説明

液体噴射ヘッドのアライメント治具及び液体噴射ヘッドのアライメント装置並びに液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法

【課題】液体噴射ヘッドの位置合わせに用いる基準マークが設けられた透明部材のマスクを確実に且つ容易に着脱可能に固定できる液体噴射ヘッドのアライメント治具及びアライメント装置並びに液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法を提供する。
【解決手段】アライメントマーク22が位置合わせされる基準マーク401が設けられた透明部材からなるマスク410と、このマスク410のインクジェット式記録ヘッド22の面とは反対側の面から基準マーク401を視認可能に当該反対側に接着されたマスク取付板470と、マスク取付板470を支持する移動テーブル550にマスク取付板470を機械的に着脱自在に固定する取付ネジ480とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体噴射ヘッドのアライメント治具及び液体噴射ヘッドのアライメント装置並びに液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法に関し、特に、液体噴射ヘッドの位置合わせに用いる基準マークが設けられた透明部材のマスクを確実に且つ容易に着脱可能に取り付ける場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンクなどの液体収容部に収容されたインクをインク滴として吐出するインクジェット式記録ヘッドを含むインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットと言う)を具備する。ここで、インクジェット式記録ヘッドは並設されたノズル開口からなるノズル列を有するもので、そのインク吐出面側はカバーヘッドで保護されている。カバーヘッドは、インクジェット式記録ヘッドのインク滴吐出面側に設けられてノズル開口を露出する開口窓部を有する窓枠部と、窓枠部からインクジェット式記録ヘッドの側面側に折り曲げ成形された側壁部とを有し、側壁部をインクジェット式記録ヘッドの側面に接合することで固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記カバーヘッドや固定板等の固定部材と複数のインクジェット式記録ヘッドとを接合する際には、平板状のガラスマスクに設けられた基準マークに、ノズルプレートに設けられたアライメントマークが合致するように固定部材に対しインクジェット式記録ヘッドを動かして所定位置決めを行なっている。
【0004】
ここで、上述の所定位置決めに先立ち、かかるガラスマスクを位置決め用の装置(アライメント装置)の所定の位置に固定する必要がある。これは、基準マークとアライメントマークとを合致させるために配設された機器、例えば顕微鏡の視野の中心に基準マークが位置するようガラスマスクを固定するためである。このガラスマスクは、例えばその表面に傷がついた場合や、位置合わせの対象となるヘッドユニットの種別に応じて異なる配置や個数の基準マークが設けられた他のガラスマスクに交換する場合等を考慮して、アライメント装置に対して着脱自在に固定可能であることが望ましい。
【0005】
このようなガラスマスクをアライメント装置に固定する手段としては、例えば静電チャックを用いてガラスマスクを吸着保持させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−160376号公報(第4頁、図3)
【特許文献2】特開2005−191515号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、静電チャックは電源から供給される電力により作動してガラスマスクを吸着保持するものであり、この電力の供給が停止した場合は、当然その吸着保持力が失われ、ガラスマスクの位置を保持することができない。この場合、再度ガラスマスクの位置を合わせて固定する作業が生じ、この結果ヘッドユニットの生産性が低下する。またアライメント装置は比較的小さなヘッドユニットを対象とするため、静電チャックを設けるための十分なスペースを確保するのが困難であり、更にそのためのコストが必要となり、製造コストが増大するという問題を生じる。
【0008】
また、他の手段としては、真空吸着によりガラスマスクを吸着保持する場合もあるが、これも静電チャックと同様の問題を生じる。更にガラスマスクを接着剤によりアライメント装置に固定する場合は、接着剤が乾燥するまでの間にガラスマスクの位置ずれが生じる可能性もあるし、ガラスマスクの交換に手間取るという問題がある。いずれの手段にしてもガラスマスクを確実に固定し、且つ簡易に着脱することはできない。
【0009】
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドユニットの製造に伴うアライメントの際だけでなく、他の液体噴射ヘッドユニットの製造に伴うアライメントの際にも同様に発生する。
【0010】
本発明は、上述の如き従来技術に鑑み、液体噴射ヘッドの位置合わせに用いる基準マークが設けられた透明部材のマスクを確実に且つ容易に着脱可能に固定できる液体噴射ヘッドのアライメント治具及びアライメント装置並びに液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、液体を噴射するノズル開口を有し、位置合わせ用のアライメントマークが設けられた液体噴射ヘッドを、当該アライメントマークを用いて相対的に位置合わせする際に用いる液体噴射ヘッドのアライメント治具であって、前記アライメントマークが位置合わせされる基準マークが設けられた透明部材からなるマスクと、このマスクの液体噴射ヘッド側の面とは反対側の面から前記基準マークを視認可能に当該反対側に接着されたマスク取付板と、前記マスク取付板を支持する支持部材に前記マスク取付板を機械的に着脱自在に固定する固定手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具にある。
かかる第1の態様では、マスクはマスク取付板に接着されているため、機械的な固定手段を用いてマスク取付板を支持部材に対して固定・取外しをすることにより、マスクを支持部材に対して着脱自在に固定することができる。これにより、例えば表面に傷が付いたマスクを新たなマスクに交換する作業は簡易なものとなり、更に交換作業に要する時間を短縮して生産性の向上を図ることができる。
また静電チャックや真空吸着などの電力を必要とする固定手段を用いる場合と比較して、機械的な固定手段は格段に安価に実現することができると共に、アライメント装置全体に占めるスペースが小さくなるというメリットがある。更に、静電チャック等の電力を必要とする固定手段を用いる場合に懸念される、電力供給の一時的な停止に伴うマスクの位置ズレや再度の位置合わせ作業の発生を回避して、マスクを長期間に亘って安定的に固定することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具において、前記マスクの前記液体噴射ヘッド側には、前記マスクとは反対側の面に前記液体噴射ヘッドが載置されるベース治具を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具にある。
かかる第2の態様では、基準マークとアライメントマークとの間にベース治具が配設されることで、液体噴射ヘッドが接触することを回避して、例えばマスク表面上に傷が付く等のマスクの破損を防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具において、前記マスクの前記液体噴射ヘッド側には、前記アライメントマークに向けて突出する凸部が設けられていると共に、この凸部の上面に前記基準マークが設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具にある。
かかる第3の態様では、基準マークとアライメントマークとの間の距離を小さくすることができる結果、光軸のずれを可及的に小さくでき、またマスクを厚い部材、すなわち十分な剛性を有する部材で支持することができ、前記部材の撓み等によるずれを生起することもないので、高精度の位置合わせを行うことができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1乃至第3の何れかに態様に記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具と、当該アライメント治具の前記マスク取付板を支持する前記支持部材と、前記マスクの前記基準マークとは反対側に配設されて、前記基準マーク、及び前記アライメントマークの方向に向けられた光軸を有する撮像手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置にある。
かかる第4の態様では、光学手段を介してマスクに設けられた基準マーク、及びノズルプレートに設けられたアライメントマークを確認することができる。これにより、基準マークにアライメントマークを合致させて正確に複数の液体噴射ヘッドを位置合わせすることができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載する液体噴射ヘッドのアライメント装置において、前記撮像手段は、前記光軸を共有する一つの光学系により前記アライメントマークに焦点を合わせ得ると共に他の光学系が前記基準マークに焦点を合わせ得るように構成した二焦点顕微鏡であることを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置にある。
かかる第5の態様では、二焦点顕微鏡を用いて基準マークとアライメントマークとを同時に見ることができるので、一つの光学系と他の光学系とで個別に焦点を合わせた基準マークとアライメントマークとの画像を重ね合わせて位置合わせを行なうことができる。すなわち、各光学系の被写界深度を可及的に小さくしてその分倍率を大きくすることができる。
【0016】
本発明の第6の態様は、第4又は第5の態様に記載する液体噴射ヘッドのアライメント装置において、前記光軸を固定する一方、位置合わせの対象となる前記基準マークと前記アライメントマークとが前記光軸上又はその近傍に占位するように、前記マスク取付板が固定された前記支持部材と、前記液体噴射ヘッドとを一体的に移動させるように構成したことを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置にある。
かかる第6の態様では、光軸が固定されているので、マスクと液体噴射ヘッドを支持する支持部材との移動に伴う位置調整を迅速且つ高精度に行うことができる。すなわち、光軸を移動させた場合の光軸のずれを調整するより前記マスク及び支持部材の姿勢を維持する方が遥かに容易である。光学系の姿勢が一寸変化しただけで光軸は大きくずれるからである。
【0017】
本発明の第7の態様は、液体を噴射するノズル開口を有し、位置合わせ用のアライメントマークが設けられた液体噴射ヘッドを、当該アライメントマークを用いて相対的に位置合わせする際に用いられて、アライメントマークが位置合わせされる基準マークが設けられた透明部材からなるマスクをアライメント装置の支持部材に取り付ける液体噴射ヘッドのマスクの取付方法であって、前記マスクの前記液体噴射ヘッド側の面とは反対側から前記基準マークが視認可能となるようにマスク取付板を前記マスクの当該液体噴射ヘッドの面とは反対側に接着し、前記液体噴射ヘッドの前記アライメントマークが上面側に配設される前記支持部材の底面側に配設されると共に前記アライメントマークと前記基準マークとを撮像する撮像手段の光軸上に前記基準マークが占位するように前記マスクを前記マスク取付板を介して前記支持部材に機械的に着脱自在に固定することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法にある。
かかる第7の態様では、マスクを支持部材の取り付けるに先立ち、マスクをマスク取付板に接着し、機械的な固定手段を用いてマスク取付板を支持部材に対して固定・取外しをする。これにより、マスクを支持部材に対して着脱自在に固定することができる。この結果、例えば表面に傷が付いたマスクを新たなマスクに交換する作業は簡易なものとなり、更にかかる交換作業に要する時間を短縮して生産性の向上を図ることができる。
また静電チャックや真空吸着などの電力を必要とする固定手段を用いる場合と比較して、機械的な固定手段は格段に安価に実現することができると共に、アライメント装置全体に占めるスペースが小さくなるというメリットがある。更に、静電チャック等の電力を必要とする固定手段を用いる場合に懸念される、電力供給の一時的な停止に伴うマスクの位置ズレや再度の位置合わせ作業の発生を回避して、マスクを長期間に亘って安定的に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〈インクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニットの一種)〉
本発明の実施の形態に係るアライメント装置を説明するのに先立ち当該アライメントの対象となる液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニットの一種)の一例を説明しておく。
【0019】
図1は前記インクジェット式記録ヘッドユニットの分解斜視図、図2はインクジェット式記録ヘッドユニットの組立斜視図、図3はその要部断面図である。
【0020】
これらの図に示すように、インクジェット式記録ヘッドユニット200(以下、ヘッドユニット200と言う)は、カートリッジケース210、インクジェット式記録ヘッド220、カバーヘッド240及び固定板250を有する。
【0021】
これらのうち、カートリッジケース210は、インクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する前記インクカートリッジの保持部材である。インクカートリッジは、例えばブラック及び3色のカラーインクが充填された別体で構成されたインク供給手段である。すなわち、カートリッジケース210には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される。
【0022】
また、図3に特に明示するように、カートリッジケース210には、一端が各カートリッジ装着部211に開口するとともに他端がヘッドケース230側に開口する複数のインク連通路212が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路212の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が固定されている。この固定は、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路212に形成されたフィルタ(図示なし)を介して行なわれる。
【0023】
ヘッドケース230は、カートリッジケース210の底面に固着されている。インクジェット式記録ヘッド220は、複数の圧電素子300を有するとともに、カートリッジケース210とは反対側の端面に圧電素子300の駆動によってノズル開口21からインク滴を吐出するもので、インクカートリッジの各色のインクを吐出するようインク色毎に対応して複数個設けられている。そこで、ヘッドケース230も各インクジェット式記録ヘッド220に対応してそれぞれ独立して複数個設けられている。
【0024】
上述の如きインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230について図4及び図5を追加してさらに詳細に説明する。ここで、図4はインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230の要部の分解斜視図、図5はインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230の断面図である。
【0025】
両図に示すように、インクジェット式記録ヘッド220は、ノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板を具備している。これらのうち流路形成基板10は、本例では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が形成されている。本例では、流路形成基板10の幅方向に関し2列の圧力発生室12が、流路形成基板10の他方面側から異方性エッチングにより形成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側には、後述する保護基板30に設けられるリザーバ部31と連通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成する連通部13が形成されている。連通部13は、インク供給路14を介して各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
【0026】
流路形成基板10の開口面側には、ノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノズルプレート20には各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されている。かくして、本例では、1個のインクジェット式記録ヘッド220にノズル開口21が並設されたノズル列21Aが2列設けられている。
【0027】
ここで、ノズルプレート20は、厚さが例えば0.01〜1mm、線膨張係数が300℃以下(例えば2.5〜4.5[10−6/℃])であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼等で好適に形成することができる。また、ノズルプレート20には、固定板250との位置合わせを行う際に使用されるアライメントマーク22(後に詳説する)が設けられている。本例では、アライメントマーク22は、ノズル開口21の並設方向の端部に2個設けられている。
【0028】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には弾性膜50上に圧電素子300が配設されている。この圧電素子300は、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜、金属からなる下電極膜、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層及び金属からなる上電極膜を順次積層することで形成される。
【0029】
保護基板30は、圧電素子300が形成された流路形成基板10上に接合されている。リザーバ部31は、本例では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。このような保護基板30は、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等で好適に形成し得るが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本例では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成している。
【0030】
さらに、保護基板30上には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC110が設けられている。この駆動IC110の各端子は、図示しないボンディングワイヤ等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動IC110の各端子には、図1に示すような、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
【0031】
コンプライアンス基板40は保護基板30上に接合されており、そのリザーバ100に対向する領域には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が厚さ方向に貫通して形成されている。また、コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域のインク導入口44以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部43となっており、リザーバ100は、可撓部43により封止されている。この可撓部43により、リザーバ100内にコンプライアンスを与えている。さらに詳言すると、コンプライアンス基板40上には、インク供給連通路231を有するヘッドケース230が設けられており、このヘッドケース230には、可撓部43に対向する領域に凹部232が形成され、可撓部43の撓み変形が適宜行われるようになっている。
【0032】
ヘッドケース230には、保護基板30上に設けられた駆動IC110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動IC保持部233を挿通して駆動IC110と接続されている。
【0033】
上述の如き構成のインクジェット式記録ヘッド220は、インクカートリッジからのインクをインク連通路212(図3参照)及びインク供給連通路231を介してインク導入口44から取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで充満させる。かかる状態で、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力を上げてノズル開口21からインク滴を吐出させる。
【0034】
かかるインクジェット式記録ヘッド220を構成する各部材及びヘッドケース230には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入されるピン挿入孔234が角部の2箇所に設けられている。そして、ピン挿入孔234にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230が一体的に組み合わせられる。
【0035】
なお、上述したインクジェット式記録ヘッド220は、1枚のシリコンウェハ上に多数のチップを同時に形成し、ノズルプレート20及びコンプライアンス基板40を接着して一体化し、その後、図4に示すような1つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによって形成する。
【0036】
かかるインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230は、図1乃至図3に示すように、カートリッジケース210にノズル列21Aの並び方向に所定の間隔で4つ固定されている。すなわち、ヘッドユニット200には、ノズル列21Aが8列設けられていることになる。
【0037】
このように複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いて並設されたノズル開口21からなるノズル列21Aの多列化を図ることで、1つのインクジェット式記録ヘッド220にノズル列21Aを多列形成するのに比べて歩留まりの低下を防止することができる。また、ノズル列21Aの多列化を図るために複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いることで、1枚のシリコンウェハから形成できるインクジェット式記録ヘッド220の取り数を増大させることができ、シリコンウェハの無駄な領域を減少させて製造コストを低減することができる。
【0038】
また、このような4つのインクジェット式記録ヘッド220は、図1及び図3に示すように、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に接合された共通の固定部材である固定板250によって位置合わせされて保持されている。固定板250は、平板からなり、ノズル開口21を露出する露出開口部251と、露出開口部251を画成すると共にインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の少なくともノズル列21Aの両端部側に接合される接合部252とを具備する。
【0039】
接合部252は、複数のインクジェット式記録ヘッド220に亘ってインク滴吐出面の外周に沿って設けられた固定用枠部253と、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間に延設されて露出開口部251を分割する固定用梁部254とで構成され、固定用枠部253及び固定用梁部254からなる接合部252が複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に同時に接合されている。また、接合部252の固定用枠部253は、インクジェット式記録ヘッド220の製造時に各部材を位置決めするピン挿入孔234を塞ぐように形成されている。
【0040】
かかる固定板250の材料としては、例えばステンレス鋼などの金属、ガラスセラミックス又はシリコン単結晶板等が好適である。なお、固定板250は、ノズルプレート20との熱膨張の違いによる変形を防止するために、ノズルプレート20と熱膨張係数が同じ材料を用いるのが好ましい。例えば、ノズルプレート20がシリコン単結晶板で形成されているときは、固定板250をシリコン単結晶板で形成するのが好適である。
【0041】
また、固定板250は、薄く形成するのが好ましく、後述するカバーヘッド240よりも薄くするのが望ましい。固定板250を厚くすると、ノズルプレート20のインク滴吐出面をワイピングした際に固定用梁部254の間などにインクが残留し易いからである。すなわち、固定板250を薄く形成することで、ワイピングの際にインクがノズルプレート20のインク滴吐出面に残留するのを防止することができる。
【0042】
なお、本例では、固定板250の厚さを0.1mmとした。また、固定板250とノズルプレート20との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤等を用いて好適に行うことができる。
【0043】
このように、固定板250が、固定用梁部254によって隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間を塞いでいるため、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動IC110などのインクジェット式記録ヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面と固定板250との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止して固定板250の変形及び紙ジャムを防止することができる。
【0044】
このように上述のヘッドユニット200では4つのインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に固着してあるが、このインクジェット式記録ヘッド220の固定板250への位置合わせは、後に説明するアライメント装置を用いて行う。
【0045】
さらに、ヘッドユニット200には、図1及び図2に示すように、固定板250に対してインクジェット式記録ヘッド220とは反対側に、各インクジェット式記録ヘッド220を覆うように箱形状を有するカバーヘッド240が設けられている。このカバーヘッド240は、固定板250の露出開口部251に対応して開口部241が設けられた固定部242と、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の側面側に、固定板250の外周に亘って屈曲するように設けられた側壁部245とを具備する。
【0046】
固定部242は、固定板250の固定用枠部253に対応して設けられた枠部243と、固定板250の固定用梁部254に対応して設けられて開口部241を分割する梁部244とで構成されている。また、枠部243及び梁部244からなる固定部242は、固定板250の接合部252に接合されている。
【0047】
このように、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面とカバーヘッド240との間が隙間なく接合されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。また、カバーヘッド240の側壁部245が、複数のインクジェット式記録ヘッド220の外周縁部を覆うことで、インクジェット式記録ヘッド220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。
【0048】
このようなカバーヘッド240の材料としては、例えばステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。かかる、金属板をプレス加工により形成してもよく、成形により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240を導電性の金属材料とすることで、接地することができる。
【0049】
さらに、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220をワイピングやキャッピングなどの衝撃から保護するために、ある程度の強度が必要である。このため、カバーヘッド240は比較的厚くする必要がある。本例では、カバーヘッド240の厚さを0.2mmとした。
【0050】
なお、カバーヘッド240と固定板250との接合方法は、特に限定されず、例えば熱硬化性のエポキシ系接着剤による接着が挙げられる。
【0051】
また、固定部242には、カバーヘッド240を他部材に位置決め固定するための固定孔247が設けられたフランジ部246が設けられている。このフランジ部246は、側壁部245から液滴吐出面の面方向と同一方向に突出するように屈曲して設けられている。本例におけるカバーヘッド240は、図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230を保持した保持部材であるカートリッジケース210に固定されている。
【0052】
さらに詳言すると、図2及び図3に示すように、カートリッジケース210には、インク滴吐出面側に突出して、カバーヘッド240の固定孔247に挿入される突起部215が設けられており、この突起部215をカバーヘッド240の固定孔247に挿入するとともに突起部215の先端部を加熱してかしめることで、カートリッジケース210にカバーヘッド240が固定されている。このようなカートリッジケース210に設けられた突起部215を、フランジ部246の固定孔247よりも小径の外径とすることで、カバーヘッド240をインク滴吐出面の面方向に位置決めしてカートリッジケース210に固定することができる。
【0053】
また、このようなカバーヘッド240と、複数のインクジェット式記録ヘッド220が接合された固定板250とは、カバーヘッド240の固定孔247と複数のノズル列21Aとの位置決めにより固定されている。ここで、カバーヘッド240の固定孔247と複数のノズル列21Aとの位置決めは、後述するアライメント装置を用いて行うこともできるが、固定板250と複数のインクジェット式記録ヘッド220とを位置決め固定する際に、同時にカバーヘッド240も位置決め固定するようにしてもよい。
【0054】
〈実施形態1〉
本発明の第1の実施の形態に係るアライメント装置を図面に基づき詳細に説明する。なお、図1乃至図5と同一部分には同一番号を付している。
【0055】
図6は本形態に係るアライメント装置を示す断面図である。同図に示すように、本形態に係るアライメント装置は、アライメントの対象であるインクジェット式記録ヘッド220を載置するアライメント治具400、アライメント治具400と一体となってインクジェット式記録ヘッド220を固定板250側に押圧する押圧手段450、支持部材である移動テーブル550及びアライメント治具400の下方からアライメント治具400を介してインクジェット式記録ヘッド220を観察するための光学系を有する二焦点顕微鏡500を有する。
【0056】
これらのうち、アライメント治具400は、基準マーク401が設けられたマスク410と、マスク取付板470と、インクジェット式記録ヘッド220の一部である固定板250を保持するベース治具420とを具備している。かくして、ベース治具420上に固定板250を保持させてマスク410の基準マーク401及びノズルプレート20のアライメントマーク22の相対的な位置関係を二焦点顕微鏡500で確認しつつ、アライメントマーク22を基準マーク401に対して位置合わせを行なうとともに、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220のノズルプレート20とを接着剤を介して接着する。
【0057】
さらに詳言すると、ベース治具420は、底面側が開口する箱型形状を有するステンレス鋼等からなり、マスク410の基準マーク401が設けられた領域に相対向する領域に厚さ方向に貫通した単孔の貫通孔421が設けられている。またベース治具420は支持部材である移動テーブル550の上面に保持されて、固定板250を保持する。具体的には、ベース治具420には、内部に真空ポンプ(図示せず)等の吸引手段が接続された吸引チャンバ431が複数設けられている。吸引チャンバ431は、ベース治具420の表面に開口して、固定板250の表面を吸引保持するようになっている。また、ベース治具420には、貫通孔421が設けられており、固定板250に吸引保持されたインクジェット式記録ヘッド220のアライメントマーク22を貫通孔421によりマスク410の底面側から確認できるようになっている。すなわち、ベース治具420は固定板250がマスク410に接触しないよう配設されており、これによりマスク410の表面が固定板250により傷つくことを防止することができる。
【0058】
マスク410は、透明部材として透過性を有する材料、例えば石英等のガラスからなり、インクジェット式記録ヘッド220側の面には、ベース治具420の貫通孔421内に突出するとともに先端部に基準マーク401が形成された凸部411を有している(以降、便宜上、マスク410のインクジェット式記録ヘッド220側の面(基準マーク401が設けられた面)を「マスク410の上面」と称し、その反対側の面を「マスク410の下面」と称する。)。凸部411は、各基準マーク401に対してそれぞれ設けられた円柱形状の部分である。また詳細は後述するが、マスク410は接着剤を介してマスク取付板470に保持され、マスク取付板470を介して移動テーブル550に固定されている。
【0059】
マスク取付板470はステンレス鋼等の板状部材であり、詳細は後述するが、固定手段である取付ネジ480により移動テーブル550に固定されている。
【0060】
ここで、基準マーク401はノズルプレート20のアライメントマーク22の近傍となる高さで形成するのが好ましい。これは、アライメントマーク22と基準マーク401との距離を小さくしてアライメント精度を向上させるためである。すなわち、基準マーク401とアライメントマーク22との距離が離れればその分アライメント精度の確保が難しくなる。また、基準マーク401とアライメントマーク22との距離が離れた場合には、光学系により位置を確認する際に用いられるメタルハライドランプ等の熱によって、光学系光軸が大きくずれてしまい、基準マーク401とアライメントマーク22との実際の位置に大きな誤差が生じてしまう。
【0061】
なお、マスク410には凸部411を設けず平面状のマスクを用いてもよい。この場合、アライメントマーク22と基準マーク401との距離が、例えば約5.1mmのときは、光軸ずれが最大約2.5μmとなる。本形態では、マスク410に凸部411を設けることによって、基準マーク401とアライメントマーク22との距離を110μm以下とすることで、上述のような熱による光学系440の光軸ずれを0.05μm以下とすることができ、高精度な位置合わせを行うことができる。
【0062】
一方、凸部411がノズルプレート20に近すぎると、ノズルプレート20と固定板250とを接着する接着剤が凸部411の先端面に付着して、光学系によりアライメントマーク22及び基準マーク401が確認できなくなる可能性があるため、凸部411の先端面は、ノズルプレート20から所定間隔離した距離となるように設けるのが好ましい。
【0063】
このように、マスク410に凸部411を設けることによって、アライメントマーク22と基準マーク401との距離を短くしたため、ベース治具420の厚さを薄くすることで基準マーク401とアライメントマーク22との距離を短くするということは必要がない。ちなみに、アライメントマーク22と基準マーク401との距離を短くするため、ベース治具420の厚さを薄くすると、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に押し付けた際に、ベース治具420が変形や破壊されることによって基準マーク401とアライメントマーク22との位置合わせに誤差が生じてしまうが、本形態ではマスク410に凸部411を設けたため、ベース治具420を薄く形成する必要がなく、ベース治具420の剛性を保って変形や破壊を防止することができ、この点でも高精度に位置合わせすることができる。
【0064】
このようなマスク410を有するアライメント治具400は、支持部材である移動テーブル550に機械的に着脱自在に固定されている。
【0065】
図7(a)は、実施形態1に係るアライメント装置を構成するマスク、マスク取付板、及び移動テーブルを抽出して示す概略平面図、図7(b)は、図7(a)のA−A’断面図である。
【0066】
図7(a)及び図7(b)に示すように、アライメント治具400は移動テーブル550の上面にマスク取付板470を介して機械的に着脱自在に固定されている。すなわち、このマスク取付板470とマスク410とは接着剤を介して接着されており、マスク取付板470と移動テーブル550とは固定手段である取付ネジ480により機械的に着脱自在に固定されている。
【0067】
さらに詳言すると、マスク410には、その上面に上述した先端部に基準マーク401が設けられた凸部411がマスク410の短手方向Yの両端部近傍に設けられている。本形態では、各インクジェット式記録ヘッド220のノズルプレート20にアライメントマーク22を2つ設けたため、マスク410の短手方向Yの一端側の基準マーク401とその他端側に相対向する位置に設けられた基準マーク401からなる一対の基準マーク401が一つのインクジェット式記録ヘッド220の2つのアライメントマークに対応する。本形態では、インクジェット式記録ヘッド220の個数に応じて合計4対の基準マーク401が設けられている。
【0068】
また、マスク410には、厚さ方向に貫通した単孔である第1挿通孔412が長手方向Xに沿って合計2つ穿設されている。この第1挿通孔412は、その直径が取付ネジ480の頭部の直径よりも大きく形成されている。
【0069】
一方、マスク取付板470は、その幅がマスク410に設けられた一対の基準マーク401の間隔よりも狭く形成されており、マスク410と移動テーブル550との間の領域のうち、マスク410の下面側の相対向する領域に介在しないよう配設されると共に接着剤を介してマスク410と接着されている。すなわち、マスク410の下面側からマスク410に設けられた基準マーク401が視認可能になっている。
【0070】
また、マスク取付板470には、厚さ方向に貫通した単孔である第2挿通孔471がマスク410の第1挿通孔412と相対向する位置に第1挿通孔412と連通するように合計2つ穿設されている。この第2挿通孔471は、その直径が取付ネジ480の頭部の直径よりも小さく形成され且つ取付ネジ480のネジ部が挿通するように形成されている。
【0071】
このようなマスク取付板470は、固定手段である取付ネジ480により機械的に着脱自在に移動テーブル550の上面に固定されている。詳言すると、取付ネジ480のネジ部が第1挿通孔412及び第2挿通孔471を挿通して移動テーブル550の所定位置に設けられた雌ネジ部552に螺合しており、この結果、マスク取付板470は、取付ネジ480の頭部により押圧されて移動テーブル550に固定されている。したがって、マスク410は、その下面がマスク取付板470に接着剤により接着されているため、マスク取付板470を介して、マスク410の移動テーブル550に対する相対的な位置が固定されている。また取付ネジ480を取外すことにより、マスク410はマスク取付板470と共に移動テーブル550から容易に取外すことができる構成となっている。
【0072】
このようにマスク410は、取付ネジ480を用いてマスク取付板470を移動テーブル550に対して固定・取外しを行うことにより、移動テーブル550に対して着脱自在に固定することができる。これにより、例えば表面に傷が付いたマスク410を新たなマスク410に交換する作業は簡易なものとなり、更に交換作業に要する時間を短縮して生産性の向上を図ることができる。また静電チャックや真空吸着などの電力を必要とする固定手段を用いる場合と比較して、取付ネジ480によるマスク410の固定手段は格段に安価に実現することができると共に、アライメント装置全体に占めるスペースが小さくなるというメリットがある。更に、静電チャック等の電力を必要とする固定手段を用いる場合に懸念される、電力供給の一時的な停止に伴うマスク410の位置ズレ・再度の位置合わせ作業の発生を回避して、マスク410を長期間に亘って安定的に固定することができる。
【0073】
また、移動テーブル550には、マスク410の基準マーク401と相対向する位置に厚さ方向に貫通する単孔である貫通孔551が設けられており、マスク取付板470は、基準マーク401と貫通孔551とが相対向するよう移動テーブル550に固定されている。これにより後述する移動テーブル550の底面側に配設された二焦点顕微鏡500は貫通孔551を通して基準マーク401を撮影することができるようになっている。
【0074】
なお、取付ネジ480のネジ部と第2挿通孔471には遊間が設けられている。これにより取付ネジ480がマスク取付板470を移動テーブル550に完全に固定しない程度に雌ネジ部552に螺合された状態においてマスク取付板470を水平方向に移動させることができる。このため、マスク取付板470の位置を微調整して、二焦点顕微鏡500の視野の中心に基準マーク401を合わせることが可能となっている。
【0075】
ここで、アライメント治具400を移動テーブル550に取り付ける方法について説明する。
【0076】
まず、マスク410とマスク取付板470とを各第1挿通孔412と各第2挿通孔471とが連通するよう接着剤で接着する。接着剤が十分に乾燥した後、マスク取付板470を移動テーブル550に載置すると共に、移動テーブル550の底面側に設置された二焦点顕微鏡500を用いて貫通孔551を通して基準マーク401を臨み、その視野の中心に基準マーク401を合わせ、取付ネジ480によりマスク取付板470を移動テーブル550に固定する。その後、ベース治具420の貫通孔421とマスク410の凸部411との位置を合わせてマスク410を覆うようにベース治具420を配設する。
【0077】
このように、マスク410とマスク取付板470とを予め接着剤で接着することにより、二焦点顕微鏡500の視野の中心と基準マーク401とを位置合わせする際に、マスク410とマスク取付板470とにズレが生じることを回避することができる。
【0078】
なお、マスク410とマスク取付板470との接着に先立って、マスク取付板470を移動テーブル550に固定し、その後マスク取付板470の上面に接着剤を介してマスク410を接着してもよい。
【0079】
図6に示すように、上述の如きアライメント治具400には、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250側に押圧する押圧手段450が配設されている。すなわち、押圧手段450は、ベース治具420上に両端が載置されてインクジェット式記録ヘッド220上に配置されるコ字状のアーム部451と、アーム部451に設けられて各インクジェット式記録ヘッド220を固定板250側に押圧する押圧部453とを具備する。
【0080】
押圧部453は、アーム部451の各インクジェット式記録ヘッド220に相対向する領域にそれぞれ設けられている。本形態では、1つの固定板250にインクジェット式記録ヘッド220が4つ固定されるため、押圧部453は各インクジェット式記録ヘッド220に対応させてこれと同数の4個設けられている。
【0081】
各押圧部453は、アーム部451に挿通されて軸方向に移動自在に設けられた円柱形状を有する押圧ピン454と、押圧ピン454の基端部側に設けられて押圧ピン454をインクジェット式記録ヘッド220側に付勢する付勢手段455と、押圧ピン454とインクジェット式記録ヘッド220との間に配置される押圧コマ459とで構成されている。
【0082】
押圧ピン454は、先端が半球状に形成され、押圧コマ459上に点接触してこの押圧コマ459を押圧するようになっている。
【0083】
付勢手段455は、アーム部451に設けられて押圧ピン454をインクジェット式記録ヘッド220側に付勢するものであり、本形態では押圧ピン454の基端部側を囲むように設けられたねじ保持部456と、ねじ保持部456に螺合するねじ部457と、ねじ部457の先端面と押圧ピン454の基端部との間に設けられた付勢ばね458とを具備する。
【0084】
かくして、付勢手段455は、ねじ部457のねじ保持部456に対する締め付け量により、付勢ばね458が押圧ピン454を押圧する圧力を調整することができる。これにより押圧ピン454が押圧コマ459を押圧する圧力をそれぞれ調整可能となっている。
【0085】
押圧コマ459は、押圧ピン454とインクジェット式記録ヘッド220の保護基板30との間に配置され、押圧ピン454が押圧コマ459の上面に点接触し、その押圧ピン454の押圧力をインクジェット式記録ヘッド220の保護基板30上のほぼ全面に均等に伝播させた状態でインクジェット式記録ヘッド220を押圧することができる。押圧ピン454の先端をインクジェット式記録ヘッド220の保護基板30上に直接接触させるよりも押圧コマ459によってインクジェット式記録ヘッド220全体を押圧することになり、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に確実に固定することができる。なお、この押圧コマ459は、インクジェット式記録ヘッド220の保護基板30の外周形状と同一の大きさか、又は若干小さな外周形状をなしている。
【0086】
上述の如く押圧手段450と一体となったアライメント治具400は、移動テーブル550上に配設されており、二焦点顕微鏡500の光軸Lと直角な水平方向に適宜移動させるように構成してある。この結果、光軸Lを固定した状態で、移動テーブル550を移動させることにより各インクジェット式記録ヘッド220に対応する各アライメントマーク22を各基準マーク401とともに光軸L上に臨ませることができる。なお、移動テーブル550において光軸Lがマスク410に向かって通過する領域には、貫通孔551が設けてあり、基準マーク401を経てアライメントマーク22に至る光路を確保してある。
【0087】
二焦点顕微鏡500は光軸Lを共有する一つの光学系501と、他の光学系502とを有する。光軸Lはマスク410のマスク取付板470側から基準マーク401及び空間である貫通孔421を介してアライメントマーク22の方向(図では垂直方向)に向けられている。ここで、光学系501は基準マーク401に焦点を合わせることができ、光学系502はアライメントマーク22に焦点を合わせることができるように構成されている。
【0088】
さらに詳言すると、対物レンズ503は基準マーク401及びアライメントマーク22の方向に光軸Lが向けられた状態で鏡筒504に収納してあり、この鏡筒504が筐体505に固定されている。筐体505内には2個のビームスプリッタ506,507、2個のミラー508,509及び2個の焦点レンズ510,511が収納してある。
【0089】
光学系501はビームスプリッタ506,ミラー508,焦点レンズ510及びビームスプリッタ507で形成され、ビームスプリッタ506を透過した光がミラー508で反射され、焦点レンズ510を通った後、ビームスプリッタ507を介して外部に至る光路(図中に一点鎖線で示す)を有する。
【0090】
光学系502はビームスプリッタ506,焦点レンズ511,ミラー509及びビームスプリッタ507で形成され、ビームスプリッタ506で反射された光が焦点レンズ511を通った後、ミラー509及びビームスプリッタ507で反射されて外部に至る光路(図中に一点鎖線で示す)を有する。
【0091】
撮像手段であるCCD520は、光学系501,502を介して基準マーク401とアライメントマーク22との画像を同時に取り込んで再生処理する。ここで、基準マーク401は焦点レンズ510の焦点位置を調整することにより、またアライメントマーク22は焦点レンズ511の焦点位置を調整することによりCCD520上にそれぞれ合焦画像を結像させる。かくして、基準マーク401及びアライメントマーク22に個別に焦点が合った鮮明な画像をCCD520上に得ることができ、この画像が重なるようインクジェット式記録ヘッド220の位置を調整することによって所定のアライメントを行なう。
【0092】
次に、上述の如きアライメント装置を用いるインクジェット式記録ヘッド220の所定位置へのアライメント方法を説明しておく。
【0093】
図8はインクジェット式記録ヘッド220のアライメント時におけるアライメント治具400の底面側から見た様子を示す底面図である。
【0094】
1) 図8(a)に示すように、アライメント治具400の底面側から二焦点顕微鏡500によって基準マーク401を確認する。
【0095】
2) 図8(b)に示すように、アライメント治具400に固定板250を保持させる。これはベース治具420の上面に固定板250を載置・固定することにより行なう。このとき、ベース治具420は、吸引チャンバ431を介して固定板250を吸引することにより固定する。
【0096】
3) 二焦点顕微鏡500の光学系501で基準マーク401の画像を焦点レンズ510の調整により合焦させてCCD520に取り込むとともに、他の光学系502でアライメントマーク22の画像を焦点レンズ511の調整により合焦させてCCD520に取り込む。この結果、CCD520には基準マーク401及びアライメントマーク22にそれぞれ焦点が合った鮮明な画像が取り込まれる。すなわち、光学系501,502は、光軸Lは共有するがそれぞれ位置が異なる対象(基準マーク401及びアライメントマーク22)に個別に焦点を合わせることができるので、それぞれの被写界深度を小さくして十分な倍率で鮮明な基準マーク401及びアライメントマーク22の画像を得る。
【0097】
4) 図8(c)に示すように、インクジェット式記録ヘッド220と固定板250とを接着剤を介して当接させる。すなわち、前記3)の工程で得た基準マーク401とアライメントマーク22との画像に基づき、基準マーク401にアライメントマーク22が重なるようにインクジェット式記録ヘッド220の位置調整を行なうとともに、接着剤を介してインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に当接させる。
【0098】
ここで、固定板250はアライメント治具400に位置合わせされて保持されているため、マスク410とインクジェット式記録ヘッド220との位置合わせを行うことで、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220との位置合わせも行うことができる。
【0099】
なお、インクジェット式記録ヘッド220の固定板250に対する位置合わせは、CCD520の画像を作業者が視認しつつマイクロメータ等(図示せず)を用いて微小な位置調整を行うことで実施しても良く、またCCD520の出力画像を画像処理することにより前記マイクロメータ等を駆動モータ等により駆動させて自動的に行うようにしても良い。
【0100】
5) 前記4)の工程(図8(c))と同様の工程を繰り返すことで、複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に順次位置合わせする。すなわち、光軸Lは固定したままで、水平面内で移動テーブル550を図8(c)中の短手方向Yに移動することで同一インクジェット式記録ヘッド220の他のアライメントマーク22と基準マーク401の位置合わせを行なうとともに、長手方向Xに移動することで隣接する他のインクジェット式記録ヘッド220のアライメントマーク22と基準マーク401の位置合わせを行なう。
【0101】
6) 押圧手段450により、複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に所定の圧力で加圧しながら接着剤を硬化させることで両者を接合する。
【0102】
このように、固定板250と複数のインクジェット式記録ヘッド220とを位置合わせして接合することで、固定板250とノズル列21Aとの位置合わせを高精度に行うことができる。また、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の各ノズル列21A同士の相対的な位置合わせを高精度に行うことができる。さらに、インクジェット式記録ヘッド220を平板からなる固定板250に当接させて接合するため、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に接合するだけで複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の相対的な位置合わせが行われる。このため、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の位置合わせを行う必要がなく、インク滴の着弾位置不良を確実に防止することができる。
【0103】
特に、本形態においては基準マーク401が設けられたマスク410とアライメントマーク22が設けられたノズルプレート20との間にベース治具420による空間を有するためそれぞれの高さ位置が異なるが、基準マーク401乃至アライメントマーク22は2系統の光学系501,502でそれぞれ焦点調整し得るようになっているので、基準マーク401及びアライメントマーク22の画像が鮮明な分、高精度に位置合わせを行なうことができる。
【0104】
〈他の実施形態〉
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。実施形態1のマスク取付板470と移動テーブル550との固定手段は取付ネジ480に限定されるものではなく、例えば、クランプ等を用いて、その押圧力でこれらを固定してもよい。すなわち、固定手段はマスク取付板470と移動テーブル550とを機械的に着脱自在に固定するものであればよい。また、マスク取付板470とマスク410との接着は、マスク取付板470を取り付ける側からマスク410の基準マークを視認可能であればよく、例えば、マスク410と略同一の大きさのマスク取付板470を形成し、マスク取付板470のマスク410の基準マーク401と相対向する位置に貫通孔を設け、この貫通孔を介して基準マーク401を視認可能にしてもよい。さらに、マスク取付板470を移動テーブル550の上面に着脱自在に固定したが、マスク取付板470を移動テーブル550に着脱自在に固定する位置は、特にこれに限定されず、例えば、移動テーブル550の下面側でもよいし、移動テーブル550に保持孔を設け、当該保持孔の内部に着脱自在に固定するようにしてもよい。
【0105】
また、実施形態1では、アライメント治具400に押圧手段450を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを接合する接着剤として紫外線硬化型の接着剤を用いた場合には、固定板250の接合面に接着剤を塗布した後、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを当接させた状態で紫外線を照射して接着剤を硬化させることで両者を接合することができるため、押圧手段450を設けないようにしてもよい。なお、紫外線硬化型接着剤は、熱硬化性接着剤のように固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを所定の圧力で加圧しながら硬化させる必要がなく、加圧することによってインクジェット式記録ヘッド220と固定板250との位置ズレを防止して両者を高精度に接合することができる。
【0106】
さらに、紫外線硬化型の接着剤を用いた接合では、接合強度が比較的弱いため、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを紫外線硬化型接着剤で接合した後、インクジェット式記録ヘッド220と固定板250とで画成される角部等の周囲を熱硬化性接着剤で固定するようにすればよい。これにより、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを高精度に且つ強固に接合して、信頼性を高めることができる。
【0107】
また、上記各実施の形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド220を接合する固定部材として平板からなる固定板250を例示したが固定部材は固定板250に限定されず、例えばカバーヘッド240に直接複数のインクジェット式記録ヘッド220を位置合わせして接合するようにしてもよい。このような場合でも、上述したアライメント治具400を用いて高精度に位置合わせして接着することができる。
【0108】
上記実施形態1では、撓み振動型のインクジェット式記録ヘッド220を例示したが、これに限定されず、例えば圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェット式記録ヘッドや発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニットに応用することができることは言うまでもない。
【0109】
なお、各実施の形態では、アライメントの対象となる液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニットを一例として説明したが、これに限るものではなく、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニットの製造の際に一般的に適用し得る。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの分解斜視図。
【図2】前記ヘッドユニットの組立斜視図。
【図3】前記ヘッドユニットの要部断面図。
【図4】前記ヘッドユニットの要部の分解斜視図。
【図5】前記ヘッドユニットの記録ヘッド及びヘッドケースを示す断面図。
【図6】実施形態1に係るアライメント装置を示す断面図。
【図7】前記アライメント装置のマスク、マスク取付板の概略平面図とその断面図。
【図8】前記アライメント装置を用いた位置合わせ方法を説明するための底面図。
【符号の説明】
【0111】
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 22 アライメントマーク、 100 リザーバ、 200 ヘッドユニット、 210 カートリッジケース、 220 インクジェット式記録ヘッド、 230 ヘッドケース、 240 カバーヘッド、 250 固定板、 300 圧電素子、 400 アライメント治具、 401 基準マーク、 410 マスク、 420 ベース治具、 470 マスク取付板、 500 二焦点顕微鏡、 501,502 光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズル開口を有し、位置合わせ用のアライメントマークが設けられた液体噴射ヘッドを、当該アラインメントマークを用いて相対的に位置合わせする際に用いる液体噴射ヘッドのアライメント治具であって、
前記アライメントマークが位置合わせされる基準マークが設けられた透明部材からなるマスクと、
このマスクの液体噴射ヘッド側の面とは反対側の面から前記基準マークを視認可能に当該反対側に接着されたマスク取付板と、
前記マスク取付板を支持する支持部材に前記マスク取付板を機械的に着脱自在に固定する固定手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具において、
前記マスクの前記液体噴射ヘッド側には、前記マスクとは反対側の面に前記液体噴射ヘッドが載置されるベース治具
を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具において、
前記マスクの前記液体噴射ヘッド側には、前記アライメントマークに向けて突出する凸部が設けられていると共に、この凸部の上面に前記基準マークが設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載する液体噴射ヘッドのアライメント治具と、
当該アラインメント治具の前記マスク取付板を支持する前記支持部材と、
前記マスクの前記基準マークとは反対側に配設されて、前記基準マーク、及び前記アライメントマークの方向に向けられた光軸を有する撮像手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置。
【請求項5】
請求項4に記載する液体噴射ヘッドのアライメント装置において、
前記撮像手段は、前記光軸を共有する一つの光学系により前記アライメントマークに焦点を合わせ得ると共に他の光学系が前記基準マークに焦点を合わせ得るように構成した二焦点顕微鏡であることを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載する液体噴射ヘッドのアライメント装置において、
前記光軸を固定する一方、位置合わせの対象となる前記基準マークと前記アライメントマークとが前記光軸上又はその近傍に占位するように、前記マスク取付板が固定された前記支持部材と、前記液体噴射ヘッドとを一体的に移動させるように構成したことを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント装置。
【請求項7】
液体を噴射するノズル開口を有し、位置合わせ用のアライメントマークが設けられた液体噴射ヘッドを、当該アライメントマークを用いて相対的に位置合わせする際に用いられて、アライメントマークが位置合わせされる基準マークが設けられた透明部材からなるマスクをアライメント装置の支持部材に取り付ける液体噴射ヘッドのマスクの取付方法であって、
前記マスクの前記液体噴射ヘッド側の面とは反対側から前記基準マークが視認可能となるようにマスク取付板を前記マスクの当該液体噴射ヘッドの面とは反対側に接着し、
前記液体噴射ヘッドの前記アライメントマークが上面側に配設される前記支持部材の底面側に配設されると共に前記アライメントマークと前記基準マークとを撮像する撮像手段の光軸上に前記基準マークが占位するように前記マスクを前記マスク取付板を介して前記支持部材に機械的に着脱自在に固定することを特徴とする液体噴射ヘッドのアライメント治具の取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−68515(P2008−68515A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248841(P2006−248841)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】