説明

液体噴霧バーナ及びその残留燃料除去方法

【課題】環境負荷が低く、また、残留液体燃料を回収することもできる液体噴霧バーナ及びその残留燃料除去方法を提供する。
【解決手段】燃料供給ライン24に接続された燃料除去ライン37と、燃料除去ライン37に設けられた燃料除去弁38とを備える。そして、燃焼運転の停止時にファン27による燃料ノズル21の先端側への気体の供給を実施することにより、燃料ノズル21の先端側を昇圧し、且つ、燃料除去弁が開けることにより、燃料ノズル内の残留液体燃料39が、燃料ノズルの先端側の圧力と燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で燃料ノズル内から除去され燃料除去ライン及び燃料除去弁を介して排出(第1燃料除去)される構成とする。更には、第1燃料除去の後にも、ファンによる燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、燃料ノズル内で気化した燃料を燃料流出孔31から吸い出す(第2燃料除去)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体噴霧バーナ及びその残留燃料除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーナの一種として液体噴霧バーナが知られている。この液体噴霧バーナは二流体噴霧バーナとも称されるものであり、燃料ノズル、気体ノズル、燃焼炉、燃料供給手段、燃料供給ライン、気体供給手段及び気体供給ラインを備えており、燃焼運転時には前記燃料供給手段により前記燃料供給ラインを介して前記燃料ノズルに液体燃料を供給し、且つ、前記気体供給手段により前記気体供給ラインを介して前記気体ノズルに気体を供給することにより、前記燃料ノズルの先端の燃料流出孔から流出する前記液体燃料を、前記気体ノズルから前記燃料ノズルの先端側に供給される前記気体で霧化して前記燃焼炉内で燃焼させる構成となっている。
【0003】
この液体噴霧バーナでは前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給が停止されて前記燃焼運転が停止された後、前記燃焼炉からの輻射熱伝達や熱伝導によって前記燃料ノズルの温度が300℃以上に上昇する(図4参照)。このため、前記燃焼運転の停止時に前記燃料ノズル内に残留している液体燃料(灯油などの油)も前記燃料ノズルとともに温度が上昇して熱分解を起こし、粘度の高いタールに変性する。従って、このタールが前記燃料ノズルの燃料流出孔や前記気体ノズルの噴霧孔で発生もしくは、前記燃料ノズルの燃料流出孔や前記気体ノズルの噴霧孔に詰まると、それ以後の液体噴霧バーナの燃焼性が悪化してしまう。
【0004】
このため、前記燃焼運転を停止する際には前記燃料ノズル内に残留する液体燃料を除去する必要がある。この残留液体燃料の除去に関する従来技術としては、例えば下記の特許文献1,2に開示されたものがある。図9には特許文献1に開示された従来の液体噴霧バーナの構成を示し、図10には特許文献2に開示された従来の液体噴霧バーナの構成を示す。
【0005】
図9に示す従来の液体噴霧バーナでは、分岐切換弁4が設けられた噴霧媒体分岐管1を介して噴霧媒体供給管2と重油供給管3とが接続されており、燃焼運転の停止時に分岐切換弁4が開けられることにより、噴霧媒体分岐管1を介して噴霧媒体(蒸気)が重油供給管3に流されるため、バーナ本体1の重油供給流路などに残留している重油が除去される。
【0006】
同様に図10に示す従来の液体噴霧バーナでは、パージ弁11が設けられた第2蒸気系統12を介して第1蒸気系統13とバーナ油筒14とが接続されており、燃焼運転の停止時にパージ弁11が開けられることにより、第2蒸気系統12を介して蒸気がバーナ油筒14に流されるため、バーナ油筒14などに残留している燃料油が除去される。
【0007】
【特許文献1】特開平8−35644号公報
【特許文献2】特開2005−134072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の液体噴霧バーナでは、燃焼運転停止時に除去された重油などの液体燃料が燃焼炉に排出されてしまう。このため、液体燃料が捨てられて無駄になる。また、燃焼運転を再開したときには液体燃料の未燃分が燃焼排ガス中に混ざって排出されしまうことになるため、環境負荷が高い。
【0009】
従って本発明は上記の事情に鑑み、環境負荷が低く、また、残留液体燃料を回収することもできる液体噴霧バーナ及びその残留燃料除去方法を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する第1発明の液体噴霧バーナは、燃料ノズル、気体ノズル、燃焼炉、燃料供給手段、燃料供給ライン、気体供給手段及び気体供給ラインを備えており、燃焼運転時には前記燃料供給手段により前記燃料供給ラインを介して前記燃料ノズルに液体燃料を供給し、且つ、前記気体供給手段により前記気体供給ラインを介して前記気体ノズルに気体を供給することにより、前記燃料ノズルの先端の燃料流出孔から流出する前記液体燃料を、前記気体ノズルから前記燃料ノズルの先端側に供給される前記気体で霧化して前記燃焼炉内で燃焼させる構成の液体噴霧バーナにおいて、前記燃料供給ラインに接続された燃料除去ラインと、前記燃料除去ラインに設けられた燃料除去弁とを備えており、前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給が停止されて前記燃焼運転が停止されたときに前記燃料除去弁が開けられて、前記燃料ノズル内の残留液体燃料が、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記燃料除去弁を開けることにより、前記燃料ノズル内の残留液体燃料が、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0011】
また、第2発明の液体噴霧バーナは、第1発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、前記燃料ノズルの先端側が昇圧される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施させることにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧するように制御する制御手段を備えてもよい。
【0012】
また、第3発明の液体噴霧バーナは、第2発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施させることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0013】
また、第4発明の液体噴霧バーナは、第2発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられて前記燃料ノズルの上方に位置する気化燃料逃し弁とを備えており、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁を開けることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0014】
また、第5発明の液体噴霧バーナは、第1発明の液体噴霧バーナにおいて、他の気体供給ラインを介して前記燃焼炉内に他の気体を供給可能な他の気体供給手段を備えており、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施させ、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給を実施させることにより、前記燃料ノズルの先端側が昇圧されるようにする構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施させ、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給を実施させることにより、前記燃料ノズルの先端側が昇圧されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0015】
また、第6発明の液体噴霧バーナは、第5発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とが実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施させることにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とを実施させることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0016】
また、第7発明の液体噴霧バーナは、第5発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とを備えており、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁を開けることより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0017】
また、第8発明の液体噴霧バーナは、第1発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃料除去ラインの燃料排出側の空間部の気体を吸引可能な吸引手段を備えており、前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側が減圧される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施させることにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側が減圧されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0018】
また、第9発明の液体噴霧バーナは、第8発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施させることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0019】
また、第10発明の液体噴霧バーナは、第8発明の液体噴霧バーナにおいて、前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とを備えており、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする。
なお、この場合、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁を開けることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出されるように制御する制御手段を備えてもよい。
【0020】
また、第11発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、燃料ノズル、気体ノズル、燃焼炉、燃料供給手段、燃料供給ライン、気体供給手段及び気体供給ラインを備えており、燃焼運転時には前記燃料供給手段により前記燃料供給ラインを介して前記燃料ノズルに液体燃料を供給し、且つ、前記気体供給手段により前記気体供給ラインを介して前記気体ノズルに気体を供給することにより、前記燃料ノズルの先端の燃料流出孔から流出する前記液体燃料を、前記気体ノズルから前記燃料ノズルの先端側に供給される前記気体で霧化して前記燃焼炉内で燃焼させる構成の液体噴霧バーナに対する残留燃料除去方法であって、前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給を停止して前記燃焼運転を停止したときに前記燃料除去弁を開けて、前記燃料ノズル内の残留液体燃料を、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去して前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする。
【0021】
また、第12発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第11発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴とする。
【0022】
また、第13発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第12発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする。
【0023】
また、第14発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第12発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられて前記燃料ノズルの上方に位置する気化燃料逃し弁とが備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする。
【0024】
また、第15発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第1発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記液体噴霧バーナは他の気体供給ラインを介して前記燃焼炉内に他の気体を供給可能な他の気体供給手段が備えられており、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施し、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴とする。
【0025】
また、第16発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第15発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とを実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする。
【0026】
また、第17発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第15発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが、前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とが備えられており、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする。
【0027】
また、第18発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第11発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記液体噴霧バーナは前記燃料除去ラインの燃料排出側の空間部の気体を吸引可能な吸引手段が備えられており、前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側を減圧することを特徴とする。
【0028】
また、第19発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第18発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする。
【0029】
また、第20発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法は、第18発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが、前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とが備えられており、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
第1発明の液体噴霧バーナ又は第11発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給を停止して前記燃焼運転を停止したときに前記燃料除去弁を開けて、前記燃料ノズル内の残留液体燃料を、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去して前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴としているため、残留燃料のタール化によって燃料ノズルの燃料流出孔などが閉塞されるのを防止することができ、しかも、燃料ノズル内の残留液体燃料が燃焼炉内へ排出されるのを防止することができる。このため、燃焼運転を再開したときに燃焼排ガスがクリーンになり、環境負荷の低い液体噴霧バーナを実現することができる。また、燃料除去ラインを介して除去した残留液体燃料は、燃料タンクに回収することも可能である。
【0031】
また、第2発明の液体噴霧バーナ又は第12発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴としているため、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル内の残留液体燃料の除去を確実に行うことができる。
【0032】
また、第3発明の液体噴霧バーナ又は第13発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去(第1燃料除去)した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す(第2燃料除去)、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出(第2燃料除去)することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内の残留液体燃料を完全に除去することができる。
【0033】
また、第4発明の液体噴霧バーナ又は第14発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去(第1燃料除去)した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出(第2燃料除去)することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内から残留液体燃料を完全に除去することができ、しかも、気体を供給することなく単に気化燃料逃し弁を開けるだけで第2燃料除去を行うことができるため、電力消費量の低減を図ることもできる。更には気化燃料逃し弁を常時(非通電時)開の電磁弁とすれば、停電時にも残留燃料のタール化による燃料ノズルの燃料流出孔などの閉塞防止に対応することができる。
【0034】
また、第5発明の液体噴霧バーナ又は第15発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施し、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴としているため、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル内の残留液体燃料の除去を確実に行うことができる。
【0035】
また、第6発明の液体噴霧バーナ又は第16発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去(第1燃料除去)した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とを実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す(第2燃料除去)、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出する(第2燃料除去)ことを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内の残留液体燃料を完全に除去することができる。
【0036】
また、第7発明の液体噴霧バーナ又は第17発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内から残留液体燃料を完全に除去することができ、しかも、気体を供給することなく単に気化燃料逃し弁を開けるだけで第2燃料除去を行うことができるため、電力消費量の低減を図ることもできる。更には気化燃料逃し弁を常時(非通電時)開の電磁弁とすれば、停電時にも残留燃料のタール化による燃料ノズルの燃料流出孔などの閉塞防止に対応することができる。
【0037】
また、第8発明の液体噴霧バーナ又は第18発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側を減圧することを特徴としているため、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル内の残留液体燃料の除去を確実に行うことができる。
【0038】
また、第9発明の液体噴霧バーナ又は第19発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去(第1燃料除去)した後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出(第2燃料除去)することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内の残留液体燃料を完全に除去することができる。
【0039】
また、第10発明の液体噴霧バーナ又は第20発明の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法によれば、前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去(第1燃料除去)した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出(第2燃料除去)することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内から残留液体燃料を完全に除去することができ、しかも、気体を供給することなく単に気化燃料逃し弁を開けるだけで第2燃料除去を行うことができるため、電力消費量の低減を図ることもできる。更には気化燃料逃し弁を常時(非通電時)開の電磁弁とすれば、停電時にも残留燃料のタール化による燃料ノズルの燃料流出孔などの閉塞防止に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態例の液体噴霧バーナは例えば燃料電池の改質ガスを生成する改質装置のバーナ(熱源)として適用される。
【0041】
<実施の形態例1>
図1〜図3は本発明の実施の形態例1に係る液体噴霧バーナの構成図である。図1には燃焼運転時の状態を示し、図2には燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時の状態を示し、図3には燃焼運転を停止した際の第2燃料除去時の状態を示している。なお、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面図である。また、図4は燃焼運転停止後の燃焼炉及び燃料ノズルの温度変化を示す図である。
【0042】
図1に示すように、本実施の形態例1の液体噴霧バーナは、内部混合式のバーナ本体を構成している燃料ノズル21及び気体ノズル(噴霧ノズル)22と、燃焼炉23と、燃料供給手段としての燃料ポンプ25及び燃料タンク26と、燃料供給ライン(配管)24と、気体供給手段としてのファン27と、気体供給ライン(配管)28とを備えている。また、本液体噴霧バーナには燃焼用空気供給ライン(配管)29及び燃焼用空気ファン30や、制御手段としての制御装置36なども装備されている。
【0043】
燃料ノズル21と気体ノズル22は円筒状のものであり、横断面が同心円状になっている。内側の燃料ノズル21は先端(下端)に燃料流出孔31が形成されており、この燃料流出孔31から液体燃料が流出するようになっている。本実施の形態例では液体燃料として灯油を用いているが、これに限らず、例えば軽油や重油などを用いることもできる。外側の気体ノズル22は先端(下端)に噴霧孔32が形成されている。バーナ本体は燃料流出孔31や噴霧孔32が鉛直下方に向けられた状態で配置されている。噴霧孔32は燃料流出孔31に比べて小さく、燃料流出孔31の下方に位置している。燃料ノズル21の外周と気体ノズル22の内周との間は気体流路33となっており、燃料流出孔31と噴霧孔32の間は内部の混合部34となっている。燃焼炉23は円筒状のものであり、気体ノズル22の先端部(下端部)に接続されている。
【0044】
燃料供給ライン24は先端側が燃料ノズル21の基端(上端)に接続される一方、基端側が燃料ポンプ25の吐出側に接続されている。燃料ポンプ25の吸込み側に接続された吸込みライン(配管)35は、燃料タンク26内に挿入されている。気体供給ライン28は先端側が気体ノズル22に接続される一方、基端側がファン27の吐出側に接続されている。また、燃焼用空気供給ライン29は先端側が燃焼炉23に接続される一方、基端側が燃焼用空気ファン30の吐出側に接続されている。
【0045】
そして、本実施の形態例1の液体噴霧バーナには、更に燃料除去ライン(配管)37と、この燃料除去ライン37に設けられた燃料除去弁38とが装備されている。燃料除去弁38は常時(非通電時)閉、通電時開となる電磁弁である。燃料除去ライン37は基端側が燃料供給ライン24に接続される一方、先端側が燃料タンク26内の上部空間部に位置しており、燃料ポンプ25をバイパスしている。
【0046】
制御装置36では燃料ポンプ25及びファン27,30の運転・停止制御や、燃料除去弁38の開閉制御などを行なう。燃焼運転の際には、燃料ポンプ25及びファン27,30は運転状態とする一方、燃料除去弁38は閉状態とするように制御する。そして、燃焼運転を停止する際には、燃料ポンプ25及び燃焼用空気ファン30は停止状態とする一方、燃料除去弁38は開状態とし、且つ、ファン27は運転状態とすることによって第1燃料除去と第2燃料除去とを行なうように制御する。
【0047】
詳述すると、燃焼運転時には図1(図1中の矢印は燃焼運転時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料ポンプ25を運転させることにより、燃料タンク26内に貯留されている液体燃料(灯油)を、燃料ポンプ25により燃料供給ライン24を介して燃料ノズル21内へ供給する。また、ファン27を運転させることにより、霧化用気体としての空気を、ファン27により気体供給ライン28を介して気体ノズル22内へ供給する。更には燃焼用空気ファン30を運転させることにより、燃焼用の空気を、燃焼用空気ファン30により燃焼用空気供給ライン29を介して燃焼炉23内へ供給する。なお、霧化用の気体としては空気に限定するものではなく、水蒸気などでもよい。
【0048】
燃料ノズル21に供給された液体燃料は燃料流出孔31から混合部34へ流出し、気体ノズル22の気体流路33を流通して混合部34に流入する霧化用の気体と混合部34で混合されることにより、気体ノズル22の噴霧孔32から霧化された状態で燃焼炉23内に噴射される。そして、この噴霧された液体燃料を、図示しない点火プラグで点火することにより、燃焼炉23内で燃焼させる。
【0049】
一方、燃焼運転の停止する際には図2(図2中の矢印は第1燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料ポンプ25による液体燃料の供給と、燃焼用空気ファン30による空気の供給は停止させる。その結果、図4に示すように液体燃料が供給されているときには当該液体燃料(例えば50℃)によって冷やされていた燃料ノズル21の温度が、例えば1000℃の高温状態から徐々に温度低下する燃焼炉23からの輻射熱伝達や熱伝導によって上昇し、この燃料ノズル21の温度上昇とともに燃料ノズル21内の残留液体燃料(灯油)39の温度も上昇する。その結果、残留液体燃料(灯油)39は150℃で気化を開始して250℃で気化が完了し、更に300℃以上になると熱分解を起こして粘度の高いタールに変性してしまう。
【0050】
従って、このような残留液体燃料39のタール化を防止するために先ずは第1燃料除去を行なう。即ち、燃料除去弁38は開ける。また、ファン27は燃焼運転時に引き続いて運転状態とする(これに限定するものではなく、一旦停止してから再起動してもよい)。
【0051】
その結果、ファン27による燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)への気体の供給により、燃料ノズル21の先端側の圧力Pinが昇圧される。このため、燃料ポンプ25の停止後に燃料ノズル21内に残留している液体燃料39が、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(図示例では燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル21内から除去されて燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出される。かくして第1燃料除去が実施され、ほとんどの残留液体燃料39が燃料ノズル21内から除去される。
【0052】
なお、この第1燃料除去時のPinとPoutの関係(圧力差)は、例えば下式を満たすように設定すればよい。下式において、ρ1は液体燃料の密度、Lは燃料ノズルと燃料ノズルから燃料ノズルに接続されている配管(燃料除去ライン37)の最高点までの長さ(例えば0.5m)、gは重力加速度、θは鉛直下向き方向に対する燃料ノズル21の角度(図示例では0°)、σは液体燃料の表面張力である。また、静圧は燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31)に作用する静圧、動圧はファン27によって供給される気体の流れによって燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31)に作用する動圧、dは燃料ノズル21の内径(例えば0.001m)、ρ2は気体の密度、Vは燃料ノズル先端液面に対して鉛直方向の気体の速度(例えば50m/s)である。
Pin>(ρ1Lg)COSθ+σ/d+Pout
Pin=静圧+動圧
動圧=ρ2V2/2
【0053】
なお、燃焼炉内の圧力が比較的高い場合や燃料ノズルの向きなどに条件によっては、気体の供給によって燃料ノズルの先端側の圧力を昇圧しなくても、燃料ノズルの先端側の圧力と燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差によって燃料ノズル内の残留液体燃料を除去することができる場合もある。
【0054】
次に、第2燃料除去を行なう。上記の第1燃料除去で大半の残留液体燃料39は除去されるが、図3((図3中の矢印は第2燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように多少の残留液体燃料39は例えば燃料ノズル21の内面に付着した状態で残る。この残留液体燃料39は図4に示すような温度上昇により、沸騰して気化する。そこで、第1燃料除去に引き続いて第2燃料除去も行なう。
【0055】
即ち、燃料除去弁38は閉じる一方、ファン27による燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)への気体の供給は引き続いて実施する。その結果、燃料ノズル21内で気化した燃料が、前記気体により燃料流出孔31から吸い出される。この吸い出された気化燃料は気体ノズル22の噴霧孔32を介して気体とともに燃焼炉23内に排出される。かくして第2燃料除去が実施され、残留液体燃料39が燃料ノズル21内から完全に除去される。なお、燃焼運転停止時において燃料除去弁38を開閉する具体的なタイミングなどは、燃料除去に要する時間などを試験などで求めて適宜設定すればよい。
【0056】
また、第2燃料除去の際に燃料除去弁38は必ずしも閉める必要はなく、開けておいてもよい。燃料除去弁38を開けておいた場合には、燃料ノズル21内で気化した燃料が、燃料ノズル21の先端側の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Poutとの圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出されることになる。
【0057】
また、第1燃料除去や第2燃料除去で除去された燃料は、必ずしも燃料タンク26に回収する場合に限定するものではなく、図2中に一点鎖線で示すように燃料除去ライン37の先端側を廃油タンクなどの廃棄部に設けて、当該廃棄部に廃棄するようにしてもよい。
【0058】
以上のように、本実施の形態例1の液体噴霧バーナによれば、燃料供給ライン24に接続された燃料除去ライン37と、燃料除去ライン37に設けられた燃料除去弁38とを備えており、燃料ポンプ25による液体燃料の供給が停止されて燃焼運転が停止されたときに燃料除去弁38が開けられて、燃料ノズル21内の残留液体燃料39が、燃料ノズル21の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して排出される構成としたことを特徴としているため、残留燃料のタール化によって燃料ノズル21の燃料流出孔31などが閉塞されるのを防止することができ、しかも、燃料ノズル21内の残留液体燃料39が燃焼炉23内へ排出されるのを防止することができる。このため、燃焼運転を再開したときに燃焼排ガスがクリーンになり、環境負荷の低い液体噴霧バーナを実現することができる。また、燃料除去ライン37を介して除去した残留液体燃料39は、燃料タンク26に回収されるため、燃料の無駄がない。
【0059】
そして、特に本実施の形態例1の液体噴霧バーナでは、燃焼運転の停止時にファン27による燃料ノズル21の先端側への気体の供給を実施することにより、燃料ノズル21の先端側を昇圧することを特徴としているため、燃料ノズル21の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル21内の残留液体燃料39の除去を確実に行うことができる。
【0060】
また、本実施の形態例1の液体噴霧バーナによれば、燃焼運転の停止時に前記圧力差で燃料ノズル21から残留液体燃料39を除去(第1燃料除去)した後にも、ファン27による燃料ノズル21の先端側への気体の供給を実施することにより、燃料ノズル21内で気化した燃料を、燃料除去弁38を閉じた状態で前記気体により燃料流出孔31から吸い出す(第2燃料除去)、又は、前記圧力差で燃料ノズル21内から除去し燃料除去ライン37及び燃料除去弁38(開状態)を介して排出(第2燃料除去)することを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル21内の残留液体燃料39を完全に除去することができる。
【0061】
<実施の形態例2>
図5は本発明の実施の形態例2に係る液体噴霧バーナの構成図である。図5には燃焼運転を停止した際の第2燃料除去時の状態を示している。なお、図5において上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
【0062】
図5に示すように、本実施の形態例2の液体噴霧バーナでは、燃料供給ライン24に接続された気化燃料逃しライン(配管)41と、この気化燃料逃しライン41に設けられて燃料ノズル21の上方に位置する気化燃料逃し弁42とを備えている。気化燃料逃し弁42は常時(非通電時)開、通電時閉となる電磁弁である。
【0063】
制御装置36では気化燃料逃し弁42の開閉制御も行なう。燃焼運転時及び燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時においては上記実施の形態例1と同様の制御が行なわれる。一方、燃焼運転を停止した際の第2燃料除去時には、図5(図5中の矢印は第2燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料除去弁38を閉じ、ファン27を停止して、気化燃料逃し弁42を開けることにより、燃料ノズル21内で気化した燃料が、気化燃料逃しライン41及び気化燃料逃し弁42を介して排出されるように制御する。かくして第2燃料除去が実施され、残留液体燃料39が燃料ノズル21から完全に除去される。なお、ファン27の運転停止や燃料除去弁38及び気化燃料逃し弁42を開閉する具体的なタイミングなどは、燃料除去に要する時間などを試験などで求めて適宜設定すればよい。
【0064】
その他の構成については上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様である。なお、本実施の形態例2では特に図示例の如く、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31)を鉛直下方に向けた状態にすることが望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、燃料ノズル21は燃料供給ライン24が接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置されていればよい。
【0065】
以上のことから、本実施の形態例2の液体噴霧バーナにおいても、上記実施の形態例1の液体噴霧バーナと同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
そして、本実施の形態例2の液体噴霧バーナによれば、燃料ノズル21は燃料供給ライン24が接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、燃料供給ライン24に接続された気化燃料逃しライン41と、気化燃料逃しライン41に設けられて燃料ノズル21の上方に位置する気化燃料逃し弁42とを備えており、燃焼運転の停止時に燃料ノズル21の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差で燃料ノズル21から残留液体燃料39が除去(第1燃料除去)された後、気化燃料逃し弁42が開けられて、燃料ノズル21内で気化した燃料が、気化燃料逃しライン41及び気化燃料逃し弁42を介して排出(第2燃料除去)される構成としたことを特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル内から残留液体燃料を完全に除去することができ、しかも、気体を供給することなく単に気化燃料逃し弁42を開けるだけで第2燃料除去を行うことができるため、電力消費量の低減を図ることもできる。更には気化燃料逃し弁38を常時(非通電時)開の電磁弁であるため、停電時にも残留燃料のタール化による燃料ノズル21の燃料流出孔31などの閉塞防止に対応することができる。
【0067】
<実施の形態例3>
図6は本発明の実施の形態例3に係る液体噴霧バーナの構成図である。図6には燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時の状態を示している。また、図6(b)は図6(a)のB−B線矢視断面図である。なお、図6において上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
【0068】
図6に示すように、本実施の形態例3の液体噴霧バーナは、外部混合式のバーナ本体を構成している燃料ノズル51及び気体ノズル52と、燃焼炉23と、燃料供給手段としての燃料ポンプ25及び燃料タンク26と、燃料供給ライン(配管)24と、気体供給手段としてのファン27と、気体供給ライン(配管)28とを備えている。また、本液体噴霧バーナには、他の気体供給ラインとしての燃焼用空気供給ライン(配管)29及び他の気体供給手段としての燃焼用空気ファン30や、制御手段としての制御装置36なども装備されている。
【0069】
燃料ノズル51と気体ノズル52は円筒状のものであり、横断面が同心円状になっている。燃焼炉23は気体ノズル52の先端部(下端部)に接続されている。内側の燃料ノズル51は先端(下端)の燃料流出孔31から燃焼炉23内に液体燃料が流出するようになっている。本実施の形態例では液体燃料として灯油を用いているが、これに限らず、例えば軽油や重油などを用いることもできる。外側の気体ノズル52は先端(下端)の噴射孔54から燃焼炉23内に気体が噴射されるようになっている。バーナ本体は燃料流出孔51や噴射孔52が鉛直下方に向けられた状態で配置されている。燃料ノズル51の外周と気体ノズル52の内周との間は気体流路55となっている。燃料供給ライン24の先端側は燃料ノズル51の基端(上端)に接続され、気体供給ライン28の先端側は気体ノズル52に接続されている。
【0070】
更に、本実施の形態例3の液体噴霧バーナにも、上記実施の形態例1と同様に燃料除去ライン(配管)37と、この燃料除去ライン37に設けられた燃料除去弁38とが装備されている。
【0071】
制御装置36では燃料ポンプ25及びファン27,30の運転・停止制御や、燃料除去弁38の開閉制御などを行なう。燃焼運転の際には上記実施の形態例1と同様に燃料ポンプ25及びファン27,30は運転状態とする一方、燃料除去弁38は閉状態とするように制御する。そして、燃焼運転を停止する際には、燃料ポンプ25は停止状態とする一方、燃料除去弁38は開状態とし、且つ、ファン27,30は運転状態とすることにより、第1燃料除去と第2燃料除去とを行なうように制御する。
【0072】
具体的には、燃焼運転時には燃料ポンプ25を運転させることにより、燃料タンク26内に貯留されている液体燃料(灯油)を燃料ポンプ25で燃料供給ライン24を介して燃料ノズル51内へ供給する。また、ファン27を運転させることにより、霧化用の気体としての空気をファン27で気体供給ライン28を介して気体ノズル52内へ供給する。更には燃焼用空気ファン30を運転させることにより、燃焼用の空気を燃焼用空気ファン30で燃焼用空気供給ライン29を介して燃焼炉23内へ供給する。なお、霧化用気体としては空気に限定するものではなく、水蒸気などでもよい。
【0073】
燃料ノズル51に供給された液体燃料は燃料流出孔53から燃焼炉23内に流出し、気体ノズル52の気体流路55を流通して噴射孔54から燃焼炉23内に噴射される霧化用の気体と燃焼炉23内で混合されることにより、霧化される。そして、この霧化された液体燃料を、図示しない点火プラグで点火することにより、燃焼炉23内で燃焼させる。
【0074】
一方、燃焼運転の停止する際には図6(図6中の矢印は第1燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料ポンプ25による液体燃料の供給は停止させる。そして、第1燃料除去を行なって残留液体燃料39の熱分解によるタール化を防止するために燃料除去弁38は開け、且つ、ファン27,30は燃焼運転時に引き続いて運転状態とする(これに限定するものではなく、一旦停止してから再起動してもよい)。
【0075】
その結果、燃料ポンプ25による燃料ノズル51先端側(燃料流出孔53傍)への気体(空気)の供給と、燃焼用空気ファン30による燃焼炉23内への他の気体(空気)の供給により、燃料ノズル51の先端側の圧力Pinが昇圧される。このため、燃料ポンプ25の停止後に燃料ノズル51内に残留している液体燃料39が、燃料ノズル51の先端側(燃料流出孔53近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(図示例では燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル51内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出される。かくして第1燃料除去が実施され、ほとんどの残留液体燃料39は燃料ノズル51内から除去される。なお、この第1燃料除去時のPinとPoutの関係(圧力差)は上記実施の形態例1の場合と同様の条件を考慮して適宜設定すればよい。
【0076】
続いて、第1燃料除去で除去されなかった多少の残留液体燃料39(図5参照)に対しては第2燃料除去が行なわれる。即ち、燃料除去弁38は閉じ、燃焼用空気ファン30は停止させる一方、ファン27による燃料ノズル51の先端側(燃料流出孔51近傍)への気体の供給は引き続き実施する。その結果、燃料ノズル51内で気化した燃料が、前記気体により燃料流出孔53から燃焼炉23内へ吸い出される。かくして第2燃料除去が実施され、残留液体燃料39が完全に除去される。なお、燃焼運転停止時における燃料除去弁38の開閉時間などは、燃料除去に要する時間などを試験などで求めて適宜設定すればよい。
【0077】
また、第2燃料除去時に燃料除去弁38は必ずしも閉める必要はなく、開けておいてもよい。この場合には燃料除去弁38を開けておくとともに燃焼用空気ファン30による燃焼炉23内への他の気体(空気)の供給も引き続き実施する。その結果、燃料ノズル51内で気化した燃料が、燃料ノズル51の先端側の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Poutとの圧力差で燃料ノズル51内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出される。
【0078】
また、第1燃料除去時や第2燃料除去時において除去された燃料は、必ずしも燃料タンク26に回収する場合に限定するものではなく、図6中に一点鎖線で示すように燃料除去ライン37の先端側を廃油タンクなどの廃棄部に設けて、当該廃棄部に廃棄するようにしてもよい。
【0079】
その他の構成については上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様である。なお、本実施の形態例3においても、上記実施の形態例2(図5参照)と同様に気化燃料逃しライン41と気化燃料逃し弁42とを設け、第2燃料除去時には気化燃料逃し弁42を開けることにより、燃料ノズル51内で気化した燃料が、気化燃料逃しライン41及び気化燃料逃し弁42を介して排出されるようにしてもよい。
【0080】
以上のことから、本実施の形態例3の液体噴霧バーナにおいても、上記実施の形態例1,2の液体噴霧バーナと同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
そして、本実施の形態例3の液体噴霧バーナによれば、他の気体供給ラインとしての燃焼用空気供給ライン29を介して燃焼炉23内に他の気体としての空気を供給可能な他の気体供給手段としての燃焼用空気ファン30を備えており、燃焼運転の停止時にファン27による燃料ノズル51の先端側への気体の供給を実施させ、且つ、燃焼用空気ファン30による燃焼炉23内への他の気体の供給を実施させることにより、燃料ノズル51の先端側が昇圧されるようにする構成としたことを特徴としているため、燃料ノズル51の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル51内の残留液体燃料39の除去を確実に行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態例3の液体噴霧バーナによれば、燃焼運転の停止時に前記圧力差で燃料ノズル51から残留液体燃料39を除去(第1燃料除去)した後にも、ファン27による燃料ノズル51の先端側への気体の供給を実施することにより、又は、ファン27による燃料ノズル51の先端側への気体の供給と、燃焼用空気ファン30による燃焼炉23内への他の気体の供給とを実施することにより、燃料ノズル51内で気化した燃料を、燃料除去弁38を閉じた状態で前記気体により燃料流出孔53から吸い出す(第2燃料除去)、又は、前記圧力差で燃料ノズル51内から除去し燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して排出する(第2燃料除去)ことも特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル51内の残留液体燃料39を完全に除去することができる。
【0083】
なお、燃焼用空気ファンを運転しなくても燃料ノズルの先端側の圧力と燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差が十分に得られる場合には、必ずしも燃料除去の際に燃焼用空気ファン(他の気体供給手段)を運転させなくてもよい。また、逆に上記実施の形態例1などにおいても燃料除去の際に燃焼用空気ファン(他の気体供給手段)も運転させるという方法を用いてもよい。
【0084】
<実施の形態例4>
図7は本発明の実施の形態例4に係る液体噴霧バーナの構成図である。図7には燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時の状態を示している。なお、図7において上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0085】
図7に示すように、本実施の形態例4の液体噴霧バーナでは、吸引手段としてのファン62及び吸引ライン(配管)61を備えている。吸引ライン61は基端側が燃料タンク26内の上部空間部に位置しており、先端側がファン62の吸込み側に接続されている。また、燃料タンク26は密閉されている。
【0086】
制御装置36ではファン62の運転・停止制御も行なう。燃焼運転においては上記実施の形態例1と同様の制御を行なう。一方、燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時には図7(図7中の矢印は第1燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料ポンプ25及びファン27,30を停止させる一方、燃料除去弁38を開け、且つ、ファン62の運転を開始する。
【0087】
その結果、ファン62による燃料タンク26の上部空間部の気体(空気)の吸引により、燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)が減圧される。このため、燃料ポンプ25の停止後に燃料ノズル21内に残留している液体燃料39が、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出される。かくして第1燃料除去が実施され、ほとんどの残留液体燃料39が燃料ノズル21内から除去される。なお、この第1燃料除去時のPinとPoutの関係(圧力差)は上記実施の形態例1の場合と同様の条件を考慮して適宜設定すればよい。
【0088】
続いて、第1燃料除去で除去されなかった多少の残留液体燃料39(図5参照)に対しては第2燃料除去を行なう。即ち、ファン62による燃料タンク26の上部空間部の気体の吸引を引き続き実施する。その結果、燃料ノズル21内で気化した燃料が、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内へ排出される。かくして第2燃料除去が実施され、残留液体燃料39が完全に除去される。
【0089】
その他の構成については上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様である。なお、本実施の形態例4においても、上記実施の形態例2(図5参照)と同様に気化燃料逃しライン41と気化燃料逃し弁42とを設け、第2燃料除去時には気化燃料逃し弁42を開けることにより、燃料ノズル51内で気化した燃料が、気化燃料逃しライン41及び気化燃料逃し弁42を介して排出されるようにしてもよい。
【0090】
以上のことから、本実施の形態例4の液体噴霧バーナにおいても、上記実施の形態例1,2などの液体噴霧バーナと同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
そして、本実施の形態例4の液体噴霧バーナによれば、燃料除去ライン37の燃料排出側の空間部(燃料タンク26の上部空間部)の気体を吸引可能なファン62を備えており、燃焼運転の停止時にファン62による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、燃料除去ライン37の燃料排出側が減圧される構成としたことを特徴としているため、燃料ノズル21の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル21内の残留液体燃料39の除去を確実に行うことができる。
【0092】
また、本実施の形態例4の液体噴霧バーナによれば、燃焼運転の停止時に前記圧力差で燃料ノズル21から残留液体燃料39を除去(第1燃料除去)した後にも、ファン62による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、燃料ノズル21内で気化した燃料を、前記圧力差で燃料ノズル21内から除去し燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して排出(第2燃料除去)することも特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル21内の残留液体燃料を完全に除去することができる。
【0093】
<実施の形態例5>
図8は本発明の実施の形態例5に係る液体噴霧バーナの構成図である。図8には燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時の状態を示している。なお、図8において上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0094】
図8に示すように、本実施の形態例5の液体噴霧バーナでは燃料タンク26が密閉された部屋71内に設けられており、燃料タンク26は部屋71内の空間部に対して開放されている。そして、本液体噴霧バーナでは、部屋62の壁面73に吸引手段としてのファン72が装備されている。
【0095】
制御装置36ではファン72の運転・停止制御も行なう。燃焼運転においては上記実施の形態例1と同様の制御を行なう。一方、燃焼運転を停止した際の第1燃料除去時には図8(図8中の矢印は第1燃料除去時の流体の流れを表わしている)に示すように燃料ポンプ25及びファン27,30を停止させる一方、燃料除去弁38を開け、且つ、ファン72の運転を開始する。
【0096】
その結果、ファン72による部屋71内の空間部の気体(空気)の吸引により、燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)が減圧される。このため、燃料ポンプ25の停止後に燃料ノズル21内に残留している液体燃料39が、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内に排出される。かくして第1燃料除去が実施され、ほとんどの残留液体燃料39は燃料ノズル21内から除去される。なお、この第1燃料除去時のPinとPoutの関係(圧力差)は上記実施の形態例1の場合と同様の条件を考慮して適宜設定すればよい。
【0097】
続いて、第1燃料除去で除去されなかった多少の残留液体燃料39(図5参照)に対しては第2燃料除去が行なわれる。即ち、ファン72による部屋71内の空間部の気体(空気)の吸引(即ち燃料タンク26の上部空間部の気体の吸引)を引き続き実施する。その結果、燃料ノズル21内で気化した燃料が、燃料ノズル21の先端側(燃料流出孔31近傍)の圧力Pinと燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力Pout(燃料タンク26内の上部空間部の圧力)との圧力差で燃料ノズル21内から除去され燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して燃料タンク26内へ排出される。かくして第2燃料除去が実施され、残留液体燃料39が完全に除去される。
【0098】
その他の構成については上記実施の形態例1(図1〜図3参照)と同様である。なお、本実施の形態例5においても、上記実施の形態例2(図5参照)と同様に気化燃料逃しライン41と気化燃料逃し弁42とを設け、第2燃料除去時には気化燃料逃し弁42を開けることにより、燃料ノズル51内で気化した燃料が、気化燃料逃しライン41及び気化燃料逃し弁42を介して排出されるようにしてもよい。
【0099】
以上のことから、本実施の形態例5の液体噴霧バーナにおいても、上記実施の形態例1,2などの液体噴霧バーナと同様の作用効果を得ることができる。
【0100】
そして、本実施の形態例5の液体噴霧バーナによれば、燃料除去ライン37の燃料排出側の空間部(部屋71内の空間部、即ち燃料タンク26の上部空間部)の気体を吸引可能なファン72を備えており、燃焼運転の停止時にファン72による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、燃料除去ライン37の燃料排出側が減圧される構成としたことを特徴としているため、燃料ノズル21の先端側の圧力と燃料除去ライン37の燃料排出側の圧力との圧力差を大きくすることができ、前記圧力差による燃料ノズル21内の残留液体燃料39の除去を確実に行うことができる。
【0101】
また、本実施の形態例5の液体噴霧バーナによれば、燃焼運転の停止時に前記圧力差で燃料ノズル21から残留液体燃料39を除去(第1燃料除去)した後にも、ファン72による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、燃料ノズル21内で気化した燃料を、前記圧力差で燃料ノズル21内から除去し燃料除去ライン37及び燃料除去弁38を介して排出(第2燃料除去)することも特徴としているため、第1燃料除去と第2燃料除去とによって燃料ノズル21内の残留液体燃料を完全に除去することができる。
【0102】
なお、各機器の制御(操作)を、上記実施の形態例1〜5では制御装置で行っているが、必ずしもこれに限定するものではなく、手動で行うようにしてもよい。また、液体燃料の霧化用気体として水蒸気を用いる場合には、燃料ノズル内から除去した残留液体燃料を燃料タンクには戻さずに廃棄することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は液体噴霧バーナ及びその残留燃料除去方法に関するものであり、改質装置用のバーナなどに適用して有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施の形態例1に係る液体噴霧バーナの構成図(燃焼運転時の状態)である。
【図2】本発明の実施の形態例1に係る液体噴霧バーナの構成図(第1燃料除去時の状態)である。
【図3】本発明の実施の形態例1に係る液体噴霧バーナの構成図(第2燃料除去時の状態)である。
【図4】燃焼運転停止後の燃焼炉及び燃料ノズルの温度変化を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態例2に係る液体噴霧バーナの構成図(第2燃料除去時の状態)である。
【図6】本発明の実施の形態例3に係る液体噴霧バーナの構成図(第1燃料除去時の状態)である。
【図7】本発明の実施の形態例4に係る液体噴霧バーナの構成図(第1燃料除去時の状態)である。
【図8】本発明の実施の形態例5に係る液体噴霧バーナの構成図(第1燃料除去時の状態)である。
【図9】従来の液体噴霧バーナの構成図である。
【図10】従来の他の液体噴霧バーナの構成図である。
【符号の説明】
【0105】
21 燃料ノズル
22 気体ノズル
23 燃焼炉
24 燃料供給ライン
25 燃料ポンプ
26 燃料タンク
27 ファン
28 気体供給ライン
29 燃焼用空気供給ライン
30 燃焼用空気ファン
31 燃料流出孔
32 噴霧孔
33 気体流路
34 混合部
35 吸引ライン
36 制御装置
37 燃料除去ライン
38 燃料除去弁
39 残留液体燃料
41 気化燃料逃しライン
42 気化燃料逃し弁
51 燃料ノズル
52 気体ノズル
53 燃料流出孔
54 噴射孔
55 気体流路
61 吸引ライン
62 ファン
71 部屋
72 ファン
73 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ノズル、気体ノズル、燃焼炉、燃料供給手段、燃料供給ライン、気体供給手段及び気体供給ラインを備えており、燃焼運転時には前記燃料供給手段により前記燃料供給ラインを介して前記燃料ノズルに液体燃料を供給し、且つ、前記気体供給手段により前記気体供給ラインを介して前記気体ノズルに気体を供給することにより、前記燃料ノズルの先端の燃料流出孔から流出する前記液体燃料を、前記気体ノズルから前記燃料ノズルの先端側に供給される前記気体で霧化して前記燃焼炉内で燃焼させる構成の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃料供給ラインに接続された燃料除去ラインと、
前記燃料除去ラインに設けられた燃料除去弁とを備えており、
前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給が停止されて前記燃焼運転が停止されたときに前記燃料除去弁が開けられて、前記燃料ノズル内の残留液体燃料が、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、前記燃料ノズルの先端側が昇圧される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項3】
請求項2に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項4】
請求項2に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられて前記燃料ノズルの上方に位置する気化燃料逃し弁とを備えており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項5】
請求項1に記載の液体噴霧バーナにおいて、
他の気体供給ラインを介して前記燃焼炉内に他の気体を供給可能な他の気体供給手段を備えており、
前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施され、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給が実施されることにより、前記燃料ノズルの先端側が昇圧される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項6】
請求項5に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給が実施されることにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とが実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記燃料除去弁が閉じられた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出される、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項7】
請求項5に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とを備えており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項8】
請求項1に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃料除去ラインの燃料排出側の空間部の気体を吸引可能な吸引手段を備えており、
前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側が減圧される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項9】
請求項8に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引が実施されることにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去され前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項10】
請求項8に記載の液体噴霧バーナにおいて、
前記燃料ノズルは前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置し、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とを備えており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料が除去された後、前記気化燃料逃し弁が開けられて、前記燃料ノズル内で気化した燃料が、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出される構成としたことを特徴とする液体噴霧バーナ。
【請求項11】
燃料ノズル、気体ノズル、燃焼炉、燃料供給手段、燃料供給ライン、気体供給手段及び気体供給ラインを備えており、燃焼運転時には前記燃料供給手段により前記燃料供給ラインを介して前記燃料ノズルに液体燃料を供給し、且つ、前記気体供給手段により前記気体供給ラインを介して前記気体ノズルに気体を供給することにより、前記燃料ノズルの先端の燃料流出孔から流出する前記液体燃料を、前記気体ノズルから前記燃料ノズルの先端側に供給される前記気体で霧化して前記燃焼炉内で燃焼させる構成の液体噴霧バーナに対する残留燃料除去方法であって、
前記燃料供給手段による前記液体燃料の供給を停止して前記燃焼運転を停止したときに前記燃料除去弁を開けて、前記燃料ノズル内の残留液体燃料を、前記燃料ノズルの先端側の圧力と前記燃料除去ラインの燃料排出側の圧力との圧力差で前記燃料ノズル内から除去して前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項12】
請求項11に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項13】
請求項12に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項14】
請求項12に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられて前記燃料ノズルの上方に位置する気化燃料逃し弁とが備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項15】
請求項1に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記液体噴霧バーナは他の気体供給ラインを介して前記燃焼炉内に他の気体を供給可能な他の気体供給手段が備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施し、且つ、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給を実施することにより、前記燃料ノズルの先端側を昇圧することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項16】
請求項15に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給を実施することにより、又は、前記気体供給手段による前記燃料ノズルの先端側への気体の供給と、前記他の気体供給手段による前記燃焼炉内への前記他の気体の供給とを実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記燃料除去弁を閉じた状態で前記気体により前記燃料流出孔から吸い出す、又は、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項17】
請求項15に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが、前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とが備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項18】
請求項11に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記液体噴霧バーナは前記燃料除去ラインの燃料排出側の空間部の気体を吸引可能な吸引手段が備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料除去ラインの燃料排出側を減圧することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項19】
請求項18に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後にも、前記吸引手段による前記空間部の気体の吸引を実施することにより、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記圧力差で前記燃料ノズル内から除去し前記燃料除去ライン及び前記燃料除去弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。
【請求項20】
請求項18に記載の液体噴霧バーナの残留燃料除去方法において、
前記液体噴霧バーナは前記燃料ノズルが、前記燃料供給ラインが接続されている基端よりも先端を下げた状態で配置され、且つ、前記燃料供給ラインに接続された気化燃料逃しラインと、前記気化燃料逃しラインに設けられた気化燃料逃し弁とが備えられており、
前記燃焼運転の停止時に前記圧力差で前記燃料ノズルから前記残留液体燃料を除去した後、前記気化燃料逃し弁を開けて、前記燃料ノズル内で気化した燃料を、前記気化燃料逃しライン及び前記気化燃料逃し弁を介して排出することを特徴とする液体噴霧バーナの残留燃料除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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