説明

液体存在検出器

【課題】その場所から動かさずに動作試験可能な液体存在検出器を提供する。
【解決手段】液体の存在を検出する検出器1は、ケーシング4と、ケーシング4内に接触時に液体の存在を感知するプローブ3と、液体を受容するための開口4aと、動作試験時にケーシング4に試験液を流入させるための流入部5aと、ケーシング4から試験液の少なくとも一部を排出するための流出部5bとを備えており、検出器の動作試験は流入部5aから試験液を流入させ、開口4a内で試験液をプローブ3と接触させる。試験液が検出されればプローブ3は正しく作動しており、試験液が検出されなければプローブ3は正しく作動していない。動作試験後、試験液は流出部5bから排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵容器内の液体の存在を検出することに関し、特にこの検出器の試験に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この検出器は、貯蔵容器(詳細には低温貯蔵容器、つまり低温(通常は−50℃未満)の液体を含む容器)の中の液体の高さの検出を可能にするよう特に適合されている。
【0003】
低温液体貯蔵容器は、通常は二重ケーシングを備える。内側タンクがオーバーフローすることは非常に深刻な結果をもたらすものであり、それに対して防護を提供することが必要とされ、かつ、なにより非常に高い信頼性のある検出が要求される。特に、低温貯蔵容器の環状遮蔽空間における液体のオーバーフローは、より高温の部分と接触するよう位置させられた製造物の気化によって、外側ケーシングの圧力の上昇をもたらす。この圧力の上昇は、貯蔵容器に損害を与えかつ重大な事故を引き起こし得る。
【0004】
信頼性を向上させるために、通常は、互いに独立したさまざまなタイプの検出器が設置されているが、これら検出器の個々の信頼性に左右されるものである。使用される各検出器は、一般的に基準によって課された適切な信頼性を有する必要があり、連続的に作動する検出器に関して、その検出器は実際には時おり検出を行い、かつその検出の精度は上記信頼性を確信するのに十分なものとなり得る。所定の位置にある液体の存在または所定の高さレベルを越えたことなどの遮蔽された事象を検出することを意図された検出器に関して、ある試験を実施しなければならない。
【0005】
従来の検出器は、手動で上昇させることによって試験される連動浮遊ゲージ、ビームを遮断するようシミュレート可能なレーダー、上記理由からそのままでは試験が不可能なキャパシタ、あるいは手で上昇可能な他の浮遊体を備えている。
【0006】
したがって、液体貯蔵容器において、従来の高さ検出デバイスは、液体の物理的高さを検出閾値まで意図的に上昇させることなく、実際の操作状況下で試験できる。検出が上記事故から貯蔵容器を保護するよう設定されているという条件下で、液体の高さの上昇は、充填によってのみ実施可能である。そのため、それは、アラームまたは保護デバイスを試験するために、心配のある事象を開始する現象が引き起こされるという結果になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記欠点のすべてまたはいくつかを取り除くこと、言い換えると、正しく検出されない場合には重大な結果を引き起こし得かつ検出を判定する現象を引き起こすことが必要なく、特に実現可能な様式でその場所から動かさずに試験可能な液体存在検出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決策は、液体の存在を検出するための検出器に関するものであり、この検出器は、
接触した液体の存在を感知するプローブと、
プローブを包囲するケーシングであって、
a) ケーシング内に液体を受容するための開口(4a)であって、ケーシング内においてプローブと液体とを接触するようにもたらすことが、液体の存在の検出を引き起こす、開口(4a)と;
b) 試験液をケーシング内に流入させてプローブと接触させるための、開口(4a)とは別の流入部(5a)であって、ケーシング内でプローブと接触するよう液体をもたらすことは、プローブが正しく作動した場合には試験液の存在が検出されるようにし、かつプローブが正しく作動しない場合には検出を引き起こさないようにする、流入部(5a)と;
c) 試験液がプローブと接触されるようもたらされた後、ケーシングから試験液の一部を排出するための流出部(5b)であって、この排出は、プローブがケーシング内に残留する試験液を検出しないように十分になされるようになっている、流出部(5b)と;
を有するケーシングと、
を備える。
【0009】
試験される液体は、さまざまなタイプのものであってもよい。特にこの液体は、−50℃以下の温度の液化ガスであってもよい。例えば液体は液化天然ガス(LNG)であってもよい。例えば窒素または酸素などの他の液化産業ガスとすることもできる。
【0010】
当該プローブは、さまざまなタイプのものとすることができる。特に当該プローブは、浮遊体、レーダー、キャパシタ、または連動浮遊ゲージ、もしくは温度プローブを備えていてもよい。あるいはプローブは、これら要素のいくつかを組み合わせたものであってもよい。
【0011】
ケーシングは、液体がこのプローブの周囲に保持されるようにプローブを包囲している。このケーシングは少なくとも1つの開口を備え、この開口は、ケーシングが存在するかどうかに対してプローブが反応するように、この開口に到達してプローブに至るまでケーシング内に流入する液体の検出を可能にする。この開口がない場合、ケーシングは、液体の存在の検出の妨げとして機能し得る。
【0012】
このケーシングは、試験液の流入のための流入部をさらに有する。試験液は、その存在が試験されることが望まれる液体同様に、プローブが反応することを引き起こす能力のある液体である。試験の代表制および汚染の防止に関して有利なことに、当該試験液は、その存在が試験されることが望まれている液体のように、いくつかのタイプのものとすることができる。試験液の流入のための流入部は、試験液と接触するようにプローブを意図的に配置できるようにする。
【0013】
ケーシングは、試験液の排出のための流出部をさらに備えている。特に試験後に、プローブを通常の作動状態に、つまりプローブの周囲に液体がない状態に復元できるようにすることが必要である。
【0014】
特定の状態において、試験液の排出は自動的に行われる。例えばそれは、検出器が適所にある場合に、前記プローブの下方に設定される高さにおいてケーシング内に配置された1つ以上のオリフィスを伴っている。それにより、プローブが検出状態にないように、試験液は重力によって自然に排出可能となる。これらオリフィスは、試験液がすぐに排出されないように、あまり大きなものにしてはならない。特に試験液流入部は、試験液が流入するとすぐに排出されるとしても、検出をシミュレートできるものでなければならない。
【0015】
試験液の排出後、ケーシング内に残留した試験液の存在が検出を引き起こさない場合には、所定の量の試験液がケーシング内に残留してもよい。
【0016】
特定の状態によれば、液体の受容するための開口および志権液を排出するための流出部は、区別できないもの(例えばまったく同じオリフィスである)であってもよいが、あるいは部分的に区別できないもの(両方の機能を有する少なくとも1つのオリフィス)であってもよい。
【0017】
このケーシングおよびその流入部/流出部は、試験液の流入が現実的に液体の存在の検出をシミュレートするよう構成されていることが好ましい。ケーシングは、好ましくは、大量の試験液を使用することを必要とせずに現実的な状況で検出を実現するよう、プローブに近接しておりかつ適度な広がりを有している。
【0018】
特定の流入部/流出部を備えるケーシングの存在によって、存在する液体内にプローブをもたらすことにより、現実的な状態でそのままの位置で検出器が試験できることが明白である。この試験は、(検出後にプローブ自体が元に戻されない限りは)元に戻すことが可能であり、かつ必要に応じて何度でも実施可能である。
【0019】
一実施形態において、試験液の流入のための流入部は、試験液を所定の流量で流入させるために形成されている。試験液の排出のための流出部は、重力によって、試験液を総体的に所定の流量以下の流量で流出させることを可能にする1つ以上のオリフィスを備えている。それゆえ試験液の排出は自動的に行われる。この排出は、試験液が流入されるとすぐに開始されてもよい。流出流量が流入流量よりも小さいため、所定の容積の試験液がケーシング内に溜まるようになっている。試験液の流入流量が止められるとケーシングは空になる。特定の実施形態によれば、オリフィスは、プローブの下方において、検出器のケーシングの下部に配置されている。
【0020】
一実施形態において、プローブは、液化天然ガスの存在を検出することができ、かつケーシングは、試験液として液化天然ガスの流入および流出を可能にするよう構成されている。プローブは、LNGなどの低温の液体の存在を検出するためのプローブである。ケーシングおよびその流入部/流出部は、そうした液体に、特に使用される材料に対して適合可能となるように構成されている。
【0021】
一実施形態において、プローブは、試験液の少なくとも一部が存在しかつその液体がケーシング内でプローブと接触とすることに基づいて温度変化を検出するための温度センサを備えている。温度変化の検出は、液体または試験液の存在に基づく温度変化は、熱伝導によってプローブに自動的に伝達されるため、検出の有利な形態となる。さらに、温度検出器は、低温の液体に対して適合されている。この場合において、液体が存在することは、プローブによって測定される温度の低下によって認識される。
【0022】
一実施形態において、温度センサは1つ以上のサーミスタを備える。これらサーミスタはプラチナワイヤであってもよい。検出器は熱電対であってもよい。信頼性の高い検出を確実なものとするために重複性(複数のワイヤ)のあるものとすることができる。
【0023】
一実施形態において、検出器は、ケーシング内に液体が存在していない状態で温度センサを所定の温度で維持するために、調整されたホットガス流入部を備える温度維持システムをさらに備えている。この温度維持システムは、プローブを、検出される液体の温度および試験液の温度よりも高い温度に維持するものである。このシステムは、ケーシングからの低温の液体の低温蒸気がプローブと接触することにより、プローブの周囲に液体または試験液の存在に対応していない不適切な作動が引き起こされることを防止できる。一方で、温度維持システムは、当該液体が効率的にプローブと接触する場合に液体または試験液の検出を妨げてはならない。この温度維持システムは、熱電対のために存在し得る温度補償と意味的に混同されてはならないことに留意されたい。ホットガスの流入は、温度センサを所定の温度に維持するために、バルブ、制御バルブ、流量または他の調整バルブによって調整されてもよい。
【0024】
一実施形態において、温度維持システムは、所定の温度で維持するためにプローブの周囲でガスが循環するように構成されている。このシステムは、低温蒸気の存在によるプローブの冷却を特に阻止するために熱を提供することができる。温度補償システムのこの実施形態は、温度維持の観点からも効果的であり、液体の存在が原因となる温度変化の検出を阻止しないように十分に「弱い」ものである。特に、検出される液体が、温度維持システムによって提供されるガスよりも著しく大きな熱容量を有しているため、この維持システムの降下は液体の存在によって迅速に抑制される。
【0025】
また本発明は、上記検出器を備える液体を貯蔵するための貯蔵容器に関するものである。この検出器は、貯蔵容器に固定されていても移動可能なものであってもよい。特に、検出器を、検出器がそのポジションに基づいて貯蔵容器の所定の高さにおいて貯蔵された液体の存在を検出するよう使用される位置に固定することができる。
【0026】
一実施形態において、貯蔵容器はルーフをさらに備えており、検出器は、液体の高さのレベルを検出するために、貯蔵容器における検出器のポジションによって規定される閾(境界部)を越えてルーフに配置されている。したがって検出器の機能は、高さレベル、あるいはそのポジションに基づく非常に高いレベルを検出することである。それは、特にそのケーシングにより、そのままの位置で試験可能なままとなる。
【0027】
一実施形態において貯蔵容器は、液体を抽出するための、かつ試験液として使用するためにケーシングの流入部へ液体の少なくとも一部を移送するための抽出パイプをさらに備える。このパイプによって、貯蔵容器内に貯蔵された液体は試験液として使用されてもよい。一変形例によれば、試験液は他の貯蔵容器から供給されてもよい。この他の貯蔵容器は、当該貯蔵容器と同様のものであってもよい。他の貯蔵容器は、異なるタイプのものであってもよい。このとき、貯蔵容器が収容する液体を、第1の貯蔵容器のプローブのための試験液として使用できるようにする必要がある。
【0028】
最終的に、本発明は、上記貯蔵容器を使用する試験方法に関するものであり、
a) 試験液をケーシングに流入させるステップと、
b) 試験液の存在がプローブによって検出されたか非検出であるかを認識するステップと、
c) ステップa)においてケーシング内に流入された試験液の少なくとも一部を排出するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0029】
具体的にこの試験を実施するために、試験液は、ケーシングへの供給のために設けられた流入部を介してケーシング内に供給される。続いて、試験液が存在する状態下に置かれたプローブが反応したかどうかを認識することが可能となる。反応した場合、試験は終了となるが、そうでない場合には非検出の原因を調査する必要がある。原因は、たいていプローブの故障である。試験液は、どんな場合でも検出を停止させるのに十分なほど、試験後に必ず排出されなければならない。
【0030】
本発明に基づく検出器または貯蔵容器に関する関連付けられたすべての特定の形態は、変更すべきところは変更した上で本発明に基づく試験方法に適用される。
【0031】
1つの特定の実施形態によれば、使用される貯蔵容器において、貯蔵された液体は試験液として使用される。これは、上述したように、試験の確実な代表例を形成するという利点を有する。
【0032】
本発明の他の特徴部および利点は、添付された図面を参照した非限定的の例示的な実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に基づく検出器の断面を正面から見た図である。
【図2】検出プローブ内に配置された、平面II−IIに沿った図1の検出器の断面図である。
【図3】本発明に基づく検出器が適合された貯蔵容器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
明確にするために、これら図面に示されるさまざまな要素の寸法は、必ずしも、その実際の寸法と比例しているわけではない。
【0035】
図1には、本発明に基づく検出器1を示す。検出器1は、液化天然ガス(つまりLNG)の存在をその付近で感知するプローブ3と一体となっている。このプローブは、通常、アラームまたは自動作動システムに接続されるよう設計されている。本明細書で想定されるプローブは、LNGと接触することによる温度変化を検出するように使用される。
【0036】
検出器は、貯蔵容器内に検出器を取り付けるためのフランジが設けられた貯蔵容器ケーシング4を備える。このケーシングは、略管状形状を有する部分を備え、かつプローブを包囲する。ケーシングは、液体をケーシング内に貯めるための開口を形成する取り込み部4aを備えている。それゆえ、(例えば貯蔵容器内のこの液体の高さの上昇に追従する)ケーシングを取り囲むことができる液体は、ケーシングにのみ流入することができ、そしてプローブが作動した場合に検出を実施させる。
【0037】
このケーシング4はまた、プローブの反応を引き起こすことのできる試験液(例えば液化天然ガス)の流入のための流入部5aを備える。この流入部は、一例においては、プローブ3の高さに、ケーシング4の下部へ試験液を導入可能にするストップバルブが設けられたパイプの形態のものであり、この試験液の到達は、プローブ自体に直接的に干渉することを必要とせず、液体の到達が検出されるようシミュレートする。
【0038】
このケーシング4はまた、ケーシングの底部に位置させられたオリフィス5bを備えている。このオリフィス5bの機能は、ケーシング内に存在する液体(特に試験液)を排出できることである。流入部5aおよび流出部5bは、プローブの反応を引き起こすことできる試験液の量を収容するよう相互作用する。これらオリフィスは、流入部5aを介した充填を無駄にしないために、優先的に非常に小さなものとなっている、つまりケーシングはそれが満たされている時にはすぐに空にはならない。
【0039】
このケーシングはまた、液体が存在していない状態のプローブの温度を維持するためのシステム6を備える。図示された例においては、これは、液化天然ガス蒸気(実際には約−165℃から環境温度の間の天然ガス)に関連してホットガスを運搬するよう使用されるパイプである。特定の様式によれば、ホットガスは不活発性ガスである。例えばこのガスは、深冷分離法によって得られた産業品質窒素であってもよい。他の例によればこのガスは、使用可能であれば天然ガスである。このガスは、つまり(約−165℃の)LNGの温度をはるかに上回る環境温度に近い温度で加えられる。
【0040】
図示された温度維持システムは、流入部6aおよびストップバルブ10が設けられたパイプである。流入部6aは、プローブがLNG蒸気によって冷却されることを防止するよう、プローブを十分な温度に維持する機能を有するホットガスをプローブ3に導入するよう使用される。このストップバルブ10は、プローブ3の温度を維持するために流入部6aのホットガスを調節するよう使用される。この例は単純に図示されたものであること、およびストップバルブ10は、コントロールバルブなどのパイプ内のガス流、または流量を調整するためのシステムあるいは他の調節バルブの形態のものとされてもよいことを理解されたい。
【0041】
図2は、図1の検出器の垂直軸線に対して直角の平面II−IIに沿う断面である。当該図面には、円形ベースを備えるシリンダ形状のチューブを備えるケーシング4と、試験液の流入のための流入部5aと、温度を維持するためのシステム6とが示されている。さらに、オリフィス5bがケーシング4の下部に配置された状態で示されている。
【0042】
この例において、プローブは、温度維持システムに対して配置された3つのサーミスタ3a,3bおよび3cからなる。これらサーミスタは、例えば、プラチナワイヤサーミスタである。サーミスタの感知部は、取り込み部4aに近接した、図1の参照番号3に配置されている。これらサーミスタは取り付けカラーによって保持されてもよい。
【0043】
より詳細には、サーミスタのワイヤは0℃で100オームの抵抗を有し、それは実質的に冷却状態にあるように下げられている。そうした構成は、LNG貯蔵容器の内側において一般的に用いられている。この設備がLNGの存在を検出できることはすでに評価されている。このワイヤは、通常は、接続箱(図示せず)へ接続されている。
【0044】
図3には、LNG2を貯蔵するための貯蔵容器の一部を示す。この貯蔵容器は、約−165℃のLNGと貯蔵容器の上部との間の断熱のためのドーム形状ルーフ7aと第2のルーフ7bを有する。本発明の検出器1は当該ドームに固定されている。ケーシングは、少なくともその下部において、ルーフ7bを通過している。プローブ3は、ルーフ7bの下方において貯蔵容器の内側の高さ8にある。検出器1は、この高さ8をLNGが越えたかどうかを検出するために使用される。
【0045】
所蔵容器の外側の部分において、この検出器は、一方では流入部5aによって試験液の供給源に接続されており、他方では温度維持システムによって、環境温度の天然ガスまたは窒素の供給源に接続されている。天然ガスおよび窒素の供給源は、流量メータ6aを備えている。天然ガスは図示されていないガスネットワークから供給され、かつ窒素は、図示されていない貯蔵容器内に液状で貯蔵された窒素の蒸気を由来とする。この例においては、試験液の供給源は、貯蔵容器7自体のLNGによって提供され得るLNGのパイプ9である。このパイプの上部のみが図示されていることに留意されたい。一変形例によれば、パイプ9は、貯蔵容器7以外の貯蔵容器に接続することもできる。この他の貯蔵容器は、試験液の供給源として機能する。
【0046】
図1,2および3に示された検出器をそのままの状態で試験するために、試験液がケーシング4内に流入させられる。試験液は、流入部5aを経て到達してプローブ3の上記高さまで導入される。正しく動作した場合、続いてプローブは液体の存在が検出されたという信号を送る。信号が送られない場合には、
− プローブ3が正しく動作しているか、または、
− 試験が正しく行われていない。
【0047】
なお、この第2の案は、流入部5aに比べて減少された部分のオリフィス5bを介して試験液が排出されるという事実によって、特に起こり得そうな可能性として限定される。この排出は、重力によって自然に、それゆえ試験液の流入時の流量よりも小さな流量で行われる。続いてプローブは通常状態(つまりプローブを液体が包囲しない状態)へと迅速に復元される。
【0048】
開口4aによって貯蔵部内に収容される液体が高さ8まで上昇させられた場合に、ケーシング内に流入しかつプローブによって検出されることをケーシングが防止しないことに留意されたい。そのため、試験のために使用されるケーシングは検出器の通常動作に影響を及ぼさない。
【0049】
パイプ6は貯蔵容器に含まれる蒸気よりも高温のガスを提供することができ、それにより、プローブの不適切な作動の開始を防止することができる。試験中は、この温度維持装置が作動されたままとなることが好ましい。続いて、それが液体の検出を妨げないことを試験することが可能である。特に、検出はプローブの温度を維持するためのシステムの作用が、プローブの周囲の冷たい液体の存在が原因となる熱効果によって抑制されるという原理に基づいている。
【0050】
当然ながら本発明は一例として上述された実施形態に限定されず;他の変形例にも適用される。
【0051】
一般的には、オリフィス5bまたは開口4aの構成は非限定的な例として上述されている。例えばプローブのケーシング内に液体が残ることが要求される場合に応じて、より大きな部分またはより小さな部分を備えるオリフィス5bを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 検出器
2 LNG
3 プローブ
3a,3b,3c サーミスタ
4 ケーシング
4a 取り込み部
5a 流入部
5b 流出部
6 温度維持システム
6a 流入部
7 貯蔵容器
7a ドーム状ルーフ
7b ルーフ
8 高さ
9 パイプ
10 ストップバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(2)の存在を検出するための検出器(1)であって、接触時に液体の存在を感知するプローブ(3)と、前記プローブを包囲するケーシング(4)とを具備してなり、
前記ケーシング(4)は、
a) 前記ケーシング内に液体を受容するための開口(4a)であって、前記ケーシング内において前記液体が前記プローブと接触するようもたらすことが、液体の存在を検出させるようになっている、開口(4a)と;
b) 試験液を前記ケーシング内に流入させてプローブと接触させるための、前記開口(4a)とは別の流入部(5a)であって、前記ケーシング内において前記試験液が前記プローブと接触するようもたらすことが、前記プローブが正しく作動した場合には前記試験液の存在を検出させ、かつ反対の場合には検出を引き起こさないようになっている、流入部(5a)と;
c) 前記試験液が前記プローブと接触するようもたらされた後に、前記ケーシングから前記試験液の一部を流出させるための流出部(5b)であって、前記排出は、前記プローブが前記ケーシング内に残留する前記試験液を検出しないよう十分になされるようになっている、流出部(5b)と;
を具備してなることを特徴とする検出器。
【請求項2】
前記試験液の流入のための前記流入部は、前記試験液を所定の流量で流入させるために形成されており、前記試験液の排出のための前記流出部は、総体的に前記所定の流量未満の前記試験液の流量の、重力による排出を可能とする1つ以上のオリフィスを具備してなることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記プローブは、液化天然ガスの存在を検出することができ、かつ前記ケーシングは、試験液として液化天然ガスの流入および排出を可能にするよう構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検出器。
【請求項4】
前記プローブは、前記ケーシング内において前記プローブと接触する前記試験液および前記液体のうちの少なくとも1つの存在に基づく温度変化を検出するための温度センサ(3)を具備してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検出器。
【請求項5】
前記温度センサ(3)は、1つ以上のサーミスタ(3a,3b,3c)を具備してなることを特徴とする請求項4に記載の検出器。
【請求項6】
前記ケーシング内に液体が存在していない状態で前記温度センサにおいて所定の温度を維持するために、調整ホットガス流入部(6a)を備える温度維持システム(6)をさらに具備してなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の検出器。
【請求項7】
前記温度維持システムは、前記所定の温度を維持するために、前記プローブの周囲にガスを流通させるよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載の検出器。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の検出器(1)を具備してなる、液体(2)を貯蔵するための貯蔵容器(7)。
【請求項9】
ルーフ(7a,7b)をさらに具備してなり、前記検出器は、前記液体の高さレベルを検出するために、前記貯蔵容器内の前記検出器のポジションによって規定される閾(8)を越えて、前記ルーフに配置されていることを特徴とする請求項8に記載の貯蔵容器。
【請求項10】
前記貯蔵容器(7)内に収容された前記液体を抽出するための、かつ試験液として使用するために前記流入部へ前記液体の少なくとも一部を移送するための抽出パイプ(9)をさらに具備してなることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の貯蔵容器。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の貯蔵容器を使用する試験方法であって、
a) 前記ケーシングに試験液を流入するステップと、
b) 前記試験液の存在の前記プローブによる検出または非検出を認識するステップと、
c) 前記プローブが前記試験液の存在を検出しないように、ステップa)において前記ケーシング内に流入された前記試験液の少なくとも一部を排出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記貯蔵容器の使用時に、前記貯蔵された液体が試験液として使用されることを特徴とする請求項11に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−177693(P2012−177693A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−31419(P2012−31419)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(504462489)エレクトリシテ・ドゥ・フランス (25)
【Fターム(参考)】