説明

液体注入装置、液体溜め容器、注入先端器具、液体注入方法、エアゾール容器の製造方法、及びエアゾール容器

【課題】逆噴射を防止でき、かつ、より実用的な液体注入装置を提供すること。
【解決手段】液体注入装置は、注入すべき液体を溜める液体溜め部(13)と、液体溜め部を取り外し可能に保持する保持部(7,6,8)と、保持部を支持する支持部(9)とを備える。保持部は、液体溜め部を取り外し可能に保持する保持手段(7)と、保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、保持手段を支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段(6)と、液体の注入開始時から終了時にかけて、保持手段を上方に動かそうとする力を保持手段に加える上方力加え手段(8)とを含む。液体溜め部は、保持手段の下端から露出し、エアゾール容器のステムに当接可能な注入先端部(13a)と、液体を溜める容器部(13b)とを含む。注入先端部(13a)は、弁(13c)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器への内容物充填装置に関し、より特定的には、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮ガスによって塗料を霧状にし、非塗装物に吹き付けて塗装することをスプレー塗装という。スプレー塗装する場合、塗装業者は、エアゾールスプレー缶やスプレーガンを用いる。エアゾールスプレー缶には、8気圧程度に圧縮された噴射剤(ジメチルエーテルやLPガス等)と塗料とが混合して充填されている。エアゾールスプレー缶の噴射ヘッドが押下されるとエアゾールスプレー缶の内部バルブが開き、内部の塗料が、ガスの圧力によって霧状に噴射される。エアゾールスプレー缶は、専門の工場で大量生産される。エアゾールスプレー缶によるスプレー塗装は、非常に手軽で便利である。
【0003】
スプレーガンは、ピストル状の器具である。スプレーガンには、塗料を溜めるためのタンクとコンプレッサとが取り付けられる。その引き金が引かれると、スプレーガンは、コンプレッサからの圧縮空気を噴射し、タンク内の塗料を霧状にして噴出する。
【0004】
また、スプレーガンには、塗料用タンクと圧縮ガスのみが充填されたエアゾールスプレー缶とが取り付けられるタイプのものも存在する。このタイプのスプレーガンでは、引き金が引かれると、スプレー缶からの圧縮ガスを噴射し、タンク内の塗料を霧状にして噴出する。上記のようなスプレーガンを用いたスプレー塗装では、タンク内に独自の配色の塗料を溜めておけばよいので、ユーザ仕様の色目に応じた塗装が可能となる。
【0005】
しかし、従来のエアゾールスプレー缶は、大量生産されているので、色目に限りがあった。したがって、大量生産されるエアゾールスプレー缶を用いて、ユーザ仕様に応じたスプレー塗装を行うことは、困難であった。
【0006】
一方、エアガンによるスプレー塗装は、ユーザ仕様の塗料をタンクに溜めてスプレー塗装すればよいので、ユーザ仕様に応じたスプレー塗装を行うのに適している。しかし、塗装面積が狭い場合など、コンプレッサを動作させるのが、大げさで面倒なときがある。このような場合、塗装業者は、圧縮ガスのみが充填されたエアゾールスプレー缶が取り付けられるタイプのスプレーガンを利用することがある。ところが、このタイプのスプレーガンを用いても、塗装業者は、塗料をタンクに溜める必要があり面倒である。また、塗装面が狭かった場合など、タンク内に塗料が残ることもあり、非経済的である。
【0007】
また、塗装業者以外の一般ユーザがスプレーガンを所持していることは少なく、スプレーガンを用いたスプレー塗装は、一般ユーザ向けでない。また、スプレーガンを用いてスプレー塗装するに際しても、大量の塗料が入っている塗料缶を購入する必要があり、非経済的である。したがって、単なる補修のためにスプレー塗装を行うにも、一般ユーザにとっては、大変であった。
【0008】
また、エアゾールスプレー缶が取り付けられるタイプのスプレーガンでは、スプレーガンの外部で塗料と圧縮ガスとを混合して吹き付けるので、圧縮ガスの圧力が少し下がることとなる。したがって、このタイプのスプレーガンでは、エアゾールスプレー缶から直接吹き付けるのに比べて、塗料を吹き付ける力が弱いという問題もある。
【0009】
上記のような状況下、塗装業者の間には、ユーザ仕様の色目に対応したエアゾールスプレー缶を小ロットで入手したいというニーズがある。また、一般ユーザの間にも、独自の色目に対応した特別色のエアゾールスプレー缶を補修用に入手したいというニーズがある。
【0010】
このような状況の下、特許文献1及び2に記載の液体注入装置が開発されている。特許文献1に記載の装置では、特許文献1の4頁左欄4〜6行及び図4に記載されているように、拘止レバー(40)によって、シリンダ(35)を固定される。その上で、レバー(68)を用いて、ピストン(60)をシリンダ35に挿入して、エアゾール容器に液体を注入する。特許文献1に記載の装置では、特許文献1の5頁右欄10〜13行に記載されているように、液体の注入が完了したら作業者は、レバー(68)を上げて、ピストン(60)を上昇させる。
【0011】
特許文献2に記載の装置では、特許文献2の図2に記載されているようにシリンジ(S)に液体が溜められ、特許文献2の段落0023に記載されているようにエアゾール容器のステム(2)に逆止弁(C1)を有する連結具(C)が取り付けられ、エアゾール容器のステム(2)(エアゾール容器の内部バルブ)を開放状態になるように設置した状況で、ピストン(P)が押し込み杆(L)によって押し込まれて、液体が注入される。特許文献2に記載の装置では、ステム(2)を開放状態にした上で、充填が行われるので、充填完了後もエアゾール容器からの逆噴射を防止するために、連結具(C)は逆止弁(C1)を必要とする。
【0012】
上記の特許文献1及び2に記載の装置は、いずれも、逆噴射という問題を内包している。特許文献1の装置であれば、レバー68を上げたとしても、エアゾール容器の内部バルブは開放状態となっているので、内部バルブを閉じるようにして、エアゾール容器を装置から取り外さなければならず、その際、逆噴射が生じる危険がある。特許文献2の装置であれば、連結具(C)に逆止弁(C1)が設けられているとしても、逆噴射によって、連結具(C)がステム(2)及び/又はシリンジ(S)から外れる危険がある。さらに、充填完了後は、内部バルブを閉じるようにして、エアゾール容器を装置から取り外さなければならず、その際、逆噴射が生じる危険もある。また、連結具(C)を取り外す際に、塗料が垂れるとうい問題もある。
【0013】
そこで、本発明者によって、特許文献3に記載の装置が発明され、特許となった。特許文献3に記載の装置では、液体の注入が完了したら、上方力加え手段によって注入口部が上方に動かされ、その結果、液体溜め部が上昇して、エアゾール容器の内部バルブが閉じ、逆噴射が防止されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特公昭51−23727号公報
【特許文献2】特開2000−79975号公報(特許第3273251号公報)
【特許文献3】特開2004−50015号公報(特許第4148711号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献3に記載の装置は、逆噴射の防止が可能であるので、十分な実用性を有する。しかし、注入完了後、液体貯め部を洗浄しなければならず、煩わしく、さらなる実用性の向上が要求されていた。
【0016】
それゆえ、本発明は、逆噴射を防止でき、かつ、より実用的な液体注入装置を提供することを目的とする。あわせて、当該液体注入装置に用いられる液体溜め容器、注入先端器具、エアゾール容器、並びに、液体注入方法、及びエアゾール容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための液体注入装置であって、注入すべき液体を溜める液体溜め部と、液体溜め部を取り外し可能に保持する保持部と、保持部を支持する支持部とを備える。保持部は、液体溜め部を取り外し可能に保持する保持手段と、保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、保持手段を支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段と、液体の注入開始時から終了時にかけて、保持手段を上方に動かそうとする力を保持手段に加える上方力加え手段とを含む。液体溜め部は、保持手段の下端から露出し、エアゾール容器のステムに当接可能な注入先端部と、液体を溜める容器部とを含む。支持部は、容器部に挿入されるピストン棒を有し、ピストン棒を下方に押し進めることによって、液体溜め部に溜められた液体を押し出して、注入先端部を一定間隔だけ下方に動かしてエアゾール容器の内部バルブを押し開け、押し出された液体をエアゾール容器へ注入するための液体押し出し手段を含む。注入先端部は、液体の流路に弁を有する。
【0018】
本発明によれば、液体溜め部に溜められた液体を押し出しながら、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器の内部バルブを押し開けて、液体を注入することができる。したがって、この装置を用いれば、ユーザ仕様に応じたエアゾールスプレー缶を一個から簡単に生産することが可能となる。また、液体の注入開始時から終了時にかけて、注入先端部には、上方に動こうとする力が加わることとなる。したがって、液体の注入が終了したら直ちに、注入先端部を上方に動かして、内部バルブを閉じることが可能となり、内容物の吹き出しを防止することができる。また、誤操作した場合にも、直ちに内部バルブが閉じることとなるので、内容物の吹き出しが防止される。その上、注入先端部の流路に弁を設けることによって、注入先端部と容器部とを一体又は結合する構造によって形成することができるので、液体溜め部を保持部から取り外すことができる。これにより、液体溜め部を簡単に洗浄することができる。少なくとも容器部を洗浄し、再利用することが可能である。
【0019】
好ましくは、注入先端部と容器部とは、ネジ溝によって嵌合可能であり、容器部は、流路を押し広げるようにして流路に挿入される挿入路を有するとよい。
【0020】
これにより、流路が押し広がってネジ溝による嵌合がしっかりなされることとなり注入先端部と容器部との結合部分から液体が漏れるのをより確実に防止することができる。
【0021】
また、本発明は、上記液体注入装置に用いられる液体溜め器具である。液体溜め器具は、保持手段の下端から露出し、エアゾール容器のステムに当接可能な注入先端部と、液体を溜める容器部とを含む。
【0022】
このように、本発明の液体注入装置に用いるための液体溜め器具は、それ単体で、製造販売等が可能である。
【0023】
また、本発明は、上記液体注入装置に用いられる上記液体溜め器具で使用される注入先端器具である。注入先端器具は、保持手段の下端から露出し、エアゾール容器のステムに当接可能であり、容器部に取り外し可能となっており、液体の流路に弁を有する。
【0024】
このように、本発明の液体注入装置に用いるための注入先端器具は、それ単体で、製造販売等が可能である。
【0025】
また、本発明は、上記液体注入装置に用いられる液体溜め器具で使用される容器である。容器は、注入先端部を取り外し可能である。
【0026】
このように、本発明の液体注入装置に用いるための容器は、それ単体で、製造販売等が可能である。
【0027】
また、本発明は、上記液体溜め器具であって、容器は、一度液体の注入が完了したあと洗浄されているとよい。
【0028】
このように、洗浄された液体溜め器具を用いることによって、本発明が製造販売等されてもよい。
【0029】
また、本発明は、上記容器であって、一度液体の注入が完了したあと洗浄されているとよい。
【0030】
このように、洗浄された容器を用いることによって、本発明が製造販売等されてもよい。
【0031】
また、本発明は、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための注入方法であって、上記液体注入装置を用いて、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器に液体を注入することを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、圧縮ガス及び液体が充填されたエアゾール容器の製造方法であって、上記液体注入装置を用いて、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器に液体を注入することによって、エアゾール容器を製造する特徴とする。
【0033】
また、本発明は、上記液体注入装置で用いられるエアゾール容器であって、圧縮ガスが充填済みであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、逆噴射を防止でき、かつ、より実用的な液体注入装置を提供することが可能となる。あわせて、当該液体注入装置に用いられる液体溜め容器、注入先端器具、エアゾール容器、並びに、液体注入方法、及びエアゾール容器の製造方法を提供することができる。
【0035】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る液体注入装置100の正面図である。
【図2】図2は、液体注入装置100の側面図である。
【図3】図3は、液体注入装置100にエアゾール容器17を適切な位置に配置した状態で、図2における断面XYをA方向から見たときの拡大断面図である。
【図4】図4は、液漏れ防止注入栓1が容器部13bの上端部まで移動したときの拡大断面図である。
【図5】図5は、手動レバー4を手前に引くのをやめたときの拡大断面図である。
【図6】図6は、液体溜め器具13において、注入先端部13aを容器部13bから取り外し可能としたときの実施形態を示す断面図である。
【図7】図7は、シリンダ支持台9、シリンダ7、液体溜め器具13、固定蓋7d、シリンダ幅調整筒6、及びシリンダ戻りバネ8の一実施例を示す図面代用写真である。
【図8】図8は、シリンダ支持台9、シリンダ7、液体溜め器具13、固定蓋7d、シリンダ幅調整筒6、及びシリンダ戻りバネ8の一実施例を分解して示す図面代用写真である。
【図9】図9は、液体溜め器具13の一実施例を分解して示す図面代用写真である。
【図10】図10は、注入先端部13aのyz平面での中央断面を示す三次元断面図である。
【図11】図11は、注入先端部13aのxy平面での中央断面を示す三次元断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明の実施形態に係る液体注入装置100の正面図である。図2は、液体注入装置100の側面図である。図3は、液体注入装置100にエアゾール容器17を適切な位置に配置した状態で、図2における断面XYをA方向から見たときの拡大断面図である。図1〜3において、同一の部分には、同じ参照番号を付す。液体注入装置100は、噴射剤としての圧縮ガス(ジメチルエーテルやLPガス等)が充填済みのエアゾールスプレー容器17に塗料を注入するための装置である。この圧縮ガスが充填済みのエアゾールスプレー容器17は、たとえば、専門の工場で大量生産されたものを用いる。
【0038】
以下、図1〜3を参照しながら、液体注入装置100の構成について説明する。液体注入装置100は、液漏れ防止注入栓1と、注入棒2と、歯車ホルダ3と、手動レバー4と、注入時支え棒5と、シリンダ幅調整筒6と、シリンダ7と、固定蓋7dと、シリンダ戻りバネ8と、シリンダ支持台9と、シリンダ支持台固定ねじ10と、液体溜め器具13と、シリンダ支持台固定棒14と、装置支持台15とを備える。
【0039】
シリンダ支持台9は、シリンダ7を支えるための金属製の板台である。シリンダ支持台9には、円筒状の穴が開いており、その穴の中にシリンダ7が挿入される。シリンダ7は、液体溜め器具13を取り外し可能に保持する金属製の円筒状シリンダである。液体溜め器具13は、注入先端部13a(注入先端器具)と、液体を溜めるための容器部13b(容器)とを有する。シリンダ7の下面には、注入先端部13aを露出させるための穴が設けられている。容器部13aの上端の少なくとも一部は、外側に突出している。シリンダ7の上端外側面には、雄ねじ7aが削られている。固定蓋7dの内側には、容器部13aの上端突出部をはめ込むための凹部が設けられている。液体溜め器具13がシリンダ7に挿入された状態で、固定蓋7dの内側の雌ねじと雄ねじ7aとを締めることによって、液体溜め器具13は、シリンダ7内で動かないように保持される。なお、液体溜め器具13がシリンダ7内で動かないように保持されるのであれば、本実施形態の構造に限られない。
【0040】
シリンダ7の下部には、突出部7bが設けられている。突出部7bの外径は、シリンダ支持台9に開けられている穴の内径よりも大きい。突出部7bは、シリンダ7がシリンダ支持台9の上方に通り抜けるのを防止する。
【0041】
シリンダ幅調整筒6は、シリンダ7がシリンダ支持台9に対して上下方向に一定間隔dだけ動くように、シリンダ7をシリンダ支持台9に取り付けるための円筒である。シリンダ幅調整筒6の上端内側面には、雌ねじ6aが削られている。雌ねじ6aと雄ねじ7aとを締め付けることによって、シリンダ幅調整筒6の下端とシリンダ支持台9の上面との間に一定間隔dができる。シリンダ幅調整筒6および突出部7bは、シリンダ7が上下方向に一定間隔dだけ動くように、シリンダ7をシリンダ支持台9に取り付けているといえる。
【0042】
シリンダ戻りバネ8は、金属製のコイルバネである。シリンダ戻りバネ8は、シリンダ7とシリンダ幅調整筒6との隙間に配置されている。シリンダ幅調整筒6の雌ねじ6aとシリンダ7の雄ねじ7aとを締め付けることによって、シリンダ戻りバネ8は縮む。だたし、シリンダ戻りバネ8には、さらにd以上縮む余地が残されている。雌ねじ6aと雄ねじ7aとが完全に締め付けられた場合、突出部7bの上面部は、シリンダ戻りバネ8の復元力によってシリンダ支持台9の下面部に当接する。これにより、シリンダ支持台9の上面とシリンダ幅調整筒6の下端とは、一定間隔dを有することとなる。この一定間隔dは、後述のエアゾール容器17の内部バルブを開けるのに必要な幅である。シリンダ戻りバネ8の復元力によって、シリンダ7を上方に動かそうとする力が常に加えられていることとなる。
【0043】
注入先端部13aは、液体の流路13dに、弁13cを有する。たとえば、注入先端部13a及び容器部13bは、樹脂によって形成されている。弁13cは、流路13dの上方から液体による圧力が加わったときに、液体を通すことが可能な程度に開く構造を有する。なお、液体の表面張力によって液垂れは防止できるので、圧力が加わる前に、弁13cは完全に閉じていなくてもよい。弁13cによって、流路13dでの液体の流量が調整される。注入先端部13aは、容器部13bと一体に形成されていてもよいし、注入先端部13aが、容器部13bから取り外し可能であってもよい。注入先端部13aを容器部13bから取り外し可能にする場合、たとえば、注入先端部13aの上部外側面にネジ溝を設け、容器部13bの下部内側面にネジ溝を設けて、注入先端部13aを容器部13bにねじ込むようにする。注入先端部13aの下端は、エアゾール容器17の噴射ステム16の上端と当接するように逆すり鉢状になっている。
【0044】
液漏れ防止注入栓1は、たとえば、フッ素樹脂製のキャップである。液漏れ防止注入栓1の外径と容器部13bの内径とは、一致する。注入棒2は、鉛直方向に縦の歯車が構成されている円柱状の金属棒である。注入棒2の先端には、液漏れ防止注入栓1が取り付けられている。歯車ホルダ3は、注入棒2の縦歯車とかみ合う円形歯車(図示せず)を内部に含む。手動レバー4は、歯車ホルダ3内の円形歯車を回転させるためのレバーである。手動レバー4が手前に引かれると、歯車ホルダ3内の円形歯車が回転し、それとかみ合っている注入棒2の縦歯車に作用して、注入棒2が下方に動く。これにより、液漏れ防止注入栓1が容器部13b内部に挿入されることとなる。注入時支え棒5は、手動レバー4を手前に引く際に、装置全体を抑えておくための棒である。液漏れ防止注入栓1、注入棒2、歯車ホルダ3、手動レバー4および注入時支え棒5が、シリンダ7内の塗料を押し出すための手段となる。
【0045】
装置支持台15は、装置全体を支持するための金属板台である。シリンダ支持台固定棒14は、シリンダ支持台9および歯車ホルダ3を固定するための金属棒であり、装置支持台15から垂直に立てられている。シリンダ支持台固定ねじ10は、シリンダ支持台9の位置を調整して、シリンダ支持台9を固定するためのねじである。シリンダ支持台9、シリンダ支持台固定ねじ10、シリンダ支持台固定棒14および装置支持台15が、シリンダ7を支持するための支持部となる。
【0046】
エアゾール容器17は、内部バルブ(図示せず)と噴射ステム16とを含む。エアゾール容器17において、噴射ステム16が押下されると、内部バルブが開く。この構造は、従来のエアゾール容器で一般的に採用されている構造であるので詳しい説明は省略する。エアゾール容器17には、たとえば、8気圧程度に圧縮されたガスが噴射剤として充填されている。噴射ステム16は、圧縮ガスと混合されて噴射される霧状の塗料を噴出する。
【0047】
液体溜め器具13は、注入すべき液体を溜めるための液体溜め部として機能する。シリンダ7は、液体溜め器具13を取り外し可能に保持する保持手段として機能する。突出部7b及びシリンダ幅調整筒6は、シリンダ7が上下に一定間隔だけ動くように、シリンダ支持台9に一定の余裕を持たせて取り付けるための取り付け手段として機能する。シリンダ戻りバネ8は、液体の注入開始時から終了時にかけて、シリンダ7を上方に動かそうとする力をシリンダ7に加える上方力加え手段として機能する。注入棒(ピストン棒)2及び液漏れ防止注入栓1は、液体を押し出してエアゾール容器17に注入するための液体押出手段として機能する。
【0048】
次に、塗料を注入するときのこの装置の使い方について説明する。ユーザは、注入先端部13が噴射ステム16の上端に配置されるように、シリンダ支持台固定ねじ10を緩めて、シリンダ支持台9の位置を調整する。この際、エアゾール容器17内の内部バルブが開かないようにするために、注入口13から噴射ステム16に対して力が働かないよう、シリンダ支持台9の高さを決める。このようにして、ユーザは、図3に示すように、適切な位置にシリンダ支持台9を固定し、塗料を注入すべきエアゾール容器17を配置する。
【0049】
次に、ユーザは、たとえば、50ml程度の充填したい塗料を容器部13bに注ぎ込む。なお、容器部13bに予め塗料を入れておいた後、容器部13bをシリンダ7に取り付けるという順番でもよい。
【0050】
次に、ユーザは、手動レバー4を手前に引いて、注入棒2を押し下げ、液漏れ防止注入栓1を容器部13bの上端部まで移動させる。図4は、液漏れ防止注入栓1が容器部13bの上端部まで移動したときの拡大断面図である。図4に示した段階では、弁13cは、閉じている。
【0051】
次に、ユーザは、手動レバー4をさらに手前に引いて、注入棒2を押し下げ、液漏れ防止注入栓1を容器部13b内部に挿入させていく。注入棒2を押し下げる力、液漏れ防止注入栓1と容器部13bの内壁との摩擦力、及び容器部13bとシリンダ7との当接によって、シリンダ7全体が下方に移動する。この場合、シリンダ幅調整筒6とシリンダ支持台9との間隔がdであるので、シリンダ7は、dだけ下方に移動することとなる。シリンダ7がdだけ下方に移動すると、注入先端部13aの先端がdだけ下方に移動することとなる。これにより、エアゾール容器17の噴射ステム16がdだけ押下され、内部バルブ(図示せず)が開くこととなる。
【0052】
エアゾール容器17の内部バルブが開いた状態で、液漏れ防止注入栓1が容器部13b内部をさらに下方に押し進むこととなるので、容器部13b内の塗料が、バルブの開いたエアゾール容器17に注入されることとなる。内部バルブが開いた状態では、エアゾール容器17からの圧縮ガスが噴出することとなる。しかし、この装置では、液漏れ防止注入栓1が容器部13bの内壁に密着しながら、塗料に圧力を加えつつ、塗料が噴射ステム16を伝って注入されていくので、圧縮ガスは噴出することなく塗料が注入されることとなる。
【0053】
液漏れ防止注入栓1がシリンダ7の内部壁最下端まで到達した場合、ユーザは、手動レバー4を手前に引くのをやめる。図5は、手動レバー4を手前に引くのをやめたときの拡大断面図である。図5に示すように、手動レバー4を手前に引くのを止めると、シリンダ戻りバネ8の復元力によって、シリンダ7全体が上方にdだけ移動する。これにより、エアゾール容器17の内部バルブが閉じられる。さらに、液体への圧力が加えられなくなるので、弁13cは閉じる。図5に示すように、注入先端部13の流路13dには、塗料が若干残留することとなるが、弁13cが閉じていること、及び/又は、塗料の表面張力によって、この残留塗料は、ほとんど注入先端部13aからは垂れ落ちない。仮に、残留塗料が垂れ落ちたとしても、少量であり、ぼろ切れ等で容易に拭き取ることができる。
【0054】
誤操作等何らかの事情で注入を止めたい場合、ユーザは、手動レバー4を手前に引くのを止めればよい。この場合、シリンダ戻りバネ8の復元力によって、シリンダ7全体が上方にdだけ移動することによって、エアゾール容器17の内部バルブが閉じられることとなる。
【0055】
なお、特許文献3の図7に示すように、塗料の注入時にエアゾール容器17に取り付ける液体注入用カバーを用いても良い。当該液体注入用カバーの下部開口筒部は、エアゾール容器17の外径と同じ内径であり、エアゾール容器17の上部が入る。液体注入用カバーの上部開口部は、注入先端部13aが入る大きさである。塗料が注入される場合、注入口13は、上部開口部上方から挿入され、液体注入用カバー内で噴射ステム16を押し下げる。すなわち、塗料注入時、注入先端部13aと噴射ステム16とは、液体注入用カバーで覆い隠される。したがって、誤操作でエアゾール容器17の内容物が噴出したとしても、塗料がユーザへ吹きかかるのが防止される。
【0056】
なお、特許文献3の図8に示すように、シリンダ7の上部から吹き出す塗料の吹きかかりを防止するためのカバーを取り付けてもよい。当該カバーは、アクリル樹脂でできている。カバーは、歯車ホルダの下面に取り付けられる。カバーは、注入棒2に取り付けられた液漏れ防止注入栓1の挿入口であるシリンダ7の上部を覆い隠す。これにより、誤操作によって、エアゾール容器17の圧縮ガスが噴出して、シリンダ7から塗料が吹き出した場合、塗料がユーザに吹きかかるのを防止することができる。なお、カバーの形状は特に限定されない。
【0057】
このように、本発明の実施形態では、注入棒2で容器部7に溜められた塗料を押し出しながら、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器17の内部バルブを押し開けて、塗料を注入することができる。したがって、この装置を用いれば、ユーザ仕様に応じたエアゾールスプレー缶を一個から簡単に生産することが可能となる。
【0058】
また、塗料の注入開始時から終了時にかけて、シリンダ戻りバネ8が縮むことによって、シリンダ7および注入先端部13aには、上方に動こうとする力が常に加わることとなる。したがって、液体の注入が終了したら直ちに、内部バルブを閉じることが可能となり、内容物の逆噴射を防止することができる。また、誤操作した場合にも、直ちに内部バルブが閉じることとなるので、内容物の逆噴射が防止される。
【0059】
加えて、液体溜め器具13を用いて、液体を注入することとしているので、従来のように、シリンダ7を洗浄しなくてもよい。結果、逆噴射を防止でき、かつ、より実用的な液体注入装置が提供されることとなる。
【0060】
また、実施形態では、シリンダ戻りバネ8が予め縮まった状態で配置されているので、塗料注入時におけるシリンダ戻りバネ8の復元力を大きなものにすることができ、確実に内部バルブを閉じることが可能となる。これは、縮まる幅に比例してコイルバネによる復元力が大きくなるといった物理的性質を利用したものである。ただし、シリンダ戻りバネ8が縮まっていない状態で配置しても、塗料注入中にシリンダ戻りバネ8が縮まることによって生じる復元力によって、注入先端部13を上方に移動させる力を働かせることができ、このような構成にしても装置の機能は有効に働く。
【0061】
また、液漏れ防止注入栓1としてフッ素樹脂製のキャップを使っているので、容器部7の内壁との滑り具合、容器部7との密閉度、及び液漏れ防止注入栓1の耐久性を向上させることが可能となる。
【0062】
なお、密封度向上を図るのであれば、液漏れ防止注入栓1の素材は、ゴムやポリプロピレン等でもよい。また、滑り易さの向上を図るのであれば、液漏れ防止注入栓1の素材は、ポリプロピレン等でもよい。
【0063】
なお、実施形態では、注入する液体を塗料としたが、これに限られるものではない。たとえば、注入する液体が、香水であってもよい。これにより、ユーザ仕様に応じた香りの香水スプレーを小ロット生産することが可能となる。
【0064】
なお、注入先端部13aの内部穴をなるべく細くすれば、残留塗料を減らすことができる。また、液漏れ防止注入栓1が容器部13bの最下部まで押し下げることができるように、液漏れ防止注入栓1の外径および容器部13bの内径を決めれば、残留塗料を減らすことができる。
【0065】
なお、実施形態では、シリンダ幅調整筒6および突出部7bによって、シリンダ7が上下方向に一定間隔dだけ動くように、シリンダ7をシリンダ支持台9に取り付けることとしたが、この構成に限られるものではない。たとえば、シリンダ7がシリンダ支持台9の上方に抜けていかないように、突出部7bの代わりにピン状の突起を設けるようにしてもよい。また、突出部7bをナット状の別部材とし、内壁を雌ねじにしておき、シリンダ7の下部を一部雄ねじにしておくようにして、この別部材を突出部7bの代わりに用いてもよい。このような構成にすると、シリンダ7として、汎用的なシリンダを用いることができ、装置全体を安価に提供することが期待できる。
【0066】
なお、実施形態では、歯車ホルダ3を用いて注入棒2を動かすこととしたが、容器部13b内の液体を押し出すのであれば、歯車ホルダ3を用いる構造に限られるものでない。たとえば、液漏れ防止注入栓1が先端についた棒を注射器のようにしてシリンダ7に手で挿入するようにしてもよい。
【0067】
なお、実施形態では、シリンダ戻りバネ8を用いて、シリンダ7を上方に上げようとする力を常に加えることとしたが、そのような力を加える構成であれば、シリンダ戻りバネ8以外の構成であってもよい。
【0068】
図6は、液体溜め器具13において、注入先端部13aを容器部13bから取り外し可能としたときの実施形態を示す断面図である。図6において、注入先端部13aの下部及び容器13bの上部の記載は省略する。注入先端部13aは、上部が凸状に突出しており、当該突出部分の外側面に雄ネジ13eを有する。容器部13bは、下部が凸状に突出しており、当該突出部分に、円筒状にくり抜かれた凹部13hと、凹部13hの内側において液体の流路となる挿入路13fと、凹部13hと挿入路13fとの間に形成された雌ネジ13gとを有する。雄ネジ13eと雌ネジ13gとは、嵌合可能である。挿入路13fは、流路13dの形状に沿った形状を有するが、流路13dよりも少し大きめである。したがって、雄ネジ13eと雌ネジ13gとを嵌合させた場合、凹部13hが設けられているので、挿入路13fが雌ネジ13gの部分を押し広げる。これにより、注入先端部13aが容器部13bに密着することとなるので、液体が注入先端部13aと容器部13bとの結合部分から漏れるのを防止することができる。注入先端部13aは、弁13cを有する一方、容器部13bには、液漏れ防止注入栓1が挿入されるので、容器部13bの樹脂素材の方が、注入先端部13aの樹脂素材よりも堅いとよいが、特に限定されない。図6のような構成にすることによって、注入先端部13aを確実に容器部13bに結合することができ、結合部分からの液漏れを防止することができる。
【0069】
本発明は、上記に示した液体注入装置を用いて、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器に液体を注入する注入方法である。また、本発明は、上記に示した液体注入装置を用いて、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器に液体を注入して、所望の色に配合されたエアゾール缶を製造する方法である。
【実施例】
【0070】
図7は、シリンダ支持台9、シリンダ7、液体溜め器具13、固定蓋7d、シリンダ幅調整筒6、及びシリンダ戻りバネ8の一実施例を示す図面代用写真である。図8は、シリンダ支持台9、シリンダ7、液体溜め器具13、固定蓋7d、シリンダ幅調整筒6、及びシリンダ戻りバネ8の一実施例を分解して示す図面代用写真である。図9は、液体溜め器具13の一実施例を分解して示す図面代用写真である。
【0071】
液体溜め器具13において、注入先端部13aと容器部13bとは、ネジ溝によって、嵌合可能に、結合されている。この実施例では、図6のように挿入路13fを用いていないが、挿入路13fを用いるようにしてもよい。図10は、注入先端部13aのyz平面での中央断面を示す三次元断面図である。図11は、注入先端部13aのxy平面での中央断面を示す三次元断面図である。図10及び図11に示すように、注入先端部13aは、流路13dの先に、先端部分で先細となるように形成された二枚の極小樹脂板13c−1及び13c−2によって弁13cを構成している。注入先端部13aの構造は、本発明において、特に限定されないが、図10及び図11に記載の構造を採用した実施例を用いて、実際に、注入試験を行ったところ、逆噴射はもちろんのこと、液だれがほとんど生じることなく、圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器に液体が注入された。これにより、極めて実用的な液体注入装置が得られることが確認できた。
【0072】
本発明の液体注入装置を用いれば、塗料の扱いに不慣れなものであっても、簡単に、エアゾール容器に液体を注入することができる。
【0073】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の注入装置は、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
100 液体注入装置
1 液漏れ防止注入栓
2 注入棒(ピストン棒)
3 歯車ホルダ
4 手動レバー
5 注入時支え棒
6 シリンダ幅調整筒
6a 雌ねじ
7 シリンダ
7a 雄ねじ
7b 突出部
7d 固定蓋
8 シリンダ戻りバネ
9 シリンダ支持台
10 シリンダ支持台固定ねじ
13 液体溜め器具(液体溜め部)
13a 注入先端部(注入先端器具)
13b 容器部(容器)
13c 弁
13d 流路
13e 雄ネジ
13f 挿入路
13g 雌ネジ
13h 凹部
14 シリンダ支持台固定棒
15 装置支持台
16 噴射ステム
17 エアゾール容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための液体注入装置であって、
注入すべき液体を溜める液体溜め部と、
前記液体溜め部を取り外し可能に保持する保持部と、
前記保持部を支持する支持部とを備え、
前記保持部は、
前記液体溜め部を取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、前記保持手段を前記支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段と、
前記液体の注入開始時から終了時にかけて、前記保持手段を上方に動かそうとする力を前記保持手段に加える上方力加え手段とを含み、
前記液体溜め部は、
前記保持手段の下端から露出し、前記エアゾール容器のステムに当接可能な注入先端部と、
前記液体を溜める容器部とを含み、
前記支持部は、前記容器部に挿入されるピストン棒を有し、前記ピストン棒を下方に押し進めることによって、前記液体溜め部に溜められた液体を押し出して、前記注入先端部を前記一定間隔だけ下方に動かして前記エアゾール容器の内部バルブを押し開け、押し出された前記液体を前記エアゾール容器へ注入するための液体押し出し手段を含み、
前記注入先端部は、前記液体の流路に弁を有することを特徴とする、液体注入装置。
【請求項2】
前記注入先端部と前記容器部とは、ネジ溝によって嵌合可能であり、
前記容器部は、前記流路を押し広げるようにして前記流路に挿入される挿入路を有することを特徴とする、請求項1に記載の液体注入装置。
【請求項3】
圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための液体注入装置に用いられる液体溜め器具であって、
前記液体注入装置は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持部と、
前記保持部を支持する支持部とを備え、
前記保持部は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、前記保持手段を前記支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段と、
前記液体の注入開始時から終了時にかけて、前記保持手段を上方に動かそうとする力を前記保持手段に加える上方力加え手段とを含み、
前記支持部は、前記液体溜め器具に挿入されるピストン棒を有し、前記ピストン棒を下方に押し進めることによって、前記液体溜め器具に溜められた液体を押し出して、前記液体溜め器具の先端を前記一定間隔だけ下方に動かして前記エアゾール容器の内部バルブを押し開け、押し出された前記液体を前記エアゾール容器へ注入するための液体押し出し手段を含み、
前記液体溜め器具は、
前記保持手段の下端から露出し、前記エアゾール容器のステムに当接可能な注入先端部と、
前記液体を溜める容器部とを含み、
前記注入先端部は、前記液体の流路に弁を有することを特徴とする、液体溜め器具。
【請求項4】
圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための液体注入装置に用いられる液体溜め器具で使用される注入先端器具であって、
前記液体注入装置は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持部と、
前記保持部を支持する支持部とを備え、
前記保持部は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、前記保持手段を前記支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段と、
前記液体の注入開始時から終了時にかけて、前記保持手段を上方に動かそうとする力を前記保持手段に加える上方力加え手段とを含み、
前記支持部は、前記液体溜め器具に挿入されるピストン棒を有し、前記ピストン棒を下方に押し進めることによって、前記液体溜め器具に溜められた液体を押し出して、前記液体溜め器具の先端を前記一定間隔だけ下方に動かして前記エアゾール容器の内部バルブを押し開け、押し出された前記液体を前記エアゾール容器へ注入するための液体押し出し手段を含み、
前記液体溜め器具は、前記液体を溜める容器部を含み、
前記注入先端器具は、前記保持手段の下端から露出し、前記エアゾール容器のステムに当接可能であり、前記容器部に取り外し可能となっており、前記液体の流路に弁を有することを特徴とする、注入先端器具。
【請求項5】
圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための液体注入装置に用いられる液体溜め器具で使用される容器であって、
前記液体注入装置は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持部と、
前記保持部を支持する支持部とを備え、
前記保持部は、
前記液体溜め器具を取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段が上下方向に一定間隔だけ動くように、前記保持手段を前記支持部に一定の余裕を持たせて取り付ける取り付け手段と、
前記液体の注入開始時から終了時にかけて、前記保持手段を上方に動かそうとする力を前記保持手段に加える上方力加え手段とを含み、
前記支持部は、前記液体溜め器具に挿入されるピストン棒を有し、前記ピストン棒を下方に押し進めることによって、前記液体溜め器具に溜められた液体を押し出して、前記液体溜め器具の先端を前記一定間隔だけ下方に動かして前記エアゾール容器の内部バルブを押し開け、押し出された前記液体を前記エアゾール容器へ注入するための液体押し出し手段を含み、
前記液体溜め器具は、前記保持手段の下端から露出し、前記エアゾール容器のステムに当接可能であり、前記液体の流路に弁を有する注入先端部を含み、
前記容器は、前記注入先端部を取り外し可能であることを特徴とする、容器。
【請求項6】
請求項3に記載の液体溜め器具であって、
前記容器は、一度前記液体の注入が完了したあと洗浄されていることを特徴とする請求項3に記載の液体溜め器具。
【請求項7】
請求項5に記載の容器であって、
一度前記液体の注入が完了したあと洗浄されていることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項8】
圧縮ガスが充填済みのエアゾール容器へ液体を注入するための注入方法であって、
請求項1又は2に記載の液体注入装置を用いて、前記圧縮ガスが充填済みの前記エアゾール容器に前記液体を注入することを特徴とする、注入方法。
【請求項9】
圧縮ガス及び液体が充填されたエアゾール容器の製造方法であって、
請求項1又は2に記載の液体注入装置を用いて、前記圧縮ガスが充填済みの前記エアゾール容器に前記液体を注入することによって、前記エアゾール容器を製造する特徴とする、製造方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の液体注入装置で用いられるエアゾール容器であって、
圧縮ガスが充填済みであることを特徴とする、エアゾール容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−81395(P2012−81395A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228788(P2010−228788)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(508055412)
【Fターム(参考)】