説明

液体及びウィルス障壁を有する通気性フィルム及び布

通気性ウィルス障壁フィルム(20)、ウィルス障壁ラミネート(50)、及びフィルム又はラミネートを含む外科用物品が提供される。フィルム(20)は、低表面張力液体の存在下で、並びに水性液体の存在下でウィルス障壁特性を有する。フィルム(20)は、2つのスキン層(10)によって囲まれるコア層(30)を含む。コア層(30)は、ポリマー・マトリックス、フィラー粒子、及び少なくとも0.5重量%の選択されたフルオロケミカルを含む。フィルム(20)は、1つ又はそれ以上の不織ウェブ(40)に結合されて、外科用物品に有用なラミネートを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気の透過性と、液体及びウィルスの通過に対する障壁性を有するフィルム及びフィルム/不織ラミネート布に向けられている。
【背景技術】
【0002】
外科用ガウン、外科用ドレープ、外科用フェイスマスク、外科用スクラブ、並びに滅菌ラップ及び滅菌剥離パウチ(以下、まとめて「外科用物品」と呼ぶ)は、十分に機能するためには、性状、特徴、及び性能特性のバランスがとれていなければならない。こうした外科用物品は、主要なこととして、生物学的液体及び/又は空気によって運ばれる汚染物が該外科用物品を透過するのを、防止しないのとしても、大きく減少させるように設計されてきた。外科処置環境においては、こうした液体の発生源には、ガウンの着用者の汗、血液といった患者からの体液、血漿及び食塩水といった生命維持のための液体がある。空気によって運ばれる汚染物の例には、この限りではないが、バクテリア、ウィルス及び真菌胞子といった生物学的汚染物がある。また、こうした汚染物には、この限りではないが、綿ほこり、鉱物微粉、塵、皮膚の鱗屑及び呼吸飛沫といった粒子状物質がある。こうした空気によって運ばれる物質の通過を防止する障壁布の能力の大きさは、ろ過効率という用語で表現されることもある。
【0003】
こうした外科用物品はさらに、使用中、すなわち着用されている間、快適なものとなるべきである。外科用物品の通気性、すなわちその水蒸気透過率は、外科用物品が使用に際してどのくらい快適であるかを示す重要な尺度である。使用中の物品の快適さに影響を与える外科用物品の他の特徴には、この限りではないが、物品のドレープ適性、布のような感覚及び手触り、並びに冷涼感がある。
外科用物品はまた、特に外科処置の間に、物品の使用者に必要なレベルの安全性を与えるために、最小レベルの強度及び耐久性を要求する。
最終的に、外科用物品は、望ましくは、製造するのに安価であり、使用中の着用者の快適さを改善し、なおかつこうした物品のコストを低下させる軽量の材料を使用することが望ましい。
【0004】
種々の構造の液体不透過性の通気性多層障壁布の使用が知られている。不織ウェブ又は層から形成された布のような撥液体性布から形成された外科用物品は、規定された容認できるレベルの液体不浸透性、通気性、布状のドレープ適性、強度及び耐久性、並びにコストを有する。しかしながら、それにもかかわらず、外科用物品、並びに上記の幾つか又は全ての性能特徴及び性状が望ましいか又は必要である他の衣類及びパーソナル防具用途(すなわち例えば作業着)といった上着を形成するのに用いられる改善された布状の液体不透過性の通気性障壁材料への必要性が存在する。他のパーソナル防具用途には、この限りではないが、実験用途、半導体製造といったクリーンルーム用途、農業用途、鉱業用途、環境用途などがある。
外科的及び医療処置が行われる病院その他の場所では、種々の低表面張力液体が用いられる。イソプロピルアルコールといった低表面張力液体は、血液その他の流体と組み合わされて、上述の種々の外科用物品を通してウィルスを運びうる湿潤可能な通路を生じさせる。例えば、微孔性熱可塑性ポリオレフィンベースのフィルム及びフィルム/不織ラミネートを用いて形成される外科用物品は、本質的に疎水性であり、ウィルスを運ぶ可能性がある血液その他の水性流体の通過に抵抗する。しかしながら、これらのフィルム及びラミネートは、典型的には、低表面張力液体の通過に対してあまり抵抗性がない。したがって、血液又は他の水性流体がイソプロピルアルコール又は別の低表面張力液体と組み合わされたときに、外科用物品を通して血液と共にウィルスなどを運ぶ伝達手段が形成されることがある。
上記のことに留意すると、イソプロピルアルコールといった低表面張力液体並びに水性液体の通過を防止する改善された通気性熱可塑性フィルム及びフィルム/不織ラミネートへの必要性又は要望がある。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、水ベースの液体及び低表面張力液体の両方の通過を防止し、それにより水蒸気透過性と共に、改善された液体及びウィルス障壁特性を与える通気性多層熱可塑性ポリマーベースのフィルム及びフィルム/不織ラミネートに向けられている。通気性フィルムは、熱可塑性ポリマー、粒子状フィラー、及び少なくとも0.5重量%のフルオロケミカルを含有するコア層を含む。フィルムはまた、コア層の各側に1つずつの、2つのスキン層を含む。スキン層の各々は、熱可塑性ポリマーと、ゼロないしは0.5重量%より少ないフルオロケミカルを含み、粒子状フィラーを含むことができる。
スキン層は、フィルムの片側又は両側において不織ウェブ層に熱結合される層として用いられることが望ましい。この目的のために、スキン層は、熱結合の改善のために親油性表面を有するフィルムを与えることが望ましい。親油性表面は、鉱油といった油を通過させるが、水性液体がフィルムを通過することは許さない。少なくともコア層中に存在するフルオロケミカルは、低表面張力液体の通過を防止する。
フィルムのスキン層は、フルオロケミカルの含有を助けるが、コア層からのフルオロケミカルの移動を防止しない。電気化学フッ素化法を用いて製造されたフルオロケミカルは、スルホンアミド基を含有することができる。この化学機構に対し、幾つかの議論がある。あまり議論を呼ばないフルオロケミカルは、テロマー化法といった異なる方法を用いて調製することができ、スルホンアミド基は含有しない。
【0006】
上記のことに留意すると、本発明の特徴及び利点は、水性液体及び/又は低表面張力液体の通過を防止し、結果としてウィルス障壁性が改善された、通気性熱可塑性障壁フィルムを提供することである。
本発明の特徴及び利点はまた、水性液体及び/又は低表面張力液体のフィルム通過を防止し、結果としてウィルス障壁性が改善された、通気性フィルム/不織ラミネート布を提供することである。
本発明の特徴及び利点はまた、通気性熱可塑性ポリマーベースのフィルム及び/又はフィルム/不織ラミネートを具体化する種々の外科用物品を提供することである。
【0007】
(定義)
「通気性フィルム」又は「通気性ラミネート」という用語は、本明細書に記載のWVTR試験手順を用いたときに、24時間当たり少なくとも約500g/m2、好適には24時間当たり少なくとも約1000g/m2、望ましくは24時間当たり少なくとも約2000g/m2の水蒸気透過率(「WVTR」)をもつフィルム又はラミネートのことをいう。通気性の材料は、一般的に、蒸気の分子拡散、すなわち蒸気が微孔を通過することに基づいており、実質的に液体不透過性である。
「ウィルス障壁フィルム」又は「ウィルス障壁ラミネート」という用語は、ASTM F1671に記載されたバクテリオファージの連邦性能基準をパスするフィルム又はフィルム/不織ラミネートのことをいう。
「液体障壁フィルム」又は「液体障壁ラミネート」という用語は、ASTM F1670に記載された合成血液染通しの連邦性能基準をパスするフィルム又はフィルム/不織ラミネートのことをいう。
【0008】
ASTM D1331−89を用いて計測された、40ダイン/cm又はそれ以下の表面張力を有する液体のことをいう。通気性フィルム又はフィルム/不織ラミネートは、フィルムが低表面張力液体の浸透に抵抗する場合には、ここで説明された修正された水柱圧試験を用いて、300ミリバールの圧力の下で少なくとも50分にわたって、或いは300ミリバールの圧力の下で少なくとも30分にわたって、或いは150ミリバールの圧力の下で少なくとも50分にわたって、或いは150ミリバールの圧力の下で少なくとも30分にわたって、或いは19ミリバールの圧力の下で少なくとも50分にわたって、或いは19ミリバールの圧力の下で少なくとも30分にわたって、40ダイン/cmより低い、或いは30ダイン/cmより低い、或いは約26ダイン/cm、或いは22から40ダイン/cmまでの間、或いは26から40ダイン/cmまでの間の、低表面張力液体に対する障壁を与える。「水柱圧」という用語は、静水柱圧のことをいい、該用語は、この用途においては同義であるとみなされる。
【0009】
「不織布又はウェブ」という用語は、編まれた布のような規則的な又は識別可能な形態ではなく、個々の繊維又は糸が重なり合わされた構造をもつウェブを意味する。不織布又は不織ウェブは、例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、空気堆積法、共成形法、及びボンデッドカーデッドウェブ法などのような多くの方法により形成される。不織布の坪量は、普通は1平方ヤード当たりの材料のオンス数(osy)か、又は1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表され、有用な繊維の直径は、普通はミクロンで表される。(osyからgsmに換算するには、osyに33.91を掛ければよい。)
「スパンボンド繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、それぞれの全部を引用によりここに組み入れる、アッペル他に付与された米国特許第4,340,563号、ドーシュナー他に付与された米国特許第3,692,618号、マツキ他に付与された米国特許第3,802,817号、キニーに付与された米国特許第3,338,992号及び3,341,394号、ハートマンに付与された米国特許第3,502,763号、及びピーターセンに付与された米国特許第3,502,538号及びドーボー他に付与された米国特許第3,542,615号におけるように、急速に縮小することにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、しばしば約0.3以上の平均繊維デニールを有し、より具体的には、約0.6から10の間の平均繊維デニールを有する。
【0010】
「メルトブロー繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、普通は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより形成される繊維を指す。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、ビューティン他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブロー繊維は、連続的又は非連続的なマイクロファイバーであり、一般的に約1.0デニールより小さく、集積面の上に堆積された時には一般に自己結合する。
【0011】
「マイクロファイバー」という用語は、一般に、約0.005〜10の平均繊維デニールを有する小直径の繊維を意味する。繊維デニールは、繊維の9000メートル当たりのグラム数として定義される。円形の断面をもつ繊維については、デニールは、ミクロンの繊維直径を2乗し、密度g/ccを掛け、0.00707を掛けることで算出することができる。同じポリマーから作られた繊維において、低いデニールは細い繊維を示し、高いデニールは、太い又は重い繊維を示す。例えば、15ミクロンとして与えられたポリプロピレン繊維の直径を2乗し、この結果に0.89g/ccを掛け、さらに0.00707を掛けることにより、デニールに換算できる。従って、15ミクロンのポリプロピレン繊維は、(152×0.89×0.00707=1.415)として計算された約1.42デニールを有する。米国以外では、この測定単位は、「テックス」で表されることが多く、テックスは、繊維1キロメートル当たりのグラム数として定義される。「テックス」は、デニール÷9として算出することができる。
【0012】
「フィルム」とは、キャスト、ブローフィルム又は押出コーティングのようなフィルム押出法を用いて作成された熱可塑性フィルムのことをいう。この用語は、ポリマーにフィラーを混合し、混合物からフィルムを形成し、フィルムを引き伸ばして気孔を生じさせることによって微孔性にされたフィルムを含む。さらに、2つ又はそれ以上の不相溶性ポリマーを混ぜ、同じく引き伸ばして、微孔性フィルムを形成することができる。溶媒又は他の手段によって1つ又はそれ以上のポリマーが抽出されて微孔が形成されたフィルムもある。固体ポリマーフィルム中の水分子の溶解、固体ポリマーフィルムを通る水分子の拡散、及びフィルムを通って周囲の空気中に抜ける水の蒸発に頼るモノリシックフィルムもある。さらに、水性液体の通過を防止する十分に曲がりくねった路が存在するという条件で、引き伸ばすことにより破裂した「気泡」、すなわち「連続気泡」をもつ発泡体もある。
【0013】
「微孔性」という用語は、薄いポリマー膜によって分離された気孔を有するフィルム、及びフィルムを貫通する微孔を有するフィルムのことをいう。気孔又は微孔は、ポリマー及びフィラーの混合物がフィルムに押出され、該フィルムが好ましくは機械方向に一軸に引き伸ばされたときに形成される。微孔性フィルムは、膜又は微孔を通る水蒸気の分子拡散に起因する水蒸気透過率をもつ傾向があるが、水性液体の通過を実質的に遮断する。
「ポリマー」という用語は、ホモポリマーと、例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、及び交互コポリマーのようなコポリマー、ターポリマー等、それらの配合物及び変成物を含むが、これらに限られるものではない。さらに、特に限定されていない限り、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のある全ての幾何学的形状を含む。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
「熱可塑性」という用語は、加熱されたときに溶けて流れるポリマーのことをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明の通気性多層障壁フィルム20は、中央(コア)層30と2つの外側(スキン)層10とを含む。中央層30は、熱可塑性ポリマー・マトリックス32、マトリックス内の複数の気孔34、及び気孔内の複数のフィラー粒子36を含む。外側フィルム層10の各々は、典型的にはコア層のポリマー・マトリックス30とは異なるポリマー・マトリックス12を含み、該ポリマー・マトリックスは、後でさらに説明されるように、コア層30の一体性を損なうことなく、フィルム20を不織ウェブに熱結合するのに用いられる。図示された実施形態においては、外側層10の各々は、マトリックス内の複数の気孔14と、気孔内の複数のフィラー粒子16とを含む。別の実施形態においては、外側層10は、特に、後述するようにスキン層10が非常に薄い箇所には気孔及び/又はフィラー粒子を実質的に含まない。
コア層内の気孔34、及びスキン層内の気孔14は、典型的にはそれぞれのポリマー・マトリックス12及び32内の薄いポリマー膜によって分離される。図1の符号13及び33によって示される、気孔を囲んでいる膜は、通気性フィルム20の第1面から第2面への水蒸気の分子拡散を容易に許す。フィルム20を通した水蒸気透過率は、24時間当たり少なくとも約500グラム/m2、適切には24時間当たり少なくとも約1000グラム/m2、望ましくは24時間当たり少なくとも約2000グラム/m2である。
【0015】
コア層30のマトリックス32は、適切なフィルム形成マトリックスポリマーを含むことができる。適切なマトリックスポリマーの例には、この限りではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、主にエチレンとC3−C12アルファ−オレフィンのコポリマー(一般に線状低密度ポリエチレンとして知られる)、主にプロピレンとエチレン及び/又はC3−C12アルファ−オレフィンのコポリマー、及びポリプロピレン主鎖中にアタクチック及びアイソタクチックの両方のプロピレン基を有するプロピレンベースのポリマーを含む可撓性ポリオレフィンといったオレフィンポリマーがある。他の適切なマトリックスポリマーには、この限りではないが、例えばポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、及びエチレン酢酸ビニルコポリマー、並びにこれらの組み合わせがある。引用によりその開示内容をここに組み入れる米国特許第5,571,619号、第5,322,728号、及び第5,272,236号に記載されたものを含むシングルサイト触媒によるポリオレフィンが有用である。
【0016】
非常に狭い分子量範囲を有するポリマーは、シングルサイト触媒を用いて製造される。シングルサイト触媒によるポリマーにおいては、4より低く、さらには2より低い多分散数(MW/MN)が可能である。これらのポリマーはまた、その他の点では同様のチーグラー・ナッタ触媒により生成されるタイプのポリマーと比べて、制御された短鎖分岐分布を有する。シングルサイト触媒系を用いて、ポリマーのアイソタクチック性を極めて緊密に制御することも可能である。
シングルサイト触媒によるポリマーは、ポリプロピレンベースのポリマーについてはACHIEVE(登録商標)、ポリエチレンベースのポリマーについてはEXACT(登録商標)及びEXCEED(登録商標)という商標名でテキサス州ベイタウン所在のExxon−Mobil Chemical Companyから入手可能である。ミシガン州ミッドランド所在のDow Chemical Companyは、ENGAGE(登録商標)及びAFFINITY(登録商標)という名称で市販されているポリマーを有する。これらの材料は、非立体選択性シングルサイト触媒を用いて製造されると考えられる。Exxon−Mobil社は、一般に同社のメタロセン触媒技術を「シングルサイト」触媒と呼び、Dow社は、多数の反応サイトを持つ従来のZiegler−Natta触媒と区別するために、同社の触媒技術を「拘束幾何学構造」触媒と呼んでいる。Atofina、BASF、Basell、BP−Amoco、及びHoechstといった他の製造業者も、この分野では積極的である。
【0017】
1つの好適な実施形態においては、コア層30のポリマー・マトリックス32は、第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーと第2エチレン−アルファオレフィンコポリマーとの混合物を含む。第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒による線状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。LLDPEは、約2〜10グラム/10分のメルトインデックス(190℃)、約0.910〜0.925グラム/cm3の密度、及び約5〜25重量%のコモノマー含量を有することができる。コモノマーは、3〜12の炭素原子、望ましくは6〜8の炭素原子を有するアルファオレフィンとすることができる。1つの適切な第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーは、Dow Chemical社から入手可能なDOWLEX(登録商標)2244Aである。
【0018】
コア層30の第2エチレン−アルファオレフィンコポリマーは、約2〜10グラム/10分のメルトインデックス(190℃)、約0.905〜0.915グラム/cm3の密度、及び約5〜25重量%のコモノマー含量を有するシングルサイト触媒によるコポリマーである。コモノマーは、3〜12の炭素原子、望ましくは6〜8の炭素原子を有するアルファオレフィンとすることができる。1つの適切な第2エチレン−アルファオレフィンコポリマーは、Exxon−Mobil Chemical社から入手可能なExxon−Mobil 2MO65である。
マトリックス32を形成する第1及び第2エチレン−アルファオレフィンコポリマーは、約10〜90の割合の第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーに対し約10〜90の割合の第2エチレン−アルファオレフィンコポリマー、適切には約50〜80の割合の第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーに対し約20〜50の割合の第2エチレン−アルファオレフィンコポリマー、望ましくは約60〜70の割合の第1エチレン−アルファオレフィンコポリマーに対し約30〜40の割合の第2エチレン−アルファオレフィンコポリマーといった重量比で存在する。
【0019】
ポリマー・マトリックス32に加えて、コア層30は、図1にフィラー粒子36として示されている粒子状フィラー、適切には粒子状無機フィラーを含む。適切な無機フィラーには、この限りではないが、炭酸カルシウム、クレイ、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、タルク、硫酸マグネシウム、二酸化チタン、ゼオライト、硫酸アルミニウム、珪藻土、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、カオリン、マイカ、炭素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びこれらの粒子の組み合わせがある。無機フィラー粒子36の平均直径は、約0.1〜10ミクロン、或いは約0.5〜7.0ミクロン、或いは約0.8〜2.0ミクロンの範囲となるべきである。
通気性ウィルス障壁フィルム20のコア層30は、約25〜80重量%のポリマー・マトリックスと約20〜75重量%のフィラー粒子、適切には約30〜60重量%のポリマー・マトリックスと約40〜70重量%のフィラー粒子、望ましくは約40〜50重量%のポリマー・マトリックスと約50〜60重量%のフィラー粒子を含むべきである。フィラー粒子36を囲む気孔34は、典型的には、後述するように少なくとも一方向にフィルムを引き伸ばすことに起因して、それぞれ少なくとも一方向に、包囲されるフィラー粒子の対応する寸法より大きい寸法を有する。
【0020】
コア層30はまた、少なくとも0.5重量%のフルオロケミカルを含む。最高レベルは、所望の障壁特性レベルによって決まる。好適には、コア層は、0.5〜5.0重量%のフルオロケミカル、望ましくは約1.0〜4.0重量%のフルオロケミカル、特に約2.0〜3.0重量%のフルオロケミカルを含む。フルオロケミカルの量及び種類は、フィルム20全体を非親油性にしないように、すなわちフィルム20が親油性となるように選択されるべきである。フィルム20は、フィルムが鉱油のような油で濡れた場合に親油性となると考えられる。微孔性フィルムが親油性であるかどうかを判断する1つの方法は、後述する油滴試験を行うことである。フィルム20が親油性である場合には、一方のフィルム表面に適用される鉱油の液滴が、最初に表面を濡らし、次にフィルム中の微孔によって生じた曲がりくねった路に入る。その後、鉱油は、微孔を濡らし、油の一部が最終的にフィルムの両面に到達するまで、その中を移動することになる。
【0021】
一方、非親油性であるフィルムは、油滴試験の間に適用される鉱油によって濡らされることはない。油滴は、典型的には、非親油性フィルムの一方の表面上に残って凝集ビード状の液滴を形成し、微孔には入らず、フィルムを通って拡散することはない。フルオロケミカルがフィルムを非親油性にするかどうかは、フィルム中のフルオロケミカルの量及び種類、並びにフルオロケミカルが、それが入っていた層の外に移動してフィルムのいずれかの表面に集まる度合いの関数となると考えられる。本発明の目的においては、フルオロケミカルは、それが入っていた層の外への移動が制限されるか、又はそういう傾向をもたないことが望ましい。フルオロケミカルが移動する場合には、フルオロケミカルは、フルオロケミカルが移動するにもかかわらずフィルムが親油性のままとなる種類及び量であるべきである。
【0022】
コア層30に用いられるフルオロケミカルはまた、スルホンアミド結合をもたないものであるべきである。スルホンアミド結合は、以下の化学式によって表されるフルオロケミカルオキサゾリジノンにおいて例示される。



【0023】
【化1】

【0024】
スルホンアミド結合をもたないフルオロケミカルは、テロマー化法を用いて調製することができる。例示的なテロマー化法は、以下のように、フッ素化アルキルアルコールを合成するのに用いられる以下の順序の式によって表される。
【0025】
【化2】

【0026】
参考文献:Organofluorine Chemistry:Principles And Commercial Applications、R.B.Banks他編、Plenum Press刊、N.Y.1994年。
【0027】
テロマー化法によって製造されたフルオロケミカルは、ここではテロマー化フルオロケミカルと呼ばれる。他のフルオロケミカルを用いることもできる。E.I.DuPont de Nemours&Co.(「DuPont」)は、ZONYL(登録商標)FTS、2−ペルフルオロアルキルエチルステアリン酸塩である。DuPont社からのフルオロケミカルが、DOWLEX(登録商標)2244A(線状低密度ポリエチレン)中に20%の量で組み入れられ、それはTLF−9536と呼ばれる。フルオロシリコン及びフルオロアロイも本発明において有用である。特定の有用なフルオロケミカルは、その開示内容を引用によりここに組み入れるPotts他に付与された米国特許第5,145,727号、Sargent他に付与された第5,459,188号、及びQuincyIII他に付与された第6,203,889号に記載されている。
【0028】
コア層30に加えて、通気性ウィルス障壁フィルム20は、2つの外側スキン層を含む。各スキン層10は、ポリマー・マトリックス12を含む。スキン層のマトリックス12は、熱可塑性オレフィンポリマー又はポリマーの組み合わせから形成されることが好ましく、フィルム20の通気性又はウィルス障壁を損なうことなく、カレンダ結合法といった熱結合法を用いて、1つ又はそれ以上の不織ウェブに通気性フィルム20を熱結合することを容易にする。適切なスキン層ポリマーには、プロピレン−エチレン異相系コポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレン−メチルアクリレート、約0.89グラム/cm3又はそれ以下の密度を有するアモルファス(チーグラー・ナッタ又はシングルサイト触媒による)エチレン−アルファオレフィンコポリマー、エチレン、プロピレン、及びブテンのランダムコポリマー又はターポリマーとすることができるアモルファスポリアルファオレフィン(APAO)ポリマー、他のほぼアモルファス又は半結晶性プロピレン−エチレンポリマー、並びにこれらの組み合わせがある。
【0029】
1つの適切な実施形態においては、各スキン層10のポリマー・マトリックス12は、プロピレン−エチレン異相系ポリマーと付加的なプロピレン−エチレンランダムコポリマーとの混合物を含む。プロピレン−エチレン異相系コポリマーは、ADFLEX(登録商標)という商標名でBasell USA社(「Basell」)から入手可能である。異相系ポリマーは、同じ反応器中で順番に製造され、一緒に組み合わされた異なるポリマーコンパウンドの反応器混合物である。プロピレン−エチレン異相系ポリマーは、以下の一般的組成をもつものとして、Ogaleの米国特許第5,300,365号(引用によりここに組み入れる)に記載されている。
【0030】
(a)約10から50の割合の、80より大きいアイソタクチック指数を有するプロピレンホモポリマー、又は80%を超えるプロピレンを含有し、80より大きいアイソタクチック指数を有するプロピレンとエチレン及び/又は別のアルファオレフィンとのコポリマー。
(b)室温又は周囲温度においてキシレンに不溶である、約5から20の割合の半結晶コポリマー・フラクション。
(c)室温でキシレンに可溶である40%より少ないエチレン及び/又は他のアルファオレフィンを含み、1.5から4dl/gの固有粘度を有する、エチレンとプロピレン及び/又は別のアルファオレフィン、随意的には少量のジエンとの約50から80の割合のコポリマー・フラクション。
【0031】
1つの適切な異相系プロピレン−エチレンコポリマーは、Basell ADFLEX(登録商標)KS359である。このポリマーは、全体で約14重量%のエチレンと約86重量%のプロピレンを含み、12グラム/10分の溶融流速(230℃)を有し、前述のように3つのプロピレン−エチレンコポリマー・フラクションを含む。
付加的なプロピレン−エチレンランダムコポリマーは、約90〜98重量%のプロピレンと約2〜10重量%のエチレン、望ましくは約92〜96重量%のプロピレンと約4〜8重量%のエチレンを含むことができる。1つの適切なランダムコポリマーは、約5.5重量%のエチレン含量と7グラム/10分の溶融流速(230℃)とを有するUnion Carbide 6D82である。
ポリマー・マトリックス12は、重量比で約50〜95の割合の異相系プロピレン−エチレンコポリマーと重量比で約5から50の割合の付加的なランダムコポリマー、適切には重量比で約60〜90の割合の異相系プロピレン−エチレンコポリマーと重量比で約10から40の割合の付加的なランダムコポリマー、望ましくは重量比で約70〜85の割合の異相系プロピレン−エチレンコポリマーと重量比で約15から30の割合の付加的なランダムコポリマーを含むことができる。
【0032】
スキン層10が非常に薄い場合には、マトリックス中にフィラー粒子を含む必要はない。スキン層10は、フィラー粒子14を含むことが望ましい。適切なフィラー粒子16は、コア層30について上記で挙げられたフィラー粒子のいずれかを含む。各スキン層10は、約25〜80重量%のポリマー・マトリックスと約20〜75重量%のフィラー粒子、適切には約30〜60重量%のポリマー・マトリックスと約40〜70重量%のフィラー粒子、望ましくは約40〜50重量%のポリマー・マトリックスと約50〜60重量%のフィラー粒子とを含む。フィラー粒子16を囲む気孔14は、典型的には、後述するようにフィルムを引き伸ばすことに起因して、それぞれ少なくとも一方向に、包囲されるフィラー粒子の対応する寸法より大きい寸法を有する。
スキン層10は、必ずしもフルオロケミカルを含む必要はない。しかしながら、幾らかのフルオロケミカルがコア層30からスキン層10に移動する可能性がある。フィルム20の親油性及び結合特性を保つ一助とするために、スキン層10は、0.5重量%より少ないフルオロケミカル、適切には0.3重量%より少ないフルオロケミカル、望ましくは0.1重量%より少ないフルオロケミカルを含有するべきである。この場合、両方のスキン層が親油性外面を有することが望ましい。
【0033】
通気性障壁フィルム20のコア層30は、全フィルム重量の約50〜98%、適切には全フィルム重量の約70〜94%、望ましくは全フィルム重量の約80〜90%を構成するべきである。スキン層10は、それぞれ全フィルム重量の約1〜25%(2〜50%結合)、適切には全フィルム重量の約3〜15%(6〜30%結合)、望ましくは全フィルム重量の約5〜10%(10〜20%結合)を構成することができる。
フィルム20は、従来のキャスト共押出し法を用いて調製されることが望ましい。キャストフィルムが調製されると、該キャストフィルムは、コア及びスキン層中のフィラー粒子の周りに気孔を生じさせるために、少なくとも一方向に元の長さの約2〜7倍まで、望ましくは少なくとも一方向に元の長さの約3.5〜4.5倍まで引き伸ばされることができる。気孔は、水蒸気を透過させるが水性液体及び低表面張力液体の通過は遮断するための曲がりくねった路を形成する、薄いポリマー膜によって分離される。引き伸ばしは、一方向に、望ましくは機械方向に行うことができる。引き伸ばしは、2つ又はそれ以上の対をなすニップ形成延伸ローラを用いて行うことができ、連続する対の各々は、先行する対より速く回転する。フィルムに約65〜100℃の引き伸ばし温度が加わるように、各対の一方又は両方の延伸ローラを加熱することができる。引き伸ばされたフィルムは、約2〜25ミクロン、適切には約5〜15ミクロン、望ましくは約7〜13ミクロンの厚さを有することができる。
【0034】
図2に示されるように、通気性ウィルス障壁フィルム20は、少なくとも片側、好ましくは両側において不織ウェブ40に結合されて、通気性ウィルス障壁ラミネート50を形成する。各不織ウェブ40は、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、空気堆積ウェブ、発泡体、もしくは1つ又はそれ以上の不織ウェブを含むラミネート又は複合材とすることができる。いずれの不織ウェブ40も、水圧交絡法を用いて形成され又は改質されることができる。不織ウェブ40は、この限りではないがポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、並びにこれらのコポリマー及びこれらの組み合わせを含む、種々の熱可塑性ポリマーから形成することができる。好ましいポリマーには、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンといったポリオレフィンがある。他の適切なポリマーには、一般に線状低密度ポリエチレンとして知られている0.900〜0.935グラム/cm3の密度を有する主にエチレンとC3−C12アルファオレフィンのコポリマーがある。また、少なくとも90重量%のプロピレンと10重量%より多くないC2又はC4−C12アルファオレフィンとのコポリマーがある。
【0035】
各不織層40は、約5〜50グラム/m2、適切には約10〜40グラム/m2、望ましくは約20〜30グラム/m2の坪量を有することができる。1つの適切な実施形態においては、フィルム20の一方の側の不織層40はスパンボンドウェブであり、フィルム20の他方の側の不織層40はスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(「SMS」)ラミネートである。個々のスパンボンド層は、10重量%までのエチレンを含むポリプロピレンホモポリマー又はランダムプロピレン−エチレンコポリマーから形成される。ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーは、約2〜50グラム/10分の溶融流速(230℃)を有することができる。SMSラミネート中のスパンボンド及びメルトブローン層はまた、10重量%までのエチレンを含み、約2〜50グラム/10分の溶融流速(230℃)を有するポリプロピレンホモポリマー又はランダムプロピレン−エチレンコポリマーから形成される。1つの例は、一方はエンボス加工パターンを有する加熱されたニップローラの間に層を通すことによって不織層40とフィルム20が互いにラミネートされたときに、表面積の約12〜18%を構成する多数の点において層を熱結合することである。或いは、層は、接着剤又は超音波結合を用いてラミネートすることができる。
【0036】
図3は、通気性ウィルス障壁ラミネート50を製造する方法を示す。キャスト共押出し法22を用いて、多層フィルム前駆体18が形成される。フィルムが急冷され、次いで加熱され、引き伸ばし装置24を用いて機械方向に引き伸ばされて、通気性微孔性ウィルス障壁フィルム20が形成される。第1不織ウェブ40を別個に形成して、コンベヤ装置25を用いて前方に送ることができ、それからディスペンサ25A及び25Bを用いて不織ウェブを帯電防止剤、界面活性剤、及び/又は他の成分で処理することができる。第2不織ウェブ40を別個に形成して、コンベヤ装置26を用いて前方に送ることができ、それからディスペンサ26A及び26Bを用いて不織ウェブを帯電防止剤、界面活性剤、及び/又は他の成分で処理することができる。第1及び第2ニップローラ80及び82を含むカレンダニップ組立体を用いて、2つの不織ウェブの間にフィルムが挟み込まれる状態で不織ウェブ40とフィルム20が接合される。
【0037】
図3に示されるように、結合ロール80はパターンロールとすることができ、一方第2結合ロール82は平滑な(アンビル)ロールである。両方のロールが、例えば電気モータ(図示せず)といった従来の手段によって駆動される。パターンロール80は、使用の際のロール上の磨耗を減らすために、例えばスチールといった適切な耐久性のある材料のいずれかから形成された直円柱である。パターンロール80は、その最外面上に隆起した結合面積のパターンを有する。例えば、当該技術分野では慣習的であるように、個別の規則的に繰り返す結合点の断続的パターンを適切に用いることができる。パターンロール80上の結合領域は、相対して配置されたアンビルロール82の平滑な又は平坦な外面とニップを形成し、それはまた、例えばスチール、硬化ゴム、樹脂処理綿又はポリウレタンといった適切な耐久性のある材料から形成することができる直円柱である。
パターンロール80上の隆起した結合領域のパターンは、パターンロール80、82間に形成されたニップを通過した後に得られる結合部によって占められる障壁材料50の少なくとも1つの表面の面積が、障壁材料の表面積の約10パーセントから約30パーセントの範囲となるように選択される。障壁材料50の結合面積は、当該技術分野では公知のように、上述の結合面積パーセントを達成するように変化させることができる。
【0038】
パターンロール80の外面の温度は、平滑ロール82に対し、加熱し又は冷却することによって変化させることができる。加熱及び/又は冷却は、例えば、障壁材料50を形成する個々の層のラミネートの度合いに影響する。パターンロール80及び/又は平滑ロール82の加熱及び/又は冷却は、当該技術分野では周知の従来の手段(図示せず)によって影響される。障壁材料50を形成するのに用いられる特定の温度範囲は、障壁材料50の個々の層を形成するのに用いられるポリマー材料の種類、パターンロール80とアンビルロール82との間のニップ内の個々の層の滞留時間及びニップ圧を含む多数の因子に依存する。障壁材料50が結合ロール80、82の間に形成されたニップを出た後に、ニップローラ81及び83を用いて材料50をさらに圧縮し、案内して、その後の処理のためにロール84に巻くことができる。
【0039】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記の方法の修正が、当業者には直ちに明らかとなるであろう。例えば、障壁材料50が形成された後に、該障壁材料は、更なる処理及び運搬のためにインラインであり続けることができる。フィルム20を引き伸ばして薄くするために異なる装置を用いることができる。結果として得られる障壁材料50がここで説明される要求される特性を有するという条件で、フィルム20を不織層40に結合し、ラミネートするための他の公知の手段を用いることができる。最終的に、フィルム20及び/又は不織層40の形成は遠隔位置で行うことができ、個々の層のロールが繰り出され、パターンロール80と平滑ロール82との間に形成されたニップに送られる。また、特定の用途のためには、前述のように例えば不織ウェブの1つを省くことにとって形成される2つの構成材料を有するようにするのが有利である。また、不織層40は、引き伸ばして薄くされたフィルムに、熱により又は接着剤によりラミネートして、複合材を形成することができる。
【0040】
通気性ウィルス障壁フィルム20及び/又はラミネート50は、特に低表面張力液体に曝されたときに改善されたウィルス障壁特性を与えるために、多様な外科用物品に用いることができる。外科用物品は、外科用ガウン、ドレープ、フェイスマスク、スクラブ、滅菌ラップ、滅菌剥離パウチ、開窓材料などを含む。通気性ウィルス障壁フィルム及び/又はラミネートはまた、作業着、実験室用途、半導体製造のようなクリーンルーム用途、農業用途、鉱業用途、環境用途、獣医用途などといった用途においてパーソナル保護衣として用いることができる。
【0041】
試験手順
水蒸気透過率(WVTR)
本発明のフィルム又はラミネート材料のWVTR(水蒸気透過率)値を求めるのに適した技術は、INDA(不織布業界連合)により標準化された試験手順番号IST−70.4−99の名称「ガードフィルム及び蒸気圧検出器を用いる不織布及びプラスチック・フィルムを通した水蒸気透過率の標準試験法」であり、引用によりここに組み込まれる。INDA手順は、フィルムの水蒸気に対する透過性であるWVTRと、均質な材料の場合は水蒸気の透過係数とを求めるために与えられる。
【0042】
INDA試験法は周知であり、ここでは詳細には説明しない。しかしながら、その試験手順は以下のように要約される。乾燥チャンバは、恒久的なガードフィルム及び試験するサンプル材料によって、温度及び湿度が分かっている湿潤チャンバから隔離される。ガードフィルムの目的は、限定された空隙を形成し、空隙が特徴付けられる間に該空隙の中の空気を沈静化すなわち静止させることである。乾燥チャンバ、ガードフィルム、及び湿潤チャンバは、試験フィルムがシールされる拡散セルを形成する。サンプルホルダは、ミネソタ州ミネアポリスにあるモコン/モダン・コントロールズ・インク社製のPermatran−Wモデル100Kとして知られるものである。第1試験は、ガードフィルムのWVTRと、100パーセントの相対湿度を発生させる蒸発器組立体の間の空隙のWVTRについて行われる。水蒸気が空隙及びガードフィルムを通って拡散し、次いで水蒸気濃度に比例する乾燥ガス流と混合される。処理のためにコンピュータに電気信号が送られる。コンピュータが空隙及びガードフィルムの透過率を計算し、その値をさらに使用するために保存する。
【0043】
ガードフィルム及び空隙の透過率は、CalCとしてコンピュータに保存される。次にサンプル材料が試験セル内にシールされる。同様に、水蒸気が空隙を通ってガードフィルム及び試験材料へと拡散し、次いで試験材料に流れる乾燥ガス流と混合される。ここでもまた、この混合物は水蒸気センサに運ばれる。次にコンピュータが、空隙とガードフィルムと試験材料との組み合わせの透過率を計算する。この情報は、水分が試験材料を透過するときの透過率を次式に従って計算するのに使用される。
TR-1試験材料=TR-1試験材料、ガードフィルム、空隙−TR-1ガードフィルム、空隙
計算:
WVTR: WVTRの計算は、次式を用いる。
WVTR=Fρsat(T)RH/Aρsat(T)(1−RH))
ここで、
F=cc/分で表される水の流れ、
ρsat(T)=温度Tにおける飽和空気中の水の密度、
RH=セル内の指定位置における相対湿度、
A=セルの断面積、
ρsat(T)=温度Tにおける水蒸気の飽和水蒸気圧
である。
【0044】
水柱圧抵抗性
水柱圧抵抗性は、液体圧力抵抗性の尺度であり、それはフィルム又はラミネートが破断し、破れ、又は裂けることなく液体の荷重の適用に耐える能力である。フィルム又はラミネートの液体圧力抵抗性は、その厚さ、材料組成、どのようにして製造され加工されたか、周囲環境、及び試験方法に依存するものである。水柱圧値は、通常は、AATCC試験法127−89及びINDA試験法80.4−92と等価であり、引用によりここに組み入れる、連邦試験方法標準規格No.191Aの方法5514に記載された水柱圧試験に従って計測される。以下の付加的なパラメータが本発明に関連する。
【0045】
低表面張力液体(約26.4ダイン/cm)による静水柱圧試験を用いて、撥性又は障壁特性(「染み透り抵抗性」)が計測された。適切な低表面張力液体は、デラウェア州ウィルミントン所在のICI Americasから入手可能なSYNTHRAPOL(登録商標)KBの水性溶液である。水柱圧法は、動的及び静的条件下でTEXTEST FX3000静水柱圧試験機を用いるものである。動的条件下で、試験片は、着実に増加する低表面張力液体の圧力にさらされる。増加速度は60ミリバール/分であり、試験された最大圧力は300ミリバール(4psi)である。「染み透り抵抗性」は、液体がサンプルを浸透するときの圧力で、又は300ミリバールで経過した時間で表される。試験は3つの領域が抵抗に失敗した後に完了する。「静的」条件は、サンプルに19ミリバールの一定圧力で低表面張力液体が適用されることを意味する。「染み透り抵抗性」は、液体がサンプルを浸透するときに経過した時間で表される。試験は、3つの領域が抵抗に失敗した後に完了する。
【0046】
油滴試験
油滴試験は、フィルムが親油性であるか又は非親油性であるかどうかを判断するのに有用である。フィルムサンプルは、テーブル上に広げられ、フィルム表面に3滴又はそれ以上の鉱油が間隔をおいて加えられる。1つの適切な鉱油は、「mineral oil」という名称でEckerd Corporationによって販売されている。この試験は、引用によりここに組み入れるAmerican Association Of Textile Chemists And Colorists(AATCC)標準試験118−1983に対応する。標準試験にあたり、鉱油は撥性等級1であり、これは、他のほとんどの油に比べて比較的容易に浸透する傾向があることを示す。
フィルムが非親油性である場合には、油滴が表面を濡らすことはなく、通常は90度より大きいフィルム表面との接触角を有するビード形状の液滴として残ることになる。フィルムが親油性である場合には、油滴は、広がって表面を濡らすことになる。油とフィルム表面との間の接触角は、約30秒の接触の後、通常は90度より小さい。フィルムが親油性かつ微孔性である場合には、幾らかの油がフィルムを浸透し、他方の側に移動することになる。
【実施例】
【0047】
コア層と2つの外側スキン層とを有するフィルムサンプルは、キャスト共押出しライン上で製造された。各フィルムのコア層には、Dow Chemical Co.からのDOWLEX(登録商標)2244A LLDPE、Exxon−Mobil Chemical Co.からのExxon−Mobil 2MO65シングルサイト触媒によるエチレン−アルファオレフィンプラストマー、ジョージア州ロズウェル所在のImerys Co.からのFILMLINK(登録商標)2029炭酸カルシウム、及び以下の重量パーセンテージでDOWLEX(登録商標)2244Aに組み入れられてTLF9536と呼ばれるE.I.DuPont de Nemours&Co.からの濃フルオロケミカルが含有されていた。酸化防止剤、熱安定化剤、着色剤、及び他のCiba Specialty Chemicals,Inc.によって供給されるような添加剤を加えることもできる。
【0048】

【0049】
各フィルムにおいては、コア層は、フィルム重量の85%を構成した。スキン層の各々は、全フィルム重量の7.5%を構成し、3つのフィルム全てにおいて同一の組成を有した。各スキン層は、86重量%のプロピレンと14重量%のエチレンとを含有する異相系プロピレン−エチレンコポリマーの組み合わせである34重量%のBasell ADFLEX(登録商標)KS359を含有した。各スキン層はまた、8重量%のUnion Carbide 6D82ランダムプロピレン−エチレンコポリマー(94.5重量%のプロピレン、5.5重量%のエチレン)、57重量%のFILMLINK2029炭酸カルシウム、及び1重量%の添加剤を含有した。
【0050】
図4は、種々の通気性フィルムサンプルについてのSYNTHRAPOL(登録商標)KB(約26.4ダイン/cmの表面張力)の水性溶液を用いるWVTR対水柱圧を示す。矩形の点によって定められた直線は、異なるレベルの炭酸カルシウムその他の成分を有するほぼ同様のフィルムサンプルについてのWVTRと水柱圧との間の全体的な関係性を示す。0%のフルオロケミカルを含有する対照サンプルであるサンプルAは、ラインよりわずかに上の水柱圧抵抗性を呈した。それぞれのコア層中に2%及び4%のフルオロケミカルを有するサンプルB及びCは、実質的にラインより上であり、かつ対照より50%以上高い水柱圧抵抗性を呈した。これらのデータは、三層通気性フィルムのコア層中に選択されたフルオロケミカルを使用すると、低表面張力液体の浸透に対する抵抗性の実質的な増加が与えられる。本発明のフィルム、及びそれらを含有する布ラミネートは、低表面張力液体が用いられる病院環境におけるウィルスの透過に対する改善された抵抗性を呈する。
【0051】
ここで開示された本発明の実施形態は、現在のところ好ましいと考えられるものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の修正及び改善を加えることができる。本発明の範囲は、添付の請求項によって示され、均等物の意味及び範囲内に含まれる全ての変更が、ここに包含されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る通気性熱可塑性ウィルス障壁フィルムの断面図である。
【図2】本発明に係る通気性ウィルス障壁布ラミネートの断面図である。
【図3】本発明に係る通気性ウィルス障壁布ラミネートを製造する工程の概略図である。
【図4】種々のフィルムサンプルについての低表面張力液体を用いる水蒸気透過率対水柱圧値のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマー・マトリックス、フィラー粒子、及び少なくとも0.5重量%のテロマー化フルオロケミカルを含むコア層と、
前記コア層の両側にあって、各々が、熱可塑性ポリマー・マトリックスと、ゼロないしは0.5重量%より少ないフルオロケミカルを含む、スキン層と、
を含むことを特徴とする通気性熱可塑性フィルム。
【請求項2】
前記コア層が、約0.5重量%から約5.0重量%のテロマー化フルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項3】
前記コア層が、約1.0重量%から約4.0重量%のテロマー化フルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項4】
前記コア層が、約2.0重量%から約3.0重量%のテロマー化フルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項5】
前記スキン層の各々が、約0.3重量%より少ないフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項6】
前記スキン層の各々が、約0.1重量%より少ないフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項7】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、オレフィンポリマー、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレン酢酸ビニル及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項8】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスがオレフィンポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項9】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、線状低密度ポリエチレンと、シングルサイト触媒によるエチレン−アルファオレフィン・コポリマー・プラストマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項10】
前記コア層が、約25〜80重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約20〜75重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項11】
前記コア層が、約30〜60重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約40〜70重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項12】
前記コア層が、約40〜50重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約50〜60重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項13】
前記スキン層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、異相系プロピレン−エチレンコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンメチルアクリレート、約0.89グラム/cm3又はそれより小さい密度を有するアモルファスエチレンアルファ−オレフィンコポリマー、APAOポリマー、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項14】
前記スキン層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、異相系プロピレン−エチレンコポリマーと、プロピレン−エチレンランダムコポリマーとを含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項15】
前記スキン層がさらにフィラー粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項16】
前記スキン層が、約25〜80重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約20〜75重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項15に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項17】
前記スキン層が、約30〜60重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約40〜70重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項15に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項18】
前記スキン層が、約40〜50重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約50〜60重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項15に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項19】
熱可塑性ポリマー・マトリックス、フィラー粒子、及び少なくとも0.5重量%のフルオロケミカルを含むコア層と、
各々が熱可塑性ポリマー・マトリックスを含む、前記コア層の両側のスキン層と、
を含み、前記スキン層の各々が親油性外面を有することを特徴とする通気性熱可塑性フィルム。
【請求項20】
前記コア層が、約0.5重量%から約5.0重量%のフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項21】
前記コア層が、約1.0重量%から約4.0重量%のフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項22】
前記コア層が、約2.0重量%から約3.0重量%のフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項23】
スキン層の各々が、約0.3重量%より少ないフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項24】
スキン層の各々が、約0.1重量%より少ないフルオロケミカルを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項25】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、オレフィンポリマー、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレン酢酸ビニル及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項26】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスがオレフィンポリマーを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項27】
前記コア層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、線状低密度ポリエチレンと、シングルサイト触媒によるエチレン−アルファオレフィン・コポリマー・プラストマーを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項28】
前記コア層が、約25〜80重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約20〜75重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項29】
前記コア層が、約30〜60重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約40〜70重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項30】
前記コア層が、約40〜50重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約50〜60重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項31】
前記スキン層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、異相系プロピレン−エチレンコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンメチルアクリレート、約0.89グラム/cm3又はそれより小さい密度を有するアモルファスエチレンアルファ−オレフィンコポリマー、APAOポリマー、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項32】
前記スキン層の熱可塑性ポリマー・マトリックスが、異相系プロピレン−エチレンコポリマーと、プロピレン−エチレンランダムコポリマーとを含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項33】
前記スキン層がさらにフィラー粒子を含むことを特徴とする請求項19に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項34】
前記スキン層が、約25〜80重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約20〜75重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項33に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項35】
前記スキン層が、約30〜60重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約40〜70重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項33に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項36】
前記スキン層が、約40〜50重量%の熱可塑性ポリマー・マトリックスと、約50〜60重量%のフィラー粒子とを含むことを特徴とする請求項33に記載の通気性熱可塑性フィルム。
【請求項37】
コア層と前記コア層の両側のスキン層とを含む通気性熱可塑性フィルムと、
前記スキン層の一方の側に接合された第1不織層と、
前記スキン層の他方の側に接合された第2不織層と、
を備え、前記コア層は、熱可塑性ポリマー・マトリックス、フィラー粒子、及び少なくとも約0.5重量%のフルオロケミカルを含み、前記スキン層の各々は、熱可塑性ポリマー・マトリックスを含むことを特徴とする通気性ウィルス障壁ラミネート。
【請求項38】
前記不織層の各々が、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、空気堆積ウェブ、及び1つ又はそれ以上の不織ウェブを含むラミネート又は複合材から選択された材料を含むことを特徴とする請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネート。
【請求項39】
前記不織層の各々がスパンボンドウェブを含むことを特徴とする請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネート。
【請求項40】
前記第1不織層がスパンボンドウェブを含み、前記第2不織層がスパンボンド−メルトブローン−スパンボンドラミネートを含むことを特徴とする請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネート。
【請求項41】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる外科用物品。
【請求項42】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる外科用ガウン。
【請求項43】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる外科用ドレープ。
【請求項44】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる外科用フェイスマスク。
【請求項45】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる外科用スクラブ。
【請求項46】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる滅菌ラップ。
【請求項47】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる滅菌剥離パウチ。
【請求項48】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなるパーソナル保護物品。
【請求項49】
請求項37に記載の通気性ウィルス障壁ラミネートからなる開窓材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−511376(P2006−511376A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564768(P2004−564768)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/031162
【国際公開番号】WO2004/060667
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】