説明

液体容器

【課題】分解・組み立てが容易であり、落下時の衝撃などによって係合が簡単に外れて分解してしまうことのないインクカートリッジを提案すること。
【解決手段】インクカートリッジ20のカートリッジケース21は、ケース本体40の両側に蓋板41、42を着脱可能に組み付けて構成される。ケース本体40に対する蓋板41の着脱式の係合機構は、蓋板41の第1係合板101(1)を強制的に弾性変形させて、ケース本体40の第1係合突起103に係合させ、その係合を解除させるものである。第1係合板101(1)の弾性変形は、他方の蓋板42の係合保持板104(1)により拘束されている。蓋板42をケース本体40から外さない限り、係合機構の係合が解除されて蓋板41がケース本体40から外れてしまうことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンターのインクカートリッジなどとして用いられる液体容器に関し、特に、容器本体が少なくとも三つの容器形成部材を着脱可能に組み合わせることにより構成されている液体容器において、落下時の衝撃などによって各容器形成部材が相互に外れて容器本体が破損してしまうことのない液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターのインクカートリッジとしては、特許文献1、2に記載されているように、カートリッジケース内に、供給用のインク液を貯留したインク袋の収納部と、インクジェットプリンターから排出された廃インク液を回収する廃インク吸収材が収納された廃インク回収部とを備えた構造のものが知られている。また、特許文献3、4に記載されているように、廃インク吸収材の代わりに、カートリッジケース内に廃インク袋が収納されたインクカートリッジが知られている。
【0003】
インクカートリッジをインクジェットプリンターのインクカートリッジ装着部に装着すると、インクカートリッジ装着部側に配置されているインク供給路形成部材および廃インク回収路形成部材が、カートリッジケースに形成されているインク供給孔および廃インク回収孔に差し込まれて、インクカートリッジからのインクの供給およびインクジェットプリンターからの廃インクの回収が可能な状態になる。たとえば、インクカートリッジ装着部の側に配置されているインク供給針および廃インク回収針が、それぞれ、カートリッジケースに形成されているインク供給針差し込み孔および廃インク回収針差し込み孔を押し広げてインク袋および廃インク回収部に差し込まれて、インクの供給および廃インクの回収が可能な状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3533897号公報
【特許文献2】特開2001−353882号公報
【特許文献3】特開2002−307705号公報
【特許文献4】特開2002−307720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、このような構造のインクカートリッジでは、供給インクが無くなった場合、あるいは廃インク回収部が廃インクで満杯になった場合に、容器本体を分解して、インク供給袋、廃インク吸収材などを新しいものと交換し、再び容器本体を組み立てて再使用できることが資源節約などの点から望ましい。
【0006】
インクカートリッジなどの液体容器の容器本体を分解、再組み立て可能にするためには、容器本体を複数の容器形成部材から構成し、これらの容器形成部材を着脱可能な係合機構によって相互に着脱可能な状態で組み付けておけばよい。このような係合機構としては、一方の容器形成部材に形成した係合突起に対して、他方の容器形成部材に形成した係合フックを弾性変形させながら乗り越えさせ、当該係合フックが弾性復帰することにより係合状態を形成するものが知られている。係合を解除するには、係合フックを強制的に弾性変形させて係合突起から外せばよい。
【0007】
このような係合機構によって複数の容器形成部材を組み合わせて容器本体が形成されている液体容器において、容器本体の分解、組み立て作業を容易に行うことができるようにするためには、係合フックを長くして撓み易くし、あるいは、係合フックと係合突起の係合量を少なくして、係合フックを係合突起から簡単に外すことができるようにすればよい。しかし、このようにすると係合力が弱まるので、落下時に加わる衝撃などによって係合が簡単に外れて容器本体が破損しやすくなってしまう。逆に、係合フックを短くし、あるいは係合量を多くすると、容器本体の分解、組み立て作業が困難になってしまう。また、係合を解除するために大きな力が必要になり、係合フックの根元部分などに大きな応力集中が発生し、プラスチック製の容器本体の場合には、当該部分が塑性変形して白化して脆弱になってしまう。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、分解・組み立てが容易であり、しかも、落下時の衝撃などによって係合が簡単に外れて容器本体が分解してしまうことのないインクカートリッジなどに用いる液体容器を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の液体容器は、
容器本体と、
前記容器本体の内部に形成された液体収容部とを有し、
前記容器本体は、少なくとも、第1容器形成部材、第2容器形成部材および第3容器形成部材の三部材から構成されており、
前記第2容器形成部材および前記第3容器形成部材は、前記第1容器形成部材を挟んだ状態で、当該第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けられており、
前記第2容器形成部材を前記第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けている係合機構は、前記第1容器形成部材に形成した第1係合部と、前記第2容器形成部材に形成した第2係合部と、前記第3容器形成部材に形成した係合保持部とを備えており、
前記第2係合部は、前記第1係合部に係合しており、弾性変形させて当該第1係合部から外すことが可能であり、
前記係合保持部は、前記第2係合部が前記第1係合部から外れないように、当該第2係合部の弾性変形を拘束していることを特徴としている。
【0010】
本発明の液体容器では、第1係合部から外すために弾性変形させる第2係合部が、係合保持部によって弾性変形しないように拘束されている。容器本体を分解する際には、まず、第1容器形成部材に着脱可能に取り付けられている第3容器形成部材を当該第1容器形成部材から外す。これにより、第3容器形成部材に形成されている係合保持部材による第2係合部の拘束が解除され、当該第2係合部を弾性変形させて、第1係合部から外すことが可能になる。この後は、第2係合部を強制的に弾性変形させて第1係合部との係合を解除することにより、第2容器形成部材を第1容器形成部材から外すことができる。
【0011】
第1係合部と第2係合部の係合を簡単に解除できるように、第2係合部を簡単に弾性変形できる長さのものとし、あるいは、第1、第2係合部の係合量を少なくしておいても、係合保持部によって第2係合部の弾性変形が拘束されているので、衝撃が加わっても、これらの係合が解除され、第1容器形成部材と第2容器形成部材が外れてしまうことがない。また、第3容器形成部材を第1容器形成部材から外せば、第1容器形成部材から第2容器形成部材を外す作業は小さな力で簡単に行うことができる。さらに、弾性変形可能な第2係合部の根元部分などに大きな応力集中が起きることがないので、プラスチック製の容器本体の場合に、当該根元部分が、分解・組み立て時の操作力、あるいは、落下時の衝撃力によって塑性変形して白化して脆弱化してしまうことも回避できる。
【0012】
ここで、本発明の液体容器において、前記第1容器形成部材は、前記係合保持部が前記第2係合部から離れる方向に移動することを規制するための規制部を備えていることを特徴としている。
【0013】
液体容器の落下時の衝撃力などによって、第3容器形成部材が一時的に第1容器形成部材に対してズレることにより、係合保持部が第2係合部から離れる方向に大きく弾性変形し、あるいは、移動すると、第2係合部に対する拘束が一時的に解除されてしまう。この結果、第2係合部が大きく弾性変形して第1係合部から外れ、容器本体が分解して破損するおそれがある。本発明では、係合保持部が第2係合部から離れる方向に移動しないように規制部によって規制しているので、このような弊害の発生を未然に防止できる。
【0014】
本発明の液体容器において、前記第1容器形成部材が、第1側面と、当該第1側面に対して一定の間隔で対峙している前記規制部として機能する第2側面とを備えている場合には、前記第1係合部を、前記第1側面から前記第2側面に向けて突出している係合突起とすることができる。また、前記第2係合部を、前記第1側面に沿った方向に延びている係合板とし、当該係合板を、前記係合突起に対して前記第1側面に沿った方向から係合している係合内周縁を備え、前記第1側面から離れる方向に弾性変形可能なものとすることができる。この場合には、前記係合保持部を、前記係合板と前記第2側面の間において、前記第1側面に沿った方向に延びている係合保持板とし、当該係合保持板によって、前記第1側面との間に前記係合板の少なくとも一部を挟持すればよい。
【0015】
本発明の液体容器において、前記第3容器形成部材を前記第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けている第2係合機構としては、前記の係合機構と同様に、前記第1容器形成部材の前記第1側面から前記第2側面に向けて突出している第2係合突起と、前記第3容器形成部材に形成された第2係合板とを備えた構成とし、前記第2係合板を、前記第1側面に沿った方向に延び、前記係合突起に対して前記第1側面に沿った方向から係合している係合内周縁を備え、前記第1側面から離れる方向に弾性変形させると前記第2係合突起から外すことが可能なものとすればよい。
【0016】
次に、前記係合機構を、前記第1容器形成部材の外周縁に沿って所定間隔で複数箇所に配置しておくことができる。
【0017】
また、前記第1容器形成部材として両端が開口している枠状部材を用いる場合には、前記第2容器形成部材を前記枠状部材の一方の第1開口を封鎖している第1蓋板とし、前記第3容器形成部材を前記枠状部材の他方の第2開口を封鎖している第2蓋板とすることができる。
【0018】
この場合、前記枠状部材における前記係合機構の配置位置に対応する部位に、前記第1蓋板から前記第2蓋板まで貫通する所定幅および所定長さのスリットを形成し、各スリットにおける前記枠状部材の内側に位置するスリット側面を前記第1側面として用い、外側に位置するスリット側面を前記第2側面として用いることができる。この場合には、各スリットには、前記係合機構の前記係合板を前記第1開口の側から挿入し、前記係合保持板を前記第2開口部の側から挿入すればよい。
【0019】
次に、前記液体収容部を、供給液体を収容している供給液体収容部と、外部から回収する回収液体を収容するための回収液体収容部とを備えた構成とする場合には、前記供給液体収容部および前記回収液体収容部の一方を前記第1蓋板の側に配置し、他方を前記第2蓋板の側に配置し、前記枠状部材には、前記供給液体収容部から供給液体を外部に供給するための液体供給口と、外部から前記回収液体収容部に回収するための液体回収口とを配置しておけばよい。
【0020】
この構成の液体容器はインクジェットプリンターのインクカートリッジとして用いることができる。この場合には、前記供給液体収容部にインクが収容され、前記回収液体収容部は、インクジェットプリンターから排出される廃インクを回収するための廃インク収容部として用いられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の液体容器においては、その容器本体を構成している第1容器形成部材および第2容器形成部材を着脱可能な状態で相互に組み付けている係合機構として、第2係合部を強制的に弾性変形させると第1係合部および第2係合部の係合が解除される機構を採用し、第2係合部の弾性変形を、第1容器形成部材に対して着脱可能に取り付けた第3容器形成部材に形成した係合保持部によって拘束している。したがって、第3容器形成部材を第1容器形成部材から外さない限り、係合機構の係合が解除されて第2容器形成部材が第1容器形成部材から外れてしまうことがない。よって、係合機構として小さな力で簡単に係合解除可能なものを用いることができ、落下時の衝撃などによって容器本体が分解してしまうこともない。
【0022】
また、係合保持部の弾性変形を第1容器形成部材に形成した規制部によって規制している場合には、落下時などに作用する衝撃力によって第3容器形成部材が一時的に移動しても、係合保持部の弾性変形あるいは移動が規制部によって規制されているので、係合保持部が第2係合部から大きく離れて係合が解除されて第2容器形成部材が第1容器形成部材から外れてしまうことを防止できる。また、第3容器形成部材が第1容器形成部材に対して同様な係合機構によって組み付けられている場合に、当該規制部によって、第3容器形成部材の第1容器形成部材に対するズレが抑制されるので、第3容器形成部材が第1容器形成部材から外れてしまうことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンターの一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンターの内部構造を示す斜視図である。
【図3】(a)及び(b)はインクカートリッジの前側斜視図および後側斜視図である。
【図4】インクカートリッジの分解斜視図である。
【図5】インクカートリッジの廃インク収納部の構造を示す説明図である。
【図6】カートリッジ装着部を示す説明図である。
【図7】インクカートリッジの係合機構を示す部分断面図である。
【図8】図7の係合機構を示す部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照して、本発明をインクジェットプリンターのインクカートリッジに適用した実施の形態を説明する。
【0025】
(インクジェットプリンターの全体構成)
図1は、本発明を適用したインクカートリッジ(液体容器)を用いるインクジェットプリンターの一例を示す外観斜視図である。図示のインクジェットプリンター1は、複数種類のカラーインクを用いてロール紙から繰り出される長尺状の記録紙にカラー印刷を行うものであり、全体として直方体形状をしたプリンターケース2を備え、このプリンターケース2の前面中央部分にはロール紙装着用の開口部3が形成されている。開口部3には、上端に記録紙排出ガイド4が取り付けられた開閉蓋5が開閉可能に取り付けられている。記録紙排出ガイド4とプリンターケース2の開口部3の上縁部分との間に記録紙排出口6が形成されている。不図示のロックを解除して、記録紙排出ガイド4に指を掛けて手前に引くと開閉蓋5を図示の閉じ位置から、下端を中心として前方に倒れた開き位置まで開けることができる。
【0026】
プリンターケース2の前面における開閉蓋5の右側部分には電源スイッチ7a、紙送りスイッチ7b、複数個の動作状態表示ランプ7cなどが配列されている。プリンターケース2の前面における開閉蓋5の左側部分には、プリンター前後方向に延びる縦長の長方形断面のインクカートリッジ装着部8の装着口8aが開口しており、このインクカートリッジ装着部8に、本発明を適用したインクカートリッジ20が装着されている。
【0027】
図2はインクジェットプリンター1におけるプリンターケース2で覆われているプリンター機構部10を示す概略斜視図である。プリンター機構部10における中央部分にはロール紙収納部11が形成されており、開閉蓋5を開けると、このロール紙収納部11が前方に開口し、ロール紙の交換などを行うことができる。ロール紙収納部11の上側には、プリンター幅方向にプラテン12が架け渡されており、このプラテン12の上側には、インクジェットヘッド13が搭載されたキャリッジ14が配置されている。キャリッジ14はプリンター幅方向にプラテン12と平行に架け渡したキャリッジガイド軸15に沿ってプリンター幅方向に往復移動可能である。
【0028】
キャリッジ14には各カラーインクのインクポンプ、たとえば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクのそれぞれを貯留するインクポンプ16a〜16dが搭載されており、各インクポンプ16a〜16dには可撓性インクチューブ17a〜17dの一端がそれぞれに接続されている。可撓性インクチューブ17a〜17dの他端はインクカートリッジ装着部8の後端側の部位に配置されている上下方向に延びる4本のインク供給路(図示せず)のそれぞれに接続されている。インク供給路のそれぞれはインクカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ20の側に連通している。
【0029】
プラテン12の右側に外れた部位には、ヘッドメンテナンスユニット19が配置されており、キャリッジ14に搭載されているインクジェットヘッド13は、当該ヘッドメンテナンスユニット19に対峙した図2に示すホームポジションにおいて、印刷に関与しないインク液滴の吐出動作、各インクノズルからのインク吸引動作などのメンテナンス動作が行われる。インクジェットヘッド13から排出された廃インク液はヘッドメンテナンスユニット19から不図示の廃インク液回収路を経由して、インクカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ20の側に回収される。ヘッドメンテナンスユニット19には廃インク液をインクカートリッジ20に向けて送り出すためのポンプ、例えばチューブポンプが備わっている。
【0030】
(インクカートリッジの全体構成)
図3(a)はインクカートリッジ20を、カートリッジ装着部8に対する装着方向の後ろ側から見た場合の後側斜視図であり、図3(b)はインクカートリッジ20を装着方向の前側から見た場合の前側斜視図である。インクカートリッジ20は全体として、カートリッジ装着部8に対する装着方向に長い扁平な直方体形状をしたカートリッジケース21(容器本体)を備えている。カートリッジケース21の内部には、後述するように(図4参照)、装着方向に直交する幅方向の一方の側にインク収容部48(供給液体収容部)が形成され、他方の側に廃インク収容部49(回収液体収容部)が形成されており、インク収容部48には複数のインク袋、本例ではシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4種類のインク袋54〜57が収納されている。
【0031】
カートリッジケース21における装着方向の前端面22は長方形をしており、ここには、複数個の孔が形成されている。本例では、前端面22の幅方向(短辺方向)の一方の側に、上側から順に、位置決め針差し込み孔23と、収納されているインク袋に対応する数、本例では4個のインク供給針差し込み孔24〜27と、回り止め針差し込み孔28とが形成されている。幅方向(短辺方向)の他方の側には、その上端側の部位には廃インク回収針差し込み孔29が形成され、その下端側の部位には大気開放針差し込み孔30が形成されている。
【0032】
カートリッジケース21の上端面31における装着方向の後側の部分には、略半分の幅で上方に突出した長方形の突出面32が形成されている。この突出面32からカートリッジケース21の一方の側面33に掛けて、インクカートリッジ情報が印刷された長方形のラベル34が貼り付けられている。カートリッジケース21の上端面31における装着方向の前端部には一段低い凹部35が形成されており、この凹部35の平坦な底面には、インクカートリッジ情報が書き込まれたICチップ36が取り付けられている。
【0033】
カートリッジケース21の側面33の下側の装着方向の前端角部分は、幅方向に窪んだ矩形状凹部37が形成されており、この矩形状凹部37の下端側にはインクカートリッジ20を装着位置にロックするための楔状の係合突起38が横方に突出している。
【0034】
(インクカートリッジの内部構造)
図4はインクカートリッジ20の内部構造の一例を示す分解斜視図である。この図を参照して説明すると、インクカートリッジ20のカートリッジケース21(容器本体)は、ケース本体40(第1容器形成部材、枠状部材)と、このケース本体40に対して両側から取り付けられる蓋板41(第2容器形成部材、第1蓋板)および蓋板42(第3容器形成部材、第2蓋板)とから構成されている。これらの部品40、41、42は例えばプラスチック製の射出成形品である。
【0035】
ケース本体40は、矩形の仕切り板部分43と、この仕切り板部分43の外周縁を取り囲む状態に一体形成されている矩形の内周枠板部分44と、この内周枠板部分44を取り囲む状態に形成した外周枠板部分45とを備えている。内周および外周枠板部分44、45の間は、所定の間隔で板状リブ46によって連結されており、各板状リブ46の間には所定幅および所定長さのスリット47が形成されている。各スリット47は、矩形枠状のケース本体40における蓋板41が取り付けられている一方の第1開口端40aから蓋板42が取り付けられている他方の第2開口端40bまで貫通している。
【0036】
ケース本体40の仕切り板部分43および内周枠板部分44と、一方の蓋板42とによってインク収容部48が区画形成されており、他方の蓋板41の側には廃インク収容部49が形成されている。蓋板42の外側の側面にはラベル42aが貼り付けられており、蓋板41の外側の側面にもラベル41aが貼り付けられている。
【0037】
インク収容部48には、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクが貯留されている4種類のインク袋54〜57が収納されている。各インク袋54〜57のインク供給口54a〜57aは、外周枠板部分45における前端面22に形成されているインク供給針差し込み孔24〜27に同軸状態に固定されている。各インク供給口54a〜57aは同一構成であり、円環状のシールゴムによって規定されており、このシールゴムの後側には常閉弁機構が配置されている。インク供給口57aについて説明すると、当該インク供給口57aは、円環状のシールゴム57bと、このシールゴム57bを保持している円筒枠57cと、シールゴム57bの後側に配置されている円盤状の弁体57dと、この弁体57dをシールゴム57bの後端面に押し付けているばね部材57eとを備えており、インク供給口57aは常時は封鎖されている。また、ゴムシール57bが円筒枠57cから外れないようにキャップ57fが円筒枠57cに取り付けられている。
【0038】
図5は蓋板41の内側面を示す平面図である。図4および図5を参照して説明すると、蓋板41の側の廃インク収容部49は、当該蓋板41の内側面と、ここに貼り付けた高剛性のフィルム50との間に形成されている。廃インク収容部49は、その上側の部位においてインクカートリッジ装着方向に延びる2本の横リブ62aと、フィルム50との間に形成される廃インク回収路61を備えており、この廃インク回収路61の下側が廃インク回収室62となっており、廃インク回収路61の上側が大気開放室63となっている。
【0039】
廃インク回収路61におけるインクカートリッジ装着方向の前端側の前端61aは、廃インク回収口65に連通している。廃インク回収口65はカートリッジケース21の前端面22に形成した廃棄インク回収針差し込み孔29に同軸状態で接続されている。廃インク回収口65は、後述の廃インク回収針89(図6参照)によって押し広げられる円環状のシールゴム65aと、当該シールゴム65aに差し込まれた廃インク回収針89によって押し込まれて当該廃インク回収口65を開状態に切り替える常閉弁機構65bとを備えている。廃インク回収路61の前端61bは、カートリッジケース21のインクカートリッジ装着方向の後端側において廃インク回収室62に連通している。廃インク回収室62は、蓋板41の平坦な内側面に形成したインクカートリッジ装着方向に延びる所定高さの横リブ62aによって上下に3つの区画室に仕切られており、これらの区画室はインクカートリッジ装着方向の前後の端において相互に連通している。
【0040】
上側の大気開放室63は、そのインクカートリッジ装着方向の後側の部分に、蓋板41の内側面に形成した複数のリブによって区画されている複数の第1区画室群63aを備えており、これらの第1区画室群63aのうち、空気排出方向における最も上流側に位置している区画室63a1が廃インク回収室62に連通している。また、各第1区画室においては、その上流側に隣接する区画室との連通孔の位置と、その下流側に隣接する区画室との連通孔の位置とが、インクカートリッジ装着方向に直交する上下方向にオフセットしており、廃インクが大気開放側の下流側の区画室に流れ込むことが防止あるいは抑制できるようになっている。
【0041】
第1区画室群63aのうち最も下流側に位置している区画室63a2のインクカートリッジ装着方向の前側には、複数の第2区画室群63bが配列されている。第2区画室群63bのうち最も上流側に位置している区画室63b1が区画室63a2に連通している。第2区画室群63bの各区画室は、蓋板42の反対側の面に形成した連通溝63cを介して下流側の区画室に連通している。連通溝63cは図6から分かるようにフィルム67を貼り付けることにより封鎖されている。第2区画室群63bにおける最も下流側の区画室63b2は、蓋板42の上辺縁に沿って形成したインクカートリッジ装着方向に延びる大気開放路63dに連通している。大気開放路63dの後端は蓋板41の後側縁に沿って下方に延びる大気開放路63eに連通している。
【0042】
大気開放路63eの中程の部位は二股に分岐して一方は下方に延びる液溜め空間63fに連通し、他方の下端は蓋板42の下辺縁に沿ってインクカートリッジ装着方向の前方に延びる大気開放路63gに連通している。大気開放路63gの前端は大気開放口66に連通している。
【0043】
大気開放口66は本例では大気開放針差し込み孔30となっており、ここには、円環状のシールゴム66aと、当該シールゴム66aに差し込まれる大気開放用部材である大気開放針90(図6参照)によって押されて大気開放針差し込み孔30を開状態に切り替える常閉弁機構66bとが装着されている。
【0044】
(インクカートリッジ装着部の構成)
図6(a)および(b)はインクジェットプリンター1のインクカートリッジ装着部8の後端部分を示す説明図である。この図に示すように、インクカートリッジ装着部8の後端面81には、複数本の差し込み針がプリンター前方に向けてインクカートリッジ20が着脱される方向と平行に突出している。本例では、当該後端面81における幅方向の一方の側に、上側から順に、位置決め針83、4本のインク供給針84〜87、および回り止め針88が配置されている。幅方向の他方の側には、その上端側の部位に廃インク回収針89が配置され、その下端側の部位には大気開放針90が配置されている。
【0045】
インクカートリッジ装着部8の底面91には、インクカートリッジ装着方向に沿った方向であるプリンター前後方向にスライド可能なスライド板92が配置されている。スライド板92とプリンター本体側の部位との間にはインクカートリッジ装着方向に延びる引張りコイルばね93が架け渡されている。インクカートリッジ20をインクカートリッジ装着部8に挿入すると、当該インクカートリッジ20がスライド板92に係合し、スライド板92がインクカートリッジ20と一緒にプリンター後方側(インクカートリッジ装着方向)に押し込まれるようになっている。スライド板92が図4に示す位置よりもプリンター後方に押し込まれると、引張りコイルばね93が伸びて、スライド板92をインクカートリッジ装着方向とは逆方向(プリンタ前方)に押し出す方向のばね力が当該スライド板92に作用する。
【0046】
インクカートリッジ20をインクカートリッジ装着部8に差し込むと、図6(a)に示すように、まず、位置決め針83および回り止め針88が、それぞれ、インクカートリッジ20の前端面22に形成されている位置決め針差し込み孔23および回り止め針差し込み孔28に差し込まれる。これらによって位置決めされながらインクカートリッジ20がインクカートリッジ装着部8に差し込まれていく。この後は、インク供給針84〜87、廃インク回収針89、大気開放針90のそれぞれが、インク供給針差し込み孔24〜27、廃インク回収針差し込み孔29、大気開放針差し込み孔30に差し込まれていく。
【0047】
図6(b)に示すように、インクカートリッジ20が完全に差し込まれて装着位置にロックされると、インク供給針84〜87、廃インク回収針89、大気開放針90のそれぞれによって、インク供給針差し込み孔34〜37、廃インク回収針差し込み孔29、大気開放針差し込み孔30を封鎖している常閉弁機構が開き、インクカートリッジ20の各インク袋54〜57から各インク供給針84〜87を経由してインクジェットヘッド13の側に各カラーインクを供給するインク供給経路が形成される。同時に、ヘッドメンテナンスユニット19の側から廃インク回収針89を介してインクカートリッジ20の廃インク回収室62に至る廃インク回収経路が形成される。また、インクカートリッジ20の廃インク回収室62が大気開放針90によって大気開放状態になる。
【0048】
(カートリッジケースの組み付け構造)
次に、カートリッジケース21を構成しているケース本体40および蓋板41、42の組み付け構造を説明する。蓋板41および蓋板42は、ケース本体40を挟み、当該ケース本体40に対して着脱可能な状態で取り付けられている。
【0049】
まず、ケース本体40に対する蓋板41の組み付け構造を説明する。図4、図5に示すように、蓋板41の側には、その外周縁部分に沿って、ケース本体40の側に直角に延びる第1係合板101(1)〜101(7)が所定の間隔で形成されている。本例では、図5から分かるように、長辺側の両側の縁に沿って、それぞれ3箇所に同一形状の第1係合板101(1)、101(2)、101(3)、101(5)、101(6)、101(7)が形成されている。また、その短辺側の縁においては、装着方向の後ろ側の縁にはその中央に1枚の第1係合板101(4)が形成されている。第1係合板101(1)〜101(7)は矩形枠状のものであり、その中央部分には矩形の係合孔101aが形成されている。
【0050】
蓋板41の装着方向の前側の縁にはその中央に一枚の一定幅の第1係合片102が直角に延びる状態に形成されている。これら第1係合片102の先端には外側に折れ曲がった爪部102aが形成されている。
【0051】
ここで、図7(a)は、図3におけるA−A線で切断した部分を示す部分断面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B線で切断した部分を示す部分断面図である。図8(a)は図7(a)に示す部分断面の分解図であり、図8(b)は図7(b)に示す部分断面図の分解図であり、ケース本体40に対して蓋板41、42を組み付ける前の状態を示している。
【0052】
図7、図8も参照して説明すると、ケース本体40の外周縁部分に沿って形成されている多数のスリット47のうち、各第1係合板101(1)〜101(7)に対応する部位に形成されているスリット47には、ケース本体40の内側に位置するスリット内側面47a(第1側面)に第1係合突起103(第1係合部)が形成されている。第1係合突起103はスリット内側面47aに対峙している外側のスリット内側面47b(第2側面)の側に所定量だけ突出している。
【0053】
図8に示すように、蓋板41をケース本体40の第1開口端40aに位置決めすると第1係合板101(1)はスリット内側面47aに沿った方向に延びた状態になる。第1係合板101(1)をスリット内側面47aに沿ってスリットに挿入すると、当該第1係合板101(1)の先端が第1係合突起103に当たり、スリット内側面47bの側に弾性変形しながら第1係合突起103を乗り越える。第1係合突起103を乗り越えると、すなわち、その係合孔101aの内周縁101bが第1係合突起103を乗り越えると、当該第1係合板101(1)がスリット内側面47aの側に弾性復帰して、図7に示すように、第1係合板101(1)が第1係合突起103に係合した状態が形成される。他の第1係合板101(2)〜101(7)も同様に対応する第1係合突起103に係合する。
【0054】
また、蓋板41の装着方向の前側の縁に形成されている1枚の係合片102は、これに対応するケース本体40の側のスリット47に挿入される。当該スリット47のスリット内側面(図示せず)には、係合片102の爪部102aが係合可能な係合突起(図示せず)が形成されている。係合片102も不図示の係合突起に係合した状態になる。
【0055】
このように、7組の第1係合突起103と第1係合板101(1)〜101(7)、および、1組の係合片102と不図示の係合片によって、ケース本体40の一方の第1開口端40aの側に蓋板41が着脱可能に取り付けられている。
【0056】
ここで、図4に示すように、他方の蓋板42の側にはその外周縁部分に沿って、第1係合板101(1)〜101(7)に対応する位置に、それぞれ係合保持板104(1)〜104(7)が形成されている。各係合保持板104(1)〜104(7)は、蓋板42の外周縁部分からケース本体40の側に直角に延びる一定幅で一定長さの板状片である。係合保持板104(1)〜104(7)は、第1係合板101(1)〜101(7)が第1係合突起103から外れないように、当該第1係合板101(1)〜101(7)の弾性変形を拘束するためのものである。
【0057】
図8に示すように蓋板42をケース本体40の他方の第2開口端40bの側に位置決めして、当該第2開口端40bに取り付けると、各係合保持板104(1)〜104(7)がケース本体40の対応するスリット47に挿入される。係合保持板104(1)を例に挙げて説明すると、係合保持板104(1)は、スリット47のスリット内側面47aに対して第1係合板101(1)のほぼ厚さ分だけ離れており、他方のスリット内側面47bに対しては、これよりも狭い間隔だけ離れている。また、第1係合板101(1)における一方の枠部分101cに重なるように形成されている。
【0058】
係合保持板104(1)をスリット47に差し込むと、図7に示すように、その先端部分104aとスリット内側面47aとの間に、第1係合板101(1)の一方の枠部分101cの先端部分が挟持された状態が形成される。この結果、第1係合板101(1)がスリット内側面47aから離れる方向に弾性変形することが拘束された状態になる。したがって、インクカートリッジ20を落下させた場合などに大きな衝撃力が作用しても、第1係合板101(1)が第1係合突起103から外れる方向に撓むことが阻止されるので、これらの間の係合状態が保持される。
【0059】
よって、ケース本体40から蓋板41が外れてしまうことがない。この結果、第1係合板101(1)を長くして容易に撓めることができるようにして、蓋板41をケース本体40に対して着脱容易にしておくことができる。また、このようにすると、第1係合板101(1)の根元部分の応力集中を緩和できるので、当該部分が塑性変形して白化して脆弱になって破損しやすくなるという弊害も防止できる。
【0060】
次に、図4、図7および図8を参照して、ケース本体40に対する他方の蓋板42の取り付け構造を説明する。蓋板42の側には、その外周縁部分に沿って、ケース本体40の側に直角に延びる第2係合板105が所定の間隔で形成されている。本例では、長辺側の両側の縁に沿って、それぞれ2箇所に同一形状の第2係合板105が形成されている。また、その短辺側の縁においては、装着方向の後ろ側の縁にはその両端側の部位に2枚の第2係合板105が形成されている。これらの第2係合板105は第1係合板101と同一形状のものであり、第1係合板101に干渉しない位置、すなわち、ケース本体40における異なるスリット47に差し込み可能な位置に形成されている。
【0061】
また、蓋板42における装着方向の前側の縁にはその中央部分に2枚の一定幅の第2係合片106が直角に延びる状態に形成されている。これらの第2係合片106の先端には外方に折れ曲がった爪部106aが形成されている。
【0062】
ケース本体40における第2係合板105が挿入されるスリット47のスリット内側面47aには、図7(b)、図8(b)に示すように、第1係合突起103と同様な形状をした第2係合突起107が形成されている。また、第2係合片106が挿入されるスリット47には、図4に示すように、外周枠板部分45を貫通する状態に形成した係合溝108が形成されている。
【0063】
蓋板42をケース本体40の第2開口端40bの側に位置決めして重ね合わせると、蓋板42の第2係合板105、第2係合片106が対応するスリット47に差し込まれる。第2係合片106の先端の爪部106aはスリット47の係合溝108に嵌り、第2係合板105はスリット47のスリット内側面47aに形成されている第2係合突起107に係合する。
【0064】
ここで、蓋板42には、先に述べたように、係合保持板104(1)〜104(7)が形成されている。図7に示すように、これらの先端部分は他方の蓋板41の第1係合板101(1)〜101(7)の先端部分に当接しており、反対側は僅かの隙間でスリット内側面47bに対峙している。したがって、インクカートリッジ20を落下させた場合などにおいて、ケース本体40に対して蓋板42をその板面方向にズラそうとする大きな力が作用した場合、係合保持板104(1)〜104(7)の撓みが規制されるので、第1係合板105と第2係合突起106の係合状態が保持される。よって、蓋板42がケース本体40から外れてしまうことを防止できる。
【0065】
なお、説明を省略したが、第1係合板101(1)〜101(7)、第1係合突起103(1)〜103(7)、係合保持板104(1)〜104(7)には、それぞれ、係合動作が円滑に行われるように、それらの先端部分などにテーパ面が形成されている。同様に、第2係合板105および第2係合片106にもテーパ面が形成されている。
【0066】
以上説明したように、本例のインクカートリッジ20においては、そのカートリッジケース21(容器本体)を構成しているケース本体40(第1容器形成部材)および蓋板41(第2容器形成部材)を着脱可能な状態で相互に組み付けている係合機構として、第1係合板101(1)〜101(7)(第2係合部)を強制的に弾性変形させると、第1係合突起103(第1係合部)および第1係合板101(1)〜101(7)(第2係合部)の係合が解除される機構を採用している。また、第1係合板101(1)〜101(7)の弾性変形を、ケース本体40に対して着脱可能に取り付けた蓋板42(第3容器形成部材)に形成した係合保持板104(1)〜104(7)(係合保持部)によって拘束している。
【0067】
したがって、蓋板42をケース本体40から外さない限り、係合機構の係合が解除されて蓋板41がケース本体40から外れてしまうことがない。よって、係合機構として小さな力で簡単に係合解除可能なものを用いることができると共に、落下時の衝撃などによってカートリッジケース21が分解してしまうこともない。
【0068】
また、係合保持板104(1)〜104(7)の弾性変形あるいは移動を、ケース本体40に形成したスリット内側面47b(規制部)によって規制しているので、落下時などに作用する衝撃力によって蓋板42が一時的に移動しても、係合保持板104(1)〜104(7)の弾性変形あるいは移動がスリット内側面47bによって規制されているので、係合保持板104(1)〜104(7)が第1係合板101(1)〜101(7)から大きく離れて係合が解除されて蓋板41がケース本体40から外れてしまうことを防止できる。さらに、蓋板42のケース本体40に対するズレも当該スリット内側面47bによって抑制されるので、蓋板42がケース本体40から外れてしまうことも防止できる。
【0069】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態ではインクカートリッジ20が直方体形状のものであるが、インクカートリッジ20の形状としては直方体以外の形状のものであってもよい。
【0070】
上記の実施の形態では、インクカートリッジ20はインク収容部と廃インク収容部が備わっているが、インク収容部のみ、あるいは廃インク収容部のみが備わっている液体容器であっても本発明を適用することが可能である。
【0071】
上記の実施の形態では、本発明の液体容器をインクジェットプリンターのインク供給源として用いるインクカートリッジに適用した例について説明してきたが、本発明の液体容器は、これ以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材吐出ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物吐出ヘッド等の液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置、精密ピペットとしての試料吐出装置等に使用される液体容器にも適用できる。
【0072】
また、液体の概念にはジェル状のもの、粘性の高いもの、固形物を含む溶媒に混合させたものも含まれ、インクとしては水性インク、油性インク、染料インク、顔料インクなどの各種のインクが含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 インクジェットプリンター、2 プリンターケース、3 開口部、4 記録紙排出ガイド、5 開閉蓋、6 記録紙排出口、7a 電源スイッチ、7b 紙送りスイッチ、7c 動作状態表示ランプ、8 インクカートリッジ装着部、8a 装着口、10 プリンター機構部、11 ロール紙収納部、12 プラテン、13 インクジェットヘッド、14 キャリッジ、15 キャリッジガイド軸、16a〜16d インクポンプ、17a〜17d インクチューブ、19 ヘッドメンテナンスユニット、20 インクカートリッジ、21 カートリッジケース、22 前端面、23 位置決め針差し込み孔、24〜27 インク供給針差し込み孔、28 回り止め針差し込み孔、29 廃インク回収針差し込み孔、30 大気開放針差し込み孔、31 上端面、32 突出面、33 側面、34 ラベル、35 凹部、36 ICチップ、37 矩形状凹部、38 係合突起、38a 傾斜上面、38b 前側垂直面、40 ケース本体、40a 第1開口端、40b 第2開口端、41、42 蓋板、43 仕切り板部分、44 内周枠板部分、45 外周枠板部分、46 板状リブ、47 スリット、47a スリット内側面、47b スリット内側面、48 インク収容部、49 廃インク収容部、50 フィルム、54〜57 インク袋、54a〜57a インク供給口、61 廃インク回収路、61a 前端、61b 後端、62 廃インク回収室、62a 横リブ、63 大気開放室、63a 第1区画室群、63a1,63a2 区画室、63b 第2区画室群、63b1,63b2 区画室、63c 連通溝、63d 大気開放路、63e 大気開放路、63f 液溜め空間、63g 大気開放路、65 廃インク回収口、65a シールゴム、65b 常閉弁機構、66 大気開放口、66a シールゴム、66b 常閉弁機構、67 フィルム、81 後端面、83 位置決め針、84〜87 インク供給針、88 回り止め針、89 廃インク回収針、90 大気開放針、91 底面、92 スライド板、93 コイルばね、101(1)〜101(7) 第1係合板、101a 係合孔、101b 内周縁、101c 枠部分、102 第1係合片、102a 爪部、103(1)〜103(7) 第1係合突起、104(1)〜104(7) 係合保持板、104a 先端部分、105 第2係合板、106 第2係合片、107 第2係合突起、107a 爪部、108 係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、
前記容器本体の内部に形成された液体収容部とを有し、
前記容器本体は、少なくとも、第1容器形成部材、第2容器形成部材および第3容器形成部材の三部材から構成されており、
前記第2容器形成部材および前記第3容器形成部材は、前記第1容器形成部材を挟んだ状態で、当該第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けられており、
前記第2容器形成部材を前記第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けている係合機構は、前記第1容器形成部材に形成した第1係合部と、前記第2容器形成部材に形成した第2係合部と、前記第3容器形成部材に形成した係合保持部とを備えており、
前記第2係合部は、前記第1係合部に係合しており、弾性変形させて当該第1係合部から外すことが可能であり、
前記係合保持部は、前記第2係合部が前記第1係合部から外れないように、当該第2係合部の弾性変形を拘束していることを特徴とする液体容器。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1容器形成部材は、前記係合保持部が前記第2係合部から離れる方向に移動することを規制するための規制部を備えていることを特徴とする液体容器。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1容器形成部材は、第1側面と、当該第1側面に対して一定の間隔で対峙している第2側面とを備えており、当該第2側面が前記規制部であり、
前記第1係合部は、前記第1側面から前記第2側面に向けて突出している係合突起であり、
前記第2係合部は前記第1側面に沿った方向に延びている係合板であり、当該係合板は、前記係合突起に対して前記第1側面に沿った方向から係合している係合内周縁を備え、前記第1側面から離れる方向に弾性変形可能であり、
前記係合保持部は、前記係合板と前記第2側面の間において、前記第1側面に沿った方向に延びている係合保持板であり、当該係合保持板は、前記第1側面との間に前記係合板の少なくとも一部を挟持していることを特徴とする液体容器。
【請求項4】
請求項3において、
前記第3容器形成部材を前記第1容器形成部材に対して着脱可能な状態で取り付けている第2係合機構を有し、
当該第2係合機構は、前記第1容器形成部材の前記第1側面から前記第2側面に向けて突出している第2係合突起と、前記第3容器形成部材に形成された第2係合板とを備えており、
前記第2係合板は、前記第1側面に沿った方向に延び、前記係合突起に対して前記第1側面に沿った方向から係合している係合内周縁を備え、前記第1側面から離れる方向に弾性変形させると前記第2係合突起から外すことが可能となっていることを特徴とする液体容器。
【請求項5】
請求項4において、
前記係合機構は、前記第1容器形成部材の外周縁に沿って所定間隔で複数箇所に配置されていることを特徴とする液体容器。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1容器形成部材は両端が開口している枠状部材であり、
前記第2容器形成部材は前記枠状部材の一方の第1開口を封鎖している第1蓋板であり、
前記第3容器形成部材は前記枠状部材の他方の第2開口を封鎖している第2蓋板であり、
前記枠状部材は、前記係合機構のそれぞれの配置位置に対応する部位に、前記第1蓋板から前記第2蓋板まで貫通する所定幅および所定長さのスリットを備えており、
前記スリットのそれぞれにおける前記枠状部材の内側に位置するスリット側面が前記第1側面であり、外側に位置するスリット側面が前記第2側面であり、
前記スリットには、前記係合機構の前記係合板が前記第1開口の側から挿入され、前記係合保持板が前記第2開口部の側から挿入されていることを特徴とする液体容器。
【請求項7】
請求項6において、
前記液体収容部は、供給液体を収容している供給液体収容部と、外部から回収する回収液体を収容するための回収液体収容部とを備え、
前記供給液体収容部および前記回収液体収容部の一方が前記第1蓋板の側に配置され、他方が前記第2蓋板の側に配置されており、
前記枠状部材には、前記供給液体収容部から供給液体を外部に供給するための液体供給口と、外部から前記回収液体収容部に回収するための液体回収口とが配置されていることを特徴とする液体容器。
【請求項8】
請求項7において、
前記供給液体収容部に収容されているインクを備えており、
前記回収液体収容部は、インクジェットプリンターから排出される廃インクを回収するための廃インク収容部であることを特徴とする液体容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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