囲に配置されるように、バルブ主部132の上および周囲に軸方向に配置される。流体はバルブ主部132の基礎壁160内の開口166内を流れ、放出バルブ130の外周を通過する。ノズルアセンブリ240は、少なくとも3つの機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、および第二の噴霧位置の間で回転可能である。追加の一連のオフおよび噴霧位置は、一部、ねじ山256、258の長さと、ノズル242およびスリーブ252の長さに依存する可能性もある。オフ位置においては、液体が出口穴250内に流れるのを防止するため、スリーブ252内の軸方向のチャネル254は円筒形の部材138内の軸方向のチャネル148とは整列しない。しかしながら、第一および第二の噴霧位置においては、液体が中央突起248を通過し、出口穴250から出るのを許容するように、スリーブ252内の軸方向のチャネル254は円筒形の部材138内の軸方向のチャネル148と整列する。
【0042】
制限しない一例として、図27から29は第一および第二の噴霧位置、およびオフ位置にあるノズルアセンブリ240を示す。より具体的には、図27は、アウトレット部材246から第一の軸方向距離だけ離して配置されているノズル242と、第一の噴霧位置にあるノズルアセンブリ240を示す。この第一の噴霧位置は、ノズル242と放出バルブ130の遠位端との間の第一の圧縮室260を含む第一の液体圧縮路を規定する。ノズル242をアウトレット部材246に対して時計回りに約90度だけ回転させると、ノズルアセンブリ240はオフ位置に配置され、図28にその一例が示されている。ノズル242をアウトレット部材246に対して同一の方向にさらに約90度だけ時計回りに回転させると、ノズルアセンブリ240は、このオフ位置から図29に示されている第二の噴霧位置へと移動する。第二の噴霧位置においては、ノズル242は放出バルブ130の遠位端からより大きな第二の軸方向距離だけ離して配置される。さらに、この第二の噴霧位置はノズル242と放出バルブ246との間の第二の圧縮室262を含む第二の液体圧縮路を含む。第一と第二のねじ山256、258の間の相互作用のために、ノズル242をアウトレット部材246に対して回転させると、ノズル242とアウトレット部材246および放出バルブ130の遠位端との間の軸方向の距離が変化する。本例においては、第二の距離は第一の距離よりも大きく、オフ位置においては、ノズル242はアウトレット部材246から第一と第二の距離の間の第三の距離だけ離して配置される。こうして、第一の噴霧位置にある第一の圧縮室260は第二の噴霧位置にある第二の圧縮室262より小さな第一の容積を有する。こうして、第二の噴霧位置は、第一の噴霧位置にあるときよりもより大きな平均液滴サイズを有する液滴を有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0043】
一例においては、第一および第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の位置における平均液滴サイズより大きい。
【0044】
ここに開示される全ての実施形態において、渦チャンバーは、好ましくは、第一および第二の噴霧位置の両方には形成されない。しかしながら、幾つかの実施形態においては、必要であれば、渦チャンバーを形成することもできる。こうして、渦チャンバーあるいは他の渦誘発構造を含むノズルアセンブリも本開示の範囲内に入り得る。
【0045】
上で説明された個々の実施形態が有する個々の特徴の異なるおよび様々な可能な組合せを含む全ての他の実施形態もここに明確に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
ここに開示されるノズルアセンブリは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する異なる発散状の液体噴霧アウトプットを生成するために適合される。これら異なる発散状の液体噴霧アウトプットは液体が空中に浮遊されるおよび/または表面に散布されるような用途に対して適する。
【0047】
当業者においては上の説明の観点から本発明に対する多数の変更が明白であろう。従って、この説明はもっぱら解説のためのものであり、当業者が本発明を製造および使用することを可能にすること、および本発明を実施する最良の形態を教示することを目的として提示されたものでると理解すべきである。添付のクレームの範囲内に入る全ての変更に対する排他的権利が保持される。
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的には液体ディスペンサ用のノズルアセンブリ、より詳細には異なる液体アウトプットパターンを生成可能なノズルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
液体ディスペンサは様々な一般的形態、例えば、引き金噴霧器、フィンガータイプのポンプ、エアロゾルディスペンサ等の形態をとることができる。さらにノズルアセンブリは、このような液体噴霧器に、異なる液体アウトプットパターン、例えば、ストリーム、発散状あるいは円錐状の噴霧パターン、空気を含む泡、等のアウトプットパターンを射出(プロジェクト)するために接続することができる。このようなノズルアセンブリの設計は、一般には散布される液体の意図される用途および/または特性に依存する。
【0003】
例えば、もしその液体を空中に漂わせることを意図する場合は、発散状の噴霧を射出するためのノズルアセンブリを用いても良いが、もしその液体が表面、例えば、カーペット、木、ペイントされた表面等に塗布することを意図する場合は、ストリームあるいは泡を噴射するためのノズルアセンブリを用いても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発散状の噴霧を噴射するために設計されているノズルアセンブリは、典型的には、出口穴のすぐ上流にある渦チャンバーを含む。典型的な渦チャンバーにおいては、液体を、出口穴から出る前に、一つあるいは複数の概ね接線方向の経路を通って渦チャンバーに入るように制限することによって、渦が渦チャンバー内において生成される。このような接線方向の経路は出口穴への直接の放射状の流路を実質的に遮断する妨害物を含む。対照的に、もしストリームパターンが要求される場合は、液体は実質的に直接の放射状の流路を通って出口穴へと流れることを許容される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によると、液体ディスペンサ用のノズルアセンブリは、液体供給導管を規定するアウトレット部材と内部を貫通する出口穴を含むノズルを含み、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置される。液体圧縮路は、前記ノズルと前記アウトレット部材とによって規定され、前記液体圧縮路は液体を前記液体供給導管から前記出口穴に供給する液体圧縮室を含む。前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出する第二の噴霧位置との間で調節可能である。前記第一の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第一の容積を有し、前記第二の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は前記第一の容積より大きな第二の容積を有する。前記液体噴霧は前記出口穴のすぐ上流の渦チャンバーなしに形成される。
【0006】
もう一つの実施形態によると、液体を第一の平均液滴直径サイズを有する第一の液体噴霧アウトプットとして空中に、最小の液滴降下で散布するため、および液体を第二の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットとして表面に塗布するために単一の調節可能なノズルアセンブリを使用する方法は、単一の調節可能なノズルアセンブリを提供するステップを含む。前記ノズルアセンブリは第一の不連続の液体圧縮路と第二の不連続の液体圧縮路を規定し、前記第一と前記第二の液体圧縮路の間の連続的に可変な調節は与えない。この方法はさらに、前記第一の液体圧縮路を形成するために前記ノズルアセンブリを調節するステップと、前記第一の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、前記ノズルアセンブリから第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップであって、前記第一の液体噴霧は、周囲の空気内への十分な蒸発を確保することで周囲の表面上への液滴が落ちるのを最小化するように選択された平均液滴直径サイズを有するステップと、周囲の表面に到達する前に前記第一の液体噴霧アウトプットが実質的に完全に蒸発することができるように選択されたやり方で、前記第一の液体噴霧アウトプットを周囲の空気中に導くステップと、を含む。この方法はさらに、前記第二の液体圧縮路を形成するために前記ノズルアセンブリを調節するステップと、前記第二の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、前記第一の噴霧アウトプットの平均液滴サイズの少なくとも約二倍の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットを前記ノズルアセンブリから生成するステップと、前記第二の液体噴霧アウトプットを表面に対して導くステップとを含む。
【0007】
さらに、もう一つの実施形態によると、液体ディスペンサ用のノズルアセンブリは、液体供給導管を規定するアウトレット部材と、出口穴を含むノズルを含み、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置される。前記ノズルと前記アウトレット部材との間に液体圧縮路が規定され、前記液体圧縮路は前記液体供給導管から前記出口穴に液体を供給する液体圧縮室を含む。前記液体圧縮室は前記出口穴のすぐ上流にあり、前記出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を提供する。前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第二の噴霧位置との間で調節可能である。前記第一の平均液滴サイズは約40マイクロメートルから約60マイクロメートルの間であり、前記第二の平均液滴サイズは約90マイクロメートルから約120マイクロメートルの間である。
【0008】
本発明の他の特徴および長所が以下の詳細な説明を考察することでより明白になるであろう。
【発明の効果】
【0009】
ここに開示されるノズルアセンブリは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する異なる発散状の液体噴霧アウトプットを生成するために適合される。これら異なる発散状の液体噴霧アウトプットは液体が空中に浮遊されるおよび/または表面に散布されるような用途に対して適する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるノズルアセンブリの等角図である。
【図2】図1のノズルアセンブリの拡大等角図である。
【図3】図1によるノズルの背面図である。
【図4】図3の概ね線4−4に沿って切断された断面図である。
【図5】図3の概ね線5−5に沿って切断された断面図である。
【図6】図1による選択バルブの拡大等角図である
【図7】図6の選択バルブの背面図である。
【図8】図7の概ね線8−8に沿って切断された断面図である。
【図9】図2による放出バルブの側面図である。
【図10】図9の放出バルブの正面図である。
【図11】図9の放出バルブの背面図である。
【図12】図2によるバルブ主部の正面図である
【図13】図1の概ね線13−13に沿って切断された、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図14】図13の概ね線14−14に沿って切断された断面図である。
【図15】図13の概ね線15−15に沿って切断された断面図である。
【図16】図13の概ね線16−16に沿って切断された断面図である。
【図17】図13に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図18】図13に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図19】図1の概ね線19−19に沿って切断されたノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図20】図19に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図21】本発明によるもう一つのノズルの等角図である。
【図22】図21のノズルの背面図である。
【図23】図21のノズルと共に用いるためのもう一つの選択バルブの等角図である。
【図24】図13に類似する、図13のノズルおよび選択バルブが、それぞれ、図21のノズルおよび図23の選択バルブによって置換されている、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図25】図24に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図26】本発明によるもう一つのノズルアセンブリの拡大等角図である。
【図27】図26の概ね線27−27に沿って切断された、ノズルアセンブリが第一の噴霧位置にあるときの断面図である。
【図28】図27に類似するノズルアセンブリがオフ位置にあるときの断面図である。
【図29】図27に類似するノズルアセンブリが第二の噴霧位置にあるときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
関連出願の相互参照
適用なし
【0012】
連邦政府による委託研究もしくは開発に関する参照
適用なし
【0013】
配列表
適用せず
【0014】
本開示は、液体ディスペンサ、例えば、引き金ディスペンサ、フィンガータイプのポンプ、エアロゾルディスペンサ等の供給端に接続することができるノズルアセンブリを目的とする。このノズルアセンブリは、異なる液体アウトプットパターンを射出するための様々な機能的な位置あるいは設定の間で調節可能である。好ましくは、このノズルアセンブリは、約5度から約90度の間の噴霧円錐角を有する異なる発散状もしくは円錐状の噴霧アウトプットを射出するように適合され、噴霧アウトプットは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する。このような噴霧アウトプットは、泡だったアウトプットパターン、非発散状のストリームパターン、および発散状のストリームパターンとは区別できる。さらに発散状の噴霧を生成する従来技術のノズルアセンブリは、通常、出口穴のすぐ上流に渦チャンバーを有する。実質的に発散状の噴霧を形成ために、出口穴に入る流体の渦を生成ように、典型的な渦チャンバーは、通常、液体が出口穴のすぐ上流の接線方向の経路に流れ込むことを制限する。対比的に、本ノズルアセンブリは、幾つかの場合においては、出口穴のすぐ上流において渦チャンバーを用いて渦を生成することなしに、発散状の噴霧アウトプットを生成する。むしろ、ここに開示されるこのようなノズルアセンブリは、渦を生成することなしに発散状の噴霧を生成するように、出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を含む。さらに、本ノズルアセンブリは、出口穴のすぐ上流にある液体圧縮室のサイズを変更することで、異なる平均液滴サイズを有する発散状の噴霧アウトプットが生成されるように、望ましくは、少なくとも二つの異なる設定の間で調節することができる。一例においては、このノズルアセンブリは、異なった平均液滴サイズを有する特定の噴霧アウトプットを生成するために、第一と第二の不連続な噴霧位置の間で調節できる。これら不連続の噴霧位置は、このノズルアセンブリが第一と第二の噴霧位置との間の連続的に可変な調節を与えることを阻止する。しかしながら、他の例においては、このノズルアセンブリは、不連続、連続、もしくは不連続と連続との任意の組合せであり得る複数の噴霧位置の間で調節可能である。ここで用いられる不連続な噴霧位置とは、単一の位置であり、無限数の中間噴霧位置の間で連続的に可変ではない。
【0015】
さらにもう一つの実施形態においては、ここに開示されるノズルアセンブリは、空気中に浮遊する第一の発散状の噴霧アウトプットとして放出されたと、表面に散布される第二の発散状の噴霧アウトプットとして放出されたときに使用されることを意図される液体、例えば空気清浄剤、脱臭剤、洗剤、および類似物の任意の組合せと使用するように適合される。このような用途においては、第一と第二の発散状の噴霧アウトプットは、概ね均質な液体の散布を提供すべきであり、異なる平均液滴サイズを有する発散状の噴霧パターンを有することは有益であり得る。例えば、第一の発散状の噴霧は、最小の液滴の降下で、空気内にエアロゾル状の噴霧を浮遊させるために、より小さな平均液滴サイズを有することができる。液滴の降下とは、例えば、エアロゾル化された液体粒子が周囲の空気の環境内から周囲の表面、例えば、床とか家具上に、空気内に完全にあるいは大部分が蒸発する前に、降下する振る舞いを指し、これは表面に触れたとき湿感を与え、ユーザには望ましくないかも知れない。第一の発散状の噴霧のより小さな平均液滴サイズは、液体が任意の妨害物から空気中へと向かったとき、物体に辿り着く前に、実質的に完全に蒸発することを促進する。こうして、第一の発散状の噴霧は、より長期間に渡って持続する環境効果を提供するために、液体を空気内に実質的に完全に蒸発する空気清浄剤として散布するためにはとりわけ適する。しかしながら、当業者においては理解できるように、液体の幾つかの成分は空気内に完全には蒸発しないかも知れない。かわりに、このような非蒸発性の成分は、通常は、液体の他の蒸発性の成分が蒸発する際に、さらに小さな粒子サイズへと分解する。これら非蒸発性成分のより小さな粒子サイズは、ユーザが気づく程度の不快感を与えることはないように、通常は十分に小さい。
【0016】
さらに、第二の発散状の噴霧は、特定の目的のために、例えば、脱臭剤あるいは洗浄剤として狙い通りに液体を表面に散布するために、より大きな平均液滴サイズを有することもできる。限定しない一例においては、第二の平均液滴噴霧は、繊維上の汚れに散布することもでき、ここでは、このより大きな平均液滴サイズは、液体が実質的に蒸発することなく表面に直接に塗布されること、およびより効果的な脱臭あるいは洗浄機能を提供するように液体が汚れの中に染みこむことを可能にする。一実施例においては、表面に散布される第二の発散状の噴霧は、好ましくは、それが散布されている表面から約10インチ(約25cm)から約18インチ(約46cm)離れたところで生じたとき、表面の所で約6インチ(約15cm)から約14インチ(約36cm)の間の直径を有する概ね円錐状の噴霧形状を有する。もう一つの実施形態においては、第二の発散状の噴霧は、それが散布されている表面から約14インチ(約36cm)離れたところで生じたとき、表面の所で約10インチ(約25cm)の直径を有する概ね円錐状の噴霧形状を有する。形状、サイズ、および表面からの距離からの観点でのこのような噴霧形状は、液体を表面に最適かつ均一に塗布できることが見出された。
【0017】
好ましい一例においては、これらより大きなおよびより小さな平均液滴直径のサイズは、概ね約120マイクロより小さく、より大きな平均液滴直径のサイズはより小さな平均液滴直径のサイズの概ね二倍である。好ましくは、より大きな平均液滴直径のサイズは概ね約90マイクロから約120マイクロの間であり、より小さな平均液滴直径のサイズは、概ね約40マイクロから約60マイクロの間である。さらなる一例においては、より大きな平均液サイズは約100マイクロであり、より小さな平均液滴サイズは約40マイクロである。このような平均液滴サイズは任意の適当な粒子分析器、例えば、英国、ウースターシャー(Worcestershire)のMalvern Instruments Ltd.により製造されるMastersizer粒子分析器を用いて測定することができる。
【0018】
通常の環境条件、例えば、室温および相対湿度50%においては、噴霧が典型的な引き金噴霧器から射出されたとき、約40マイクロから約60マイクロの間の液滴サイズは、通常は、任意の妨害物から空気内に向かったとき、物体に辿り着く前に実質的に完全に蒸発してしまう。しかしながら、約40マイクロから約60マイクロの間の直径サイズであっても、液体の幾つかの成分は空気内に完全には蒸発してしまわないこともある。代わりに、このような非蒸発性の成分、例えば、表面活性剤は、しばしば、その液体の他の蒸発性の成分が蒸発する際に、さらに小さな粒子サイズへと収縮あるいは分解する。一例においては、通常の環境条件においては、これら非蒸発性の成分は、しばしば、ノズルアセンブリから約2から3フィート(約0.5から1.0メータ)内において、平均直径において約10から20マイクロあるいはこれより小さな粒子へと収縮あるいは分解するだろう。非揮発性成分のこのような小さな粒子サイズは、一般には、ユーザに対する目だった望ましくない効果に寄与することはない。
【0019】
図1は、液体ディスペンサの放出端に接続することができるノズルアセンブリ40の一例を示し、当業者には明白であると思われるが、その一例が図2のアウトレット部材によって示されている。このノズルアセンブリ40は、異なる発散状の液体噴霧アウトプットを射出もしくは生成するために、あるいは液体噴霧アウトプットの射出を防止するために、一連の機能上の位置の間で回転できるように調節可能である。本実施形態においては、ノズルアセンブリ40は概ね長方形として示され、この長方形の各辺は現在の設定を示すための隆起した文字もしくは他の標識を含む。例えば、ノズルアセンブリ40が液体ディスペンサに接続されているときは、ノズルアセンブリ40の上面は現在の設定の標識、例えば、図1における「MIST」を与える。制限することを意図しない一例においては、ノズルアセンブリ40の他の一連の辺は、時計回りに、「OFF」、「SPRAY」(図示せず)、および「OFF」(図示せず)と記されている。
【0020】
図2を参照し、ノズルアセンブリ40は、選択バルブ44上に配置されたノズル42を含み、選択バルブ44はさらにアウトレット部材46上に配置されている。ノズル42は端壁50によって閉じられている第一の端部48と、端壁50の周囲から延びる側壁54によって規定される第二の開放端52とを含む。ノズル42は概ね長方形の外側の断面の輪郭を有するが、他の実施形態は他の外側の断面形状、例えば、円形、正方形、あるいは他の対称もしくは抽象的な形状をとることもできる。ノズル42は、さらに、それぞれ端壁50を貫通して配置されている第一と第二の出口穴56、58を含む。本実施形態においては、これら第一と第二の出口穴56、58は正反対の位置に配置されている。しかしながら、他の実施形態においては、これら第一と第二の出口穴56、58の位置と配列は本開示の精神から逸脱することなく変更することもできる。
【0021】
図3から5を追加的に参照し、ノズル42の側壁54は概ね円筒状の空洞60を規定する。概ね円筒状の中央プラグ62が端壁50の中央領域から空洞50内へと延伸し、横方向に向かい合う開口もしくは凹部64が中央プラグ62の遠位端内に配置されている。他の例においては、中央プラグ62はその内部により少数のもしくは追加的な開口を含んでも良い。空洞60に隣接する端壁50は、さらに、第一と第二の出口穴56、58の各々の反対側に配置されている軸方向に延伸するリッジ66を含む。より具体的に図4を参照し、空洞60に隣接する端壁50は、第二の出口穴58の周囲には凹部68を含むが、第一の出口穴56の周囲においては概ね平坦である。追加的に、図4および5は、空洞60に隣接する端壁54内に配置されている環状の溝もしくは凹部70を示す。
【0022】
第一と第二の出口穴56、58は任意の寸法と形状にすることができる。しかしながらこの限定しない例においては、概ね円筒形である。さらに、第一と第二の出口穴56、58は、同一の寸法および形状であってもよく、異なった寸法および形状であっても良い。本例においては、第二の出口穴58は第一の出口穴56より大きい。より具体的には、第二の出口穴58は第一の出口穴56より大きな直径を有する。一例においては、第二の出口穴58は約0.017インチ(約0.44mm)から約0.021インチ(約0.53mm)の間の直径を有し、第一の出口穴56は約0.013インチ(約0.33mm)から約0.017インチ(約0.44mm)の間の直径を有する。もう一例においては、第二の出口穴58は約0.019インチ(約0.48mm)の直径を有し、第一の出口穴56は約0.015インチ(約0.38mm)の直径を有する。代わりに、あるいは併せて、第一と第二の出口穴56、58の長さを変更することもできる。一例においては、第一と第二の出口穴56、58の長さは、約0.055インチ(約1.40mm)から約0.035インチ(約0.89mm)の間である。もう一つの例においては、第一と第二の出口穴56、58の長さは、約0.045インチ(約1.14mm)である。
【0023】
今度は図2および6から8を参照し、選択バルブ44は、入口端80と放出端82とを有する概ね円筒形の部材である。入口端80の所には平坦で、概ね長方形の端壁84が配置され、外側管状壁86が端壁84から放出端82に向かって延びる。内側管状壁88が外側管状壁86内に放射状に間隔をあけ、これらの間に延在する端壁90によって接続される。端壁90は、凹チャネル92を規定するように、選択バルブ44の放出端82から間隔をあける。放射状に向き合う開口94が放出端82の近傍において内側管状壁88を貫通して配置されている。他の例においては、内側管状壁88はそれを貫通するより少数のもしくは追加の開口を含んでも良い。さらに、こぶもしくは段96が、向き合う開口94の第一の側との間の凹チャネル92内に配置されている。本実施形態においては、こぶ96は向き合う開口94から概ね半分間隔を開けている。こぶ96は平坦な上部を含み、端壁50からこぶ96の底部と上端に向かって滑らかな概ね放物線状の遷移が存在する。しかしながら、他の例においては、本発明の精神から逸脱することなく、こぶ96に対して変更を加えることもでき、例えば、こぶ96はその内部に配置されたチャネルおよび/または空洞を含むように変更することもできる(図示せず)。
【0024】
選択バルブ44はさらに凹チャネル92と正反対のところに、向き合う開口94の第二の側との間に配置されている壁98を含む。本例においては、壁98は向き合う開口94との間を実質的に延び、外側および内側管状壁86、88の端部を通過して突出する。壁98は、後により詳細に説明されるように、使用されてない出口穴を遮断するように機能する。このために、壁98がそれでもこのような機能を遂行することを可能にする壁98に対する変更も考えられる。図6は、使用されてない出口穴をさらに遮断するために、ノズル42内のリッジ66と相互作用して、壁98内に後退して形成された放射状のチャネル100をさらに示す。これら放射状のチャネル100もノズルアセンブリ40の様々な機能上の位置の各々に対するスナップタイプの位置ストップとして作用する。
【0025】
さらに具体的に図7および8を参照し、内側管状壁88はそれを貫通する軸方向の通路102を規定する。加えて、内側管状壁88を貫通する向き合う開口94は、軸方向の通路102から凹チャネル92への一つあるいは複数の通路104を形成する。さらに、一つあるいは複数のチャネル106が軸方向の通路102に隣接する内側管状壁88に沿って軸方向に延びる。選択バルブ44は、さらに、選択バルブ44がアウトレット部材46に対して実質的に回転可能に固定されるように回転防止機構も含む。図7および8はこのような回転防止機構の一例として内側管状壁88から延びる一対のフィンガー108を示す。フィンガー108は、後により詳細に説明されるように、アウトレット部材46上での選択バルブ44を回転することを防止するために、アウトレット部材46上の構造と相互作用する。他の例においては、当業者には明らかであるように、異なる回転防止機構を使用しても良い。
【0026】
図6および8はさらに端壁90から間隔をあけて外側管状壁86上に配置されている環状のリブ110を示す。図13はノズル42の環状の凹部70が選択バルブ44の環状のリブ110上に、ノズル42を選択バルブ44上に回転可能に搭載するために配置されているのを示す。図8はさらにアウトレット部材46と相互作用する外側管状壁86内の環状の凹部112を示すが、これについては後により詳細に説明される。
【0027】
本開示においては、アウトレット部材46は、液体を液体ディスペンサの供給端からノズルに供給し、一つもしくは複数の出口穴から放出させる導管を概ね規定する。限定しない例示として、図2および図9から12は、液体供給導管を規定するために、アウトレット部材46とともに、バルブ主部132内に配置された放出バルブ130を示す。放出バルブ130は、円形の端壁134と、端壁134から延伸する長方形のカラム136と、長方形のカラム136から軸方向に突き出る概ね円筒形の部材138とを含む。より具体的に図9から11を参照し、さらに中央穴140がカラム136および円筒形の部材138を貫通して規定されている。中央穴140はカラム136と端壁134の部分によって規定される長方形の部屋142を含む。図9は長方形の部屋142に隣接して端壁134から延びるフィンガー144を示す。本例においては、円筒形の部材138はさらに中央穴140内に配置されているプラグ146と、円筒形の部材138を貫通して中央穴140へと延びる一つもしくは複数の軸方向のチャネル148とを含む。図10を参照し、本例は円筒形の部材138を放射状に貫通して中央穴140へと延びる6つの軸方向のチャネル148を含む。
【0028】
図2、12、および13を参照し、バルブ主部132はそこから延びる円筒形のカラム162を有する基礎壁160を含む。長方形のプラグ164が基礎壁160から円筒形のカラム162内を延び、開口166がプラグ164に隣接して基礎壁160を貫通して配置されている。加えて、円筒形のカラム162は環状のリブ168を含み、ここで選択バルブ44の環状の凹部112は、例えば、図13に示されているように、選択バルブ44をバルブ主部132に固定するために、環状のリブ168上に配置される。
【0029】
図13はさらにノズル42が選択バルブ44上に配置されているとき、中央プラグ62は選択バルブ44の内側管状壁88によって規定される軸方向の通路102内に配置されることを示す。放出バルブ130の円筒形の部材138も、中央プラグ62と円筒形の部材138との間に空洞170が形成されるように、選択バルブ44の軸方向の通路102内に配置される。さらに、選択バルブ44のフィンガー108が、上述の回転防止機構を提供するために、放出バルブ130の長方形のカラム136の面と係合する。加えて、長方形のプラグ164が長方形の部屋142内に配置するために、放出バルブ130がバルブ主部132の円筒形のカラム162内に配置される。ノズル42、選択バルブ44、放出バルブ130、および円筒形のカラム162は、好ましくは、全て、図2および13に見られるように単一の軸に沿って整列される。
【0030】
ノズルアセンブリ40の限定しない一例においては、使用において、液体は、バルブ主部132の基礎壁160内の開口166を通り、放出バルブ130の端壁134の周辺を通過する。端壁134は、液体が通過することを可能にするように、円筒形の部材138に向かって弾性的にたわみ、端壁134上への前方向の圧力が存在しないときは弾性的に閉じる。本例においては、放出バルブ130および端壁134は、液体が一方向にノズルアセンブリ40を通って流れ、出口穴から出ることをのみを許容するチェックバルブとして機能する。図13および14を参照し、液体は放出バルブ130の端壁134を通過した後に、選択バルブ44の内側管状壁88内に配置されているチャネル106を通り、空洞170内へと向かう。
【0031】
ノズル42は、選択バルブ44の外側管状壁86のまわりを4つの一連の機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、第二の噴霧位置、および第二のオフ位置の間で、軸方向に回転可能である。両方のオフ位置においては、例えば、図17および20に示されているように、ノズル42の中央プラグ62内の凹部64は、軸方向の通路102と凹チャネル92との間の通路104を閉じるために、選択バルブ44の内側管状壁88を貫通する開口94とは整列しない。従って、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れることができない。しかしながら、例えば、図13、15、18、および19に示されている第一と第二の噴霧位置においては、中央プラグ62内の凹部64は、軸方向の通路102から凹チャネル92への通路102を開くように、選択バルブ44の内側管状壁88を貫通する開口94と整列する。この位置においては、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れることができる。
【0032】
液体通路104が開いている状態では、液体はここを通って凹チャネル92内に流れ、こぶ96の上を通って、出口穴から出る。例えば、図13に示されている第一の噴霧位置においては、第一の出口穴56はこぶ96上に整列し、第二の出口穴58は壁98上に整列する。液体は第一の出口穴56を通ってのみ流れ、他方、第二の出口穴58は壁98によって遮断される。例えば、図18に示されている第二の噴霧位置においては、第二の出口穴58はこぶ96上に整列し、第一の出口穴56は壁98上に整列する。液体は第二の出口穴58を通ってのみ流れ、他方、第一の出口穴56は壁98によって遮断される。
【0033】
より具体的には、第一の噴霧位置においては、第一の液体圧縮路がノズル42と選択バルブ44との間に規定される。この第一の液体圧縮路は第一の出口穴56とこぶ96との間に規定される第一の圧縮容積を含む。同様に、第二の噴霧位置においては、第二の液体圧縮路がノズル42と選択バルブ44との間に規定される。この第二の液体圧縮路は第二の出口穴58とバンプ96との間に規定される第二の圧縮容積を含む。この第二の圧縮容積は、第二の出口穴58のまわりのノズル42の端壁50内の凹部68のせいで、第一の圧縮容積より大きい。このため、第二の噴霧位置は、第一の噴霧位置におけるより大きな平均液滴サイズを有する液滴を有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0034】
一例においては、第一と第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さい平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の位置における平均液滴サイズの約二倍である。もう一の例においては、第二の噴霧位置は、概ね約90マイクロから約120マイクロの間の平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第一の噴霧位置は概ね約40マイクロから約60マイクロの間の平均液滴サイズを有する噴霧を生じる。さらにもう一の例においては、第二の噴霧位置は、約100マイクロの平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第一の噴霧位置は約40ミクロの平均液滴サイズを有する噴霧を生じる。
【0035】
ノズルアセンブリ40の異なる噴霧位置を分析するもう一つのやり方は、各々の噴霧位置におけるノズルアセンブリ40を通過する流体の流れと関連する圧力低下および/またはピーク速度に関する。一つの分析においては、約1から2ml/秒の間の、より具体的には約1.8ml/秒の、流速における水の定流がシミュレートされる。このような流速は、典型的な引き金噴霧器によって生成することができるが、ここではトリガポンプの1ストロークは、約0.5秒なるストローク時間で約0.9mlの容積を有する液体の流れを生成し、トリガポンプストローク当たり約0.8から1.8グラムの間の液体の出力を生成する。第一の噴霧位置においては、こうしてシミュレーションされた水の流れは、約39から40psi(約269から276kPa)の間の、より具体的には約39.1psi(約270kPa)の圧力低下を受け、約22から23m/sの間の、より具体的には約22.8m/sのピーク速度を有する。第二の噴霧位置においては、こうしてシミュレーションされた水の流れは、約15から16psi(約103から110kPa)の間の、より具体的には約15.8psi(約109kPa)の圧力低下を受け、約14から15m/sの間の、より具体的には約14.3m/sのピーク速度を有する。この例においては、第一と第二の噴霧位置における平均液滴サイズを推定するために、これら異なる圧力低下およびピーク速度に周知の計算流体力学「CFD」法を適用するらことができる。一つのCFD法によると、第一の噴霧位置は、約44マイクロなるザウター平均粒径(sauter mean diameter)と、約51マイクロなる最尤水滴平均直径を有する出力を生成し、第二の噴霧位置は、約94マイクロなるザウター平均粒径と、約108マイクロなる最尤水滴平均直径を有する出力を生成する。ザウター平均粒径とは、その容積の表面積に対する比が噴霧全体のそれに等しい液滴の直径である。
【0036】
図21から25は図1から20のノズルアセンブリ40と構造および機能において類似するが、以下に示される点が異なるもう一つの実施形態ノズルアセンブリ200を示す。ノズルアセンブリ200は選択バルブ204上に配置されるノズル202を含み、選択バルブ204はさらに図2のアウトレット部材46上に配置される。しかしながら、他の例においては、液体を液体ディスペンサの供給端からノズルに供給する異なるアウトレット部材を用いることもできる。本例におけるノズル202は、図1から5のノズル42と実質的に類似するが、端壁50は、空洞60に隣接するところで概ね平坦であり、端壁50を貫通して単一の出口穴206が配置される点が異なる。本例における選択バルブ204は、図2および図6から8の選択バルブ44と実質的に類似するが、凹チャネル92は向き合う開口94の第一の側との間に配置される第一のこぶ208と、向き合う開口94の第二の反対の側との間に配置される第二のこぶ210とを含む点が異なる。本例においては、第一のこぶ208は第二のこぶ210より大きな高さを有する。選択バルブ44の壁98とは対照的に、後に詳細に説明されるように、第二のこぶ210は、ノズルアセンブリが噴霧位置にあるとき、液体がその付近を流れることを許容する。
【0037】
使用において、液体はバルブ主部132の基礎壁160内の開口166を通って、放出ブルブ130の外周を通過する。その後、液体は内側管状壁88内に配置されているチャネル106を通って、空洞170内へと流れる。図21から25のノズルアセンブリ200も4つの一連の機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、第二の噴霧位置、第二のオフ位置の間で回転可能である。オフ位置においては、ノズル202の中央プラグ62内の凹部64は、選択バルブ204の内側管状壁88を貫通する開口94と整列せず、軸方向の通路102と凹チャネル92の間の通路104は閉じられる。このために、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れない。しかしながら、第一および第二の噴霧位置においては、中央プラグ62内の凹部64は、内側の軸方向の通路102と凹チャネル92の間の液体の通路104を開けるように、選択バルブ204の内側管状壁88を貫通する向き合う開口94と整列する。この位置においては、液体は空洞170から凹チャネル92内へと流れ込むことを許容される。
【0038】
液体通路104が開いた状態では、液体はそこを通って第一あるいは第二のこぶ208、210上の凹チャネル92内へと流れ込み、出口穴206から出る。図24に示されている第一の噴霧位置においては、凹チャネル92内の第一のこぶ208上に整列された出口穴206で第一の液体圧縮路が規定される。この第一の液体圧縮路は、第一のこぶ208と出口穴206との間に規定される第一の容積を有する第一の圧縮室を含む。図25に示されている第二の噴霧位置においては、第二のこぶ210上に整列された出口穴206で第二の液体圧縮路が規定される。この第二の液体圧縮路は、第二のこぶ210と出口穴206との間に規定される第二の容積を有する第二の圧縮室を含む。第二の圧縮容積は、第二のこぶ210は第一のこぶ208より高さが低いために、第一の圧縮容積よりも大きい。このために、第一の噴霧位置は第二の噴霧位置において射出される発散状の噴霧の第二の平均液滴サイズよりも小さな第一の平均液滴サイズを有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0039】
一例においては、第一および第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の噴霧位置における平均液滴サイズよりも大きい。
【0040】
図26から29は、アウトレット部材246上に配置されるノズル242を含むもう一つの実施形態のノズルアセンブリ240を示す。アウトレット部材246は、前の実施形態のアウトレット部材46と類似する選択バルブ130およびバルブ主部132を含む。ノズル242は端壁50から空洞60内へと延びる中央突起248および中央突起248の周囲に配置された複数の出口穴250を含む。さらに、概ね管状のプラグすなわちスリーブ252が端壁50から空洞60内へと延伸する。スリーブ252は中央突起248から放射状に離され、例えば、図28に示されているように、スリーブ252の内側面に沿って軸方向に延伸する一つもしくは複数の軸方向のチャネル254を含む。さらに、ノズル242の側壁54は第一のねじ山256を含み、バルブ主部132の円筒形のカラム162は第一のねじ山256と補完的な第二のねじ山258を含む。
【0041】
使用において、ノズル242は、第一のねじ山256が第二のねじ山258と係合し、スリーブ252が放出バルブ130の概ね円筒形の部材138の上および周囲に配置されるように、バルブ主部132の上および周囲に軸方向に配置される。流体はバルブ主部132の基礎壁160内の開口166内を流れ、放出バルブ130の外周を通過する。ノズルアセンブリ240は、少なくとも3つの機能上の位置、すなわち、第一の噴霧位置、第一のオフ位置、および第二の噴霧位置の間で回転可能である。追加の一連のオフおよび噴霧位置は、一部、ねじ山256、258の長さと、ノズル242およびスリーブ252の長さに依存する可能性もある。オフ位置においては、液体が出口穴250内に流れるのを防止するため、スリーブ252内の軸方向のチャネル254は円筒形の部材138内の軸方向のチャネル148とは整列しない。しかしながら、第一および第二の噴霧位置においては、液体が中央突起248を通過し、出口穴250から出るのを許容するように、スリーブ252内の軸方向のチャネル254は円筒形の部材138内の軸方向のチャネル148と整列する。
【0042】
制限しない一例として、図27から29は第一および第二の噴霧位置、およびオフ位置にあるノズルアセンブリ240を示す。より具体的には、図27は、アウトレット部材246から第一の軸方向距離だけ離して配置されているノズル242と、第一の噴霧位置にあるノズルアセンブリ240を示す。この第一の噴霧位置は、ノズル242と放出バルブ130の遠位端との間の第一の圧縮室260を含む第一の液体圧縮路を規定する。ノズル242をアウトレット部材246に対して時計回りに約90度だけ回転させると、ノズルアセンブリ240はオフ位置に配置され、図28にその一例が示されている。ノズル242をアウトレット部材246に対して同一の方向にさらに約90度だけ時計回りに回転させると、ノズルアセンブリ240は、このオフ位置から図29に示されている第二の噴霧位置へと移動する。第二の噴霧位置においては、ノズル242は放出バルブ130の遠位端からより大きな第二の軸方向距離だけ離して配置される。さらに、この第二の噴霧位置はノズル242と放出バルブ246との間の第二の圧縮室262を含む第二の液体圧縮路を含む。第一と第二のねじ山256、258の間の相互作用のために、ノズル242をアウトレット部材246に対して回転させると、ノズル242とアウトレット部材246および放出バルブ130の遠位端との間の軸方向の距離が変化する。本例においては、第二の距離は第一の距離よりも大きく、オフ位置においては、ノズル242はアウトレット部材246から第一と第二の距離の間の第三の距離だけ離して配置される。こうして、第一の噴霧位置にある第一の圧縮室260は第二の噴霧位置にある第二の圧縮室262より小さな第一の容積を有する。こうして、第二の噴霧位置は、第一の噴霧位置にあるときよりもより大きな平均液滴サイズを有する液滴を有する発散状の噴霧パターンを射出する。
【0043】
一例においては、第一および第二の噴霧位置は、概ね約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する噴霧を生じ、第二の噴霧位置における平均液滴サイズは第一の位置における平均液滴サイズより大きい。
【0044】
ここに開示される全ての実施形態において、渦チャンバーは、好ましくは、第一および第二の噴霧位置の両方には形成されない。しかしながら、幾つかの実施形態においては、必要であれば、渦チャンバーを形成することもできる。こうして、渦チャンバーあるいは他の渦誘発構造を含むノズルアセンブリも本開示の範囲内に入り得る。
【0045】
上で説明された個々の実施形態が有する個々の特徴の異なるおよび様々な可能な組合せを含む全ての他の実施形態もここに明確に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
ここに開示されるノズルアセンブリは約120マイクロより小さな平均液滴サイズを有する異なる発散状の液体噴霧アウトプットを生成するために適合される。これら異なる発散状の液体噴霧アウトプットは液体が空中に浮遊されるおよび/または表面に散布されるような用途に対して適する。
【0047】
当業者においては上の説明の観点から本発明に対する多数の変更が明白であろう。従って、この説明はもっぱら解説のためのものであり、当業者が本発明を製造および使用することを可能にすること、および本発明を実施する最良の形態を教示することを目的として提示されたものでると理解すべきである。添付のクレームの範囲内に入る全ての変更に対する排他的権利が保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給導管を規定するアウトレット部材と、
内部を貫通する出口穴を含むノズルであって、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置されているノズルと、
前記ノズルと前記アウトレット部材とによって規定される液体圧縮路であって、前記液体圧縮路は前記液体供給導管から前記出口穴に液体を供給する液体圧縮室を含む液体圧縮路と、を備え、
前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出する第二の噴霧位置との間で調節可能であり、
前記第一の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第一の容積を有し、前記第二の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は前記第一の容積より大きな第二の容積を有し、
前記液体噴霧は前記出口穴のすぐ上流の渦チャンバーなしに形成される液体ディスペンサ用のノズルアセンブリ。
【請求項2】
前記ノズルは第一の出口穴と第二の出口穴を含み、前記第一の噴霧位置においては、前記第一の容積を有する第一の圧縮室を形成するように、前記第一の出口穴が前記圧縮路と整列して、前記第二の出口穴は遮断され、前記第二の噴霧位置においては、前記第二の容積を有する第二の圧縮室を形成するように、前記第二の出口穴が前記圧縮室と整列して、前記第一の出口穴は遮断される請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項3】
前記液体圧縮路は前記第一の容積を有する第一の液体圧縮室と前記第二の容積を有する第二の液体圧縮室を含み、液体はそこを通るように導くために、前記第一の噴霧位置においては、前記出口穴は前記第一の圧縮室と整列し、前記第二の噴霧位置においては、液体はそこを通るように導くために、前記出口穴は前記第二の圧縮室と整列する請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記アウトレット部材と前記ノズルとの間に配置される選択バルブをさらに含み、前記液体圧縮室は前記選択バルブと前記ノズルとの間で規定される請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項5】
前記ノズルは前記選択バルブのまわりを回転可能であり、前記選択バルブは前記アウトレット部材に対して実質的に回転可能に固定されるように、前記選択バルブは回転防止機能を含む請求項4のノズルアセンブリ。
【請求項6】
前記選択バルブは、軸方向の通路を規定する内側壁から放射状に間隔をあけた外側壁と、前記軸方向の通路と隣接して、前記内側壁に軸方向に沿って延伸するチャネルと、凹チャネルを規定するために前記選択バルブの放出端から間隔をあけた前記外側壁と内側壁との間を延伸する端壁とをさらに含み、液体は前記液体供給導管から供給され、前記チャネルおよび前記軸方向の通路を通り、前記凹チャネルを通り、前記液体圧縮室に向かい、前記出口穴から出る請求項4のノズルアセンブリ。
【請求項7】
前記選択バルブの放出端近傍の前記内側壁を貫通する放射状の向き合う開口と、前記向き合う開口の第一の側との間に前記凹チャネル内に配置される第一のこぶと、前記向き合う開口の反対側の第二の側との間に前記凹チャネル内に配置される第二のこぶとをさらに含み、前記第一のこぶの高さは前記第二のこぶの高さより大きい請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記ノズルは、端壁を含み、前記出口穴は前記端壁から軸方向にオフされ、前記端壁を貫通して配置され、中央プラグが前記端壁から突起し、二つの横方向に向き合う凹部を有し、前記中央プラグは前記選択バルブの軸方向の通路内に配置される請求項7のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記選択バルブの放出端の近傍の前記内側壁を貫通する向き合う開口と、前記向き合う開口の第一の側との間に前記選択バルブの前記凹チャネル内に配置されているこぶと、前記向き合う開口の反対の第二の側との間を延伸する壁とをさらに含み、前記壁は液体が前記第二の側を通って流れることを実質的に防止する請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記ノズルはそれを貫通して配置された第一と第二の正反対に整列された出口穴を有する端壁と、そこから突出する中央プラグを含み、前記端壁の内側は前記第二の出口穴のまわりで凹部を付けられ、前記中央プラグは凹部を含み、前記選択バルブの前記軸方向の通路内に配置される請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記ノズルの前記端壁は前記第一と第二の出口穴の各々の向き合う側に配置されている軸方向に延伸するリッジを含み、前記第二の噴霧位置においては前記第二の出口穴を遮断し、前記第一の噴霧位置においては前記第一の出口穴を遮断するように、前記向き合う開口の前記第二の側との間を延伸する前記壁は前記リッジと相互作用する軸方向に延伸するチャネルを含む請求項10のノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記第一の噴霧位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から第一の軸方向の距離だけ間隔をあけ、前記第二の噴霧位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から第一の距離よりも大きな第二の軸方向の距離だけ間隔をあける請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項13】
前記ノズルは前記液体噴霧の放出を防止するオフ位置に調節可能であり、前記オフ位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から前記第一と前記第二の軸方向の距離の間の第三の軸方向の距離だけ間隔をあける請求項12のノズルアセンブリ。
【請求項14】
前記アウトレット部材は、端壁と前記端壁から軸方向に突起する概ね円筒形の部材を含む放出バルブをさらに含み、前記円筒形の部材は中央穴とそこを前記中央穴へと延伸する第一の軸方向のチャネルを有し、
さらに、前記ノズルが端壁と、前記端壁から突起する中央突起と、前記中央突起のまわりに配置された少なくとも一つの出口穴と、前記中央突起から放射状に間隔をあけ、前記端壁から突起するスリーブと、前記スリーブに沿って配置された第二の軸方向のチャネルとを含み、
前記スリーブは前記放出バルブの前記円筒形の部材上に配置され、前記第二の軸方向のチャネルは前記第一の軸方向のチャネルと選択的に整列するように回転可能にに移動できる請求項12のノズルアセンブリ。
【請求項15】
液体を第一の平均液滴直径サイズを有する第一の液体噴霧アウトプットとして空中に、最小の液滴の落下で散布するため、および前記液体を第二の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットとして表面に散布するための単一の調節可能なノズルアセンブリを使用する方法であって、
単一の調節可能なノズルアセンブリを提供するステップであって、前記ノズルアセンブリは第一の不連続の液体圧縮路と第二の不連続の液体圧縮路を規定し、前記ノズルアセンブリは前記第一と前記第二の液体圧縮路の間の連続的に可変な調節は与えないステップと、
前記第一の液体圧縮路を形成するために、前記ノズルアセンブリを調節するステップと、
前記第一の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、
前記ノズルアセンブリから第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップであって、前記第一の液体噴霧は、周囲の空気内へのかなりの量の蒸発を確保することで周囲の表面上に液滴が落ちるのを最小化するように選択された平均液滴直径サイズを有するステップと、
前記第一の液体噴霧アウトプットを周囲の空気中に、前記第一の液体噴霧アウトプットが周囲の表面に到達する前に実質的に完全に蒸発することができるように選択された方法で射出するステップと、
前記第二の液体圧縮路を形成するために、前記ノズルアセンブリを調節するステップと、
前記液体を前記第二の液体圧縮路を通じて汲み上げるステップと、
前記ノズルアセンブリから前記第一の噴霧アウトプットの平均液滴サイズの少なくとも二倍の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットを生成するステップと、
前記第二の液体噴霧アウトプットを表面に対して射出するステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記液体を前記第一および第二の液体圧縮路を通じて汲み上げるステップは、約0.8から1.8グラムの間の液体を約1.8ml/sの流速にて汲み上げるステップを含み、前記第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップは、約23ml/sのピーク速度で出口穴において約270kPaの圧力降下を生成するステップを含み、前記第二の液体噴霧アウトプットを生成するステップは、約14ml/sのピーク速度にて出口穴において約109kPaの圧力降下を生成するステップをさらに含む請求項15の方法。
【請求項17】
前記第二の液体噴霧アウトプットを生成し、前記第二の液体噴霧アウトプットを前記表面に射出するステップは、前記ノズルアセンブリを前記表面から約25cmから46cmの間だけ離れたところに位置決めするステップと、前記液体を前記表面に最適に塗布するために、前記表面のところで約15cmから約36cmの間の直径を有する概ね円錐状の噴霧アウトプットを生成するステップを含む、請求項15の方法。
【請求項18】
前記第一の液体噴霧アウトプットは約40マイクロから約60マイクロの間の平均液滴直径サイズを有し、前記第二の液体噴霧アウトプットは約90マイクロから約120マイクロの間の平均液滴直径サイズを有し、前記第一の液体圧縮路は、約0.38mmの直径と約1.14mmの長さを有する第一の出口穴を含み、前記第二の液体圧縮路は、約0.48mmの直径と約1.14mmの長さを有する第二の出口穴を含み、前記方法は前記液体を前記第一および第二の出口穴に前記第一および第二の出口穴のすぐ上流の実質的に妨害のない直接の放射状の流路を通じて供給することをさらに備える請求項15の方法。
【請求項19】
液体ディスペンサ用のノズルアセンブリであって、
液体供給導管を規定するアウトレット部材と、
出口穴を含むノズルであって、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置されるノズルと、
前記ノズルと前記アウトレット部材との間に規定される液体圧縮路であって、前記液体圧縮路は液体を前記液体供給導管から前記出口穴に供給する液体圧縮室を含み、前記液体圧縮室は前記出口穴のすぐ上流にあり、前記出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を提供する液体圧縮路と、を含み、
前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第二の噴霧位置との間で調節可能であり、
前記第一の平均液滴サイズは約40マイクロメートルから約60マイクロメートルの間であり、前記第二の平均液滴サイズは約90マイクロメートルから約120マイクロメートルの間であるノズルアセンブリ。
【請求項20】
前記アウトレット部材と前記ノズルとの間に配置される選択バルブをさらに含み、前記選択バルブは液体通路と、前記液体通路と連通するその放出端のところの凹チャネルとを規定し、
前記ノズルはそこを貫通して配置された第一と第二の出口穴を有する端壁を含み、前記端壁の内側は前記第二の出口穴のまわりで凹部を設けられ、前記第二の出口穴は前記第一の出口穴より大きく、
前記第一の噴霧位置においては、前記第一の出口穴が前記選択バルブの凹チャネルと整列して、前記第二の出口穴は遮断され、前記第二の噴霧位置においては、前記第二の出口穴が前記選択バルブの凹チャネルと整列して、前記第二の出口穴は遮断される請求項19のノズルアセンブリ。
【請求項1】
液体供給導管を規定するアウトレット部材と、
内部を貫通する出口穴を含むノズルであって、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置されているノズルと、
前記ノズルと前記アウトレット部材とによって規定される液体圧縮路であって、前記液体圧縮路は前記液体供給導管から前記出口穴に液体を供給する液体圧縮室を含む液体圧縮路と、を備え、
前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する液体噴霧を射出する第二の噴霧位置との間で調節可能であり、
前記第一の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は第一の容積を有し、前記第二の噴霧位置においては、前記液体圧縮室は前記第一の容積より大きな第二の容積を有し、
前記液体噴霧は前記出口穴のすぐ上流の渦チャンバーなしに形成される液体ディスペンサ用のノズルアセンブリ。
【請求項2】
前記ノズルは第一の出口穴と第二の出口穴を含み、前記第一の噴霧位置においては、前記第一の容積を有する第一の圧縮室を形成するように、前記第一の出口穴が前記圧縮路と整列して、前記第二の出口穴は遮断され、前記第二の噴霧位置においては、前記第二の容積を有する第二の圧縮室を形成するように、前記第二の出口穴が前記圧縮室と整列して、前記第一の出口穴は遮断される請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項3】
前記液体圧縮路は前記第一の容積を有する第一の液体圧縮室と前記第二の容積を有する第二の液体圧縮室を含み、液体はそこを通るように導くために、前記第一の噴霧位置においては、前記出口穴は前記第一の圧縮室と整列し、前記第二の噴霧位置においては、液体はそこを通るように導くために、前記出口穴は前記第二の圧縮室と整列する請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記アウトレット部材と前記ノズルとの間に配置される選択バルブをさらに含み、前記液体圧縮室は前記選択バルブと前記ノズルとの間で規定される請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項5】
前記ノズルは前記選択バルブのまわりを回転可能であり、前記選択バルブは前記アウトレット部材に対して実質的に回転可能に固定されるように、前記選択バルブは回転防止機能を含む請求項4のノズルアセンブリ。
【請求項6】
前記選択バルブは、軸方向の通路を規定する内側壁から放射状に間隔をあけた外側壁と、前記軸方向の通路と隣接して、前記内側壁に軸方向に沿って延伸するチャネルと、凹チャネルを規定するために前記選択バルブの放出端から間隔をあけた前記外側壁と内側壁との間を延伸する端壁とをさらに含み、液体は前記液体供給導管から供給され、前記チャネルおよび前記軸方向の通路を通り、前記凹チャネルを通り、前記液体圧縮室に向かい、前記出口穴から出る請求項4のノズルアセンブリ。
【請求項7】
前記選択バルブの放出端近傍の前記内側壁を貫通する放射状の向き合う開口と、前記向き合う開口の第一の側との間に前記凹チャネル内に配置される第一のこぶと、前記向き合う開口の反対側の第二の側との間に前記凹チャネル内に配置される第二のこぶとをさらに含み、前記第一のこぶの高さは前記第二のこぶの高さより大きい請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記ノズルは、端壁を含み、前記出口穴は前記端壁から軸方向にオフされ、前記端壁を貫通して配置され、中央プラグが前記端壁から突起し、二つの横方向に向き合う凹部を有し、前記中央プラグは前記選択バルブの軸方向の通路内に配置される請求項7のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記選択バルブの放出端の近傍の前記内側壁を貫通する向き合う開口と、前記向き合う開口の第一の側との間に前記選択バルブの前記凹チャネル内に配置されているこぶと、前記向き合う開口の反対の第二の側との間を延伸する壁とをさらに含み、前記壁は液体が前記第二の側を通って流れることを実質的に防止する請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記ノズルはそれを貫通して配置された第一と第二の正反対に整列された出口穴を有する端壁と、そこから突出する中央プラグを含み、前記端壁の内側は前記第二の出口穴のまわりで凹部を付けられ、前記中央プラグは凹部を含み、前記選択バルブの前記軸方向の通路内に配置される請求項6のノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記ノズルの前記端壁は前記第一と第二の出口穴の各々の向き合う側に配置されている軸方向に延伸するリッジを含み、前記第二の噴霧位置においては前記第二の出口穴を遮断し、前記第一の噴霧位置においては前記第一の出口穴を遮断するように、前記向き合う開口の前記第二の側との間を延伸する前記壁は前記リッジと相互作用する軸方向に延伸するチャネルを含む請求項10のノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記第一の噴霧位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から第一の軸方向の距離だけ間隔をあけ、前記第二の噴霧位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から第一の距離よりも大きな第二の軸方向の距離だけ間隔をあける請求項1のノズルアセンブリ。
【請求項13】
前記ノズルは前記液体噴霧の放出を防止するオフ位置に調節可能であり、前記オフ位置においては、前記ノズルは前記アウトレット部材から前記第一と前記第二の軸方向の距離の間の第三の軸方向の距離だけ間隔をあける請求項12のノズルアセンブリ。
【請求項14】
前記アウトレット部材は、端壁と前記端壁から軸方向に突起する概ね円筒形の部材を含む放出バルブをさらに含み、前記円筒形の部材は中央穴とそこを前記中央穴へと延伸する第一の軸方向のチャネルを有し、
さらに、前記ノズルが端壁と、前記端壁から突起する中央突起と、前記中央突起のまわりに配置された少なくとも一つの出口穴と、前記中央突起から放射状に間隔をあけ、前記端壁から突起するスリーブと、前記スリーブに沿って配置された第二の軸方向のチャネルとを含み、
前記スリーブは前記放出バルブの前記円筒形の部材上に配置され、前記第二の軸方向のチャネルは前記第一の軸方向のチャネルと選択的に整列するように回転可能にに移動できる請求項12のノズルアセンブリ。
【請求項15】
液体を第一の平均液滴直径サイズを有する第一の液体噴霧アウトプットとして空中に、最小の液滴の落下で散布するため、および前記液体を第二の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットとして表面に散布するための単一の調節可能なノズルアセンブリを使用する方法であって、
単一の調節可能なノズルアセンブリを提供するステップであって、前記ノズルアセンブリは第一の不連続の液体圧縮路と第二の不連続の液体圧縮路を規定し、前記ノズルアセンブリは前記第一と前記第二の液体圧縮路の間の連続的に可変な調節は与えないステップと、
前記第一の液体圧縮路を形成するために、前記ノズルアセンブリを調節するステップと、
前記第一の液体圧縮路を通じて液体を汲み上げるステップと、
前記ノズルアセンブリから第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップであって、前記第一の液体噴霧は、周囲の空気内へのかなりの量の蒸発を確保することで周囲の表面上に液滴が落ちるのを最小化するように選択された平均液滴直径サイズを有するステップと、
前記第一の液体噴霧アウトプットを周囲の空気中に、前記第一の液体噴霧アウトプットが周囲の表面に到達する前に実質的に完全に蒸発することができるように選択された方法で射出するステップと、
前記第二の液体圧縮路を形成するために、前記ノズルアセンブリを調節するステップと、
前記液体を前記第二の液体圧縮路を通じて汲み上げるステップと、
前記ノズルアセンブリから前記第一の噴霧アウトプットの平均液滴サイズの少なくとも二倍の平均液滴直径サイズを有する第二の液体噴霧アウトプットを生成するステップと、
前記第二の液体噴霧アウトプットを表面に対して射出するステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記液体を前記第一および第二の液体圧縮路を通じて汲み上げるステップは、約0.8から1.8グラムの間の液体を約1.8ml/sの流速にて汲み上げるステップを含み、前記第一の液体噴霧アウトプットを生成するステップは、約23ml/sのピーク速度で出口穴において約270kPaの圧力降下を生成するステップを含み、前記第二の液体噴霧アウトプットを生成するステップは、約14ml/sのピーク速度にて出口穴において約109kPaの圧力降下を生成するステップをさらに含む請求項15の方法。
【請求項17】
前記第二の液体噴霧アウトプットを生成し、前記第二の液体噴霧アウトプットを前記表面に射出するステップは、前記ノズルアセンブリを前記表面から約25cmから46cmの間だけ離れたところに位置決めするステップと、前記液体を前記表面に最適に塗布するために、前記表面のところで約15cmから約36cmの間の直径を有する概ね円錐状の噴霧アウトプットを生成するステップを含む、請求項15の方法。
【請求項18】
前記第一の液体噴霧アウトプットは約40マイクロから約60マイクロの間の平均液滴直径サイズを有し、前記第二の液体噴霧アウトプットは約90マイクロから約120マイクロの間の平均液滴直径サイズを有し、前記第一の液体圧縮路は、約0.38mmの直径と約1.14mmの長さを有する第一の出口穴を含み、前記第二の液体圧縮路は、約0.48mmの直径と約1.14mmの長さを有する第二の出口穴を含み、前記方法は前記液体を前記第一および第二の出口穴に前記第一および第二の出口穴のすぐ上流の実質的に妨害のない直接の放射状の流路を通じて供給することをさらに備える請求項15の方法。
【請求項19】
液体ディスペンサ用のノズルアセンブリであって、
液体供給導管を規定するアウトレット部材と、
出口穴を含むノズルであって、前記ノズルは前記アウトレット部材の一端上に配置されるノズルと、
前記ノズルと前記アウトレット部材との間に規定される液体圧縮路であって、前記液体圧縮路は液体を前記液体供給導管から前記出口穴に供給する液体圧縮室を含み、前記液体圧縮室は前記出口穴のすぐ上流にあり、前記出口穴への実質的に妨害のない直接の放射状の流路を提供する液体圧縮路と、を含み、
前記ノズルは第一の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第一の噴霧位置と、前記第一の平均液滴サイズより大きな第二の平均液滴サイズを有する発散状の液体噴霧を射出するための第二の噴霧位置との間で調節可能であり、
前記第一の平均液滴サイズは約40マイクロメートルから約60マイクロメートルの間であり、前記第二の平均液滴サイズは約90マイクロメートルから約120マイクロメートルの間であるノズルアセンブリ。
【請求項20】
前記アウトレット部材と前記ノズルとの間に配置される選択バルブをさらに含み、前記選択バルブは液体通路と、前記液体通路と連通するその放出端のところの凹チャネルとを規定し、
前記ノズルはそこを貫通して配置された第一と第二の出口穴を有する端壁を含み、前記端壁の内側は前記第二の出口穴のまわりで凹部を設けられ、前記第二の出口穴は前記第一の出口穴より大きく、
前記第一の噴霧位置においては、前記第一の出口穴が前記選択バルブの凹チャネルと整列して、前記第二の出口穴は遮断され、前記第二の噴霧位置においては、前記第二の出口穴が前記選択バルブの凹チャネルと整列して、前記第二の出口穴は遮断される請求項19のノズルアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2012−520760(P2012−520760A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500785(P2012−500785)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/000791
【国際公開番号】WO2010/107483
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/000791
【国際公開番号】WO2010/107483
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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