液体撹拌装置
【課題】本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌することのできる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、底面をシールして擂り鉢状のノズルを接続した撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入し、さらに前記シリンダーにプランジャーを挿入したカプセルと、前記カプセルを収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石を設け、回転子用動力により前記カプセルの周りを回転する回転子とからなることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【解決手段】本発明は、底面をシールして擂り鉢状のノズルを接続した撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入し、さらに前記シリンダーにプランジャーを挿入したカプセルと、前記カプセルを収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石を設け、回転子用動力により前記カプセルの周りを回転する回転子とからなることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌することのできる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの液体を混合撹拌する装置としては、スタティックミキサーやマグネティックスターラー等がある。二相液体撹拌用スタティックミキサーは、エレメント(撹拌用羽根形状)部に残液が多量に残りやすく、残液の廃棄の手間、及び廃棄分のコストが負担となっている。また、磁石を使用した撹拌装置であるマグネティックスターラーは、一般的に粘度の低い液体しか混ぜることができない。
【0003】
特許文献1に記載されているように、上端部材付円筒部とその下部のホッパー状吐出口を有する非磁性材からなる円筒状容器と、前記円筒状容器内に当該円筒状容器縦断面形状に相似した平板状の軟磁性体からなる撹拌子を遊離独立して配設し、該撹拌子と磁気的に結合する回転磁界装置を該容器外周部に配設した構成の連続混合撹拌装置の発明も公開されている。
【特許文献1】特開平08−196888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、撹拌子が平板状であり、回転軸が容器の中心で羽根状に回転することから、回転の際の抵抗が大きくなるため、粘度の高い液体には不向きであると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌することのできる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、底面をシール2cして擂り鉢状のノズル6を接続した撹拌室2bに第一液2dを投入した円筒状の本体2aに、撹拌子用磁石3aを内蔵する略円錐状の撹拌子3で底孔4aに栓をして第二液4bを投入したシリンダー4を挿入し、さらに前記シリンダー4にプランジャー5を挿入したカプセル2と、前記カプセル2を収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石7a、7bを設け、回転子用動力9により前記カプセル2の周りを回転する回転子7とからなり、前記プランジャー5で前記撹拌子3を前記撹拌室2bに押し出して第一液2dと第二液4bとを混合し、前記回転子7の回転を磁力で前記撹拌子3に伝達することにより両液を撹拌した後、アプライヤー8の先端の磁石で撹拌子3の尖端3bを下に向け、前記撹拌子3を前記プランジャー5で押し込んで撹拌室2bのシール2cを破ることにより混合液6cをノズル6から完全に吐出させることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置1の構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、撹拌室の側面方向に配置した磁石付き回転子を動力によって回転させ、撹拌室の液体中に入れた磁石付きの撹拌子を磁力で引っ張って回転させることにより、液体を撹拌することができる。
【0008】
第2に、撹拌室の側面方向に磁石付き回転子を配置するので、撹拌中に撹拌室又は回転子の上下運動を可能とすることにより、多量の液体でも撹拌ムラを少なく撹拌することができる。
【0009】
第3に、撹拌子の形状を円錐状とすることにより、混合する液体の入ったカプセルの封を容易に開けたり、撹拌後に撹拌室の底を開けて液体を押出する際の残液を最小限に抑えることができる。
【0010】
第4に、回転子用の磁石と撹拌子用の磁石の距離を最小限とすることにより、高い粘度の液体でも撹拌することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌するという目的を、底面をシールして擂り鉢状のノズルを接続した撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入し、さらに前記シリンダーにプランジャーを挿入したカプセルと、前記カプセルを収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石を設け、回転子用動力により前記カプセルの周りを回転する回転子とからなる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置を用い、前記プランジャーで前記撹拌子を前記撹拌室に押し出して第一液と第二液とを混合し、前記回転子の回転を磁力で前記撹拌子に伝達することにより両液を撹拌した後、アプライヤー8の先端の磁石で撹拌子3の尖端3bを下に向け、前記プランジャーで押し込んで撹拌室のシールを破ることにより混合液をノズルから完全に吐出させることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下に、添付図面に基づいて、本発明である液体撹拌装置について詳細に説明する。図1は、本発明である液体撹拌装置の縦断面図である。図2は、本発明である液体撹拌装置のA−Aで切断した横断面図である。
【0013】
液体撹拌装置1は、磁石の回転を利用して、混合させた2つの液体を撹拌する装置である。主に歯科などで用いられる液体を均一に混ぜ合わせる。尚、液体撹拌装置1は、カプセル2と回転子7とからなる。
【0014】
カプセル2は、2つの液体を混合及び撹拌する容器であり、混合した液体内に入れた撹拌子3を回転させることにより撹拌する。尚、撹拌子3は、周りで回転する回転子7の磁力を利用して回転させる。
【0015】
回転子7は、上面が空き底面が塞がった略円筒状の容器である。側面上部には回転子用磁石(左)7aと回転子用磁石(右)7bとが対向し、かつ、N極とS極とが向かい合うように設けらる。また、下面には回転力を得るための軸受け7cが設けられる。
【0016】
回転子7の上側からカプセル2を回転子7とは接触させないように内部に入れ、カプセル2内の撹拌子3の高さが、回転子用磁石7a、7bの高さとなるようにする。撹拌子3内の撹拌子用磁石3aと回転子用磁石7a、7bとの間に吸引力が働く。
【0017】
例えば、回転子用磁石(左)7aの外側をN極、内側をS極とし、回転子用磁石(右)7bの内側をN極、外側をS極として、磁力線が回転子用磁石(右)7bのN極から回転子用磁石(左)7aのS極に向くようにする。
【0018】
撹拌子3内の撹拌子用磁石3aのN極は回転子用磁石(左)7aのS極側を向き、撹拌子用磁石3aのS極は回転子用磁石(右)7bのN極側を方を向いて、両側からバランスの取れた位置で安定する。尚、N極とS極を入れ換えても同様である。
【0019】
図3は、本発明である液体撹拌装置のカプセルを分解した図である。図4は、本発明である液体撹拌装置のカプセルの初期状態を示す図である。カプセル2には上側からシリンダー4及びプランジャー5が挿入され、下面にはノズル6が接続される。
【0020】
カプセル2の本体2aは略円筒状であり、側面上部に本体2aを固定するための溝部2eが形成される。上面は空いており、内部の撹拌室2bに第一液2dを入れる。尚、底面中央に円形の穴が空いているが、薄膜等でシール2cして塞いでおく。
【0021】
撹拌子3は、丸みを帯びた略円錐状であり、撹拌子用磁石3aが底側寄りに内蔵される。撹拌子用磁石3aは、例えば、頂点である尖端3b側がN極、底側がS極となるように設置するが、N極とS極は入れ換えても良い。
【0022】
シリンダー4は略円筒状であり、外径がカプセル2の内径とほぼ同じである。上面は空いており、内部に第二液4bを入れる。尚、底面には中央に円形の底孔4aが空いているが、撹拌子3の尖端3bを下側から嵌入させて塞ぐことができる。
【0023】
プランジャー5は略円筒状であり、外径がシリンダー4の内径とほぼ同じである。内部の中空部5aは、上面が空いて、底面が塞がる。尚、下端5bは、シリンダー4の底孔4aに嵌合できる形状で下方に突出する。
【0024】
ノズル6は、第一液2dと第二液4bとが混ざり合った混合液6cを吐出口6bから放出する。カプセル2と接合する拡幅部6aは、シール2cと同等の大きさから擂り鉢状に狭くなっており、撹拌子3を尖端3bから収めることができる。
【0025】
ノズル6を接続したカプセル2に第一液2dを入れ、撹拌子3で底孔4aを塞いだシリンダー4に第二液を入れた上で、シリンダー4をカプセル2に挿入し、さらにシリンダー4にプランジャー5を挿入した状態が、初期状態となる。
【0026】
図5は、本発明である液体撹拌装置で使用するアプライヤーの図である。図6は、本発明である液体撹拌装置の2液を混合する状況を示す図である。アプライヤー8は、プランジャー5を押し込むのに使用する。
【0027】
アプライヤー8は、レバー8cを引く度に、押出部8aが一定量飛び出す仕組みを有する器具である。尚、押出部8aの直径は、プランジャー5の中空部5aの内径とほぼ同じである。
【0028】
押出部8aの先端に設けられた磁石8bは、撹拌子3を引き寄せるためのものであり、例えば、撹拌子用磁石3aのS極が撹拌子3の底側を向いていれば、磁石8bの先端はN極となり、撹拌子用磁石3aのN極が撹拌子3の底側を向いていれば、磁石8bの先端はS極となる。即ち、N極とS極の入れ換えは可能であるが、全て同時に行う必要がある。
【0029】
初期状態のカプセル2において、アプライヤー8の押出部8aを、プランジャー5の中空部5aの底に押し当てる。アプライヤー8のレバー8cを引いて押出部8aを突出させ、プランジャー5をカプセル2内に押し込む。
【0030】
プランジャー5の下端5bが、シリンダー4内で撹拌子3を下方に押し出し、撹拌子3はカプセル2の撹拌室2bに落下する。栓が抜けてシリンダー4の底孔4aは空いた状態となり、シリンダー4内の第二液4bも撹拌室2bに流れ込む。
【0031】
プランジャー5の下端5bは、シリンダー4の底孔4aに嵌入し、シリンダー4内の第二液4bは完全に撹拌室2bに押し出され、撹拌室2bには元々投入されていた第一液2dと、流入した第二液4bとが混入する。
【0032】
図7は、本発明である液体撹拌装置の2液を撹拌する状況を示す図である。図8は、本発明である液体撹拌装置の回転子と撹拌子の回転を示す図である。カプセル2を回転子7内に設置し、撹拌子3を回転させて撹拌する。
【0033】
撹拌子3は、撹拌室2b内の液中にあるので、回転子7の回転子用磁石7a、7bの磁力により横向きとなり、撹拌子3の底側が撹拌室2bの壁面に引き寄せられ、尖端3bが中心を向いた状態となる。
【0034】
回転子7の軸受け7cに回転子用動力9の回転軸9aを接続し、回転子用動力9の回転力を回転子7に伝達する。回転子7の回転により、回転子用磁石7a、7bがカプセル2の周りを回転し、撹拌子3もカプセル2の中心を軸として回転する。
【0035】
カプセル2は回転せずに、撹拌子3のみが、尖端3b付近を回転軸として、撹拌子3の底側が撹拌室2bの内壁に沿うように回転するので、撹拌室2b内の第一液2dと第二液4bとが掻き混ぜられる。
【0036】
図9は、本発明である液体撹拌装置の撹拌子の引き寄せを示す図である。図10は、本発明である液体撹拌装置の混合液の押出しを示す図である。撹拌後にカプセル2を回転子7から取り出す。
【0037】
撹拌後のカプセル2において、アプライヤー8の押出部8aを、プランジャー5の中空部5aの底に押し当てる。押出部8aの先端の磁石8bにより、撹拌子3の底側がプランジャー5の下端5bに引き寄せられる。
【0038】
アプライヤー8のレバー8cを引いて押出部8aを突出させ、プランジャー5をカプセル2内に押し込む。カプセル2のシール2cが押出時の圧力により破れ、混合液6cはノズル6へ流れ込む。
【0039】
撹拌子3は略円錐状で、尖端3bが下方を向いているので、尖端3bでシール2cを突くことで破りやすくなる。プランジャー5はシリンダー4と共にカプセル2の底面まで押し込まれ、撹拌子3はシール2cを突き抜けて、ノズル6の拡幅部6aに嵌入する。
【0040】
撹拌室2b内の混合液6cは、完全にノズル6の管内へ押し出され、吐出口6bから放出される。カプセル2内及びノズル6の拡幅部6aに空間が生じないないように混合液6cが押し出されるので、カプセル2内の残液を最小限にすることができる。
【実施例2】
【0041】
図11は、本発明である液体撹拌装置の上下可動機構を示す図である。図12は、本発明である液体撹拌装置の上下運動の状況を示す図である。図13は、本発明である液体撹拌装置のカプセルの上下運動を示す図である。
【0042】
上下可動液体撹拌装置1aは、カプセル2を上下可動スライダー10で上下運動させることにより、撹拌効率を向上させたものである。尚、上下可動スライダー10以外の上下可動機構を用いても良い。
【0043】
上下可動スライダー10は、カプセル2を上下運動させる部材である。上面中央にはカプセル2を取り付けるための開口部10aが空き、側面には上下可動スライダー10を上下運動させるための円孔10bが空く。
【0044】
開口部10aは円形に空いており、縁をカプセル2の溝部2eに螺合させることで固定することができる。円孔10bは横長の楕円形であり、内周に沿って楕円状のカム12が回転するため、円孔10bの短径は、カム12の長径以上である。
【0045】
上下可動用動力11は、カム12に回転力を伝達する。回転軸11aをカム12の中心からずれた位置に通すことにより、カム12の近軸側12aは回転軸11aの近くを回転し、遠軸側12bは回転軸11aの遠くを回転する。尚、カム12が横を向いたとき、回転軸11aは円孔10bの中心に位置する。
【0046】
カム12は、回転力を上下運動に変換して、上下可動スライダー10に伝達する部材である。近軸側12aが下側で遠軸側12bが上側に来たとき上下可動スライダー10は上方に押し上げられ、近軸側12aが上側で遠軸側12bが下側に来たとき上下可動スライダー10は下方に押し下げられる。
【0047】
上下可動スライダー10の上下運動に伴い、上下可動スライダー10に固定されたカプセル2も上下運動を行う。撹拌室2b内で撹拌子3が回転する位置については、撹拌子3が回転子用磁石7a、7bの間で高さがほぼ維持されるため、相対的に上下に変動する。
【0048】
尚、カプセル2を上下運動させるのではなく、回転子7を上下運動させる機構を用いても良い。当該構造においても、撹拌子3は、磁力の作用で回転子用磁石7a、7bの中心軸に近付こうとするので、高さが上下に変動する。
【0049】
液量が多くなって、撹拌室2bが上下に長くなった場合でも、撹拌室2b内における撹拌子3の相対位置を上下に変動させることにより、デッドスペースを最小限とすることができ、十分に撹拌することが可能となる。
【実施例3】
【0050】
液体撹拌装置1及び上下可動液体撹拌装置1aにおいて、撹拌子3の形状は、円錐に近い形状が好ましい。また、撹拌デッドスペースを最小限とするためには、撹拌子3の高さは、撹拌室2bの直径の半分以上であることが望ましい。
【0051】
尚、撹拌子3が円柱状又は直方体状であると、カプセル2内の液体容量を縮小させてしまい、回転時の抵抗も大きくなる。また、球状であると、磁石間距離が増加し、撹拌性能が落ちる。
【0052】
撹拌子用磁石3aと回転子用磁石7a、7bとの距離は、互いの吸着力の低下を防ぐため、できるだけ短い方が良い。尚、歯科用の液体撹拌装置1においては、部材の厚さやクリアランスを考慮して、6mm以下が望ましい。
【0053】
撹拌子用磁石3a及び回転子用磁石7a、7bの形状は、撹拌性能や組付性等を考慮すると、円柱型が好ましい。尚、球体であると取付時の磁力方向性が定まらなく、直方体であると取付けが難しくなる。
【0054】
尚、歯科用の液体撹拌装置1においては、撹拌子用磁石3aの磁束密度は3000ガウス以上、回転子用磁石7a、7bの磁束密度は4000ガウス以上、回転子7の回転数は500〜2000rpmであることが望ましい。
【0055】
また、上下可動スライダー10の動作速度は6〜30ストローク/分で、移動距離は撹拌室2bの高さ相当であることが望ましい。撹拌する液体の粘度については、剪断速度1.0(1/s)以上の時、粘度150(Pa−S)以下が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明である液体撹拌装置の縦断面図である。
【図2】本発明である液体撹拌装置のA−Aで切断した横断面図である。
【図3】本発明である液体撹拌装置のカプセルを分解した図である。
【図4】本発明である液体撹拌装置のカプセルの初期状態を示す図である。
【図5】本発明である液体撹拌装置で使用するアプライヤーの図である。
【図6】本発明である液体撹拌装置の2液を混合する状況を示す図である。
【図7】本発明である液体撹拌装置の2液を撹拌する状況を示す図である。
【図8】本発明である液体撹拌装置の回転子と撹拌子の回転を示す図である。
【図9】本発明である液体撹拌装置の撹拌子の引き寄せを示す図である。
【図10】本発明である液体撹拌装置の混合液の押出しを示す図である。
【図11】本発明である液体撹拌装置の上下可動機構を示す図である。
【図12】本発明である液体撹拌装置の上下運動の状況を示す図である。
【図13】本発明である液体撹拌装置のカプセルの上下運動を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 液体撹拌装置
1a 上下可動液体撹拌装置
2 カプセル
2a 本体
2b 撹拌室
2c シール
2d 第一液
2e 溝部
3 撹拌子
3a 撹拌子用磁石
3b 尖端
4 シリンダー
4a 底孔
4b 第二液
5 プランジャー
5a 中空部
5b 下端
6 ノズル
6a 拡幅部
6b 吐出口
6c 混合液
7 回転子
7a 回転子用磁石(左)
7b 回転子用磁石(右)
7c 軸受け
8 アプライヤー
8a 押出部
8b 磁石
8c レバー
9 回転子用動力
9a 回転軸
10 上下可動スライダー
10a 開口部
10b 円孔
11 上下可動用動力
11a 回転軸
12 カム
12a 近軸側
12b 遠軸側
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌することのできる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの液体を混合撹拌する装置としては、スタティックミキサーやマグネティックスターラー等がある。二相液体撹拌用スタティックミキサーは、エレメント(撹拌用羽根形状)部に残液が多量に残りやすく、残液の廃棄の手間、及び廃棄分のコストが負担となっている。また、磁石を使用した撹拌装置であるマグネティックスターラーは、一般的に粘度の低い液体しか混ぜることができない。
【0003】
特許文献1に記載されているように、上端部材付円筒部とその下部のホッパー状吐出口を有する非磁性材からなる円筒状容器と、前記円筒状容器内に当該円筒状容器縦断面形状に相似した平板状の軟磁性体からなる撹拌子を遊離独立して配設し、該撹拌子と磁気的に結合する回転磁界装置を該容器外周部に配設した構成の連続混合撹拌装置の発明も公開されている。
【特許文献1】特開平08−196888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、撹拌子が平板状であり、回転軸が容器の中心で羽根状に回転することから、回転の際の抵抗が大きくなるため、粘度の高い液体には不向きであると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌することのできる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、底面をシール2cして擂り鉢状のノズル6を接続した撹拌室2bに第一液2dを投入した円筒状の本体2aに、撹拌子用磁石3aを内蔵する略円錐状の撹拌子3で底孔4aに栓をして第二液4bを投入したシリンダー4を挿入し、さらに前記シリンダー4にプランジャー5を挿入したカプセル2と、前記カプセル2を収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石7a、7bを設け、回転子用動力9により前記カプセル2の周りを回転する回転子7とからなり、前記プランジャー5で前記撹拌子3を前記撹拌室2bに押し出して第一液2dと第二液4bとを混合し、前記回転子7の回転を磁力で前記撹拌子3に伝達することにより両液を撹拌した後、アプライヤー8の先端の磁石で撹拌子3の尖端3bを下に向け、前記撹拌子3を前記プランジャー5で押し込んで撹拌室2bのシール2cを破ることにより混合液6cをノズル6から完全に吐出させることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置1の構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、撹拌室の側面方向に配置した磁石付き回転子を動力によって回転させ、撹拌室の液体中に入れた磁石付きの撹拌子を磁力で引っ張って回転させることにより、液体を撹拌することができる。
【0008】
第2に、撹拌室の側面方向に磁石付き回転子を配置するので、撹拌中に撹拌室又は回転子の上下運動を可能とすることにより、多量の液体でも撹拌ムラを少なく撹拌することができる。
【0009】
第3に、撹拌子の形状を円錐状とすることにより、混合する液体の入ったカプセルの封を容易に開けたり、撹拌後に撹拌室の底を開けて液体を押出する際の残液を最小限に抑えることができる。
【0010】
第4に、回転子用の磁石と撹拌子用の磁石の距離を最小限とすることにより、高い粘度の液体でも撹拌することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、粘度の高い2つの液体を混合撹拌するという目的を、底面をシールして擂り鉢状のノズルを接続した撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入し、さらに前記シリンダーにプランジャーを挿入したカプセルと、前記カプセルを収容できる円筒状の容器の側面にN極とS極とが向かい合うように2つの回転子用磁石を設け、回転子用動力により前記カプセルの周りを回転する回転子とからなる磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置を用い、前記プランジャーで前記撹拌子を前記撹拌室に押し出して第一液と第二液とを混合し、前記回転子の回転を磁力で前記撹拌子に伝達することにより両液を撹拌した後、アプライヤー8の先端の磁石で撹拌子3の尖端3bを下に向け、前記プランジャーで押し込んで撹拌室のシールを破ることにより混合液をノズルから完全に吐出させることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下に、添付図面に基づいて、本発明である液体撹拌装置について詳細に説明する。図1は、本発明である液体撹拌装置の縦断面図である。図2は、本発明である液体撹拌装置のA−Aで切断した横断面図である。
【0013】
液体撹拌装置1は、磁石の回転を利用して、混合させた2つの液体を撹拌する装置である。主に歯科などで用いられる液体を均一に混ぜ合わせる。尚、液体撹拌装置1は、カプセル2と回転子7とからなる。
【0014】
カプセル2は、2つの液体を混合及び撹拌する容器であり、混合した液体内に入れた撹拌子3を回転させることにより撹拌する。尚、撹拌子3は、周りで回転する回転子7の磁力を利用して回転させる。
【0015】
回転子7は、上面が空き底面が塞がった略円筒状の容器である。側面上部には回転子用磁石(左)7aと回転子用磁石(右)7bとが対向し、かつ、N極とS極とが向かい合うように設けらる。また、下面には回転力を得るための軸受け7cが設けられる。
【0016】
回転子7の上側からカプセル2を回転子7とは接触させないように内部に入れ、カプセル2内の撹拌子3の高さが、回転子用磁石7a、7bの高さとなるようにする。撹拌子3内の撹拌子用磁石3aと回転子用磁石7a、7bとの間に吸引力が働く。
【0017】
例えば、回転子用磁石(左)7aの外側をN極、内側をS極とし、回転子用磁石(右)7bの内側をN極、外側をS極として、磁力線が回転子用磁石(右)7bのN極から回転子用磁石(左)7aのS極に向くようにする。
【0018】
撹拌子3内の撹拌子用磁石3aのN極は回転子用磁石(左)7aのS極側を向き、撹拌子用磁石3aのS極は回転子用磁石(右)7bのN極側を方を向いて、両側からバランスの取れた位置で安定する。尚、N極とS極を入れ換えても同様である。
【0019】
図3は、本発明である液体撹拌装置のカプセルを分解した図である。図4は、本発明である液体撹拌装置のカプセルの初期状態を示す図である。カプセル2には上側からシリンダー4及びプランジャー5が挿入され、下面にはノズル6が接続される。
【0020】
カプセル2の本体2aは略円筒状であり、側面上部に本体2aを固定するための溝部2eが形成される。上面は空いており、内部の撹拌室2bに第一液2dを入れる。尚、底面中央に円形の穴が空いているが、薄膜等でシール2cして塞いでおく。
【0021】
撹拌子3は、丸みを帯びた略円錐状であり、撹拌子用磁石3aが底側寄りに内蔵される。撹拌子用磁石3aは、例えば、頂点である尖端3b側がN極、底側がS極となるように設置するが、N極とS極は入れ換えても良い。
【0022】
シリンダー4は略円筒状であり、外径がカプセル2の内径とほぼ同じである。上面は空いており、内部に第二液4bを入れる。尚、底面には中央に円形の底孔4aが空いているが、撹拌子3の尖端3bを下側から嵌入させて塞ぐことができる。
【0023】
プランジャー5は略円筒状であり、外径がシリンダー4の内径とほぼ同じである。内部の中空部5aは、上面が空いて、底面が塞がる。尚、下端5bは、シリンダー4の底孔4aに嵌合できる形状で下方に突出する。
【0024】
ノズル6は、第一液2dと第二液4bとが混ざり合った混合液6cを吐出口6bから放出する。カプセル2と接合する拡幅部6aは、シール2cと同等の大きさから擂り鉢状に狭くなっており、撹拌子3を尖端3bから収めることができる。
【0025】
ノズル6を接続したカプセル2に第一液2dを入れ、撹拌子3で底孔4aを塞いだシリンダー4に第二液を入れた上で、シリンダー4をカプセル2に挿入し、さらにシリンダー4にプランジャー5を挿入した状態が、初期状態となる。
【0026】
図5は、本発明である液体撹拌装置で使用するアプライヤーの図である。図6は、本発明である液体撹拌装置の2液を混合する状況を示す図である。アプライヤー8は、プランジャー5を押し込むのに使用する。
【0027】
アプライヤー8は、レバー8cを引く度に、押出部8aが一定量飛び出す仕組みを有する器具である。尚、押出部8aの直径は、プランジャー5の中空部5aの内径とほぼ同じである。
【0028】
押出部8aの先端に設けられた磁石8bは、撹拌子3を引き寄せるためのものであり、例えば、撹拌子用磁石3aのS極が撹拌子3の底側を向いていれば、磁石8bの先端はN極となり、撹拌子用磁石3aのN極が撹拌子3の底側を向いていれば、磁石8bの先端はS極となる。即ち、N極とS極の入れ換えは可能であるが、全て同時に行う必要がある。
【0029】
初期状態のカプセル2において、アプライヤー8の押出部8aを、プランジャー5の中空部5aの底に押し当てる。アプライヤー8のレバー8cを引いて押出部8aを突出させ、プランジャー5をカプセル2内に押し込む。
【0030】
プランジャー5の下端5bが、シリンダー4内で撹拌子3を下方に押し出し、撹拌子3はカプセル2の撹拌室2bに落下する。栓が抜けてシリンダー4の底孔4aは空いた状態となり、シリンダー4内の第二液4bも撹拌室2bに流れ込む。
【0031】
プランジャー5の下端5bは、シリンダー4の底孔4aに嵌入し、シリンダー4内の第二液4bは完全に撹拌室2bに押し出され、撹拌室2bには元々投入されていた第一液2dと、流入した第二液4bとが混入する。
【0032】
図7は、本発明である液体撹拌装置の2液を撹拌する状況を示す図である。図8は、本発明である液体撹拌装置の回転子と撹拌子の回転を示す図である。カプセル2を回転子7内に設置し、撹拌子3を回転させて撹拌する。
【0033】
撹拌子3は、撹拌室2b内の液中にあるので、回転子7の回転子用磁石7a、7bの磁力により横向きとなり、撹拌子3の底側が撹拌室2bの壁面に引き寄せられ、尖端3bが中心を向いた状態となる。
【0034】
回転子7の軸受け7cに回転子用動力9の回転軸9aを接続し、回転子用動力9の回転力を回転子7に伝達する。回転子7の回転により、回転子用磁石7a、7bがカプセル2の周りを回転し、撹拌子3もカプセル2の中心を軸として回転する。
【0035】
カプセル2は回転せずに、撹拌子3のみが、尖端3b付近を回転軸として、撹拌子3の底側が撹拌室2bの内壁に沿うように回転するので、撹拌室2b内の第一液2dと第二液4bとが掻き混ぜられる。
【0036】
図9は、本発明である液体撹拌装置の撹拌子の引き寄せを示す図である。図10は、本発明である液体撹拌装置の混合液の押出しを示す図である。撹拌後にカプセル2を回転子7から取り出す。
【0037】
撹拌後のカプセル2において、アプライヤー8の押出部8aを、プランジャー5の中空部5aの底に押し当てる。押出部8aの先端の磁石8bにより、撹拌子3の底側がプランジャー5の下端5bに引き寄せられる。
【0038】
アプライヤー8のレバー8cを引いて押出部8aを突出させ、プランジャー5をカプセル2内に押し込む。カプセル2のシール2cが押出時の圧力により破れ、混合液6cはノズル6へ流れ込む。
【0039】
撹拌子3は略円錐状で、尖端3bが下方を向いているので、尖端3bでシール2cを突くことで破りやすくなる。プランジャー5はシリンダー4と共にカプセル2の底面まで押し込まれ、撹拌子3はシール2cを突き抜けて、ノズル6の拡幅部6aに嵌入する。
【0040】
撹拌室2b内の混合液6cは、完全にノズル6の管内へ押し出され、吐出口6bから放出される。カプセル2内及びノズル6の拡幅部6aに空間が生じないないように混合液6cが押し出されるので、カプセル2内の残液を最小限にすることができる。
【実施例2】
【0041】
図11は、本発明である液体撹拌装置の上下可動機構を示す図である。図12は、本発明である液体撹拌装置の上下運動の状況を示す図である。図13は、本発明である液体撹拌装置のカプセルの上下運動を示す図である。
【0042】
上下可動液体撹拌装置1aは、カプセル2を上下可動スライダー10で上下運動させることにより、撹拌効率を向上させたものである。尚、上下可動スライダー10以外の上下可動機構を用いても良い。
【0043】
上下可動スライダー10は、カプセル2を上下運動させる部材である。上面中央にはカプセル2を取り付けるための開口部10aが空き、側面には上下可動スライダー10を上下運動させるための円孔10bが空く。
【0044】
開口部10aは円形に空いており、縁をカプセル2の溝部2eに螺合させることで固定することができる。円孔10bは横長の楕円形であり、内周に沿って楕円状のカム12が回転するため、円孔10bの短径は、カム12の長径以上である。
【0045】
上下可動用動力11は、カム12に回転力を伝達する。回転軸11aをカム12の中心からずれた位置に通すことにより、カム12の近軸側12aは回転軸11aの近くを回転し、遠軸側12bは回転軸11aの遠くを回転する。尚、カム12が横を向いたとき、回転軸11aは円孔10bの中心に位置する。
【0046】
カム12は、回転力を上下運動に変換して、上下可動スライダー10に伝達する部材である。近軸側12aが下側で遠軸側12bが上側に来たとき上下可動スライダー10は上方に押し上げられ、近軸側12aが上側で遠軸側12bが下側に来たとき上下可動スライダー10は下方に押し下げられる。
【0047】
上下可動スライダー10の上下運動に伴い、上下可動スライダー10に固定されたカプセル2も上下運動を行う。撹拌室2b内で撹拌子3が回転する位置については、撹拌子3が回転子用磁石7a、7bの間で高さがほぼ維持されるため、相対的に上下に変動する。
【0048】
尚、カプセル2を上下運動させるのではなく、回転子7を上下運動させる機構を用いても良い。当該構造においても、撹拌子3は、磁力の作用で回転子用磁石7a、7bの中心軸に近付こうとするので、高さが上下に変動する。
【0049】
液量が多くなって、撹拌室2bが上下に長くなった場合でも、撹拌室2b内における撹拌子3の相対位置を上下に変動させることにより、デッドスペースを最小限とすることができ、十分に撹拌することが可能となる。
【実施例3】
【0050】
液体撹拌装置1及び上下可動液体撹拌装置1aにおいて、撹拌子3の形状は、円錐に近い形状が好ましい。また、撹拌デッドスペースを最小限とするためには、撹拌子3の高さは、撹拌室2bの直径の半分以上であることが望ましい。
【0051】
尚、撹拌子3が円柱状又は直方体状であると、カプセル2内の液体容量を縮小させてしまい、回転時の抵抗も大きくなる。また、球状であると、磁石間距離が増加し、撹拌性能が落ちる。
【0052】
撹拌子用磁石3aと回転子用磁石7a、7bとの距離は、互いの吸着力の低下を防ぐため、できるだけ短い方が良い。尚、歯科用の液体撹拌装置1においては、部材の厚さやクリアランスを考慮して、6mm以下が望ましい。
【0053】
撹拌子用磁石3a及び回転子用磁石7a、7bの形状は、撹拌性能や組付性等を考慮すると、円柱型が好ましい。尚、球体であると取付時の磁力方向性が定まらなく、直方体であると取付けが難しくなる。
【0054】
尚、歯科用の液体撹拌装置1においては、撹拌子用磁石3aの磁束密度は3000ガウス以上、回転子用磁石7a、7bの磁束密度は4000ガウス以上、回転子7の回転数は500〜2000rpmであることが望ましい。
【0055】
また、上下可動スライダー10の動作速度は6〜30ストローク/分で、移動距離は撹拌室2bの高さ相当であることが望ましい。撹拌する液体の粘度については、剪断速度1.0(1/s)以上の時、粘度150(Pa−S)以下が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明である液体撹拌装置の縦断面図である。
【図2】本発明である液体撹拌装置のA−Aで切断した横断面図である。
【図3】本発明である液体撹拌装置のカプセルを分解した図である。
【図4】本発明である液体撹拌装置のカプセルの初期状態を示す図である。
【図5】本発明である液体撹拌装置で使用するアプライヤーの図である。
【図6】本発明である液体撹拌装置の2液を混合する状況を示す図である。
【図7】本発明である液体撹拌装置の2液を撹拌する状況を示す図である。
【図8】本発明である液体撹拌装置の回転子と撹拌子の回転を示す図である。
【図9】本発明である液体撹拌装置の撹拌子の引き寄せを示す図である。
【図10】本発明である液体撹拌装置の混合液の押出しを示す図である。
【図11】本発明である液体撹拌装置の上下可動機構を示す図である。
【図12】本発明である液体撹拌装置の上下運動の状況を示す図である。
【図13】本発明である液体撹拌装置のカプセルの上下運動を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 液体撹拌装置
1a 上下可動液体撹拌装置
2 カプセル
2a 本体
2b 撹拌室
2c シール
2d 第一液
2e 溝部
3 撹拌子
3a 撹拌子用磁石
3b 尖端
4 シリンダー
4a 底孔
4b 第二液
5 プランジャー
5a 中空部
5b 下端
6 ノズル
6a 拡幅部
6b 吐出口
6c 混合液
7 回転子
7a 回転子用磁石(左)
7b 回転子用磁石(右)
7c 軸受け
8 アプライヤー
8a 押出部
8b 磁石
8c レバー
9 回転子用動力
9a 回転軸
10 上下可動スライダー
10a 開口部
10b 円孔
11 上下可動用動力
11a 回転軸
12 カム
12a 近軸側
12b 遠軸側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面とノズルの間をシールした撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入したカプセルに対し、プランジャーを押し込んで前記撹拌子を前記撹拌室内に落とすことにより第一液と第二液とを混合し、前記撹拌子を回転させることで両液を撹拌した後、前記撹拌室のシールを破って混合液をノズルから吐出させることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項2】
N極とS極とが向かい合うように配置した2つの回転子用磁石をカプセルの周りで回転させることにより、磁力で撹拌子を回転させる回転子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項3】
アプライヤーの先端の磁石で撹拌子の尖端を下に向け、プランジャーで撹拌子を押し込んで撹拌室のシールを破ることにより、撹拌室内の混合液をノズルから吐出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項4】
撹拌子が撹拌室のシールを破ってノズルの拡幅部に嵌合することにより、撹拌室内の混合液をノズルから完全に吐出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項5】
上下可動スライダーでカプセルを上下運動させることにより、撹拌室における撹拌子の位置を相対的に上下させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項1】
底面とノズルの間をシールした撹拌室に第一液を投入した円筒状の本体に、撹拌子用磁石を内蔵する略円錐状の撹拌子で底孔に栓をして第二液を投入したシリンダーを挿入したカプセルに対し、プランジャーを押し込んで前記撹拌子を前記撹拌室内に落とすことにより第一液と第二液とを混合し、前記撹拌子を回転させることで両液を撹拌した後、前記撹拌室のシールを破って混合液をノズルから吐出させることを特徴とする磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項2】
N極とS極とが向かい合うように配置した2つの回転子用磁石をカプセルの周りで回転させることにより、磁力で撹拌子を回転させる回転子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項3】
アプライヤーの先端の磁石で撹拌子の尖端を下に向け、プランジャーで撹拌子を押し込んで撹拌室のシールを破ることにより、撹拌室内の混合液をノズルから吐出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項4】
撹拌子が撹拌室のシールを破ってノズルの拡幅部に嵌合することにより、撹拌室内の混合液をノズルから完全に吐出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【請求項5】
上下可動スライダーでカプセルを上下運動させることにより、撹拌室における撹拌子の位置を相対的に上下させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁石付き撹拌子を使用した二相液体撹拌装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−131742(P2009−131742A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308132(P2007−308132)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(393032125)油化電子株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(393032125)油化電子株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
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