説明

液体ディスペンサ装置

加圧容器内に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリが提供され、該アセンブリは、(v)第1の端部に液体入口を有する、細長のチューブ状ハウジングと、(vi)ハウジングの中に本体を有し、かつハウジングの第2の端部から突出した部分を有するバルブ軸であって、アセンブリが液体の吐出に対して閉鎖される第1の限界部分と定量を吐出するための第2の限界位置との間をハウジングに対して相対的に軸方向に移動可能なバルブ軸と、(vii)バルブ軸の本体内部に備えられ、かつハウジングの第1の端部に隣接する第1の端における液体入口と、反対側の第2の端に向かう第1の流体移動通路とを有するチャンバであって、第1の流体移動通路はチャンバとバルブ軸の外側との間を連通するチャンバと、(viii)チャンバに沿って、液体充填位置から液体吐出位置までを移動して定量の液体を吐出することが可能な液体吐出要素とを備え、ここで、(c)バルブ軸本体の外側とハウジングの内側とは、バルブ軸の第1の位置において、ハウジングの入口と第1の流体移動通路との間にバルブ軸の外側に沿う第2の流体移動通路があるように構成され、(d)バルブ軸がその第1の位置から第2の位置へ移動して第2の流体移動通路を流体流に対して閉鎖する際に、受座の上への相対的な摺動運動に対して、シールが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定容量の液体を放出するための液体ディスペンサ装置に関する。本発明はより具体的には(ただしそれに限定するものではないが)、エアゾールディスペンサ装置の形式の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール容器内部から自己推進方式で液体を送出する方法には、(i)その液体の溶液中に圧力下で溶解させた気体を利用して押し出す方式と、(ii)エアゾール容器内に実質的に不溶解の圧縮気体を供給する方式、の大きく分けて2つの方式がある。推進剤として溶解気体(例えば、ブタンなどの液化天然ガス)を利用するエアゾール装置は、加圧されたエアゾール容器から大気に分散させるときに生じる圧力降下の結果として、溶液内から溶解気体を瞬間的に気化させることを利用している。ほかの推進方式として、不溶解性の圧縮気体(例えば窒素、二酸化炭素、または空気)を供給して、エアゾール容器本体から液体を噴出させる方法もある。
【0003】
医薬、空気浄化、殺虫、および殺菌用のエアゾール用途の多くにおいては、秤量された一定量をエアゾール容器から送出することが要求される。そして、上記の2つの推進方式に関して定量エアゾール弁が開示されている。
【0004】
溶解気体による推進方式の場合、充填段階において、推進剤と液体の定量溶液が、エアゾール容器本体から計量チャンバに送られ、次に吐出段階で大気に開放されて、溶解気体が蒸発(「瞬間蒸発」として知られている)して一定量を計量チャンバから大気中へ押し出す。このようなエアゾール装置で利用される溶解型の推進剤としては、典型的にはブタンが使用され、ブタンを大気中に放出することは、火災に対する危険性とともに、環境とコストに関する有害性が懸念される。このような揮発性の推進剤の利用を回避することは、環境関連の重要事項である。
【0005】
送出される液体が比較的非圧縮性の高い性質であるために、定量の送出液体が、計量チャンバから自分自身で自動的に噴出するということはない。したがって、噴出させるためにいくつかの方法が採られてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3394851号公報
【特許文献2】米国特許第4953759号公報
【特許文献3】米国特許第5037013号公報
【特許文献4】国際公開第95/11841号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ある方法では、ある量の圧縮気体をエアゾール容器から計量チャンバへ流出させ、それによって付随する液体を放出時にその計量チャンバから押し出すことのできるエアゾール弁が考案された。この装置は米国特許第3394851号公報に記載されている。しかしこの装置ではエアゾール容器中の気体の圧力を消耗するので、気体に対する液体の割合を大きくすることが必要で、製造コストに対する懸念が出てくる。
【0008】
これに代わる方法として、計量チャンバの一部にエラストマ膜を利用する方法があり、この膜は計量チャンバに充填する際に膨張し、次の放出段階で計量チャンバ内に収縮することで、計量チャンバから液体の内容物を押し出す。関連するその他の方法として、弾性ベローズを利用する方法が知られている。これらの装置は、米国特許第4953759号公報、米国特許第5037013号公報、及び国際公開第95/11841号パンフレットに記載されている。このような弾性のある壁を利用する計量弁は、弾性壁材料のばらつき、関連する製造歩留りへの影響、並びに弾性壁材料の劣化による経時的な性能低下を受けやすい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、加圧されたもしくは加圧可能な容器に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリが提供され、このアセンブリは、(i)第1の端部に液体入口を有する、細長のチューブ状ハウジングと、(ii)ハウジングの中に本体を有し、かつハウジングの第2の端部から突出した部分を有するバルブ軸であって、アセンブリが液体吐出に対して閉鎖される第1の限界部分と定量を吐出するための第2の限界位置との間をハウジングに対して軸方向に相対的に移動可能なバルブ軸と、(iii)バルブ軸の本体内部に備えられ、かつハウジングの第1の端部に隣接する第1の端における液体入口と、反対側の第2の端に向かう第1の流体移動通路とを有するチャンバであって、第1の流体移動通路はチャンバとバルブ軸の外側との間を連通するチャンバと、(iv)チャンバに沿って、液体充填位置から液体吐出位置までを移動して定量の液体を吐出することが可能な液体吐出要素とを備え、ここで、(a)バルブ軸本体の外側とハウジングの内側とは、バルブ軸の第1の位置において、ハウジングの入口と第1の流体移動通路との間にバルブ軸の外側に沿う第2の流体移動通路があるように構成され、(b)バルブ軸がその第1の位置から第2の位置へ移動して第2の流体移動通路を流体流に対して閉鎖する際に、受座の上への相対的な摺動運動に対して、シールが設けられている。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、加圧されたまたは加圧可能な容器をさらに備え、加圧された容器内に保持されている液体の定量を吐出するための本発明の第1の態様による吐出アセンブリが提供される。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、装置の加圧された容器内に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリを有する液体ディスペンサ装置が提供され、この装置は、容器からの流体圧力によって液体の充填位置から液体の吐出位置まで移動して液体の定量を吐出させることが可能であり、また復元力によってその液体の吐出位置からその液体の充填位置まで移動可能な液体吐出要素が組み込まれた、計量チャンバを有する。
【0012】
本発明の第1の態様の液体吐出アセンブリは、本発明の第3の態様で規定される液体ディスペンサ装置での使用に特に好適であることを理解されたい。従って、本発明の第1の態様の好適な実施形態によれば、装置の加圧された容器内に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリを有する液体ディスペンサ装置が提供され、この装置は、容器からの流体圧力によって液体の充填位置から液体の吐出位置まで移動して液体の定量を吐出させることが可能であり、また復元力によってその液体の吐出位置からその液体の充填位置まで移動可能な液体吐出要素が組み込まれた、計量チャンバを有し、ここでこの吐出アセンブリは本発明の第1の態様によるものである。
【0013】
したがって、本発明によれば、容器内の圧力により(吐出するために)計量チャンバに沿って動く液体吐出要素によって装置から定量の液体が分配される。有利なことには、本発明は、装置寿命の間中、均一な定量液体推進剤を送達し、廉価に製造でき、狭い性能公差を高歩留りで製造可能であり、製品の全寿命期間に亘って部品の経時変化に対する耐性を有する、圧縮気体推進の液体ディスペンサ装置を提供する。さらに、本発明は、エアゾール容器からのガス流入を必要とせずに高品位の液体エアゾールを作り出し、これにより、運転寿命期間に亘ってエアゾール噴霧性能を実質的に一定に維持できる。
【0014】
本発明による装置は好ましくはエアゾール噴霧装置の形態である。
【0015】
本発明の液体ディスペンサ装置に用いられている液体吐出要素は、好ましくは剛体であって、これにより柔軟性のある液体吐出要素にありがちな連続する吐出間での容量変動がなく、既知容量の液体を確実に分配できる。
【0016】
本発明による好適な装置構造において本装置は、液体吐出要素(好ましくは円筒形ピストン、または球の形態)の計量チャンバ内での液体充填位置から液体吐出位置までの動きが復元力に抗して行われるような構成となっている。つまり、復元力は、装置の再充填のときばかりでなく、装置からの吐出の間に印加される。復元力は、液体吐出要素が分配される液体中では負の浮力を持ち、計量チャンバ内では“沈降(sink)”する傾向を有することによって与えられることが都合よい。液体吐出要素は、例えばステンレススチール(ステンレス鋼)などの金属製であってよい。あるいは、適切な重さを持った(例えば、金属インサートを利用した、または緻密化剤を混入させた)合成高分子材料であってもよい。これに代わって、またはこれに追加して、復元力はばねで与えられてもよい。
【0017】
計量チャンバは好ましくは、バルブ軸内に備えられ、液体吐出要素が計量チャンバの内表面に沿って可動である。好ましくは液体吐出要素は、ピストンの形態をしていて、それは好ましくは球形または円筒形である。装置が正確な容量を秤量するのに利用される場合には(例えば医薬用途において)、この液体吐出要素は、バルブ軸及び/又は計量チャンバの内壁から密閉されてもよい。好ましくは、液体吐出要素と計量チャンバとの間の隙間は、液体吐出要素と計量チャンバとを密閉するのに十分であるが、液体吐出要素の第1と第2の限界位置の間の移動が計量チャンバの壁との摩擦であまり阻害されない程度のものである。
【0018】
液体吐出要素が円筒形ピストンではなく球形であることの特別な利点は、液体吐出要素と計量チャンバとの間を十分に密閉することができる一方で、計量チャンバの壁と球との間の摩擦が最小化できることであり、これにより、例えば円筒形ピストンに比べて球の場合にはより自由な移動が可能となる。また、円筒形ピストンに対しては製造公差が球よりもより厳しい。それは球が円筒形ピストンに比べてより自由に転動および回転できるからである。
【0019】
本発明による好適な装置構造は、液体吐出要素の第1の側が計量チャンバに面し、反対の第2の側が容器からの流体圧にさらされるようになっている。このような構成においては、計量チャンバは液体吐出要素の第1の側にあり、容器から計量チャンバへ液体を導入し、計量チャンバから液体を吐出するための入口/出口を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、入口と出口は別々であってもよい。しかし本発明の他の実施形態では、1つのポートが入口と出口の両方の機能を果たしてもよい。
【0020】
一般的に本発明による装置には、バルブ軸を組み込んだアクチュエータアセンブリが組み込まれており、このバルブ軸は好ましくは、第1の限界位置から第2の限界位置まで付勢手段(例えばコイルばね)に逆らって動くようになっている。アクチュエータアセンブリには好ましくはバルブ軸が組み込まれている。アクチュエータアセンブリにはさらにアクチュエータキャップが組み込まれていてもよい。
【0021】
本発明の好適な実施形態では、バルブ軸には吐出導管構造があって、そこには液体をその吐出導管構造に導入する入口と装置から液体を吐出する出口とがある。この実施形態にはバルブ構造も組み込まれていて、バルブ軸が第1の限界位置にある場合、液体が加圧容器から入口/出口構造を通って計量チャンバ内に流入して計量チャンバを充填し、かつこの入口/出口構造から計量チャンバの外へは流出しないような構成になっている。逆に、バルブ軸が第2の限界位置にある場合には、液体は計量チャンバから入口/出口構造を経由して流出して吐出導管に入って計量チャンバからの吐出を行い、入口/出口構造から計量チャンバへは流入しない。
【0022】
計量チャンバの外表面に1つの圧力等化溝が備えられていて、バルブ軸が第1の限界位置にある場合に、バルブ軸の吐出導管構造内の圧力と容器内の圧力を同じにできるようになっていてもよい。
【0023】
バルブ軸は、その軸を中心として第1と第2の回転位置の間で回転可能となっていて、この装置は、バルブ軸が第1の回転位置にある場合にはバルブ軸が第2の限界位置を越えて移動することができないようになっているが、第2の回転位置ではそれが可能であって、装置への充填及び/又は詰め替えができるようになっていてもよい。有利なことには、装置の充填及び/又は詰め替えを可能とするそのような軸の回転仕様は、通常の使用時にユーザがバルブ軸を誤って充填位置に押し込むことを防止できる。
【0024】
計量チャンバがバルブ軸内部にあると、計量チャンバがバルブ軸を取り囲んでいる(バルブ軸の周囲を取り囲んでいる)場合に比べて構造が簡単になる利点がある。有利なことには、そのような計量チャンバは、小さくかつ正確な定量を有する計量チャンバを持つ装置を提供するのに特に好適である。バルブ軸は第2の限界位置から第1の限界位置に向かって、好ましくはバネによって、最も好ましくはコイルばねによって付勢されていてもよい。
【0025】
好ましくは、ハウジングの下部壁には、ハウジングへの入口を画定する下向きの差込口が備えられている。加圧容器からの液体は、好ましくはこの差込口を通ってハウジングに入る。好ましくは、差込口はハウジングの下部壁から延びて、バルブ軸の少なくとも一部と係合することができる。好ましくは、コイルばねが差込口の上にあって、バルブ軸が第2の限界位置にある場合には、ばねがバルブ軸を第1の位置の方向へ付勢する。
【0026】
好ましくは、バルブ軸の一部がそこから突出するハウジングの端部にシールが設けられている。好ましくは、このシールは環状シールであって、バルブ軸がハウジングから出る地点で、そのバルブ軸の周囲を密閉する。シールは、ハウジング内での第1と第2の限界位置の間をバルブ軸が相対的に摺動運動することが可能なようになっている。
【0027】
好ましくは、計量チャンバは実質的に円筒形断面である。
【0028】
好ましくは、液体吐出要素は球形である。好ましくは、液体吐出要素の直径は、計量チャンバの直径に非常に近く、これにより計量チャンバの内周と密閉接触またはほぼ密閉接触ができる。
【0029】
好ましくは、受座の上への相対的摺動運動に対するシールは、環状シールである。好ましくは、シールはO−リングである。好ましくは、O−リングはゴム製またはプラスチック材料製である。好ましくは、シールはバルブ軸本体の外側にある環状溝の中に少なくとも部分的に埋め込まれている。好ましくは、シールはバルブ軸本体の外側に設けられ、受座がハウジングの内面に設けられている。
【0030】
好ましくは、受座はハウジングの第2の端から下向きに斜めになっている。
【0031】
好ましくは、液体吐出要素は、その液体吐出位置から液体充填位置への復元力によって移動可能である。
【0032】
好ましくは、液体吐出要素は、少なくとも復元力の一部を提供するために、分配される液体中では負の浮力を示す。
【0033】
好ましくは、バルブ軸は本体部分とそれより直径の小さいヘッド部とからなる。ヘッド部は好ましくは、その基底部が本体の上端に画定された肩部によって囲まれている。ヘッド部は好ましくは、ハウジングの第2の端部に設けられた環状シール内で移動可能である。好ましくは、ヘッド部は、ヘッド部の出口と連通する第3の流体移動通路を有しており、この第3の移動通路は、バルブ軸が第1の位置にある場合にはハウジングの外側にあり、第2の位置にある場合にはハウジング内にある。好ましくは、ハウジングへの入口はチャンバと同軸になっている。
【0034】
好ましくは、本発明の吐出アセンブリは、バルブ軸が第2の限界位置にあり、かつ吐出要素が液体充填位置にある場合、ハウジングの液体入口とバルブ軸本体内部のチャンバとの間に補充流通路構造があって、使用時に吐出アセンブリを取り付ける容器の詰め替えが可能となるようになっている。好ましくは、吐出アセンブリは細長のチューブ状ハウジングの内部でその液体入口の周りに備えられたチューブ状の突起からなり、吐出要素が液体充填位置にある場合には補充通路構造は、チューブ状突起の壁の中の少なくとも1つの通路と、流体に到達可能なチャンバの壁にある少なくとも1つの通路とによって与えられる。
【0035】
あるいは、またはさらに、チャンバは長さ方向に直径が変化している内孔を備えていてもよい。内孔の第1の直径は、チャンバと液体吐出要素との間の密閉を行うために、液体吐出要素の直径に非常に近い。第1の直径よりも大きい、第2の直径があって、液体吐出要素を密閉しないようになっていてもよい。これは、液体吐出要素がこの大きな直径の内孔の位置にあるときに、(特に液体吐出要素が球である実施形態において)流体が液体吐出要素の周りを流れることを可能とする。好ましくは、この大きな直径の内孔はチャンバの長さの一部に沿って存在し、その両側が第1の直径の内孔に繋がっている。
【0036】
好ましくは、本発明の装置は、
(i)第1の限界位置から第2の限界位置まで動くように適合されたバルブ軸を組み込んだアクチュエータアセンブリであって、バルブ軸が液体を導入する入口と装置から液体を吐出する出口とを有する吐出導管構造を備えたアクチュエータアセンブリと、
(ii)バルブ軸がその第1の限界位置にある場合に、液体は計量チャンバから入口/出口構造を通って吐出導管へは流れず、かつバルブ軸がその第2の限界位置にある場合に液体は計量チャンバから入口/出口構造を通って吐出導管へ流れ出るようになっている、バルブ構造と、を備える。
【0037】
この実施形態においては吐出アセンブリは好ましくはハウジングを備え、そこでは、
(i)ハウジングの内表面とバルブ軸の外表面の間に環状空間が備えられ、
(ii)液体吐出要素を備えた計量チャンバがバルブ軸内に備えられている。
【0038】
この実施形態においては吐出アセンブリは好ましくは以下の特徴を有する。
(i)ハウジングは、第1の端部に液体入口を有する、細長のチューブ状ハウジングである。
(ii)バルブ軸は、そのハウジング内に位置する本体を有し、かつハウジングの第2の端部から突出する部分を有する。
(iii)計量チャンバは、ハウジングの第1の端部に隣接する第1の端における液体入口と、反対側のチャンバの第2の端に向かう第1の流体移動通路とを有し、この第1の流体移動通路はチャンバとバルブ軸の外側との間を連通する。
(iv)バルブ軸本体の外側とハウジングの内側とは、バルブ軸の第1の位置において、ハウジングの入口と第1の流体移動通路との間にバルブ軸の外側に沿う第2の流体移動通路があるように構成さている。
(v)バルブ構造は、バルブ軸がその第1の位置から第2の位置へ移動して第2の流体移動通路を流体流に対して閉鎖する際に、受座の上への相対的な摺動運動に備えたシールが設けられている。
【0039】
本発明を、添付の図面を例示としてのみ参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】本発明の第1の態様による、吐出アセンブリの一実施形態であり、動作の連続的な段階を示す図である。
【図1B】本発明の第1の態様による、吐出アセンブリの一実施形態であり、動作の連続的な段階を示す図である。
【図2A】本発明の第1の態様による、吐出アセンブリのさらなる一実施形態であり、動作の連続的な段階を示す図である。
【図2B】本発明の第1の態様による、吐出アセンブリのさらなる一実施形態であり、動作の連続的な段階を示す図である。
【図2C】本発明の第1の態様による、吐出アセンブリのさらなる一実施形態であり、動作の連続的な段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明において、「上方」、「下方」と称するのは通常の動作位置で表示されている図中の装置の実施形態に対してのものである。以下の説明において「休止」状態とは、装置が充填された状態で、バルブ軸が最上方の位置にありかつピストンが下方の限界位置にあって定量を放出しようとしている状態を指す。
【0042】
以下の説明においては、バルブ軸が最上方の位置および最下方の位置にあるということは、バルブ軸がそれぞれ第1の位置および第2の位置にあるということに対応している。バルブ軸が押し込まれた位置にあるということは、バルブ軸が最下方の位置にあるということに対応している。ピストンとは、液体吐出要素のことを指している。下限位置および上限位置というのは、それぞれ、液体充填位置と液体吐出位置とを指している。
【0043】
実質的に不溶圧縮ガス推進剤の他に、液化ガス推進剤が本発明の実施形態に利用されてもよいことを理解されたい。
【0044】
本発明の第1の態様による液体吐出アセンブリは、本明細書で一般的に規定する液体ディスペンサ装置での使用に特に好適であることが理解されるであろう。従って本発明のさらなる態様によれば、装置の加圧されたまたは加圧可能な容器内に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリを有する液体ディスペンサ装置が提供され、この装置は液体吐出要素を組み込んだ計量チャンバを有し、液体吐出要素は容器からの流体圧力により、液体の充填位置から、定量の液体を吐出する液体の吐出位置までを可動であり、かつ復元力によりその液体の吐出位置からその液体の充填位置まで可動であり、ここでこの吐出アセンブリは本発明の第1の態様によるものである。
【0045】
本発明の第1の態様の吐出アセンブリの好適な特徴は、本明細書の請求項に規定され、本明細書の以下の説明を考慮すれば理解されるであろう。
【0046】
図1Aを参照すると、本発明の第1の態様による吐出アセンブリ(すなわち計量バルブアセンブリ)2003の一実施形態が、休止状態で示されている。
【0047】
計量バルブアセンブリ2003は、内部にバルブ軸2004が配置されたハウジング2007を備えている。ハウジング2007は通常チューブ状であり、その内面には長さ沿いに2か所で段差がついている。より具体的には、ハウジング2007の内面には、下方向に傾斜のついた環状の段差2100と、ハウジングの下端の壁2009方向にさらに下がった所の直角の段差2101とがある。
【0048】
下部壁2009には、ハウジング2007への入口2011を画定する、下向きの差込口2010がある。差込口2010には、任意選択で拡がった下端(図示せず)があってもよく、その上に、容器(図示せず)の下部まで延伸する浸漬チューブ(図示せず)の上端が配置され、使用時にはその上に計量バルブアセンブリ2003が取り付けられる。直立したチューブ状の差込口2102が入口2011を取り囲み、上方向にハウジング2007の内部へ突き出ている。
【0049】
バルブ軸2004は本体部2103と、本体2103の上端に画定されている肩部2105によってその基部を囲まれた、直径が小さくなっているヘッド部2104とを含んでいる。本体部2103とヘッド部2104の接続部には隔壁2023があり、これが(ヘッド部2104にある)上端が開放された上部導管2025と本体部2103にある下部チャンバ2034a、2034bとを分離している。図に示すように、チャンバ2034bはこの2つのチャンバの上の方であり、直径が小さくなっており、これにより、チャンバ2034aから2034bへ移る所に肩部2034sが画定される。
【0050】
バルブ軸2004の本体部2103はその長さの大部分に亘り、外径が、ハウジング2007の段差2100と2101の間の領域の内径よりもごくわずかに小さくなっている。本体部2103は、その下部領域で、2106のように内側方向に段差がついている。
【0051】
バルブ軸2004には、2組の流体移動通路があって、1組は吐出導管2025から外側に半径方向に延びており、もう1組はチャンバ2034bから外側に延びている。より具体的には、(バルブ軸2004の)本体2103の上部に第1の流体移動通路2026が形成されており、またヘッド部2104の下部に第2の流体移動通路2028が形成されている。
【0052】
さらに、(バルブ軸2004の)本体2103には環状溝2107が形成されていて、そこにO−リング2108が配置される。O−リング2108の外径は、ハウジング2007の段差2100より上の内径よりは小さく、段差2100より下の内径よりはわずかに大きい。
【0053】
図1A、1Bに示すように、バルブ軸2004は本体2103がハウジング2007の内部にあり、ヘッド2104が、ハウジング2007の上端に設けられてヘッド2104の外面を密閉する環状シール2029の外へ突き出ている。図にさらに示されているように、バルブ軸2004の本体2103はハウジング2007の内容積を、段差2100より上の第1の環状領域2109と、段差2100と2101の間の狭い第2の環状領域2110と、段差2101より下の第3の環状領域2111に区分する。
【0054】
バルブ軸2004の長さは、計量アセンブリ2003が(図1Aに示すように)休止状態にある場合には、バルブ軸2004の下端が差込口2102の上端の上にあるようになっている。差込口2102の周りとバルブ軸2004の下端の周りにあるコイルばね2002はバルブ軸を上方へ付勢する役目をする。
【0055】
容器内に保持され、アセンブリ2003で吐出される液体に対して負の浮力を示す、球2031が以下の様に与えられる。球2031は、直径がチューブ状の差込口2102の内径よりも大きいが、バルブ軸2004の下部チャンバ2034a内にある場合には最小の隙間しかない。アセンブリ2003の休止状態(図1A参照)では、球2031はチューブ状の差込口2102の上端の上に載っていて、球の上側の面は、チャンバ2034aの下端のすぐ内側にある。
【0056】
上記のような構成により、球2031は下限位置(チューブ状差込口2102の上端で規定される)と肩2034sでの上限位置との間を移動可能である。従って、下部チャンバ2034aが計量チャンバとなって、その内部を球2031が下限位置から上限位置まで移動して、秤量された容積を掃き出すことが可能となる。
【0057】
図示した実施形態のさらなる特徴は、差込口2102の上端にある(図1Aと1Bに示すような)切取部2112と、半径方向に壁を通って本体部分の下端2102に向かって流体を流す、細孔2113あるいはその他の通路である。より具体的には、バルブ軸2004が押し込まれた位置(図1B)にあって、球2031が差込口2102の上に載っている場合に、以下に述べるような理由で、流体が本体2013の半径方向外側に向かって流れることができるような高さに、細孔2113(あるいは他の通路)が設けられている。
【0058】
図2Aと2Bは、図1Aと1Bに類似した実施形態を示す。この実施形態では、バルブ軸2004は、計量アセンブリ2003が(図2Aに示すように)休止状態にある場合には、バルブ軸2004の下端が差込口2102の上端の下にあるような長さとなっている。差込口は、バルブ軸2004の下端の内部へ摺動して挿入することができる。差込口2102の周りとバルブ軸2004の下端の周りにあるコイルばね2002はバルブ軸を上方へ付勢する役目をする。
【0059】
さらに、図2Aと2Bに示すように、チャンバ2034aの壁には環状の溝2032があり、そこはチャンバの他の部分よりも直径が大きくなっている。この詳細を図2Cに示す。図2Cは、この環状溝2032の装置の補充に関する作用を示す。まず、バルブ軸2004が押し込まれて図2Bに示す位置となる。次に(例えばバルブ軸を所定の位置へ回転させることにより)この位置を越えてさらに押し込むことが可能であって、それによって差込口2102の上端が球2031を環状溝(図2Cに示すように)の隣に保持するようになる。次に、加圧された液体源、及び/又は(場合によっては)推進気体が、バルブ軸2004の(普通は)出口である端部に接続される。その結果、補充液体及び/又は推進気体が吐出導管2025を通り、第2の流体移動通路2028を半径方向外向きに通って環状領域2109に入り、次に通路2026を半径方向内向きに通過する。流体圧によって球2031は図2Cに示す位置へ移動させられる。加圧された補充液及び/又は推進気体がチャンバ2034aに入り、環状溝の所にある球2031を通り過ぎて、細孔2112を半径方向に通過し、そうして通路を通って容器の中に入る。
【0060】
図2A〜2Cに示した実施形態に関しては、差込口2102の外径と、計量チャンバ2034aの内壁との間の隙間が十分あるので、流体が計量チャンバ2034aから環状空間2111へ流れることができ、したがって、球2031が図2Bに示す液体を吐出した位置にある場合でも、計量チャンバ2034aと流体流移動通路2026との間の流体連通を与える。これにより加圧容器と上部チャンバ2034b間の圧力の等化が行われ、球2031の差込口2102に向かう移動が支援される。
【0061】
図1Aと1Bに図示された装置の動作は以下の通りである。
【0062】
図1Aに示す「休止」状態においては、球2031は下限位置にあって、計量バルブアセンブリ2003はシール2029の高さまで液体で満たされている。バルブ軸2004が押し込まれると、流体移動通路2028がシール2029を越えて下方向に移動し、ハウジング2007内部からの流体流に対して開放される。さらに、O−リング2108がここで第2の環状領域2110の内壁に接するように作用して、入口2011から第1の環状領域2109への流体流を阻止する。球2031は今度は液圧によって上方向に押され、下限位置(図1Aに示す)から上限位置(図1Bに示す)に向かって移動し、その際、定量の液体を流体移動通路2026を通って半径方向外側へ移動させ、次に移動通路2028を通って半径方向内側へ移動させてアセンブリから吐出させる。バルブ軸2004は開放されると、ばね2022の作用で最上方の位置へもどり、流体移動通路2008は流体流に対して(シール2029の上に位置することにより)再度閉鎖される。ただし液体はこの状態ではハウジングの入口2011から環状領域2109、2110、2111に沿って移動し流体移動通路2026に到達することができる。この液体は流体通路2026を半径方向内側へ通って球2031の上に入ることができ、球は今度はその下限位置に向かって下方向に移動し、結果としてチャンバ2034aは次の定量液体の吐出のために充填される。
【0063】
スプレー吐出アセンブリが取り付けられた容器から液体と気体が消耗されてしまった後、以下の様にして補充することができる。まず、バルブ軸2004が押し込まれて図1Bに示す位置となる。次に、加圧された液体源及び/又は(場合によっては)推進気体が、バルブ軸2004の(普通は)出口である端部に接続される。その結果、補充液体及び/又は推進気体が吐出導管2025を通り、第2の流体移動通路2028を半径方向外向きに通って環状領域2109に入り、次に通路2026を半径方向内向きに通過する。球2031がまだ差込口2031の上に着座してない場合には、流体圧によってこの位置に移動させられる。加圧された補充液及び/又は推進気体がチャンバ2034aを通過し、細孔2113を通って半径方向外向きに流れ、その後切取部2112を通って半径方向内向きに流れ、そうして通路を通って容器の中へ入る。
【0064】
図2A〜2Cに示した装置が、図1A、1Bと同じように作用することは理解されるであろう。主な違いは、加圧容器と上部チャンバ2034bとの間の圧力等化が、差込口2102の外表面と計量チャンバ2034aの内表面との間の界面を移動可能な流体によって促進されることである。これは差込口2102の外径と計量チャンバ2034aの内径との間に適当な隙間を取ることによって達成される。これは、それに代わってまたはそれに追加して、差込口2102の外表面に溝を備えることにより達成され、この溝は、計量チャンバ2034aと環状領域2111との間を走る1つまたは複数の導管を提供する。
【0065】
本発明の装置は、エアゾール噴霧装置として利用されてもよい。そのような装置は、さまざまな物質、好ましくは水に溶解または分散された物質の送達に利用されてもよい。例えば容器の中の液体が、医薬品、農薬、香料、空気清浄剤、臭気中和剤、殺菌剤、除毛剤(チオグリコール酸カルシウムなど)、脱毛剤、化粧品、脱臭剤、制汗剤、抗菌剤、抗アレルギー化合物、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される様々な物質を含んでもよい。さらに容器には、今述べた任意の物質を任意選択で含む、発泡性組成物を含んでもよい。容器内の水には、水中への物質の溶解または分散を助けるための1つまたは複数の有機溶媒または分散剤が任意選択として含まれていてもよい。
【0066】
本発明の装置は、周期的にオン/オフするディスペンサ機構を有する装置と共に使用されてもよい。それは自動化されていてもよい。
【0067】
例えば、本発明の装置は、空気処理装置へ空気処理剤を供給するために利用されてもよい。その装置は、1つまたは複数の空中浮遊物質用センサを備える空中浮遊物質検出器であって、ある閾値またはある濃度の浮遊物質を検出する手段を備えた空中浮遊物質検出器と、その装置に本発明の装置(もしあれば加圧容器も含めて)を取り付ける手段と、検出器が浮遊物質を検出すると、本発明の装置から空気処理剤の一部を吐き出すための手段と、を備えている。そのような空気処理装置(本発明の装置は含まない)は、例えば国際公開第2005/018690号パンフレットに開示されている。これとは別に、本発明の装置が、国際公開第2007/045826号パンフレットに開示されているような噴霧装置から成分を分配するのに利用されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧されたもしくは加圧可能な容器に保持された液体の定量を吐出するための吐出アセンブリであって、
(i)第1の端部に液体入口を有する、細長のチューブ状ハウジングと、
(ii)前記ハウジングの中に本体を有し、かつ前記ハウジングの第2の端部から突出した部分を有するバルブ軸であって、前記アセンブリが液体吐出に対して閉鎖される第1の限界部分と定量を吐出するための第2の限界位置との間を前記ハウジングに対して相対的に軸方向に移動可能な、バルブ軸と、
(iii)前記バルブ軸の本体内部に備えられ、かつ前記ハウジングの第1の端部に隣接する第1の端における液体入口と、反対側の第2の端に向かう第1の流体移動通路とを有するチャンバであって、前記第1の流体移動通路は前記チャンバと前記バルブ軸の外側との間を連通する、チャンバと、
(iv)前記チャンバに沿って、液体充填位置から液体吐出位置までを移動して定量の液体を吐出することが可能な、液体吐出要素と、
を備える吐出アセンブリであって、
ここで、
(a)前記バルブ軸本体の外側と前記ハウジングの内側とは、前記バルブ軸の第1の位置において、前記ハウジングの入口と前記第1の流体移動通路との間に前記バルブ軸の外側に沿う第2の流体移動通路があるように構成され、
(b)前記バルブ軸がその第1の位置から第2の位置へ移動して前記第2の流体移動通路を流体流に対して閉鎖する際に、受座の上への相対的な摺動運動に対してシールが設けられている、吐出アセンブリ。
【請求項2】
前記シールは前記バルブ軸の本体の外側に設けられ、前記受座は前記ハウジングの内表面上に設けられている、請求項1に記載の吐出アセンブリ。
【請求項3】
前記シールはO−リングである、請求項2に記載の吐出アセンブリ。
【請求項4】
前記受座は前記ハウジングの第2の端部から下方向に傾斜している、請求項2または3に記載の吐出アセンブリ。
【請求項5】
前記液体吐出要素は、復元力によりその液体吐出位置から液体充填位置まで移動可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項6】
前記液体吐出要素は分配される液体中で負の浮力を有し、前記復元力の少なくとも一部を提供する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記液体吐出要素は金属製である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項8】
前記液体吐出要素はステンレス鋼製である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項9】
前記液体吐出要素は重み付きの合成高分子材料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項10】
前記液体吐出要素は球形である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項11】
ヘッド部は前記ハウジングの第2の端部に設けられた環状シール内を移動可能であり、前記ヘッド部は前記ヘッド部の出口と連通する第3の流体移動通路を有し、前記第3の流体移動通路は前記バルブ軸の第1の位置においては前記ハウジングの外側にあり、第2の位置においては前記ハウジングの内部にある、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングへの入口は前記チャンバと同軸になっている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項13】
前記バルブ軸が第2の限界位置にあり、かつ前記吐出要素が液体充填位置にある場合、前記ハウジングの液体入口と前記バルブ軸本体内部の前記チャンバとの間に補充流通路構造があって、使用時に前記吐出アセンブリを取り付ける容器の詰め替えが可能であるようになっている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吐出アセンブリ。
【請求項14】
(a)チューブ状の突起が、前記細長のチューブ状ハウジングの内部でその液体入口の周りに備えられ、
(b)前記補充通路構造は、前記チューブ状突起の壁の中の少なくとも1つの通路と、前記吐出要素が液体充填位置にある場合に流体に到達可能である、前記チャンバの壁にある少なくとも1つの通路とによって与えられる、請求項12に従属する請求項13に記載の吐出アセンブリ。
【請求項15】
装置の加圧されたまたは加圧可能な容器中に保持された液体を定量吐出するための請求項1〜14のいずれか1項に記載の吐出アセンブリを備える、液体ディスペンサ装置。
【請求項16】
装置の加圧容器内に保持された液体を定量吐出するための吐出アセンブリを有する液体ディスペンサ装置であって、
前記装置は、前記容器からの流体圧力によって液体の充填位置から液体の吐出位置まで移動して液体の定量を吐出させることが可能であり、また復元力によってその液体の吐出位置からその液体の充填位置まで移動可能である液体吐出要素が組み込まれた計量チャンバを有し、
前記液体吐出アセンブリは請求項1〜14のいずれか1項に記載のものである、液体ディスペンサ装置。
【請求項17】
装置の加圧容器内に保持された液体を定量吐出するための吐出アセンブリを有する液体ディスペンサ装置であって、
前記装置は、前記容器からの流体圧力によって液体の初期位置から液体の吐出位置まで移動して液体の前記定量を吐出させることが可能であり、また復元力によってその液体の吐出位置からその液体の充填位置まで移動可能である、液体吐出要素が組み込まれた計量チャンバを有する、液体ディスペンス装置。
【請求項18】
(i)第1の限界位置から第2の限界位置まで動くように適合されたバルブ軸を組み込んだアクチュエータアセンブリであって、前記バルブ軸が液体を導入する入口と前記装置から液体を吐出する出口とを有する吐出導管構造を備えたアクチュエータアセンブリと、
(ii)前記バルブ軸がその第1の限界位置にある場合に、液体は前記計量チャンバから前記入口/出口構造を通って前記吐出導管へは流れず、かつ前記バルブ軸がその第2の限界位置にある場合に液体は前記計量チャンバから前記入口/出口構造を通って前記吐出導管へ流れ出るようになっている、バルブ構造と、
を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記吐出アセンブリはハウジングを備え、
(i)前記ハウジングの内表面と前記バルブ軸の外表面の間に環状空間が備えられ、
(ii)前記液体吐出要素を備えた前記計量チャンバが前記バルブ軸内に備えられている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
(i)前記ハウジングは、第1の端部に液体入口を有する、細長のチューブ状ハウジングであり、
(ii)前記バルブ軸は、前記ハウジング内に位置する本体を有し、かつ前記ハウジングの第2の端部から突出する部分を有し、
(iii)前記計量チャンバは、前記ハウジングの第1の端部に隣接する第1の端における液体入口と、反対側の前記チャンバの第2の端に向かう第1の流体移動通路とを有し、前記第1の流体移動通路は前記チャンバと前記バルブ軸の外側との間を連通し、
(iv)前記バルブ軸本体の外側と前記ハウジングの内側とは、前記バルブ軸の第1の位置において、前記ハウジングの入口と前記第1の流体移動通路との間に前記バルブ軸の外側に沿う第2の流体移動通路があるように構成され、
(v)前記バルブ構造は、前記バルブ軸がその第1の位置から第2の位置へ移動して前記第2の流体移動通路を流体流に対して閉鎖する際に、受座の上への相対的な摺動運動に備えたシールが設けられている、請求項19に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項21】
前記吐出アセンブリは請求項2〜14のいずれか1項に規定されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記容器は、窒素、空気、液化天然ガス、液化炭化水素ガス、または二酸化炭素で加圧されている、請求項15〜21のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項23】
エアゾール噴霧装置である、請求項15〜22のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項24】
医薬品、農薬、香料、空気清浄剤、臭気中和剤、殺菌剤、光沢剤、殺虫剤、チオグリコール酸カルシウムなどの除毛剤、脱毛剤、化粧品、脱臭剤、制汗剤、抗菌剤、抗アレルギー化合物、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される物質を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項25】
薬用組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項26】
香料組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項27】
臭気中和組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項28】
除毛組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項29】
殺虫組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項30】
任意選択で請求項24〜29で規定した任意の成分を含む、発泡性組成物を含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体ディスペンサ装置。
【請求項31】
前記装置の加圧または加圧可能容器中に保持された薬用組成物を定量吐出するための請求項1〜14のいずれか1項に記載の吐出アセンブリを備える、薬用定量吸入器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2013−507236(P2013−507236A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532669(P2012−532669)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051689
【国際公開番号】WO2011/042752
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512092221)ザ ユニバーシティ オブ サルフォード (3)
【Fターム(参考)】