説明

液体収納容器

【課題】 インク残量など、インクタンクの状態に関する報知をLEDなどの発光部によって行う構成において、ユーザの視認性や操作性を阻害し得る電気配線等を必要とせずに、ユーザが目視し易い位置での表示を行うようにする。
【解決手段】 発光部(101)と、光を出射することで情報を表示するための表示部(122)とを分離し、両者間の光接続を行う導光部(121)を液体収納容器に設ける。これにより、インクタンク上での電気配線の這い回しを必要とせず、発光源と表示部とを個々に最適な位置へ配置することが可能となり、ユーザ視認性が良好な位置への表示部の配置の自由度を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収納容器に関し、詳しくは、インクジェット記録で用いられるインクタンクのインク残量など、液体収納容器の状態に関する報知をLEDなどの発光手段によって行う構成で用いられる液体収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の普及に伴って、パーソナルコンピュータ(PC)を介さずにデジタルカメラと記録装置としてのプリンタとを直接接続して印刷する用途(ノンPC記録。特にデジタルカメラを直接接続する形態のものは「カメラダイレクト印刷」と呼ばれることもある。)が増えつつある。さらに、デジタルカメラに着脱可能に用いられる情報記憶媒体であるカードタイプの情報記憶媒体を直接プリンタに装着してデータ転送を行い、印刷を行う形態(ノンPC記録。特に「カードダイレクト印刷」とも呼ばれる。)も増えつつある。また、プリンタとスキャナとを一体化してPCを介さない複写機能を持つとともに、さらには上記のダイレクト印刷機能をも併せもつ、所謂マルチファンクションプリンタも急速に市場に普及してきている。
【0003】
インクジェットプリンタでは、例えばインクタンクの装着状態やインク残量など、個々のインクタンクの状態に関する情報の把握をユーザが要望する場合や、その情報をユーザに認識させておくことが望ましい場合がある。例えば、ユーザが、インクタンク内のインク残量が少ないことが分かれば、記録を始める前に予め新しいインクタンクに交換しておくことで、記録の途中でインク量不足のために記録媒体が無駄になったりすることで記録が実質的にできなくなる事態を未然に防止できるからである。
【0004】
従来は、そのような情報をプリンタに接続されたPCに転送し、PCのモニタに表示することによりユーザへの報知を行っていた。これに対し、ノンPC記録を行う場合は、プリンタ本体にディスプレイを設け、それらの情報を表示することが考えられる。しかしながら、ディスプレイを設けることで、コストアップやプリンタの大型化につながるだけでなく、プリンタのデザイン等にも影響を及ぼすことになるので、ディスプレイを設けることは必ずしも好ましいことではない。また、ディスプレイを設けたとしても、ユーザがこれを視認して一目瞭然にインクタンクの状態を把握できるとは限らない。
【0005】
従来、インクタンクの状態をユーザに報知する構成として、LEDなどの表示素子を用いたものが知られている。特許文献1には、記録ヘッドと一体のインクタンクに2つのLEDが設けられ、これらが2段階のインク残量に応じてそれぞれ点灯することが記載されている。より具体的には、インクジェットヘッドとインクタンクとを一体化したインクカートリッジにインクジェットヘッドの通電回数をカウントする手段と、カウント値を記憶する手段と、カウント値の累積値がニアエンド判定値に達すると点灯するニアエンド表示用LEDと、インクエンド判定値に達すると点灯するインクエンドLEDとが採用されており、インクタンクの状態をユーザに報知するようにしている。
【0006】
特許文献2にも同様に、インクタンクまたはこれを搭載するキャリッジに、インク残量に応じて点灯するランプを設けることが記載されている。また、同文献では、記録装置で用いる4つのインクタンクそれぞれに上記のランプを設けることも開示されている。
【0007】
一方、さらなる高画質化の要求から従来の4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)インクに、濃度の薄い淡色マゼンタ、淡色シアンといったインクが使われるようになってきており、さらにはレッド、グリーン、ブルーといったいわゆる特色インクの使用も提案されてきている。このような場合、インクジェットプリンタに対しては7〜9個といったインクタンクを個別に搭載することになる。その際に、間違った装着位置へのインクタンクの搭載を防止する機構が必要となってくる。特許文献3には、インクタンクがキャリッジに搭載される際の、キャリッジの搭載部とインクタンク相互の係合の形状をインクタンクごとに異ならせ、これにより、インクタンクが誤った位置に装着されることを防止している構成が開示されている。
【特許文献1】特開平4−275156号公報
【特許文献2】特開2002−301829号公報
【特許文献3】特開2001−253087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1には、プリンタ本体と電気的な通信を行うためのプリント回路基板(PC板)に表示用のLEDが取り付けられたインクカートリッジの構成が記載されている。しかしかかる構成では、ユーザが視認し易い位置へLEDを配置するためには、PC板も同時に配置する必要がある一方、PC板にはプリンタ本体と電気的な通信を行う電気的接続部も設ける必要があるので、これらの配置の自由度が制約されてしまう問題がある。電気的接続部分の好ましい配設位置とLEDの好ましい配設位置とをカバーするために大面積のPC板を設けることも考えられるが、その分コストが上昇してしまうことになる。また、特許文献1に記載の構成を各色について独立した複数のインクタンクを搭載可能なプリンタに適用すると、プリンタに対するインクタンクの装着構成が制限されるため、インクタンクの実質的な容積を小さくしなければならないか、あるいはプリンタを大型化する必要が生じる。
【0009】
一方、特許文献2に記載のインクタンクでは、インク警告ランプをユーザに認識させ易い場所に設ける旨の開示はあるが、インク警告ランプへ電力や信号を供給するための好ましい構成については開示されていない。その図6から図8からは、インクジェット記録装置とインク警告ランプとを結ぶ導線が設けられることが示唆され得るが、インク警告ランプの数量に見合った数の導線が必要となり、配線が錯綜しかつコストが高くなるだけでなく、配線やその接続部分によってランプの視認性を阻害する恐れがある。さらに、特許文献2の図6および図7には、インクタンクを搭載するキャリッジ上、インクタンクを固定するために操作される可動部材である固定レバーにインク警告ランプが設けられた構成が開示されているが、そのような場合は導線の配置がさらに複雑となり、かつコストも上昇し、しかもインクタンク着脱時の操作性を低下させてしまう恐れがある。
【0010】
これらの問題は、近年のプリンタの小型化や多機能化に伴ない、ユーザの目視に供し得る表示位置もインクタンク着脱時の操作部ないしはその近傍に限定することが好ましいことから一層顕著となる。また、特にプリンタ上部にスキャナを搭載したようなマルチファンクションプリンタでは表示位置がより限定されるため、視認性と操作性との両立がさらに要望されることになる。
【0011】
また、表示はユーザの目視に供されるだけでなく、装置本体側が行う所要の制御のためにも供され得るものであり、本発明者らはこれに関連して次のような課題も認識した。
【0012】
上述の特許文献2に記載されているようにインクタンクにランプが設けられている場合であっても、インク残量が少ないとして認識しているインクタンクを本体側制御部が特定する場合には、そのような認識に基づくランプの点灯などのために信号を送るべきインクタンクを特定しなければならない。例えばインクタンクが間違った位置に装着されていた場合には、インクがなくなっていないインクタンクについてインク残量なしと間違って表示する可能性がある。従って、ランプ等表示器の発光制御では、その前提として、搭載されるインクタンクの搭載位置を特定しておくことが必要となる。
【0013】
インクタンクの搭載位置を特定する構成としては、特許文献3のように、搭載部とインクタンクが係合する相互の形状を搭載位置ごとに異ならせるものがある。しかしながら、この場合は特に、インクの色ないし種類ごとに異なる形状のインクタンクを製造する必要があり、上述したようにインクの色数ないしはインクタンクの個数が増大する傾向にある状況下、製造効率やコストの点で不利となる。
【0014】
そこで、複数のインクタンクに対して個別にLEDなどの発光制御を行い、プリンタ内に固定された受光器の出力状態に基づいてインクタンクが搭載されている位置を特定するように構成できる。このような構成では、インクタンクのLEDは、ユーザに状態を報知するために発光する機能と、インクタンクの搭載位置を特定するために受光器に向けて発光する機能との、2つの機能を有することになる。
【0015】
ここで、ユーザはプリンタの配置等によってプリンタ内のインクタンクの表示部を様々な方向から見る可能性があるため、なるべく広範囲に光を照射させることが望ましい。これに対し、プリンタ内に配置された受光器は、プリンタ内で固定されているため、検出時におけるインクタンクの表示部との位置関係は実質的に定まったものとなる。そのため、表示部は受光器がプリンタに固定される取り付け精度の中でできるだけ狭い範囲に照射することで光量の密度を高くし、受光器に向かう光量を安定的に確保することが望ましい。すなわち、表示部には2つの機能を満たすために相反することが要求されることになる。
【0016】
本発明は、以上に鑑みてなされたもので、構成簡単かつ廉価にしてしかもユーザの操作性を損なうことなく、液体収納容器の状態に関する報知を視認性良好に行い得るようにすることを目的とする。
【0017】
また、本発明の他の目的は、ユーザの視認性と受光部の受光量安定化とを両立できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そのために本発明は、インクジェット記録装置で用いられる液体を収納するための液体収納容器であって、発光部と、前記発光部を駆動するための信号を前記インクジェット記録装置から受容する接点と、前記発光部の光を出射することで情報を表示するための表示部に対して前記発光部からの光を導くための導光部を具えたことを特徴とする。
【0019】
ここで、前記導光部は前記表示部に向けて光軸を屈曲させる部分を有することができ、例えばこの部分は、前記発光部からの光を受光する前記導光部の端部とは反対側の端部に形成された傾斜面とすることができる。
【0020】
また、前記導光部は、前記表示部として光を出射する部分を有し、例えばこの部分は、所定方向に延在する部分と、該方向とは異なる方向に延在する部分とを交差させて組み合わせた形状を有するものとすることができる。そして、前記インクジェット記録装置は前記液体収納容器と、前記表示部から出射する光を受光可能な受光部とを相対的に走査させる手段を有し、前記所定方向は前記走査の方向とすることができる。
【0021】
液体収納容器は、前記液体としてのインクを収納してなるものであり、本発明はかかる液体収納容器をインク供給源として用いて記録を行うことが可能なインクジェット記録装置に存する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、発光源と表示部とを分離し、両者間の光接続を行う導光部を液体収納容器に設けることで、視認性および操作性を阻害する電力供給用および信号授受用の配線等を必要とせず、発光源と表示部とを個々に最適な位置へ配置する構成を廉価に得ることが可能となる。また、それにより、ユーザ視認性が良好な位置への表示部の配置の自由度を確保することができ、ユーザはその発光状態を容易に目視することにより、液体収納容器に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0023】
また、光軸を屈曲させること、例えば導光部に設けた傾斜面で光を反射させることで、光の出射方向を制御することができ、適切な位置に配置した表示部に好ましく光を導くことが可能となる。
【0024】
さらに、表示部として光を出射する部分を、所定方向に延在する部分と、該方向とは異なる方向に延在する部分とを交差させて組み合わせた形状を有するものとすることで、ユーザの視認性と受光部の受光量安定化とを両立できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
1.第1の実施形態
1.1 第1の実施形態の説明(図1〜図3)
図1(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る液体収納容器であるインクタンクの側面図、正面図および底面図である。なお、以下の説明において、インクタンクの正面とは、ユーザに向き合うことでその操作(着脱操作等)およびユーザへの情報提供(後述する表示部からの光の出射)を可能とする面を言う。
【0027】
図1において、本実施形態のインクタンク1は正面側の下部に支持された支持部材3を有している。支持部材3はインクタンク1の外装と一体に、樹脂により形成されており、後述するタンクホルダへの装着操作等を行う際に被支持部を中心に変位可能な構成である。インクタンク1の背面側および正面側には、タンクホルダ側の係止部にそれぞれ係合可能な第1係合部5および第2係合部6(本例では支持部材3に一体化されている)が設けられ、これらの係合によってインクタンク1のタンクホルダへの装着状態が確保される。この装着時の動作については図12(a)〜(c)により後述する。
【0028】
インクタンク1の底面には、タンクホルダへの装着時に、後述する記録ヘッドのインク導入口と結合してインク供給を行うためのインク供給口7が設けられている。この底面と正面とが交わる部分にあって、支持部材3の支持部分の底面側には、基体が設けられている。基体の形状としてはチップ形状であっても、板状であっても良いが、以下では基板100として説明する。
【0029】
図2(a)、(b)、および図3(a)〜(d)を用い、本実施形態の主要部の構成および機能について説明する。ここで、図2(a)および(b)は本発明の第1の実施形態に係るインクタンクに配置される導光部等の機能の概略を説明するための模式的側面図およびその要部拡大図、図3(a)および(b)は、それぞれ、第1の実施形態に係るインクタンクに取り付けられる制御基板100の一例を示す側面図および正面図である。また、図3(c)および(d)は、制御基板100の他の例を示す側面図および正面図である。
【0030】
まず、図2(a)に示すように、記録ヘッド105’を備えた記録ヘッドユニット105に一体化されているホルダ150の第1係止部155および第2係止部156に対し、インクタンク1の第1係合部5および第2係合部6がそれぞれ係合することで、インクタンク1がホルダ150に装着され、固定される。またこのとき、ホルダ150に設けられた接点(以下コネクタと称す)152と、インクタンクに設けられた基板100の外側に向かって位置する面に設けられた接点としての電極パッド102(図3(b))とが接触し、電気的接続が可能となる。
【0031】
インクタンク1の内部は、正面側に位置するインク収納室11と、背面側に位置してインク供給口7に連通する負圧発生部材収納室(不図示)とに分割されており、両者は接続されている。インク収納室11にはインクIがそのまま貯留される一方、負圧発生部材収納室には、インクを含浸保持するスポンジや繊維集合体等のインク吸収体(以下、便宜的に多孔質部材と示す)が設けられている。この多孔質部材は、記録ヘッドのインク吐出用のノズル部に形成されるメニスカスの保持力と平衡してインク吐出部からのインク漏れを防止するに十分で、かつ記録ヘッドのインク吐出動作が可能な範囲にある適切な負圧を発生するためのものである。
【0032】
なお、インクタンク1の内部構成は、このような多孔質部材の収納室とインクをそのまま貯留する収納室とに分かれた形態に限られない。例えば、多孔質部材がインクタンク内部空間の実質的に全体に充填されるものでもよい。また、負圧発生手段として多孔質部材を用いるのではなく、容積を拡張する方向に張力を発生するゴム等の弾性材料で形成した袋状部材内にインクをそのまま充填し、この袋状部材が発生する張力によって内部のインクに負圧を作用するようにしたものでもよい。さらには、インク収容空間の少なくとも一部を可撓性部材で構成し、その空間内にインクだけを収容するとともに、可撓性部材にばね力を作用させることで負圧を発生させるようにしたものでもよい。
【0033】
図3(a)および(b)に示すように、インクタンク1の内側に向かって位置する基板100の面には、LEDなど可視光を発生する発光部101と、この発光部を制御する制御素子103とが設けられており、コネクタ152よりパッド102を介して供給される電気信号により、制御素子103は発光部101の発光の制御を行う。
【0034】
なお、図3(a)および(b)は、制御素子103を基板100に実装した後に、保護用の封止剤でこれを被覆した状態を示している。また、インクタンクが収納しているインクの色やインク残量などの情報を記憶させておくメモリ素子を搭載する場合にも、これを同じ位置に実装して封止剤で被覆することができる。また、図3(c)および(d)に示すように、パッケージ形態の制御素子104を実装してもよい。この構成によれば、発光素子と制御素子を基板に対して同時に実装することができるため、製造工程を簡略化できる。
【0035】
図2(a)および(b)に示すように、発光部101との対向部位からは、光を導くための導光部121がインクタンク外装の正面側壁面から間隔をおいて立設され、その先端部がユーザの目視に好ましく供される表示部122となっている。ここで、発光部101が発する光を導光部121へ投光する際の光量の減衰を抑制するため、基板100は発光部101が導光部121の光入射面123の近傍において対向するように配置されている(図2(b))。
【0036】
このように、発光部と表示部とを分離し、両者間の光接続を行う導光部121をインクタンク101に設けることで、視認性および操作性を阻害する電力供給用および信号授受用の配線等を必要とせず、発光部101と表示部122とを個々に最適な位置へ配置する構成を廉価に得ることが可能となる。それにより、ユーザ視認性が良好な位置への表示部122の配置の自由度を確保することができ、ユーザはその発光状態を容易に目視することにより、インクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。また、導光部121をインクタンク1の外装と一体成型したものとすれば、製造コストの大幅な上昇も伴うことがない。
【0037】
さらに、本実施形態では、導光部121をインク収納室11を形成するインクタンク外装の正面側の壁との間に空気層を有する空間が介在するように配置している。導光部をインクタンク外装の正面側の壁と一体化すること、すなわちインクタンク外装の正面側の壁を導光部に兼用することも考えられるが、本実施形態のような構成とすることで、表示部122への導光を効率良く行うことが可能となる。この点について説明する。
【0038】
本実施形態では、図2(a)および(b)に示すように、導光部121はインク収納室11の外装と一体であるが、正面側の壁からは独立している。すなわち、本実施形態の構成では、導光部121とインク収納室11との間には空気層が存在する。なお、インクタンクの外装は、ポリプロピレンで形成されているものとする。従ってまた、本実施形態の場合、導光部121がインク収納室11の外装と一体成型されたものであれば、その材質もポリプロピレンである。
【0039】
本実施形態の場合、図2(b)に示すように、発光部101が発した光は、導光部121の端面である光入射面123より導光部121内に入射し、導光部121を通りユーザに光を表示させる表示部122まで到達する。発光部101は、上述したように可視光を採用しており拡散光であるため、矢印A1〜A3で示すような複数の光線を有する。
【0040】
ここで、実施形態の導光部121に関し、ポリプロピレンの屈折率が1.49(=n1)であるとする。また、空気の屈折率は1.00(=n2)であることから、本例のポリプロピレンから空気への臨界屈折角は、スネルの法則である
n1・sinθ1=n2・sinθ2
より、約43°となる。
【0041】
よって、図2(b)のポイント(i)での入射角θが43°以上の光線は、ポリプロピレン(導光部121)と空気との界面で全反射し、矢印A1やA3に示すように、導光部121内で全反射を繰り返しながら表示部122まで到達する。また、入射角θ1が43°以下の光線は空気へと透過し、表示部122へは到達しない。
【0042】
なお、上述したインクタンク(液体収容容器)1の所定の情報とは、インクタンク1の装着状態の良否(すなわち装着が完全であるか否か)、装着位置の適否(インク色に対応して予め定められているホルダ上の装着位置に正しく装着されているか否か)、さらにはインク残量の有無(十分なインク量が残っているか否か)などであり、発光の有無や発光の状態(点滅など)によりそれらの情報の提示が可能となる。
【0043】
1.2 変形例(図4〜図8)
以上述べた構成は例示であって、発光部101を兼用して記録装置およびユーザに対しインクタンク1に係る所定の情報を提示することが可能であれば、適宜の変形を行うことができる。この項ではそのいくつかについて説明する。
【0044】
図4は、第1実施形態の変形例を説明するための模式的側面図である。この例は、導光部121’がインク収納室11を形成する正面側の壁と一体となっている。本実施例は上述した導光部121とインク収納室11との間に空間を有する第1の実施形態に比べて表示部122へ到達する光量は減少するが、上述した第1の実施形態に対してインクタンクのコンパクト化、または、インク収納効率の向上が可能となる点で有効である。
【0045】
図5は第1実施形態の他の変形例を説明するための模式的側面図である。この例は、導光部121をインクタンク1の外装と別体の部材にて形成した後に、両者を一体に組み立てたものである。この形態では、それぞれの部材の材料に対しより適切なものを選択することができる。例えば、導光部121の材料として、発光部から発光された光をより効率良く導光することができる屈折率の高い材料、すなわち空気との屈折率との差が大きいポリカーボネイトやアクリル等を選択することができる一方、インクタンク1の外装の材料としては、例えば内蔵するインクIの蒸発に対し抑制効果の高いポリプロピレンなどを選択することができる。また、両者を別の材料で形成できるため、インクタンク1の材料は特に透明なものに限る必要が無く、適宜選択することが可能となる。
【0046】
図6は第1実施形態の他の変形例を説明するための模式的側面図である。この例は、導光部121の先端に位置する表示部122の形状を略半球状にし、光の好ましい散乱が生じるよう、表面を粗くする処理を施したものである。この形態では、導光部121で導光された光線は表示部にて拡散するため、光量は減衰するが表示部から広い角度に光を放つことがきる。これにより、ユーザの目視可能な角度(範囲)が広くなり、視認性が一層向上する。
【0047】
図7(a)および(b)は、第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための模式的側面図である。この例は、導光部121と、支持部材3と、基板100を貼り付ける部位とを一体の部材131とし、かつ、この部材131がインクタンク1の外装を形成する部材とは別体となっている。このようにすることで、図5の例と同様に、インクタンクの外装を形成する部材および導光部を形成する部材のそれぞれに適した材料を選択することが可能となる。さらに、図7(b)に示すように、基板100を貼付した部材131が分離可能な構成となっており、このようにすることで、インクタンク1のインクIをすべて使い切った後には、新たなインクタンクに部材131を取り付けて再使用することができる。これにより、比較的高価な部品である基板100や発光部101が再使用することができるので、ランニングコストの低廉化に資することが可能となる。
【0048】
図8(a)および(b)は、第1実施形態のさらなる変形例を説明するための模式的側面図である。この例は、導光部121と、基板100を貼り付ける部位とを一体の部材131’とし、かつ、この部材131’がインクタンク1の外装を形成するとともに支持部材3を形成する部材とは別体となっているものである。このようにすることで、図5の例と同様に材料の選択性が向上する。さらに、図8(b)に示すように、導光部121と、基板100の貼付部位とを一体化した部材131’を分離可能とすることでこれを再使用することができる。
【0049】
上記第1の実施形態および変形例では、インク収納室11と導光部121との間に空気層を設け、発光部101より入射した光の減衰を抑え視認性を良好なものとしたが、インク収納室11と導光部121との間に他の部材を介挿することによっても、その目的を達成することができる。
【0050】
図9は本発明の第1の実施形態の別の変形例を説明するための模式的側面図である。この例では、導光部121と、インクIを収納するインク収納室11の正面側壁面との間に、導光部121よりも屈折率が低い低屈折率部材108が設けられている。また、本例の導光部121はインクタンク1とは別体に、光透過性に優れたポリカーボネイトにより形成されている。また、低屈折率部材108はポリテトラフルオロエチレンを用いて形成されている。
【0051】
ここで、ポリカーボネイトの屈折率は1.59であり、ポリテトラフルオロエチレンの屈折率は1.35である。よって、上述したスネルの法則によりポリカーボネイトからポリテトラフルオロエチレンへの臨界屈折角は約58°であることから、発光部101が発した光線のうち、入射角が58°から90°のものが表示部122へ到達する。
【0052】
なお、この例において、低屈折率部材108の代わりに、金属などで形成した反射部材を採用しても良い。上述したような異種樹脂間の屈折率の差を利用した例では、全反射条件以外の光は透過してしまい、全体の光量としては多少減衰してしまうが、反射部材を設けることで、入射面123から入射し反射部材に到達した光を実質的に完全に反射させることができる。これによって、より効率的に光を導光して視認性を向上することが可能となる。
【0053】
図10は本発明の第1の実施形態のさらに別の変形例を説明するための模式的側面図である。この例では、導光部121と、インクIを収納するインク収納室11の正面側壁面との間には図9のような低屈折率部材108等は無く、両者は互いに接触して構成されている。しかし本例では、インク収納室11として図9の低屈折率部材108と同様にポリテトラフルオロエチレンで形成したものを採用し、導光部121はポリカーボネイトで形成したものを採用している。このため、図9の例と同様に発光部101が発した光を効率よく表示部122に導くことが可能となる。
【0054】
以上のような種々変形例によっても、発光部と表示部とを分離し、両者間の光接続を行う導光部121をインクタンク101に設けることで、両者間に視認性および操作性を阻害する電力供給用および信号授受用の配線等を必要とせず、発光部142と表示部122とを個々に最適な位置へ配置する構成を廉価に得ることが可能となる。それにより、ユーザ視認性が良好な位置への表示部122の配置の自由度を確保することができ、ユーザはその光の出射状態を容易に目視することにより、インクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0055】
なお、第1の実施形態の変形例は以上のものに限られることはない。本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜の変形を加えることは可能である。例えば、上述の諸例では導光部を樹脂で形成し、これと接する空気または異種材料の屈折率の差を利用して導光を行うものとしたが、コアとクラッドとからなる光ファイバを適用してもよい。また、導光部を中実の部材とする代わりに、光を反射する内側面をもつ中空部材(ステンレスパイプなど)を採用してもよい。
【0056】
また、上述した実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることも可能である。例えば、図6について説明した表示部122の表面の処理については、これを上記第1の実施形態あるいはその他の変形例に適用することも可能である。
【0057】
これらのことは、後述する第2の実施形態や第3の実施形態、あるいはそれらの変形例についても同様である。
【0058】
1.3 インクタンク取り付け部(図11〜図13)
図11は第1の実施形態に係るインクタンクが着脱可能に構成された記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図、図12(a)〜(c)はインクタンクを記録ヘッドユニットに装着する際の動作を説明するための図である。なお、ここで説明する取り付け部は、後述する各実施形態ないし変形例にも適用可能なものである。
【0059】
記録ヘッドユニット105は、概して、複数(図では4個)のインクタンクを着脱可能に保持するホルダ150と、底面側に配置される記録ヘッド105’(図11では不図示)とからなっている。そしてインクタンクをホルダ150に装着することで、ホルダ底部に位置する記録ヘッド側のインク導入口107とインクタンク側のインク供給口7とが結合し、両者間のインク連通路が形成される。
【0060】
記録ヘッド105’としては、ノズルを構成する液路内に電気熱変換素子を設け、これに記録信号となる電気パルスを与えることによりインクに熱エネルギを付与し、そのときのインクの相変化により生じる発泡(沸騰)時の圧力をインクの吐出に利用するものを用いることができる。そして、後述するキャリッジ205に設けられた信号伝達用の電気接点部(不図示)と記録ヘッドユニット105側の電気接点部157とのコンタクトが行われ、配線部158を介して記録ヘッド105’の電気熱変換素子駆動回路への記録信号の伝達が行われる。また、電気接点部157からはコネクタ152に至る配線部159も延設されている。
【0061】
インクタンク1を記録ヘッドユニット105に装着する場合には、ホルダ150の上方でインクタンク1を取り扱い(図12(a))、インクタンク背面側に設けられた突起状の第1係合部5を、ホルダ背面側に設けられた貫通孔状の第1係止部155に挿通した状態でホルダ底面上に載置する(図12(b))。この状態でインクタンク1の正面側上端を矢印Pに示すように押下すると、インクタンク1は第1係合部5および第1係止部155の係合部分を回動支点として矢印R方向に回動し、インクタンク正面側が下方に変位してゆく。この過程で、インクタンク正面側の支持部材3に設けられた第2係合部6の側面がホルダ正面側に設けられた第2係止部156に押されながら、支持部材3も矢印Q方向に変位してゆく。
【0062】
そして第2係合部6の上面が第2係止部156の下方に至ると、支持部材3は自身の弾性力によってQ’方向に変位し、第2係合部6が第2係止部156によって係止される。この状態(図12(c))では、第2係止部156が支持部材3を介してインクタンク1を水平方向に弾性的に付勢し、インクタンク1の背面がホルダ150の背面に当接する。また、インクタンク1上方への変位は、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によって抑制される。これがインクタンク1の装着完了状態であり、このときインク供給口7およびインク導入口107、またパッド102およびコネクタ152が接合した状態となる。
【0063】
「てこ」の作動にたとえると、図12(b)に示すような装着動作の過程では、第1係合部5および第1係止部155の係合部分が支点、インクタンク1の正面側が力点となる。インク供給口7およびインク導入口107の結合部分は作用点となって、これは力点と支点との間、好ましくは支点近くに位置する。従って、インク供給口7はインクタンク1の回動に伴って大きな力でインク導入口107に押し付けられる。両者の結合部分には通常、インク連通性の確保やインク漏洩の防止を目的としてフィルタ,吸収体,パッキンなど比較的可撓性に富む弾性部材が配設されている。
【0064】
従って、本例のような構成配置および装着動作を採用し、比較的大なる力をもってそれら部材を弾性変形させた状態とすることは、それらの配設目的に照らして好ましいことである。また、装着動作が完了すると、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によってインクタンク1の浮き上がりが阻止され、従ってそれら弾性部材の復元が抑制されるので、それらの部材は適切に弾性変形した状態に保持される。
【0065】
一方、接点としてのパッド102およびコネクタ152は金属など比較的剛性の高い導電部材であり、これらの間には良好な電気接続性が確保されるべきである。一方、過大な力をもってそれらを当接させることは、損傷防止や耐久性の観点から好ましくない。本例ではまず、支点から極力離れた部位、すなわちインクタンクの正面近傍にそれらを配置することで、当接力を好ましく小とする。
【0066】
本実施形態では、インクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、両面をつなぐ斜面に基板100を配置している。ここで、装着完了直前においてパッド102がコネクタ152に当接した状態での、この当接部分のみでの力の釣り合いを考えると、鉛直方向下方に作用する装着力に釣り合ってコネクタ152がパッド102に及ぼす反力(鉛直方向上向きの力)は、コネクタ152およびパッド102間の実際の当接圧(斜面に垂直な方向の力)の分力となる。従って、ユーザが装着完了位置に向けてインクタンクを押下するとき、基板およびコネクタ間の電気的接続を行わせるためのインクタンク装着力の増加分も少なく、ユーザの操作性を著しく低下させることもない。
【0067】
また、装着完了位置(第1係合部5と第1係止部155、および第2係合部6と第2係止部156が係合する位置)に向けてインクタンク1を押圧すると、その押圧力によって基板100の平面に平行な方向の分力(パッド102にコネクタ152上を摺動させる力)も生じる。よって、両者間での良好な電気接続性も確保された装着完了状態を得ることができる。また、この状態では電気的接続部分がインクタンク底面から高い部位に位置するので、漏洩インクが伝わってくる恐れも極めて少ない。
【0068】
すなわち、本例のような電気的接続部分の構成配置は、インクタンク装着力の大きさ、電気的接触状態の確保、および漏洩インクからの保護など、種々の点を勘案した適切なものと言い得るのである。
【0069】
本発明の第1実施形態または変形例に係るインクタンクの取り付け部分の構成は、図11に示したものに限られない。
【0070】
図13を用いてこれを説明する。同図(a)はインクタンクからインクの供給を受けて記録動作を実行する記録ヘッドユニットの他の構成例およびこれを組み込むキャリッジの斜視図、同図(b)は両者を結合した状態を示す斜視図である。
【0071】
この例に係る記録ヘッドユニット405は、インクタンク全体を固定保持する上例のようなホルダ150と異なり、図13(a)に示すように、インクタンク正面側に対応したホルダ部分、およびここに配設されていた第2係止部およびコネクタなどを有していない。その他は上例とほぼ同様であり、底面上にはインク供給口7に接続されるインク導入口107を、また背面側には第1係止部155を、さらにその裏面には信号伝達用の電気接点部(不図示)を有している。
【0072】
一方、シャフト417に沿って移動可能なキャリッジ415には、図13(b)に示すように、記録ヘッドユニット405を装着・固定するためのレバー419および記録ヘッド側電気接点部と接続されている電気接点部418のほか、インクタンク正面側の構成に対応したホルダ部分が設けられている。すなわち、第2係止部156、コネクタ152およびコネクタへの配線部159はキャリッジ側に配設されている。
【0073】
かかる構成にあって、図13(b)に示すように記録ヘッドユニット405をキャリッジ415に装着した状態とすればインクタンクの取り付け部分の全体が構成される。つまり図12と同様の装着動作を経て、インク供給口7およびインク導入口107の接合並びにパッド102およびコネクタ152の接続が行われて装着動作が完了する。
【0074】
1.4 記録装置(図14〜図15)
図14は、以上説明したインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタ200の外観を示す図であり、図15は、図14に示す本体カバー201を開放した状態を示す斜視図である。なお、ここで説明する記録装置は、後述する各実施形態ないし変形例にも適用可能なものである。
【0075】
図14に示すように、本実施形態のプリンタ200は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載したキャリッジが走査のための移動をして記録を行う機構などプリンタの主要部分が、本体カバー201およびその他のケース部分によって覆われているプリンタ本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203と、自動給紙装置(ASF)202とを備えたものである。また、本体カバーを閉じた状態および開いた状態の両方で本プリンタの状態を表示するための表示器、電源スイッチおよびリセットスイッチを備えた操作部213が設けられている。
【0076】
本体カバー201を開放した状態では、図15に示すように、ユーザは、記録ヘッドユニット105およびインクタンク1K、1Y、1M、1C(以下では、これらのインクタンクを同一の符号「1」で示す場合もある)を搭載したキャリッジ205が移動する範囲およびその周辺を見ることができる。実際は、本体カバー201を開けると、キャリッジ205が自動的に同図に示すほぼ中央の位置(以下、「タンク交換位置」ともいう)へ移動するシーケンスが実行され、ユーザは、このタンク交換位置でそれぞれのインクタンクの交換操作などを行うことができる。
【0077】
本実施形態のプリンタは、記録ヘッドユニット105に各色のインクに対応したチップ形態の記録ヘッド(不図示)が設けられ、これら各色の記録ヘッドがキャリッジ205の移動によって用紙などの記録媒体に対して走査を行い、この走査の間に記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。すなわち、キャリッジ205は、その移動方向に延在するガイド軸207と摺動可能に係合するとともに、キャリッジモータおよびその伝動機構によって、上述の移動をすることができる。そして、K、Y、M、Cのインクに対応したそれぞれの記録ヘッドでは、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路から送られる吐出データに基づいてインク吐出が行われる。また、紙送りローラや排紙ローラなどの紙送り機構が設けられ、自動給紙装置202から給紙された記録媒体(不図示)を排紙トレイ203まで搬送することができる。また、キャリッジ205には、インクタンクホルダを一体に備えた記録ヘッドユニット105が着脱自在に装着され、一方、この記録ヘッドユニット105に対してそれぞれのインクタンク1が着脱自在に装着される。
【0078】
記録動作に際しては、記録ヘッドが上記の移動によって走査しその間にそれぞれの記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録ヘッドにおける吐出口配列範囲(記録ヘッド主走査方向に直交する方向)に対応した有効幅の領域に記録を行うとともに、この走査と次の走査の間に、上記紙送り機構によって上記幅またはそれ未満の所定量の紙送りを行うことにより、記録媒体に対して順次記録を行ってゆく。また、上記のキャリッジ移動による記録ヘッドの移動範囲の端部には、各記録ヘッドについてその吐出口が配設された面を覆うキャップなどの吐出回復ユニットが設けられている。これにより、記録ヘッドは所定の時間間隔で回復ユニットが設けられた位置へ移動して、予備吐出などの回復処理を行う。
【0079】
各インクタンク1のタンクホルダ部を備えた記録ヘッドユニット105には、前述したように、各インクタンクに対応してコネクタが設けられており、それぞれのコネクタは装着されるインクタンク1に設けられている基板のパッドと接触する。これにより、それぞれの発光部101について、記録装置が実行する所定のシーケンスに従った点灯ないし点滅の制御を行うことができる。これにより、インクタンクの状態に関する情報の報知が可能となる。
【0080】
具体的には、上記のタンク交換位置では、それぞれのインクタンク1についてインク残量が少なくなったとき、その該当するインクタンク1の発光部101を点灯もしくは点滅させることで、導光部121および表示部122を介し、ユーザの目視に供することができる。また、発光部の点灯などの制御の他の例として、上記タンク交換位置で、インクタンク1が正しい位置に正しく装着されたときに、そのタンクの発光部101を点灯させることで、導光部121および表示部122を介し、ユーザの目視に供することもできる。これらの制御は、記録ヘッドのインク吐出などの制御と同様、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路からそれぞれのインクタンクに対して制御データ(制御信号)が送られることによって実行される。
【0081】
さらに、キャリッジの移動範囲において、上述の回復ユニットが設けられた位置と反対側の端部付近に、受光素子を有した受光部210を設けることができる。これにより、キャリッジ205の移動に伴ってそれぞれのインクタンク1の表示部122がこの受光部を通過する際に発光部101を発光させ、その光を導光部121および表示部122を介して受光部に受光させることができる。そして受光したときのキャリッジ205の位置に基づいて、キャリッジ205におけるそれぞれのインクタンク1が装着されているか否かや、正しい位置に装着されているか否かなどを検出することができる。つまり、表示部122は、ユーザの目視のためだけでなく、記録装置が実行する検出動作および制御にも供し得るものである。なお、これらを両立するためのより好ましい構成については、第3の実施形態で述べる。
【実施例2】
【0082】
2.第2の実施形態(図16〜図20)
上記した第1の実施形態およびその諸変形例はいずれも、発光部101の直近から立設した導光部121の上端部に表示部122が配される形態である。しかし、よりユーザの目視に供しやすい位置に表示部が配されるようにすることもでき、この項ではそのための実施形態のいくつかについて説明する。なお、以下において、上記第1の実施形態と同様に構成される各部については対応箇所に同一符号を付してある。
【0083】
図16はその実施形態に係るインクタンクに配置される導光部321の機能の概略を説明するための模式的側面図である。本例では、発光部101より表示部322まで光を導光しユーザへ光を認識させる導光部321が、インクIを収納するインク収納室11の正面側壁面との間に空気を介在させるように立設されるとともに、表示部322が図中の右斜め上方向を向くように、その先端付近を湾曲させた形状を有している。
【0084】
この構成により、第1の実施形態と同様に、発光部101より入射された光の減衰を抑制しながら表示部322に光を導くことができる。さらに、導光部321を湾曲させて表示部322が図中の右斜め上方向を向くようにしているため、ユーザの視認性をより向上することが可能となる。
【0085】
図17は図16の構成の変形例を示す模式的側面図である。本例でも導光部321について湾曲形状を採用しているが、その高さを図16よりも低くして、その端面310が支持部材3の、特にユーザが操作する部分である操作部3Mの裏面側に対向するようにしている。また、本例の支持部材3は、少なくとも操作部3Mが光透過性部材で形成されている。
【0086】
本例では、図17に示すように、発光部101が発した光は導光部321により端面310に導かれ、そこから操作部3Mに照射される。これにより、光透過性部材で形成された支持部材3の操作部3Mが光を出射する。すなわち本例の場合、操作部3Mがユーザの目視に供するための表示部として機能する。
【0087】
本例によっても上述の第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、本例ではユーザが操作する部分である操作部3Mが光を出射するため、例えばインクタンクの交換をユーザへ促す際には、ユーザに直感的に対象インクタンクを認識させるとともに、インクタンクの着脱操作箇所(操作部)をも直感的に認識させることが可能となる。なお、操作部3Mの光の出射状態をより視認し易くするために、操作部3Mには適当量の光を散乱させる部分が付加されていてもよい。
【0088】
以上のように表示部を好ましい位置に配置するための光軸の屈曲は、必ずしも導光部を湾曲させる形態に限られるものではない。以下ではその例について説明する。
【0089】
図18(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態の別の例に係る液体収納容器であるインクタンクの側面図、正面図および底面図である。立設箇所は上記の各例と同様であるが、本例の導光部450は湾曲形状を有さずにほぼ直立したものとなっている。そしてその上端部には傾斜面451が形成されている。傾斜面451の位置は支持部材3の操作部3Mの裏面側にあり、操作部3Mの裏面に対向する部分が高く、インク収納室11の正面に対向する部分が低くなるように傾斜している。なお、導光部450とインクタンク1の正面側壁面との間には空気が介在している。また、導光部450をインクタンク1の外装と一体成形する場合には、全体を光透過性部材で形成すればよい。
【0090】
図19(a)および(b)を用い、本例の導光部450の構成および機能について説明する。ここで、同図(a)は本例の導光部450の機能の概略を説明するための模式的側面図、同図(b)はその要部拡大図である。
【0091】
これらの図に示すように、導光部450は、その底面側端面が発光部101に対向する位置から立設されている。従って、発光部101が発光すると、光は導光部450の底面側端面から上端部の傾斜面451へと案内され、傾斜面451によって反射されて、操作部3Mに照射される。すなわち、本例の構成によっても、図17の例と同様、インクタンク1の底面側に配設した発光部101の光を導光部450を介して操作部3Mに導くことにより、ユーザが操作部3Mを目視すればインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0092】
導光部450、傾斜面451および発光部101の好ましい位置関係は次の通りである。すなわち、発光部101が発した光が導光部450によって傾斜面451へ案内されるためには、発光部101は導光部450の底面側端面に対向し、導光部450の光軸456に対する断面の投影面上に配設されることが、より多くの光を案内する観点から望ましい。
【0093】
また、傾斜面451により反射された光を操作部3Mに円滑に到達させるためには、傾斜面451の光軸456に対する傾斜角は、導光部450が案内した光を全反射するように臨界角以上に設定することが望ましい。例えば、インクタンク1と一体的に形成された導光部450がポリプロピレンで形成され、その屈折率が1.49である場合、空気の屈折率=1なので、全反射条件は上記スネルの法則より、
1.49sinθ=1
sinθ=1/1.49
θ≒43°
となる。すなわち、光軸に対する傾斜角(=入射角)θを43°以上に設定すればよい。本例においては傾斜角を45°として全反射条件を満たすようにしている。これにより、導光部450によって案内された光が傾斜面451で全反射されて操作部3Mに照射されるので、ユーザの視認性が向上する。
【0094】
図20(a)および(b)は、図18(a)〜(c)の構成の変形例に係るインクタンクの側面図および正面図である。この例は、導光部450をインクタンク1と別部材で構成したものである。本構成によれば、インクタンク1と導光部450をそれぞれ好適な材料で構成することが可能となる。ここで、例えばインクタンク1を光透過性部材で構成しない場合には、操作部3Mの一部に開口32を設けて、開口32を通して導光部450の傾斜面451からの反射光が目視できるように構成すればよい。
【0095】
なお、図18あるいは図20の例において、傾斜面は、導光部450によって案内される光軸との角度(入射角)と、操作部3Mへ反射する角度(反射角)とが一致するよう設定されていればよく、使用する材料等に応じ全反射条件を満たす範囲で適宜設定することができる。
【0096】
また、光を効率よく反射させるために、高屈折率の部材や高反射率の部材で傾斜面を構成してもよく、例えば金属箔等を貼り付けてもよい。
【0097】
さらに、支持部材の操作部3Mを表示部として機能させるのではなく、図16と同様操作部より高い位置にまで導光部450を延在させることで、斜面部近傍の導光部450の上側の正面位置が表示部となるようにしてもよい。
【実施例3】
【0098】
3.第3の実施形態(図21〜図29)
ユーザはプリンタの配置等によってプリンタ内のインクタンクの表示部を様々な方向から見る可能性があるため、なるべく表示部からは広範囲に光を照射させることが望ましい。一方、表示部はユーザの目視のためだけでなく、記録装置が実行するインクタンク検出動作および制御にも供されるものであり、そのために記録装置内には図15に示したように受光部210が設けられる。
【0099】
例えば、受光部210に対してキャリッジ205を走査させると、搭載されている各インクタンクないしはその表示部が受光部210に順次対向しながら通過して行く。その過程で、各色のインクタンクがそれぞれ本来装着されるべき部位に装着されているか否かを検出することができる。すなわち、あるインクタンクが受光部210と対向するタイミングで、その対向位置にあるべき色のインクを収納したインクタンクの発光部を発光させ、表示部から光の出射を行わせる。このとき受光部210が受光すれば、そのインクタンクは正しい部位に装着されているものと認識でき、受光しなければ誤った部位に装着されているものと認識できる。そして、後者であれば、例えば記録動作を許可せず、ユーザに本体カバー201の開放を促し、さらに誤装着に係るインクタンクの発光部ないし表示部を点滅させる等して、装着のやり直しを促すことができる。これにより、インクタンクの誤装着に起因して色再現が狂ってしまうという不都合や、インク残量がないインクタンクについて表示が行われない一方で残量のあるインクタンクについて表示が行われてしまうという不都合などを予防できる。
【0100】
このようなインクタンクの検出や制御に供される受光部210は、キャリッジに搭載されて走査されるインクタンクに対し、装置内に固定されて配置されるため、検出動作時においてインクタンクの表示部との位置関係は一定となる。そのため、表示部には、ユーザの目視に供される場合と異なり、受光部を記録装置に固定する際の取り付け精度の中でできるだけ狭い範囲に光の出射を行うことで光量の密度を高くし、受光部に向かう光量を安定的に確保することが求められる。
【0101】
すなわち、表示部には2つの機能を満たすために相反することが要求されることになる。そこでこの項では、ユーザの視認性と受光部の受光量安定化とを両立できるようにした構成の諸例について説明する。
【0102】
図21(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係る液体収納容器であるインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図である。これらの図において、550は本例で用いた導光部(導光リブとも称す)であり、上述の諸例と同様に、その底面側端面が発光部101に対向する位置から立設されている。
【0103】
図22(a)、(b)および図7を用いて、本例の導光部材の形状および機能について説明する。
【0104】
図22(a)は記録装置に図21(a)〜(d)に示したインクタンク1を複数搭載した状態を上面から見た模式図であり、特にシアンタンク1C、マゼンタタンク1M、イエロータンク1Yに着目したものである。各インクタンクはインクタンクの幅方向、すなわちホルダ150ないしキャリッジ205の移動方向(走査方向)に並置される。図22(b)はそのインクタンク群がキャリッジの移動によってプリンタ内に配された受光部210(図15参照)の下方に対向する状態を示している。導光部550は、上方(図面に直交する方向)からみて、走査方向(紙面左右方向;x方向)に延在する部分(部分B)と、その中央部から走査方向に垂直な方向(図の上下方向;y方向)に延在する部分(部分A)とが組み合わされた略T字形状を有している。すなわち本例の導光部は、略T字形状の横断面をもつ角柱の形態である。
【0105】
図23は図22(a)で説明したインクタンク1の側面図であり、導光部550には発光部101が発した光が入射し、上述の各例と同様に矢印で示すように導光部550内を案内されて、表示部となる導光部上端部552に至り、そこから外部へ出射している様子を示している。本例では、導光部550の底面側端部において、略T字形状を構成する上記部分Aおよび部分Bの交点に対向する位置に発光部101が配されており、発光部101から発した光は、導光部550の部分Aおよび部分Bに導かれる。
【0106】
ここで、記録装置内に固定されている受光部210は、その実装時の取り付け公差により、インクタンクとの相対位置関係が変化し得る。すなわち、図22(b)において、キャリッジ走査方向(x方向)と、これに垂直な方向(y方向)と、図面に直交する方向(以下、z方向)とについてずれが生じ得る。しかし本例では、導光部550の形状によってこれら各方向におけるずれを許容しながら、インクタンクの装着状態の良否や装着位置の適否を判定するためのインクタンク検出動作を正しく行うことを可能としている。
【0107】
まず、z方向のずれは、表示部である上端部552から受光部210までの距離の変化に影響するため、上端部552から出射された光の検出強度が変化することになる。しかし、公差の範囲での光量変化を許容するよう適切な閾値設定を行うことで、z方向の受光部210のずれを許容し、インクタンク検出動作を正しく行うことができる。
【0108】
また、x方向のずれは、インクタンク1の発光部101を発光させ、キャリッジを走査しながら上端部552の出射光を受光部210で連続的に受光させることで許容される。x方向での受光部のずれがあっても、そのずれに見合った範囲で発光ないし受光を行わせるようにすればインクタンク検出動作を正しく行うことができる。また、部分Aの存在により、受光部210の受光量変化曲線は最大値(ピーク値)をもつので、その検出時点を知ることで、次回以降の検出動作のための発光部101の発光タイミングを調整し、x方向のずれを補正することも可能である。
【0109】
さらに、部分Aのy方向の長さが、y方向の受光部210の取り付け位置公差範囲以上であれば上端部552からの光を受光することができる。このことによりy方向の受光部210のずれが許容され、インクタンク検出動作を正しく行うことができる。なお、部分Aの長さが短いほど、導光部550端部から出射される光の密度が高くなり、受光部210が受光する光量が多くなるため、外乱光などの影響を受けることなく確実にインクタンク検出動作を行うことができる。従って、部分Aの長さは、受光部210の取り付け位置公差と受光部210が受光する好ましい光量とに基づいて適宜設計することができる。
【0110】
一方、表示部である導光部上端部552は、上述のように、例えばインクタンクのインクが少なくなったときに点灯もしくは点滅する等によりユーザの目視に供されるものである。従って、ユーザが様々な位置や角度から視認できるよう、光の出射領域は広く取ることが望ましい。そのため、主として受光部の検出動作にとって好ましくなるよう寸法および形状を定めた部分Aに加えて、部分Bの寸法および形状を適宜設計することで、光の出射領域について十分な広がりを確保することができる。つまり、導光部550の上端部552は、インクタンク1の幅方向へも延在しており、幅方向に広く光を出射することができる。それにより、ユーザが視認できるエリアを広くし、視認性を確保することができる。
【0111】
なお、本例では、略T字形状の横断面をもつ角柱の形態の導光部としたが、表示部である上端部552において好ましい光の出射が得られる形状および寸法が実現されるものであれば、上端部552に至るまでの導光部の形状は適宜定め得るものである。また、上端部についても、略T字形状以外の形状であってもよい。
【0112】
図24の導光部560形状は上方(紙面垂直方向)からみて、走査方向(紙面左右方向;x方向)に並行に延在する形状(B形状)と、走査方向に垂直(紙面上下方向;y方向)に延在する形状(A形状)が組み合わされた略十字形状をしている。本形状においても、図22で示した実施例と同様に、y方向のズレは、導光部560が走査方向に垂直(紙面上下方向)に延在する形状(A形状)の長さが、y方向の受光部の取り付け位置公差範囲以上の長さがあれば、その範囲で導光部560の端部から光を受光することができる。これによりy方向の受光部210のズレを許容し、インクタンクの位置を検出することができる。
【0113】
図25は少なくとも上端部562において上例とは異なる形状をもつ導光部560を採用したインクタンク1を複数搭載した状態を上面から見た模式図であり、特にシアンタンク1C、マゼンタタンク1M、イエロータンク1Yに着目したものである。また、図ではマゼンタインク用のインクタンク1Mの上端部上に受光部が位置している状態を示している。
【0114】
ここで、本例の導光部560ないし上端部562は、上方(図面に直交する方向)からみて、走査方向(紙面左右方向;x方向)に延在する円弧状の部分(部分B)と、その中央部から走査方向に垂直な方向(図の上下方向;y方向)に延在する部分(部分A)とが組み合わされた略Y字形状を有している。このような形状によっても、上例と同様に、x、yおよびz方向の受光部210のずれが許容され、インクタンク1の検出動作を正しく行うことが可能である。また、各部分の寸法等についても、受光部の動作およびユーザの視認性を考慮して、上例と同様に適宜定めることができる。
【0115】
上記した第3の実施形態およびその諸変形例はいずれも、発光部101の直近から立設した導光部の上端面に表示部が配される形態である。しかし、第2の実施形態と同様、別の位置に表示部が配されるようにすることもでき、以下ではその例について説明する。
【0116】
図26(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、図21について説明した実施形態の変形例であるインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図である。また、図27(a)は記録装置に図26(a)〜(d)に示したインクタンク1を複数搭載した状態を正面から見た模式図であり、特にシアンタンク1C、マゼンタタンク1M、イエロータンク1Yに着目したものである。また、図27(b)は同図(a)の配列においてマゼンタインク用のインクタンク1Mの表示部に対向して受光部が位置している状態を示している。さらに、図28は本例の導光部の機能を説明するためのインクタンク1の側面図である。
【0117】
本例の導光部580の形状は、上方からみると図22と同様の形状であり、走査方向に延在する部分Bと、それに垂直な方向に延在する部分とが組み合わされた略T字形状を有している(図26(b))。また、本例の導光部580には、図18の例と同様の傾斜面582が設けられ、図27(a)においては傾斜面582によって導光部580をカットした形状を望むことができる。その形状は、正面方向から見ればやはり走査方向(x方向)に延在する部分Eと、それに垂直な方向(図27(a)の上下方向;z方向)に延在する部分Dとが組み合わされた略T字形状となって現われる。
【0118】
図28は、導光部580には発光部101が発した光が入射し、矢印511で示すように導光部580内を案内されて傾斜面582で反射されて、インクタンクの正面側から前方(図28の右方)に出射している様子を示している。ここで、傾斜面582の傾斜角は、上述と同様、導光部580が案内した光を全反射するように臨界角以上に設定することが望ましく、例えば導光部580がポリプロピレンで形成されているのであれば、45°とすることができる。あるいは、光を効率よく反射させるために、高屈折率の部材や高反射率の部材で傾斜面を構成してもよく、例えば傾斜面582に金属箔等を貼り付けてもよい。
【0119】
本例の場合、受光部210はインクタンクの上方(z方向)ではなく、前方(y方向)において出射光を受けるよう配置される。この場合でも、上述と同様、受光部210にはx、yおよびz方向についてずれが生じ得る。しかし本例でも、導光部580の形状によってこれら各方向におけるずれを許容しながら、インクタンクの装着状態の良否や装着位置の適否を判定するためのインクタンク検出動作を正しく行うことを可能である。
【0120】
ここで、y方向のずれは、上例のz方向のずれに相当し、光の出射位置から受光部210までの距離の変化に影響するが、公差の範囲での光量変化を許容するよう適切な閾値設定を行うことでこれを許容し、インクタンク検出動作を正しく行うことができる。
【0121】
また、x方向のずれは、上例のx方向のずれと同じであり、インクタンク1の発光部101を発光させ、キャリッジを走査しながら上端部552の照射光を受光部210で連続的に受光させることで許容される。
【0122】
さらに、z方向のずれは、上例のy方向のずれに相当する。従って、正面方向から見た場合の部分Dのz方向の長さが、z方向の受光部210の取り付け位置公差範囲以上であれば上端部582からの光を受光することができ、z方向の受光部210のずれが許容され、インクタンク検出動作を正しく行うことができる。
【0123】
なお、受光部の動作およびユーザの視認性にとって好ましくなるよう、各部分D,Eの寸法や形状等を定め得るのは上例と同様である。
【0124】
また、導光部580の上側の正面位置から光が出射されるようにしてこの部位を表示部とする代わりに、図29に示すように、傾斜面582が支持部材3の操作部3Mの裏側に位置するようになし、図19の例と同様に操作部3Mを表示部として機能させるようにしてもよい。または、図20の例と同様に、操作部3Mの一部に開口を設け、その開口を通して導光部580の傾斜面582からの反射光が目視できるようにしてもよい。
【実施例4】
【0125】
4.第4の実施形態(図30、図32)
ユーザは、表示部から光の出射をしているインクタンクを正確に特定できることが強く望ましい。ここで、出射光量が小さすぎると視認自体が困難となる。一方、出射光量が大きすぎると隣接インクタンクとの間で誤認が生じ易く、インクタンクの正確な特定が困難となる恐れがある。これは受光部についても同様であり、着目するインクタンクでなく隣接インクタンクからの光を受光してしまう恐れがある。
【0126】
従って、表示部の出射光がユーザおよび受光部の双方に好ましく到達するような構成を採ることが望ましく、以下ではそのための構成について説明する。
【0127】
図30は本発明の第4の実施形態に係る液体収納容器であるインクタンクの斜視図、図31(a)および(b)は、それぞれ、そのインクタンクに取り付けられる制御基板100の一例を示す側面図および正面図である。図32(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、図30のインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図である。また、図32(e)および(f)は、それぞれ、蓋部材を取り外して示すインクタンクの上面図および正面図である。
【0128】
本例は、基本的に図26とほぼ同様の構成を有している。すなわち、略T字形状の横断面と傾斜面582とを有する導光部580を発光部101との対向部位から立設し、その上側の正面に位置する部分(図27の部分D,Eに対応した部分)から光が出射されるようにして、この部位を表示部585としているものである。そして本例では、表示部585に対向して、所定の開口部21Aを有するとともに表示部585の周縁部分を覆うことで光の出射を制限する出射光制限部材21を設けてある。また、図31(a)および(b)に示すように、インクタンク2の内側に向かって位置する基板100の面には、LEDなどに代表される可視光を発生する発光部101と、この発光部へ流れる電流を調整する抵抗器104Rと、この発光部を制御する制御素子103と、この制御素子に印加される電圧を安定化させるコンデンサ104Cと、が設けられており、コネクタ152よりパッド102を介して供給される電気信号により、制御素子103は発光部101の発光の制御を行う。ここで、制御素子103は、図2(b)では、保護用の封止剤で制御素子103を被覆した形態となっていたが、本実施形態では、例えば樹脂で覆われたパッケージ形態となっている。樹脂パッケージは、封止剤と同様に制御素子103を保護する機能を有しているが、同等の機能を有するものであれば適宜選択可能である。また、図2(b)と同様に、インクの色やインク残量などの情報を記憶させておくメモリ素子をそのパッケージに内包してもよい。
【0129】
また、図30において符号2で示すものは、インクタンク1の上面に装着されてその内部を覆うとともに、内部を大気と連通させる大気連通口20を有したる蓋部材である。本例では、出射光制限部材21を例えば熱可塑性エラストマーで形成することで、蓋部材2に融着して一体化したものとすることができる。なお、熱可塑性エラストマーは透明な材料であるので、上記周縁部分からの光の出射をより低減し、受光部210での受光動作の安定化およびユーザの視認性の向上するために、着色したものとしても良い。あるいはエラストマー以外の材料を用いることもできるし、また蓋部材2と同一の材料として一体に成型されたものとすることもできる。ここで、蓋部材2が透明な部材で形成されるのであれば、出射光制限部材21をなす部分の表裏少なくとも一方の面に凹凸形状を設けたり、あるいはブラスト処理を施したりすること等により光の出射を制限するようにしても良い。
【0130】
図33(a)〜(e)を用い、本実施形態の主要部の構成および機能について説明する。ここで、図33(a)および(b)は図30のインクタンクに配置される導光部等の機能の概略を説明するための模式的側面図およびその正面図、図33(c)は、図33(a)の要部拡大図、図33(d)および(e)は、それぞれ、第4の実施形態に係るインクタンクの比較例の一例を示す正面図および模式的側面拡大図である。
【0131】
第1の実施形態と同様に本実施形態において、導光部580が屈折率1.49のポリプロピレンで形成されているものとすると、入射角が43°以上の光線は、導光部580内でポリプロピレン(導光部580)と空気との界面で全反射を繰り返し、表示部585まで到達する。一方、入射角が43°以下の光線は矢印A4のように、表示部585まで到達せず、途中で空気へ透過する。発光部101は、可視光を採用しており拡散光であるため、ポリプロピレンと空気との界面での入射角は様々であり、導光部580は表示部585以外の箇所からも、表示部585より少量ではあるが光が出射される。
【0132】
図33(c)に示すように、本実施形態では、支持部材操作部3Mにはローレット加工がなされている。また、比較例である図33(e)では、支持部材操作部3Mには、ローレット等の加工がなされておらず、一つの曲面にて構成されている。インクタンク1の外装、支持部材3、導光部580は、一体にて構成されているため、上述した導光部580の表示部585以外の箇所から出射された光は、外装及び支持部材3に再入射し、それらの内部を通り、外部(空気)へと再出射する。図33(c)、(e)に示す矢印は、支持部材操作部3Mへ際入射、再出射する光線を示す。本実施形態(図33(c))では、支持部材操作部3Mに一旦入射した光は、ローレット加工がなされている面で、2回の全反射(θ=45°)をし、入射した側へと出射される。一方、比較例(図33(e)では、上述したようにローレット加工がなされていないため、入射角は約0°となり、全反射せず透過する。但し、本実施形態では、図33(c)に示すように、曲面にローレット加工がなされており、全ての面で入射角が全反射条件(43°以上)を満たすことはないため、全ての光が全反射することはなく、一部は、比較例のように透過する。また、入射する光も図のように全てが水平ではないため同様に、一部は透過する。
【0133】
よって、図33(b)、(d)に示すように、比較例は、導光部580の形状が支持部材操作部3Mに投影され(586)、表示部585とのコントラストが弱くなってしまい、ユーザの視認性が低下してしまうが、本実施例では、支持部材操作部3Mから出射される光量を抑制し、表示部585とのコントラストを強く保ち、ユーザの視認性を確保することができる。
【0134】
本実施形態によれば、表示部からの光の出射を適切に制限することで、ユーザの視認性向上と受光部の動作安定化との双方にとって好ましい光量を得ることが可能となる。なお、導光部の形態は上述のものに限られず、図26で示したもの以外の形状を有するものでもよい。また、表示部が導光部の上端面に形成されるものであってもよい。
【実施例5】
【0135】
5.その他
本発明の基本的な思想は、上述の諸例のような発光部を有さない形態のインクタンクへの適用も可能である。
【0136】
図34(a)〜(d)は、それぞれ、その形態に係るインクタンクの例を示す正面図、一部破断側面図、底面図および背面図である。ここで、インクタンク501の底面側に配設された記録ヘッド502はTAB等で構成された配線部503と電気的接続されており、インクタンク501の背面側の配線部503の電気接点部504を介して、プリンタのキャリッジ側電気接点と接続される。インクタンク501の正面側には凹部が設けられており、導光部505が配設されている。プリンタ側には、インクタンク501が装着された状態において、導光部505の底面側の入射面506に近接した位置に、LED等の光源511が配設される。一方、導光部505の天面側の端部には傾斜面507が設けられており、その傾斜面507を覆うようにフィルム等で形成された表示部508が配設される。
【0137】
記録ヘッド502の内部には、インクタンク501の識別情報が保持されており、インクタンク501がプリンタに装着されると、配線部503を介してプリンタ側に識別情報が読み込まれ、プリンタ内において、インクタンク501の識別情報と対応して、インクタンクに係る情報を記憶し、その記憶情報に基づき光源511の発光制御が行われる。
【0138】
従って、光源が発した光は、入射面506から導光部505に入射し、その底面側から上面側へ案内される。傾斜面507へ案内された光は傾斜面507で正面側に反射して、インクタンク501の正面側に配設された表示部508へ照射されることで、ユーザが目視にて視認可能な状態となる。
【0139】
このような形態では、例えばあるインクタンクのインクがなくなったとき、そのインクタンクの導光部入射面506が光源511と対向するよう設定を行い、光源511を発光させることで、表示部508を介して報知を行うことができる。
【0140】
以上のように、本発明は記録ヘッドに対して一体不可分に取り付けられたインクタンクを用いる構成に適用することもできる。そのような構成であっても、装着位置が異なれば異なる色のデータを受け取ったり、あるいは色の重なり順が設計とは異なることによって所望の記録品位が得られなくなることがあるからである。
【0141】
また本発明は、キャリッジ上に搭載される記録ヘッドとは別体にインクタンクを記録装置の固定部位に取り付け、可撓性チューブを介してその固定インクタンクと記録ヘッドとを連結してインクを供給するチューブを用いる連続供給方式を採る構成において、固定のインクタンクに関して上述のいずれかの導光部を適用することもできる。この場合は、例えば、固定インクタンクをキャリッジの走査範囲に配置するとともに、装置側の検出ないし制御に供される受光部をキャリッジ上に設けたものとすることができる。
【0142】
さらに、このような構成は、チューブを用いた連続供給方式によるものだけでなく、記録ヘッドに比較的少量のインクを貯留する貯留部を備えるとともに、その貯留部に対し比較的大量のインクを貯留する供給源(上記と同様の固定インクタンク)から適切なタイミングで言わば間欠的にインクが供給されるように供給系を構成した方式のもの(間欠供給方式)に対しても適用が可能である。その態様としては、中間タンクへのインク充填を行う際にのみ固定インクタンクとのインク供給系が空間的に接続される形態のものや、チューブ連通構造を採りつつも、その連通構造を弁等によって適宜開閉することによって、両タンク間を流体的に絶縁および接続するような構成を有するものであてもよい。
【0143】
加えて、上述の各例では、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色インクタンクを用いる形態について説明したが、用いるインクの色調(色および濃度)ないしはインクタンクの数はこれに限られることないことは勿論である。また、それらのインクに加え、淡色インクや、レッド,グリーン,ブルーなどの特色インクを用いる形態であってもよい。特にインクタンクの数が増すほど誤装着が発生しやすく、また配線やその接続部分によって視認性や着脱時の操作性を阻害し易くなることから、これを防ぐ意味で本発明の有効性が高くなると言い得るのである。以上各種実施形態について説明してきたが本発明においては、上記各種実施例を適宜組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係るインクタンクの側面図、正面図および底面図である。
【図2】(a)および(b)は本発明の第1の実施形態に係るインクタンクに配置される導光部等の機能の概略を説明するための模式的側面図およびその要部拡大図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、第1の実施形態に係るインクタンクに取り付けられる制御基板の一例を示す側面図および正面図、(c)および(d)は、それぞれ、制御基板の他の例を示す側面図および正面図である。
【図4】第1実施形態の変形例を説明するための模式的側面図である。
【図5】第1実施形態の他の変形例を説明するための模式的側面図である。
【図6】第1実施形態の他の変形例を説明するための模式的側面図である。
【図7】(a)および(b)は第1実施形態の変形例さらに他を説明するための模式的側面図である。
【図8】(a)および(b)は第1実施形態のさらなる変形例を説明するための模式的側面図である。
【図9】第1の実施形態の別の変形例を説明するための模式的側面図である。
【図10】第1の実施形態のさらに別の変形例を説明するための模式的側面図である。
【図11】第1の実施形態に係るインクタンクが着脱可能に構成された記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図である。
【図12】(a)〜(c)はインクタンクを記録ヘッドユニットに装着する際の動作を説明するための図である。
【図13】(a)はインクタンクからインクの供給を受けて記録動作を実行する記録ヘッドユニットの他の構成例およびこれを組み込むキャリッジの斜視図、(b)は両者を結合した状態を示す斜視図である。
【図14】インクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。
【図15】図14の記録装置を、その本体カバーを取り外して示す斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るインクタンクに配置される導光部の機能の概略を説明するための模式的側面図である。
【図17】図16の変形例を示す模式的側面図である。
【図18】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態の別の例に係る液体収納容器であるインクタンクの側面図、正面図および底面図である。
【図19】(a)は図18(a)の導光部の機能の概略を説明するための模式的側面図、(b)はその要部拡大図である。
【図20】(a)および(b)は、図18(a)〜(c)の構成の変形例に係るインクタンクの側面図および正面図である。
【図21】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係る液体収納容器であるインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図である。
【図22】(a)は記録装置に図21(a)〜(d)に示したインクタンク1を複数搭載した状態を上面から見た模式図、(b)はそのインクタンク群がキャリッジの移動によってプリンタ内に配された受光部の下方に対向する状態を説明するための模式図である。
【図23】図22(a)で説明したインクタンクの導光部の機能を説明するための模式的側面図である。
【図24】導光部の形状の他の例を説明するための模式的上面図である。
【図25】導光部の形状のさらに他の例を説明するための模式的上面図である。
【図26】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、図21(a)〜(d)に示した実施形態の変形例であるインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図である。
【図27】(a)は記録装置に図26(a)〜(d)に示したインクタンク1を複数搭載した状態を正面から見た模式図、(b)はそのインクタンク群がキャリッジの移動によってプリンタ内に配された受光部に対向する状態を説明するための模式図である。
【図28】図26(a)に示した導光部に光が入射してから出射していくまでの光線の様子を説明するための模式的側面図である。
【図29】図26(a)に示したインクタンクの変形例を示す模式的側面図である。
【図30】本発明の第4の実施形態に係る液体収納容器であるインクタンクの斜視図である。
【図31】(a)および(b)は、それぞれ、図30のインクタンクに取り付けられる制御基板100の一例を示す側面図および正面図である。
【図32】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、図30のインクタンクの側面図、上面図、底面図および正面図、(e)および(f)は、それぞれ、蓋部材を取り外して示すインクタンクの上面図および正面図である。
【図33】(a)および(b)は図30のインクタンクに配置される導光部等の機能の概略を説明するための模式的側面図および正面図、(c)は、(a)の要部拡大図、(d)および(e)は、それぞれ、図30の構成の比較例に係る正面図および模式的側面図の要部拡大図である。
【図34】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、本発明を適用した別の実施形態に係るインクタンクの例を示す正面図、一部破断側面図、底面図および背面図である。
【符号の説明】
【0145】
1、1K、1C、1M、1Y、501 インクタンク
2 蓋部材
3 支持部材
3M 支持部材操作部
5 第1係合部
6 第2係合部
7 インク供給口
100 基板
101、601 発光部(LED)
104C コンデンサ
104R 抵抗器
102 パッド(コンタクト端子)
103 制御素子(制御部)
105 記録ヘッドユニット
105’ 記録ヘッド
107 インク導入口
121、321、450、550、560、580 導光部
122、322、585 表示部
150 ホルダ
152 コネクタ
155 第1係止部
156 第2係止部
157 電気接点部
158、159 配線部
201 本体カバー
206 フレキシブルケーブル
209 エンコーダスケール
210 受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録装置で用いられる液体を収納するための液体収納容器であって、発光部と、前記発光部を駆動するための信号を前記インクジェット記録装置から受容する接点と、前記発光部の光を出射することで情報を表示するための表示部に対して前記発光部からの光を導くための導光部を具えたことを特徴とする液体収納容器。
【請求項2】
前記液体を収納するための収納部と前記導光部との間に空間を形成させるべく前記導光部を配置させることを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
【請求項3】
前記液体を収納するための収納部と前記導光部との間に、前記導光部を形成する材料より低屈折率の材料でなる部材、または光を反射する反射部材が介在することを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
【請求項4】
前記導光部が透明な樹脂により前記収納部と一体成型されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項5】
前記導光部が取り外し可能に前記収納部と一体とされることを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
【請求項6】
前記導光部は前記表示部に向けて光軸を屈曲させる部分を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項7】
前記光軸を屈曲させる部分は、前記導光部の湾曲部であることを特徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
【請求項8】
前記光軸を屈曲させる部分は、前記発光部からの光を受光する前記導光部の端部とは反対側の端部に形成された傾斜面であることを特徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
【請求項9】
前記導光部は、前記表示部として光を出射する部分を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項10】
前記インクジェット記録装置への前記液体収納容器の装着操作を受容する操作部は、前記表示部より光が出射される方向且つ、前記発光部と前記表示部との間に位置し、異なる複数の傾斜面を有することを特徴とする請求項9に記載の液体収納容器。
【請求項11】
前記表示部は、前記操作部に設けられ、前記導光部は、前記操作部に設けられた前記表示部に光を照射する部分を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項12】
前記導光部は、所定方向に延在する部分と、該方向とは異なる方向に延在する部分とを交差させて組み合わせた形状を有することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項13】
前記交差部分に対向して前記発光部が発光可能であることを特徴とする請求項11に記載の液体収納容器。
【請求項14】
前記インクジェット記録装置は前記液体収納容器と、前記表示部から出射する光を受光可能な受光部とを相対的に走査させる手段を有し、前記所定方向は前記走査の方向であることを特徴とする請求項11に記載の液体収納容器。
【請求項15】
前記液体としてのインクを収納してなることを特徴とする請求項1ないし請求項13に記載の液体収納容器。
【請求項16】
前記表示部に対向可能な受光部を具え、請求項14に記載の液体収納容器をインク供給源として用いて記録を行うことが可能なインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2007−160564(P2007−160564A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356525(P2005−356525)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】