説明

液体冷却装置におけるR−1233の使用

本発明は、負圧液体冷却装置における冷媒としてのクロロ−トリフルオロプロペンの使用および冷却装置中の既存の冷媒をクロロ−トリフルオロプロペンで置き換える方法に関する。クロロ−トリフルオロプロペン、特に、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、液体冷却装置用途において高い効率および予想外に高い能力を有し、R−123およびR−11の代替を含む、このような用途のためのより環境上持続可能な冷媒として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負圧液体冷却装置における冷媒としてのクロロ−トリフルオロプロペンの使用に関する。クロロトリフルオロプロペン、特に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、液体冷却装置用途において高い効率性および予想外に高い能力を有し、R−123およびR−11の代替を含む、このような用途のより環境上持続可能な冷媒として有用である。クロロ−トリフルオロプロペンは、新規な冷却装置用途において、または冷媒が既存の冷却装置から除去され、本発明のクロロ−トリフルオロプロペンが加えられる仕上げ(top−off)もしくは追加改修として使用され得る。
【背景技術】
【0002】
継続した規制の圧力によって、より低いオゾン破壊および地球温暖化係数を有する冷媒、熱伝導流体、フォーム発泡剤、溶媒、およびエアロゾルに対する、より環境上持続可能な代替を特定する必要性が高まっている。これらの用途に広く使用されるクロロフルオロカーボン(CFC)およびヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、オゾン破壊物質であり、モントリオール議定書の指針に従って段階的に減らされている。ヒドロフルオロカーボン(HFC)は、多くの用途でCFCおよびHCFCの主要な代替である;それはオゾン層に対して「優しい」と考えられているが、なお概して高い地球温暖化係数を有する。オゾン破壊または高い地球温暖化物質を代替すると特定されている1つの新しいクラスの化合物は、例えば、ヒドロフルロオレフィン(HFO)およびヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)などのハロゲン化オレフィンである。本発明において、クロロ−トリフルオロプロペンが、液体冷却装置システム、特に負圧冷却装置システムにおいて、例えば、R−11およびR−123の代替として特に有用な冷媒であることが見いだされた。
【0003】
継続した規制の圧力によって、より低いオゾン破壊および地球温暖化係数を有する冷媒、熱伝導流体、フォーム発泡剤、溶媒、およびエアロゾルに対する、より環境上持続可能な代替を特定する必要性が高まっている。これらの用途に広く使用されるクロロフルオロカーボン(CFC)およびヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、オゾン破壊物質であり、モントリオール議定書の指針に従って段階的に減らされている。ヒドロフルオロカーボン(HFC)は、多くの用途でCFCおよびHCFCの主要な代替品である;それはオゾン層に対して「優しい」と考えられているが、なお概して高い地球温暖化係数を有する。オゾン破壊または高い地球温暖化物質を代替すると特定されている1つの新しいクラスの化合物は、例えば、ヒドロフルロオレフィン(HFO)およびヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)などのハロゲン化オレフィンである。HFOおよびHCFOは、所望される低い地球温暖化係数およびゼロかほとんどゼロのオゾン破壊特性を与える。
【0004】
冷却装置は、蒸気−圧縮(改変逆−ランキン(modified reverse−Rankine))、吸収、または他の熱力学的サイクルによって、水、他の熱伝導流体またはプロセス流体を冷却する冷却機である。それらの最も一般的な用途は、大規模なオフィス、商業、医療、娯楽、住居用の高層ビル、および同様のビルまたはビル群を冷房するための集中システムにおける用途である。一般にそれぞれ複数の冷却装置を有する、大規模な中央設備および相互接続された設備の両方は、ショッピングセンター、大学、医療、およびオフィス構内;軍事施設;ならびに地域冷房システムに普及している。冷水(または、あまり一般的ではないが、ブラインもしくは他の熱伝導流体)は、1つまたは複数のビルを通って、占有または管理スペースを冷房する(冷却および除湿する)ために冷水またはブラインを使用する、例えば、区域化された空気処理機などの他の装置にパイプで送られる。それらの本質から、効率および信頼性の両方は冷却装置の重要な属性である。冷却装置は通常、約10kW(3トン)から30MW(8,500トン)超の熱容量の範囲であり、より一般的には300kW(85トン)から14MW(4,000トン)の範囲である。より大規模なシステムは通常、複数の冷却装置を使用し、一部の装置は300MW(85,000トン)の冷却を超える。液体−冷却システムは、冷房または冷却用の水、ブライン、または他の二次冷却材を冷却する。このシステムは、工場で組立ておよび配線され得るかまたは現場での組立てのために解体して出荷され得る。最も多い用途は、冷房用の水冷却であるが、低温冷却のためのブライン冷却および産業プロセスにおける冷却流体用のブライン冷却も普及している。
【0005】
蒸気−圧縮、液体冷却システムの基本要素には、圧縮機、液体冷却器(蒸発器)、凝縮器、圧縮機駆動部、液体−冷媒膨張またはフロー制御装置、およびコントロールセンターが含まれ;これにはまた、受液器、エコノマイザ、膨張タービン、および/または副冷却器も含まれ得る。さらに、潤滑剤冷却器、潤滑剤分離器、潤滑剤戻し装置、パージユニット、潤滑剤ポンプ、冷媒移動ユニット、冷媒排出口、および/または追加制御弁などの補助要素が使用され得る。
【0006】
液体(通常水)は冷却器に入り、ここで比較的低温で蒸発する液体冷媒によって冷却される。冷媒は蒸発し、圧縮機中に引き込まれ、凝縮器において比較的高温で凝縮し得るようにその気体の圧力および温度を増加させる。凝縮器冷却媒体はこの工程で加温される。次いで、凝縮した液体冷媒は、膨張装置を通して蒸発器に還流する。液体冷媒の一部は、凝縮器と蒸発器との間で圧力が下がるときに蒸気に変わる(フラッシュする)。フラッシングにより、この液体は蒸発器圧力において飽和温度に冷却される。これは冷却器中で全く冷却は生じない。以下の改変(最大効果のために組み合わされるときもある)は、フラッシュガスを減少させ、消費電力の単位当たり正味冷却を増加させる。
【0007】
副冷却。凝縮冷媒は、水冷却凝縮器の副冷却器部分または分離熱交換器においてその飽和凝縮温度未満に過冷却され得る。副冷却により、フラッシングは減少し、冷却装置における冷却効果が増加する。
【0008】
エコノマイジング。この処理は、直接膨張(DX)、膨張タービン、またはフラッシュシステムにおいて生じ得る。DXシステムにおいて、主要な液体冷媒は通常、凝縮圧力において管状熱交換器のシェルにおいて飽和凝縮温度から中間飽和温度の数度以内に冷却される。冷却前に、ごく一部の液体がフラッシュし、熱交換器の管側で蒸発し、主要な液体流を冷却させる。過冷却されるが、この液体はなお凝縮圧力にある。
【0009】
膨張タービンは、一部の冷媒が蒸発するときに回転エネルギーを取り出す。DXシステムにおけるように、残存する液体は中間圧力で冷却器に供給される。フラッシュシステムにおいて、全体の液体流は、液体を飽和中間圧力で冷却器に供給する容器において中間圧力まで膨張させられるが;この液体は中間圧力にある。
【0010】
フラッシュガスは、多段遠心圧縮機の中間段階で、内部の2段往復圧縮機の中間段階で、スクリュー圧縮機の中間圧力取込口で、または多段往復もしくはスクリュー圧縮機上の高圧段階の入口で圧縮機に入る。
【0011】
液体注入。凝縮された液体は、中間圧力まで絞られ、過剰に高い排出温度を防止し、および遠心機の場合は、ノイズを減少させるために凝縮器の第2段の吸引部中に注入される。スクリュー圧縮機については、凝縮液体は、潤滑剤冷却を得るために排出圧力よりわずかに下に固定された取込口中に注入される。
【0012】
基本システム
基本液体冷却装置システムの代表的な冷却サイクルは、図1に示される。冷水は、例えば、54°Fで冷却器に入り、44°Fで出る。凝縮器水は、85°Fで冷却塔を出て、凝縮器に入り、ほぼ95°Fで冷却塔に戻る。凝縮器はまた、空気または水の蒸発によって冷却されてもよい。水冷凝縮器とともに、単一の圧縮機および1つの冷却回路を有するこのシステムは、比較的単純でかつ小型で経済的であるので、冷房用の水を冷却するために広範囲に使用される。圧縮機は、往復、スクロール、スクリューまたは遠心圧縮機であることができる。本発明の好ましいシステムは、遠心液体冷却装置システムである。
【0013】
遠心圧縮機は、冷媒を半径方向に加速させるために回転要素を使用し、通常、ケーシングに収容された羽根車およびディフューザを含む。遠心圧縮機は通常、羽根車入口、または循環羽根車の中央吸気口で流体を取り入れ、それを外側に向かって半径方向に加速させる。いくらかの静圧上昇が羽根車に生じるが、大部分の圧力上昇はケーシングのディフューザ部分に生じ、ここで、速度は静圧に変換される。羽根車−ディフューザの各組は圧縮機の段である。遠心圧縮機は、所望の最終圧力および処理される冷媒の容量に依存して、1から12段以上で構成される。
【0014】
圧縮機の圧力比、または圧縮比は、絶対排出圧対絶対流入圧の比である。遠心圧縮機により供給される圧力は、比較的広い範囲の容量にわたって実質的に一定である。したがって、既存の冷媒を置換しながら遠心圧縮機の性能を維持するために、新しい冷媒を使用する場合の圧力比は、既存の冷媒を使用する場合のものと可能な限り近くなければならない。
【0015】
容積式圧縮機と異なり、遠心圧縮機は、羽根車を通過する蒸気を圧縮するための高速羽根車の遠心力に完全に依存する。容積式ではなく、いわゆる動的圧縮が存在する。
【0016】
遠心圧縮機が作り出し得る圧力は、羽根車の先端速度に依存する。先端速度は、その先端で測定した羽根車の速度であり、羽根車の直径およびその分当たり回転に関係する。遠心圧縮機の能力は、羽根車を通る通路の大きさによって決定される。このことは、圧縮機の大きさを、能力よりも必要とされる圧力により依存させる。
【0017】
既存の冷媒を置き換えながら遠心圧縮機の性能を維持するために、所定の羽根車のマッハ数(Mach number)は既存の冷媒によって得られるものと同じでなくてはならない。羽根車のマッハ数は、冷媒の音速(音の速度)に依存するので、圧縮機の性能は、元の冷媒と同じ音速を有するかまたは理論的に既存の冷媒と同じ羽根車マッハ数を与える音速を有する代替冷媒を配合することによってより正確に維持され得る。
【0018】
特に既存の冷媒を新しいものと置き換える場合、圧縮機にとって重要な考慮すべき事項は、ここで以下のように定義される無次元の比速度Ωであり:
【数1】

式中、ωは角速度(rad/s)であり、Vは体積流量率(m3/s)であり、Δhは、圧縮機の段当たり理想比仕事(J/kg)であり、これは以下のように近似され得る:
【数2】

式中、下付文字1および2は、それぞれ、圧縮機入口および出口における気体状態を示す。H、sおよびTは、それぞれ、比エンタルピー、比エントロピー、および温度である。Ωが設計について最適値を有する場合、圧縮機は最高断熱効率ηで運転する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
その高速度運転のために、遠心圧縮機は基本的に高容量、低圧の機械である。遠心圧縮機は、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)などの低圧冷媒とともに最も良好に動作する。冷却器の一部、特に蒸発器が周囲圧力未満の圧力レベルで運転される場合、冷却器は負圧システムと呼ばれる。低圧または負圧システムの利点の1つは低い漏れ率である。冷媒漏れは圧力差によって促進され、したがって、より低い圧力は高圧システムより低い漏れ率をもたらす。また、周囲圧力未満で運転しているシステムの漏れは、漏れ出る冷媒よりもむしろ装置中に吸引される空気を生じる。このような運転は、いずれの空気および水分も除去するためのバージ装置を必要とするが、このパージ運転をモニターすることは漏れの発生に対して警告システムとして働く。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明において、クロロ−トリフルオロプロペンが、例えば、R−11およびR−123の代替のために、特に負圧冷却装置システムにおいて、液体冷却器システム用の特に有用な冷媒であることが見いだされた。本発明のクロロ−トリフルオロプロペンは、現状の冷却装置冷媒に匹敵する運転状態を与え、かつまた、現状の冷却装置潤滑剤と適合することが見いだされた。本発明のクロロ−トリフルオロプロペンは、好ましくは、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび/または2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、より好ましくはトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】典型的な冷却装置システムの概略図である。
【図2】蒸発器温度−10℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCOPの図表である。
【図3】蒸発器温度−10℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCAPの図表である。
【図4】蒸発器温度0℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCOPの図表である。
【図5】蒸発器温度0℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCAPの図表である。
【図6】蒸発器温度5℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCOPの図表である。
【図7】蒸発器温度5℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCAPの図表である。
【図8】蒸発器温度10℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCOPの図表である。
【図9】蒸発器温度10℃におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfに対するCAPの図表である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒は、新たな冷却装置システムに加えることができるか、または既存の冷却装置システムを仕上げもしくは改修する方法において用いることができる。本発明のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒組成物は、遠心圧縮機および満液式蒸発器を用いる冷却装置、好ましくは負圧で運転されるものにおいて特に有用である。改修方法は、冷却装置システム中の実質的な一部の潤滑剤を場合によって保持しながら、冷却装置システムから既存の冷媒を除去する工程;ならびに、界面活性剤および/または可溶化剤の添加を必要とすることなく、システム中に存在する潤滑剤と混和性である本発明のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒を含む組成物をそのシステムに導入する工程を含む。既存の冷却装置システムを仕上げすることにおいて、本発明のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒は、冷媒充填量を満タンにするために、または失われた冷媒に置き換わるか、もしくは既存の冷媒の一部を除去した後に本発明のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒を加える部分的な置き換えとして加えられる。本発明の好ましいクロロ−トリフルオロプロペン冷媒は、好ましくは1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび/または2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、より好ましくは、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである。
【0023】
本明細書で用いられる「実質的な部分」という用語は一般的に、前の冷媒の除去前に冷却システムに含まれる潤滑剤の量の少なくとも約50%(特に断りのない限り、本明細書におけるパーセンテージは全て重量基準である)である潤滑剤の量を指す。好ましくは、本発明によるシステムにおける潤滑剤の実質的な部分は、冷却システムに当初含まれる潤滑剤の少なくとも約60%の量、より好ましくは少なくとも約70%の量である。
【0024】
任意の広範に知られている方法が、システムに含まれる潤滑剤の主要部分未満を除去しながら、冷却装置システムから前の冷媒を除去するために使用され得る。好ましい実施形態によれば、潤滑剤は炭化水素系潤滑剤であり、その除去工程は、システム中に残存しているその潤滑剤の少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%をもたらす。冷媒は従来の炭化水素系潤滑剤に比べて極めて揮発性であるので、液体状態の潤滑剤を含む冷却システムから気体状態の当初の冷媒をポンプで排気することによって、除去工程は容易に行われ得る。冷媒の沸点は一般に、30℃未満であるが、鉱油の沸点は一般に200℃超である。このような除去は、冷媒回収システムの使用を含めて、当技術分野で知られている任意の多くの方法で達成され得る。あるいは、冷却されて、真空排気された冷媒容器を冷却システムの低圧側に取り付けて、気体状の前の冷媒をその真空排気された容器中に引き抜き、除去するようにすることができる。さらに、圧縮機を冷却システムに取り付けて、システムからの前の冷媒を真空排気された容器にポンプで入れてもよい。上の開示に照らして、当業者は容易に、冷却装置システムから前の冷媒を除去して、その中に炭化水素系潤滑剤および本発明によるクロロ−トリフルオロプロペン冷媒を有するチャンバーを備える冷却システムを得ることができる。
【0025】
本発明の方法は、冷却装置システムに、そのシステム中に存在する潤滑剤と混和性の本発明の少なくとも1種のクロロ−トリフルオロプロペン冷媒を含む組成物を導入する工程を含む。冷却装置システム中の潤滑剤は、炭化水素潤滑油、酸素添加潤滑油またはそれらの混合物であり得る。
【0026】
本発明のクロロ−トリフルオロプロペンに加えて、システム中に導入される組成物には、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロオレフィン、ヒドロフルオロエーテル、フルオロケトン、炭化水素、アンモニア、またはそれらの混合物から選択される追加の冷媒が含まれ得、好ましくは、ここで、追加の冷媒は、非引火性でありおよび/または得られる冷媒組成物は非引火性である。
【0027】
ヒドロフルオロカーボンは、ジフルオロメタン(HFC−32)、1−フルオロエタン(HFC−161)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロプロパン(HFC−4310)およびそれらの混合物から選択され得る。
【0028】
ヒドロクロロフルオロカーボンは、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(R−124)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)およびそれらの混合物から選択され得、好ましくはR−123でもよい。
【0029】
クロロフルオロカーボンは、トリクロロフルオロメタン(R−11)、ジクロロジフルオロメタン(R−12)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)、クロロペンタフルオロエタン(R−115)、またはそれらの混合物、好ましくはR−11であり得る。
【0030】
代表的なヒドロフルオロエーテルには、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロ−4−メトキシ−ブタン、またはそれらの混合物が含まれる。代表的なフルオロケトンは、1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4(トリフルオロメチル)−3−ペンタノンである。
【0031】
ヒドロフルオロオレフィンは、少なくとも1個のフッ素原子、少なくとも1個の水素原子および少なくとも1個のアルケン結合を含むC3からC5ヒドロフルオロオレフィンであり得る。代表的なヒドロフルオロオレフィンには、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1234zf)、E−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(E−HFO−1234ze)、Z−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(Z−HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、E−1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(E−HFO−1255ye)、Z−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(Z−HFO−125ye)、E−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(E−HFO−1336mzz)、Z−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(Z−HFO−1336mzz)、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタ−2−エン(HFO−1438mzz)またはそれらの混合物が含まれる。
【0032】
代表的なヒドロクロロオレフィンは、トランス−1,2−ジクロロエチレンである。
【0033】
炭化水素は、C3からC7アルカン、好ましくはブタン、ペンタン、またはそれらの混合物、より好ましくはn−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、またはそれらの混合物であり得る。
【0034】
現状の冷却装置潤滑剤には、鉱油、ポリオールエステル油、ポリアルキレングリコール油、ポリビニルエーテル油、ポリ(アルファオレフィン)油、アルキルベンゼン油およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。好ましい冷却装置潤滑剤は鉱油である。本発明のクロロ−トリフルオロプロペンは、鉱油ならびに他の冷却装置潤滑剤と混和性であることが見いだされた。
【0035】
本発明の、潤滑剤と混和性のクロロ−トリフルオロプロペンに加えて、システム中に導入される組成物には、他の添加剤または冷却システムにおいてそれらの性能を高めるための冷媒組成物において使用される種類の物質が含まれ得る。例えば、組成物には、極圧添加剤および耐磨耗添加剤、酸化安定性改良剤、腐食防止剤、粘度指数改良剤、流動点およびフロック点降下剤、消泡剤、粘度調整剤、UV色素、トレーサなどが含まれ得る。
【0036】
以下の非限定的な実施例は、本明細書により参照として提供される。
【実施例】
【0037】
液体冷却装置性能データ
液体冷却装置用途における冷媒R−123(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン)、R−1233zd(1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、主にトランス−異性体)、およびR−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)の性能を以下の実施例において評価した。それぞれの実施例において、データは、30℃から55℃の範囲の所与の蒸発器温度および多段凝縮器温度で与えられる。それぞれの場合の等エントロピー効率は0.7であった。R−123およびR1234yfのデータは、比較例として与えられる。
【0038】
以下の実施例において、以下の用語を使用する:
凝縮器排出温度:T cond
凝縮器圧力:P cond
蒸発器圧力:P evap
凝縮器と蒸発器との間の圧力差:P diff
凝縮器対蒸発器の圧力比:P ratio
性能係数(エネルギー効率):COP
容量:CAP
【0039】
実施例1
この実施例において、以下の条件を用いた:
蒸発器温度=−10℃。圧縮機吸気口温度=−5℃。等エントロピー効率=0.7。結果は表1に示す。
【0040】
図2および図3は、R−123と比較してR−1233zdおよびR−1234yfのCOPおよびCAPを示す。
【0041】
【表1】

【0042】
実施例2
この実施例において、以下の条件を用いた:
蒸発器温度=0℃。圧縮機吸気口温度=5℃。等エントロピー効率=0.7。結果は表2に示す。
【0043】
図4および図5は、R−123と比較してR−1233zdおよびR−1234yfのCOPおよびCAPを示す。
【0044】
【表2】

【0045】
実施例3
この実施例において、以下の条件を用いた:
蒸発器温度=5℃。圧縮機吸気口温度=10℃。等エントロピー効率=0.7。結果は表3に示す。
【0046】
図6および図7は、R−123と比較してR−1233zdおよびR−1234yfのCOPおよびCAPを示す。
【0047】
【表3】

【0048】
実施例4
この実施例において、以下の条件を用いた:
蒸発器温度=10℃。圧縮機吸気口温度=15℃。等エントロピー効率=0.7。結果は表4に示す。
【0049】
図8および図9は、R−123と比較してR−1233zdおよびR−1234yfのCOPおよびCAPを示す。
【0050】
【表4】

【0051】
表1から表4の代表的データを図2から図9に示す。
【0052】
これらの実施例全てにおいて、R−1233zdの効率がR−123のものと非常に近く、R−123の効率の数パーセント以内であった。対照的に、R−1234yfの効率は、R−1233zdおよびR−123のものより有意に低く、R−123のものより6.4%から20%超低かった。R−1233zdの能力は、R−123のものより30%から40%大きいことも予想外に見いだされた。
【0053】
R−1233zdおよびR−123に対して、このシステムは、蒸発器の圧力が周囲圧力未満である負圧システムとして運転する。R−1234yfに対して、全体のシステムは正圧で運転する。
【0054】
R−1233zdは、R−123の運転圧力、圧力比、および圧力差に対して互角であることが見いだされ、より環境的に許容される代替として使用され得る。
【0055】
実施例5
音速:
R−11、R−123、R−134a、R−1233zdおよびR−1234yfの音速を40℃および1バールで測定した。R−1233zdの音速は、R−11の音速に近く、R−134aまたはR−1234yfのいずれよりもR−123の音速により近い。
【0056】
【表5】

【0057】
実施例6
無次元比速度:
液体冷却装置におけるR−123、R−1233zd、およびR−1234yfの性能を、5℃での圧縮機吸気口温度および40℃での凝縮器温度で、実施例2におけるように測定した。結果を表6に示し、これは、この冷却装置が、同じ冷却能力を供給するために運転されると仮定すると、冷媒の無次元比速度Ω対R−123の無次元比速度(Ω123)の比も与える。R−1233zdは、R−1234yfと比較して、R−123の優れた代替であることが分かった。
【0058】
【表6】

【0059】
これらの結果は、R−1234yfまたは同様の冷媒と比較してR−1233zdの効率利得のために、R−1233、特にR−1233zdが、液体冷却装置、特に負圧冷却装置の冷媒として、および特に大規模システムにおいて有用であることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い地球温暖化係数の冷媒および潤滑剤を含む種類の冷却装置システムに充填する方法であって、前記システム中に前記潤滑剤の実質的な部分を残しながら、前記冷却システム中の前記高い地球温暖化係数の冷媒の全てまたは一部を、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび/または2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含むハロゲン化オレフィン組成物で置き換える工程を含む方法。
【請求項2】
前記潤滑剤が、鉱油、ポリオールエステル油、ポリアルキレングリコール油、ポリビニルエーテル油、ポリ(アルファオレフィン)油、アルキルベンゼン油およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記冷却装置システムが、遠心圧縮機、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機または往復圧縮機を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮機が遠心圧縮機である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハロゲン化オレフィン組成物が、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロオレフィン、フルオロケトン、ヒドロフルオロエーテル、炭化水素、アンモニア、およびそれらの混合物からなる群から選択される冷媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記クロロフルオロカーボンが、トリクロロフルオロメタン(R−11)、ジクロロジフルオロメタン(R−12)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)、クロロペンタフルオロエタン(R−115)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記クロロフルオロカーボンがトリクロロフルオロメタン(R−11)である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒドロクロロフルオロカーボンが、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(R−124)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒドロクロロフルオロカーボンが1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ヒドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン(HFC−32)、1−フルオロエタン(HFC−161)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロプロパン(HFC−4310)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロプロパン(HFC−4310)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)である、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、少なくとも1個のフッ素原子、少なくとも1個の水素原子、および少なくとも1個のアルケン結合を含むC3からC5ヒドロフルオロオレフィンである、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1234zf)、E−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(E−HFO−1234ze)、Z−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(Z−HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、E−1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(E−HFO−1255ye)、Z−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(Z−HFO−1225ye)、E−1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロブタ−2−エン(E−HFO−1336mzz)、Z−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(Z−HFO−1336mzz)、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタ−2−エン(HFO−1438mzz)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、E−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(E−HFO−1336mzz)、Z−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(Z−HFO−1366mz)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒドロクロロオレフィンがトランス−1,2−ジクロロエチレンである、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒドロフルオロエーテルが、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロ−4−メトキシ−ブタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項18】
前記フルオロケトンが1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−3−ペンタノンである、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記炭化水素が、C3からC7飽和アルカンである、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記炭化水素が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンおよびそれらの混合物である、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
圧縮機において冷媒を圧縮し、冷却される物体の近傍で冷媒を蒸発させる工程を含む冷却装置システムにおける冷却を生じる方法であって、前記冷媒がクロロ−トリフルオロプロペンから本質的になる方法。
【請求項22】
前記クロロ−トリフルオロプロペンが、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記圧縮機における蒸発器圧力が、周囲圧力未満である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記圧縮機が、遠心圧縮機、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機または往復圧縮機である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記圧縮機が遠心圧縮機である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記冷媒が、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロオレフィン、フルオロケトン、ヒドロフルオロエーテル、炭化水素、アンモニア、またはそれらの混合物をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記クロロフルオロカーボンが、トリクロロフルオロメタン(R−11)、ジクロロジフルオロメタン(R−12)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)、クロロペンタフルオロエタン(R−115)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記クロロフルオロカーボンがトリクロロフルオロメタン(R−11)である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ヒドロクロロフルオロカーボンが、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(R−124)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記ヒドロクロロフルオロカーボンが1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記ヒドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン(HFC−32)、1−フルオロエタン(HFC−161)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロプロパン(HFC−4310)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロプロパン(HFC−4310)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、少なくとも1個のフッ素原子、少なくとも1個の水素原子および少なくとも1個のアルケン結合を含むC3からC5ヒドロフルオロオレフィンである、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1234zf)、E−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(E−HFO−1234ze)、Z−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(Z−HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、E−1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(E−HFO−1255ye)、Z−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(Z−HFO−1225ye)、E−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(E−HFO−1336mzz)、Z−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(Z−HFO−1336mzz)、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタ−2−エン(HFO−1438mzz)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、E−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(E−HFO−1336mzz)、Z−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブタ−2−エン(Z−HFO−1336mzz)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記ヒドロクロロオレフィンが、トランス−1,2−ジクロロエチレンである、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記ヒドロフルオロエーテルが、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−メトキシ−プロパン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロ−4−メトキシ−ブタンおよびそれらの混合物である、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
前記フルオロケトンが、1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4(トリフルオロメチル)−3−ペンタノンである、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記炭化水素が、C3〜C7飽和アルカンである、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記炭化水素が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンおよびそれらの混合物である、請求項26に記載の方法。
【請求項42】
鉱油、ポリオールエステル油、ポリアルキレングリコール油、ポリビニルエーテル油、ポリ(アルファオレフィン)油、アルキルベンゼン油およびそれらの混合物からなる群から選択される潤滑剤をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
a.1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび/または2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含み、潤滑剤、金属、水およびそれらの混合物の存在下で安定なハロゲン化オレフィン;および
b.鉱油、アルキルベンゼン油、ポリオールエステル油、ポリアルキレングリコール油、ポリビニルエーテル油、ポリ(アルファオレフィン)油およびそれらの混合物からなる群から選択される潤滑剤
を含む冷却装置システムにおける使用のための熱伝導組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−531970(P2010−531970A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515298(P2010−515298)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/036268
【国際公開番号】WO2009/114398
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(500307340)アーケマ・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】