説明

液体吐出装置

【課題】簡単な構造で、安価な液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置10は、液体貯留室12と、先端が液体吐出口61になっている液体吐出流路60とを備えた装置本体11と、前記液体貯留室12と前記液体吐出流路60を連通する両端開口のシリンダ41と、前記シリンダ41内を摺動する両端開口の筒部材からなるパイプピストン42と、入口バルブ30と、出口バルブ50とを有する。前記入口バルブ30は、前記パイプピストン42を伸ばす際に、前記パイプピストン42の後端開口部42aを開放して液体を流入させ、前記パイプピストン42を押し込む際に前記後端開口部42aを閉塞する。出口バルブ50は、前記パイプピストン42を伸ばす際に、前記シリンダ41の前端開口部41aを閉塞し、前記パイプピストン42を押し込む際に液圧により前記シリンダ41の前端開口部41aから離間して開放させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトイレに流す洗浄水に対して一定量の薬液を吐出するための液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体吐出装置として、例えば特許文献1および特許文献2に示されているものが知られている。特許文献1では、ピストンロッドに連結されるピストンがシリンダ内を往復動自在に設けられている。前記シリンダには、液体を吸入するための液体吸入用バルブと、シリンダ内の液体を吐出するための液体吐出用バルブが付設される。液体吸入用バルブおよび液体吐出用バルブには、チェック弁が用いられる。
ピストンロッドに連結されるピストンの往復動によって、シリンダ内が負圧になると、液体吐出用バルブが閉塞し、液体吸入用バルブが開放する。したがって、一定量の液体が液体吸入用バルブを経てシリンダ内へ流入する。次いで、ピストンによってシリンダ内が加圧されると、液体吸入用バルブが閉塞し、液体吐出用バルブが開放する。したがって、シリンダ内の液体が液体吐出用バルブから吐出する。
【0003】
特許文献2では、ピストンロッドに連結されるピストン部の往復動で圧力室に吐出流体を吸引、吐出する定量ポンプが開示されている。ピストン部は、リテーナ部材を介して第1のピストン部材と、第2のピストン部材が結合されている。また、第1のピストン部材および第2のピストン部材のリテーナ部材側に、吐出ダイヤフラムおよび圧力ダイヤフラムが対向配置されている。また、スペースが、リテーナ部材の外周部に位置して、吐出ダイヤフラムおよび圧力ダイヤフラムで画されている。前記スペースが流体を実質的に充填する流体室として構成されている。その流体室は、その中に、常時加圧された状態にある加圧流体が封入されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−717号公報
【特許文献2】特開2001−193653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の液体吐出装置においては、例えば特許文献1は、シリンダ内へ流入し、前記シリンダから吐出する液体の流れを制御するために、ボール弁からなるチェック弁を液体吸入用バルブとして用いている。液体を吸い込む際には、密閉状態であるためピストンを動作させようとすると大きな力が必要であると共に、ピストンが動き始めてから液体吸入用バルブが開放動作するため、駆動ロスが大きい。その結果、微量の液体を高精度で安定して吐出しようとする場合には適さない。また、シリンダ、ピストン、チェック弁等を用いているため構造が複雑であると共に、ピストンを動作させる際に所定以上の大きな力が必要であるため駆動源のパワーも所定以上のものを必要とし、全体として高価な装置になる。
【0006】
特許文献2は、吐出流体の吐出量を定量とするには、吐出ダイヤフラムの動作工程中の有効径が変わらないことが求められる。そのために、加圧状態の流体室の圧力は、流体吐出に作用する圧縮機の圧力室の圧力よりも大きく設定するための工夫がされている。ピストン部、吐出ダイヤフラムおよび圧力ダイヤフラム、流体室などの構造が複雑であるので、高価な装置になる。また、ピストン部を往復動する際に大きな力を必要とする。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、簡単な構造で、安価な液体吐出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の液体吐出装置は、液体貯留室と、先端が液体吐出口になっている液体吐出流路とを備えた装置本体と、前記液体貯留室と前記液体吐出流路を連通する両端開口のシリンダと、前記シリンダ内を摺動する両端開口の筒部材からなるパイプピストンと、前記液体貯留室内を移動可能であると共に、前記パイプピストンの後端部に係合する係合部と、前記パイプピストンの後端開口部に当接することにより該後端開口部を閉塞する端壁部とを有し、後方に移動する際に前記係合部が前記パイプピストンの後端部に係合して前記パイプピストンの後端開口部から前記端壁部を離間させた状態で前記パイプピストンを前記シリンダから離脱する方向に摺動させて、開放状態の前記後端開口部から前記パイプピストン内へ液体を流入させ、前方に移動する際に前記端壁部が前記パイプピストンの後端開口部に当接して該後端開口部を閉塞した状態で前記パイプピストンを前記シリンダ内に押し込んでいく入口バルブと、前記液体吐出流路内に配設されると共に、常態において前記シリンダの前端開口部に当接する方向に付勢されており、前記パイプピストンが前記シリンダから離脱する方向に摺動する際には、前記シリンダの前端開口部に当接して該前端開口部を閉塞し、前記パイプピストンが前記シリンダ内に押し込まれる方向に移動する際には、液圧により前記シリンダの前端開口部から離間して該前端開口部を開放させる出口バルブとを有することを特徴とする。
【0009】
前記入口バルブは、ロッド部材に連結されていると共に、このロッド部材を前後動作させる駆動機構を備え、前記駆動機構により前記ロッド部材を前後動作させて前記入口バルブの端壁部が前記パイプピストンの後端開口部に離接する構成であることが好ましい。
【0010】
前記出口バルブは、前記液体吐出流路内に配設された弾性部材により、前記シリンダの前端開口部に当接する方向に付勢されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シリンダ内を摺動するピストンが両端開口の筒部材からなるパイプピストンを有して構成され、いわばシリンダとパイプピストンとの二重筒構造である。そして、パイプピストンが後方に移動する場合、すなわち、シリンダに対して相対的に伸長する方向に動作する場合には、入口バルブがパイプピストンの後端開口部を開放するため、パイプピストンが後方に動作し始めると同時に、後端開口部から液体が該パイプピストン及びシリンダ内に流入する。このため、パイプピストンが後方に動作する際の抵抗が小さく、パイプピストンを動作させる駆動源のパワーは従来よりも小さく安価なもので済む。
【0012】
また、パイプピストンが後方に移動し始めると同時に後端開口部からパイプピストン及びシリンダ内に液体が流入するため、従来のチェック弁を用いたもののように駆動ロスがなく、液体の吐出量を正確に制御できる。このため、微量な液体を正確に一定量ずつ吐出する用途、例えば、トイレに流す洗浄水に対して0.03cc程度の薬液を一定量ずつ供給したい場合に適している。
【0013】
なお、液体の吐出量は、パイプピストンを後方に移動させた際の位置(伸長位置)におけるパイプピストン及びシリンダ内の液体容量と、パイプピストンをシリンダ内に所定量押し込んだ際の位置(収縮位置)におけるパイプピストン及びシリンダ内の液体容量との差分に相当する量となるため、パイプピストンのストローク量の制御により容易に調整することができる。
【0014】
また、従来のように複雑な構造のチェック弁機構を設ける必要がなく、シリンダとパイプピストン、並びに、パイプピストンの後端開口部とシリンダの前端開口部を閉塞する各バルブを設けるだけでよいため、構造が簡易であり、安価な液体吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態の液体吐出装置における部分的な断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の液体吐出装置の全体を示す正面図である。
【図3】図3(A)は、パイプピストンが後方へ移動する際の動作説明図で、図3(B)は、パイプピストンが前方へ移動する際の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る液体吐出装置10は、図1および図2に示すように、装置本体11内に、薬剤等の液体を貯留するための液体貯留室12と、先端が液体吐出口61になっている液体吐出流路60が設けられている。なお、液体貯留室12と液体吐出流路60とは隔壁部13を隔てて設けられている。そして、ロッド部材であるピストンロッド23が、前記液体貯留室12内を図1において上下動作するように、前記装置本体11の上部の外側から装置本体11内を下方に向けて伸びている。
【0017】
ピストンロッド23は、駆動機構を構成するソレノイド20およびロッド用スプリング25によって昇降駆動する構成である。すなわち、前記装置本体11の上部が、支持ブラケット21を介して支持体22に固定されている。前記ソレノイド20が支持ブラケット21に取り付けられ、前記ピストンロッド23の上部が前記ソレノイド20に連結されている。
【0018】
また、ピストンロッド23の前端部(図1において下端部)の外周には、ロッドフランジ部24を設けており、そのロッドフランジ部24と液体貯留室12の上壁面との間に、ロッド用スプリング25を配置している。つまり、前記ロッド用スプリング25の付勢力によって、前記ピストンロッド23が常時下方へ押し下げるように付勢されている。
【0019】
したがって、前記ソレノイド20がON状態になると、ソレノイド20の電磁力によってピストンロッド23が前記ロッド用スプリング25の付勢力に抗して上昇する。前記ソレノイド20がOFF状態になると、ピストンロッド23が前記ロッド用スプリング25の付勢力によって下降する。なお、ソレノイド20のON状態とOFF状態は、制御装置(図示省略)によって自動的に制御して切り替えられる。
【0020】
なお、本実施形態では、ピストンロッド23を前後動作させる駆動機構は、前記ソレノイド20と前記ロッド用スプリング25で構成しているが、これに限定されるものではなく、モータ、エアシリンダあるいは他の形態の駆動機構でも良い。
【0021】
また、液体タンク等の液体供給源から供給される液体は、液体供給管13を介して液体貯留室12へ供給される構成である。
【0022】
また、前記液体貯留室12と前記液体吐出流路60とを隔てる隔壁部13には、上下に貫通する貫通孔13aが設けられ、この貫通孔13aに両端開口の筒部材からなるシリンダ41が挿通されている。したがって、液体貯留室12と液体吐出流路60とはこのシリンダ41を介して連通されることになる。
【0023】
シリンダ41内には、両端開口の筒部材からなるパイプピストン42が、摺動自在に挿入されている。すなわち、シリンダ41及びパイプピストン42は二重筒構造となっており、パイプピストン42がシリンダ41に対して図1の上下方向に変位可能となっている。
【0024】
本実施形態では、パイプピストン42がシリンダ41内を摺動するように設けているが、隔壁部13に形成した貫通孔13a自体をパイプピストン42が摺動するシリンダとして用いることもできる。なお、本発明において「シリンダ」とは、隔壁部13とは別の筒部材からなるもののほか、このような貫通孔13a自体から構成される場合も含む意味である。
【0025】
パイプピストン42の後端部(図1において上端部)が、前記ピストンロッド23の前端部(図1において下端部)に保持されている。詳しく説明すると、パイプピストン42の後端部の外周にパイプフランジ部43が設けられている。一方、ピストンロッド23の前端部には、パイプピストン42の後端開口部42aを開閉する端壁部34を備えた入口バルブ30が一体的に設けられている。
【0026】
前記入口バルブ30は、ピストンロッド23の前端面側から図1に示したように断面略コ字状に加工して形成されるものであり、ピストンロッド23の長手方向に対して直交する方向に貫通する保持用孔部32を備えている。そして、保持用孔部32の内底面が上記の端壁部34となっており、前端面には内方に突出する突起片31a,31aからなる係合部31が設けられている。突起片31a,31a間の間隔は、パイプピストン42の外径以上でパイプフランジ部43の外径未満となっており、保持用孔部32は、前記パイプフランジ部43を上下方向へ移動できるように余裕を持った大きさとなっている。
【0027】
これにより、ピストンロッド23がパイプピストン42に対して相対的に変位すると、端壁部34がパイプピストン42の後端開口部42a(図1において上端側の開口部)に当接したり離間したりするため、パイプピストン42の後端開口部42aが開閉されることになる。
【0028】
すなわち、ピストンロッド23が後方(図1において上方)へ移動する際には、該ピストンロッド23に一体に設けられた入口バルブ30の係合部31(突起片31a,31a)がパイプピストン42の後端部に設けたパイプフランジ部43に係合し、パイプピストン42の後端開口部42aから端壁部34が離間する。したがって、この状態でパイプピストン42が後方へ移動すると後端開口部42aからパイプピストン42内に液体が流入する。これに対し、ピストンロッド23が前方(図1において下方)へ移動する際には、入口バルブ30の上記した端壁部34がパイプピストン42の後端開口部42aに当接するため、該後端開口部42aを閉塞した状体でシリンダ41内に押し込んでいくものである。
【0029】
装置本体11の下部に設けた液体吐出流路60は、先端側に位置する細径の液体吐出口61と、液体吐出口61と隔壁部13との間に形成された大径部62とを有している。なお、液体吐出流路60の液体吐出口61には、図2に示すように、液体を所定の供給場所に導く吐出管路63を連結することも可能である。
【0030】
液体吐出流路60の大径部62には、図1および図3(A)に示すように、出口バルブ50が配設されている。出口バルブ50は、常態において弾性部材である出口用スプリング51によってシリンダ41の前端開口部41a(図1において下端)に当接して閉塞する方向に付勢されている。なお、出口用スプリング51の付勢力は、前記パイプピストン42を押し込んだ際に生じる液圧で開放するものである。これにより、出口バルブ50は、前記パイプピストン42がシリンダ41から離脱する方向(図1において上方)に摺動する際には、前記シリンダ41の前端開口部41aに当接して該前端開口部41aを閉塞する。一方、前記パイプピストン42が前記シリンダ41内に押し込まれる方向(図1の下方)に移動する際には、液圧によりシリンダ41の前端開口部41aから離間して該前端開口部41aを開放させるものである。
【0031】
次に、上述した液体吐出装置10の作用を説明する。
まずソレノイド20がON状態になると、ピストンロッド23がロッド用スプリング25の付勢力に抗して上昇する。ピストンロッド23が上昇する際は、図3(A)に示すように、ピストンロッド23の先端に設けた入口バルブ30の係合部31(突起片31a,31a)が、パイプピストン42のパイプフランジ部43を引っ掛けて上昇する。パイプフランジ部43は、その厚みが保持用孔部32の上下方向の隙間の大きさよりも薄いため、パイプピストン42の後端開口部42a(図3(A)において上端面)が入口バルブ30の端壁部34から離間する。この結果、パイプピストン42は、後端開口部42aが開放状態で上昇し、その間、該後端開口部42aを通じて液体貯留室12内の液体がパイプピストン42内に流入する。
【0032】
ピストンロッド23が所定量上方に移動し、図示しない制御装置の制御によってソレノイド20がOFF状態になると、図3(B)に示すように、ピストンロッド23がロッド用スプリング25の付勢力によって下降する。そのピストンロッド23の下降時は、パイプピストン42の後端開口部42aに入口バルブ30の端壁部34が当接するため、該後端開口部42aは閉塞した状態で下降することになる。
【0033】
パイプピストン42が上昇した状態では、図3(A)のように、シリンダ41の長さ分に相当する量とパイプピストン42の長さ分に相当する量を合わせた量にほぼ相当する量の液体が両者内に入っている。この状態で、パイプピストン42の後端開口部42aが閉塞されて下方に移動してくると、シリンダ41とパイプピストン42とを合わせた長さが短くなってくるため、両者内に収容できる液体量は徐々に少なくなる。それにより、パイプピストン42およびシリンダ41内の液体の圧力が高くなるため、液体が出口用スプリング51の付勢力に抗して出口バルブ50を押圧し、シリンダ41の前端開口部41aから液体吐出流路60内に導かれ、さらに、液体吐出口61から外部へ吐出される。
【0034】
以上のことから、パイプピストン42が後方(図において上方)へ移動する場合、すなわち、シリンダ41に対して相対的に伸長する方向に動作する場合には、入口バルブ30がパイプピストン42の後端開口部42aを開放するため、パイプピストン42が後方に動作し始めると同時に、液体貯留室12の液体が後端開口部42aから該パイプピストン42およびシリンダ41内に流入する。このため、パイプピストン42が後方に動作する際の抵抗が小さく、パイプピストン42を動作させる駆動源のパワーは従来よりも小さく安価なもので済む。
【0035】
また、パイプピストン42が後方へ移動し始めると同時に後端開口部42aからパイプピストン42およびシリンダ41内に液体が流入するため、従来のチェック弁を用いたもののように駆動ロスがなく、液体の吐出量を正確に制御できる。このため、微量な液体を正確に一定量ずつ吐出する用途、例えば、トイレに流す洗浄水に対して0.03cc程度の薬液を一定量ずつ供給したい場合に適している。
【0036】
例えば、シリンダ41の長さ20mm、内径2mm、パイプピストン42のストローク10mmとした場合、1ストローク当たりの吐出量は約0.03ccとなる。なお、パイプピストン42を押し込むロッド用スプリング25としてバネ定数450g/mmのものを使用し、液体を注入する密閉容器内の圧力を0kg/cm、2kg/cm、4kg/cm、6.5kg/cmと変化させ、一定圧力下への液体の注入実験を行った。その結果、1回当たりの注入量は、0.031cc〜0.032ccの範囲であった。また、無負荷条件では1回当たりの注入量は、0.033ccであった。その結果、1回当たり約0.03ccという微量の液体をほぼ一定精度で吐出できることが確認できた。
【0037】
なお、液体の吐出量は、パイプピストン42を後方へ移動させた際の位置(伸長位置)におけるパイプピストン42およびシリンダ41内の液体容量と、パイプピストン42をシリンダ41内に所定量押し込んだ際の位置(収縮位置)におけるパイプピストン42およびシリンダ41内の液体容量との差分に相当する量となるため、パイプピストン42のストローク量の制御により容易に調整することができる。
【0038】
また、従来のように複雑なチェック弁機構を設ける必要がなく、シリンダ41とパイプピストン42、並びに、パイプピストン42の後端開口部42aを閉塞する入口バルブ30と、シリンダ41の前端開口部41aを閉塞する出口バルブ50を設けるだけでよいため、構造が簡易であり、安価な液体吐出装置10を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態では、入口バルブ30は、パイプピストン42を伸縮するためのピストンロッド23の先端に一体構造としたので構造が簡易であるため、安価な液体吐出装置10を提供することに寄与する。なお、入口バルブ30を、ピストンロッド23とは別部材から構成してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0040】
10 液体吐出装置
11 装置本体
12 液体貯留室
13 液体供給管
20 ソレノイド
21 支持ブラケット
22 支持体
23 ピストンロッド
24 ロッドフランジ部
25 ロッド用スプリング
30 入口バルブ
31 係合部
32 保持用孔部
34 端壁部
41 シリンダ
41a 前端開口部
42 パイプピストン
42a 後端開口部
43 パイプフランジ部
50 出口バルブ
51 出口用スプリング
60 液体吐出流路
61 液体吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯留室と、先端が液体吐出口になっている液体吐出流路とを備えた装置本体と、
前記液体貯留室と前記液体吐出流路を連通する両端開口のシリンダと、
前記シリンダ内を摺動する両端開口の筒部材からなるパイプピストンと、
前記液体貯留室内を移動可能であると共に、前記パイプピストンの後端部に係合する係合部と、前記パイプピストンの後端開口部に当接することにより該後端開口部を閉塞する端壁部とを有し、後方に移動する際に前記係合部が前記パイプピストンの後端部に係合して前記パイプピストンの後端開口部から前記端壁部を離間させた状態で前記パイプピストンを前記シリンダから離脱する方向に摺動させて、開放状態の前記後端開口部から前記パイプピストン内へ液体を流入させ、前方に移動する際に前記端壁部が前記パイプピストンの後端開口部に当接して該後端開口部を閉塞した状態で前記パイプピストンを前記シリンダ内に押し込んでいく入口バルブと、
前記液体吐出流路内に配設されると共に、常態において前記シリンダの前端開口部に当接する方向に付勢されており、前記パイプピストンが前記シリンダから離脱する方向に摺動する際には、前記シリンダの前端開口部に当接して該前端開口部を閉塞し、前記パイプピストンが前記シリンダ内に押し込まれる方向に移動する際には、液圧により前記シリンダの前端開口部から離間して該前端開口部を開放させる出口バルブと
を有することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記入口バルブは、ロッド部材に連結されていると共に、このロッド部材を前後動作させる駆動機構を備え、前記駆動機構により前記ロッド部材を前後動作させて前記入口バルブの端壁部が前記パイプピストンの後端開口部に離接する構成である請求項1記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記出口バルブは、前記液体吐出流路内に配設された弾性部材により、前記シリンダの前端開口部に当接する方向に付勢されている請求項1記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−202572(P2011−202572A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70044(P2010−70044)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(591047970)共立製薬株式会社 (20)
【Fターム(参考)】