説明

液体収納容器用ホルダー

【課題】 片手で簡単に溶液の吐出から受け取りまでの一連の動作のできる液体収納容器用ホルダーを提供すること。
【解決手段】 液体収納容器用ホルダーAは、容器4をバンド5で拘持するL形の支持体3と、容器4の口端22を上下の揺動動作で開閉する口端開閉子12と、該口端開閉子12の揺動動作に連動して上下に昇降自在に案内される押圧子17と、該押圧子17に操作され、容器4の胴部を押圧解放自在に軸支される押圧片19と、前記口端開閉子12に揺動動作を与える揺動体14の押圧レバー13と戻しバネ15から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片手で簡単に操作でき、かつ、その操作する手で保持された容器から溶液を受けることのできる家庭用具又は容器補助具としての容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
手摺りなどの水平棒状体と壁面とを利用した容器ホルダーは、特開2001−149210号公報(特許文献1)に提案されているが、特許文献1の容器ホルダーは、ポンプ式の容器を保持するものである上、内容物を受けるときに両手の使用が必要となる。
【特許文献1】 特開2001−149210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ポンプ式でない胴部を押圧して溶液を吐出させる液体容器を対象として、片手で内溶液の吐出から受け取りまでの動作のできる液体収納容器用ホルダーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の液体収納容器用ホルダーは、背板と底板とで一体に形成されるL形の支持体と、支持体の上部で容器を背板に拘持するバンドと、背板の背面に設けられる係着体と、支持体の両側でアーム上端の軸部が揺動自在に軸支され、アームの下端には押圧レバーが一体に垂下された揺動体と、アームの下端の操作軸に、その一端が底板の幅方向中央に開口した窓にのぞんで開閉され、所要ストローク摺動自在に軸支されるとともに、他端が前記底板に回動自在に軸支される口端開閉子と、前記軸部に外嵌して前記揺動体に戻し方向の弾発力を付勢する戻しバネと、軸部の凸片で上方へ押し上げられる押圧子と、該押圧子に押圧され、背板の上部で切欠き窓から出入自在として軸支されるL形の押圧片と、から成る。
【発明の効果】
【0005】
本発明の液体収納容器用ホルダーは、液体収納容器を逆さまの姿勢で口端を開閉自在に拘持するとともに、口端開口のタイミングに合わせて液体収納容器の胴部を押圧するものであるが、この一連の動作は押圧レバーの片手操作によってなされるものであり、洗い物などをする場合に、一方の手に皿やコップを持った状態で他方の手に持つ洗い片に洗剤を吐出できるから洗い作業が能率的なものとなるほか、洗剤などの容器を特定位置に整然と使用状態で保管できるなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
背板の背面に設けられる係着体は、吸盤のほか外面に剥離紙を貼着した両面接着テープを一体にした台座や、ビス取付け孔のある台座などである。また、容器を背板に拘持するバンドは、両面を抜き差し調整自在としたものから、一端を固定して他端を着脱自在にしたものでも良しとされ、さらに、底板の後方に回動自在に軸支される口端開閉子において、その前方の長孔でアームに差し渡される操作軸に摺動自在に係合する案内部は口端開閉子本体と一体のものからTスロットやアリ溝などの係合手段で着脱自在なものも選択される。
【実施例】
【0007】
本発明を一実施例により説明すると、図1に示すように、所要幅、所要高さの合成樹脂製の背板1と、該背板1と一体で所要幅、所要長さの合成樹脂製の底板2とからなるL形の支持体3は、上部に容器4を拘持する抜き差し調整自在なバンド5を設ける。
背面には正面の吸引レバー6に引込まれる係着体である吸盤7を接合し、中間部では、その両側でアーム8の上端の軸部9を揺動自在に軸支し、アーム8の下端に舌状の押圧レバー13が一体に垂下された揺動体14が設けられ、底板2の後方に軸支される軸2aには、図2、図3に示すように、底板2の幅方向中央に開口した窓10を閉塞するスポンジ状の閉塞材11を口端開閉子本体12eの上面に接合した口端開閉子12がその両側端に垂下される軸受部12aを介して揺動自在に軸支され、口端開閉子12の軸受部12aより前方の下面両端には前後方向に長孔12bを有する案内部12cが垂下され、両長孔12bに挿通された操作軸12dが、底板2の切欠き溝2bを介してその両端で揺動体14のアーム8の下端に軸支され、前記軸部9には該揺動体14に戻し方向の弾発力を付勢する戻しバネ15を外嵌するとともに、軸部9の凸片16には上下方向に摺動自在に案内される押圧子17の下端を接触させ、背板1の上部中央には切欠き窓18が抜かれ、該切欠き窓18にL形の押圧片19を遊嵌するとともに、縦辺20を切欠き窓18から出入自在として軸支し、その横辺21の下面を前記押圧子17の上端に接触させて成る。
【0008】
このようにして成る液体収納容器用ホルダー(以下、単にホルダーとする。)Aは、キッチンなどの使用場所の壁面に吸盤7を吸着させることで接合され、図1の仮想線で示すように、洗剤などの溶液を収納した容器4を、その口端22が引き出された状態で口端開閉子12の閉塞材11に食い込み状にバンド5で拘持して使用に供されるのである。
使用するときは、スポンジからなる洗い片(図外)を持った掌を内に向けた指を押圧レバー13の前面に当て、仮想線で示すように押圧すると、揺動体14のアーム8は軸部9を中心に左回転方向に戻しバネ15の弾発力に抗して回動し、同時に口端開閉子12は長孔12bに挿通されてアーム8にその両端を係止された操作軸12dを介して軸2aを中心に左回転され、容器4の口端22を口端開閉子12の閉塞材11から解放し、前記軸部9の凸片16が押圧子17を押し上げ、その動作で押圧片19の縦辺20が仮想線で示すように背板1の前面から突出されて容器4の胴部を押圧し、溶液を口端22から吐出させるのである。
溶液を洗い片に受け取って押圧レバー13から手を離せば、戻しバネ15の弾発力で揺動体14が軸部9を中心に右回転し、同時に口端開閉子12は仮想線で示される位置から軸2aを中心に右回転し、ついには閉塞材11で初期設定位置の口端22を閉塞し、軸部9の凸片16による押圧子17の押圧も解放され、それに伴って押圧片19の縦辺20が容器4の胴部の復元力によって背板1の切欠き窓18に収められる。
【0009】
次に、図5に示す口端開閉子12を説明すると、このものは分図(a)に示すように、口端開閉子本体12eの後端に軸2aが一体に接合され、該軸2aは底板2の裏面に下端を軸2aの直径より僅かに狭くして開口垂下した軸受部2cで軸支され、口端開閉子本体12eの上面には前記窓10に嵌着する位相で閉塞材11が貼着され、裏面には分図(c)に示すように、所要幅のTスロット12fを設け、該Tスロット12fには両アーム8に差し渡される操作軸12dが挿通される長孔12bを有し、分図(b)に示す幅の案内部12cが左右の案内突片12gにおいて着脱自在に嵌着されて成る。
【0010】
このようにして成る口端開閉子12も図4に示すように、底板2の後方の軸受部2cにおいてその軸2aが回動自在に軸支されるとともに、前方の案内部12cの長孔12bに両アームを通して嵌着される操作軸12dが挿通されて取り付けられ、前記と同様に、押圧レバー13を仮想線で示す位置に押圧すると、同時に口端開閉子12も操作軸12dを介して仮想線で示す位置に回動し、容器4の口端22を解放し、容器の胴部が縦辺20に押圧されて溶液が片手の洗い片に受け取られ、手を離せば押圧レバー13は戻しバネ15の弾発力で元へ戻され、同時に口端開閉子12もその閉塞材11で窓10を閉塞するとともに容器4の口端22を閉塞して待機するものである。
このようにホルダーAは、上記動作の繰り返しで容器4から溶液を簡単に片手の洗い片に吐出できるものとして使用される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の液体収納容器用ホルダーは、家庭用具の分野で一般家庭向きに市販されることは勿論のこと、病院などの衛生設備向けの容器補助具としても大いに利用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本発明の液体収納容器用ホルダーAの説明図である。
【図2】 底板2の底面を示す部分説明図である。
【図3】 口端開閉子12の斜視図である。
【図4】 口端開閉子12の他の実施態様における液体収納容器用ホルダーAの.要部の説明図である。
【図5】 口端開閉子12の他の実施態様の説明図で、分図(a)はその正面図、分図(b)はその右側面図、分図(c)はその底面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 背板
2 底板
2a 軸
2b 切欠き
2c 軸受部
3 支持体
4 容器
5 バンド
6 吸引レバー
7 吸盤
8 アーム
9 軸部
10 窓
11 閉塞材
12 口端開閉子
12a 軸受部
12b 長孔
12c 案内部
12d 操作軸
12e 口端開閉子本体
12f Tスロット
12g 案内突片
13 押圧レバー
14 揺動体
15 戻しバネ
16 凸片
17 押圧子
18 切欠き窓
19 押圧片
20 垂直辺
21 水平辺
22 口端
A 液体収納容器用ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板と底板とで一体に形成されるL形の支持体と、支持体の上部で容器を背板に拘持するバンドと、背板の背面に設けられる係着体と、支持体の両側でアーム上端の軸部が揺動自在に軸支され、アームの下端には押圧レバーが一体に垂下された揺動体と、アームの下端の操作軸に、その一端が底板の幅方向中央に開口した窓にのぞんで開閉され、所要ストローク摺動自在に軸支されるとともに、他端が前記底板に回動自在に軸支される口端開閉子と、前記軸部に外嵌して前記揺動体に戻し方向の弾発力を付勢する戻しバネと、軸部の凸片で上方へ押し上げられる押圧子と、該押圧子に押圧され、背板の上部で切欠き窓から出入自在として軸支されるL形の押圧片と、から成る液体収納容器用ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−334381(P2006−334381A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195512(P2005−195512)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(504312494)株式会社大日向 (11)
【Fターム(参考)】