説明

液体噴射用液体、液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置

【課題】噴射孔から飛翔させ、記録紙などの被記録媒体上に耐溶剤性や耐水性、耐擦か性など着色剤の定着性に優れた特徴を有する液体噴射用液体を提供する。
【解決手段】着色剤と、有機溶剤と、水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)と、配位子が炭素数1〜7のアルキル基、又はアシル基であるチタンキレート化合物、及び/又はシランキレート化合物とを含み、25℃の粘度が3〜30mPa・sである液体噴射用液体とし、前記液体噴射用液体の全量に対して水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)が5〜30重量%で、且つチタンキレート化合物、及び/又はシランキレート化合物のいずれかを1〜15重量%含んで成る液体噴射用液体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射孔から飛翔し、記録紙などの被記録媒体上に着弾する液体噴射用液体であって、耐溶剤性や耐水性、耐擦か性など着色剤の定着性に優れた特徴を提供する液体噴射用液体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の液体噴射記録(インクジェット記録)方式は、印刷版を用意する必要のある印刷方式と異なり、一台の機械で様々なパターンを印字できることから、例えば梱包剤やポスター、車体のラッピングなど幅広い分野での利用が可能なものである。
従来、液体噴射記録方式としてはコンティニュアスタイプとオンデマンドタイプの2つの方式に大別することができる。コンティニュアスタイプは、例えば、液体噴射用液体(インク)を粒子状にして噴射し、帯電させた液体噴射用液体粒子の進行経路に電界を形成することにより、液体噴射用液体粒子を偏向させて対象物に記録することができるものなどが挙げられる。また、オンデマンドタイプは、例えば、液体噴射記録ヘッド(インクジェットヘッド)の噴射孔(ノズル)から画像に応じて液体噴射用液体を吐出させて、紙、フィルム、布帛等の被記録媒体に印字を行うものなどが挙げられる。
【0003】
これらの液体噴射記録の長所としては、直接記録であるためにプロセスが簡単であることに加えて、インパクト方式ではないために無騒音である、カラー化が容易である、高速記録が可能である、普通紙が使用できるため低ランニングコストである、微小液体噴射用液滴を吐出させるために高解像度の記録が可能である等の優れた特徴が挙げられる(特許文献1)。
また、液体噴射用液体中に樹脂を添加することにより、液体噴射用液体溶剤の揮発に伴い樹脂皮膜で着色剤を覆う試み(特許文献2)や光硬化樹脂を添加し、印字後の光照射で液体噴射用液体の硬化を促進する試み(特許文献3)が試されている。
さらに、顔料表面にキレート剤を結合させ、印字後の溶剤揮発時にキレート剤同士が結合を繰り返すことで顔料同士が引かれ合い被記録媒体からの脱落を防止する方法も提案されている(特許文献4)。
そして、重合性樹脂とキレート剤を併用することにより、非記録媒体上で樹脂の重合を生起させて着色剤を樹脂皮膜に覆わせる方法が提案されている(特許文献5及び6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−65443号公報
【特許文献2】特開平5−295313号公報
【特許文献3】特開平8−060054号公報
【特許文献4】特開2007−169357号公報
【特許文献5】特開平5−295131号公報
【特許文献6】特開2006−282762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2及び3に記載の技術は、液体噴射用液体の操作性から添加できる樹脂種や量が限られ、印字工程の他に光照射機器の取り付けが必要であるなど、技術面とコスト面の課題は多い。また、特許文献4に記載の技術は、顔料液体噴射用液体に効果は見られても、染料液体噴射用液体においては必ずしも有効な手段とは言えない。さらに、特許文献5及び6に記載の技術は、記載されている方法により作成される液体噴射用液体は樹脂が高分子量のものであるために25℃付近での粘度が高く、液体噴射用液体(インクジェット用インク)にそのまま転用することは困難である。これら問題点があるにも関わらず、現代社会における被記録媒体や印字物が置かれる環境の多様化に伴い、被記録媒体への液体噴射用液体の耐溶剤性や耐水性、耐擦か性などの定着性向上が求められる傾向が強まっている。
【0006】
具体的に、液体噴射用液体の定着性効果の向上には、着色剤を被記録媒体表面へ効果的に接着させる必要があり、被記録媒体への液体噴射用液体の耐溶剤性や耐水性の向上に関しては着色剤を被記録媒体に接着している樹脂が有機溶剤や水に流れ出さない性質であり、耐擦か性の向上に関しては樹脂が物理的に接着力の大きい性質を持っている必要がある必要があるため、比較的高分子量の樹脂が一般的に好まれる。しかし、一般に比較的高分子量の樹脂は液体噴射用液体への添加によって液体噴射用液体粘度を大きく上昇させる傾向が強く、液体噴射用液体には不向きなものになってしまう。一方で、液体噴射用液体粘度を低下させるために添加量が少ない、又は樹脂が比較的低分子量である場合においては液体噴射用液体に被記録媒体への十分な定着性を付与することができない。さらに、近年では例えばキシレンのように比較的高分子量の樹脂まで溶解できる溶剤は安全面から液体噴射用液体に使用することが制限されており、液体噴射用液体に添加できる樹脂の種類や分子量はインキに用いる溶剤への溶解性により制限されるものになっている。そのため、定着性に優れた液体噴射用液体を得るためには、液体噴射用液体物性への影響や溶解性、接着性を満足する樹脂の選定を図る必要がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、耐溶剤性や耐水性、耐擦か性など着色剤の定着性に優れた液体噴射用液体、液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射用液体は以下の手段を採用している。
本発明は液体噴射用液体として、着色剤と、有機溶剤と、水酸基を含む樹脂と、配位子が炭素数1〜7のアルキル基、又はアシル基であるチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を含み、25℃のせん断速度10s-1の粘度が3〜30mPa・sである、という構成を採用する。
【0009】
この構成によれば、アルキル基、又はアシル基を有するキレート化合物は水酸基を有する樹脂とを溶剤に溶解させたものを塗布されることにより、溶剤の揮発に伴って前記キレート化合物のアルキル基、又はアシル基が樹脂の水酸基と置換することにより揮発し、前記キレート化合物のアルキル基、又はアシル基と樹脂が置換する反応を生じることにより、塗布後に樹脂皮膜を高分子量化させることができる。よって、アルキル基、又はアシル基を有する前記キレート化合物と水酸基を有する樹脂とを液体噴射用液体に併用することにより、着色剤の種類によらずに印字後の液体噴射用液体に耐溶剤性や耐水性、耐擦か性などの定着性向上効果を付与できる。
また、キレート剤と併用する樹脂を、比較的安全性の高いアルコール類やエーテル類など多くの溶剤に対して溶解性が良く、塗布後に溶剤揮発に伴って樹脂膜を形成することが広く知られている水酸基を含む樹脂とすることで、着色剤の接着性向上に十分な樹脂量を液体噴射用液体に添加しつつ、液体噴射用液体粘度を25℃で3〜30mPa・sに調整することが比較的容易であり、液体噴射用液体として最適に使用できるものになる。
さらに、配位子の炭素数が1〜7であるアルキル基、又はアシル基を有する前記キレート化合物を使用することで、キレート化合物添加による液体噴射用液体粘度の上昇を抑制できると共に、印字後の溶剤揮発時に水酸基を含む樹脂の水酸基と置換したアルキル基、又はアシル基の揮発も促進され、良好な印字乾燥性を有する液体噴射用液体とすることができる。
【0010】
また、液体噴射用液体に係る解決手段として、前記液体噴射用液体の全量に対して水酸基を含む樹脂が5〜30重量%で、且つチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を1〜15重量%含んでいることを特徴とする、という構成を採用する。
【0011】
この構成によれば、水酸基を含む樹脂を液体噴射用液体全量に対して5〜30重量%とし、炭素数1〜7のアルキル基、又はアシル基を有するチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を液体噴射用液体全量に対して1〜15重量%とすることで、良好な定着性を有しながら、液体噴射に使用可能な液体噴射用液体粘度に調整することができる。
【0012】
また、本発明に係る液体噴射用液体は、前記水酸基を含む樹脂がニトロセルロースであることを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、水酸基を含む樹脂がニトロセルロースであることによって、溶媒の速乾性に優れた液体噴射用液体を実現することができる。
【0014】
また、本発明に係る液体噴射用液体を使用する液体噴射記録ヘッドは、圧電素子によって形成された隔壁が間隔をあけて並列に形成され隔壁のそれぞれの間にチャネルが形成されたアクチュエータープレートと、液体室が形成された液体室プレートと、被記録媒体に向けて液体噴射用液体を吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルプレートを支持するためのノズルキャップとを有することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、本発明に係る液体噴射用液体を液体噴射記録ヘッドを用いて被記録媒体に噴射し、所望の印字及び記録等の作業を実施することができる。
【0016】
また、本発明に係る液体噴射ヘッドを有する液体噴射記録装置は、被記録媒体を搬送する一対の搬送手段と、前記液体噴射ヘッドに液体噴射用液体を供給する液体供給手段と、前記液体噴射ヘッドを被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に走査させる走査手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、本発明に係る液体噴射ヘッドを液体噴射記録装置に搭載することができる。この構成を採用したことによって、液体噴射用液体を供給する手段を備え、被記録媒体に連続的に液体噴射用液体を噴射し、所望の印字及び記録等の作業を実施することができる。
【発明の効果】
【0018】
アルキル基、又はアシル基を有するキレート化合物は水酸基を有する樹脂とを溶剤に溶解させたものを塗布されることにより、溶剤の揮発に伴って前記キレート化合物のアルキル基、又はアシル基が樹脂の水酸基と置換することにより揮発し、前記キレート化合物のアルキル基、又はアシル基と樹脂が置換する反応を生じることにより、塗布後に樹脂皮膜を高分子量化させることができる。よって、アルキル基、又はアシル基を有する前記キレート化合物と水酸基を有する樹脂とを液体噴射用液体に併用することにより、着色剤の種類によらずに印字後の液体噴射用液体に耐溶剤性や耐水性、耐擦か性などの定着性向上効果を付与できる。
また、前記キレート剤と併用する樹脂を、アルコール類やエーテル類など多くの溶剤に対して溶解性が良く、塗布後に溶剤揮発に伴って樹脂膜を形成することが広く知られている水酸基を含む樹脂とすることで、着色剤の接着性向上に十分な樹脂量を液体噴射用液体に添加しつつ、液体噴射用液体粘度を25℃で3〜30mPa・sに調整することが比較的容易であり、液体噴射用液体として使用できるものになる。
さらに、配位子の炭素数が1〜7であるアルキル基、又はアシル基を有する前記キレート化合物を使用することで、キレート化合物添加による液体噴射用液体粘度の上昇を抑制できると共に、印字後の溶剤揮発時に水酸基を含む樹脂の水酸基と置換したアルキル鎖、又はβ−ジケトンの揮発も促進され、良好な印字乾燥性を有する液体噴射用液体とすることができる。
また、水酸基を含む樹脂を液体噴射用液体全量に対して5〜30重量%とし、炭素数1〜7のアルキル基、又はアシル基を有するチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を液体噴射用液体全量に対して1〜15重量%とすることで、良好な定着性を有しながら、液体噴射に使用可能な液体噴射用液体粘度に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の液体噴射記録装置を示す斜視図である。
【図2】同液体噴射記録装置における液体噴射ヘッドを示す斜視図である。
【図3】同液体噴射ヘッドにおける一部の構成を示す斜視図である。
【図4】同液体噴射ヘッドにおける一部の構成を分解して示す斜視図である。
【図5】本発明の液体噴射用液体の要素に関する実施例と比較例を示す図である。
【図6】本発明の液体噴射用液体の特性に関する実施例と比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
25℃におけるせん断速度10s-1の粘度はBROOKFIELD社製回転粘度計DVII+Proを用いて測定した。
【0021】
着色材としては、染料及び顔料のどちらか一方またはその双方を使用できる。
染料としては、油性染料ならば何れも用いることができるが、その液体噴射用液体溶剤への溶解性を考慮した上で使用するものである。その一例を挙げる。
具体的には、ニグロシンベ−スEE、同EEL、同EX、同EXBP、同EB、オイルイエロー101、同107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、同GR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、同BOS オイルブラックHBB、同860、同BS、バリファストイエロー1101、同1105、同3108、同4120、バリファストオレンジ2210、同3209、同3210、バリファストレッド1306、同1308、同1355、同1360、同2303、同2320、同3304、同3306、同3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、同3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、同1605、同1607、同1631、同2606、同2610、同2620、バリファストバイオレット1701、同1702、バリファストブラック1802、同1807、同3804、同3806,同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド102、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、同GRLHスペシャル、同C−2GH、同C−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、同GRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、同BEH、同GRLHスペシャル、同C−GH、同C−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、同C−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、同RH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、同2BNH、同C−RH、同BPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、同3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、同MH、同RLH、同GMHスペシャル、同BHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、同521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、同6、同10、同12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業(株)製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、同FSスペシャルA、同2020、同109、同215、ALイエロー1106D、同3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、同C−132、同C−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、同C−733(以上、中央合成化学(株)製)、オレオゾールファストイエロー2G、同GCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、同RL(以上、田岡化学工業(株)製)、サビニールイエロー2GLS、同RLS、同2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、同GLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製、スイス国)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製、英国)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600(以上、BASF社製、独国)などが挙げられる。
【0022】
顔料では、従来公知の顔料が使用でき、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げると、TITONE SR−1、同650、同R62N、同R3L、同R7E(以上、堺化学工業(株)製)、クロノスKR−310、同KR−380、同480(以上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同R−602、同R−960、同R−931(以上、デュポン・ジャパン、リミテッド製)、TITANIXJR301、同JR805、同JR602、同JR701、同JR800(以上、テイカ(株)製)などの酸化チタン、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2,同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11,#50、#52、#45、#44、#40、#33,#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、RAVEN7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22,同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900,同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、低次性酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫酸ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。
また、本発明に係る液体噴射用液体では、着色剤に顔料を用いる場合、分散剤を併用することできる。
【0023】
更に、顔料を油溶性樹脂に分散した顔料チップを用いることは、顔料液体噴射用液体製造上有利なことである。具体的には、NC790ホワイト、L1/8レッドF3RK−70、同ブラックMA100、同イエローN1F、同オレンジ501、同ブラウン5R、同ブルーKLG、NCL1/8バイオレットPRL50(太平化学社(製))などが挙げられる。
【0024】
本発明の液体噴射用液体の着色剤に顔料を用いる場合には顔料の分散性向上の為に、従来一般に用いられている高分子分散剤や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などで一般に顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成分とした共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分とした共重合体などの油溶性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら油溶性高分子及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、少ない場合は添加する目的である分散効果が弱く、多い場合は液体噴射用液体中の各組成物の溶解バランスを崩してしまい各種不具合が発生する懸念があるため、液体噴射用液体全量に対して0.1重量%以上15重量%以下が好ましい。
【0025】
溶剤又は分散媒として主に有機溶剤を使用するが、水酸基を含む樹脂と前記キレート化合物を溶解し得るものである必要がある。また、水酸基を含む樹脂とはニトロセルロースとしても構わない。水酸基を含む樹脂をニトロセルロースとすることによって、溶媒の速乾性に優れた液体噴射用液体を実現することができる。具体的には、アセトン、ジメチルケトン、ジフェニルケトンなどケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテートなどエーテル類、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなど脂環式化合物、トルエン、ベンゼンなどの芳香族化合物などが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。さらに、その使用量は、少ない場合は液体噴射用液体の内容物の溶解不足や分散不足により不溶・凝集物が発生し、多い場合は液体噴射用液体粘度が上昇して吐出が減少したり、液体噴射用液体保管時に水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)の重合が生起するなど各種不具合が発生するため、液体噴射用液体全量に対して5重量%〜90重量%が好ましい。
【0026】
本発明の液体噴射用液体には、水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)と前記キレート化合物が必須成分であり、水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)についてはインキ溶剤に溶解するものであれば特に分子量を限定するものではないが、前期キレート化合物についてはその配位子が炭素数1〜7のアルキル基又は、アシル基であることが好ましい。炭素数が8以上の場合、被記録媒体上での水酸基を含む樹脂(ニトロセルロース)と前記キレート化合物のアルキル基やアシル基との置換反応により生成されるアルキル鎖、又はβ−ジケトンの沸点が高くなり、印字後樹脂の液体噴射用液体の乾燥が促進されず、樹脂の重合が促進されないため、液体噴射用液体の定着力の向上効果が得難くなる。
【0027】
前記キレート化合物としてはインキ溶剤に可溶であれば、特に制限を受けるものではなく、具体的にはテトラメトキシチタネート(配位子の炭素数1)、テトラエトキシチタネート(配位子の炭素数2)、テトライソプロポキシチタネート(配位子の炭素数3)、テトラノルマルブトキシチタネート(配位子が炭素数4のアルキル基)、テトラヘキシルチタネート(配位子の炭素数6のアルキル基)、テトラヘプチルチタネート(配位子が炭素数7のアルキル基)、チタンテトラアセチルアセトナート(配位子が炭素数5のアシル基)、チタンエチルアセトアセテート(配位子が炭素数7のアシル基)、チタンテトラヘプチレングリコレート(配位子が炭素数7のアシル基)、アクリルトリメトキシシラン(配位子が炭素数1のアルキル基)、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(配位子が炭素数1のアルキル基)、アクリルトリエトキシシラン(配位子が炭素数2のアルキル基)、などが挙げられる。これらのキレート化合物は1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
【0028】
液体噴射用液体を製造する方法は、液体噴射用液体組成物の製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。更に濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却、加圧や減圧、不活性ガス置換をしても良い。また、内容物の溶解や分散を促進するため、液体噴射用液体自体を加熱放置したり、過熱しながら撹拌や分散したりすることも、液体噴射用液体の内容物の溶解や分散上好ましいことである。また、製造した液体噴射用液体を温度の低い状態(0〜30℃)で保管したりすることは、インキ組成物の経時性能を劣化させないためにも好ましい。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
【0029】
定着性付与を目的としてニトロセルロース以外の樹脂を併用することも可能である。これらの樹脂は本発明の油性インキ組成物に使用する有機溶剤に可溶なものであれば、特に種類を限定されるものではない。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、エチレンイミン樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル樹脂、マレイン酸樹脂、マレイミド樹脂、ロジンエステルとその塩、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性グリセリンエステル、ロジン変性フェノールマレイン酸エステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾニトリル樹脂、テルペンジフェノール、テルペンフェノール共重合体、ケトン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。市販されているものとしては、テスラック2158−100(日立ポリマー(株)製)、フタルキッドDX615(50重量%キシレン溶液、日立化成(株)製)などのアルキド樹脂、アクリロイドB66、同B67(以上、英国、ロームアンドハース社製)などのアクリル樹脂、カリフレックスTR−1107(シェル化学(株)製)、タフプレンA、アサプレンT−431(以上、旭化学工業(株)製)などのスチレン系エラストマー、スミテートRB−11(住友化学工業(株)製)、エバフレックス150(三井ポリケミカル(株)製)などのエチレン・酢酸ビニル共重合体などを例示できる。
これらの併用する樹脂は、添加量が少ないと筆跡に十分な定着性の向上が発現されず、多過ぎても液体噴射用液体粘度の上昇を生じるため、添加量としては液体噴射用液体全量に対して1重量%〜20重量%が好ましい。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中の数字は「重量部」を示す。
【比較例】
【0031】
比較例中の数字は「重量部」を示す。なお、実施例及び比較例の図表を図5及び図6に記載する。
【0032】
実施例1〜6及び比較例1〜6で得た液体噴射用液体を液体噴射記録装置(360dpi、駆動周波数8kHz、ノズル数508)でガラス板、PVCフィルム、アルミ板、鉄板上に一面に印字した。
【0033】
(ガラス板上での耐水性)
実施例1〜6、比較例1〜6の液体噴射用液体を硝子板に印字し、30分間放置後、その印刷画面上にカッターナイフで縦・横1mm間隔で100マスの格子ができるように傷を付け、ガラス板を水道水の入ったトレーに30分間浸漬させ、取り出した後100マス中で剥がれずに残った筆跡のマスの数を数えて耐水性について比較を行った。
◎:印字物の80%以上残留
○:印字物の60%以上が残留
▼:印字物の40%以上が残留
×:印字物の40%未満が残留
【0034】
(耐溶剤性)
実施例1〜6、比較例1〜6の液体噴射用液体を硝子板、PVCフィルム、アルミ板、鉄板上に印字し、30分間放置後、その印刷画面上にカッターナイフで縦・横1mm間隔で100マスの格子ができるように傷を付け、印字物をアセトンの入ったトレーに30分間浸漬させ、取り出した後100マス中で剥がれずに残った筆跡のマスの数を数えて耐水性について比較を行った。
◎:印字物の80%以上残留
○:印字物の60%以上が残留
▼:印字物の40%以上が残留
×:印字物の40%未満が残留
【0035】
(筆跡の耐粘着テープ耐久性能)
実施例1〜6、比較例1〜6の液体噴射用液体を硝子板、PVCフィルム、アルミ板、鉄板上に印字し、30分間放置後、その印刷画面上にカッターナイフで縦・横1mm間隔で100マスの格子ができるように傷を付け、粘着テープを筆跡上に貼り付け、上から500g重の錘を1分間載せてから剥がし、100マス中で剥がれずに残った筆跡のマスの数を数えて粘着テープへの筆跡剥がれやすさを比較した。
◎:印字物の80%以上残留
○:印字物の60%以上が残留
▼:印字物の40%以上が残留
×:印字物の40%未満が残留
【0036】
以下、本発明の液体噴射用液体を使用する液体噴射ヘッド、および液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射記録装置について図1から図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態の液体噴射記録装置の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、液体噴射記録装置1は、紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2、3と、被記録媒体Sに液体を噴射する液体噴射ヘッド4と、液体噴射ヘッド4に液体を供給する液体供給手段5と、液体噴射ヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(主走査方向)と略直交する方向(副走査方向)に走査させる走査手段6とを備えている。また図示していないが、液体噴射記録装置1は搬送手段2、3、液体噴射ヘッド4、液体供給手段5、及び走査手段6などに対して制御信号を送受信して制御する制御部100を備えている。以下、副走査方向をX方向、主走査方向をY方向、そしてX方向およびY方向にともに直交する方向をZ方向として説明する。
【0037】
一対の搬送手段2、3は、それぞれ副走査方向に延びて設けられたグリッドローラ20、30と、グリッドローラ20、30のそれぞれに平行に延びるピンチローラ21、31と、詳細は図示しないがグリッドローラ20、30を軸回りに回転動作させるモータ等の駆動機構とを備えている。
【0038】
液体供給手段5は、液体噴射用液体が収容された液体収容体50と、液体収容体50と液体噴射ヘッド4とを接続する液体供給管51とを備えている。液体収容体50は、複数備えられており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液体噴射用液体が収容された液体タンク50Y、50M、50C、50Bが並べて設けられている。液体タンク50Y、50M、50C、50Bのそれぞれには図示しないポンプモーターMが設けられており、液体を液体供給管を通じて液体噴射ヘッド4へ押圧移動できる。液体供給管51は、液体噴射ヘッド4(キャリッジユニット62)の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
【0039】
走査手段6は、副走査方向(X方向)に延びて設けられた一対のガイドレール60、61と、一対のガイドレール60、61に沿って摺動可能なキャリッジユニット62と、キャリッジユニット62を副走査方向に移動させる駆動機構63と、を備えている。駆動機構63は、一対のガイドレール60、61の間に配置された一対のプーリ64、65と、一対のプーリ64、65間に巻回された無端ベルト66と、一方のプーリ64を回転駆動させる駆動モータ67とを備えている。
【0040】
一対のプーリ64、65は、一対のガイドレール60、61の両端部間にそれぞれ配置されており、副走査方向に間隔をあけて配置されている。無端ベルト66は一対のガイドレール60、61間に配置されており、この無端ベルトにはキャリッジユニット62が連結されている。キャリッジユニット62の基端部62aには複数の液体噴射ヘッド4が搭載されており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液体噴射用液体に個別に対応する液体噴射ヘッド4Y、4M、4C、4Bが副走査方向に並んで搭載されている。
【0041】
液体噴射記録装置1のキャリッジユニット62には、液体噴射ヘッド4が、長手方向(Y方向)を主走査方向に一致させ、短手方向(X方向)を副走査方向に一致させて搭載されている。またキャリッジユニット62には、複数の液体噴射ヘッド4がX方向に並んで搭載されている。そして、被記録媒体SをY方向に搬送し、キャリッジユニット62をX方向に移動させつつ、液体噴射ヘッド4から液体噴射用液体を噴射することで、被記録媒体に記録を行うようになっている。
【0042】
図2は、液体噴射ヘッド4を示す斜視図である。本実施形態の液体噴射ヘッドは、液体を被記録媒体S(図1参照)に向かって液体噴射用液体を噴射するものである。図2に示すように、液体噴射ヘッド4は、取付基板40と、ヘッドチップ41と、流路基板42と、ベースプレート44と、回路基板45とを備えている。なお、取付基板40およびベースプレート44は別体でもよいし、一体成形されていてもよい。また、取付基板40は、液体噴射ヘッド4をキャリッジユニット62に着脱可能に取り付けるための図示しない取付機構を有している。
【0043】
流路基板42は、ヘッドチップ41の一面側に取り付けられている。流路基板42の内部には液体噴射用液体を流通させるための図示しない流通路が形成されており、流路基板42の上面には前記流通路に連通する流入口42aが形成されている。この流入口42aには、液体噴射用液体の圧力変動を吸収する圧力調整部(不図示)が連結される。
【0044】
ベースプレート44は、取付基板40の上面に略垂直に取り付けられており、その表面には回路基板45が取り付けられている。回路基板45には、ヘッドチップ41の動作を制御する制御部43が形成されている。回路基板45とヘッドチップ41との間は、フレキシブル基板46によって電気的に接続されている。
【0045】
図3は、ヘッドチップ41を示す斜視図である。また、図4はヘッドチップ41を分解して示す斜視図である。図3及び図4に示すように、ヘッドチップ41には、圧電素子によって形成された隔壁15aが間隔をあけて並列に形成され隔壁15aのそれぞれの間にチャネル15bが形成されたアクチュエータープレート15と、液体室10が形成された液体室プレート16と、被記録媒体Sに向けて液体噴射用液体を吐出するノズル13が形成されたノズルプレート14と、ノズルプレート14を支持するためのノズルキャップ8と、が備えられている。また、アクチュエータープレート15には、隔壁15aに沿ってフレキシブル基板46に接続された駆動電極15cが設けられている。
また、ヘッドチップ41は、いわゆる独立チャンネルタイプのヘッドチップであって、スリット形成壁9によって、液体が供給される溝と液体が供給されない溝とが構成され、導電性の液体であっても短絡事故を生ずることなく液体噴射用液体を吐出させることができる。
ヘッドチップ41は、被記録媒体Sの記録面とノズルプレート14とが平行に配置されるように、ノズルプレート14を下方に向けて取付基板40(図2参照)に取り付けられている。
【符号の説明】
【0046】
1 液体噴射記録装置
2 搬送手段
4、4C、4Y、4M、4B 液体噴射ヘッド
S 被記録媒体
13 ノズル
41 ヘッドチップ
43 制御部
45 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤と、有機溶剤と、水酸基を含む樹脂と、配位子が炭素数1〜7のアルキル基、又はアシル基であるチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を含み、25℃の粘度が3〜30mPa・sである液体噴射用液体。
【請求項2】
前記液体噴射用液体の全量に対して水酸基を含む樹脂が5〜30重量%で、且つチタンキレート化合物、及びシランキレート化合物のどちらか一方またはその双方を1〜15重量%含んでいることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射用液体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体噴射用液体において、前記水酸基を含む樹脂がニトロセルロースであることを特徴とする液体噴射用液体。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体噴射用液体を使用する液体噴射記録ヘッドであって、
圧電素子によって形成された隔壁が間隔をあけて並列に形成され隔壁のそれぞれの間にチャネルが形成されたアクチュエータープレートと、
液体室が形成された液体室プレートと、
被記録媒体に向けて液体噴射用液体を吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、
ノズルプレートを支持するためのノズルキャップとを有することを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載の液体噴射ヘッドを有する液体噴射記録装置であって、
被記録媒体を搬送する一対の搬送手段と、
前記液体噴射ヘッドに液体噴射用液体を供給する液体供給手段と、
前記液体噴射ヘッドを被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に走査させる走査手段とを備えることを特徴とする液体噴射記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−79947(P2011−79947A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232775(P2009−232775)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(501167725)エスアイアイ・プリンテック株式会社 (198)
【Fターム(参考)】