説明

液体乱流発生装置

【課題】簡易な構成で液体を主体とする各種食品加工の製造ラインに容易く組み込むことができ、その製造品目ごとに、食感、食味、旨味成分抽出、並びに、鮮度保持など、改善目的に合わせた制御ができるシステムを提供する。
【解決手段】液体乱流発生装置は、液体流路の中心にある逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分6に液体供給口1、液体排出口2より流出しないサイズの乱流発生用チップ2種類8a、8bを、単体または複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填する。そして、流路を通過する液体に抵抗を与えて、乱流を発生させることができる。2種類の乱流発生用チップ8a、8bを単体、複数、複合など、液体の種類や、改善目的に合わせて自在に組み合わせを変えて制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に乱流を発生させる液体乱流発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液体を主体とした各種食品加工業界において、安心、安全、健康志向をテーマにした製品の研究開発が進んでいる。中でも、乳製品、飲料水、お茶、コーヒ−、紅茶、その他類似の各種飲料、及び、栄養補助食品としての飲料類など、その多様さは目を見張るものがある。しかし、安心、安全、健康志向のほか、究極の消費者ニーズは、美味しいか、不味いか、その食味、食感に訴えるところが大きい。
【0003】
近年、調理器具、調理システムのオール電化などその進化は著しく、多機能化により、一般家庭の料理づくりの簡素化が定着し、旨味成分を抽出する手間ひま、即ち、下ごしらえが家庭から消えている。そのため、調味料メーカーの開発競争は、甘、辛、塩、酢、苦といった五味の分野を越えて、いかに独自の旨味成分を開発し商品化するか、その競争は熾烈を極めている。
【0004】
ビール、発泡酒類、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、その他各種アルコール飲料類も、それらの原料調達の工夫のほか、加水、および、加熱処理、微生物利用、発酵、分解、抽出、添加などを含め、独自の醸造、製造法などの開発にしのぎを削っている。これらすべて、新たなコク、キレ、マイルド感の追求であり、各メーカーは、挙って、消費者に喜ばれる差別化ブランドの確立に日夜努力を続けている。
【0005】
以上(0002)から(0004)まで記述してきたように、液体を主体とした各種食品加工において、原材料から製品にいたる過程には、数々の液体の調合、加水、撹拌、合成、発酵、分解、加熱、蒸留、抽出などの工程がある。しかし、既存の製造方法には、乱流を発生させて、それを活用した製造法、および、その制御システムの技術が見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
地球は地軸を約23.4度傾斜し、左回転に自転している。その回転スピードは地表から約3万6千Kmの高度で秒速約3Kmのスピードであることは公知の事実。従って、地球は、大きな磁石と一緒でN極とS極が存在する。また、その自転により、地球には、引力=求心力のある収縮のエネルギーと、回転=遠心力のある拡散のエネルギーという2つの目に見えないエネルギーが存在している。
なお、説明を重ねれば、北半球では収縮の力は右回転、拡散の力は左回転のエネルギーがあり、南半球ではその回転の方向は真逆になる。具体例として、熱帯性低気圧もその中心を軸として回転方向が北半球と南半球では違う。北半球の台風やハリケーンは左回りの回転であるが、南半球・オーストラリヤ周辺に発生するトロピカル・サイクローンは右回りの回転であり真逆になる。
この回転のエネルギーは、有機、無機の物質に関係なく、地球上の動、植物、および、あらゆる物質や、その引き起こす現象も含めて大きな影響を受けている。
【0008】
(0007)で記述した具体例について、この項では紛らしさを避けるため北半球に限ってその事例を挙げることにする。
まず、収縮の代表例として塩がある。岩塩層は地球の引力、即ち、求心力の影響を受けて、地表下1km以上にまで沈降し結晶化している。塩には収縮させる力があり、魚も塩を振り掛けることにより水分を抜き魚肉を引き締める。そして、旨味成分が引き出される。なお、一流の料理人の奥義の中に、少ない量の塩で味付けをしたいときは、決まって、右巻きに塩を捻るように振り掛けている。塩味は、右巻き回転の収縮の裏技で効きがよくなる。
次に、拡散の代表例は砂糖である。砂糖には、料理における甘味味付けのほか、もっと大事な料理機能がある。この拡散の力を利用して食材を膨張させることができるので、煮物の食材を柔くするときには必ず砂糖を入れる。
砂糖の主原料である砂糖きびは、地球の回転による遠心力が最も強い赤道近くの熱帯地方から亜熱帯地方が主産地であり、その幹は細く長く地表より天に向って伸びている。さらに興味深いのは、拡散の影響を受けて地上長く伸びる蔓もののほとんどが、北半球では左回転しながら天に昇るように伸びる。朝顔、胡瓜、南瓜、ヘチマなど、みな左巻きにつるを伸ばしている。
しかし、なかには逆回転の右巻きに伸びる蔓もある。それは天然の山芋、自然薯の蔓である。自然薯の根は、長いステッキのように真っ直ぐ地中深く生長していく、即ち、地球の求心力の影響を受けて生長している植物である。よって、地上部分のその蔓も、求心力の影響により右回転に伸びる。自然薯は磨りおろしても、その右巻き回転の収縮性エネルギーにより液状にならず、粘り強い塊となり弾きが良い。
このように、地球上のすべて動植物、物質、および、自然現象は、地球物理学上の真理と連動しその影響を受けている。
【0009】
さて、(0007)(80008)で考察してきた地球の目に見えないエネルギー、即ち、求心力=収縮、遠心力=拡散、これは本発明の根幹に関わる原理、原則であるのでもう少し自然界の現象と照らし合わせて論理を展開してみたい。
まず、植物について考察すれば、収縮性のある植物には6角形構造のものが多く、拡散性のある植物では5角形構造と関連している事例が定番のように見出せる。
その事例について次に列挙してみる。
事例1 花びらが6枚の花卉類の根は、収縮の象徴である球根が多い。代表的な花に、百合、チューリップ、鉄扇、水仙などがある。
事例2 球根の代表、玉ねぎの原形質は6角形構造をしている。
事例3 ナス科(茄子、とまと)瓜科(瓜、胡瓜、西瓜、南瓜)など、拡散性の影響下にある蔓ものの花は、5枚花びらか、5方開きの花が多い。
事例4 拡散性の強い5枚花びらの花は開花寿命がとても短い。桜がその代表と言える。逆に、百合など6枚花びらの花は、切り花も長持ちする。
事例5 空間に大きく広がるタバコの葉は拡散性が高く、乾燥させても収縮性が低く、あまり小さくならない。勿論、花は5方開きに咲く。
事例6 右巻き2重螺旋構造のDNAは5角形と6角形の繋がりになっているが、6角形構造は塩基、5角形構造は糖質である。
事例7 元々のサッカーボールの球体は、6角形が20個と5角形が12個で出来ている。これを整数すれば(6×20=120、5×12=60)2:1の比率。1985年に発見されたフラーレンC60の構造と同じである。
この整数比、2:1は、収縮:拡散のバランスとして重要なヒントであり、本発明の根幹を占める発見である。
【0010】
本発明は、(0009)で述べてきた地球物理学上の3つの現象、収縮と拡散、並びに、その両者の組み合わせによる中和作用の原理を、次項に述べる2種類の乱流発生用チップを装填した液体乱流発生装置により、液体を主体とした各種食品の食感、食味、旨味成分抽出、鮮度保持など、その改善目的に合わせて制御できる全く新しい発想の開発であり、将来に向って、人体に有害な食品添加物、防腐剤等の利用削減に道を開く発明である。
【0011】
なお、本発明には、(0010)の収縮と拡散の物理的作用、並びに、その中和作用を、液体を主体とした各種食品加工に取り入れる方法として、本体円筒形の中にある逆円錐形、または、逆多角錐の空間には、申請人取得の意匠権登録第1370663号の6角形をした表裏相似形の乱流発生用チップと、意匠権登録第1390916号の5角形をした表裏相似形の乱流発生用チップを装填する。
なお、2種類の乱流発生用チップは、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて本体円筒形の中にある逆円錐形、または、逆多角錘の漏斗部分に装填し、流路を通過する液体に抵抗を与えて収縮機能を有する6方向に散る乱流と、拡散機能を有する5方向に散る乱流を発生させる。そして、その乱流の物理的手法で通過する液体に共鳴現象を起こし、液体を主体とする各種食品加工の良質化を図るものであり、人体に有害な食品添加物、防腐剤等を使用削減して食感、食味、旨味成分抽出、鮮度保持などに可能性を秘めている発明である。
【0012】
以上述べてきた本発明による理論を実証するため、申請人取得の意匠権登録第1370663号の6角形をした表裏相似形の乱流発生用チップと、意匠権登録第1390916号の5角形をした表裏相似形の乱流発生用チップを、単体、複数、または、2種類を複合的に組み合わせて装填し、流路を通過する液体に抵抗を与えて、6方向に散る乱流と5方向に散る乱流を複数例に分けて、その共鳴現象の実証のため同時実験し、その記録データを次の通り参考写真として添付する。

(参考写真1) 牛乳実験(被検体=市販の牛乳使用・ガラス瓶=完全消毒)
(注釈)2,3,4は本装置に乱流チップを装填し、牛乳を流通処理したもの
乱流チップ略称分類 A=意匠権登録第1370663号(6角形)
B=意匠権登録第1390916号(5角形)
個数表示は、装置に組み合わせて装填したチップの個数である。





(参考写真2)


実験に関する説明と解釈
(0009)にて記述した推論により、6角形乱流発生用チップ(A)=収縮性エネルギー、および、5角形乱流発生用チップ(B)=拡散性のエネルギーを秘めていると解釈し、本実験を行ったものである。
なお、(0009)の事例7、フラーレンC60の整数バランス=2:1の影響についても、検証し実証を得たのでその説明と解釈を次に述べる。
2 A=5個を整数すれば6×5=30、B=3個を整数すれば5×3=15 A:B=30:15=2:1の乱流発生比率となる。即ち、フラーレンC60と同じ整数バランスである。この球体構造の基本を中庸として次の実験テーマを決定する。
3 A=3個を整数すれば6×3=18、B=2個を整数すれば5×2=10 A:B=18:10=1.8:1の乱流発生比率となり、2と比較した場合、AよりBの比率が高く、拡散性のエネルギーが高いと予測出来る。
4 A=2個を整数すれば6×2=12、B=1個を整数すれば5×1=5 A:B=12:5=2.4:1の乱流発生比率となり、2と比較した場合、AよりBの比率が低く、収縮性のエネルギーが高いと予測できる。
以上の通り整数バランスを変えて実験した牛乳の反応結果を、遠心分離機にかけて再検証したのが参考写真2のデータである。
また、今回の実験で特質すべき発見があった。それぞれの検体の臭気について以下の通り確認することができたので付記する。
1 常温で放置した状態であったので腐敗し悪臭がした。
2 常温放置でも腐敗臭なく牛乳の臭いを保っていた。鮮度保持に有効か。
3 常温放置でも腐敗臭なく微かにヨーグルト臭がした。
4 常温放置でも腐敗臭なくどちらかと言えばチーズ臭がした。

(参考写真3)乱流チップ処理水に混入した牛乳の実験(ガラス容器=完全消毒)

この実験データでは、乱流発生用チップを単体、複数、または、2種類を複合的に組み合わせて、浄水カートリッジを経由した塩素除去の水道水を乱流発生装置で処理し実験に利用した。
その処理水を約30%程度、前もってガラス容器に注入し、その上に市販の牛乳を約70%注ぎ足して混入した。そして、処理水の収縮性、および、拡散性のエネルギー、または、中和のエネルギーによる影響の有無を市販の牛乳で考察した実験データである。
なお、各被検体ごとの乱流発生用チップの装填個数は以下の通りである。



















(参考写真4) 搾乳したジャージ牛乳の乱流発生処理による凝固実験
2/15 搾乳 63℃/30分低温殺菌 ホモジナイズ処理なし
2/16 液体乱流発生装置および乱流チップをアルコール消毒
乱流チップA(6角形)×3個装填し乱流発生処理

ジャージ牛乳の凝固実験データ




低温殺菌のジャージ牛乳を乱流発生処理し、2/18〜2/27ペットボトルで室温にて静置。2/27ペットボトル内で凝固しヨーグルト状に変化した。
PH値は4.44の酸性。フレッシュチーズを作る要領でホエーを抜いた。



正常に凝固した様子から推察すれば、低温殺菌処理後、生き残った乳酸菌によるものか、あるいは、何か別の要因なのかわからないが、発酵が進みPHが充分下がった時点で凝固した。
食べてみるとさわやかな酸味のクワルク様のものが出来た。なお、冷蔵保存中も試食したが、味はまろやかになっていた。
低温殺菌後の牛乳が乳酸菌を添加することなく、室温で美味しいヨーグルトになることは驚きである。製品歩留まり=132g/500g(約26%)
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の液体乱流発生装置は、上部に液体供給口、下部に液体排出口のパイプを取り付けた本体の円筒形状の内部は空洞で上部は液体供給口パイプと同サイズの円筒形である。その中心部に逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分を内蔵し、その下部は、上部と同サイズの円筒形で液体排出口パイプに連結している。この漏斗部分に、液体供給口、ならびに、液体排出口より流れ出ないサイズの乱流発生用チップ2種類を、単体または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填し、本体内部を流通する液体に抵抗を与え乱流を発生させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の液体乱流発生装置は、液体流路の中心にある逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分に、液体供給口ならびに液体排出口より流出しないサイズの乱流発生用チップ2種類を、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填するとき、または、そのチップの取り出し、入れ替え、および、装置本体内部のメンテナンスなどが簡便にできるように液体供給口部分と液体排出口がある漏斗部分とを簡易に切り離せる構造を特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の液体乱流発生装置は、前記、液体流路の中心にある逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分に、液体供給口ならびに液体排出口より流出しないサイズの乱流発生用チップ2種類を、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填しているが、これらのチップには、申請人取得の意匠権登録第1370663号の6角形をした表裏相似形の乱流発生用チップと、意匠権登録第1390916号の5角形をした表裏相似形の乱流発生用チップを装填することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、地球物理学上の3つの現象、収縮と拡散、並びに、その両者の組み合わせによる中和作用の原理を、前項2種類の乱流発生用チップを、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填し、収縮性のエネルギーを有する6方向に散る乱流と、拡散性のエネルギーを有する5方向に散る乱流を、液体を主体とした各種食品の製造加工段階で発生させ、その液体に共鳴現象を起こさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、液体を主体とする各種食品加工において、多種類の乱流を発生させるという物理的な液体処理方法の中で、その液体を主体とする各種食品の食感、食味、旨味成分抽出、鮮度保持などに、最も効果をもたらす乱流発生用チップの組み合わせシステムを自在に検証し、最適な組み合わせを選択できる利点がある。なお、物理的方法によるので、人体に有害な食品添加物、防腐剤等の利用削減にも道を開く可能性を秘めている。
【0018】
本発明の利用に当たっては、現存する工場の製造ラインの中で、最も乱流発生処理に適当と思える配管設備の箇所に簡単に付加設置できる設備であるため、追加工事も安易にできる。従って、工事費の負担も低コスト化が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)本発明の乱流発生装置(以下装置という)の側面外観図である。 (B)本発明の装置を適用するシステム構成説明の側面断面図である。 (C)本発明の装置の上部と下部に切り離した側面断面図である
【図2】(A)本発明による装置の上部平面外観図である。 (B)本発明による装置の上部平面断面図である。 (C)本発明による装置の下部平面外観図である。 (D)本発明による装置の下部平面断面図である。
【図3】(A)乱流発生用チップの図面である。1正面図、2側面図、3裏面図
【図4】(B)乱流発生用チップの図面である。1正面図、2側面図、3裏面図
【図5】(A)乱流発生用チップの液流飛散方向図である。1正面図、2側面図
【図6】(B)乱流発生用チップの液流飛散方向図である。1正面図、2側面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(図1)(B)は、本発明による液体乱流発生装置を適用するシステム構成例を説明するための図である。このシステムを利用してを主体とする各種食品の加工、および、製造を実施する場合は、液体供給口1のパイプ3に液体を主体とする各種食品の導入口を接続し、本体中心部の逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分6に、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填している乱流発生用チップ8a、8bにより、本体内部を流通する液体に抵抗を与え乱流を発生させて、液体排出口2のパイプ4を液体流通の製造ラインに接続して利用する。
【0021】
本発明による液体乱流発生装置に乱流発生用チップ8a、8bを装填する場合は、本体上部5aと下部5bをネジ7によって接続する部分5Cを回し、開けて装填し、装填後は液体漏れのないようにしっかり回して締め込んでからシステムを稼動させる。また、それらの取り出し、交換、及び、メンテナンス時も同様である。なお、当該開閉接続部分は、オーリングパッキンをはさみ、ワンタッチのカップリングタイプにしてもよい。
【0022】
本発明による液体乱流発生装置を適用するシステムを実施する場合、液体を主体とする各種食品の食感、食味、旨味成分抽出、鮮度保持など、その改善目的に合わせて2種類の乱流発生用チップ8a、8bを、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填し、最も適合した組み合わせを検証し、製造ラインに常用する。
【0023】
本発明に関わる2種類の乱流発生用チップ8a、8bの組み合わせで液体に乱流を発生させる場合の基本になる中和の組み合わせ個数は、整数比で8a:8b2:1の比率になる。また、乱流発生用チップ8a、8bにより発生する収縮性と拡散性のエネルギーについて分類する。
乱流発生用チップ 8a収縮性のエネルギー 8b拡散性のエネルギー
【0024】
本発明に関わる乱流発生用チップ8a、8bにより発生させた液体の乱流は、液体に収縮性と拡散性のエネルギー共鳴現象を起こしている。これらのチップの組み合わせは、計り知れない数の組み合わせができるが、液体を主体とする各種食品加工においては、次の傾向を参考にしてそれぞれの独自の食感、食味、および、旨味成分の抽出などに活用できる。なお、鮮度保持についても、中和の機能を示す組み合わせ、8a:8b2:1の整数比率でいい効果を再現できている。
その成果は、きっと、新商品の開発に生かすことができる。
A 収縮性のエネルギーの利用例 1 辛口 2 コク 3 浸透 4 沈澱など
B 拡散性のエネルギーの利用例 1 甘口 2 キレ 3 発散 4 浮上など
C 中和性のエネルギーの利用例 1 中庸 2 安定 3 不変 4 鮮度など
D 組み合わせのバランス例 (高い>低い 低い<高い)
1例 8a:8b=2個:1個 整数比=6×2:5×1=12:5=2.4:1
2例 8a:8b=3個:2個 整数比=6×3:5×2=18:10=1.8:1
3例 8a:8b=5個:3個 整数比=6×5:5×3=30:15=2:1
注1 収縮性のエネルギー比較は・・・1例 > 2例 < 3例 < 1例
注2 拡散性のエネルギー比較は・・・1例 < 2例 > 3例 > 1例
上記3通りのエネルギーをどうバランスよく組み合わせるかで、消費者ニーズにあった新たな液体を主体とした各種食品開発に大きなヒントが含まれている。
なお、人体に有害な食品添加物、防腐剤等の使用削減に道を開く大きな一歩になる可能性がある。
【符号の説明】
【0025】
1 液体供給口、
2 液体排出口
3 供給用パイプ
4 排出用パイプ、
5a 本体上部
5b 本体下部
5c 上下接続部位
6 本体漏斗部分、
7 上下接続ネジ山
8a 乱流発生用チップ(6角形分)
8b 乱流発生用チップ(5角形分)
9 上部上蓋面








【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に液体供給口、下部に液体排出口のパイプを取り付けた本体の円筒形状の内部は空洞で上部は液体供給口パイプと同サイズの円筒形である。その中心部に逆円錐形の漏斗部分を内蔵し、その下部は、上部と同サイズの円筒形で液体排出口パイプに連結している。なお、漏斗部分は、逆3角錐・逆4角錐・逆5角錐・逆6角錐など(以下逆多角錐と称す)と置換してもよい。この漏斗部分に、液体供給口、ならびに、液体排出口より流れ出ないサイズの乱流発生用チップ2種類を、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填し、本体内部を流通する液体に抵抗を与え乱流を発生させることを特徴とする液体乱流発生裝置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体乱流発生装置において、液体流路の中心にある逆円錐形または、逆多角錐の漏斗部分に、液体供給口、ならびに、液体排出口より流出しないサイズの乱流発生用チップ2種類を、単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填するとき、または、そのチップの取り出し、入れ替え、および、装置本体内部のメンテナンスなどが簡便にできるように液体供給口部分と液体排出口がある漏斗部分とを簡易に切り離せる構造を特徴とする液体乱流発生装置。
【請求項3】
請求項1、または、2に記載の逆円錐形、または、逆多角錐の漏斗部分に装填する2種類の乱流発生用チップは、申請人取得の意匠権登録第1370663号の6角形をした表裏相似形の乱流発生用チップと意匠権登録第1390916号の5角形をした表裏相似形の乱流発生用チップを単体、または、複数、あるいは、2種類を複合的に組み合わせて装填し、流路を通過する液体に抵抗を与えて、6方向に散る乱流と5方向に散る乱流を、単体、複数、複合など、液体の種類、および、加工目的によって自在に組み合わせを変えて制御できることを特徴とする液体乱流発生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130470(P2012−130470A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283963(P2010−283963)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(508133916)
【Fターム(参考)】