液体検知センサ
【課題】チューブ内を流通する液体の内部状態および液体流通チューブの品質を正確迅速に検知する検知センサの提供、内部状態を表示する装置の提供及び異常状態の場合にアラームを発する液体異常警報装置の提供を目的とするものである。
【解決手段】本発明の液体検知センサは、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得る。
【解決手段】本発明の液体検知センサは、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体流通チューブ内を流通する液体の状態及び液体チューブの品質判断についての技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料メーカーでは製造した飲料をチューブを通じて貯蔵用容器や輸送用容器に送り、飲食店や医療現場では飲料や薬液を、チューブを通じて使用の都度容器から取り出す。液切れ等チューブ内の状態を検知するためには透明のチューブが用いられることが多いが、目視で常時観察することは困難である。このため、チューブ内の液切れ等の状態を検知する装置に関する様々な考案が提案されている。
【0003】
管内に一対の電極を設置し、液体の有無を判断する液切れセンサが提案されている(特許文献1)。また、液の有無による光の屈折率の相違を利用した液切れセンサも提案されている(特許文献2,3)。さらに、管を挟んで発光部と受光部より成るフォトセンサを設けて、流通する液の有無による受光量の相違を利用したフォトセンサも提案されている(特許文献4)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−170663号公報
【特許文献2】特開2004−045319号公報
【特許文献3】特開2006−10597号公報
【特許文献4】特開2003−248012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記管内に電極を設置するセンサは電極の腐食、磨耗による感度低下という問題に加え、飲料用や医療用液体用に用いるためには衛生面、安全面で問題が生じる。したがって、広範囲な用途に用いるためには、内部液体に非接触で液切れ等の状態を検知する装置が望ましい。
【0006】
また、前記液の有無による光の屈折率の相違を利用する液切れセンサは、チューブの径や液体の種類によって受光位置が変化するので、受光素子の位置変更や一定の位置を維持するための複雑な演算や調整器具が必要であるなど装置設定の複雑化、コスト増大という問題があった。
【0007】
受光量の相違を利用したフォトセンサは、非接触で簡便にチューブ内液体の有無を検知できる。しかし、液体がフルに流通している場合と全く流通していない場合を区別するだけでは十分ではない。液体は常に同じ状態で流通しているのではなく、液量不足によって泡状となる場合があり、異物が混入する場合もある。又、液量不足ではないものの瞬間的に泡が発生する場合もある。このような多様な内部状態を適切に判断できるものでなければならない。さらに、当該フォトセンサは液体供給路の途中に、前後の配管と別個にフォトセンサを有する光透過性管体よりなる接続部を設けており、装置の複雑化という問題もあった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みたものであり、チューブ内を流通する液体の内部状態および液体流通チューブの品質を正確迅速に検知する検知センサの提供、内部状態を表示する装置の提供及び異常状態の場合にアラームを発する液体異常警報装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。液体が流通チューブ内に満ちている場合や完全に液切れの場合以外に、気泡が発生している場合、異物が混入する場合等の状態が生じる。又、液体の有無以外に長期間の使用等によりチューブの透明度が低下する場合がある。これらの状況により受光素子の受光量のレベルが変わる。
この受光量のレベルを信号処理部で仕分けすることにより様々な内部状態を検知することが可能になる。従来の技術では、気泡の存在は液体有無判断のためのノイズと捉えられていたが、本発明では、受光量によって気泡を検知し、かつ気泡の存在自体を液切れの前兆やガス圧の不足等流通液体内部の有力な情報として活用することが可能となった。
【0010】
本発明による第2の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって前記液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。
気泡発生等による液体と気体が混じった状態の場合には受光量が激しく変動し、通常の受光量が安定している場合とは変動率が大きく異なる。受光量の変動状態を検知することにより気泡発生等の内部状態をきわめて的確に判断することが可能になる。
【0011】
発明による第3の観点により、前記信号処理部が、さらに受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無をも検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサが提供される。受光量のレベルと受光量の変動率の両方の信号を処理することにより更に的確な判断をすることが可能となる。
【0012】
本発明による第4の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、少なくとも前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は前記投光素子の発する光を受光するために前記投光素子に対向した液体流通チューブ外側に配され、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。受光素子が複数の場合には、投光素子の正面に対向する受光素子と正面以外に位置する受光素子間では、受光量に差異が生じるが、流通液の有無等の場合によって、受光素子間で生じる受光量の差異の度合いが異なることとなる。したがい、この差分を検知することによって流通液の有無等を判断することができる。投光素子が複数の場合も同様である。
【0013】
本発明による第5の観点により、前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の液体検知センサが提供される。受光量の差分と受光量の変動率を信号処理することにより、静態的分析と動態的分析が可能となり、内部状態の把握の精度が向上する。
【0014】
本発明による第6の観点により、前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであり、かつ、前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサが提供される。受光量を3つの側面から分析することにより内部状態や液体の特定が可能となる。
【0015】
本発明による第7の観点により、上記いずれかに記載の液体検知センサが複数組配設されていることを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。複数組の検知センサはチューブ内を流通する液体の流れの方向に配設されてそれぞれ他方の検知センサによる光の影響を受けない距離を保っていることが好ましい。
【0016】
本発明による第8の観点により、前記いずれかに記載の液体検知センサを内部に組み込んだ筐体であって、該筐体が前記液体流通チューブを遮蔽しかつ脱着自在に挟持することを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。投光素子と受光素子は本筐体の中に組み込まれているので、筐体がチューブを挟持して閉じられたときに即刻本発明に係る液体等検知が可能な状態になる。
【0017】
本発明による第9の観点により、前記信号処理部により処理された信号に基づいた表示を行なう表示部をさらに備えたことを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。信号処理部で処理され、仕分けされた内部状態がカラーや点滅により常時表示することができる。通信手段を用いることにより遠隔地において表示することもできる。
【0018】
本発明による第10の観点により、受光量、計測時間軸に対する受光量の変動率又は受光量の差分が予め設定した範囲を超えた場合に、所定のアラームが作動する警報手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置が提供される。通信手段を用いることにより、遠隔地において警報手段を発動することもできる。
【0019】
本発明による第11の観点により、液体流通チューブの外側に設置した投光光素子の発する光がチューブ内を通じて液体流通チューブの対向する外側に設置した受光素子によって受光され、受光量のレベル及び/又は計測時間軸に対する受光量の変動率によって信号処理部で液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知する液体検知方法が提供される。
【0020】
本発明による第12の観点により少なくとも投光素子と受光素子のいずれかが複数基備えられている投光素子、受光素子及び信号処理部からなる検知センサにおいて、さらに、複数の受光素子間の受光量の差分又は複数の投光素子から受光することによる受光素子における受光量の差分によって、信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知するものであることを特徴とする前期記載の流通液体検知方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の観点による液体検知センサを用いて、液体の有無、液体の特定(例えばビールかオレンジジュースか)、が判断できる。又、受光量のレベルによりチューブが古くなって交換時期が到来しているか否か判断できる。古くなったチューブの壁面には異物付着やカビ類繁殖しやすく、その結果液質を低下させてしまう上、品質劣化による液漏れ等のトラブルが発生する可能性があるが、それを未然に防止することが可能となる。さらに、一定時間内の大きく異なる数値の混在により、気泡や異物の存在を検知できる。
【0022】
本発明の第2の観点による液体検知センサを用いることにより、気泡の発生を迅速に把握することができる。気泡の発生は液切れの前段階である場合があり、又、ガス圧の不足に起因する場合がある。これらの情報を早期に把握することにより、液切れの予防を徹底したり、ガス圧不足による泡ばかりのビールの供給を事前防止することが可能となる。
【0023】
本発明の第3の観点による検知センサにより、静的な受光レベル把握による液体等の有無、やチューブの劣化を動的な受光変動率把握による気泡の有無を検知することができ、高い精度で内部状態の把握及びそれに対応した早期対策実施が可能となる。
【0024】
本発明の第4の観点による液体検知センサでは、液体と気体の屈折率の差によりチューブ内の液体の有無等内部状態を別の方法で把握することができる。投光素子又は受光素子のいずれが複数であっても良い。
【0025】
本発明の第5の観点による液体検知センサでは、投受光素子の複数配置により、液体の有無に加え、受光量変動率による液体や気泡等の有無を液体の色や濃さの影響をオフセットとして除去した検知できる。したがって、より正確な検知が可能となる。
【0026】
本発明の第6の観点による液体検知センサでは、受光量レベルと受光量変動率と投光素子又は受光素子の複数配置による受光量の差分の3つを分析、把握することにより、内部の様々な状況を正確かつ迅速に把握することが可能となる。
【0027】
本発明の第7の観点による液体検知センサでは、複数組の検知センサを設置することにより、1つのみの検知センサでは見逃していた気泡の発生等を更に迅速に把握することが可能となる。逆に、液切れとは無関係にごく微量発生した気泡については、複数の検知センサが同時に気泡を検知することはほとんどない。このような場合には、総合的に判断することにより液切れ等の誤作動を防止することができる。又、気泡の先端を捉えた検知センサ間の時間差を分析することにより、液体の流速を計測することができる。流速の把握により、気泡発生から液切れまでの時間を予測することも可能となる。
【0028】
本発明の第8の観点による検知センサ装置は開閉自在に構成されているので透明チューブのどこにでも容易に設置でき、移し変えも自由である。又、液体流通チューブを完全に覆っているので、外乱光による受光量の狂いが生じない。更に、内部に発光素子と受光素子が組み込まれているので、セッティングの手間が不要で筐体がチューブを挟持した後すぐに検知することが可能である。
【0029】
本発明の第9の観点による液体状態表示装置により、内部状態を常時監視することが可能となる。通信手段を組み込んで遠隔地にて監視することもできる。
【0030】
本発明の第10の観点による液体異常警報装置により、異常状態を瞬時に連絡することができる。通信装置を組み込んで遠隔地で警報を発することも可能である。
【0031】
本発明に係る第11の方法によって、受光量レベルと受光量変動の2要素によって、高い精度で内部状態の把握及びそれに対応した早期対策実施が可能となる。
【0032】
本発明の第12の観点による方法によって、受光量レベルと受光量変動率と投光素子又は受光素子の複数配置による受光量の差分の3つを分析、把握することにより、内部の様々な状況を正確かつ迅速に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係る液体検知装置の斜面図である。図1(a)は液体検知センサ筐体9が閉じられて液体流通チューブ1に装着された状態を示している。筐体外面にはLED10とスイッチ11が組み込まれて、電源はDC電源を用いている。図1(b)は液体検知センサ筐体が開かれた状態を示している。筐体内部には、投光素子3と受光素子4が嵌め込まれており、筐体が閉じられたときには投光素子と受光素子が液体流通チューブを挟んで対向するようになっている。受光素子は信号処理部13(図示していない)に接続されている。信号処理部には受光信号の増幅やフィルタも含まれる。
【0034】
図3−1は、本発明に係る液体検知センサを液体流通チューブにセッティングした状態の断面図である。投光素子3は対向する受光素子4に流通チューブ1を通して投光する。投光素子としては寿命等からLEDが好ましいがこれに限定されるものではない。投光波長は800〜1000nmの赤外光を用いる。又、受光素子としてはフォトダイオードが好ましいが、これに限定されない。図3−1(a)はチューブ内には液体が満たされておらず、空気2aの状態を示す。図3−1(b)はチューブ内にビール等の液体2bが満たされている状態を示す。図3−1(c)はチューブ内にビール等の液体が満たされており、かつ液体流通チューブ5が汚れている状態を示す。
【0035】
図3−2は、図3−1の投光赤外光の照射状態を示した概念図である。投光素子3から投光された赤外光が受光素子によって受光される際に流通チューブ内が空気(気体)の場合は、液体と気体の屈折率の差により拡散するので受光素子の受光量は相対的に低くなる。一方、流通チューブ内にビール等の液体が満たされている場合には、投光光はあまり拡散しないので受光素子の受光量は相対的に高くなる。流通チューブが汚れている場合には、チューブ内で投光光が遮蔽され、散乱するので受光素子の受光量はチューブが清浄である場合に比較して相対的に低くなる。気泡が発生した場合や異物が混入した場合には、内部状態により受光量のレベルが変化することになる。
【0036】
ビール内に気泡が発生した状態では、液体が満たされた状態と空の状態が混合し、かつ激しく入れ替わることとなる。そのため、受光量のレベルが単位時間に対して激しく変化する。この受光量の変動率を分析することにより、気泡発生をより確実に把握することが可能になる。受光量の変動率は受光素子の受光信号を信号処理部で処理し、判断される。 上記受光量レベルによる判断に加え、この受光量の変動率による判断をも組合わせて信号処理部で判断されることが迅速正確な判断に直結することとなり、より好ましい。
【0037】
図4は受光素子の受光量値についての概念図である。図4において、流通チューブ内に液体が満たされている場合16bでは受光量は最も高くなる。流通チューブ内に液がない場合16aでは受光量は最も低くなる。流通チューブ内に液体が満たされているが、チューブが汚れている場合16cでは、受光量は中間値を示す。したがって、受光量値間にしきい値6、7を設定すれば、3つの状態を判断することができる。
【0038】
図6は、受光量の時間軸に対する変化の概念図である。上記の状態が安定している場合には、受光量は時間軸に対して大きな変動を示さない。しかし、気泡が発生した場合や異物が混入した場合には受光量16dは大きな変動を示す。この場合に、しきい値6を設定することにより、しきい値を超える(下回る)受光量の発生、すなわち異物の混入や気泡の発生を検知できる。気泡の発生、異物の混入の検知については、しきい値の逸脱有無のみでなく、受光量の変動率によっても把握できることは既述通りである。
【0039】
信号処理部で判断された液体の有無、異物の有無、泡の有無、チューブの汚れについての信号は表示部(図示しない)でその内容が表示される。例えば、ビールが適正に流通している場合にはLEDの緑色が点灯し、チューブが汚れ交換時期が到来している場合には橙色が点灯し、ビールの液切れでチューブ内が空になっている場合には赤色が点灯し、気泡や異物の存在により液切れの前兆又は液体の状態が悪い場合には緑色が点滅することにより状態を明確に表示することができる。
【0040】
制御部の判断処理はマイコンを用いても良いし、単純なコンパレータやロジック回路によっても可能である。又、制御部から通信装置を介して遠隔地に設置した表示部に信号を送ることもできる。又、表示部と連動して警報装置が作動する。例えばビールの液切れでチューブが空になっている場合には、表示部で赤色点灯されると同時に警報ブザーを鳴らすことができる。
【0041】
図2は第2の実施形態を示している。投光素子は1基であるのに対し受光素子は2基設置されていて、3基で1組の液体検知センサを構成する。受光素子4は投光素子3の正面に対向しているのに対し、受光素子12は液体流通チューブの長さ方向に対して位置ずれして対向している。各々の受光素子は信号処理部13に接続されている。信号処理部はLED10と接続されており、さらに、出力接点14、外部出力端子15にも接続されている。外部出力はリレーや半導体などの有接点/無接点出力、あるいは外部機器との通信手段を用いることが可能である。また無線などを用いてワイヤレスで出力部を構成してもよい。装置の電源は特に図示していないが外部から電源線を接続あるいは電池駆動など可能である。
【0042】
投光素子から投光された光は、図3−2で説明したように、図2(a)のように液体が満たされていない場合には拡散するので、受光素子4と受光素子12の受光量の差分は比較的小さい。それに対して図2(b)のように液体が満たされている場合にはあまり拡散しないので、正面の受光素子4の受光量が相対的に大きくなる。したがって、受光素子4と受光素子12の受光量の差分は大きくなる。このように投光素子の正面に位置する受光素子と正面から離れた位置にある受光素子間の受光量の差分を分析することによっても液体流通チューブ内の液体の状態を把握することができる。
【0043】
図5は第3の実施形態を示している。投光素子、受光素子は各々3基あり、液体流通チューブ中の長さ方向に離れて配設されている。3a、3b、3cの投光素子は4a、4b、4cの受光素子と対向してそれぞれ1組の液体検知センサを構成し、合計3組の液体検知センサを構成している。又、投光素子と受光素子は基板8上に配設されており、受光素子は信号処理部13に接続されている。(図示していない)
【0044】
各々の組の液体検知センサ素子はチューブ内液体の有無等受光量レベル及び受光量変動率を受光し、信号処理部でその内容が判断される。各組の液体検知センサは一定距離を保っているので、それぞれの位置の正面を通過する流通チューブ内液体等の状況を、独立して把握することができる。したがって、液体等の1点の情報のみならず、一定範囲の広い状況を把握することができ、かつ、1組の液体検知センサが把握した液体の上流側の特定の状況を、一定時間後に下流側に位置する1組の液体検知センサが把握することができる。このため、検知漏れを防止すること、ごく一部のみの状況により過剰に反応し誤作動を起こすことを防止すること、気泡等の広がりを把握することが可能となる。又、正面を通過する気泡等の先頭位置把握について各組の液体検知センサ間の時間差分析により、液体の流速を計測する等の分析が可能となる。
【実施例1】
【0045】
次に、実験データに基づいて説明する。投光素子はLEDを、受光素子はフォトダイオードを各1基用いた液体検知センサを2組用いて実験を行った。投光素子、受光素子共に液体流通チューブの外面から1ミリメートルの対向した位置に配設した。液体流通チューブは外形10ミリメートル、肉厚2.5ミリメートルのナイロンチューブを使用した。投光素子から950nmの赤外光を投光し、受光素子で受光する受光量の時間軸(ms)に対する値をプロットした。受光量は5vをNで除し、Nをデジタル値として表している。
【0046】
図7はチューブ内が空の状態の受光量値である。デジタル値は256〜300近辺を示し、安定して推移している。図8はチューブ内をビールが満たしている状態の受光量値である。デジタル値1〜2近辺を示し、安定して推移している。チューブ内を液体であるビールが満たしているので、空の状態と比べて受光量値が格段に高いことが示されている。図9はチューブ内をビールが満たしていてかつチューブが汚れている状態である。チューブは白濁して交換時期に来ているものを使用した。デジタル値は64近辺を示し、やはり安定して推移している。チューブの遮光性が高くなったことにより図8の数値より受光量値が低くなったものと考えられる。
【0047】
図10は受光素子を遮光した状態の受光量値である。液体検知センサの筐体を、投光光が受光素子に受光されない角度に開いた状態で計測した。デジタル値は512近辺を安定的に示している。図11は気泡が発生した状態の受光量値である。デジタル値は64〜500近辺を激しく変動して推移している。気泡が発生した場合には、受光量レベルそのものも変化するが、変動率も他の状態と比べはるかに大きい。よって変動率により他の状態と差別化することが可能である。
また、図11の第1軸と第2軸の時間差に着目してみると、記録開始時は100m秒程度だった遅延が最終時は300m秒まで延びており、この測定の間にも徐々にチューブ内ビールの流速が落ちていることが判断出来る。このように光軸間の時間差を簡便に測定・利用することが可能である。
【0048】
図12はチューブ内を醤油が満たしている状態の受光量値である。ビールの場合とほぼ同様のデジタル値を示している。図13はチューブ内を23%オレンジジュースが、図14は100%オレンジジュースが満たしている状態の受光量値である。23%オレンジジュースの場合は64近辺を、100%オレンジジュースの場合は400近辺を安定して推移している。ビール、醤油の場合と比して受光量が少ないのは、オレンジが近赤外光を吸収するためであると推察される。100%オレンジジュースの場合には、より吸収度が高くなるので、受光素子の受光量が液体流通チューブが空の場合よりも、受光量が低くなる。このように、液体の吸光性を利用して、受光量による流通液体の特定や液の混在の発見を行なうことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、ビール等チューブ内を流通する液体の有無、気泡の発生等内部状態を的確に把握できるので、液切れや異物混入等を早期に発見することが可能となる。又、把握した情報に基づいて、迅速に対応することが可能である。本発明は、液体全般に限らず、気体等に広範囲に利用可能な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】液体検知センサを組み込んだ筐体の構成図である。
【図2】投光素子が1基、受光素子が2基の態様の液体検知センサの構成図である。
【図3−1】液体検知センサの構成図である。
【図3−2】液体検知センサの受光・投光に関する構成図である。
【図4】受光量レベルに関する説明図である。
【図5】3組の投光素子と受光素子より成る液体検知センサの構成図である。
【図6】気泡発生時の受光量推移に関する説明図である。
【図7】液体流通チューブが空の状態の受光量推移データ図である。
【図8】液体流通チューブの中がビールで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図9】液体流通チューブの中がビールで満たされており、かつ流通チューブが汚れている状態の受光量推移データ図である。
【図10】受光素子が遮光されている状態の受光量推移データ図である。
【図11】液体流通チューブの中のビールに気泡が発生している状態の受光量推移データ図である。
【図12】液体流通チューブの中が醤油で満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図13】液体流通チューブの中が23%オレンジジュースで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図14】液体流通チューブの中が100%オレンジジュースで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【符号の説明】
【0051】
1 液体流通チューブ
2a 液体流通チューブ内の空気
2b 液体流通チューブ内の液体
3a〜3c 投光素子
4a〜4c 受光素子
5 チューブの汚れ
6 チューブ内の液の有無と判定しきい値
7 チューブの汚れの判定用しきい値
8 基板
9 筐体
10 LED
11 スイッチ
12 受光素子
13 信号処理部
14 出力接点
15 外部出力端子
16a 液体流通チューブ内に液体がない場合の透過率
16b 液体流通チューブ内が液体で満たされている場合の透過率
16c 液体流通チューブ内が液体で満たされているが、チューブが汚れている場合の透過率
16d チューブを流通する液体に泡や異物が含まれている場合の透過率
【技術分野】
【0001】
本発明は液体流通チューブ内を流通する液体の状態及び液体チューブの品質判断についての技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料メーカーでは製造した飲料をチューブを通じて貯蔵用容器や輸送用容器に送り、飲食店や医療現場では飲料や薬液を、チューブを通じて使用の都度容器から取り出す。液切れ等チューブ内の状態を検知するためには透明のチューブが用いられることが多いが、目視で常時観察することは困難である。このため、チューブ内の液切れ等の状態を検知する装置に関する様々な考案が提案されている。
【0003】
管内に一対の電極を設置し、液体の有無を判断する液切れセンサが提案されている(特許文献1)。また、液の有無による光の屈折率の相違を利用した液切れセンサも提案されている(特許文献2,3)。さらに、管を挟んで発光部と受光部より成るフォトセンサを設けて、流通する液の有無による受光量の相違を利用したフォトセンサも提案されている(特許文献4)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−170663号公報
【特許文献2】特開2004−045319号公報
【特許文献3】特開2006−10597号公報
【特許文献4】特開2003−248012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記管内に電極を設置するセンサは電極の腐食、磨耗による感度低下という問題に加え、飲料用や医療用液体用に用いるためには衛生面、安全面で問題が生じる。したがって、広範囲な用途に用いるためには、内部液体に非接触で液切れ等の状態を検知する装置が望ましい。
【0006】
また、前記液の有無による光の屈折率の相違を利用する液切れセンサは、チューブの径や液体の種類によって受光位置が変化するので、受光素子の位置変更や一定の位置を維持するための複雑な演算や調整器具が必要であるなど装置設定の複雑化、コスト増大という問題があった。
【0007】
受光量の相違を利用したフォトセンサは、非接触で簡便にチューブ内液体の有無を検知できる。しかし、液体がフルに流通している場合と全く流通していない場合を区別するだけでは十分ではない。液体は常に同じ状態で流通しているのではなく、液量不足によって泡状となる場合があり、異物が混入する場合もある。又、液量不足ではないものの瞬間的に泡が発生する場合もある。このような多様な内部状態を適切に判断できるものでなければならない。さらに、当該フォトセンサは液体供給路の途中に、前後の配管と別個にフォトセンサを有する光透過性管体よりなる接続部を設けており、装置の複雑化という問題もあった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みたものであり、チューブ内を流通する液体の内部状態および液体流通チューブの品質を正確迅速に検知する検知センサの提供、内部状態を表示する装置の提供及び異常状態の場合にアラームを発する液体異常警報装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。液体が流通チューブ内に満ちている場合や完全に液切れの場合以外に、気泡が発生している場合、異物が混入する場合等の状態が生じる。又、液体の有無以外に長期間の使用等によりチューブの透明度が低下する場合がある。これらの状況により受光素子の受光量のレベルが変わる。
この受光量のレベルを信号処理部で仕分けすることにより様々な内部状態を検知することが可能になる。従来の技術では、気泡の存在は液体有無判断のためのノイズと捉えられていたが、本発明では、受光量によって気泡を検知し、かつ気泡の存在自体を液切れの前兆やガス圧の不足等流通液体内部の有力な情報として活用することが可能となった。
【0010】
本発明による第2の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって前記液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。
気泡発生等による液体と気体が混じった状態の場合には受光量が激しく変動し、通常の受光量が安定している場合とは変動率が大きく異なる。受光量の変動状態を検知することにより気泡発生等の内部状態をきわめて的確に判断することが可能になる。
【0011】
発明による第3の観点により、前記信号処理部が、さらに受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無をも検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサが提供される。受光量のレベルと受光量の変動率の両方の信号を処理することにより更に的確な判断をすることが可能となる。
【0012】
本発明による第4の観点により、投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、少なくとも前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は前記投光素子の発する光を受光するために前記投光素子に対向した液体流通チューブ外側に配され、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサが提供される。受光素子が複数の場合には、投光素子の正面に対向する受光素子と正面以外に位置する受光素子間では、受光量に差異が生じるが、流通液の有無等の場合によって、受光素子間で生じる受光量の差異の度合いが異なることとなる。したがい、この差分を検知することによって流通液の有無等を判断することができる。投光素子が複数の場合も同様である。
【0013】
本発明による第5の観点により、前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の液体検知センサが提供される。受光量の差分と受光量の変動率を信号処理することにより、静態的分析と動態的分析が可能となり、内部状態の把握の精度が向上する。
【0014】
本発明による第6の観点により、前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであり、かつ、前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサが提供される。受光量を3つの側面から分析することにより内部状態や液体の特定が可能となる。
【0015】
本発明による第7の観点により、上記いずれかに記載の液体検知センサが複数組配設されていることを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。複数組の検知センサはチューブ内を流通する液体の流れの方向に配設されてそれぞれ他方の検知センサによる光の影響を受けない距離を保っていることが好ましい。
【0016】
本発明による第8の観点により、前記いずれかに記載の液体検知センサを内部に組み込んだ筐体であって、該筐体が前記液体流通チューブを遮蔽しかつ脱着自在に挟持することを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。投光素子と受光素子は本筐体の中に組み込まれているので、筐体がチューブを挟持して閉じられたときに即刻本発明に係る液体等検知が可能な状態になる。
【0017】
本発明による第9の観点により、前記信号処理部により処理された信号に基づいた表示を行なう表示部をさらに備えたことを特徴とする液体検知センサ装置が提供される。信号処理部で処理され、仕分けされた内部状態がカラーや点滅により常時表示することができる。通信手段を用いることにより遠隔地において表示することもできる。
【0018】
本発明による第10の観点により、受光量、計測時間軸に対する受光量の変動率又は受光量の差分が予め設定した範囲を超えた場合に、所定のアラームが作動する警報手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置が提供される。通信手段を用いることにより、遠隔地において警報手段を発動することもできる。
【0019】
本発明による第11の観点により、液体流通チューブの外側に設置した投光光素子の発する光がチューブ内を通じて液体流通チューブの対向する外側に設置した受光素子によって受光され、受光量のレベル及び/又は計測時間軸に対する受光量の変動率によって信号処理部で液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知する液体検知方法が提供される。
【0020】
本発明による第12の観点により少なくとも投光素子と受光素子のいずれかが複数基備えられている投光素子、受光素子及び信号処理部からなる検知センサにおいて、さらに、複数の受光素子間の受光量の差分又は複数の投光素子から受光することによる受光素子における受光量の差分によって、信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知するものであることを特徴とする前期記載の流通液体検知方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の観点による液体検知センサを用いて、液体の有無、液体の特定(例えばビールかオレンジジュースか)、が判断できる。又、受光量のレベルによりチューブが古くなって交換時期が到来しているか否か判断できる。古くなったチューブの壁面には異物付着やカビ類繁殖しやすく、その結果液質を低下させてしまう上、品質劣化による液漏れ等のトラブルが発生する可能性があるが、それを未然に防止することが可能となる。さらに、一定時間内の大きく異なる数値の混在により、気泡や異物の存在を検知できる。
【0022】
本発明の第2の観点による液体検知センサを用いることにより、気泡の発生を迅速に把握することができる。気泡の発生は液切れの前段階である場合があり、又、ガス圧の不足に起因する場合がある。これらの情報を早期に把握することにより、液切れの予防を徹底したり、ガス圧不足による泡ばかりのビールの供給を事前防止することが可能となる。
【0023】
本発明の第3の観点による検知センサにより、静的な受光レベル把握による液体等の有無、やチューブの劣化を動的な受光変動率把握による気泡の有無を検知することができ、高い精度で内部状態の把握及びそれに対応した早期対策実施が可能となる。
【0024】
本発明の第4の観点による液体検知センサでは、液体と気体の屈折率の差によりチューブ内の液体の有無等内部状態を別の方法で把握することができる。投光素子又は受光素子のいずれが複数であっても良い。
【0025】
本発明の第5の観点による液体検知センサでは、投受光素子の複数配置により、液体の有無に加え、受光量変動率による液体や気泡等の有無を液体の色や濃さの影響をオフセットとして除去した検知できる。したがって、より正確な検知が可能となる。
【0026】
本発明の第6の観点による液体検知センサでは、受光量レベルと受光量変動率と投光素子又は受光素子の複数配置による受光量の差分の3つを分析、把握することにより、内部の様々な状況を正確かつ迅速に把握することが可能となる。
【0027】
本発明の第7の観点による液体検知センサでは、複数組の検知センサを設置することにより、1つのみの検知センサでは見逃していた気泡の発生等を更に迅速に把握することが可能となる。逆に、液切れとは無関係にごく微量発生した気泡については、複数の検知センサが同時に気泡を検知することはほとんどない。このような場合には、総合的に判断することにより液切れ等の誤作動を防止することができる。又、気泡の先端を捉えた検知センサ間の時間差を分析することにより、液体の流速を計測することができる。流速の把握により、気泡発生から液切れまでの時間を予測することも可能となる。
【0028】
本発明の第8の観点による検知センサ装置は開閉自在に構成されているので透明チューブのどこにでも容易に設置でき、移し変えも自由である。又、液体流通チューブを完全に覆っているので、外乱光による受光量の狂いが生じない。更に、内部に発光素子と受光素子が組み込まれているので、セッティングの手間が不要で筐体がチューブを挟持した後すぐに検知することが可能である。
【0029】
本発明の第9の観点による液体状態表示装置により、内部状態を常時監視することが可能となる。通信手段を組み込んで遠隔地にて監視することもできる。
【0030】
本発明の第10の観点による液体異常警報装置により、異常状態を瞬時に連絡することができる。通信装置を組み込んで遠隔地で警報を発することも可能である。
【0031】
本発明に係る第11の方法によって、受光量レベルと受光量変動の2要素によって、高い精度で内部状態の把握及びそれに対応した早期対策実施が可能となる。
【0032】
本発明の第12の観点による方法によって、受光量レベルと受光量変動率と投光素子又は受光素子の複数配置による受光量の差分の3つを分析、把握することにより、内部の様々な状況を正確かつ迅速に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係る液体検知装置の斜面図である。図1(a)は液体検知センサ筐体9が閉じられて液体流通チューブ1に装着された状態を示している。筐体外面にはLED10とスイッチ11が組み込まれて、電源はDC電源を用いている。図1(b)は液体検知センサ筐体が開かれた状態を示している。筐体内部には、投光素子3と受光素子4が嵌め込まれており、筐体が閉じられたときには投光素子と受光素子が液体流通チューブを挟んで対向するようになっている。受光素子は信号処理部13(図示していない)に接続されている。信号処理部には受光信号の増幅やフィルタも含まれる。
【0034】
図3−1は、本発明に係る液体検知センサを液体流通チューブにセッティングした状態の断面図である。投光素子3は対向する受光素子4に流通チューブ1を通して投光する。投光素子としては寿命等からLEDが好ましいがこれに限定されるものではない。投光波長は800〜1000nmの赤外光を用いる。又、受光素子としてはフォトダイオードが好ましいが、これに限定されない。図3−1(a)はチューブ内には液体が満たされておらず、空気2aの状態を示す。図3−1(b)はチューブ内にビール等の液体2bが満たされている状態を示す。図3−1(c)はチューブ内にビール等の液体が満たされており、かつ液体流通チューブ5が汚れている状態を示す。
【0035】
図3−2は、図3−1の投光赤外光の照射状態を示した概念図である。投光素子3から投光された赤外光が受光素子によって受光される際に流通チューブ内が空気(気体)の場合は、液体と気体の屈折率の差により拡散するので受光素子の受光量は相対的に低くなる。一方、流通チューブ内にビール等の液体が満たされている場合には、投光光はあまり拡散しないので受光素子の受光量は相対的に高くなる。流通チューブが汚れている場合には、チューブ内で投光光が遮蔽され、散乱するので受光素子の受光量はチューブが清浄である場合に比較して相対的に低くなる。気泡が発生した場合や異物が混入した場合には、内部状態により受光量のレベルが変化することになる。
【0036】
ビール内に気泡が発生した状態では、液体が満たされた状態と空の状態が混合し、かつ激しく入れ替わることとなる。そのため、受光量のレベルが単位時間に対して激しく変化する。この受光量の変動率を分析することにより、気泡発生をより確実に把握することが可能になる。受光量の変動率は受光素子の受光信号を信号処理部で処理し、判断される。 上記受光量レベルによる判断に加え、この受光量の変動率による判断をも組合わせて信号処理部で判断されることが迅速正確な判断に直結することとなり、より好ましい。
【0037】
図4は受光素子の受光量値についての概念図である。図4において、流通チューブ内に液体が満たされている場合16bでは受光量は最も高くなる。流通チューブ内に液がない場合16aでは受光量は最も低くなる。流通チューブ内に液体が満たされているが、チューブが汚れている場合16cでは、受光量は中間値を示す。したがって、受光量値間にしきい値6、7を設定すれば、3つの状態を判断することができる。
【0038】
図6は、受光量の時間軸に対する変化の概念図である。上記の状態が安定している場合には、受光量は時間軸に対して大きな変動を示さない。しかし、気泡が発生した場合や異物が混入した場合には受光量16dは大きな変動を示す。この場合に、しきい値6を設定することにより、しきい値を超える(下回る)受光量の発生、すなわち異物の混入や気泡の発生を検知できる。気泡の発生、異物の混入の検知については、しきい値の逸脱有無のみでなく、受光量の変動率によっても把握できることは既述通りである。
【0039】
信号処理部で判断された液体の有無、異物の有無、泡の有無、チューブの汚れについての信号は表示部(図示しない)でその内容が表示される。例えば、ビールが適正に流通している場合にはLEDの緑色が点灯し、チューブが汚れ交換時期が到来している場合には橙色が点灯し、ビールの液切れでチューブ内が空になっている場合には赤色が点灯し、気泡や異物の存在により液切れの前兆又は液体の状態が悪い場合には緑色が点滅することにより状態を明確に表示することができる。
【0040】
制御部の判断処理はマイコンを用いても良いし、単純なコンパレータやロジック回路によっても可能である。又、制御部から通信装置を介して遠隔地に設置した表示部に信号を送ることもできる。又、表示部と連動して警報装置が作動する。例えばビールの液切れでチューブが空になっている場合には、表示部で赤色点灯されると同時に警報ブザーを鳴らすことができる。
【0041】
図2は第2の実施形態を示している。投光素子は1基であるのに対し受光素子は2基設置されていて、3基で1組の液体検知センサを構成する。受光素子4は投光素子3の正面に対向しているのに対し、受光素子12は液体流通チューブの長さ方向に対して位置ずれして対向している。各々の受光素子は信号処理部13に接続されている。信号処理部はLED10と接続されており、さらに、出力接点14、外部出力端子15にも接続されている。外部出力はリレーや半導体などの有接点/無接点出力、あるいは外部機器との通信手段を用いることが可能である。また無線などを用いてワイヤレスで出力部を構成してもよい。装置の電源は特に図示していないが外部から電源線を接続あるいは電池駆動など可能である。
【0042】
投光素子から投光された光は、図3−2で説明したように、図2(a)のように液体が満たされていない場合には拡散するので、受光素子4と受光素子12の受光量の差分は比較的小さい。それに対して図2(b)のように液体が満たされている場合にはあまり拡散しないので、正面の受光素子4の受光量が相対的に大きくなる。したがって、受光素子4と受光素子12の受光量の差分は大きくなる。このように投光素子の正面に位置する受光素子と正面から離れた位置にある受光素子間の受光量の差分を分析することによっても液体流通チューブ内の液体の状態を把握することができる。
【0043】
図5は第3の実施形態を示している。投光素子、受光素子は各々3基あり、液体流通チューブ中の長さ方向に離れて配設されている。3a、3b、3cの投光素子は4a、4b、4cの受光素子と対向してそれぞれ1組の液体検知センサを構成し、合計3組の液体検知センサを構成している。又、投光素子と受光素子は基板8上に配設されており、受光素子は信号処理部13に接続されている。(図示していない)
【0044】
各々の組の液体検知センサ素子はチューブ内液体の有無等受光量レベル及び受光量変動率を受光し、信号処理部でその内容が判断される。各組の液体検知センサは一定距離を保っているので、それぞれの位置の正面を通過する流通チューブ内液体等の状況を、独立して把握することができる。したがって、液体等の1点の情報のみならず、一定範囲の広い状況を把握することができ、かつ、1組の液体検知センサが把握した液体の上流側の特定の状況を、一定時間後に下流側に位置する1組の液体検知センサが把握することができる。このため、検知漏れを防止すること、ごく一部のみの状況により過剰に反応し誤作動を起こすことを防止すること、気泡等の広がりを把握することが可能となる。又、正面を通過する気泡等の先頭位置把握について各組の液体検知センサ間の時間差分析により、液体の流速を計測する等の分析が可能となる。
【実施例1】
【0045】
次に、実験データに基づいて説明する。投光素子はLEDを、受光素子はフォトダイオードを各1基用いた液体検知センサを2組用いて実験を行った。投光素子、受光素子共に液体流通チューブの外面から1ミリメートルの対向した位置に配設した。液体流通チューブは外形10ミリメートル、肉厚2.5ミリメートルのナイロンチューブを使用した。投光素子から950nmの赤外光を投光し、受光素子で受光する受光量の時間軸(ms)に対する値をプロットした。受光量は5vをNで除し、Nをデジタル値として表している。
【0046】
図7はチューブ内が空の状態の受光量値である。デジタル値は256〜300近辺を示し、安定して推移している。図8はチューブ内をビールが満たしている状態の受光量値である。デジタル値1〜2近辺を示し、安定して推移している。チューブ内を液体であるビールが満たしているので、空の状態と比べて受光量値が格段に高いことが示されている。図9はチューブ内をビールが満たしていてかつチューブが汚れている状態である。チューブは白濁して交換時期に来ているものを使用した。デジタル値は64近辺を示し、やはり安定して推移している。チューブの遮光性が高くなったことにより図8の数値より受光量値が低くなったものと考えられる。
【0047】
図10は受光素子を遮光した状態の受光量値である。液体検知センサの筐体を、投光光が受光素子に受光されない角度に開いた状態で計測した。デジタル値は512近辺を安定的に示している。図11は気泡が発生した状態の受光量値である。デジタル値は64〜500近辺を激しく変動して推移している。気泡が発生した場合には、受光量レベルそのものも変化するが、変動率も他の状態と比べはるかに大きい。よって変動率により他の状態と差別化することが可能である。
また、図11の第1軸と第2軸の時間差に着目してみると、記録開始時は100m秒程度だった遅延が最終時は300m秒まで延びており、この測定の間にも徐々にチューブ内ビールの流速が落ちていることが判断出来る。このように光軸間の時間差を簡便に測定・利用することが可能である。
【0048】
図12はチューブ内を醤油が満たしている状態の受光量値である。ビールの場合とほぼ同様のデジタル値を示している。図13はチューブ内を23%オレンジジュースが、図14は100%オレンジジュースが満たしている状態の受光量値である。23%オレンジジュースの場合は64近辺を、100%オレンジジュースの場合は400近辺を安定して推移している。ビール、醤油の場合と比して受光量が少ないのは、オレンジが近赤外光を吸収するためであると推察される。100%オレンジジュースの場合には、より吸収度が高くなるので、受光素子の受光量が液体流通チューブが空の場合よりも、受光量が低くなる。このように、液体の吸光性を利用して、受光量による流通液体の特定や液の混在の発見を行なうことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、ビール等チューブ内を流通する液体の有無、気泡の発生等内部状態を的確に把握できるので、液切れや異物混入等を早期に発見することが可能となる。又、把握した情報に基づいて、迅速に対応することが可能である。本発明は、液体全般に限らず、気体等に広範囲に利用可能な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】液体検知センサを組み込んだ筐体の構成図である。
【図2】投光素子が1基、受光素子が2基の態様の液体検知センサの構成図である。
【図3−1】液体検知センサの構成図である。
【図3−2】液体検知センサの受光・投光に関する構成図である。
【図4】受光量レベルに関する説明図である。
【図5】3組の投光素子と受光素子より成る液体検知センサの構成図である。
【図6】気泡発生時の受光量推移に関する説明図である。
【図7】液体流通チューブが空の状態の受光量推移データ図である。
【図8】液体流通チューブの中がビールで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図9】液体流通チューブの中がビールで満たされており、かつ流通チューブが汚れている状態の受光量推移データ図である。
【図10】受光素子が遮光されている状態の受光量推移データ図である。
【図11】液体流通チューブの中のビールに気泡が発生している状態の受光量推移データ図である。
【図12】液体流通チューブの中が醤油で満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図13】液体流通チューブの中が23%オレンジジュースで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【図14】液体流通チューブの中が100%オレンジジュースで満たされている状態の受光量推移データ図である。
【符号の説明】
【0051】
1 液体流通チューブ
2a 液体流通チューブ内の空気
2b 液体流通チューブ内の液体
3a〜3c 投光素子
4a〜4c 受光素子
5 チューブの汚れ
6 チューブ内の液の有無と判定しきい値
7 チューブの汚れの判定用しきい値
8 基板
9 筐体
10 LED
11 スイッチ
12 受光素子
13 信号処理部
14 出力接点
15 外部出力端子
16a 液体流通チューブ内に液体がない場合の透過率
16b 液体流通チューブ内が液体で満たされている場合の透過率
16c 液体流通チューブ内が液体で満たされているが、チューブが汚れている場合の透過率
16d チューブを流通する液体に泡や異物が含まれている場合の透過率
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項2】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって前記液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項3】
前記信号処理部が、さらに受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無をも検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサ。
【請求項4】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、少なくとも前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は前記投光素子の発する光を受光するために前記投光素子に対向した液体流通チューブ外側に配され、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項5】
前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の液体検知センサ。
【請求項6】
前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであり、かつ、前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサ
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の液体検知センサが複数組配設されていることを特徴とする液体検知センサ装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の液体検知センサを内部に組み込んだ筐体であって、該筐体が前記液体流通チューブを遮蔽しかつ脱着自在に挟持することを特徴とする液体検知センサ装置。
【請求項9】
前記信号処理部により処理された信号に基づいた表示を行なう表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置。
【請求項10】
受光量、計測時間軸に対する受光量の変動率又は受光量の差分が予め設定した範囲を超えた場合に、所定のアラームが作動する警報手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置。
【請求項11】
液体流通チューブの外側に設置した投光光素子の発する光がチューブ内を通じて液体流通チューブの対向する外側に設置した受光素子によって受光され、受光量のレベル及び/又は計測時間軸に対する受光量の変動率によって信号処理部で液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知する液体検知方法。
【請求項12】
少なくとも投光素子と受光素子のいずれかが複数基備えられている投光素子、受光素子及び信号処理部からなる検知センサにおいて、さらに、複数の受光素子間の受光量の差分又は複数の投光素子から受光することによる受光素子における受光量の差分によって、信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知するものであることを特徴とする請求項11に記載の流通液体検知方法。
【請求項1】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の受光量レベルによって前記液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項2】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は投光素子の発する光を受光するために投光素子に対向した前記液体流通チューブ外側に配され、前記信号処理部が前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって前記液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項3】
前記信号処理部が、さらに受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無をも検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサ。
【請求項4】
投光素子と受光素子と信号処理部よりなる液体検知センサであって、少なくとも前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、前記投光素子は液体流通チューブの外側に配され、前記受光素子は前記投光素子の発する光を受光するために前記投光素子に対向した液体流通チューブ外側に配され、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする液体検知センサ。
【請求項5】
前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の液体検知センサ。
【請求項6】
前記投光素子と前記受光素子のいずれかが複数基備えられており、複数の前記受光素子間の受光量の差分又は複数の前記投光素子から受光することによる前記受光素子における受光量の差分によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであり、かつ、前記受光素子の計測時間軸に対する受光量の変動率によって、前記信号処理部が液体流通チューブ内を流通する気泡、異物又はこれらの組合せの有無を検知し得るものであることを特徴とする請求項1に記載の液体検知センサ
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の液体検知センサが複数組配設されていることを特徴とする液体検知センサ装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の液体検知センサを内部に組み込んだ筐体であって、該筐体が前記液体流通チューブを遮蔽しかつ脱着自在に挟持することを特徴とする液体検知センサ装置。
【請求項9】
前記信号処理部により処理された信号に基づいた表示を行なう表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置。
【請求項10】
受光量、計測時間軸に対する受光量の変動率又は受光量の差分が予め設定した範囲を超えた場合に、所定のアラームが作動する警報手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体検知センサ装置。
【請求項11】
液体流通チューブの外側に設置した投光光素子の発する光がチューブ内を通じて液体流通チューブの対向する外側に設置した受光素子によって受光され、受光量のレベル及び/又は計測時間軸に対する受光量の変動率によって信号処理部で液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知する液体検知方法。
【請求項12】
少なくとも投光素子と受光素子のいずれかが複数基備えられている投光素子、受光素子及び信号処理部からなる検知センサにおいて、さらに、複数の受光素子間の受光量の差分又は複数の投光素子から受光することによる受光素子における受光量の差分によって、信号処理部が液体流通チューブ内を流通する液体、気泡若しくは異物の有無、若しくは液体流通チューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知するものであることを特徴とする請求項11に記載の流通液体検知方法。
【図1】
【図2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−180643(P2008−180643A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15199(P2007−15199)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(501397920)旭光電機株式会社 (45)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(501397920)旭光電機株式会社 (45)
【Fターム(参考)】
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