説明

液体成分の分析方法及び液体成分の分析補助装置

【課題】固相抽出用カラムのコンディショニング操作を少ない量の溶媒で行うことができ、かつ固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気の溶媒への置換を高度に、ばらつきが少ない状態で行うことのできる、固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法、及びそのような操作を簡便に実現することができる液体成分の分析補助装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体成分の分析方法は、液体試料に含まれる成分を吸着するための固相吸着剤が充填された充填層34を有する固相抽出用カラム3が使用され、試料成分を含まない置換溶媒を供給して充填層34を前記置換溶媒で湿潤させるコンディショニング工程を少なくとも有し、前記コンディショニング工程において、固相抽出用カラム3の全体を減圧環境下に置くことにより、充填層34に含まれた空気の除去を促進させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体成分の分析方法及び液体成分の分析補助装置に関し、さらに詳しくは、固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法及び固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析に使用される液体成分の分析補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体試料に含まれた分析対象の成分を濃縮したり精製したりするための前処理として、固相抽出用カラムを使用した処理が広く行われている(例えば特許文献1を参照)。固相抽出用カラムは、シリカ系やポリマー系等の多孔質粒子を固相吸着剤としてポリプロピレン製等の中空容器に充填したものである。固相抽出用カラムは、固相吸着剤が充填された充填層と、充填層の上方に液体を保持するための液体保持部と、充填層の下方に液体を流出させるための流出口とを有し、液体保持部に供給された液体は、固相抽出用カラムの充填層を通過して、流出口から流出する。
【0003】
固相抽出用カラムを使用して目的成分の濃縮・精製を行うには、まず、試料溶液を固相抽出用カラムの液体保持部に供給し、当該試料溶液を固相抽出用カラムの充填層を通過させることにより、固相吸着剤に試料溶液中の目的成分を吸着させる。その後、溶出液をカラムに流すことによって、充填層内部の固相吸着剤に吸着された目的成分を溶出させる。溶出された目的成分は、その後、液体クロマトグラフィー等の各種分析が行われる。
【0004】
ところで、固相抽出用カラムの固相吸着剤は、乾式充填されている。このため、試料溶液を固相吸着剤に吸着させる前に、適切な溶媒を使用して固相吸着剤の含まれる充填層を湿潤させる操作が行われる。この操作はコンディショニングと呼ばれ、コンディショニングが適切に行われることにより、固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気が溶媒で置換されるとともに固相吸着剤粒子の表面が溶媒で濡れることになる。これにより、目的成分の含まれた試料溶液が固相吸着剤の粒子の表面と十分に接触できるようになり、固相吸着剤は十分な吸着性能を発揮する。一方、コンディショニングが不足すると、固相吸着剤粒子の周囲に空気が残存し、固相吸着剤の吸着能が十分に発揮されないことになる。
【0005】
コンディショニングは、一般に、固相抽出用カラムの液体保持部に溶媒を供給しながら、流出口側を減圧にすることで行われている。このようにカラムの液体供給側と排出口側とで圧力差を設けることにより、溶媒は、固相抽出用カラムの充填層を速やかに通過するので、コンディショニングに要する時間を短縮させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−258203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、充填層の内部に存在する固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気を溶媒で完全に置換することは難しく、置換を完全に行おうとすると大量の溶媒や時間が必要になるという問題が存在する。その一方で、固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気が溶媒で完全に置換されていなければ、固相吸着剤の吸着性能が十分に発揮されず、期待されたような分析結果が得られない場合もある。さらに、固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気の量を観察しながらコンディショニングを行うことは不可能なので、固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気の溶媒による置換の程度が固相抽出用カラムごとに異なることもしばしば発生する。このため、固相抽出用カラム間でのサンプル溶液、洗浄溶媒、抽出溶媒の流速に大きな違いを生じるばかりでなく、分析結果の再現性を低下させるという問題を発生する。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、固相抽出用カラムのコンディショニング操作を少ない量の溶媒で行うことができ、かつ固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気の溶媒への置換を高度に、ばらつきが少ない状態で行うことのできる、固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法、及びそのような操作を簡便に実現することができる液体成分の分析補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、固相抽出用カラムの全体を減圧環境下に置いてコンディショニング操作を行うことにより、固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気を速やかに、かつ高いレベルで溶媒に置換することが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、(1)液体試料に含まれる成分を吸着するための固相吸着剤が充填された充填層を有する固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法であって、試料成分を含まない置換溶媒を供給して前記充填層を前記置換溶媒で湿潤させるコンディショニング工程を少なくとも有し、前記コンディショニング工程において、前記固相抽出用カラムの全体を減圧環境下に置くことにより、前記充填層に含まれた空気の除去を促進させることを特徴とする液体成分の分析方法である。
【0011】
また本発明は、(2)液体試料に含まれる成分を吸着するための固相吸着剤が充填された充填層を有し、前記充填層の上方には、前記液体試料を保持するための液体保持部と、前記液体保持部に液体試料を供給するための開口部が設けられ、前記充填層の下方には、前記充填層を通過した液体を流出させる流出口が設けられた固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析で使用される液体成分の分析補助装置であって、前記液体成分の分析補助装置の内部には、液体試料を前記開口部から前記液体保持部に供給したり、前記流出口から流出した必要な液体を採取したりするための作業領域と、前記流出口から流出した必要のない液体を廃棄するための廃棄領域と、前記固相抽出用カラムが起立して設置され、前記作業領域と前記廃棄領域との間を移動可能なカラム設置台と、が設けられ、前記分析補助装置の内部と外部とを隔てる壁には、前記分析補助装置の内部の空気を外部に排気する排気口を接続するための接続手段が設けられた液体成分の分析補助装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、固相抽出用カラムのコンディショニング操作を少ない量の溶媒で行うことができ、かつ固相吸着剤粒子の周囲に存在する空気の溶媒への置換を高度に、ばらつきが少ない状態で行うことのできる、固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法、及びそのような操作を簡便に実現することができる液体成分の分析補助装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の液体成分の分析方法の一実施態様で使用されるカラムの一例を示す模式図である。
【図2】本発明の液体成分の分析方法の一実施態様とは別の実施態様で使用されるカラムの一例を示す模式図である。
【図3】本発明の液体成分の分析補助装置の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の液体成分の分析方法の一実施態様について説明する。本実施態様は、固相吸着剤が充填されたカラムを使用した液体成分の分析方法であって、当該カラムを減圧環境に置いて、固相吸着剤を溶媒で湿潤させるコンディショニング工程を行うものである。まず、本実施態様で使用される固相吸着剤が充填された固相抽出用カラムについて説明する。
【0015】
<固相抽出用カラム>
本実施態様の液体成分の分析方法で使用される固相抽出用カラム(以下、単に「カラム」ともいう。)について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施態様の液体成分の分析方法で使用されるカラム3の一例を示す模式図である。カラム3は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなる中空体の内部に、試料溶液中から試料成分を吸着させるための固相吸着剤が充填された充填層34が形成される。そして、充填層34の上方には、液体試料が供給されるための開口部31と、供給された液体試料を保持するための液体保持部32とが設けられ、充填層34の下方には、充填層34を通過した液体を流出させるための流出口36が設けられる。
【0016】
固相吸着剤は、フリッツと呼ばれる多孔性の樹脂シート33、35で挟まれてカラム3に充填されて充填層34を形成する。多孔性のフリッツ33、35は、液体を通過させる一方で、固体は通過させない。このため、充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子は、カラム3に試料溶液を供給した際の衝撃で液体保持部32に存在する液体中を舞ったり、流出口36から液体とともに流出したりすることが防止される。フリッツ33、35を構成する樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等が挙げられ、中でも好適な樹脂としてポリエチレンが挙げられる。
【0017】
充填層34に含まれる固相吸着剤は、クロマトグラフィーで通常使用される吸着剤を特に制限なく使用することができる。このような固相吸着剤としては、C18シリカ、シリカ、多孔質ポリマー、カーボン等が例示される。シリカは、表面が有機化合物等で修飾されていてもよい。多孔質ポリマーとしては、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリレート等が例示される。これらの固相吸着剤は、粉末の状態のまま乾式法でカラム3に充填されるが、溶媒中に分散された状態でカラム3に充填され、その後、固相吸着剤から溶媒を取り除く湿式法でカラム3に充填されてもよい。固相吸着剤の粒子径は、10〜1000μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
【0018】
カラム3は、内部の充填層34が溶媒を含まない乾燥した状態で保存され、使用に際して、適切な溶媒をカラム3の内部に通過させることにより、内部の充填層34が溶媒で湿潤される。
【0019】
<液体成分の分析方法>
本実施態様の液体成分の分析方法は、上記のカラム3を使用して行われ、充填層34を置換溶媒で湿潤させるコンディショニング工程を少なくとも有し、コンディショニング工程の後、液体試料に含まれる標的成分又は非標的成分を充填層34に含まれる固相吸着剤に吸着させる吸着工程を有する。以下、各工程について説明する。
【0020】
[コンディショニング工程]
本実施態様の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程は、試料成分を含まない置換用の溶媒(以下、「置換溶媒」ともいう。)をカラム3の開口部31から液体保持部32に供給するとともに、当該置換溶媒をカラム3の流出口36から流出させることにより、充填層34を置換溶媒で湿潤させる工程である。
【0021】
この工程は、溶媒を含まず乾燥した状態の充填層34を置換溶媒で湿潤させる工程である。この工程を経ることにより、充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子の周囲に存在する空気が置換溶媒によって置換され、固相吸着剤が吸着性能を発揮することができる状態になる。
【0022】
置換溶媒は、特に限定されず、クロマトグラフィーで通常用いられる溶媒が使用される。充填層34に含まれる固相吸着剤が順相用のもの(固相吸着剤の粒子の表面が親水性)であれば、置換溶媒は、例えば、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン等の非極性溶媒が使用される。これらの非極性溶媒は、1種又は2種以上が混合されて使用され、必要に応じてアセトンやジエチルエーテル等の極性溶媒が混合された状態で使用される。また、充填層34に含まれる固相吸着剤が逆相用のもの(固相吸着剤の粒子の表面が疎水性)であれば、置換溶媒は、例えば、最初にメタノール、アセトニトリルなどの水と混和する有機溶媒が使用され、次いで、水若しくはバッファー(緩衝液)、又は水若しくはバッファー及び1種又は2種以上の上記水と混和する有機溶媒が混合された混合溶媒が使用される。
【0023】
ところで、従来の液体成分の分析方法では、コンディショニング工程として、カラム3の流出口36側を減圧にして置換溶媒をカラムの内部に通過させる処理が一般に行われていた。すなわち、カラム3の開口部31と流出口36との間に圧力差を設けて、当該圧力差により置換溶媒を加速させてカラム3の充填層34を通過させていた。このようにすることで、短時間で大量の溶媒をカラム3に通過させることができるので、コンディショニング工程の時間が短縮されていた。
【0024】
しかし、このような従来の方法では、充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子の表面の空気を置換溶媒で置換するために大量の置換溶媒を必要とするので、廃棄される溶媒の量が増大するという問題があった。また、どの程度置換溶媒をカラム3に通過させれば充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子の表面の空気が完全に置換溶媒で置換されるのかがわからないので、複数のカラム3をコンディショニングした場合には、カラム3ごとに固相吸着剤の粒子の表面における置換溶媒による置換の程度が異なることになり、分析操作の再現性を低下させる要因となる問題があった。また、充填層34の内部において、部分的に空気が残ることによるチャネリング現象が生じて、カラム3の吸着能に著しい影響を与えるという問題があった。さらに、このように大量の溶媒を強制的にカラム3の内部に流通させる場合、溶媒が枯れることに伴って大量の空気が充填層34に入り、カラム3が使用不能になる危険があるため、常に置換溶媒がカラム3の液体保持部32に残っている状態に管理しなければならないという問題もあった。
【0025】
本実施態様の液体成分の分析方法は、このような問題を解決するために、コンディショニング工程において、カラム3の全体を減圧環境下に置くことを特徴とする。このような特徴を有することにより、本実施態様の液体成分の分析方法は、上記のような従来の液体成分の分析方法におけるコンディショニングの問題を解決することができる。
【0026】
コンディショニング工程において、上記のようにカラム3の全体を減圧環境下に置くことにより、充填層34に含まれる空気、すなわち充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子の表面に存在する空気の除去が促進される。従来法では、置換溶媒を流通させることにより、充填層34に含まれる空気を置換溶媒とともに流出口36から流出させていたために、置換に大量の溶媒を必要としていたが、本実施態様の方法によれば、充填層34に含まれる空気は、減圧環境に置かれることにより自ら気泡となって充填層34から抜けることになる。このため、従来法に比べて短時間で充填層34に含まれる空気を除くことができる。
【0027】
本実施態様の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程をさらに具体的に説明する。本実施態様の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程では、密閉可能な蓋付きの作業容器が使用される。そして、当該作業容器の内部には、カラム3の流出口36が下向きになり、かつ当該作業容器とカラム3の流出口36との間に空間が存在するように、カラム3を起立した状態で保持する起立手段が設けられる。
【0028】
コンディショニングが行われるカラム3は、作業容器の内部に設けられた起立手段に起立した状態で保持され、さらに、カラム3の開口部31から液体保持部32に置換溶媒が供給される。カラム3の液体保持部32は、例えば6mLチューブの場合、通常、約5mL程度の液体を保持することができるので、この液体保持部32が置換溶媒で満たされるまで置換溶媒を供給する。
【0029】
液体保持部32に供給された置換溶媒は、重力により、カラム3の流出口36より流出する。しかし、充填層34では固相吸着剤が高密度に充填されている事及び充填層34に空気が存在するため、液体保持部32に供給された置換溶媒が全て流出するまでに10〜60分間程度の時間を要し、場合によっては置換溶媒が流出しない場合もある。そのため、下記のように減圧しながらコンディショニングを行う間は、液体保持部32に置換溶媒が保持された状態となっている。なお、カラム3の流出口36から流出した置換溶媒を受けるための受け容器をカラム3の下方に設けることが好ましい。
【0030】
カラム3の液体保持部32に置換溶媒を供給したら、直ぐに作業容器を密閉し、作業容器の内部を減圧にする。したがって、作業容器には、作業容器の内部と外部とを連通し、外部に設けた排気手段(減圧手段)と接続することが可能な排気口が設けられる。作業容器の外部に設けた排気手段は、公知の排気手段を特に制限なく使用することができ、一例として、水流ポンプ(アスピレーター)、真空ポンプ等が挙げられる。
【0031】
作業容器の内部の減圧度は、600Torr以上が好ましく、400Torr以上がより好ましい。作業容器の内部の減圧度を600Torr以上にすることにより、カラム3の充填層34に含まれる空気を効率良く除去することができる。ここで、「作業容器の内部の減圧度を600Torr以上にする」とは、作業容器の内部の圧力を600Torr以下にするという意味である。また、置換溶媒が過度に蒸発したり沸騰したりすることを防止するために、置換溶媒の種類に合わせて減圧度の上限を適宜調整することが好ましい。例えば、アセトンのような低沸点の溶媒は作業容器の内部の減圧度を180Torr以下にすることにより、置換溶媒が過度に蒸発したり沸騰したりすることが防止される。作業容器の内部の減圧度を調整するために、作業容器と排気手段との間に圧力調整弁が設けられることが好ましい。
【0032】
作業容器の内部を減圧にすることにより、カラム3の充填層34に含まれていた空気は、液体保持部32に保持された置換溶媒の中を気泡となって上昇する。また、減圧下でも溶媒は重力によりカラム3の流出口36から流出し、その際、充填層34に含まれていた空気も溶媒と一緒にカラムの流出口36から除かれる。減圧状態を維持する時間は、充填層34に含まれる固相吸着剤の量によって異なるが、およそ30秒間〜5分間程度が好ましく、30秒間〜2分間程度がより好ましく、1分間〜2分間程度が最も好ましい。
【0033】
上記減圧時間の経過後、作業容器の内部に空気を導入して、作業容器の内部を常圧にする。すると、充填層34の内部に未だ除去されずに存在していた空気は、周囲の環境が常圧になるのに伴って、減圧時の膨張した状態から収縮する。そのとき、充填層34の内部に溶媒が浸透して、充填層34に含まれる固相吸着剤の粒子の周囲に存在していた空気は溶媒に置き換わる。その結果、置換溶媒の種類にもよるが、充填層34は、コンディショニング工程前の白く不透明な外観から透明性が増加した外観に変化し、充填層34の内部に含まれていた空気が除去されたことがわかる。その後、再度減圧して、充填層34から気泡が発生するか否かを確認することにより、充填層34の内部の空気が除去された程度を確認してもよい。
【0034】
その後、カラム3の液体保持部32に残った置換溶媒を重力によりカラム3の流出口36より流出させる。液体保持部32に残っていた置換溶媒が流出を終えた時点でコンディショニング工程は終了する。
【0035】
[吸着工程]
コンディショニング工程を終了したカラム3を使用して、吸着工程を行う。本実施態様の液体分析方法における吸着工程は、液体試料をカラム3の開口部31から液体保持部32に供給して、供給された試料溶液をカラム3の流出口36から流出させることにより、液体試料に含まれる標的成分又は非標的成分を充填層34に含まれる固相吸着剤に吸着させる工程である。
【0036】
カラム3の液体保持部32に供給された液体試料は、重力又は毛細管現象により、充填層34を通過して、カラム3の流出口36より流出する。このとき、液体試料に含まれる標的成分又は非標的成分は、充填層34に含まれる固相吸着剤に吸着される。
【0037】
液体の分析においてカラム3が使用される目的は、大きく分けて二つの態様がある。一つは、液体試料に含まれる標的成分の濃縮で、もう一つは、液体試料に含まれる非標的成分の除去である。「液体試料に含まれる標的成分の濃縮」とは、液体試料に含まれる標的成分を充填層34の内部の固相吸着剤に吸着させ、その後カラム3に標的成分を流出させる溶媒を通過させて標的成分を固相吸着剤から取り出すことにより、液体試料に含まれている標的成分を濃縮することを意味する。また、「液体試料に含まれる非標的成分の除去」とは、液体試料に含まれる非標的成分を充填層34の内部の固相吸着剤に吸着させ、カラム3の流出口36から非標的成分の除去された液体試料を得ることを意味する。他に、充填層34の内部の固相吸着剤に対する吸着の程度の違いを利用することにより、液体成分に含まれる複数の成分を分取する目的でもカラム3が使用される。
【0038】
既に述べたように、カラム3の液体保持部32に供給された液体試料を重力又は毛細管現象により、カラム3の内部の充填層34を通過させる。このとき、カラム3は、起立した状態で静置されることが好ましい。充填層34に液体試料を通過させている間に、カラム3が傾いていたり、カラム3に振動が加えられたりすると、濃縮操作や分離操作が正常に行われない場合がある。
【0039】
なお、カラム3の液体保持部32に供給された液体試料をカラム3の流出口36から流出させるにあたり、カラム3の流出口36にディスポーサブルライナーと呼ばれる細管を取り付けてもよい。カラム3の流出口36にディスポーサブルライナーを取り付けると、カラム3の流出口36からの液体試料の流出が毛細管現象により加速される。
【0040】
カラム3の液体保持部32に供給された液体試料が全てカラム3の流出口36から流出すると吸着工程は終了する。その後、カラム3の充填層34に標的試料を流出させるための溶媒を通過させて得た標的成分を含む液体試料や、カラム3の充填層34を通過させることにより非標的成分が除去された液体試料に対して、必要な処理を適宜施し、高速液体クロマトグラフィー等で分析を行えばよい。
【0041】
本実施態様の液体成分の分析方法によれば、以下の効果が奏される。
本実施態様の液体成分の分析方法は、カラム3のコンディショニングを行うコンディショニング工程において、カラム3の全体が減圧環境下に置かれる。そのため、カラム3の内部の充填層34に含まれた空気が速やかに除去され、かつ充填層34からの空気の除去が従来法よりも高いレベルで達成される。このため、コンディショニング工程で使用される溶媒の量を少なくすることができ、また、充填層34に含まれる固相吸着剤の吸着性能を良好に発揮させることができる。また、カラム3のコンディショニングの程度の均一化を図ることができるので、分析結果のばらつきを小さくすることが可能になる。
【0042】
以上、本発明の液体成分の分析方法の一実施態様について説明したが、本発明の液体成分の分析方法は以上の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。例えば、上記実施態様では、図1に示すシリンジ型のカラム3を使用したが、図2に示すカートリッジ型のカラム3aを使用してもよい。図2は、上記本発明の液体成分の分析方法の一実施態様とは別の実施態様で使用されるカラムの一例を示す模式図である。この場合、カラム3aの液体保持部32aに液体を供給するためのリザーバーを開口部31aに接続することが好ましい。
【0043】
<液体成分の分析補助装置>
次に、本発明の液体成分の分析補助装置の一実施形態について図1及び図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の液体成分の分析補助装置の一実施形態を示す斜視図である。
【0044】
本実施形態の液体成分の分析補助装置1は、先に説明した本発明の液体成分の分析方法において好適に使用される装置である。なお、本実施形態の液体成分の分析補助装置1の説明において、先に説明した、本発明の液体成分の分析方法と重複する部分及び重複する効果については説明を省略する。
【0045】
本実施形態の液体成分の分析補助装置1は、密閉可能な容器5を有する。そして容器5の内部は、カラム3の開口部31から液体試料を液体保持部32に供給したりカラム3から流出した必要な液体を採取したりするための作業領域9と、カラム3から流出した必要のない液体を廃棄するための廃棄領域10とに分けられる。なお、本実施形態の液体成分の分析補助装置1を使用して行われる液体成分の分析では、先に説明した本発明の液体成分の分析方法の一実施態様で使用されるカラム3と同様のカラムが使用される。
【0046】
容器5は、頂部に蓋51が設けられる。蓋51は、開閉可能であり、例えば、カラム3をカラム設置台2に設置したり、カラム3に液体を供給したりする際に開放される。また、容器5は、容器5の正面に扉52が設けられる。扉52は、開閉可能であり、例えば、受け容器7を容器5の内部に設置したり、作業領域9と廃棄領域10との間でカラム設置台2を移動させたりする際に開放される。扉52は、容器5の内部の観察を容易にするために、透明な素材で構成されることが好ましい。容器5は、蓋51及び扉52の他に、側板53、背板54及び底板55を備える。
【0047】
作業領域9には、カラム3から流出した必要な液体を受ける受け容器7が設置されるための空間が設けられ、廃棄領域10には、カラム3から流出した必要のない液体を廃棄するための廃液槽6が設けられる。
【0048】
カラム設置台2は、カラム3を起立した状態で載置するための穴が複数設けられる。また、カラム設置台2は、レール8に案内されて、作業領域9と廃棄領域10との間を移動することが可能である。そのため、カラム設置台2に載置されたカラム3の液体保持部32に液体を供給したりカラム3の流出口36から流出した必要な液体を採取したりする際は、カラム設置台2を作業領域9に移動して作業をすることが可能であり、カラム3から流出した必要のない液体を廃棄する際は、カラム設置台2を廃棄領域10に移動してカラム3から流出した液体を廃液槽6に廃棄することが可能である。
【0049】
容器5の内部と外部とを隔てる壁には、容器5の内部の空気を外部に排気する排気手段11を接続するための排気口4が設けられる。排気口4が設けられる壁は、蓋51、扉52、側板53、背板54及び底板55のいずれであってもよい。排気口4は、容器5の内部と外部とを連通するように設けられる。このため、蓋51及び扉52を閉じて容器5を密閉した状態で、排気口4に排気手段11を接続することにより容器5の内部の空気が外部に排気され、容器5の内部を減圧にすることができる。この減圧環境下、カラム3に対して、上記本発明の液体成分の分析方法の実施態様で説明したコンディショニング工程を施す。
【0050】
次に、以上に説明した構成を有する液体成分の分析補助装置1を使用した液体成分の分析方法の一例を説明する。この液体成分の分析方法についての詳細は、既に述べた本発明の液体成分の分析方法の一実施態様と同様であるから、ここでは概略のみを説明する。
【0051】
まず、容器5の蓋51又は扉52を開き、カラム3をカラム設置台2に載置する。カラム設置台2には複数の穴が設けられているが、いずれの穴を用いてカラム3を載置しても構わない。
【0052】
その後、カラム3のコンディショニングを行う。まず、カラム3の上方に設けられた開口部31より置換溶媒を注入し、カラム3の液体保持部32を置換溶媒で満たす。このとき、カラム設置台2は、作業領域9にあっても廃棄領域10にあっても構わない。カラム3への置換溶媒の注入が完了したら、カラム設置台2を廃棄領域10へ移動する。
【0053】
次に、容器5の蓋51及び扉52を閉じるとともに、容器5に設けられた排気口4に排気手段11を接続し、容器5の内部を減圧にする。容器5の内部が減圧となるのに伴って、カラム3の内部の充填層34に含まれていた空気が気泡となって排出される。
【0054】
カラム3の内部の充填層34に含まれていた空気が除去されたら、排気口4から排気手段11を外して容器5の内部を常圧にする。このとき、カラム3の液体保持部32に置換溶媒が残っていれば、液体保持部32の置換溶媒が空になるまで、カラム設置台2を廃棄領域10に置けばよい。
【0055】
次に、試料溶液中の成分を充填層34に含まれる固相吸着剤に吸着させる吸着工程を行う。容器5の扉52を開き、作業領域9の底部に液体試料を採取するための受け容器7を配置する。受け容器7は、カラム設置台2が作業領域9に移動した際に、カラム3の下方に位置するように配置する。そして、カラム3の液体保持部32に試料溶液を供給する。
【0056】
既に述べたように、充填層34の内部の固相吸着剤に吸着される成分は、その後の分析操作に必要な成分である場合と、不要な成分である場合とがある。固相吸着剤に吸着される成分が必要な成分である場合には、カラム3の流出口36から流出する成分は不要なので、カラム設置台2が廃棄領域10に存在する状態で吸着工程を行えばよい。これにより、不要な流出成分は廃液槽6に流出する。他方、固相吸着剤に吸着される成分が不要な成分である場合には、カラム3の流出口36から流出する成分が必要なので、カラム設置台2が作業領域9に存在する状態で吸着工程を行えばよい。これにより、必要な流出成分は受け容器5に流出する。いずれの場合も、カラム3の液体保持部32に供給した試料が空になったら、適宜溶媒を追加して、不要な成分又は必要な成分を十分に流出させる。
【0057】
吸着工程で充填層34の内部の固相吸着剤に吸着させた成分が必要な成分である場合には、固相吸着剤に吸着させた成分を受け容器5に流出させる必要がある。このためには、カラム設置台2が作業領域9に存在する状態で、カラム3に溶出溶媒を供給する。なお、溶出溶媒とは、固相吸着剤に吸着された目的成分を溶出させるための溶媒であり、固相吸着剤の種類及び固相吸着剤に吸着させた目的成分にあわせて適宜選択されるものである。
【0058】
以上の操作により、受け容器5には目的成分を含む溶液が貯留されるので、その後は適宜濃縮を行ったり高速液体クロマトグラフィー等で分析を行ったりすればよい。
【0059】
以上、本発明の液体成分の分析補助装置1の一実施形態について説明したが、本発明の液体成分の分析補助装置1は以上の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では、容器5に蓋51及び扉52が設けられていたが、これらはいずれか一方のみが設けられていればよく、また、さらに多くの扉や蓋が設けられていてもよい。また、上記実施形態では、カラム設置台2を手動で移動するための案内としてレール8が設けられていたが、他の案内手段が使用されてもよく、また、移動手段は手動でなくともよい。
【実施例】
【0060】
以下、実施例により本発明の液体成分の分析方法をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
【0061】
[実施例1]
密閉可能な容器の内部にカラム設置台を設け、当該カラム設置台に固相抽出用カラム(ENVI−Carb/LC−NH=500mg/500mg/6mL、シグマアルドリッチ社製)を載置した。その後、コンディショニング工程として、アセトニトリル:トルエン=3:1からなる5mLの置換溶媒をカラム上部の液体保持部に供給し、密閉容器の内部を減圧にすることによりカラムの全体を減圧環境に置いた。このときの密閉容器の内部の減圧度は、250Torrであり、その減圧状態を1分間維持した。その後、密閉容器の内部の減圧を解除して常圧とし、30秒間放置した。カラム内の固相吸着剤の空気が抜けていることを確認するために、再度密閉容器の内部を減圧(250Torr)とし、気泡が出ないことを確認してから、再び密閉容器の内部を常圧に戻した。コンディショニング工程の間、カラムの液体保持部に供給した置換溶媒は、重力及び毛細管現象によってカラムの下部に設けられた流出口から流出し続けており、上記の減圧−常圧操作が完了し、さらにカラムの液体保持部に供給した5mLの置換溶媒が空となった時点でコンディショニング工程を終了した。したがって、実施例1においてコンディショニング工程に使用した置換溶媒は、5mLである。
【0062】
上記工程により、コンディショニングが行われたカラムの上部に、カラムの液体保持部に液体を供給するための25mLリザーバーを取り付けるとともに、カラムの流出口にディスポーサブルライナーを取り付けた。その後、リザーバーにアセトニトリル:トルエン=3:1からなる10mLの溶媒を加え、当該溶媒が自然落下によりカラムの内部を通過するのに要した時間を測定した。この測定を10回繰り返して行い、最も大きな数値と最も小さな数値を除外した8回分の実験結果から、平均値、標準偏差、変動係数をそれぞれ算出した。その結果を表1に示す。
【0063】
[実施例2]
コンディショニング工程で使用した置換溶媒の量を3mLに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件にて試験を実施した。その結果を表2に示す。
【0064】
[比較例1]
バキュームマニホールド(固相抽出用カラムの流出口を減圧にすることにより高速にカラムに液体を通過させるための装置)に固相抽出用カラムを取り付け、さらに当該カラムの上部にカラムの液体保持部に液体を供給するための25mLリザーバーを取り付けた。カラムの液体保持部にリザーバーを介して、アセトニトリル:トルエン=3:1からなる10mLの置換溶媒を供給し、バキュームマニホールドを作動させてカラムの流出口を減圧(630Torr)にすることにより、カラムに供給した10mLの置換溶媒を流出させてコンディショニング工程を行った。置換溶媒の液面がカラム上部のフリッツの近くになった後、バキュームマニホールドのバルブを閉じて、置換溶媒の流出を停止し、コンディショニング工程を終了した。したがって、比較例1においてコンディショニング工程に使用した置換溶媒は、10mLである。
【0065】
上記工程によりコンディショニングが行われたカラムの上部に、カラムの液体保持部に液体を供給するための25mLリザーバーを取り付けるとともに、カラムの流出口にディスポーサブルライナーを取り付けた。その後、リザーバーにアセトニトリル:トルエン=3:1からなる10mLの溶媒を加え、当該溶媒が自然落下によりカラムの内部を通過するのに要した時間を測定した。この測定を10回繰り返して行い、最も大きな数値と最も小さな数値を除外した8回分の実験結果から、平均値、標準偏差、変動係数をそれぞれ算出した。その結果を表3に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
比較例1(表3)の液体流出時間(流速)は、18分23秒(0.6mL/min)だったのに対して、実施例1(表1)及び実施例2(表2)の液体流出時間(流速)は、それぞれ7分42秒(1.4mL/min)、9分16秒(1.1mL/min)だった。このことから、本発明の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程が施されたカラムは、本発明の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程の施されていないカラムに対して液体の流速が2倍以上早いことが示され、カラムの充填層に含まれる空気がより高いレベルで除去されていることが理解される。
また、実施例1(表1)及び実施例2(表2)の変動係数は、いずれも比較例1(表3)よりも小さな数値となり、本発明の液体成分の分析方法におけるコンディショニング工程を採用することにより、コンディショニング後のカラムの液体流出時間のばらつきが小さくなることがわかる。すなわち、本発明におけるコンディショニング工程を採用することにより、コンディショニング後のカラムのばらつきの程度を小さくできることがわかる。カラムの液体の流出時間は、カラムの固相吸着剤への試料成分の吸着に大きな影響を与える要素であるので、本発明の液体成分の分析方法を採用することにより、ばらつきの少ない液体成分の分析を行うことが可能となる。また、実施例2(表2)は、コンディショニングに使用した置換溶媒の量が3mLであり、比較例1(表3)に比べて置換溶媒の使用量が3割であるにもかかわらず、比較例1よりもコンディショニング後のカラムのばらつきの程度が小さい。このことから、本発明の液体成分の分析方法を採用することにより、コンディショニング工程における置換溶媒の使用量を少なくできることが示された。
【符号の説明】
【0070】
1 液体成分の分析補助装置
2 カラム設置台
3 固相抽出用カラム
31 開口部
32 液体保持部
34 充填層
36 流出口
4 排気口
5 容器
6 廃液槽
7 受け容器
8 レール
9 作業領域
10 廃棄領域
11 排気手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料に含まれる成分を吸着するための固相吸着剤が充填された充填層を有する固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析方法であって、
試料成分を含まない置換溶媒を供給して前記充填層を前記置換溶媒で湿潤させるコンディショニング工程を少なくとも有し、
前記コンディショニング工程において、前記固相抽出用カラムの全体を減圧環境下に置くことにより、前記充填層に含まれた空気の除去を促進させることを特徴とする液体成分の分析方法。
【請求項2】
液体試料に含まれる成分を吸着するための固相吸着剤が充填された充填層を有し、
前記充填層の上方には、前記液体試料を保持するための液体保持部と、前記液体保持部に液体試料を供給するための開口部が設けられ、
前記充填層の下方には、前記充填層を通過した液体を流出させる流出口が設けられた固相抽出用カラムを使用した液体成分の分析で使用される液体成分の分析補助装置であって、
前記液体成分の分析補助装置の内部には、
液体試料を前記開口部から前記液体保持部に供給したり、前記流出口から流出した必要な液体を採取したりするための作業領域と、
前記流出口から流出した必要のない液体を廃棄するための廃棄領域と、
前記固相抽出用カラムが起立して設置され、前記作業領域と前記廃棄領域との間を移動可能なカラム設置台と、が設けられ、
前記分析補助装置の内部と外部とを隔てる壁には、前記分析補助装置の内部の空気を外部に排気する排気手段を接続するための排気口が設けられた液体成分の分析補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−169613(P2010−169613A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13945(P2009−13945)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(502181665)シグマアルドリッチジャパン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】