説明

液体消費量計算装置、液体消費量計算システム、液体消費量計算方法およびプログラム

【課題】利用者が液体吐出装置において使用される液体の消費量の計算結果を簡便に得る
ことが可能な技術を提供する。
【解決手段】液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算装
置は、液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける入力部と、液体吐出装置に
おいて出力対象を形成するための吐出データを生成する吐出制御部と、吐出データを解析
する解析部と、解析部により得られた情報を用いて、液体吐出装置を用いて出力対象を出
力した場合における液体の消費量を計算する計算部と、計算部により得られた情報を通知
するための出力情報を生成し出力する出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者がインクジェットプリンターを選択する際、インクの消費量は、印刷速度や印刷
品質と並んで注目すべき要素となっている。例えば、特許文献1にはインクジェットプリ
ンターにおけるインクの消費量を表示可能なシステムが開示されている。しかし、従来は
、インクの消費量を得ることの簡便性に関しては、十分な工夫がされていないのが実情で
あった。
【0003】
また、このような問題は、インクジェットプリンターのような印刷装置に限らず、他の
液体吐出装置、例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置
や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗
布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置等にも共通する問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2005−212270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、利用者が液体吐出装置において使用される液体の消費量の計算結果を簡便に
得ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算装置であって
、前記液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける入力部と、前記液体吐出装
置において前記出力対象を形成するための吐出データを生成する吐出制御部と、前記吐出
データを解析する解析部と、前記解析部により得られた情報を用いて、前記液体吐出装置
を用いて前記出力対象を出力した場合における液体の消費量を計算する計算部と、前記計
算部により得られた情報を通知するための出力情報を生成し出力する出力部と、を備える
、液体消費量計算装置。
この構成によれば、入力部から出力対象の入力を受け付け、液体消費量計算装置内の各
部において処理がなされた後、生成された出力情報は出力部から出力される。すなわち、
利用者は、入力部から出力対象を入力すれば出力情報を得ることができるため、液体吐出
装置において使用される液体の消費量の計算結果を簡便に得ることが可能となる。
【0008】
[適用例2]
適用例1記載の液体消費量計算装置であって、前記吐出制御部は、複数の異なる前記液
体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データを出力することが可能であ
り、前記解析部は、前記吐出データを出力する際に使用された前記液体吐出装置に対応し
た解析方法を用いて前記吐出データを解析する、液体消費量計算装置。
この構成によれば、複数の異なる液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算
することができる。この結果、液体消費量計算装置の利便性を向上させることができる。
【0009】
[適用例3]
適用例1または2記載の液体消費量計算装置であって、前記入力部は、さらに、前記液
体吐出装置において前記出力対象が形成される際に用いられる条件である出力条件の入力
を受け付け、前記吐出制御部は、前記液体吐出装置において、前記出力条件に従って前記
出力対象を形成するための吐出データを生成する、液体消費量計算装置。
この構成によれば、出力条件に従って生成された吐出データをもとにして液体の消費量
が計算される。このため、液体消費量計算装置の利用者は、より正確な液体の消費量を得
ることが可能となる。
【0010】
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、さらに、前記液
体吐出装置が使用される際の条件である稼働条件の入力を受け付ける稼働条件入力部を備
え、前記計算部は、前記稼働条件入力部が前記稼働条件の入力を受け付ける度に、前記解
析部により得られた情報を用いて、前記稼働条件下で前記液体吐出装置を用いて前記出力
対象を出力した場合における液体の消費量を再計算し、前記出力部は、前記再計算により
得られた情報を通知するための情報を再生成する、液体消費量計算装置。
この構成によれば、稼働条件入力部が稼働条件の入力を受け付ける度に、当該稼働条件
下における液体の消費量が再計算される。このため、液体消費量計算装置の利用者は、液
体吐出装置が使用される際の条件に沿った液体の消費量を得ることが可能となる。
【0011】
[適用例5]
適用例4記載の液体消費量計算装置であって、前記液体吐出装置は、往復移動しながら
液体を吐出する液体吐出部を備えるものであり、前記稼働条件には、少なくとも、前記液
体吐出装置において出力が実行される時間間隔を決定することが可能な情報が含まれ、前
記解析部は、前記吐出データを解析することにより、前記出力対象を形成するために要す
る前記液体吐出装置の液体吐出部の往復数および液体吐出回数を計算し、前記計算部は、
前記液体吐出部の往復数および前記時間間隔により決定されるクリーニングおよびフラッ
シングの回数と、前記液体吐出回数とをもとにして前記液体の消費量を計算する、液体消
費量計算装置。
この構成によれば、液体吐出装置におけるクリーニングおよびフラッシングの回数と、
液体吐出回数とをもとにして液体の消費量が計算される。このため、液体消費量計算装置
の利用者は、正確な液体の消費量を得ることが可能となる。
【0012】
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、さらに、前記吐
出制御部に前記出力対象の吐出データの生成を指示する出力指示部を備える、液体消費量
計算装置。
この構成によれば、吐出制御部は出力指示部からの指示により吐出データを生成するた
め、吐出制御部における吐出データ生成処理とは別に、出力指示部において任意の処理を
行うことができる。この結果、液体消費量計算装置において実現可能な処理の拡張性を向
上させることができる。
【0013】
[適用例7]
適用例1ないし6のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、前記出力情報に
は、前記出力対象と、前記出力対象を前記液体吐出装置において形成した結果の予測を示
す結果予測画像と、が含まれる、液体消費量計算装置。
この構成によれば、出力情報には、出力対象と結果予測画像とが含まれるため、利用者
は、出力対象と結果予測画像とを比較することができる。この結果、液体消費量計算装置
の利便性を向上させることができる。
【0014】
[適用例8]
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算システムであ
って、第1の装置と、第2の装置と、を備え、前記第1の装置は、前記液体吐出装置で形
成される出力対象の入力を受け付ける入力部と、前記液体吐出装置を用いて前記出力対象
を出力した場合における液体の消費量を計算する計算部と、前記計算部により得られた情
報を通知するための情報を生成する出力部と、を含み、前記第2の装置は、前記液体吐出
装置において前記出力対象を形成するための吐出データの生成を指示する出力指示部と、
前記出力指示部からの指示に基づき、前記吐出データを生成する吐出制御部と、前記吐出
データを解析する解析部と、を含み、前記入力部は、前記出力対象を前記出力制御部に送
信するとともに前記第2の装置における処理の開始を要求し、前記解析部は、前記吐出デ
ータの解析後、解析結果を前記第1の装置へ送信し、前記解析結果を受信した前記計算部
は、前記解析結果を用いて、前記液体の消費量を計算する、液体消費量計算システム。
この構成によれば、入力部と、計算部と、出力部とを含む第1の装置と、出力指示部と
、吐出制御部と、解析部とを含む第2の装置によって液体の消費量を計算する。この結果
、第2の装置についてのセキュリティを向上させることができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、本発明は、液体吐
出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算装置、液体消費量計算
システム、液体消費量計算方法のほか、それらの方法または装置の機能を実現するための
コンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記憶媒体等の形態
で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例としてのインク消費量計算システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】インク消費量計算システムの処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ステップS106において表示される基本情報指定画面の一例を示す説明図である。
【図4】ステップS108において表示される印刷条件指定画面の一例を示す説明図である。
【図5】ステップS114において表示される消費量表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】第2実施例における基本情報指定画面の一例を示す説明図である。
【図7】第2実施例における消費量表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
【0018】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのインク消費量計算システムの概略構成を示す説明図
である。インク消費量計算システム10は、認証サーバー200と、フロントエンドサー
バー300と、バックエンドサーバー400とを備えている。また、クライアントPC1
00は、インターネットを経由してインク消費量計算システム10と接続する、インク消
費量計算システム10のクライアント端末である。インク消費量計算システム10の利用
者としては、例えば、顧客等からの問い合わせに応じてインク消費量案内サービスを提供
するオペレータが想定可能なほか、顧客等の一般利用者による直接利用も想定することが
できる。
【0019】
クライアントPC100は、インターネットに接続可能で、WEBブラウザが予めイン
ストールされたパーソナルコンピューターである。認証サーバー200は、利用者がイン
ク消費量計算システム10の利用資格を有するか否かを認証する機能を有する。認証サー
バー200には、例えば、LDAP(Lightweight Directory Ac
cess Protocol)サーバーを用いることができる。なお、この認証サーバー
200は省略可能である。しかし、インク消費量計算システム10の利用者として顧客等
の一般利用者を想定する場合は、セキュリティ強化の観点から、認証サーバー200は省
略しない方が好ましい。
【0020】
フロントエンドサーバー300は、図示しないネットワークインタフェースを介して、
クライアントPC100と直接、情報の送受信を行う。フロントエンドサーバー300は
、CPU310と、メモリー320とを備えている。CPU310は、フロントエンドサ
ーバー300の各部を制御するための電子回路であり、画面生成部312と、計算部31
4とを備えている。画面生成部312は、フロントエンドサーバー300とクライアント
PC100間とで情報の入出力を実現するためのGUIを提供する。本実施例では、フロ
ントエンドサーバー300をWebサーバーとして実装する。このため、フロントエンド
サーバー300には、図示しないIIS(Internet Information S
erver、マイクロソフト社の登録商標)がインストールされている。また、このII
S上においてASP(Active Server Pages、マイクロソフト社の登録
商標)や、JSP(Java Server Pages、サンマイクロシステムズ社の登
録商標)を利用することで、クライアントPC100とのウェブページを介した動的な情
報の入出力(すなわち、画面生成部312の機能)が実現される。
【0021】
計算部314は、ショット数データ50を用いて、インク消費量を計算する機能を有す
る。このショット数データ50とは、液体吐出装置としてのインクジェットプリンターに
おける、インクの吐出回数を示す情報である。なお、以降、インクジェットプリンターを
、単に「プリンター」と呼ぶ。
【0022】
メモリー320は、図示しないハードディスク、フラッシュメモリ、ROMおよびRA
M等からなり、送信データ記憶部330と、受信データ記憶部340とを備えている。送
信データ記憶部330は、クライアントPC100から入力される情報を、少なくともイ
ンク消費量計算システム10による一連の処理が終了するまでの間、一時的に格納してお
くための記憶領域である。送信データ記憶部330には、要求データ20と、印刷条件3
0とが格納される。要求データ20には、プリンターで形成(印刷)される出力対象とし
てのファイル(以降、出力対象としてのファイルを「ベースデータ」とも呼ぶ。)と、イ
ンク消費量計算システム10の利用者に関する情報とが含まれる。印刷条件30は、ベー
スデータがプリンターにおいて印刷される際に用いられる出力条件である。
【0023】
受信データ記憶部340は、バックエンドサーバー400から受信した情報を、少なく
ともインク消費量計算システム10による一連の処理が終了するまでの間、一時的に格納
しておくための記憶領域である。受信データ記憶部340には、ショット数データ50と
、印刷結果予測画像60とが格納される。結果予測画像としての印刷結果予測画像60は
、ベースデータをプリンターで印刷した結果の予測画像である。
【0024】
バックエンドサーバー400は、図示しないネットワークインタフェースを介してフロ
ントエンドサーバー300から要求を受信し、処理を行うサーバーである。バックエンド
サーバー400は、CPU410と、メモリー420とを備えている。CPU410は、
バックエンドサーバー400の各部を制御するための電子回路であり、印刷指示部412
と、印刷制御部414と、解析部416とを備えている。吐出制御部としての印刷制御部
414は、さらに、複数の異なるプリンター用のプリンタードライバー415(DR)を
含んでいる。印刷制御部414は、プリンタードライバー415を用いて、プリンターで
ベースデータを印刷するための吐出データを生成する機能を有する。この吐出データは、
印刷を実行するためにプリンタードライバーからプリンターへ送信される制御データを、
そのままファイルとして保存した情報である。なお、制御データには、ラスタ上の各画素
についてのドットのオン・オフを指定するラスタデータと、副走査送り量を特定する副走
査送り量データとが含まれる。印刷制御部414により生成された吐出データは、メモリ
ー420に吐出データ40として格納される。
【0025】
出力指示部としての印刷指示部412は、さらに、複数のアプリケーション413(A
P)を含んでいる。印刷指示部412は、印刷制御部414に対して吐出データの生成を
指示する機能を有する。解析部416は、さらに、複数の異なるプリンター用の解析モジ
ュール417(MD)を含んでいる。解析部416は、解析モジュール417を用いて、
印刷制御部414により生成された吐出データ40を解析する機能を有する。詳細につい
ては後述する。
【0026】
メモリー420は、図示しないハードディスク、フラッシュメモリ、ROMおよびRA
M等からなる。メモリー420は、インク消費量計算システム10の処理に必要な情報を
、一連の処理が終了するまでの間、一時的に格納しておくための記憶領域である。処理に
必要な情報とは、フロントエンドサーバー300から受信する要求に含まれる要求データ
20と、印刷条件30、および吐出データ40である。なお、吐出データ40は、要求デ
ータ20に含まれるベースデータをもとに生成される。
【0027】
図2は、インク消費量計算システムの処理の手順を示すフローチャートである。図2に
は、フロントエンドサーバー300による処理と、バックエンドサーバー400による処
理とを併記している。まず、利用者は、クライアントPC100に予めインストールされ
ているWebブラウザを起動し、フロントエンドサーバー300のURLを入力する。ク
ライアントPC100は、フロントエンドサーバー300に対してインク消費量計算シス
テムの処理開始の要求を送信する。
【0028】
ステップS102において、クライアントPC100からの要求を受信したフロントエ
ンドサーバー300は、認証処理を行う。認証処理は、具体的には、クライアントPC1
00からフロントエンドサーバー300を経由して入力されるユーザー名およびパスワー
ドが、認証サーバー200内の図示しない記憶領域に予め格納されているユーザー名とパ
スワードの組に一致するか否かによって行うことができる。入力されるユーザー名および
パスワードが、認証サーバー200内の図示しない記憶領域に予め格納されているユーザ
ー名とパスワードの組に一致する場合は認証可、一致しない場合は認証不可と判断するこ
とができる。ステップS104において、フロントエンドサーバー300が認証不可と判
断した場合、処理を終了する。一方、ステップS104において、フロントエンドサーバ
ー300が認証可と判断した場合、次のステップへ処理を進める。
【0029】
図3は、ステップS106において表示される基本情報指定画面500の一例を示す説
明図である。図2のステップS106において、入力部としてのフロントエンドサーバー
300の画面生成部312は、クライアントPC100の図示しないディスプレイ上に、
基本情報指定画面500を表示させる。具体的には、画面生成部312は、画面を表示さ
せるための情報(例えば、HTML形式で作成されたファイル等)を生成し、クライアン
トPC100に送信する。これを受信したクライアントPC100は、当該情報をもとに
して、Webブラウザ上に表示されている情報を更新する。
【0030】
基本情報指定画面500は、プリンター情報入力欄FPと、顧客情報入力欄FCと、プ
リントデータ入力欄FSと、ログアウトボタン502と、次へボタン506とを含んでい
る。
【0031】
ログアウトボタン502は、インク消費量計算システム10へのログイン状態を解除し
て、クライアントPC100とフロントエンドサーバー300との間のセッションを終了
するためのボタンである。プリンター情報入力欄FPには、プリンター名指定欄が用意さ
れている。プリンター名指定欄には、利用者がインク消費量の計算を望むプリンターの名
称をドロップダウンリストの中から指定される。
【0032】
顧客情報入力欄FCには、顧客名指定欄が用意されている。顧客名指定欄には、顧客の
名称を入力する。さらに、顧客情報入力欄FCには、その他顧客に関する任意の情報(例
えば、連絡先等)を指定するための欄を用意することができる。
【0033】
プリントデータ入力欄FSには、プリントパターン指定欄と、ベースデータ指定欄と、
2つの参照ボタン504とが用意されている。プリントパターン指定欄には、前述した吐
出データを直接指定することができる。ベースデータ指定欄には、プリンターで形成され
る出力対象としてのファイルを指定することができる。ベースデータは、例えば、bmp
形式の画像データファイルや、文書作成アプリケーション(例えば、Microsoft
Word(マイクロソフト社の登録商標))で作成されたデータファイルを指定可能で
ある。参照ボタン504は、参照ウィンドウを表示し、クライアントPC100中に格納
されたプリントパターンおよびベースデータを指定する補助を行うためのボタンである。
なお、プリントパターン指定欄は省略可能である。
【0034】
次へボタン506は、次のステップへ処理を進めるためのボタンである。次へボタン5
06押下により、画面生成部312は、プリンター情報入力欄FPと、顧客情報入力欄F
Cと、プリントデータ入力欄FSとにより指定された内容を、要求データ20として送信
データ記憶部330へ格納する。その後、画面生成部312は、図2のステップS108
へ遷移する。なお、利用者は、上述の指定欄のすべてに入力を行う必要はなく、その一部
のみを入力することも可能である。入力されなかった欄については、その欄についての条
件が指定されなかったことになる。なお、入力されなかった欄については、予め設定され
たデフォルトの情報が指定されたとみなしてもよい。また、必須の入力項目と、任意の入
力とを分けても良い。
【0035】
図4は、ステップS108において表示される印刷条件指定画面510の一例を示す説
明図である。図2のステップS108において、入力部としてのフロントエンドサーバー
300の画面生成部312は、クライアントPC100に印刷条件指定画面510を表示
させる。なお、画面を表示させる方法については、図3で説明した通りである。
【0036】
印刷条件指定画面510は、基本情報表示欄SEと、環境設定入力欄SCと、基本設定
入力欄SCと、用紙設定入力欄SPと、ログアウトボタン502と、計算開始ボタン51
2とを含んでいる。
【0037】
基本情報表示欄SEには、ID表示欄と、プリンター名表示欄と、顧客名表示欄と、プ
リントパターン表示欄とが用意されている。ID表示欄には、フロントエンドサーバー3
00内において処理を識別するために付与された、一意な識別記号が表示される。プリン
ター名表示欄には、基本情報指定画面500(図3)のプリンター情報入力欄FPにおい
て指定されたプリンター名が表示される。顧客名表示欄には、基本情報指定画面500の
顧客情報入力欄FCにおいて指定された顧客名が表示される。プリントパターン表示欄に
は、基本情報指定画面500のプリントデータ入力欄FSにおいて指定されたプリントパ
ターンのファイル名称が表示される。
【0038】
環境設定入力欄SCには、フィードモード指定欄が用意されている。フィードモード指
定欄には、プリンターにおける印刷用紙の供給方法を、ドロップダウンリストの中から指
定される。図4の例では、フィードモードとしてオートシードフィーダが指定されている
。基本設定入力欄SCには、色指定欄が用意されている。色指定欄には、プリンターにお
ける印刷色を、ドロップダウンリストの中から指定される。図4の例では、黒色が指定さ
れている。
【0039】
用紙設定入力欄SPには、用紙サイズ指定欄が用意されている。用紙サイズ指定欄には
、プリンターでの印刷に使用する用紙(印刷用紙)のサイズを、ドロップダウンリストの
中から指定される。また、ドロップダウンリストの中から指定することに代えて、Wid
th幅とLength幅を直接数値にて指定することもできる。図4の例では、ポストカ
ードサイズ(100×148mm)が指定されている。さらに、用紙設定入力欄SPには
、印刷用紙に関するその他の情報(例えば、用紙の質や用途等)を指定するための欄を用
意することができる。
【0040】
計算開始ボタン512は、次のステップへ処理を進めるためのボタンである。計算開始
ボタン512押下により、画面生成部312は、環境設定入力欄SCと、基本設定入力欄
SCと、用紙設定入力欄SPとにより指定された内容を、印刷条件30として送信データ
記憶部330へ格納する。その後、画面生成部312は、図2のステップS110へ遷移
する。なお、図3と同様に、利用者は上述の指定欄の全てに入力を行う必要はなく、一部
のみを入力することも可能である。
【0041】
図2のステップS110において、フロントエンドサーバー300の画面生成部312
は、バックエンドサーバー400に対して計算開始要求を送信する。この際画面生成部3
12は、計算開始要求と併せて、送信データ記憶部330に格納されている要求データ2
0と、印刷条件30とを送信する。
【0042】
要求を受信したバックエンドサーバー400は、まず、要求データ20および印刷条件
30を、メモリー420内部に一時的に格納する。その後、ステップS202において、
バックエンドサーバー400は、受信した要求データ20に含まれるベースデータの種類
から、印刷制御部414において直接、吐出データを出力するか否か判断する。具体的に
は、例えば、bmp形式のデータの場合は印刷制御部414によって直接出力を行う。一
方、クライアントPC100にインストールされている文書作成アプリケーションを用い
て作成されたデータの場合は、印刷制御部414による直接出力は行わない。直接出力を
行う場合はステップS206へ遷移する。
【0043】
一方、直接出力を行わない場合は、出力指示部としての印刷指示部412は吐出データ
の生成を指示する(ステップS204)。そして、ベースデータを受け取った印刷指示部
412は、ベースデータの種類に対応した種類のアプリケーション413を経由して、印
刷制御部414へ印刷要求を送信させる。
【0044】
ステップS206において、吐出制御部としての印刷制御部414は吐出データを生成
する。そして、印刷制御部414は、受信した要求データ20に含まれるプリンター名を
もとに、当該プリンター用のプリンタードライバー415を用いて、印刷条件30で指定
された条件に従って、ベースデータファイルを印刷するための制御データを生成する。そ
して、印刷制御部414は、この制御データを、そのまま吐出データ40としてメモリー
420内に保存する。このように、印刷制御部414は、複数の異なるプリンターおいて
、出力対象となるファイルを印刷するための吐出データを出力することが可能である。な
お、要求データ20としてプリントパターンファイルが指定されている場合、ステップS
202〜S206は省略することができる。
【0045】
次にステップS208において、解析部416は、ショット数データと印刷結果予測画
像の生成を行う。そして、解析部416は、受信した要求データ20に含まれるプリンタ
ー名をもとに、当該プリンター用の解析モジュール417を用いて、吐出データ40の制
御データ内に含まれる駆動信号を解析し、プリンターのインクジェットヘッドにおけるヘ
ッドショット数(液体吐出回数)と、インクジェットヘッドがキャリッジに搭載されるも
ので、往復しながらインクを吐出する場合の往復回数(液体吐出部の往復数)とをカウン
トする。このヘッドショット数としては、インクジェットヘッドの有する全ノズルのショ
ット数を全てカウントする。
【0046】
解析部416は、こうして得られたヘッドショット数と、インクジェットヘッドの往復回
数とを、ショット数データ50としてメモリー420へ格納する。このように、解析部4
16は、吐出データ40が生成される際に使用されたプリンタードライバー415に対応
した解析モジュール417を用いて、吐出データ40を解析する。
【0047】
さらに、解析部416は、前述と同様の解析モジュール417を用いて、吐出データ4
0を画像に変換することにより、受信した要求データ20に含まれるプリンター名をもと
に、当該プリンターを用いて印刷された結果の予測を示す結果予測画像を生成する。その
後、解析部416は、この結果予測画像を、印刷結果予測画像60としてメモリー420
へ格納する。その後、解析部416は、ショット数データ50と印刷結果予測画像60と
を含めた応答データを、フロントエンドサーバー300へ送信する。
【0048】
応答データを受信した計算部314は、ショット数データ50および印刷結果予測画像
60を、受信データ記憶部340内部に一時的に格納する。そして、計算部314は、ス
テップS112においてインク消費量を計算する。具体的には、計算部314は、送信デ
ータ記憶部330に格納されている要求データ20に含まれるプリンター名と、受信した
ショット数データ50に含まれるインクジェットヘッドの往復回数と、予めデフォルトで
用意された印刷時間間隔(出力が実行される時間間隔)とを用いて、当該プリンターにお
けるクリーニングの回数と、フラッシングの回数とを計算する。その後、クリーニングの
回数と、フラッシングの回数と、受信したショット数データ50に含まれるヘッドショッ
ト数とを用いて、インクの消費量を計算する。この計算は、計算部314内部に予め定め
られた計算式に基づいて行われる。
【0049】
このように、インク消費量は、印刷条件に従って生成された吐出データの解析結果と、
プリンターのクリーニングおよびフラッシングの回数と、ヘッドショット数とをもとにし
て計算される。このため、利用者は正確なインク消費量を得ることができる。さらに、印
刷制御部414は、印刷指示部412の指示によって吐出データを生成するため、吐出デ
ータの生成処理とは別に、印刷指示部412において任意の処理を行うことができる。こ
の結果、インク消費量計算システム10において実現可能な処理の拡張性を向上させるこ
とができる。
【0050】
図5は、ステップS114において表示される消費量表示画面520の一例を示す説明
図である。図2のステップS114において、出力部としてのフロントエンドサーバー3
00の画面生成部312は、出力情報を生成し、クライアントPC100の図示しないデ
ィスプレイ上に消費量表示画面520を表示させる。この出力情報とは、計算部314に
より得られた情報を通知するための情報である。なお、画面を表示させる方法については
、図3で説明した通りである。
【0051】
消費量表示画面520は、プリンター名表示欄521と、ログアウトボタン502と、
基本情報表示欄TEと、稼働条件入力欄TIと、インク寿命予想表示欄TRと、画像表示
欄TFと、負荷別インク寿命表示欄TGとを含んでいる。
【0052】
プリンター名表示欄521には、基本情報指定画面500(図3)のプリンター情報入
力欄FPにおいて指定されたプリンター名が表示される。基本情報表示欄TEには、ID
表示欄と、顧客名表示欄とが用意されている。各欄の内容は、図4において説明したもの
と同様である。また、基本情報表示欄TEには、その他必要な情報を表示するための表示
欄を設けることもできる。
【0053】
稼働条件入力部としての稼働条件入力欄TIには、印刷枚数指定欄と、労働日指定欄と
が用意されている。印刷枚数指定欄には、プリンターで1日に印刷される枚数を入力する
。図5の例では、1日の印刷枚数には200枚が指定されている。労働日指定欄には、プ
リンターを1週間のうちに稼働させる日数を入力する。図5の例では、1週間の労働日は
7日が指定されている。さらに、稼働条件入力欄TIには、稼働条件に関するその他の情
報(例えば、1日の労働時間等)を指定するための欄を用意することができる。このよう
に、稼働条件入力欄TIには、プリンターが使用される際の条件である稼働条件を入力す
ることができる。なお、クライアントPC100に最初に消費量表示画面520が表示さ
れる際、稼働条件入力欄TIの上述の各欄には、デフォルト値が予め入力されている。
【0054】
設定入力欄522には、レベル指定欄と、言語指定欄とが用意されている。レベル指定
欄には、消費量表示画面520の表示レベルを指定する。例えば、レベル0の場合は、図
5に示すような基本的な項目のみを表示するものとすることができる。また、レベルを1
、2、3と増加させていく毎に、消費量表示画面520の各欄に表示される項目の数を増
やすことができる。言語指定欄には、消費量表示画面520の表示言語を指定することが
できる。
【0055】
画像表示欄TFには、ベースデータリンク524と、印刷結果予測画像60との表示欄
が用意されている。ベースデータリンク524は、HTMLリンクである。利用者が当該
リンクをクリックすると、別のウィンドウで、ベースデータ(出力対象)となったデータ
ファイル(例えば、bmpファイルの場合は画像、Wordファイルの場合はドキュメン
ト)が表示される。印刷結果予測画像60は、受信データ記憶部340に格納されている
印刷結果予測画像60の縮小画像である。なお、この縮小画像をHTMLリンクとしてお
き、利用者が当該リンクをクリックすると、別のウィンドウで縮小しない大きさの印刷結
果予測画像60を表示するものとしてもよい。
【0056】
このように、画像表示欄TFには、出力対象であるベースデータと、結果予測画像であ
る印刷結果予測画像60とが含まれるため、利用者は、出力対象と結果予測画像とを比較
することができる。この結果、インク消費量計算システム10の利便性を向上させること
ができる。
【0057】
インク寿命予想表示欄TRには、図2のステップS112で計算部314により計算さ
れたインク消費量を示す情報が表示されている。本実施例では、このインク消費量は、1
カートリッジあたりの印刷可能枚数(終了までの枚数/終了間近となるまでの枚数)と、
1カートリッジあたりのインク寿命日数(終了までの日数/終了間近となるまでの日数)
により表現されている。なお、インク消費量を示す情報は、上記に限らず、他の項目(例
えば、1回の印刷に使用するインクの量)により表示するものとしても良い。負荷別イン
ク寿命表示欄TGには、図2のステップS112で計算部314により計算されたインク
消費量を示す別の情報が表示されている。本実施例では、横軸に1日あたりの印刷枚数を
、縦軸に1カートリッジあたりの印刷枚数を表記したグラフとして表示している。なお、
このグラフの曲線には、印刷時間間隔(図4)により定まる、プリンターにおけるクリー
ニングの回数と、フラッシングの回数とが関係している。
【0058】
利用者は、稼働条件入力欄TIの各条件を変更した上で、計算ボタン523を押下する
ことによって、インク消費量計算システム10に対してインク消費量の再計算をさせるこ
とができる。計算ボタン523が押下されると、計算部314は、稼働条件入力欄TIで
指定された稼働条件を受け付け、稼働条件入力欄TIの印刷枚数入力欄と、労働日入力欄
との入力値をもとにして、印刷時間間隔を計算する。なお、印刷時間間隔の計算には、印
刷枚数入力欄と、労働日入力欄との入力値以外の入力値を用いることも可能である。印刷
時間間隔の計算後、計算部314は、送信データ記憶部330の要求データ20に含まれ
るプリンター名と、受信データ記憶部340のショット数データ50に含まれるインクジ
ェットヘッドの往復回数と、計算した印刷時間間隔とを用いて、当該プリンターにおける
クリーニングの回数と、フラッシングの回数とを再計算する。その後、クリーニングの回
数と、フラッシングの回数と、受信データ記憶部340のショット数データ50に含まれ
るヘッドショット数とを用いて、インクの消費量を計算する。
【0059】
インク消費量の計算後、出力部としての画面生成部312は、新しい計算結果に基づく
出力情報を再生成し、クライアントPC100の図示しないディスプレイ上に消費量表示
画面520を再表示させる。この一連の再計算・再表示処理は、計算ボタン523が押下
される度(換言すれば、稼働条件入力部としての稼働条件入力欄TIが稼働条件の入力を
受け付ける度)に行われる。このように、インク消費量計算システム10は、稼働条件の
入力を受け付ける度に、当該稼働条件下におけるインク消費量を再計算する。このため、
利用者は、プリンターが実際に使用される際の条件に沿ったインク消費量を得ることがで
きる。
【0060】
このようにすれば、入力部としての画面生成部312から、出力対象であるベースデー
タの入力を受け付け、インク消費量計算システム10の各部(印刷指示部412、印刷制
御部414、解析部416、計算部314)において処理がなされた後、生成された出力
情報を出力部から出力する。すなわち、利用者は、画面生成部312から出力対象(ベー
スデータ)を入力すれば、出力情報(消費量表示画面520)を得ることができる。この
ため利用者は、プリンターにおいて使用されるインクの消費量の計算結果を簡便かつ迅速
に得ることが可能となる。また、上記構成を採用することにより、インク消費量計算シス
テム10が行うインク消費量の計算処理は、利用者からはブラックボックス化される。こ
のため、例えば、インク消費量の計算処理中に機密情報が含まれる場合であっても、当該
機密情報についてのセキュリティを確保することができる。
【0061】
また、インク消費量計算システム10の印刷制御部414は、複数の異なるプリンター
用のプリンタードライバー415を含んでいる。このため、異なる複数のプリンターにお
けるインク消費量を計算することができ、利便性を向上させることができる。さらに、こ
れら複数のプリンタードライバー415は、バックエンドサーバー400上において集中
的に管理することが可能であるため、例えば、プリンタードライバーのバージョンアップ
対応等のメンテナンス性に優れている。
【0062】
さらに、インク消費量計算システム10では、入力部と、計算部と、出力部とを含むフ
ロントエンドサーバー300と、出力指示部と、吐出制御部と、解析部とを含むバックエ
ンドサーバー400によってインク消費量を計算している。この結果、バックエンドサー
バー400を、例えば内部ネットワークに配置することが可能となり、セキュリティを向
上させることができる。また、利用者は、クライアントPC100に予めインストールさ
れているブラウザを用いてインク消費量計算システム10を利用することができるため、
クライアントPC100に特別なソフトウェア環境を整備しなくてもよく、利便性を向上
させることができる。
【0063】
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における基本情報指定画面500aの一例を示す説明図である。図
3に示す第1実施例との違いは、プリンター情報入力欄FPを備えない点だけであり、後
述する相違点を除く他の構成や動作は第1実施例と同じである。
【0064】
第2実施例では、次へボタン506押下により、画面生成部312は、顧客情報入力欄
FCと、プリントデータ入力欄FSとにより指定された内容を、要求データ20として送
信データ記憶部330へ格納する。
【0065】
図2のステップS206において、印刷制御部414は、印刷制御部414が有する全
てのプリンタードライバー415について、各プリンタードライバー415を用いて、印
刷条件30で指定された条件に従って、ベースデータファイルを印刷するための制御デー
タを生成する。そして、印刷制御部414は、各プリンタードライバー415を用いて生
成された複数の制御データに、どのドライバーにより生成されたか識別可能な情報を付し
た上で、吐出データ40としてメモリー420内に保存する。
【0066】
図2のステップS208において、解析部416は、解析部416が有する全てのプリ
ンター用の解析モジュール417を用いて、吐出データ40に含まれる複数の制御データ
のうち、解析モジュール417と対応する制御データ内の駆動信号を解析する。そして、
ヘッドショット数と、インクジェットヘッドの往復回数とをカウントした上で、どの解析
モジュールにより生成されたか識別可能な情報を付した上で、ショット数データ50とし
てメモリー420内に保存する。また、解析部416は、解析部416が有する全てのプ
リンター用の解析モジュール417を用いて、印刷された結果の予測を示す複数の結果予
測画像を生成する。その後、解析部416は、この複数の結果予測画像にどの解析モジュ
ールにより生成されたか識別可能な情報を付した上で、印刷結果予測画像60としてメモ
リー420へ格納する。
【0067】
図2のステップS112において、計算部314は、全てのプリンターにおけるクリー
ニングの回数と、フラッシングの回数とをそれぞれ個別に計算する。その後、計算部31
4は、クリーニングの回数と、フラッシングの回数と、受信したショット数データ50に
含まれる複数のヘッドショット数とを用いて、各プリンターにおけるインクの消費量をそ
れぞれ計算する。
【0068】
図7は、第2実施例における消費量表示画面520aの一例を示す説明図である。図5
に示した第1実施例との違いは、画像表示欄TFの代わりに画像表示欄TF1を備える点
と、インク寿命予想表示欄TRの代わりにインク寿命予想表示欄TR1を備える点と、負
荷別インク寿命表示欄TGを備えない点のみであり、他の構成や動作は第1実施例と同じ
である。
【0069】
画像表示欄TF1には、ベースデータリンク524と、印刷結果予測画像60との表示
欄に加えて、プリンター名指定欄526が用意されている。プリンター名指定欄526は
、印刷結果予測画像60の表示欄に表示される結果予測画像を選択するための指定欄であ
る。印刷結果予測画像60の表示欄には、プリンター名指定欄526により指定されたプ
リンターに対応する印刷結果予測画像60が画面生成部312により選択され、表示され
る。
【0070】
インク寿命予想表示欄TR1には、図2のステップS112で計算部314により計算
された各プリンターにおけるインクの消費量を示す情報が表示されている。図7のように
第2実施例では、インク消費量計算システム10が取扱可能な全てのプリンターについて
のインク消費量が表示される。
【0071】
このようにすれば、利用者は、インク消費量計算システム10が取扱可能な全てのプリ
ンターについてのインク消費量を一覧で閲覧可能であるため、インク消費量を指針とした
プリンターの比較時における利便性を向上することができる。
【0072】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形
も可能である。
【0073】
C1.変形例1:
上記実施例では、インク消費量計算システム10における装置構成の一例について説明
した。しかし、インク消費量計算装置(またはシステム)の構成は、上記で示した構成に
限られない。例えば、フロントエンドサーバー300とバックエンドサーバー400とを
1台のサーバー装置に搭載することも可能である。また、クライアントPC100は、パ
ーソナルコンピューターであるものとして記載したが、例えば、ネットワークに接続可能
な携帯電話端末等でも良い。
【0074】
C2.変形例2:
上記実施例では、インク消費量計算システム10においてクライアントPC100に表
示される入出力画面(基本情報指定画面500、印刷条件指定画面510、消費量表示画
面520)の一例を示した。しかし、これらの画面はあくまで一例であり、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において任意の入出力表示項目を定めることができる。例えば、入出力
項目の項目数を増減することも可能である。また、ドロップダウンリストから選択すると
した項目を、テキストボックスへ直接記述する方式とすることもできる。さらに、基本情
報指定画面において指定されたプリンターの種類に応じて、異なる印刷条件指定画面が表
示されるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0075】
10…インク消費量計算システム、20…要求データ、30…印刷条件、40…吐出
データ、50…ショット数データ、60…印刷結果予測画像、100…クライアントPC
、200…認証サーバー、300…フロントエンドサーバー、310…CPU、312…
画面生成部、314…計算部、320…メモリー、330…送信データ記憶部、340…
受信データ記憶部、400…バックエンドサーバー、410…CPU、412…印刷指示
部、413…アプリケーション、414…印刷制御部、415…プリンタードライバー、
416…解析部、417…解析モジュール、420…メモリー、500…基本情報指定画
面、502…ログアウトボタン、504…参照ボタン、506…ボタン、510…印刷条
件指定画面、512…計算開始ボタン、520…消費量表示画面、521…プリンター名
表示欄、522…設定入力欄、523…計算ボタン、524…ベースデータリンク、52
6…プリンター名指定欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算装置であって

前記液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける入力部と、
前記液体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データを生成する吐出制
御部と、
前記吐出データを解析する解析部と、
前記解析部により得られた情報を用いて、前記液体吐出装置を用いて前記出力対象を出
力した場合における液体の消費量を計算する計算部と、
前記計算部により得られた情報を通知するための出力情報を生成し出力する出力部と、
を備える、液体消費量計算装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体消費量計算装置であって、
前記吐出制御部は、
複数の異なる前記液体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データを出
力することが可能であり、
前記解析部は、
前記吐出データを出力する際に使用された前記液体吐出装置に対応した解析方法を用い
て前記吐出データを解析する、液体消費量計算装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液体消費量計算装置であって、
前記入力部は、さらに、
前記液体吐出装置において前記出力対象が形成される際に用いられる条件である出力条
件の入力を受け付け、
前記吐出制御部は、
前記液体吐出装置において、前記出力条件に従って前記出力対象を形成するための吐出
データを生成する、液体消費量計算装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、さらに、
前記液体吐出装置が使用される際の条件である稼働条件の入力を受け付ける稼働条件入
力部を備え、
前記計算部は、
前記稼働条件入力部が前記稼働条件の入力を受け付ける度に、前記解析部により得られ
た情報を用いて、前記稼働条件下で前記液体吐出装置を用いて前記出力対象を出力した場
合における液体の消費量を再計算し、
前記出力部は、
前記再計算により得られた情報を通知するための情報を再生成する、液体消費量計算装
置。
【請求項5】
請求項4記載の液体消費量計算装置であって、
前記液体吐出装置は、往復移動しながら液体を吐出する液体吐出部を備えるものであり

前記稼働条件には、少なくとも、
前記液体吐出装置において出力が実行される時間間隔を決定することが可能な情報が含
まれ、
前記解析部は、
前記吐出データを解析することにより、前記出力対象を形成するために要する前記液体
吐出装置の液体吐出部の往復数および液体吐出回数を計算し、
前記計算部は、
前記液体吐出部の往復数および前記時間間隔により決定されるクリーニングおよびフラ
ッシングの回数と、前記液体吐出回数とをもとにして前記液体の消費量を計算する、液体
消費量計算装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、さらに、
前記吐出制御部に前記出力対象の吐出データの生成を指示する出力指示部を備える、液
体消費量計算装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項記載の液体消費量計算装置であって、
前記出力情報には、
前記出力対象と、
前記出力対象を前記液体吐出装置において形成した結果の予測を示す結果予測画像と、
が含まれる、液体消費量計算装置。
【請求項8】
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算システムであ
って、
第1の装置と、
第2の装置と、
を備え、
前記第1の装置は、
前記液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける入力部と、
前記液体吐出装置を用いて前記出力対象を出力した場合における液体の消費量を計算す
る計算部と、
前記計算部により得られた情報を通知するための出力情報を生成し出力する出力部と、
を含み、
前記第2の装置は、
前記液体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データの生成を指示する
出力指示部と、
前記出力指示部からの指示に基づき、前記吐出データを生成する吐出制御部と、
前記吐出データを解析する解析部と、
を含み、
前記入力部は、前記出力対象を前記出力制御部に送信するとともに前記第2の装置にお
ける処理の開始を要求し、
前記解析部は、前記吐出データの解析後、解析結果を前記第1の装置へ送信し、
前記解析結果を受信した前記計算部は、前記解析結果を用いて、前記液体の消費量を計
算する、液体消費量計算システム。
【請求項9】
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算する液体消費量計算方法であって

(a)前記液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける工程と、
(b)前記液体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データを生成する
工程と、
(c)前記吐出データを解析する工程と、
(d)前記工程(c)により得られた情報を用いて、前記液体吐出装置を用いて前記出
力対象を出力した場合における液体の消費量を計算する工程と、
(e)前記工程(d)により得られた情報を通知するための出力情報を生成し出力する
工程と、
を備える、液体消費量計算方法。
【請求項10】
液体吐出装置において使用される液体の消費量を計算するためのコンピュータープログ
ラムであって、
前記液体吐出装置で形成される出力対象の入力を受け付ける入力機能と、
前記液体吐出装置において前記出力対象を形成するための吐出データを生成する吐出制
御機能と、
前記吐出データを解析する解析機能と、
前記解析機能により得られた情報を用いて、前記液体吐出装置を用いて前記出力対象を
出力した場合における液体の消費量を計算する計算機能と、
前記計算機能により得られた情報を通知するための出力情報を生成し出力する出力機能
と、
を備える、コンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−31564(P2011−31564A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182188(P2009−182188)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】