説明

液体水不透過性の強化不織防火布、このような布を製造する方法、およびそれらで防火された物品

本発明は、液体不透過性の高分子層、捲縮繊維の圧縮ウェブ、バインダー、および強化スクリムを含んでなる薄手の強化不織布に関する。該布は、熱もしくは火炎に曝露された際に嵩高になり、マットレス、室内装飾用品等を防火する構成要素として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体不透過性の高分子層、捲縮繊維の圧縮ウェブ、バインダー、および強化スクリムを含んでなる薄手の強化不織布に関する。熱または火炎に曝露されると、上記布は、嵩高になり、マットレス、室内装飾用品等を防火するための構成要素として有用である。本発明は、さらに、上記布を組み込んだ防火された物品に関する。本発明は、また、上記強化不織布を製造する方法、および上記布を物品に組み込む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カリフォルニア州は、家庭、ホテル、および施設の火災で失われる命の数を低減しようとする試みにおいて、マットレスおよびマットレスセットの可燃性を規制し低減する運動を主導している。特に、カリフォルニア州消費者問題局の家具および断熱部(The Bureau of Home Furnishings and Thermal Insulation of the Department of Consumer Affairs of the State of California)は、マットレスセットの可燃性性能を定量化するために、技術報告(Technical Bulletin)603「大きい裸火に対する居住用マットレス/ボックススプリングセットの耐性の要件およびテスト手順(Requirements and Test Procedure for Resistance of a Residential Mattress/Box Spring Set to a Large Open−Flame)」を発行した。多くの場合、マットレス製造業者らは、防火層を含むことを望むが、それらのマットレスの既存の美しさを損なう追加の層を望まない。
【0003】
強力で薄手の布(例、ステープルファイバーと薄手の強化スクリム布の組み合わせ等)は、耐久性があり、難点もありそうにないので、望まれうる場合が多い。ステープルファイバーを所定位置に固定する、ステープルファイバーとスクリム布とを複合するための様々な方法が、当技術分野では公知である。上記の方法のひとつは、水流交絡(hydro−entangling)であり、様々な公報において、ハイドロレーシング(hydrolacing)、スパンレーシング、およびウォータジェット処理として公知である。上記方法において、高圧ウォータジェットが、ステープルファイバーと衝突して、スクリム中にそれらを追いやり、ステープルファイバーとスクリムを一緒に統合する。ステープルファイバーとスクリム布を複合するための当技術分野において公知の別の方法は、ニードルパンチングによる方法である。この方法において、有刺針が、ステープルファイバーをつかみ、それらをスクリム中に、或いは内部繊維詰め物内に追いやり、構造体を一緒に固定する。これらの方法により製造された不織シートは、ステープルファイバーを、それ自体とスクリムとのいずれか或いは両方とを機械的にそして強く絡ませて、加熱または火炎に曝露された場合に嵩高になる布の能力を制限する。
【0004】
ステープルファイバーとスクリム布を複合するための当技術分野で公知であるまた別の方法は、接着ラミネートまたはバインダーの添加による方法である。この方法において、バインダーもしくは接着剤を用いて、層もしくは個々の繊維を、一緒に固着するまたは結合する。例えば、エルブ(Erb)による特許文献1および特許文献2と、ヤマグチ(Yamaguchi)らによる特許文献3の両方とも、これらの厚い布の嵩厚さもしくは厚みを維持するためバインダーを使用する方法を開示する。つまり、不織は、弾力性を有するように、嵩厚な形状(lofted form)または嵩高形状を残存する。
【0005】
防火材(fire blocker)としての強力で薄手の布に対する要望に加えて、多くの場合、マットレスまたは他の布張り物品の内部を流体もしくは他の水性液体から保護したいという要望が存在する。従って、防火材と液体バリアの両方として機能できる薄手の強化布が必要とされている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,579,396号明細書
【特許文献2】米国特許第6,383,623号明細書
【特許文献3】欧州特許第622,332号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、物品を防火するための強化不織布、および該布を含んでなる物品に関し、該強化不織布は、液体水不透過性の高分子層と、第一面および第二面を有するオープンメッシュのスクリムとを含んでなり、該スクリムの第一面は、その上に圧縮され、熱可塑性バインダーによって圧縮状態に保たれた耐熱性の捲縮有機繊維を有し、該布が熱もしくは火炎に曝露された際に、該布は、少なくとも2倍までその厚みを増大させることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、物品を防火するため、熱もしくは火炎で嵩高になる強化不織布を製造する方法に関し、その方法は、
a)耐熱性の捲縮有機繊維およびバインダー繊維とを含んでなる第一ウェブを形成する工程、
b)ウェブを、第一面と第二面を有するオープンメッシュのスクリムの第一面と接触させて、布集合体(fabric assembly)を形成する工程、
c)バインダー粉末を布集合体に塗布する工程、
d)ウェブを高分子薄膜と接触させる工程、
e)布集合体および高分子薄膜を加熱して、バインダー繊維とバインダー粉末を活性化して高分子薄膜を軟化する工程、
f)高分子薄膜がウェブにラミネートされる圧縮状態まで、布集合体を圧縮する工程、および
g)圧縮状態の布集合体を冷却して、強化不織布を形成する工程
を含んでなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、水性液体に対して不透過性である物品を防火するための薄手の強化不織布に関し、熱もしくは火炎に曝露された際に、上記布は、その元来の厚さの少なくとも2倍の厚さまで増大させることが可能である。上記布は、第一面と第二面を有するオープンメッシュのスクリムを含んでなり、該第一面は、その上に圧縮され、熱可塑性バインダーによって圧縮状態に保たれた耐熱性の捲縮有機繊維を有する。上記布が、高熱もしくは火炎に曝されると、構造体中のバインダーが、軟化し、拘束された捲縮繊維を解放し、布の厚みを劇的に増大させることができる。この増大が、布中にエアポケットを作り出し、それが、布の熱的性能を増強させると考えられている。
【0010】
耐熱性の捲縮有機繊維は、圧縮されているが、布中でほとんど絡まないので、上記布は、高熱もしくは火炎に応じてその厚みを増大させることが可能である。以前開発された繊維のスクリムシートは、繊維と、スクリムとのおよび/またはシート中の他の繊維との高レベルな機械的交絡を確保することに焦点が当てられてきた。典型的に、繊維を絡ませそしてシートの密度を高めるこの機械的交絡は、繊維の嵩厚なウェブおよび/またはシートを形成するスクリムに、エネルギーを付与することにより実施される。機械的交絡が実施される場合、シートの繊維は、非常に絡み合っているので、該繊維は、熱および火炎に曝露された際に、自由に動くことができない。
【0011】
本発明の布は、シートを製造するのに十分なだけの繊維の交絡を有する。つまり、上記繊維は、オープンメッシュのスクリムでオーバーレイされうるもしくは該スクリムと複合されうる軽量のウェブを形成するのに必要とされる程度まで、互いに絡み合うだけである。繊維を互いに絡み合わせるかまたはスクリムと絡み合わせるために、シートに追加のエネルギーを全く付与しない。その後、捲縮繊維が、圧縮され拘束される一方、上記の軽量ウェブは、その組み合わせを加熱圧縮した後、組み合わせを冷却して、構造体を硬化することにより、スクリムにラミネートされる。上記の方法で嵩厚なシートを圧縮することにより、バインダー材料が軟化される際に、シート中の繊維が、それらが圧縮される前に有していた状態にほぼ近い外見上嵩厚な状態に自由に戻る。
【0012】
本発明の布は、布を介して水性液体の通過を防止する液体水不透過性の高分子層をさらに含んでなる。布が、捲縮繊維の1つのウェブを含んでなる場合、薄膜が、ウェブ上にオーバーレイされるのが好ましいが、しかしながら、薄膜は、ウェブの反対側のスクリムの第二面にオーバーレイされうる。しかしながら、布が、スクリムの第一面と第二面の各々の上の繊維のうちの少なくとも1つのウェブを含んでなる好ましく、高分子層は、上記の軽量のウェブの1つの上にオーバーレイされる。各々の場合において、これは、1つの外面として、液体水不透過性の高分子層を有する布を提供する。
【0013】
本発明の強化不織布は、約40〜260g/m(1.2〜7.7oz/yd)の総坪量を有するのが好ましい。上記の布は、同様に、全厚約0.026〜0.25センチメートル(0.010〜0.10インチ)を有するのが好ましい。軽量の繊維ウェブとスクリムだけの組み合わせは、圧縮された場合、0.025〜0.24センチメートル(0.010〜0.10インチ)の厚さを有するのが好ましく、同様に、20〜170g/m(0.6〜5oz/yd)の範囲での坪量を有するのが好ましく、スクリム成分で、3.4〜34g/m(0.1〜1.0oz/yd)を組成するのが好ましく、繊維状ウェブ成分は、17〜136g/m(0.5〜4.0oz/yd)の範囲であるのが好ましい。高分子層は、0.012〜0.076mm(0.0005〜0.003インチ)の厚さを有するのが好ましい。本発明において有用な多種のポリマーに関して、上記の厚さは、約20〜90g/m(0.6〜2.7oz/yd)、好ましくは29〜85g/m(0.84〜2.55oz/yd)の好適な坪量を有する高分子層へと変わっていく。
【0014】
本発明の強化布の全厚は、熱もしくは火炎に曝露された際に、その元来の厚みの少なくとも2倍の厚みまで、好ましくはその元来の厚みの3倍の厚みまで増大する。少なくとも150℃の温度が、嵩高効果を起こすのに必要であると考えられており、約225℃の温度で始めると、嵩高作用が、直ちに進行すると考えられている。嵩高の最大量は、布が直接火炎に曝される際に、実現すると考えられている。
【0015】
本発明の強化不織布は、液体水不透過性の高分子層を含んでなる。「液体水不透過性」は、水性液体が、布上に放出または溢されると、該液体は、布を通って一方の面からもう一方の面に透過しないことを意味する。液体の水は、一般的に、マットレスもしくは布張り家具上に溢されるまたは放出されうる任意の多種の水性液体を含むことを意味する。このような水性液体には、水に加えて、飲み物(例、ソーダ、ジュース等)、体液(例、尿等)の類が含まれうる。
【0016】
高分子層は、ポリマーのシート(例、連続薄膜等)が好ましいが、しかしながら、所望ならば、ポリマーの連続コーティングを使用することが可能である。上記布に使用される軽量のウェブもしくは熱可塑性バインダーに十分な接着力を有する、任意の耐久性のあるポリマーまたはポリマーの組み合わせを使用してもよい。本発明者らは、ポリウレタン薄膜がその耐久性ゆえに、好適な高分子層になることを見出した。別な方法として、所望ならば、燃焼される際に火炎抑制ガスを放出しうるハロゲン化ポリマー薄膜(例、ポリ塩化ビニル薄膜等)を使用しうる。
【0017】
好ましくは、高分子層が、耐熱性捲縮繊維の軽量のウェブと接触した状態で配置されて、そして固着され、好ましくは強化布の外面のひとつを形成する。高分子層は、非常に軽量であり、僅か0.012〜0.076mm(0.0005〜0.003インチ)の厚みを有する。高分子層の追加が、繊維ウェブとスクリムの基本的な組み合わせの可撓性を殆ど変えずに、布全体を、高分子層を用いないで、圧縮不織布と本質的に同じくらいの可撓性およびテキスタイル状にするのは好ましい。
【0018】
高分子層は、布に連続液体バリアを形成する。高分子層は、繊維ウェブの表面全体に固着されるのが好ましい。つまり、薄膜表面を加熱軟化することにより高分子層をウェブおよび/またはスクリムに貼着するにせよ、或いはウェブおよび/またはスクリムを粘着性ポリマーコーティングと接触させることにより高分子層をウェブおよび/またはスクリムに貼着するにせよ、ポリマー層が、ウェブ表面と接触している状態で大部分の繊維に結合するのが好ましい。
【0019】
本発明の強化不織布は、耐熱性の捲縮有機繊維を含んでなる。このような捲縮繊維は、0.4〜2.5インチ(1〜6.3cm)、好ましくは0.75〜2インチ(1.9〜5.1cm)の範囲の切断長を有するステープルファイバーであるのが好ましく、1センチメートル当り2〜5捲縮(5〜12捲縮/インチ)を有するのが好ましい。「耐熱性繊維」は、20℃/分の速度で、500℃まで大気中で加熱される場合、好ましくは、その繊維重量の90パーセントを保持する繊維を意味する。このような繊維は、通例、耐炎性であり、繊維もしくはその繊維から製造された布が、繊維もしくは布が大気中で火炎を起こさないような限界酸素指数(LOI)を有することを意味し、好適なLOI範囲は、約26以上である。好適な繊維は、火炎に曝露された際に過度に収縮しない。つまり、繊維長は、火炎に曝露された際に、ほとんど短くならない。20℃/分の速度で500℃まで大気中で加熱された際にその繊維重量の90パーセントを保持する有機繊維を含有する布は、衝突する火炎によって燃焼される場合に、限られた量の亀裂や開口部を有する傾向があり、それは、防火材としての布の性能に重要である。
【0020】
本発明の強化された不織防火布に有用な耐熱性で安定した繊維として、パラ−アラミド、ポリベンゾアゾール、ポリベンゾイミダゾール、またはポリイミドポリマーから製造された繊維が挙げられる。好適な耐熱性繊維は、アラミドポリマー、特にパラ−アラミドポリマーから製造される。
【0021】
本明細書で使用される「アラミド」は、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が、2個の芳香族環に直接結合しているポリアミドを意味する。「パラ−アラミド」は、2個の環または基が、互いに沿う分子鎖に関してパラ位であることを意味する。添加剤をアラミドと共に使用することも可能である。実際に、他の高分子材料10重量%程度までをアラミドとブレンドすることが可能であることと、或いはアラミドのジアミンで置換した10パーセント程度の他のジアミンまたはアラミドの二酸クロリドで置換した10パーセント程度の他の二酸クロリドを有するコポリマーを使用することも可能であることが判明されている。本発明の実施において、好適なパラ−アラミドは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)である。本発明において有用なパラ−アラミド繊維を製造する方法は、一般的に、例えば、米国特許第3,869,430号明細書、米国特許第3,869,429号明細書、および米国特許第3,767,756号明細書に開示されている。上記の芳香族ポリアミド有機繊維およびこれらの繊維の種々の形態は、デラウェア州ウイルミントンのデュポン・カンパニー(DuPont Company,Wilmington,Delaware)から商標ケブラー(Kevlar)(登録商標)繊維で、入手可能である。
【0022】
本発明に有用な市販のポリベンゾアゾール繊維として、日本の東洋紡(Toyobo、Japan)から入手可能なザイロン(Zylon)(登録商標)PBO−AS(ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)繊維、ザイロン(Zylon)(登録商標)PBO−HM(ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール))繊維が挙げられる。本発明に有用な市販のポリベンゾイミダゾール繊維として、セラニーズ・アセテート社(Celanese Acetate LLC)から入手可能であるPBI(登録商標)繊維が挙げられる。本発明に有用な市販のポリイミド繊維として、ラプラス・ケミカル(LaPlace Chemical)から入手可能であるP−84(登録商標)繊維が挙げられる。
【0023】
或いは、「耐熱性繊維」として、20℃/分の速度で700℃まで大気中で加熱した場合、その繊維重量の少なくとも10パーセントを保持するセルロース繊維が挙げられうる。これらの繊維は、チャー形成と言われる。上記繊維に組み込まれる無機化合物を10パーセント以上有する再生セルロース繊維は、好適なセルロース繊維である。このような繊維、およびこのような繊維を製造する方法は、一般的に、米国特許第3,565,749号明細書および英国特許第1,064,271号明細書に開示されている。本発明に好適なチャーを形成する再生セルロース繊維は、ケイ酸アルミニウム部位を有するポリケイ酸の形態で二酸化ケイ素水和物を含有するビスコース繊維である。このような繊維、およびこのような繊維を製造する方法は、一般的に、米国特許第5,417,752号明細書および国際特許出願第9217629号パンフレットに開示されている。ケイ酸を含有し、かつ約31(±3)パーセントの無機材料を有するビスコース繊維は、フィンランドのサテリ・オイ・カンパニー(Sateri Oy Company)によって、商標ビシル(Visil)(登録商標)で販売されている。
【0024】
耐熱性繊維は、他の繊維とブレンドすることが可能であるが、しかしながら他の繊維が、防炎材として機能する布の能力を弱めないのが、好ましい。例えば、50パーセントまでのモダクリル繊維が、耐熱性繊維とブレンドされうる。モダクリル繊維は、燃焼時に、火炎を抑制するハロゲン含有ガスを放出するので、モダクリル繊維は、有用である。モダクリル繊維は、アクリロニトリルを含んでなるポリマーから製造されるアクリル合成繊維を意味する。上記ポリマーは、30〜70重量パーセントのアクリロニトリルと、70〜30重量パーセントのハロゲン含有ビニルモノマーとを含んでなるコポリマーであるのが好ましい。ハロゲン含有ビニルモノマーは、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどから選択される少なくとも1種のモノマーである。共重合性ビニルモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、このような酸の塩もしくはエステル、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、ビニルアセタートなどである。
【0025】
本発明において使用される好適なモダクリル繊維は、塩化ビニリデンと組み合わせたアクリロニトリルのコポリマーであり、該コポリマーは、さらに、難熱性を向上させるために1種もしくは数種の酸化アンチモンを有してもよい。上記の有用なモダクリル繊維として、2重量パーセントの三酸化アンチモンを有する米国特許第3,193,602号明細書に開示される繊維、少なくとも2重量パーセント、好ましくは8重量パーセント以下の量で存在する種々の酸化アンチモンで製造される米国特許第3,748,302号明細書に開示される繊維、ならびに8〜40重量パーセントのアンチモン化合物を有する米国特許第5,208,105号明細書および米国特許第5,506,042号明細書に開示される繊維が挙げられるが、これらに限定されない。好適なモダクリル繊維は、日本の株式会社カネカ(Kaneka Corporation,Japan)から市販されている(例、10〜15重量の酸化アンチモンを含有すると言われているそれらのプロテックスC(Protex C)繊維等)。或いは6重量パーセント以下の範囲で酸化アンチモンを殆ど伴わない他の繊維、または酸化アンチモンを全く伴わない繊維も使用できる。
【0026】
捲縮有機繊維は、30重量部までのバインダー材料で固定されるのが好ましい。好適なバインダー材料は、熱を加えることにより活性化される、バインダー繊維とバインダー粉末の組み合わせである。バインダー繊維は、通常、繊維ブレンド中の他のどのステープルファイバーの軟化点よりも低い軟化点を有する熱可塑性材料から製造される。鞘/芯二成分繊維は、バインダー繊維として好適であり、特に、ポリエステルホモポリマーの芯と、バインダー材料であるコポリエステルの鞘とを有する二成分バインダー繊維として、好適である。例として、一般的に日本のユニチカ株式会社(Unitika Co.,Japan)から入手可能である(例えば、商標メルティ(MELTY)(登録商標)で販売されている)。有用なタイプのバインダー繊維として、ポリアミドから製造されるバインダー繊維(例、グリルテックス(Griltex)PA Biko BA 140 8dpf、2インチ切断長ナイロンのバインダー繊維等)、或いは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエステルポリマーもしくはコポリマーから製造されるバインダー繊維が挙げられうる。上記繊維は、上記のポリマーもしくはコポリマーだけを、或いはサイド・バイ・サイドもしくは鞘/芯配列の二成分繊維として、含有する。バインダー繊維は、強化不織布の20パーセントまでの量で、存在するのが好ましい。バインダー粉末は、強化不織布の30パーセントまでの量で存在するのが好ましい。好適なバインダー粉末は、熱可塑性バインダー粉末(例、コポリエステルグリルテックス(Griltex)EMS 6E接着剤粉末またはグンロン(Gnlon)SMS D1260 Aft62 ポリアミド(ナイロン)粉末等)である。
【0027】
本発明の強化不織布は、さらに、オープンメッシュのスクリムを含有する。このようなスクリムは、3.4〜34g/m(0.1〜1.0oz/yd)の範囲で坪量を有するのが好ましく、これらのスクリムは、たて糸とよこ糸の両方向に、約0.8〜6エンド/センチメートル(2〜15エンド/インチ)しか有さないので、「オープンメッシュ」スクリムと呼ばれる。最も好適なオープンメッシュのスクリムは、6.8〜24g/m(0.2〜0.7oz/yd)の範囲で坪量を有し、好ましくはたて糸とよこ糸の両方向に、1〜4エンド/センチメートル(3〜10エンド/インチ)を有する。一般的に、メッシュスクリムは、バインダーコーティングを有する2組の交差撚りポリエステル連続フィラメントもしくは連続フィラメント糸を一緒に結合させることにより、製造される。いくつかのスクリムにおいて、任意の一方向(例えば、よこ糸方向)のエンドは、横方向(transversing)たて糸エンドのいずれか一方の面または両面上に所望のように配置される複数の連続フィラメントからなりうる。代表的なオープンメッシュのスクリムは、ニューヨーク州ナイアガラフォールズのサンゴバン・テクニカルファブリックス(Saint−Gobain Technical Fabrics of Niagara Falls,New York)からバイエックス(登録商標)スクリムファブリックス(Bayex(登録商標)Scrim Fabrics)の名称で入手可能である。本発明の強化不織布に特に有用なオープンメッシュのスクリムは、よこ糸方向に2.7エンド/インチの500デニールポリエステルと、たて糸方向に2.7エンド/インチの500デニールポリエステルとを有するサンゴバン(Saint−Gobain)2.7×2.7スクリム(タイプQV3311/A31)である。それは、14.2g/m(0.42oz/yd)の公称坪量を有する。このタイプのスクリムは、十分な強度を提供するが、可燃性に過度には寄与しない。メッシュスクリムは、繊維状ウェブとの結合点が少ないせいで、それほど耐熱性繊維を拘束しないので、オープンメッシュは、布が高熱に曝露された際に、布にオープンエアポケットを形成するのに寄与すると考えられている。スクリムは、熱可塑性または非熱可塑性フィラメントからなり、そして、アラミド、ナイロン、ガラス、またはポリエステルでありうる。スクリムが、ポリエステルのような熱可塑性であるならば、不織布が燃焼する際に、このメッシュは、耐熱性捲縮繊維が嵩高になるにつれて、燃焼領域にほとんど存在しなくなる。
【0028】
本発明の液体不透過性の強化不織布を製造する好適な方法は、高分子層として、軽量の薄膜を使用するのが好ましい。上記の強化布は、
a)耐熱性の捲縮有機繊維およびバインダー繊維を含んでなる第一ウェブを形成する工程、
b)ウェブを、第一面と第二面を有するオープンメッシュのスクリムの第一面と接触させて、布集合体を形成する工程、
c)布集合体にバインダー粉末を塗布する工程、
d)ウェブを高分子薄膜と接触させる工程、
e)布集合体および高分子薄膜を加熱して、バインダー繊維とバインダー粉末を活性化し、高分子薄膜を軟化する工程、
f)高分子薄膜がウェブにラミネートされる圧縮状態まで、布集合体を圧縮する工程、および
g)圧縮状態の布集合体を冷却して、強化不織布を形成する工程
を含んでなる方法を用いて、製造されうる。
【0029】
上記ウェブは、低密度ウェブを生み出すことができる任意の方法によって、形成されてよい。例えば、繊維のベール(bales of fiber)から得られた、捲縮ステープルファイバーとバインダー繊維の塊は、装置(例、ピッカー等)によって、開放されうる。これらの繊維が、約0.55〜約110デシテックス/フィラメント(0.5〜100デニール/フィラメント)、好ましくは0.88〜56デシテックス/フィラメント(0.8〜50デニール/フィラメント)の線密度を有するステープルファイバーであるのが好ましい。約1〜33デシテックス/フィラメント(0.9〜30デニール/フィラメント)の線密度範囲が、最も好ましい。
【0030】
任意の利用可能な方法(例、空気輸送等)によって、開放された繊維混合物をブレンドして、さらに均質な混合物を形成することが可能である。別の方法として、ピッカー内で繊維を開放する前に、繊維をブレンドして、均質な混合物を形成することが可能である。次に、他の方法(例、繊維の空気集積等)を使用してもよいが、装置(例、梳毛機等)を使用することにより、繊維のブレンドを繊維状ウェブに変えることができる。全く交差集積することなく、梳毛機からのウェブとして、繊維状ウェブを直接使用するのが好ましい。しかしながら、所望ならば、コンベヤーを介して繊維状ウェブを装置(例、集積機等)に送り、ジグザグ構造の互いの上面に個々のウェブを層状に重ねることにより、交差集積ウェブを作り出すことができる。
【0031】
次に、1つもしくはそれ以上の梳毛機からの繊維状ウェブと1つのオープンメッシュのスクリムを輸送ベルトに集めることが可能である。その方法は、工程c)の前に、オープンメッシュのスクリムの第二面を、耐熱性有機繊維およびバインダー繊維を含んでなる第二繊維ウェブに接触させる追加の工程を含むのが好ましい。2層以上のウェブ構造もしくは布集合体を作るように、典型的なスクリムを2つのウェブの間に挿入する。必要ならば、追加のウェブを2層のウェブのいずれかの上に集積することが可能である。次に、バインダー粉末を、約3.4〜24g/m(0.1〜0.7oz/yd)の好適な量で、複合ウェブとスクリム(その布集合体)に塗布する。
【0032】
最上の繊維ウェブの上面に薄膜を配置することにより、高分子薄膜を布集合体上にオーバーレイすることができる。複合薄膜、ウェブ、バインダー粉末、およびスクリムを、バインダー繊維および粉末を軟化して活性化するのに十分な温度の炉を通って輸送して、繊維を一緒に固着させ、さらに、薄膜と接触している繊維に薄膜を固着させるために、高分子薄膜を軟化する。炉の出口で、2つの鋼ロール間でシートを圧縮して、上記層をまとめて粘着性布にするのが好ましい。次に、該布を上記圧縮状態で冷却するのが好ましい。
【0033】
本発明の強化不織布を、物品(例、家具一式または好ましくはマットレスおよびファンデーションセット等)に防火として組み込んでもよい。マットレスを防火する一方法は、マットレス芯のパネルおよび縁を本発明の布で完全に覆って、マットレスを封入するために、その継ぎ目で布を一緒に縫い合わせる方法による。これにより、パネルもしくは縁が火炎に曝露されるか否かに関係なく、マットレスが、防火されうることが確証される。
【0034】
ファンデーション(例、ボックススプリング等)は、通例、完全に防火される必要はないが、しかし、一般的に、ファンデーションの上面もしくはパネルに対して任意の防火を伴い、縁に防火を有することだけが必要とされる。しかしながら、本発明の強化不織布を、所望通り、ファンデーションの縁もしくはパネルのいずれかに使用できる。
【0035】
強化不織布は、2003年7月に発行されたカリフォルニア州の技術報告(California Technical Bulletin)603を合格できない物品に十分な防火を提供して、難燃性化学物質を添加することなく、その物品を2003年7月に発行されたカリフォルニア州の技術報告(California Technical Bulletin)603に合格させることができると考えられている。別の方法では合格しなかったと思われる試験を上記マットレスが合格できる任意の方法で、上記強化不織布を物品(例、マットレス等)中に組み込むことができる。
【0036】
試験方法
熱重量測定 本発明に使用される繊維は、特定の昇温速度で高温まで加熱された場合のそれらの繊維重量の一部を保有する。この繊維重量を、デラウェア州ニューアーク(Newark,Delaware)のTAインスツルメント(TA Instruments)(ウォーターズコーポレーション(Waters Corporation)の一事業部)から入手可能のモデル2950熱重量測定装置(TGA)を用いて測定した。TGAにより、試料の重量損失/上昇温度のスキャンを得る。TAユニバーサル・アナリシス(TA Universal Analysis)プログラムを用いて、パーセント重量損失を任意の記録温度で測定できる。上記プログラムのプロファイルは、50℃で試料を平衡状態にすること、温度を10もしくは20℃/分で、50℃から1000℃まで傾斜上昇させること、ガスとして空気を用いて10ml/分で供給すること、および500マイクロリットルのセラミックカップ(PN 952018.910)試料容器を使用することからなる。
【0037】
試験手順は、以下の通りである。TAシステム2900コントローラー(TA Systems2900 Controller)上のTGAスクリーンを使用して、TGAをプログラムした。試料IDを入力して、20℃/分の計画された昇温プログラムを選択した。機器の風袋機能を用いて、空の試料カップの風袋重量を量った。繊維試料を約1/16インチ(0.16cm)の長さに切断し、試料皿を試料で緩く充填した。試料重量は、10〜50mgの範囲であるのが望ましい。TGAは、天秤を有するので、厳密な重量を予め測定する必要はない。いずれの試料も、皿の外側にあってはならない。充填された試料皿をバランスワイヤ上に載せ、熱電対が、皿の上端に近いが皿と接触しないことを確かめた。窯炉を皿の上に上昇させ、TGAを開始する。一旦プログラムが完了すると、TGAは、自動的に窯炉を低下させ、試料皿を除去し、冷却モードになる。次に、TAシステムズ2900ユニバーサル・アナリシス(TA Systems 2900 Universal Analysis)プログラムを用いて、分析し、温度範囲におけるパーセント重量損失に関してのTGAスキャンを生成する。
【0038】
熱的性能温度
「建物の火災用の消防用服(Protective Ensemble for Structural Fire Fighting)2000年編6〜10節」におけるNFPA1971標準のために使用されるのと同一機器を用いて、高温での布の断熱特性と熱流束を測定した。本発明の材料を特徴付けるために、データ収集モードで、機器を運転した。2cal/cm/秒(8.38J/cm/秒)の熱流束を、90秒間、布に加えた。その時間の間、材料を通過する熱を、試験品の裏面(基本層)と直接接触するように配置した熱量計を用いて、測定した。90秒の曝露の終わりに、熱量計の熱電対の温度の点から、材料を特徴付けた。この値は、布を通過した熱の量に正比例する。
【0039】
坪量
ASTM D6242−98を用いて、布の坪量を測定した。
【実施例】
【0040】
実施例1
以下の通り、強化不織布を調製した。42.5重量部2.2dpf、2インチ切断長タイプ970ケブラー(Kevlar)(登録商標)ブランドステープルファイバーと、42.5重量部3.5dpf、2インチ切断長ビシル(Visil)(登録商標)33APステープルファイバーと、10部4dpf、2インチ切断長タイプ4080ユニチカ(Unitika)バインダー繊維とを、ベール(bales)から3つの梳毛機に供給するとして、ブレンドした。3つの梳毛機からの繊維ウェブを輸送ベルト上に集めて、約2.2oz/ydの坪量を有する繊維ウェブを生み出した。ポリエステルフィラメント糸のオープンメッシュのスクリムを、最初の2つの梳毛機により形成された2つのウェブの間に、挿入した。オープンメッシュのスクリムは、サンゴバン(Saint Gobain)2.7×2.7スクリム(タイプQV3311/A31)(よこ糸方向に2.7エンド/インチの500デニールポリエステル、たて糸方向に2.7エンド/インチの500デニールポリエステルを有する)であり、0.42oz/ydの坪量を有した。生成した構造体は、オープンメッシュのスクリムの一方の面上の2つの梳毛ウェブと、該スクリムの他方の面上の1つの梳毛ウェブとを有する。
【0041】
グリルテックス(Griltex)EMS 6E 125−130C接着剤粉末を、総シート重量3.1oz/ydとなる量で、複合ウェブとスクリムに塗布した。ディアフィールド・ウレタンズ(Deerfield Urethanes)(黒色顔料パッケージのPT6100ポリマー)からの1ミルの厚みのポリウレタン薄膜をスクリム、バインダー粉末およびウェブと複合した。この構造体を285℃の炉へ送り、バインダー繊維および粉末を溶かした。炉の出口で、0インチ隙間を有する2つの鋼ロール間でシートを圧縮し、それにより、構成要素をまとめて粘着性布にした。次に、この圧縮状態で、布を冷却した。布の最終的な組成は、約25%のケブラー(Kevlar)(登録商標)繊維、25%のビシル(Visil)(登録商標)繊維、9%のバインダー繊維、8%のバインダー粉末、11%のポリエステルスクリムおよび22%のポリウレタン薄膜であった。生成した布は、351℃の熱的性能温度(TPT)を有した。
【0042】
実施例2
約5cm×5cm(2インチ×2インチ)のサイズの2つの正方形の試料を実施例1の布から取り出した。定規でその試料を測定し、平均厚みは、約1mmであると判明した。次に、その試料を、大気圧、200℃で運転している炉に5分間入れた。試料を冷却するために、炉から取り出した後、試料を定規で、2回目の測定をし、平均厚みが、4mmまで増大したことが判明した。布がほとんど平面収縮(planer shrinkage)することなく、試料の厚みが現れた。しかしながら、高分子薄膜層の多少の劣化が起こった。試料の厚みの平均増加は、試料の元来の厚みの約4倍であった。
【0043】
実施例3
実施例1の布の試料を、実施例2の炉内で加熱した。しかしながら、各試料を異なる温度まで加熱し、試料が嵩高になるのに必要な時間を記録した。次に、試料を20分間炉内に静置してから、炉から取り出し、薄膜の状態を記録した。最後に、嵩高になった試料の厚みを定規で測定した。試料は、布がほとんど平面収縮することなく、150℃での2.5倍から250℃での4.5倍までの厚みの増大を示した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を防火するための強化不織布であって、液体水不透過性の高分子層と、第一面と第二面を有するオープンメッシュのスクリムとを含んでなり、スクリムの第一面は、その上に圧縮され、熱可塑性バインダーによって圧縮状態に保たれた耐熱性の捲縮有機繊維を有し、
布が、熱もしくは火炎に曝露された際に、布が、その厚みを少なくとも2倍まで増大させることが可能である強化不織布。
【請求項2】
布が熱もしくは火炎に曝露された際に、布が、その厚みを3倍にすることが可能である請求項1に記載の強化不織布。
【請求項3】
スクリムの第二面上に圧縮された耐熱性の捲縮有機繊維をさらに含んでなり、繊維は、熱可塑性バインダーによって圧縮状態に保たれる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項4】
高分子層が、薄膜である請求項1に記載の強化不織布。
【請求項5】
高分子層が、コーティングである請求項1に記載の強化不織布。
【請求項6】
高分子層が、ポリウレタンポリマーを含んでなる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項7】
高分子層が、ポリ塩化ビニルポリマーを含んでなる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項8】
高分子層が、0.0005〜0.003インチの厚みを有する請求項1に記載の強化不織布。
【請求項9】
耐熱性有機繊維が、パラ−アラミド繊維である請求項1に記載の強化不織布。
【請求項10】
パラ−アラミド繊維が、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)である請求項9に記載の強化不織布。
【請求項11】
耐熱性有機繊維が、ポリベンゾアゾール、ポリベンゾイミダゾール、およびポリイミドポリマーよりなる群から選択されるポリマーから製造される請求項1に記載の強化不織布。
【請求項12】
耐熱性有機繊維が、20℃/分の速度で700℃まで大気中で加熱された際に、その繊維重量の少なくとも10パーセントを保持するセルロース繊維である請求項1に記載の強化不織布。
【請求項13】
セルロース繊維が、ケイ酸アルミニウム部位を有するポリケイ酸の形態で二酸化ケイ素水和物を含有するビスコース繊維である請求項12に記載の強化不織布。
【請求項14】
耐熱性有機繊維が、50重量パーセントまでのモダクリル繊維とブレンドされる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項15】
熱可塑性バインダーが、バインダー繊維を含んでなる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項16】
熱可塑性バインダーが、バインダー繊維とバインダー粉末の組み合わせを含んでなる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項17】
オープンメッシュのスクリムが、熱可塑性材料を含んでなる請求項1に記載の強化不織布。
【請求項18】
請求項1に記載の強化不織布を含んでなる防火された物品。
【請求項19】
請求項1に記載の強化不織布を含んでなる防火されたマットレス。
【請求項20】
請求項1に記載の強化不織布を含んでなる防火された布張り家具。
【請求項21】
物品を防火するために熱もしくは火炎において嵩高になる強化不織布を製造する方法であって、
a)耐熱性の捲縮有機繊維およびバインダー繊維とを含んでなる第一ウェブを形成する工程、
b)ウェブを、第一面と第二面を有するオープンメッシュのスクリムの第一面と接触させて、布集合体を形成する工程、
c)バインダー粉末を布集合体に塗布する工程、
d)ウェブを高分子薄膜と接触させる工程、
e)布集合体および高分子薄膜を加熱して、バインダー繊維とバインダー粉末を活性化して高分子薄膜を軟化する工程、
f)布集合体を圧縮状態に圧縮する工程であって、高分子薄膜が、ウェブにラミネートされる工程、および
g)圧縮状態の布集合体を冷却して、強化不織布を形成する工程
を含んでなる方法。
【請求項22】
工程c)の前に、オープンメッシュのスクリムの第二面を、耐熱性有機繊維とバインダー繊維を含んでなる第二繊維ウェブと接触させる追加の工程を含む請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2008−525245(P2008−525245A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549630(P2007−549630)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/047397
【国際公開番号】WO2006/071978
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】