説明

液体噴射装置

【課題】吐出された液体の濃度のムラを抑制した循環式の液体噴射装置を提供する。
【解決手段】循環流路により供給されたインクを吐出するノズル21、ノズル21が第1方向に列設されたノズル列21A、及びノズル21に連通するマニホールド101を有するヘッドを複数備え、第1方向に対して交差する第2方向に並設された一対のヘッドであるヘッド1a及びヘッド1bは、ヘッド1aのマニホールド101におけるインク流通方向Aと、ヘッド1bのマニホールド101におけるインクの流通方向Bとが逆向きである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記
録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置として、インクタンクをインクジ
ェット式記録ヘッドから離間して設け、このインクタンクとインクジェット式記録ヘッド
間でインクを循環させる循環式のインクジェット式記録装置が知られている(例えば、特
許文献1参照)。
【0003】
インクジェット式記録ヘッドは、複数のノズルからなるノズル列、各ノズルにインクを
供給する個別流路(圧力発生室等)、個別流路に共通した共通流路を有している。循環式
のインクジェット式記録装置では、インクタンクから共通流路の一端部側(入口側)にイ
ンクが供給される。共通流路の入口側から供給されたインクは他端部側(出口側)に流通
するとともに、一部が個別流路に流入して、ノズルからインク滴として吐出される。そし
て、個別流路に流入しなかったインクは、共通流路の出口側からインクタンクに回収され
る。
【0004】
このようにインクを循環させることで、インク中の顔料などの成分が沈降することを抑
制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−23289号公報(図3等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
共通流路の入口側から出口側にインクが流通する途中で、個別流路にインクの一部が流
入するので、共通流路の入口側から出口側に向けてインクの圧力が徐々に低下する。この
ように共通流路の入口側から出口側にわたりインクの圧力勾配が生じるため、ノズルから
吐出されたインク滴の特性、例えば重量や形状、速度は、共通流路の入口側と出口側とで
異なる。
【0007】
このような圧力勾配によりインクの吐出特性に差が生じると、共通流路の出口側に近い
個別流路・ノズルから吐出されたインクほど、インク滴の形状が小さくなり、紙面に印刷
されたインクの濃度にムラが生じてしまう。
【0008】
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドを用いた液体噴射装置だけではな
く、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置においても同様に
存在する。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、吐出された液体の濃度のムラを抑制した循環式の液体
噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズルが第1方向に列設されたノ
ズル列、該ノズルに連通する圧力発生室を有する個別流路、該個別流路に連通する共通流
路、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段を有する液体噴射ヘッドと、前記
共通流路に外部からの液体を供給する供給路及び前記共通流路から液体を外部に回収する
回収路を含む循環流路とを備え、前記液体噴射ヘッドの共通流路における液体の流通方向
が逆向きとなるように、第1方向に対して交差する第2方向に前記液体噴射ヘッドを並設
したことを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように第2方向に並
設された液体噴射ヘッド(以下、一対の液体噴射ヘッド)の各共通流路における液体の流
通方向が互いに逆向きとなる。これにより、一方の液体噴射ヘッドから吐出される液体の
濃度勾配と、他方の液体噴射ヘッドから吐出される液体の濃度勾配とが逆向きとなり、こ
れらの一対の液体噴射ヘッドで吐出された液体全体では、均等な濃度となる。このように
して、本発明に係る液体噴射装置では、循環流路により液体を循環させるとともに、液体
の濃度ムラを防止して高品質な印刷を行うことができる。
【0011】
ここで、前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液
体噴射ヘッドは、各ノズルの第1方向の位置が揃えられていることが好ましい。これによ
れば、一対の液体噴射ヘッドの各ノズルから一つの液滴が形成され、全体として均等な濃
度で液体が吐出される。
【0012】
また、前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液体
噴射ヘッドは、一方の液体噴射ヘッドの第1方向における各ノズルが他方の前記第2液体
噴射ヘッドの第1方向における各ノズルの間に位置していることが好ましい。これによれ
ば、均等な濃度で、かつ高密度に液滴を吐出することができる。
【0013】
また、前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液体
噴射ヘッドごとに前記循環流路が設けられていることが好ましい。これによれば、一対の
液体噴射ヘッドで生じ得る圧力損失が他の一対の液体噴射ヘッドに影響を及ぼすことが防
止される。
【0014】
また、複数の液体噴射ヘッドに共通して前記循環流路が設けられていることが好ましい
。これによれば、循環流路を構成する部材数を削減することができる。
【0015】
また、前記液体噴射ヘッドを複数有し、前記共通流路における液体の流通方向が同じ向
きである液体噴射ヘッドごとに前記循環流路が設けられていることが好ましい。これによ
れば、一対の液体噴射ヘッドの一方の液体噴射ヘッドで生じ得る圧力損失が他方の液体噴
射ヘッドに影響を及ぼすことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】インクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ヘッドの断面模式図である。
【図3】ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】ヘッドの平面図及び断面図である。
【図5】液体流路の構成を示す模式図である。
【図6】ヘッドのマニホールド、ノズル、インク滴を示す平面図である。
【図7】ヘッドのマニホールド、ノズル、インク滴を示す平面図である。
【図8】変形例に係る液体流路の構成を示す模式図である。
【図9】変形例に係る液体流路の構成を示す模式図である。
【図10】変形例に係る液体流路の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〈実施形態1〉
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。以下、インクジェット式記録ヘッ
ドは液体噴射ヘッドの一例であり、単にヘッドとも言う。また、インクジェット式記録装
置は液体噴射装置の一例である。
【0018】
図1は、インクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。インクジェット式
記録装置Iは、複数のヘッド1を有するヘッドユニットIIを装置本体2に固定し、搬送
方向に記録シートS等の被噴射媒体を搬送することで印刷を行う、いわゆるライン式のイ
ンクジェット式記録装置である。
【0019】
ヘッドユニットIIは、フレーム部材19に保持されたベースプレート18に、複数の
ヘッド1が保持されて構成されている。このヘッドユニットIIは、フレーム部材19を
介して装置本体2に固定されている。
【0020】
装置本体2には給紙ローラー3が設けられている。給紙ローラー3は、装置本体2に給
紙された紙等の記録シートSを第1方向とは直交する第2方向に搬送し、記録シートSを
ヘッド1のインクの吐出面側を通過させる。ここで、第1方向とは、後述するヘッド1の
ノズルが並設された方向であり、第2方向とは、第1方向に直交する方向である(図2〜
4参照。)。本実施形態では、第2方向は、記録シートSとヘッド1との相対的な移動方
向でもある。
【0021】
ヘッドユニットIIには、8つのヘッド1が第1方向に4列、第2方向に2列配置され
ている。この第2方向に並設された2つのヘッド1の一方をヘッド1a、他方をヘッド1
bとも言う。本実施形態では、このヘッド1a、ヘッド1bとからなる一対のヘッド1が
、第1方向に4つ設けられている。以下、一対のヘッドについて言及する際には符号「1
a、1b」を用い、一対のヘッドを区別せずに言及する際には符号「1」を用いる。なお
、ヘッド1a及びヘッド1bは、第2方向に並設された液体噴射ヘッドの一例であり、詳
細は後述するが、各ヘッド1a、ヘッド1bの共通流路(マニホールド101)における
インク(液体)の流通方向が逆向きとなるように配置されている。
【0022】
制御部4は、記録シートSに印字される画像を表した印刷データに基づいて、給紙ロー
ラー3に信号を送信して記録シートSの搬送をさせるとともに、図示しない配線を介して
各ヘッド1に駆動信号を送信してインクを吐出させる。
【0023】
装置本体2には、インクが貯留されたインクタンク5が設けられている。インクタンク
5には、ヘッド1に供給されるインク及びヘッド1から回収されるインクの流路となる循
環流路8が設けられている。
【0024】
循環流路8は、インクをインクタンク5から各ヘッド1に供給する流路である供給管6
と、各ヘッド1からインクタンク5へインクを回収する流路である回収管7とから構成さ
れている。詳細は後述するが、循環流路8により、インクは、インクタンク5から供給管
6を介して各ヘッド1のマニホールド(共通流路)に供給され、ノズル開口から噴射され
なかったインクは回収管7を介してインクタンク5に回収される。
【0025】
図2に基づいて、本実施形態に係るヘッドについて説明する。図示するように、ヘッド
1は、インクを吐出させるヘッド本体100と、ヘッド本体100と循環流路8との間に
介在したインクの流路を有する流路部材170とから構成されている。
【0026】
流路部材170は、その上面に設けられた開口であるインク導入口110と、インク導
入口110に連通する上部供給路120と、上部供給路120に設けられ、上部供給路1
20よりもその内径が拡幅されて形成されたフィルター室130と、フィルター室130
の下流側に設けられた下部供給路160とを有する。
【0027】
インク導入口110には、循環流路8(図1参照)の一部を構成する供給枝管62が接
続され、循環流路8からのインクが上部供給路120に供給される。さらに下部供給路1
60は、ヘッド本体100の共通流路であるマニホールド101に連通しており、下部供
給路160からインクがマニホールド101に供給される。
【0028】
これらの上部供給路120と下部供給路160との間に設けられたフィルター室130
には、フィルター131が設けられている。
【0029】
フィルター131は、フィルター孔132を有するシート状のものであればよく、例え
ば、金属を細かく編み込むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものや、金属板に
微細工を形成したものを用いることができる。フィルター131により、インク内の気泡
やゴミ等がフィルター131よりも下流側、すなわちマニホールド101に流入すること
が抑制されている。これにより、気泡等によるドット抜けや、インク中のゴミによるノズ
ル詰まり等の吐出不良が抑制される。
【0030】
また、流路部材170は、その上面に別の開口であるインク排出口150と、インク排
出口150に連通する回収路140とを備えている。回収路140は、マニホールド10
1に連通し、インク排出口150には、循環流路8(図1参照)の一部を構成する回収枝
管72が接続されている。回収路140には、ノズル21から吐出されなかったインクが
マニホールド101から流入し、インク排出口150を介して回収枝管72に排出される

【0031】
図3及び図4を用いて、ヘッド本体100を詳細に説明する。図3は、ヘッド本体の分
解斜視図であり、図4は、ヘッド本体の平面図及びそのA−A′断面図である。
【0032】
図示するように、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面に
は例えば二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10に
は、その他方面側から異方性エッチングすることにより、流路形成基板10には、複数の
隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12が第1方向(圧力発生室12の幅方向
(短手方向))に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向
一端部側には、インク供給路14と連通路15とが隔壁11によって区画されている。ま
た、連通路15の一端には、各圧力発生室12の共通のインク室(共通流路)となるマニ
ホールド101の一部を構成する連通部13が形成されている。本実施形態では、請求項
の個別流路は、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15から構成
されている。
【0033】
流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の
端部近傍に連通するノズル21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィル
ム等の接着剤層によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、ガラスセラミッ
クス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
【0034】
ノズル21は、第1方向に並設されており、並設された複数のノズル21からノズル列
21Aが構成されている。
【0035】
流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述した弾性膜50上に、例えば、酸化ジ
ルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜55が積層形成されている。また、絶縁体膜
55上には、圧力発生手段として、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とか
らなる圧電素子300が形成されている。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧
電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一
方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を圧力発生室12毎にパターニン
グして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層7
0から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部とい
う。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧
電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障は
ない。何れの場合においても、圧力発生室12毎に圧電体能動部が形成されていることに
なる。また、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板とし
て作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜5
5を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。
【0036】
そして、このような各圧電素子300の第2電極80には、例えば、金(Au)等から
なるリード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電素子300
に選択的に電圧が印加されるようになっている。
【0037】
流路形成基板10の圧電素子300側には、保護基板30が接着剤35を介して接合さ
れている。保護基板30には、連通部13に対向する領域にマニホールド部31が設けら
れており、このマニホールド部31は、上述したように、流路形成基板10の連通部13
と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室(共通流路)となるマニホールド101
を構成している。また、保護基板30の圧電素子保持部32とマニホールド部31との間
の領域には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、この貫通孔33
内に第1電極60の一部及びリード電極90の先端部が露出され、これらの先端部に導電
性ワイヤー121を介して圧電素子300を駆動するための駆動回路250が電気的に接
続されている。
【0038】
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス
、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一
材料、すなわち、表面の結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板を用いた。
【0039】
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40
が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってマニホールド
部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、
ステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のマニホールド101に対向
する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド1
01の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0040】
このコンプライアンス基板40には、第1開口44及び第2開口45(図2参照)が設
けられており、上述したように、第1開口44には下部供給路160(図2参照)が連通
し、第2開口45には回収路140(図2参照)が連通している。
【0041】
このような本実施形態のヘッド本体100では、インクタンク5(図1参照)から循環
流路8(供給枝管62)や流路部材170の下部供給路160等を介してマニホールド1
01にインクが供給され、インクはマニホールド101内を第1開口44から第2開口4
5側に向かい流通する。マニホールド101内のインクの一部は、個別流路である連通路
15、インク供給路14、圧力発生室12に流入する。そして、図示しない駆動回路から
の記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80と
の間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわ
み変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル21からインク滴が
吐出する。
【0042】
一方、圧力発生室12等の個別流路に流入しなかったインクは、第2開口45、流路部
材170の回収路140、循環流路8(回収枝管72)を介してインクタンク5に回収さ
れる。このように共通流路を含む流路全体でインクが流通しているので、インクに含まれ
る顔料などの成分が沈降することが防止されている。
【0043】
また、ヘッド1のマニホールド101では、個別流路(圧力発生室12等)に流入しな
いインクは、第1開口44から第2開口45に向かう方向に沿って流れる。以下、マニホ
ールド101においてインクの流れる方向を流通方向という。本実施形態では、流通方向
は、第1方向と平行としてある。
【0044】
図5を用いて循環流路について詳細に説明する。図5のハッチは循環流路やヘッドのマ
ニホールド101(共通流路)等に流通するインクを表し、矢印はインクの流れる方向(
流通方向)を表している。
【0045】
本実施形態に係るインクジェット式記録装置Iは、上述したように複数のヘッド1を有
しており、第2方向に並設された一対のヘッド1a、1bが、第1方向に4列並設されて
いる。
【0046】
循環流路8は、供給管6と回収管7とから構成されている。本実施形態では、4つのヘ
ッド1aに対して1つの循環流路8が設けられ、4つのヘッド1bに対して1つの循環流
路8が設けられている。
【0047】
供給管6は、インクタンク5に接続された一本の供給幹管61と、供給幹管61とヘッ
ド1のインク導入口110とを接続する供給枝管62とからなる。回収管7は、インクタ
ンク5に接続された一本の回収幹管71と、回収幹管71とインク排出口150とを接続
する回収枝管72とからなる。回収幹管71とインクタンク5との間にはポンプPが介設
されており、このポンプPによる負圧により、各ヘッド1のインクがヘッド1から回収管
7を経てインクタンク5へ回収され、インクがインクタンク5から供給管6を経てヘッド
1に供給されることでインクが循環する構成となっている。
【0048】
図6を用いて、マニホールド101のインクの流通方向と、吐出されるインクについて
詳細に説明する。
【0049】
図6(a)は、一対のヘッドのマニホールドを模式的に表した平面図であり、図6(b
)は、一対のヘッドのノズルを模式的に表した平面図であり、図6(c)は、一対のヘッ
ドのそれぞれから吐出されたインク滴を模式的に表した平面図であり、図6(d)は、一
対のヘッドから吐出されたインク滴を模式的に表した平面図である。
【0050】
図6(a)及び上述した図5に示すように、ヘッド1aは、マニホールド101でのイ
ンクの流通方向の上流側(第1開口44側)が第1方向の一端側(図6の左側)に位置し
、下流側(第2開口45側)が第1方向の他端側(図6の右側)に位置している。一方、
ヘッド1bは、マニホールド101でのインクの流通方向の上流側(第1開口44側)が
第1方向の他端側(図6の右側)に位置し、下流側(第2開口45側)が第1方向の一端
側(図6の左側)に位置している。
【0051】
このような配置のヘッド1a、ヘッド1bに循環流路8(図5参照)を接続することで
、ヘッド1aのマニホールド101でのインクの流通方向(図中の矢印A)は、第1方向
に沿って図6の左から右、ヘッド1bのマニホールド101でのインクの流通方向(図中
の矢印B)は、第1方向に沿って図6の右から左となり、互いに逆向きとなっている。
【0052】
このようなヘッド1a及びヘッド1bのマニホールド101には、圧力発生室12等の
個別流路(図3、図4参照)が第1方向に沿って複数設けられている。この各個別流路に
マニホールド101からインクが流入するため、マニホールド101の上流側(第1開口
44側)ほどインクの圧力は高く、下流側(第2開口45側)ほどインクの圧力が低い。
すなわち、上流側から下流側に向かい、インクの圧力勾配が生じている。
【0053】
ここで、図6(b)に示すように、本実施形態では、ヘッドユニットII(図1参照)
に保持されたヘッド1a及びヘッド1bの各ノズル列21Aは、同一ピッチとしてある。
すなわち、ヘッド1a、1bのそれぞれのノズル列21Aについて、左から数えてi番目
(ノズル列21Aのノズルの個数をNとし、iは1〜Nまでの整数)のノズル21は、第
1方向で同じ位置にある。各ヘッド1a及びヘッド1bの吐出タイミングを制御すること
で、ヘッド1aから吐出された各インク滴と、ヘッド1bから吐出された各インク滴とを
同一箇所に着弾させることが可能となっている。
【0054】
図6(c)に、ヘッド1a及びヘッド1bにより吐出されたインク滴を示す。インク滴
Ai(iは、1〜Nまでの整数)は、ヘッド1aの左から数えてi番目のノズル21から
吐出されたインク滴を表している。同様に、インク滴Bi(iは、1〜Nまでの整数)は
、ヘッド1aの左から数えてi番目のノズル21から吐出されたインク滴を表している。
【0055】
それぞれのヘッド1a及びヘッド1bにおいては、マニホールド101で生じたインク
の圧力勾配により、ヘッド1aが吐出したインク滴Aiは、上流側(図の左側)ほど大き
く、下流側(図の右側)ほど小さい。一方、ヘッド1bが吐出したインク滴Biは、上流
側(図の右側)ほど大きく、下流側(図の左側)ほど小さい。なお、同図では、インク滴
の大きさの差を分かりやすくするために、敢えて差を顕著に表現してあり、実際には図中
のインク滴ほどの差はない。
【0056】
仮に、ヘッド1a又はヘッド1bの単独で記録シートSにインクを吐出したとすると、
このようなインク滴の大きさの差は、上流側に対向した領域ではインクが濃く、下流側に
対向した領域ではインクが薄くなった濃度勾配として現れる。
【0057】
図6(d)に示すように、このような構成のヘッド1a及びヘッド1bがインクを吐出
すると、インク滴Aiとインク滴Biとが一つのインク滴Ciが形成される。
【0058】
このように形成された各インク滴Ciは、大きさや形状が揃ったインク滴となっている
。例えば、ヘッド1aのインク滴A1は、マニホールド101の上流側であるので、比較
的大きな形状である。これに対応するヘッド1bのインク滴B1は、マニホールド101
の下流側であるので、比較的小さな形状である。次のインク滴A2は、インク滴A1より
も若干小さくなり、その分、インク滴B2がインク滴B1よりも若干大きくなる。以降、
同様に、インク滴Aiが小さくなる一方で、インク滴Biが大きくなる。このように、イ
ンク滴Aiの大きさの減小に対応して、インク滴Biの大きさが増大するので、インク滴
Aiとインク滴Biとから合成された各インク滴Ciは均等な形状となる。
【0059】
以上に説明したように、本実施形態に係るインクジェット式記録装置Iでは、一対のヘ
ッド1aとヘッド1bのマニホールド101におけるインクの流通方向を互いに逆向きと
した。これにより、一方のヘッド1aから吐出されるインクの濃度勾配と、他方のヘッド
1bから吐出されるインクの濃度勾配とが逆向きとなり、ヘッド1a及びヘッド1bの一
対で吐出されたインク全体では、均等な濃度となる。このようにして、本実施形態に係る
インクジェット式記録装置Iでは、循環流路8により、インクを循環させるとともに、イ
ンクの濃度ムラを防止して高品質な印刷を行うことができる。
【0060】
また、上述した例では、ヘッド1a及びヘッド1bの各ノズル列21Aを同一ピッチと
したが、このような態様に限定されない。
【0061】
図7(a)は、変形例に係る一対のヘッドのマニホールドを模式的に表した平面図であ
り、図7(b)は、変形例に係る一対のヘッドのノズルの模式的に表した平面図であり、
図7(c)は、変形例に係る一対のヘッドから吐出されたインク滴を模式的に表した平面
図である。図6に示したものと同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0062】
図7(b)に示すように、変形例に係るヘッドユニットII(図1参照)に保持された
ヘッド1a及びヘッド1bの各ノズル列21Aは、半ピッチずれている。すなわち、ヘッ
ド1aのi番目とi+1番目のノズル21の間に、ヘッド1bのi番目のノズル21が配
置されている(ヘッド1bのN番目のノズル21は、ヘッド1aのN番目よりも外側に配
置されている)。
【0063】
図7(c)に示すように、このような構成のヘッド1a及びヘッド1bがインクを吐出
すると、インク滴Aiとインク滴Biとが交互に現れる。この場合においても、一方のヘ
ッド1aから吐出されるインクの濃度勾配と、他方のヘッド1bから吐出されるインクの
濃度勾配とが逆向きとなるので、インク滴Aiとインク滴Biとの一組が占める面積は、
各組でほぼ均等に揃う。これにより、ヘッド1a及びヘッド1bの一対で吐出されたイン
ク全体では、均等な濃度となる。このようにして、ノズル列21Aを半ピッチずらしたイ
ンクジェット式記録装置Iでは、循環流路8により、インクを循環させるとともに、イン
クの濃度ムラを防止して高品質で高密度な印刷を行うことができる。
【0064】
〈実施形態2〉
本実施形態では、循環流路8の態様について例示する。図8〜図10は、実施形態2に
係る循環流路の構成を示す模式図である。
【0065】
図8(a)に示すように、実施形態1と同様に、ヘッド1aの第1開口44と第2開口
45と、ヘッド1bの第1開口44と第2開口45とが、互いに逆になるように配置され
ている。また、供給管6は、インクタンク5からヘッド1aの第1開口44に接続し、回
収管7は、ヘッド1bの第2開口45からインクタンク5に接続されている。さらに、ヘ
ッド1aの第2開口45からヘッド1bの第1開口44に、接続管9が接続されている。
この接続管9は、供給管6と回収管7の機能を兼ねるものであり、ヘッド1aの第2開口
45から回収されたインクをヘッド1bの第1開口44に供給する。このような供給管6
、回収管7及び接続管9とから循環流路8が構成されている。
【0066】
図8(b)は、一対のヘッド1aとヘッド1bとを複数(同図の例では2つ)有し、各
対について1つの循環流路8を設けたものである。すなわち、図8(a)の循環流路8と
一対のヘッド1a及びヘッド1bの構成を複数有するものである。
【0067】
図8(a)及び図8(b)の何れの態様についても、一対のヘッド1aとヘッド1bに
ついて1つの循環流路8が設けられ、この循環流路8は、ヘッド1aからヘッド1bに直
列的にインクを供給及び回収する構成となっている。
【0068】
図8(a)及び図8(b)の何れの態様においても、一対のヘッド1aとヘッド1bに
おけるインクの流通方向A、流通方向Bとが逆向きであるので、圧力勾配による濃度勾配
が防止された高品質な印刷を行うことができる。また、一対のヘッド1aとヘッド1bに
ついて1つの循環流路8が設けられているので、他の一対のヘッド1a及びヘッド1bで
生じ得る圧力損失に影響されない。
【0069】
図8(c)は、一対のヘッド1aとヘッド1bとを複数(同図の例では2つ)有し、こ
れらについて1つの循環流路を設けたものである。具体的には、インクタンク5から一つ
のヘッド1aの第1開口44に供給管6を接続し、一つのヘッド1bの第2開口45から
インクタンク5に回収管7を接続する。残りの第1開口44と第2開口45とを接続管9
で接続することで循環流路8を構成する。
【0070】
この態様では、全ての一対のヘッド1aとヘッド1bについて1つの循環流路8が設け
られ、この循環流路8は、ヘッド1aからヘッド1bに直列的にインクを供給及び回収す
る構成となっている。また、一対のヘッド1aとヘッド1bにおけるインクの流通方向A
、流通方向Bとが逆向きであるので、圧力勾配による濃度勾配が防止された高品質な印刷
を行うことができる。さらに、全ての一対のヘッド1aとヘッド1bについて1つの循環
流路8が設けられているので、ポンプPなど循環流路8を構成する部材数を削減すること
ができる。
【0071】
図9(a)に示すように、実施形態1と同様に、ヘッド1aの第1開口44と第2開口
45と、ヘッド1bの第1開口44と第2開口45とが、互いに逆になるように配置され
ている。また、供給管6を構成する供給枝管62が、インクタンク5からヘッド1a及び
ヘッド1bの第1開口44に接続している。同様に、回収管7を構成する回収枝管72は
、ヘッド1a及びヘッド1bの第2開口45からインクタンク5に接続されている。
【0072】
図9(b)には、一対のヘッド1aとヘッド1bとを複数(同図の例では2つ)有し、
各対について図9(a)に示した構成の循環流路8を設けたインクジェット式記録装置が
示されている。すなわち、図9(a)の循環流路8と一対のヘッド1a及びヘッド1bの
構成を複数有するものである。
【0073】
図9(a)及び図9(b)の何れの態様のインクジェット式記録装置についても、一対
のヘッド1aとヘッド1bについて1つの循環流路8が設けられ、この循環流路8は、ヘ
ッド1aからヘッド1bに並列的にインクを供給及び回収する構成となっている。
【0074】
図9(a)及び図9(b)の何れの態様のインクジェット式記録装置においても、一対
のヘッド1aとヘッド1bにおけるインクの流通方向A、流通方向Bとが逆向きであるの
で、圧力勾配による濃度勾配が防止された高品質な印刷を行うことができる。また、一対
のヘッド1aとヘッド1bについて1つの循環流路8が設けられているので、他の一対の
ヘッド1a及びヘッド1bで生じ得る圧力損失に影響されない。
【0075】
図9(c)には、一対のヘッド1aとヘッド1bとを複数(同図の例では2つ)有し、
これらについて1つの循環流路を設けたインクジェット式記録装置が示されている。具体
的には、供給管6を構成する供給枝管62がインクタンク5から各ヘッド1aの第1開口
44に接続している。同様に、回収管7を構成する回収枝管72が各ヘッド1bの第2開
口45からインクタンク5に接続している。
【0076】
この態様では、全ての一対のヘッド1aとヘッド1bについて1つの循環流路8が設け
られ、この循環流路8は、各ヘッド1aに並列的にインクを供給し、各ヘッド1bから並
列的にインクを回収する構成となっている。また、一対のヘッド1aとヘッド1bにおけ
るインクの流通方向A、流通方向Bとが逆向きであるので、圧力勾配による濃度勾配が防
止された高品質な印刷を行うことができる。さらに、全ての一対のヘッド1aとヘッド1
bについて1つの循環流路8が設けられているので、ポンプPなど循環流路8の構成する
部材数を削減することができる。
【0077】
また、図10に示すように、一対のヘッド1a及び1bを複数(図では2つ)有し、各
ヘッド1aについて1つの循環流路8、各ヘッド1bについて1つの循環流路8を設けて
もよい。すなわち、マニホールド101における流通方向が同じ方向であるヘッド1aに
ついて1つの循環流路8を設け、同様に、マニホールド101における流通方向が同じ方
向であるヘッド1bについて1つの循環流路8を設けた。
【0078】
各対のヘッド1aとヘッド1bは、実施形態1と同様に、ヘッド1aの第1開口44と
第2開口45と、ヘッド1bの第1開口44と第2開口45とが、互いに逆になるように
配置されている。
【0079】
2つのヘッド1aについては、供給管6は、インクタンク5から一方のヘッド1aの第
1開口44に接続している。また、回収管7は、他方のヘッド1aの第2開口45からイ
ンクタンク5に接続されている。さらに、一方のヘッド1aの第2開口45から他方のヘ
ッド1aの第1開口44に接続管9が接続されている。
【0080】
2つのヘッド1bについても、同様である。すなわち、供給管6は、インクタンク5か
ら一方のヘッド1bの第1開口44に接続している。また、回収管7は、他方のヘッド1
bの第2開口45からインクタンク5に接続されている。さらに、一方のヘッド1bの第
2開口45から他方のヘッド1bの第1開口44に接続管9が接続されている。
【0081】
このように、一方の循環流路8は各ヘッド1a同士に、他方の循環流路8は各ヘッド1
b同士に、直列的にインクを供給及び回収する構成となっている。ちなみに、実施形態1
の図5に示した2つの循環流路8は、それぞれ各ヘッド1a同士、各ヘッド1b同士に並
列的にインクを供給及び回収する構成となっている。
【0082】
本態様の態様においても、一対のヘッド1aとヘッド1bにおけるインクの流通方向A
、流通方向Bとが逆向きであるので、圧力勾配による濃度勾配が防止された高品質な印刷
を行うことができる。また、ヘッド1aとヘッド1bのそれぞれについて1つの循環流路
8が設けられているので、ヘッド1a及びヘッド1bで生じ得る圧力損失が他方のヘッド
1b及びヘッド1aに影響を及ぼすことを防止できる。
【0083】
〈他の実施形態〉
上述した実施形態では、第2方向にヘッド1が2つ並設されていたが、このような態様
に限らない。少なくとも2つ以上のヘッド1が並設されていればよい。偶数個のヘッド1
が第2方向に並設される場合は、任意の2つが一対のヘッド1a、ヘッド1bとなる。並
設された一対のヘッド1aとヘッド1bとは、隣接していてもよいし、他のヘッドを挟ん
で離れていてもよい。また、奇数個のヘッド1が第2方向に並設される場合は、第2方向
に並設された偶数個のヘッド1間で、インクの流通方向を逆向きにする。これにより、そ
の偶数個のヘッド1において濃度勾配が解消されるので、残った1つのヘッド1による濃
度勾配の影響を小さくすることができる。
【0084】
また、インクタンク5に、貯留されているインクを加熱するための加熱手段を設けても
よい。インクを加熱することにより、インクの粘度が低下し、インクを良好に循環させる
ことができる。
【0085】
さらに、圧力発生手段として、第1電極60、圧電材料からなる圧電体層70及び第2
電極80を成膜及びリソグラフィー法によって形成した薄膜型の圧電素子300を用いた
が、これに限定されない。
【0086】
例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の
圧電素子であってもよい。また、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて積層方向
の一端部を振動板に当接させる横振動型の圧電素子を用いるようにしてもよい。さらに、
グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子を使用することも
できる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発
熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間
に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出
させるものなども使用することができる。
【0087】
また、上述した実施形態では、各ヘッドが固定されたライン式のインクジェット式記録
装置を示したが、いわゆるシリアル式のインクジェット式記録装置に用いることも可能で
ある。なお、シリアル式のインクジェット式記録装置とは、液体噴射ヘッドを被記録媒体
の搬送方向とは交差する方向に移動させながら印刷を行うものをいう。また、上述した実
施形態では、8つのヘッドを有するものを示したが、この数は限定されず、例えば一つの
ヘッドを有するものでもよい。
【0088】
さらに、上述の実施形態では、インク滴を吐出するヘッド1を例示して本発明を説明し
たが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとし
ては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ
等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FE
D(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオch
ip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0089】
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 II ヘッドユニット、 1、1
a、1b ヘッド(液体噴射ヘッド)、 5 インクタンク、 6 供給管、 7 回収
管、 8 循環流路、 9 接続管、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、
21 ノズル、 21A ノズル列、 44 第1開口、 45 第2開口、 61 供
給幹管、 62 供給枝管、 71 回収幹管、 72 回収枝管、 100 ヘッド本
体、 101 マニホールド(共通流路)、 170 流路部材、 300 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するノズルが第1方向に列設されたノズル列、該ノズルに連通する圧力発生
室を有する個別流路、該個別流路に連通する共通流路、該圧力発生室に圧力変化を生じさ
せる圧力発生手段を有する液体噴射ヘッドと、
前記共通流路に外部からの液体を供給する供給路及び前記共通流路から液体を外部に回
収する回収路を含む循環流路とを備え、
前記液体噴射ヘッドの共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように、第1方
向に対して交差する第2方向に前記液体噴射ヘッドを並設した
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射装置において、
前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液体噴射ヘ
ッドは、各ノズルの第1方向の位置が揃えられている
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1に記載する液体噴射装置において、
前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液体噴射ヘ
ッドは、一方の液体噴射ヘッドの第1方向における各ノズルが他方の前記第2液体噴射ヘ
ッドの第1方向における各ノズルの間に位置している
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射装置において、
前記共通流路における液体の流通方向が逆向きとなるように並設された前記液体噴射ヘ
ッドごとに前記循環流路が設けられている
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射装置において、
複数の液体噴射ヘッドに共通して前記循環流路が設けられている
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射装置において、
前記液体噴射ヘッドを複数有し、
前記共通流路における液体の流通方向が同じ向きである液体噴射ヘッドごとに前記循環
流路が設けられている
ことを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−910(P2013−910A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130989(P2011−130989)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】