説明

液体供給装置及び液体供給方法

【課題】シリンジ内の液体容量によらず、立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止して設定量の液体を正確に塗布できる流体供給装置を提供する。
【解決手段】液体Lが封入されて、液体Lの吐出口51が設けられたシリンジ1を備え、シリンジ内に空気圧回路2を介して流体を供給することにより液体Lを吐出口51から押出す液体供給装置である。空気圧回路2は、常時シリンジ内に流体を供給する主供給系統5と、主供給系統5と同一圧力の流体を供給し、流体の供給開始からシリンジ内が液体Lを押し出す設定圧に達するまでの流体圧の立ち上がり時間を短縮するための副供給系統6とを備えるとともに、シリンジ内に流体圧の立ち上がり状態を検出する検出手段3と、シリンジ内の流体圧の立ち上がり状態に基づいて、主供給系統5からの流体供給と、主供給系統5及び副供給系統6の両方からの流体供給との切換を行う切換手段4とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤等の液体を供給する液体供給装置及び液体供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装分野においては、基板に電子部品を固着する際に、基板に接着剤としての液体が塗布される。接着剤などの液体は、液体供給装置に封入され、この液体供給装置の吐出口から所定量ずつ基板に供給される(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の液体供給装置は、液体が封入され、液体の吐出口が設けられたシリンジを備えており、ディスペンスコントローラからシリンジ内に一定時間エア圧を負荷することにより液体が吐出口から押し出される。このとき、負荷するエア圧を適切な設定値に設定するとともに、負荷する時間を調節することにより液体の押し出し量を調節する。その後、エアの供給終了時にシリンジ内のエアを排気する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−104855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体の押し出しを繰り返してシリンジ中における液体の体積が減少すると、その分シリンジ内のエアの体積が増える。このようにエアの体積が増えると、その容積分、圧力上昇に遅れが生じる。すなわち、シリンジ内の液体が満杯状態であるときにエア加圧を行えば、図5に示すように、エア加圧を始めてから設定値(例えば200kPa)に到達するまでのエア圧の立ち上がりは鋭く、設定圧に到達するまでの時間(以下、立ち上がり時間という)は例えば0.049sとなる。一方、シリンジ内のエアの体積が増えると、満杯状態との水頭差が最大となる。このときにエア加圧を行えば、図6に示すように、エア圧の立ち上がりは鈍くなって、立ち上がり時間は例えば0.240sとなり、満杯状態よりも長くなる。このように立ち上がり時間が長くなると、押し出し指令に対して実際に液体が出てくるまでの時間に遅れが生じることがある。このような遅れが生じると、塗布初期時にかすれが生じたり、塗布後に液体の溜りが生じたりしてしまうおそれがあり、設定量を正確に塗布することができない。特に、1サイクルに要する時間が短く、高速動作を行うダイボンダでは、この遅れが全体的に大きな影響を及ぼすため、前記したように、立ち上がり時間にばらつきが生じると、設定量の液体を正確に塗布することができない。
【0006】
従来、このような問題に対処するために、液体容量が低下した場合でも立ち上がり時間を短くする方法が提案されている。すなわち、設定圧が低い(例えば200kPa)場合は、低い圧力で加圧するため立ち上がりが鈍くなる。このため、大容量のエアで加圧することによって立ち上がり時間を短くしているが、この場合、大容量の電磁弁を使用する必要がある。しかしながら、大容量の電磁弁を使用することによりかかる力が大きくなって、電磁弁のパッキンが摩耗し、損傷しやすくなる。これにより電磁弁の耐久性に問題があり、また、制御が複雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて、シリンジ内の液体容量によらず、立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止して設定量の液体を正確に塗布できる流体供給装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液体供給装置は、液体が封入されて、液体の吐出口が設けられたシリンジを備え、シリンジ内に空気圧回路を介して流体を供給することにより液体を吐出口から押出す液体供給装置において、前記空気圧回路は、常時シリンジ内に流体を供給する主供給系統と、この主供給系統と同一圧力の流体を供給し、流体の供給開始からシリンジ内が液体を押し出す設定圧に達するまでの流体圧の立ち上がり時間を短縮するための副供給系統とを備えるとともに、前記シリンジ内に流体圧の立ち上がり状態を検出する検出手段と、シリンジ内の流体圧の立ち上がり状態に基づいて、前記主供給系統からの流体供給と、前記主供給系統及び副供給系統の両方からの流体供給との切換を行う切換手段とを備えたものである。
【0009】
本発明の液体供給装置によれば、空気圧回路は、常時シリンジ内に流体を供給する主供給系統と、流体圧の立ち上がり時間を短縮するための副供給系統とを備えている。すなわち、同一の流体圧を供給する圧力系統を2系統以上備え、シリンジ内における液体容量が多い初期段階では、シリンジ内の流体圧の立ち上がりが早いため、主供給系統単独で流体を供給する。また、液体の押出しによる液体容量の低下に伴い、シリンジ内の液体容量が少なくなると、シリンジ内の流体圧の立ち上がりが遅くなるため、主供給系統加圧と副供給系統との両方での流体供給に切換る。これにより、液体容量が低下してもシリンジ内への流体の流量を増加させることができて、シリンジ内の流体圧の立ち上がりを鋭くすることができる。このように、液体容量の低下に伴い流体供給系統を増加させると、シリンジ内の液体容量が少なくなっても、初期段階と同様に流体圧の立ち上がりを鋭くすることができ、立ち上がり時間を短くすることができる。逆に、主供給系統と副供給系統との両方での流体を供給した場合に、シリンジ内の流体圧の立ち上がりが速すぎる場合は、主供給系統単独での流体供給に切換る。これにより、シリンジ内への流体の流量を減少させることができて、シリンジ内の流体圧の立ち上がりを鈍くすることができる。このようにして、立ち上がり時間を制御することができ、シリンジ内の液体容量によらずに立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止することができる。
【0010】
前記検出手段は、シリンジ内の流体圧を検出する流体圧検出手段と、シリンジ内の流体圧が所定圧となるまでの時間を測定する測定手段とを備えることができる。
【0011】
本発明の液体供給方法は、液体が封入されて、液体の吐出口が設けられたシリンジを備え、シリンジ内に主供給系統を有する空気圧回路を介して流体を供給することにより液体を吐出口から押出す液体供給方法において、シリンジ内の流体圧の立ち上がり状態に基づいて、前記主供給系統からの流体供給と、前記主供給系統、及び主供給系統と同一圧力の流体を供給する副供給系統の両方からの流体供給との切換を行って、流体の供給開始からシリンジ内が液体を押し出す設定圧に達するまでの流体圧の立ち上がり時間を制御するものである。
【0012】
本発明の液体供給方法によれば、加圧を始めてから設定値に到達するまでの立ち上がり時間を制御して、シリンジ内の液体容量によらずに立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の液体供給装置及び液体供給方法は、シリンジ内の液体容量によらず、立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止することができるため、設定量の液体を正確に塗布することができる。また、少なくとも2系統の加圧としているため、1系統で使用する電磁弁よりも小さい電磁弁を使用することができ、駆動力を小さくすることができて電磁弁の内部構造を損傷しにくく耐久性に優れる。さらに、エア圧の立ち上がり時間の制御は、副供給系統の電磁弁を開閉するだけで済み、1系統で流体の流量を調節するよりも制御が簡単であるとの利点もある。
【0014】
前記検出手段は、流体圧検出手段と測定手段とを備えたり、液面位置検出手段と記録手段と比較手段とを備えたりすると、系統数を切換える際のタイミングを正確なものとできる。また、系統数の切換は自動で行うことができ、しかも高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の液体供給装置の空気圧回路図の要部である。
【図2】本発明の液体供給装置のブロック図である。
【図3】本発明の液体供給装置において、シリンジ内にエアを供給した際のエア圧と時間の関係を示すグラフ図である。
【図4】本発明の液体供給方法により液体を塗布する方法を示すフローチャート図である。
【図5】従来の液体供給装置において、液体満杯状態でエアを供給した際のエア圧と時間の関係を示すグラフ図である。
【図6】従来の液体供給装置において、液体空状態でエアを供給した際のエア圧と時間の関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】
この液体供給装置は、半導体チップ等の電子部品を回路基板に実装するために、基板上に塗布される接着剤を供給する装置である。すなわち、液体供給装置に、例えばエポキシやシリコン等の接着剤としての液体Lが封入されたシリンジ1の吐出口51から液体Lを押し出して図示省略の基板等の接着部位上に塗布するものである。
【0018】
この液体供給装置は、図1に示すように、液体Lが封入されるシリンジ1と、このシリンジ1に設けられ、液体Lの出口となる吐出口51と、シリンジ内に流体(本実施形態ではエア)を供給する空気圧回路2と、シリンジ内でのエア圧の立ち上がり状態を検出する検出手段3(図2参照)とを備えている。そして、この空気圧回路2を介してシリンジ内にエアを供給することによりエア圧で液体Lを吐出口51から押出すものである。
【0019】
シリンジ1は、円筒状となっており、その内周側に液体Lが封入される。このシリンジ1の先端部に、吐出口51となるノズルが取付けられている。
【0020】
検出手段3は、図1及び図2に示すように、流体圧検出手段9と、測定手段10とから構成されている。流体圧検出手段9は、本実施形態では図1に示すように、シリンジ1内の反吐出口側に取付られた公知公用のエア圧センサである。この流体圧検出手段9はシリンジ1の内圧を検出し、その検出圧力を電圧として出力する。測定手段10は、押出指令によりエアの供給が開始してシリンジ内が加圧され始めてから、シリンジ内が所定の設定圧(例えば200kPa)に到達するまでの時間を測定するものである。
【0021】
空気圧回路2は、主供給系統5と、副供給系統6と、微負圧供給部(図示省略)と、排気部(図示省略)と、切換手段4(図2参照)とを備える。この空気圧回路2はシリンジ1に接続されており、継手(分岐部)11から主供給系統5と副供給系統6と微負圧供給部と、排気部とが夫々接続されている。
【0022】
このシリンジ1から液体Lを供給するために予め適切な設定圧(本実施形態では200kPa)が設定され、主供給系統5は、エア発生源(図示省略)からシリンジ1に設定圧のエアを供給する1つの電磁弁7を備えている。副供給系統6は、エア発生源(図示省略)から設定圧のエア、すなわち、主供給系統5と同一圧力のエアを供給する1つの電磁弁8を備えている。本実施形態では、主供給系統5からのエアの流量と、副供給系統6からのエアの流量とは同一としている。
【0023】
主供給系統5は、シリンジ内に常時エアを供給するものであり、副供給系統6は、切換手段4による制御により、必要な際にシリンジ内にエアを供給するものである。すなわち、エアの供給は、主供給系統5単独でシリンジ内にエアを供給する場合と、主供給系統5と副供給系統6との両方でシリンジ内にエアを供給する場合とがある。主供給系統5単独での供給と、主供給系統5及び副供給系統6の両方での供給との切換は、検出手段3により検出されたエア圧の立ち上がり状態に基づいて、後述する切換手段4にて行う。
【0024】
切換手段4は、主供給系統5単独での供給から、主供給系統5及び副供給系統6の両方での供給への切換を行ったり、主供給系統5及び副供給系統6の両方での供給から、供給主供給系統5単独での供給への切換を行ったりするものである。すなわち、シリンジ内における液体容量が多い初期段階では、シリンジ内のエア圧の立ち上がりが早く、図3に示す加圧時間T(シリンジ内が加圧され始めてから、シリンジ内が200kPaに到達するまでの時間)が短いため、主供給系統5単独でエアの供給を行う。また、液体Lの押出しによる液体容量の低下に伴い、シリンジ内の液体容量が少なくなると、シリンジ内のエア圧の立ち上がりが遅く、図3の加圧時間Tが長い(例えば、60ms以上)ため、主供給系統加圧5と副供給系統6との両方でエアを供給するように切換える。すなわち、副供給系統6の電磁弁8を開状態とする。これにより、液体容量が低下してもシリンジ内へのエアの流量を増加させることができて、シリンジ内のエア圧の立ち上がりを鋭くすることができる。さらに、加圧時間Tが短く(例えば、30ms以下)なると、主供給系統5単独でエアを供給するように切換える。すなわち、副供給系統6の電磁弁8を閉状態とする。
【0025】
微負圧供給部は、シリンジ1に微負圧を供給するための電磁弁であり、排気部は、シリンジ内を急速に大気圧とするための電磁弁である。
【0026】
次に、本発明の液体供給装置を用いて液体Lを基板(図示省略)に供給する方法について図4を用いて説明する。本実施形態ではシリンジ1から液体Lを供給するための設定圧を200kPaとしている。また、主供給系統5単独の供給から、主供給系統5及び副供給系統6の両方の供給への切換の基準となる加圧時間Tを60msとしており、主供給系統5及び副供給系統6の両方の供給から、供給主供給系統5単独の供給への切換の基準となる加圧時間Tを30msとしている。主供給系統5からは200kPaのエア圧が供給され、副供給系統6からは200kPaのエア圧が供給されるものとし、主供給系統5及び副供給系統6からのエアの流量は同一とする。また、初期状態では、シリンジ内に液体Lが満杯状態となっている。
【0027】
まず、微負圧供給部を開状態とするとともに、主供給系統5と、副供給系統6と、排気部とを閉状態とし、シリンダ内に微負圧を供給する(ステップS1)。これは、液体がその自重で吐出口51から垂れないようにするためである。その後、微負圧供給部を閉状態とするとともに、主供給系統5を開状態とし、シリンジ1に200kPaのエアを供給する(ステップS2)。シリンジ1にエアを供給する際、検出手段3にて、シリンジ内のエア圧が立ち上がる加圧時間Tを検出し、加圧時間Tが60ms以下であるか判定する(ステップS3)。シリンジ内のエア圧が200kPaに到達すると、吐出口51から液体Lが吐出し、所定時間(所定量)液体Lを吐出した後は、主供給系統5を閉状態とするとともに、排気部を開放し、シリンジ内を急速に大気圧としている。
【0028】
このような液体Lの吐出が繰り返し行われ、シリンジ内の液体容量が低下すると、加圧時間Tは次第に長くなる。加圧時間Tを検出し、加圧時間Tが60ms以下であるかの判定(ステップS3)は、シリンジ内のエア圧を立ち上げる際に毎回行う。加圧時間Tが60ms以下であり、次の供給を行う場合(ステップS4)は、次の供給時も、そのまま主供給系統5単独でエアを供給するが、加圧時間Tが60msを超えており、次の供給を行う場合(ステップS5)は、切換手段4は、副供給系統6を開状態とするように切換えて(ステップS6)、次の供給時は、主供給系統5及び副供給系統6の両方からエアを供給する(ステップS7)。これにより、シリンジ内へのエアの流量を増加させることができて、シリンジ内のエア圧の立ち上がりを鋭くすることができる。
【0029】
主供給系統5及び副供給系統6の両方からエアを供給するときも、検出手段3にて、シリンジ内のエア圧が立ち上がる加圧時間Tを検出し、加圧時間Tが30ms以下であるか判定する(ステップS8)。加圧時間Tが30msを超えており、次の供給を行う場合(ステップS9)は、次の供給時も、そのまま主供給系統5及び副供給系統6の両方でエアを供給するが、加圧時間Tが30ms以下であり、次の供給を行う場合(ステップS10)は、切換手段4は、副供給系統6を閉状態とするように切換えて(ステップS11)、次の供給時は、主供給系統5単独でエアを供給する。これにより、シリンジ内へのエアの流量を減少させることができて、シリンジ内のエア圧の立ち上がりを鈍くすることができる。
【0030】
本発明では、同一の流体圧を供給する圧力系統を2系統以上備えているため、シリンジ内への流体の流量を変更することができて、シリンジ内のエア圧の立ち上がりを鋭くしたり、鈍くしたりすることができる。このように、立ち上がり時間を制御することができ、シリンジ内の液体容量によらずに立ち上がり時間にばらつきが生じるのを防止することができるため、設定量の液体Lを正確に塗布することができる。また、少なくとも2系統の加圧としているため、1系統で使用する電磁弁よりも小さい電磁弁を使用することができ、駆動力を小さくすることができて電磁弁の内部構造を損傷しにくく耐久性に優れる。さらに、エア圧の立ち上がり時間の制御は、副供給系統の電磁弁を開閉するだけで済み、1系統で流体の流量を調節するよりも制御が簡単であるとの利点もある。
【0031】
検出手段3は、流体圧検出手段9と測定手段10とを備えているので、系統数を切換える際のタイミングを正確なものとできる。また、系統数の切換は自動で行うことができ、しかも高精度に制御することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、主供給系統5及び副供給系統6は夫々1つに限らず、複数であってもよい。主供給系統5と副供給系統6との数は相違していてもよく、主供給系統5と副供給系統6との流量も相違していてもよい。加圧時間Tの測定は、液体Lを供給するごとに毎回行わず、例えば2回の供給ごとに1回行う等してもよい。流体は、実施形態ではエアとしたが、エア以外の気体であってもよい。液体Lを供給するための設定圧は任意に設定することができ、主供給系統5単独の供給と、主供給系統5及び副供給系統6の両方の供給との切換の基準となる加圧時間Tも任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 シリンジ
2 空気圧回路
3 検出手段
4 切換手段
5 主供給系統
6 副供給系統
9 流体圧検出手段
10 測定手段
51 吐出口
L 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が封入されて、液体の吐出口が設けられたシリンジを備え、シリンジ内に空気圧回路を介して流体を供給することにより液体を吐出口から押出す液体供給装置において、
前記空気圧回路は、常時シリンジ内に流体を供給する主供給系統と、この主供給系統と同一圧力の流体を供給し、流体の供給開始からシリンジ内が液体を押し出す設定圧に達するまでの流体圧の立ち上がり時間を短縮するための副供給系統とを備えるとともに、
前記シリンジ内に流体圧の立ち上がり状態を検出する検出手段と、
シリンジ内の流体圧の立ち上がり状態に基づいて、前記主供給系統からの流体供給と、前記主供給系統及び副供給系統の両方からの流体供給との切換を行う切換手段とを備えたことを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
前記検出手段は、シリンジ内の流体圧を検出する流体圧検出手段と、シリンジ内の流体圧が所定圧となるまでの時間を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする請求項1の液体供給装置。
【請求項3】
液体が封入されて、液体の吐出口が設けられたシリンジを備え、シリンジ内に主供給系統を有する空気圧回路を介して流体を供給することにより液体を吐出口から押出す液体供給方法において、
シリンジ内の流体圧の立ち上がり状態に基づいて、前記主供給系統からの流体供給と、前記主供給系統、及び主供給系統と同一圧力の流体を供給する副供給系統の両方からの流体供給との切換を行って、
流体の供給開始からシリンジ内が液体を押し出す設定圧に達するまでの流体圧の立ち上がり時間を制御することを特徴とする液体供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−139627(P2012−139627A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293129(P2010−293129)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000110859)キヤノンマシナリー株式会社 (179)
【Fターム(参考)】