液体混合装置
装置(1)は、少なくとも一つの液体第一成分及び一つの液状、粘性又は粉状の第二成分(K1、K2、…)を混合する役目を果たし、前記第1成分及び前記第2成分は、混合容器(10)の混合槽(100)内に供給可能であるとともに、混合プロセスが実施された後に混合物(MP)の形で前記混合槽(100)から再度取り出すことができる。本発明によれば、混合容器(10)は内蔵型環状管システムであり、内部空間は混合槽(100)を形成し、混合物(MP)が運搬要素(77、77’)によって前記混合槽内を循環的に移動し、成分(K1、K2、…)を供給する複数の密閉可能な供給開口部(101、102、…)及び混合物(MP)の取り出しのための少なくとも一つの密閉可能な排出開口部(109)が混合容器(10)に設けられている。前記装置は反応性成分の混合に適する。とりわけ、この装置は水性シランの生産に適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の液体第一成分と少なくとも一つの他の液体又は非液体成分とを混合する装置に関する。本発明はとりわけ、使用後に洗浄され、すべての要素とともに再利用される混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二つもしくはそれ以上の成分を混合することにより完全に又は一部混合された生成物を得る混合装置は、例えば接着剤産業など、様々な産業部門において用いられている。
【0003】
混合物の度重なる分割によって混合をもたらす静的ミキサー、及び混合物が可動要素によって繰り返し分割もしくは流動化される動的ミキサーが知られている。
【0004】
駆動素子がない静的ミキサー(例として、特許文献1を参照)は、特に低粘性物質の混合に適する。
【0005】
特許文献2では、固体を液体と混合することが可能な静的ミキサーについて開示している。混合する成分が静的ミキサーを通過した後、混合物が生成され、その他の混合装置を用いない限り、全面的な混合は改善されない。所望の混合比を達成する為には、供給成分の流量も正確に調整しなければならない。
【0006】
特許文献3では、とりわけ建築資材要素を混合するのに適している他の静的ミキサーについて開示している。この静的ミキサーにおいて、水分などの液体成分は、流れ方向にまず分岐箇所、続いて収束箇所を有する管要素を通過する。管要素の分岐箇所は、混合する他の液体成分又は例えば粉末などの固体成分を供給するフィード系統と連結している。したがって、この混合装置はとりわけ単純な設計であるが、様々な用途に必要となる、成分の十分な均一混合を可能としていない。
【0007】
特許文献4及び特許文献5では、液体を混合する役目を果たし、かつ混合槽を含有する動的ミキサーについて開示しており、この混合層の中では駆動軸によって支えられている混合要素が移動する。特許文献6では、容器内にあり、かつ液体が磁気攪拌子によって十分に混合される混合ポケットを含有する動的ミキサーについて開示している。このような大容量混合装置の場合、比較的長時間の混合後にのみ十分に申し分のない混合が達成される。
【0008】
特許文献6によると、混合成分の汚染を防ぐために、混合物と接する混合装置部品を混合装置稼動前に十分洗浄する必要がある。これは、特許文献4及び特許文献5に記載の混合装置及び実質的に閉鎖された混合槽を有する混合装置の場合、ほぼ不可能である。特許文献6に開示された混合装置では、洗浄が比較的容易である。しかしながら、混合ポケットを使用するため、混合装置全体の設計は相当複雑である。
【0009】
複数の成分を混合する際、これら成分の正確な計量はさらに重要であり、前記装置の場合、比較的複雑な計量手段及び/又は計量装置を用いた場合のみ可能である。
【0010】
さらに、前記混合装置は機動的に使用することはほとんどできない。それ故、これらの混合装置は、例えば足場などの暴露面でほとんど使用することはできない。
【0011】
さらに、前記混合装置の保管及び輸送に比較的な大きな空間を要する。
【0012】
反応性成分を利用する場合、手順はオリゴマーの生成を防ぐべく高希釈度で実施され、例えば激しく攪拌された高希釈成分を同様に高希釈の第二成分にゆっくり滴下することで成される。しかしながら、このような手法では所望の物質を低濃度でのみ合成することが可能でなり、したがって例えば溶媒を蒸留によってさらに何度も濃縮する必要性が生じ、さらなる付加労力及びその結果、製品費用の増大を伴う。
【特許文献1】国際公開第02/32562号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4191480号明細書
【特許文献3】米国特許第4264212号明細書
【特許文献4】米国特許第5240327号明細書
【特許文献5】米国特許第6024481号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0190372号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、冒頭に述べた種の改良型混合装置に関するものである。
【0014】
とりわけ、本発明に係る混合装置は二つもしくはそれ以上の成分を容易かつ正確に計量することができ、使用者が特定できる程度に前記成分を迅速かつ均一に混合されるようにするべきである。
【0015】
さらに、本発明に係る混合装置は、単純な設計を有するべきであり、経済的に製造でき、及び機動的に利用ができることが望ましく、わずかな労力により容易に操作、洗浄及び保守できることが好ましい。コンパクトで、容易に輸送でき、とりわけ可搬な装置が実現可能である。
【0016】
さらに、本発明に係る混合装置は、保管及び輸送においてごくわずかな空間を占有するべきである。
【0017】
本発明において、前述の目的は請求項1の特徴により達成できる。本発明の係るその他の有利な形態は下位クレームより明らかである。
【0018】
本発明に係る装置は、液体第一成分と少なくとも一つの液状、粘性又は粉状の他の成分とを混合する役目を果たし、これら第1成分と他の成分とは、混合容器の混合槽に供給可能であり、混合プロセス実施後は混合物の形で前記混合槽から再度取り出すことができる。
【0019】
本明細書において、呼称“混合物”(“MP”と略記)は、成分K1、K2及び随意の他の成分K3、K4、…などの混合によって得られた生成物を意味する。特に、前記混合物はこれらの成分の混合により生じた反応生成物も備える。
【0020】
本発明によると、混合容器は内蔵型、好ましくは環状の管システムであり、内部は混合槽を形成し、混合物は運搬要素によって循環的に前記混合槽を移動する。
【0021】
混合容器は、混合する成分を供給可能な複数の供給開口部(inlet opening)を備える。さらに、混合物を排出可能な排出開口部(outlet opening)を少なくとも一つ備える。供給開口部及び排出開口部、さらに随意に備えたオーバーフロー開口部は、手動又は自動で、機械的又は電気機械的作動弁により閉じることができる。例えば、従来の栓又は制御装置によって作動する電気機械的作動弁を排出開口部に備えることができる。供給弁は、密閉要素を有する排出開口部を備えることができ、前記密閉要素は前記開口部に対して配置されており、復元性を有するか、又は前記開口部に弾性的に押し付けられている。前記密閉要素は、成分を供給する際の圧力によって移動し、その結果、成分は出口開口部を通じて混合槽内に流れ込むことはできるが、その一方、逆流が防がれる。供給開口部に、二つの弁を割り当てることができ、そのうち第一の弁は成分供給を制御し、続く第二の弁は単に混合物の逆流を防ぐ。
【0022】
本発明に係る混合装置は、混合する成分を計量する種々のとりわけシンプルな実行可能性を示し、その結果による成分の充填物は混合槽内を混合物が循環するために欠かせないものである。本発明における利点は、一つ又はそれ以上の成分の僅かな体積分率が第一成分の中に供給される際、特に明白である。成分を計量する主な手法を以下に示す。
【0023】
例えば、混合槽に部分的に第一成分が充填された後、その他の成分が供給される。成分が添加される前には、例えば重量測定法又は容積測定法の手法によって、もしくは成分添加中においては例えば計量装置など、混合槽の充填量を制御することによって、計量を遂げることが可能である。測定装置又はピストン計量、任意でピストンポンプを用いた、制御された方法で成分を供給する計量槽の利用、及びこれに続く混合槽に移動することは可能である。
【0024】
しかしながら、好ましくは混合槽が完全に第一成分で満たされた後、前記混合槽の容積を変化、又は第一成分のある一定の体積分率を混合槽から取り除き、供給可能となった容積を他の一つの成分で満たす。この場合、混合槽自体が計量装置としての機能を果たし、その他の成分を計量するための装置はさらに一つのみしか必要とならない。例えば、混合層内に計量本体、計量ネジ又は計量シリンダーを備え、好ましい体積分率を作り出すために必要程度まで後方に押し出すことが可能である。排出弁又はオーバーフロー弁を通じて第一成分の相当する体積分率を取り込む容器を用いることは可能である。容器内の充填量レベルを検出及び拡張容器の供給開口部を閉じることにより弁を制御する、制御装置に対応する電気信号を出力する計量センサーを用いることも可能である。
【0025】
計量槽を有する計量本体の使用は特に好適である。当該計量槽は、第二又は他の成分で満たされた後に第一成分で満たされた混合槽に移動され、当該混合槽において前記計量槽は第一成分について検知され、前記混合槽を循環する。
【0026】
前述のように、混合槽自体は既知容積を有することから計量装置として利用することができる。混合槽の好ましい容積を得る為に、特に管要素及び接続装置などの様々な要素から混合容器を構築することが可能となった。例えば、一方を他方へ押し込むなど、望む容積を構築することができる調節可能な管要素の利用がさらに考えられる。
【0027】
本発明に係る混合装置は、互いに連結することができ、好ましくは混合物を好ましい容量製造できるよう様々なサイズを備え、複数の管システム部品を備えた一体型設計又はモジュール設計を有することが可能である。角型要素(angle elements)及び直管型要素(straight tube elements)を備えることが好ましい。直管型要素は、供給開口部、排出開口部及び/又はオーバーフロー開口部、随意に計量本体、静的ミキサー及び/又は運搬要素を特に容易に備えることができる。混合装置のすべての本質的な機能要素を備え、閉じた、環状の混合槽が形成されるように、柔軟なホース様であるか、又は堅いか、又は堅い弾力性のある管のような補助的構成要素と連結することが出来る単一の管部分を用いることは、特に好都合である。
【0028】
管システム部分を連結するために、好ましくは、例えば、真直ぐな管要素にねじ込むことができる環状フランジが設けられる。混合装置使用後、当該装置は容易に分解、洗浄及び小さな収容スペースに保管及び輸送することができる。真直ぐな管要素が複数設けられた場合、一方を他方の中に押し込むことができるように異なる直径で設けられることが好ましい。そのうえ混合槽容積を調節することができるベローズ形要素などの伸長可能管要素の利用も可能である。
【0029】
混合物の運搬及び循環に用いられる運搬要素は、様々な構造及び様々な方法で駆動することができる。当該運搬要素は、混合槽の中もしくは外に配置することが可能である。
【0030】
一実施形態では、蠕動ポンプの形の運搬要素は、少なくとも蠕動ポンプの領域において弾性を有する管システムの領域にかかる蠕動力によって外から作用する。蠕動力は、通常回転ローラーで管システムに伝達され、この管システムはここでは一般的にホースの形である。結果として、管は圧縮される。流れ方向のローラーの動きを受けて、混合物は流れの方向に進められる。蠕動力の除去による管の緩和後、管内部の横断面は再び増加し、よって、この領域の中の混合物が流れ方向に流れ続けることができる。
【0031】
好ましい構成においては、例えばネジ又はプロペラの形状を有する運搬要素は、シャフトによって回転自在に保持されており、シャフトの回転又は運搬要素に及ぼす直接的磁気作用によって回転できるようにされている。例えば、運搬要素に強固に結合しているシャフトは、手動又は電気モーターによって回転することができる。さらに、運搬要素は混合物を運搬するために、軸方向前後に動かすことができる。この目的のために、運搬要素は、例えばジョイントによって支えられた動作方向の機能として開閉するウィング又はバケツ要素を備える。
【0032】
さらに、前記運搬要素に永久磁石を備えることができ、この永久磁石に外部磁場が作用することで混合槽内の運搬要素を回転させる、又は該運搬要素を前後に動かすことができる。したがって、前記混合槽には機械的介入はなく、それ故に対応する装置部品及びシール要素は省略されている。
【0033】
外部磁場は、駆動装置のコイル又は好ましくは環状に混合装置を取り囲む磁石ホルダー上に配置される永久磁石によって発生することができる。外部磁場の回転、置換又は切り替えによって、例えばコイル又は駆動装置の電流変化もしくは磁気ホルダーを置換又は回転することによって、運搬要素を相応して動かすことができる。
【0034】
運搬要素は、好ましくは、混合物の運搬のみならず、完全に混合する役目を果たす。成分が望むべき徹底的な混合を成し遂げるまで、混合物を循環することができる。対応して設計された運搬要素は混合物の全流動を検出及び流体化することができることから、特に効率的な混合プロセスが実現可能である。
【0035】
運搬要素は、供給する成分を流体化及び混合する動的ミキサーとしての機能を成し遂げることができる。混合物の実質的な層流運搬を成すことも当然ながら可能である。これは、例えば、成分の特性が上記を必要とする、及び/又は混合槽が少なくとも一つの静的ミキサーを備え、混合物が混合プロセス途中に循環して通過する場合に、試みられる。しかしながら、本発明に係る混合装置は、動的及び静的ミキサーとして同時に作動し、最適効率を成し遂げることが好ましい。
【0036】
混合プロセスの終了及び排出開口部を開いた後、混合槽の迅速かつ完全な排出には、ガス状媒体、とりわけ空気又は窒素などの不活性ガスを供給開口部のうちの一つを通じて供給することができ、前記混合物はガス状媒体の圧力によって排出開口部より排出される。同様に、最終混合生成物にも適用できる。
【0037】
混合容器又はその要素は、随意にプラスチックや金属などの被膜された物質を含有し、混合する成分及び結果として生じる混合物について不活性であることが好ましい。
【0038】
混合容器の形状寸法は、種々選択することができる。例えば、混合容器は円形又は長方形であってもよい。混合槽及び混合槽の突出部分のすべての箇所が完全に同一平面とされ、とりわけ循環が生じない箇所又は不十分に循環が行われている箇所が生じないよう、混合容器の形状寸法は有利に選択するべきである。
【0039】
装置の操作は、完全に手動又は部分的もしくは完全に自動化された方法で成し遂げることができる。
【0040】
前記装置は非常にコンパクトに成り得て、長さ、幅及び高さが2m未満の寸法、とりわけ1m未満の寸法で実現することができる。このような装置は、軽量、すなわち容易に輸送、とりわけ携帯型(すなわち30kg未満、とりわけ20kg未満、好ましくは10kg未満)に造ることもできる。
【0041】
本発明に係る装置は、とりわけ反応性成分を混合するのに用いることができることを見出した。特に、成分K2と成分K1との反応もしくは成分K1の影響下、成分K2同士が反応する場合に適している。前記装置は、とりわけ成分K1が水分もしくは水分を含有し、成分K2がシランもしくはシランを含有する、水性シランを生成するのに適していることを示した。この手法により、望ましくない比較的高分子量のオリゴマー又は反応生成物の生成を防ぐもしくは少なくとも大いに減らせることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に、本発明に基づく実施例が図面を参照してさらに詳細な説明がされている。同一要素には、様々な図にて同じ参照番号が用いられている。本発明において直接理解するために必要不可欠な要素のみが記載されている。媒体の流れ方向及び回転方向は矢印で示してある。
【0043】
図1は、本発明に係る混合装置1を示し、この混合装置1は単純に設計された環状の混合容器10を備え、該容器の内部は運搬要素7によって混合物MPが循環的に移動可能な混合槽100を構成する。混合容器10の上部には、密閉可能な複数の供給開口部101、102、103、104が設けられ、混合する成分K1、K2、K3及びK4が供給注入系統91、92、93及び94で運ばれ、前記供給開口部を通って混合槽100に供給される。最終混合生成物MPが排出ライン99中へ出現する、密閉可能な排出開口部109が底部に設けられている。
【0044】
供給開口部101、102、103は、成分K1、K2、K3、K4の供給注入系統91、92、93、94に混合物MPの逆流を防ぐべく逆止弁51、52、53を備える。さらに、通気路5001を有する通気ネジ5000は、開口部1050に設けられ、混合する成分K1、K2を供給する際、空気は混合槽100から前記開口部を経て放出される。排出開口部109は、手動操作弁又は栓によって閉じられ、単純な設計上、車輪590によって回転可能及び排出溝へ回転可能な通路591を有する回転可能な軸で構成される。
【0045】
この特に単純な設計の混合装置1では、成分K1、K2、…は加圧下、混合槽1へ供給することが可能であり、駆動装置を作動させ全体的に混合した後、排出弁59及び排出ライン99を経て混合物MPとして取り出される。当然ながら、環状混合容器10は他の望ましい形状、例えば円形、長円形、又は楕円形の形状を有することができる。
【0046】
図1aは、逆止弁53の構造を示し、軸方向の穴と、弾性要素又は差込要素504に基づく金属バネ5033によって押し上げられた球5034によって閉じることが可能な排出開口部501とを含む弁本体500を備える。
【0047】
図2は、図1の混合装置1を示し、この混合装置1は、二箇所据え付け、及び回転腕750によって手動駆動することが可能なシャフト75によって支えている運搬要素7’’用の手動操作の機械駆動装置75、750を有する。
【0048】
図2はさらに、混合槽100に成分K1、K2を供給することが可能な、好ましい構造を有する弁51、52を示す図である。様々な弁は勿論例示の目的のためのみである。通常、出来る限り標準の弁が用いられる。
【0049】
図2aは、弁本体500が、弾性管5031で囲まれた排出開口部501を設けられた弁51を示す図であり、弾性管5031は、供給された第一成分K1による圧力で排出開口部501を開き、次いで、混合物MPが系統91に侵入しないよう再度排出開口部501を閉じる。
【0050】
図2bは、弁本体500が延伸性排出開口部50321を有する弾性キャップ5032で囲まれた、弁52を示す図であり、延伸性排出開口部50321は、供給された第二成分K2による圧力で拡幅され、前記第二成分が通り抜け、ついで混合物MPが系統91に侵入しないよう再度閉じることを可能としている。
【0051】
図3は、運搬要素7’’用の電気式駆動装置70を備えた、図1の混合装置1を示す図である。運搬要素7’’を備えたシャフト75は、スイッチ79のスイッチを入れたり切ったりすることできる電動機70によって駆動される。好ましくは、シャフト75は、軸受要素76によって混合槽100内部に据え付けられ、よって前記シャフトは混合容器10の一表面からのみ現れ、当該箇所にはシール要素が設けられなければならない。
【0052】
図3はさらに、混合槽100の(自由)容積を調整可能とする計量本体81A、81Bなどの計量装置及び成分K1が計量され送り出すことができる拡張容器8を示す図である。充填量のレベルを正確に示すことができるレベル指示器4もさらに示されている。
【0053】
液体第一成分K1及び液状の粘性もしくは粉状の第二成分の二成分の混合は、後述のように図3の混合装置1によって行われる。
【0054】
第一に、混合される成分K1、K2は、計量された状態で混合槽100内に投入し、混合することができる。これは従来の重量測定法又は容積測定法の計量により行うことができ、周知の作業で可能ある。代替的に、充填レベルはレベル指示器4の目盛が刻まれたスケール40に示され、第二成分K2は適切に計算された充填レベルに到達するまで供給することができる。
【0055】
しかしながら、当初から既知容量を有する混合槽100が、例えば水分などの第一成分K1で完全に満たされている場合、本発明に係る混合装置1によって上述した作業を実質的に回避することができる。第二成分K2の空間は続いて混合槽100の内に作成される。例えば、ある一定の容積の第一成分K1が手動操作弁55を通って第一拡張容器8に取り出されるか、もしくは排出開口部より排出される。代替的に、計量ネジ81Aもしくはピストン81Bを、第二成分K2を対象とした体積分率が放出されるまで混合容器10から外す、もしくは引き抜くことができる。利用できるようになった容積に空気が流れ込むことが出来ない場合、生じた吸引力によって第二成分K2は自動的に混合槽100内へ吸引される。例として計量ネジ81Aの1回転毎に5mlの第二成分K2が正確に混合槽100へ供給される。
【0056】
計量は、供給弁51、52、53、計量ネジ81A及び圧力除去弁510を備えた、図4に示す混合装置1を用いることでとりわけ簡単に成し遂げることができる。供給弁51、52、53への供給系統又はこれら供給弁自体を閉鎖装置910、920、930によって閉じることが出来る。第一段階では、混合槽100は第一閉鎖装置910を開いてから圧力除去弁510から出るまで、すなわち混合槽100が第一成分K1で完全に満たされるまで、第一成分K1(例えば水など)で満たされる。第二段階では、第一閉鎖装置910を再度閉じて第二閉鎖装置920を開き、計量ネジ81Aを混合槽100から外へn回転回す事で、相当する容積の第二成分K2が混合槽100内に自動的に吸引される。第三段階では、第二閉鎖装置920を再度閉じ、第三閉鎖装置930を開き、計量ネジ81Aを混合槽100から外へm回転回す事で、相当する容積の第三成分K3が混合槽100内に自動的に吸引される。第二成分K2以降のさらなる成分が継続的に混合されるよう、第一成分K1供給後に駆動装置を作動させることが好ましい。
【0057】
ここで、混合物MPは望む度合いの混合が生じるまで混合槽内を循環させる。このようにして、望む混合の度合いが高効率かつ最短時間で達成されるように、全混合物MPは毎回混合過程において含まれる。
【0058】
混合プロセス後、排出開口部109又は排出弁59が開かれ、出来上がった混合物MPは混合槽100より取り出される。混合物MPの排出もしくは放出は、空気など、ガス状媒質Lの圧力の作用下で成され、例えば供給開口部の一つを通じて(図1、弁54を参照)、混合槽100へ供給される。ガス状媒質Lの圧力下、混合槽100から出現した混合物MPは、一時的に蓄えられるか、又は即時適用することができる。
【0059】
図5a、5b、及び5cは、計量槽1000内の第二成分K2を任意の容量提供することを可能にする計量装置を示す。
【0060】
図5aでは、成分K2は計量槽1000に供給され、充填レベルが浮きによって保持された目盛り付き棒4を用いて計測されることを示す。充填量が望むレベルに到達した後、計量した成分K2は弁53dを通って計量槽1000内に送り込まれる空気により接続系統92を経て混合槽100内に移動する。場合によって、基重量法による移動も可能である。
【0061】
図5bでは、計量槽1000よりある程度まで計量ピストン81Bを移動することで、成分K2が弁52dを通じて前記計量槽内に吸引されることを示す。図5cでは、計量ピストン81Bを戻し、その結果、弁52dは閉じ、計量した成分K2は接続系統92を経て混合槽100内に移動すること示す。
【0062】
図6は、供給系統92、900、901及びシャフト32によって回転可能に据え付けられた計量ドラム3を有するドラム槽1030を備えた計量装置を示す図である。計量ドラム3は、例えばシャフト32の回転によって混合槽100(図6に示す)の中へ回転可能な複数個の計量槽31を備える。この構成では、ドラム槽1030は混合容器10の一体の部分であり、境界面1035、1036に供給及び排出開口部102のみを有し、この供給及び排出開口部102を通じて、ドラムが特定の位置にある時、媒質を計量槽31へ、又は計量槽31から移動することができる、。境界面1035、1036及び随意に備えたシール要素は、供給する媒体を計量槽31にのみ供給でき、混合物MPが混合槽100から浮上することはできないことを確実にする。一つもしくはそれ以上の計量槽31の使用が可能である。
【0063】
図6の計量装置は以下のとおり機能する。第一の位置において、計量槽31の一つが第一供給系統900及び排出系統900’に接続され、これら第一供給系統900及び排出系統900’を通じて、計量槽31を空にして洗い流すために、洗浄成分、随意に空気が供給される。任意に設けられた第二の位置において、計量槽31は第二供給系統901に接続され、この第二供給系統901を通じて、ガス状媒質L、随意に空気又は窒素が計量槽31を乾燥するために供給される。第三の位置において、計量槽31は成分K2を運ぶ供給系統92に接続され、前記成分K2は、混合され、計量槽31にのみに供給されるか、もしくは供給系統92を通じて排出系統92’に送り込まれる。さらに、計量槽31は混合槽100内へ回転移動し、第一成分によって洗い流される。その後、第一成分K1を満たした計量槽31は、さらに第一の位置へ回転移動し、計量槽31より第一成分K1が排出される。計量槽31の充填及び排出操作は、全計量を成し遂げるまで実行される。複数個の計量槽31が設けられている場合、記載されている一連の過程は個々の計量槽31について、計量ドラム3が一回転する間に連続して行われる。当然ながら、その他の成分を収容する第四ならびにそれ以上の位置を備えることも可能である。また、全成分を同じ系統92を通じて連続して供給することも可能である。
【0064】
計量ドラム3を有する装置は、例えば制御された電気モーターを用いて計量ドラム3のシャフト32を駆動することによって有利にオートメーション化することができる。
【0065】
計量ドラム3を手動で把持し、回転させるためには、ドラム槽1030は開口部を備えることもできるが、端部でシールされるべきである。
【0066】
図6aは、三つの排出系統900’、901’、92’を備えた、図5の計量装置を示す図である。例えば、系統900、900’、901、901’及び92、92’は、それぞれ閉じた循環の一部と成り得る。
【0067】
図6bは、混合槽100にて収容された液体が除去される、ただ一つの排出系統900’を備えた、図5の計量装置を示す図である。他方で、第二系統901より供給された空気は、開口部10361を通り抜けて周囲に放出される。第三の位置では、計量槽31は一方の側が境界面1036によって塞がれている。
【0068】
環状の混合容器10は、一つ又はそれ以上の部品から構成することができる。図7は、第一管要素111が様々な第二管要素112と連結要素110を介して連結された、図1の混合装置1を示す図である。例えば、ホース様の柔軟な第二管要素112Aは、第一管要素111と連結することができる。さらに、金属又はプラスチック製の、大きさの異なる管要素112B、112Cを用いることにより、混合槽100の一定の容積を構築することが可能である。管要素111、112は、例えばベロー形要素1120Cを用いることにより、拡張できたり、またさもなければ調節することも可能である。さらに、互いに連結され、内径及び外径が互いに合うように調整でき、端部に容易に螺合できるように内部及び外部のねじ山が互いに対応する、管要素を用いることができる。個々の応用においては、管要素の片方をもう一方に押し込むことで十分であり、種々の方法で混合槽100の容積を調整することが可能である。
【0069】
弾性管要素111、112の使用は、供給する成分K1、K2、K3、…の圧力により混合槽100の規定拡大をさらに可能とする。圧力下では、例えば弾性を有するベロー形要素1120Cは、必要に応じて膨張する。それ故に混合容器10は、混合プロセス開始以前に混合槽100の容積を速やかに一定値に設定でき、及び/又は混合プロセス中に、供給する成分K1、K2、K3の圧力により容積を一定値に可変的に調整できる、といった方法で設計することが可能である。ホース様の弾性管要素112Aは、例えばある一定容積で供給される第一成分K1による加圧により拡大可能となった後、加圧下で所定量の第二成分K2が供給され、その結果、弾性管要素112Aのさらなる膨張が生じる。
【0070】
図7に示す混合装置1は、第1の間要素111の出口、及び供給バルブ51,52に、任意に静的混合機を設けられており、この混合機によって混合性生物MPは流動化されるか、又は実質的に部分的な層流に分けられ、これら層流は、混合層100の第1の断面部分から第2の断面部分へと個々に移動される。
流動化は好都合である。静的ミキサー2を用いることにより、混合プロセスをさらに加速することが可能となる。
【0071】
図7に示す混合装置が使用された後、混合容器10を構成する部品111、112は分解、問題なく洗浄、そしてコンパクトに保管することが可能である。
【0072】
図8は、機械的逆止弁51、52,53と結合した電気制御弁51’、52’、53’を備えた、図1の混合装置1を示す図である。例えば、第一成分K1充填時に空気が弁54’を通じて逃げられるよう、空気Lを供給する電気制御弁54’のみが逆止弁と結合していない。任意に液体の容器への移動を可能とする電気制御オーバーフロー弁55’を備えることができる。制御弁51’、52’、…、54’は、制御装置6と制御系統61、62、…、64とで接続され、好ましくは、前記制御装置は駆動装置70も制御する。前記装置の制御、とりわけ計量装置の制御は、制御装置6により全自動で実施することができる。このために、例えば拡張容器8の充填レベルの測定及び関連した弁55(図8を参照)の作動手段を用いた計量センサー800(図3を参照)を備えることが好ましい。さらに、混合物MPの温度を測定することが可能であり、随意に加熱要素を制御することも可能である。
【0073】
混合装置1に用いる弁は、例えば空気圧、又は油圧など、他の方法で制御することも可能である。
【0074】
図8の混合装置1は、さらに随意に静的ミキサー2a、2bを備えており、これら静的ミキサー2a、2bは、混合槽100に成分K2及びK3をそれらを通じて供給する弁52,53の出口開口部付近に配置されている。
これにより、混合槽100へ供給後、成分K2及びK3を混合物へ迅速に混合することが可能である。
【0075】
上述のように、シャフト75を中心に、もしくはシャフト75とともに回転出来るように、又はシャフト75に沿って軸方向に変位可能となるように据え付けられた運搬要素7、7’は、磁力で駆動されることが好ましい。
【0076】
図9は、磁気回転子として設計され、シャフト75と磁石を備えた磁石リング72との間に保持され、強固に配置された羽根要素71を備えた、図1の運搬要素7を示す図である。磁気回転子7が回転する間、混合物MPは羽根要素71によって流れの方向に運搬される。磁石リング72に据え付けた磁石は、例えばAlNiCo、SmCo、又はNdFeBから作られる。好ましくは、希土類金属を備える高エネルギー磁石が用いられる。これらの素材は、1立方メートル当たり300kJ以上の高エネルギー製品によって差別化される。それに関して、実用的見地から、とりわけサマリウム−コバルト(SmCo)及びネオジム−鉄−ホウ素(NdFeB)などのランタノイド類の素材が重要である。
【0077】
図9、10、11、及び12に示すように、電気コイル700又は700A、700Bによって、又は外部磁気的支持装置もしくは外部磁気リング7000、7000’によって発生する外部磁場を適用することにより、運搬要素7、7’を作動することができる。
【0078】
図9では、コイル700が回転磁場を発生し、この回転磁場は、磁気ローターの形状であり、その上に永久磁石が交互に位置決めされた運搬要素7が検知、回転させる。
【0079】
図10では、永久磁石を有する外部磁気的支持装置もしくは外部磁気リング7000が、混合容器10の外に設けられ、互いに協調する内部磁気リング72及び外部磁気リング7000の永久磁石の磁場が同じ方向に一列に位置合わせされ、互いに増幅するように磁気ホルダー又は磁気リングが磁気ローター7と結合している。従って、内部磁気リング72及び外部磁気リング7000は互いに強固に結合している。その結果、外部磁気リング7000が手動で、もしくは動力装置によって回転する場合、望ましい磁気リング72の回転も生じ、その後、羽根要素71が混合物MPを流動化させ、混合槽100の中を通って運ばれる。
【0080】
図11は図2の運搬要素7’’を示す図であり、この運搬要素7’’は、軸方向に変位可能となるよう据え付けられており、さらに二つの位置の間を回転できるように軸711によって据え付けられた羽根要素710を備えている。第一の位置では、羽根要素710は折り畳まれておらず、混合物MPを一方の移動方向に運搬する。他方の移動方向では、混合物MPが妨げられることなく通り抜けられるように、羽根要素710は折り畳まれている。代替的に、運搬要素7’には網目要素を設けることができ、この網目要素は、混合物MPとの衝突によって閉じ、混合物MPによって引きずられることで開く、る。このように設計された運搬要素7’がシャフト75に沿って前後に動かされる場合、混合物MPは常に一方向だけに運搬される。この構造では、内部磁石リング72は同じ極軸が配列(N−N−…)した永久磁石を設けられることが好ましい。
【0081】
電流が図11に示すコイル700A、700Bを通じて違う方向に通り抜ける場合、異なった極性の場が生じ、その一方が内部磁石リング72を一つの方向に引き付け、他方は前記内部磁石リングを同方向に反発する。よって、電流を単に切り替えることにより、運搬要素7’は軸方向前後に移動し、混合物MPが運搬される。
【0082】
また図12では、永久磁石を有する外部磁石リング7000’が設けられ、この永久磁石は、運搬要素7’の永久磁石と同様に放射状に同方向に位置合わせされ、その結果、内部磁石リング7’と外部磁石リング7000’との間の結合が得られる。磁石7’、7000’間の結合を向上するために、互いに外方に向いた永久磁石の磁極が密接に結合されることによるヨーク要素7050’、7500がさらに設けられる。したがって、外部磁石リング7000’は常に内部磁石リング72の高さで浮遊し、当該内部磁石リングは外部磁石リング7000’の動きに追随し、よって駆動され得る。外部磁石リング7000’自身は、手動もしくはモーターによって駆動することができる。
【0083】
したがって、運搬要素7又は7’は、外部から作用する磁力によって、混合槽100内の力学的干渉なしに回転もしくは軸方向に移動させることが可能である。混合槽100外部で磁場の形成のために磁気的に強い磁石を用いることは、外部駆動ユニット7を有する運搬要素7、7’の特に有利な非接触結合を可能とし、この外部駆動ユニット7は運搬要素77又は77’を駆動するためにのみエネルギーを消費し、磁場を発生させるためにはエネルギーを消費しないようにする必要がある。
【0084】
図13は、直管型要素111及び付加的に柔軟な、弾力性のある、又は硬質な補助的要素112A又は112Bを有する環状混合装置10を備えた、本発明に係る混合装置1を示す図である。混合装置1のすべての機能要素、すなわち運搬要素7を有する装置7、随意に備えた静的ミキサー2、供給及び排出弁51、52、53、59ならびに計量本体81Aは、直管型要素111内に、又は該要素上に設けられる。本発明に係る混合装置1は、この構造のように非常にコンパクトな設計をすることができる。ホースが補助的要素112Aとして用いられた場合、混合装置1の寸法は保管又は輸送のために直管型要素111の寸法に縮小される。ホースの代わりに、弾力性のある硬いプラスチック管又は軽金属管112Bを用いることもでき、例えば直管型要素111に二つのフランジ要素を用いて連結される。
【0085】
単純な設計と小さな寸法のため、図1から13に示す混合装置1は自由に用いることもできる。混合装置1は、利用する場所へ支障なしに運搬することができ、随意にそこで組み立てられ、利用できる。
【0086】
本発明に係る混合装置1は、好ましい構成で記述、及び示されている。しかしながら、本発明による教訓に基づいて、さらに適格な構造を実現することができる。具体的には、混合槽100を内蔵した混合容器10の別の形状を実現することは可能であるが、この混合容器10は、例えば環状又は円形など、いかなる望ましい形状を有することもかのうである。さらに、さらなる駆動及び制御機構及び言うまでもなくその他の弁を利用することが可能であり、これら弁は、当業者に知られている方法で、混合容器10に例えばねじ込みもしくは溶接によって連結される。さらに、必要に応じて、装置部品の材料を選択することももちろん可能である。
【0087】
前記装置は、液体成分及びさらに少なくとも一つの液体の、粘性がある、もしくは粉末成分(K1、K2、…)を混合するのに適している。
【0088】
とりわけ、上記装置は反応性化合物を混合するのに適している。具体的には、この装置は、液体成分K1に反応性化合物K2を混合するに適しており、反応性化合物K2が液体成分K1と反応するか、もしくは液体成分K1の影響下、反応性化合物K2同士が反応することができる。これらの場合、制御されていない反応を防ぐことが度々大切となる。このような反応は、例えば重合もしくはオリゴマー化反応においてしばしば遭遇ものである。このよう反応において、多くの場合、成分K1内に成分K2を出来る限り低濃度で混合する必要性がある。
【0089】
成分K1の量は、成分K2、K3…よりもとても多いことが好ましい。典型的に、使用したK1の重量と混合物の重量との比は、≧0.5、とりわけ≧0.6、好ましくは≧0.7である。
【0090】
それ故に、例えば、成分K1が過酸化水素又は有機過酸化物の分散、及び成分K2が(メタ)アクリレートの場合、低分子量ポリマー又はオリゴマーが生成される。
【0091】
本発明に係る装置の使用におけるさらなる実例として、ポリイソシアネート及びポリアミン付加体の生成において生じる。成分K1が、例えば化学式H2N−R’−NH2のジアミン、もしくは溶媒に溶解された該化合物の溶液などのポリアミンで、成分2が計量されており、例えば化学式OCN−R’’−NCOのポリイソシアネートで、R’及びR’’がそれぞれ二価の有機原子団の場合、式(I)の付加体を大変効率良く生成することができる。
【0092】
【化1】
【0093】
一方、成分K1が、例えば化学式OCN−R’’−NCOのポリイソシアネートで、成分K2が計量されており、例えば化学式H2N−R’−NH2のジアミン、もしくは溶媒に溶解された該化合物の溶液などのポリアミンで、R’及びR’’がそれぞれ二価の有機原子団の場合、式(II)の付加体を大変効率良く生成することができる。
【0094】
【化2】
【0095】
いずれにしても、高分子量付加体の生成を大幅に減らすことができる。
【0096】
本発明に係る装置の使用におけるさらなる実例として、分子内反応、とりわけ分子内環化を経て得る、分子の生成が挙げられる。成分K2にジオールHO−R’−OH、成分K3にカルボン酸ジクロリドClCO−R’’−COCl、ならびに成分K1に塩基を入れた溶媒の反応で得られる分子内ジエステル(III)が、以下にこの例として図式的に示す。したがって、ポリエステルの生成(IV)(m>>1)は大幅に減らすことが可能である。
【0097】
【化3】
【0098】
本発明に係る装置の使用における好適な例として、シラン水溶液の生成が挙げられる。
【0099】
成分K1が水分もしくは水溶液で、成分2に少なくとも一のシラン及び/又は少なくとも一のチタン酸が計量されている場合、本発明による装置を用いることで、高濃度のシロキサン又はチタン酸塩のオリゴマーによって発生する沈殿又は混濁を生成することなく、均一水溶液を得ることができる。
【0100】
好適な実施形態では、成分K1は水に加えて少なくとも一の酸性物質が含まれる。酸性物質は有機又は無機となり得る。有機酸は、まず、とりわけ蟻酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、及びクエン酸を含む群から選択することができるカルボン酸類、そしてとりわけアスパラギン酸及びグルタミン酸などのアミノ酸がある。pKa値が4から5の酸が好ましい。これらのpKa値のおかげで、これらの酸は本発明への最適条件で、かつ成分K1、K2、…の混合後の結果が、pKa値が3.5から4.5の範囲で優れた緩衝作用を示す。化学者は“pKa”を、酸解離定数Kaの負の常用対数(pKa=−log10Ka)と解することが知られている。
【0101】
酢酸はカルボン酸として好ましい。一方、その他の好ましい有機酸として、硫黄原子もしくはリン原子を含むものがある。前記の有機酸は、とりわけ有機スルホン酸がある。有機スルホン酸は、炭素原子を有する有機原子団であり、少なくとも一の官能基−SO3Hを有する化合物、という意味で解されている。芳香族スルホン酸は、単環式もしくは多環式であり、一もしくはそれ以上のスルホン酸基を与えることができる。これは、例えば、1−もしくは2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、もしくはアルキルベンゼンスルホン酸となり得る。
【0102】
成分K1は、さらなる構成要素を備えることができるが、さらなる成分K3、K4、…として別々に添加することもできる。このような添加剤の例として、溶媒、無機充填剤、触媒及び安定剤、染料又は顔料が挙げられる。
【0103】
とりわけ好適な実施形態では、成分K2は少なくとも一のシランを備える。
【0104】
本明細書において、用語“有機シラン”又は略して“シラン”は、一方では少なくとも一つの加水分解性基、一般に二つもしくは三つの加水分解性基がケイ素原子に直接結合しており、他方では少なくとも一の有機原子団がケイ素原子に直接結合(Si−C結合経由)して、Si−O−Si結合を有さない化合物を意味する。シラン又はそのシラン基は、水分と接触することによって加水分解する性質を有する。有機シラノール類、すなわち、一もしくはそれ以上のシラノール基(Si−OH基)を有する有機ケイ素化合物は、結果として、及びそれに続く縮合反応によって有機シロキサン類、すなわち、一もしくはそれ以上のシロキサン基(Si−O−Si)基を生成する。
【0105】
本明細書において、用語“チタン酸塩”は、一方では少なくとも一の加水分解性基、一般に二もしくは三の、典型的には四つの加水分解性基がチタン原子に直接結合する化合物を意味する。
【0106】
用語“アミノシラン”、“エポキシシラン”、“アルキルシラン”、“(メタ)アクリレートシラン”、“メルカプトシラン”及び“ビニルシラン”は、対応する官能基を含有するシラン、すなわち、ここではアミノアルキルシラン、エポキシアルキルシラン、アルキルシラン、(メタ)アクリルオキシシラン、メルカプトアルキルシラン、及びビニルシランを意味する。
【0107】
好適なシランは、とりわけアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリレートシラン及びアルキルシランである。
【0108】
まず、式(V)のアミノシランは、特にアミノシランとして適している。
【0109】
次に、式(V)のアミノシラン及びアミン反応性化合物(ARC)の反応によって得られた反応生成物は、とりわけアミノシラン、第一級又は第二級アミノ基と反応することができる官能基を少なくとも一つ有するアミン反応性化合物、及び少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を有する式(V)のアミノシランとして適している。
【0110】
【化4】
【0111】
ここで、R1は、1から8個の炭素原子を有するアルキル基で、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0112】
さらに、Xは、加水分解性基で、とりわけOR2基であり、R2は1から5個の炭素原子を有するアルキル基で、メチル基又はエチル基又はイソプロピル基であることが好ましい。R2は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0113】
さらに、R3は、1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基である。R3は、プロピレン基であることが好ましい。
【0114】
さらに、R4は、1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又は式(VI)の置換基である。
【0115】
【化5】
【0116】
さらに、R5は、水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又はさらなるヘテロ原子を含有する1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又は式(VI)の置換基である。
【0117】
【化6】
【0118】
CH2CH2NH2基及びCH2CH2NHCH2CH2NH2基は、1から10個の炭素原子を有し、さらにヘテロ原子R5を含む直鎖状のアルキレン基の、とりわけ有利な基であると考えられる。
【0119】
最後に、指数aは、0、1、もしくは2、とりわけ0もしくは1の値である。aは0であることが好ましい。
【0120】
式(V)のアミノシランの例として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルジメトキシメチルシラン、
アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルジメトキシメチルシラン、
N−シクロヘキシルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−メチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−エチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−プロピルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−ブチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルプロピル)アミン及びケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基もしくはイソプロピルオキシ基を有するこれらの類縁体が挙げられる。
【0121】
式(V)の好ましいアミノシランは、式(VII)、(VIII)及び(IX)のアミノシランを含む群から選択されるアミノシランである。
【0122】
【化7】
【0123】
【化8】
【0124】
【化9】
【0125】
最も好ましい式(V)のアミノシランは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン及びトリス(トリメトキシシリルプロピル)アミンである。
【0126】
一実施形態において、アミノシランは、第一級又は第二級アミノ基を反応することができる官能基を少なくとも一つ含有する化合物(ARC)と、少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を有する、前述の式(V)のアミノシランとの反応生成物である。
【0127】
第一級又は第二級アミノ基と反応することができるこの官能基は、好ましくはエポキシ基である。しかしながら、例えば、イソシアネート基もしくは活性化された二重結合など、その他の基も考えられる。エポキシ基を有するとりわけ好ましい化合物は、エポキシシランである。少なくとも一つの第二級もしくは第一級アミノ基を有し、式(V)のアミノシランと反応することができる好適な化合物(ARC)は、式(X)のエポキシシランである。
【0128】
【化10】
【0129】
ここで、R1’は1から8個の炭素原子を有するアルキル基で、好ましくはメチル基又はエチル基である。R2’は、1から5個の炭素原子を有するアルキル基である。さらに、R3’は、1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基で、a’は0、1、又は2で、とりわけ0もしくは1である。
【0130】
R1’は、とりわけメチル基である。R2’は、メチル基又はエチル基もしくはイソプロピル基であることが好ましい。R2’は、特にメチル基又はエチル基が好ましい。R3’は、プロピレンであることが好ましい。指数a’は、0であることが好ましい。
【0131】
エポキシシランの例として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0132】
好ましいエポキシシランは、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。最も好ましいエポキシシランは、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0133】
反応生成物に使用される式(V)のアミノシランは、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、好ましくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに加え、特に式(VII)又は(VIII)のアミノシラン、とりわけ3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンを含む。3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンが好ましい。
【0134】
式(V)のアミノシラン及びアミン反応性化合物(ARC)の化学量論に応じて、反応生成物は第一級又は第二級アミノ基を有することも有しないこともあり得る。
【0135】
かかる反応生成物の一例として、式(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)及び(XVI)の化合物が挙げられる。
【0136】
式(XI)、(XII)及び(XIII)の化合物は、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0137】
【化11】
【0138】
【化12】
【0139】
【化13】
【0140】
式(XIV)及び(XV)の化合物は、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0141】
【化14】
【0142】
【化15】
【0143】
式(XVI)の化合物は、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0144】
【化16】
【0145】
当然ながら、環形成反応及びトランスエステル化反応から得られる、さらなる分子間及び分子内反応生成物も可能である。
【0146】
活性化された二重結合を有するアミン反応性化合物(ARC)の例として、例えば、α,β−不飽和化合物、とりわけマレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、桂皮酸エステル、イタコン酸ジエステル、ビニルホスホン酸ジエステル、ビニルスルホン酸アリールエステル、ビニルスルホン、ビニルニトリル、1−ニトロエチレン又は、例えばマロン酸ジエステルとホルムアルデヒド、アセトアルデヒドもしくはベンズアルデヒドなどのアルデヒドとのクネーフェナーゲル縮合体が挙げられる。この種のアミン反応性化合物は、二重結合にアミンが付加したマイケル付加体を生成する。この種の反応生成物の例として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン又はアミノメチルジメトキシメチルシランと、ジメチル、ジエチル又はジブチルマレート、テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ヘキシル、ラウリル、ステアリル、2−ヒドロキシエチル又は3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチル、ジエチル又はジブチルホスホネート、アクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、フマロニトリルもしくはβ−ニトロスチレンとのマイケル付加体、及びケイ素上にメトキシ基の代わりにエトキシ基を有する前記アミノシランの類縁体が挙げられる。とりわけ、ジエチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートについて挙げられる。
【0147】
イソシアネート基を有するアミン反応性化合物の例として、イソシアナトシラン又はポリイソシアネートが挙げられる。3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン及び3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランは、特定のイソシアナトシランとして挙げられる。ポリイソシアネートは、例えば2,4−及び2,6−ジイソシアン酸トリレン(TDI)ならびにこれらの異性体の所望する任意の混合物、4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)ならびにこれらとさらに異性体の所望する任意の混合物、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−メチルペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソシアネートならびにこれらの異性体の所望する任意の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアナート又はIPDI)、ペルヒドロ−2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、メタ−及びパラ−キシレンジイソシアネート(XDI)、1,3−及び1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3−及び1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、上記ポリイソシアネート類のオリゴマー及び上記イソシアネート類の所望する任意の混合物が挙げられる。好ましくは、MDI、TDI、HDI及びIPDIならびにそれらのビウレット及びイソシアヌレートである。
【0148】
シランがエポキシシランの場合、アミン反応性化合物として前記エポキシシランは好ましい。
【0149】
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシランは、メルカプトシランの一例として挙げられる。
【0150】
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メタクリオイルプロピルトリエトキシシランは、(メタ)アクリレートシランの一例として挙げられる。
【0151】
シランがアルキルシランの場合、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びブチルトリメトキシシランなどの、C1−C6アルキル基を有するシランについて特に挙げられる。
【0152】
成分K2は、その他の構成要素を含むことができる。当該構成要素は、一方で、成分K3、K4など個々に添加することも可能である。このような他の構成要素は、特に界面活性剤、溶媒、無機充填剤、触媒及び安定化剤、染料又は顔料である。
【0153】
界面活性剤には、溶液中、水分又はその他の液体の溶液中で界面張力が低減される天然もしくは合成物質を使用することができる。陰イオン性、陽イオン性、非イオン性又は両性の界面活性剤もしくはこれらの混合物は、界面活性剤として用いることができ、湿潤剤とも呼ばれる。シランと界面活性剤との比率は5:1から1:2が好ましい。シランと界面活性剤との最適な比率は、特にシランがアミノシランの場合、3:1から2:3の値である。成分K2は、シランの少なくとも33重量%、とりわけ少なくとも40重量%含むことが好ましい。また、成分K2は多くて1重量%まで、とりわけ多くて0.5重量%の水分を含んでいることが好ましい。成分K2は、基本的にシラン及び界面活性剤のみ備えることが特に好ましい。ここで、“基本的に”とは、シラン及び界面活性剤の合計重量が、成分K2の重量に対して、90重量%以上、とりわけ95重量%以上、好ましくは99重量%以上であることを意味する。
【0154】
本発明は、前記装置を用いて少なくとも一つの液体成分及び少なくとも一つの他の液状の粘性又は粉末成分(K1、K2、…)を混合する工程にも関する。
【0155】
このように、成分K1及びK2が少なくとも反応時に互いに接触した場合、反応生成物の低い局所濃度のみが生じるように、完全な混合が可能となることがわかった。従って、比較的高分子量の分子の生成を防ぐか、もしくは大幅に減少することができ、よって実質的に低分子量の化合物が生成される。
【0156】
さらに、これらの所望する低分子量化合物は、大量の溶媒を除去することなく比較的高い濃度で得ることができる。
【0157】
本発明に係る装置において、まず環状ライン内で成分K1又は混合物の強力な循環を有し、個々の成分、とりわけ成分K2の供給中もしくは直後において乱流が生じることが特に好ましい。したがって、静的ミキサー2又は運搬要素7、7’、7’’の利用、とりわけ流れ方向において供給開口部101、102、103又は計量槽31の直後又は周辺での使用が好ましい。より効率的な混合を成す為に、複数の運搬要素7、7’、7’’及び/又は静的ミキサー2を用いたほうが有利である場合がある。成分は徐々に計量されることが好ましい。これは連続的な又は律動的な添加によって達成される。計量速度は成分の反応性、流動速度、濃度、粘性及び混合槽内における渦流、とりわけ混合槽内に成分が供給される最中又は後に、適合するべきである。
【0158】
典型的に、工程は以下の通り達成される。混合槽100は成分K1によって満たされる。続いて成分K2が、運搬装置7、7’、7’’によって成分K1の循環と共に計量供給され、よってK1及びK2の混合物もしくはそこから生成された反応生成物が槽内に存在し、かつ同様に循環する。成分K2の計量が終了した後、望む品質の所望の混合物が得られるまで循環は継続される。ここで、混合槽100は満杯であると好都合である場合がある。例えば、完全に充填された混合槽100内にはすべての可能な泡沫形成は存在せず、もしくは大幅に抑制される。また、混合槽100が液体で完全に充填されておらず、例えば空気又は窒素などの不活性ガスがまだ混合槽内に存在する場合でも、好都合である場合がある。このような充填は、例えばより良い混合について好都合である場合がある。
【0159】
所望の混合物が望む品質で得られた後、前記混合物は排出開口部109を通じて装置から取り除かれる。装置は、次いでその他の混合処理過程に用いることが可能である。混合物を装置から取り除いた後、装置の洗浄過程が果たされれば好都合である場合がある。このように、混合槽は、溶媒又は成分K1で充填され及び循環され、次に取り除かれ、必要に応じて空気又はガスを用いて乾燥することができる。このような洗浄過程は、例えば所定の混合及び除去過程又は一定時間間隔後に自動的に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係る混合装置1を示し、供給開口部101、102、103を有する混合容器10、及び混合される成分が循環され、磁気駆動70を駆動力とする運搬要素7によって完全に混合された、混合槽100を有する排出開口部109を備えた図である。
【図1a】図1に示した供給開口部103に用いた弁53の断面図である。
【図2】手動操作の機械駆動装置75、運搬要素7’’用の750、好ましく設計された弁51、52、53及び通気ネジ5000を備えた、図1に示した混合装置1の図である。
【図2a】弾性管(resilient hose)5031に囲まれ、加圧下で開口する排出開口部501を備えた弁本体500を備えた、図2の弁51を示す図である。
【図2b】延伸性排出開口部50321を有し、弾性キャップ5032に囲まれた弁本体500を備えた、図2の弁52を示す図である。
【図3】運搬要素7’’用の電気駆動装置70及び計量本体81A、82B、及び拡張容器8などの計量装置を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図4】二つの計量ネジ81A及び圧力除去弁510を備えた、図3の混合装置1を示す図である。
【図5a】弁52d、53d及び計量装置4を有する計量本体を示す図である。
【図5b】弁52d及び計量装置81Bを有する計量本体を示す図である。
【図5c】弁52d及び計量装置81Bを有する計量本体を示す図である。
【図6】三本の注入系統92、900、901を備え、混合槽100の中に回転可能な計量室31を備えた計量ドラム3を有する計量装置を示す図である。
【図6a】三本の排出系統を備えた、図5の計量装置を示す図である。
【図6b】一本の排出系統を備えた、図5の計量装置を示す図である。
【図7】様々な第二管要素112が連結可能な第一管要素111を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図8】機械的逆止弁51、52,53と結合している電気制御弁51’、52’、53’を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図9】コイルによって誘起された回転磁界で駆動された永久磁石を備えた、図1の運搬要素7を示す図である。
【図10】回転可能な外部磁気的支持装置7000と結合している永久磁石を備えた、図1の回転自在に据え付けた運搬要素7を示す図である。
【図11】永久磁石を備え、軸方向に変位可能であるように据え付けられ、第一と第二の位置間でコイル700A、700Bによって移動される、図1の運搬要素7を示す図である。
【図12】永久磁石を備え、軸方向に変位可能となるよう据え付けられ、軸方向移動可能な外部磁気的支持装置7000’と一体となった図1の運搬要素7を示す図である。
【図13】本発明に係る混合装置1を示し、混合装置1の全ての機能要素及び付加的に柔軟又は硬質な補助的要素112又は112’を含む、直管型要素111を有する環状混合容器10を備えた図である。
【符号の説明】
【0161】
1 混合装置
10 混合容器
100 混合槽
1000 計量槽
1030 ドラム槽
1035、1036 境界面
101、102、103 供給開口部
105 オーバーフロー開口部
1050 オーバーフロー開口部又は通気口
109 排出開口部
110 連結要素
111 第一管要素
112A、112B、112C 第二管要素
1120C 伸長要素、ベローズ
2、2a、2b 静的ミキサー
3 計量ドラム
31 計量ドラム3内の計量槽
32 計量ドラム3のシャフト
4 目盛り付き棒、レベル指示器、目盛り付きガラス
40 スケール
5000 通気及び/又はオーバーフローネジ
5001 通気ネジ内の風洞
500 穴開き弁本体
501 側部排出開口部
502 弁本体の穴
5031 弾性要素又は弾性ホース
5032 弾性要素又は弾性キャップ
50321 キャップ524内の通路
5033 弾性要素又は弾性バネ
5034 球
504 末端要素
51、…59 機械的作動弁
51’、…、59’ 電気機械的作動弁
52d、53d 計量槽1000内の作動弁
510 圧力除去弁
590 回転輪付きシャフト
591 穴
6 制御装置
61、62、… 制御装置6に接続された線
7、7’、7’’ 運搬要素
70 駆動装置
700 コイルパケット
7000、7000’ 外部磁石リング、磁気的支持装置
71、710 固定又は回転可能な据え付けた羽根要素
711 回転可能な据え付けた羽根要素
72 (内部)磁石リング
75 シャフト
750 クランク軸
76 シャフト75用軸受要素
79 スイッチ
8 拡張容器
800 計量センサー
81A、81B 計量ネジ、計量ピストン
900、900’、901、901’ 系統、空気系統、ガス系統、洗浄系統
91、92 混合槽100の注入系統
91’、92’ 計量槽1000の注入系統
99 排出系統
K1、K2、… 混合成分
L 空気、ガス、窒素
MP 混合物
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の液体第一成分と少なくとも一つの他の液体又は非液体成分とを混合する装置に関する。本発明はとりわけ、使用後に洗浄され、すべての要素とともに再利用される混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二つもしくはそれ以上の成分を混合することにより完全に又は一部混合された生成物を得る混合装置は、例えば接着剤産業など、様々な産業部門において用いられている。
【0003】
混合物の度重なる分割によって混合をもたらす静的ミキサー、及び混合物が可動要素によって繰り返し分割もしくは流動化される動的ミキサーが知られている。
【0004】
駆動素子がない静的ミキサー(例として、特許文献1を参照)は、特に低粘性物質の混合に適する。
【0005】
特許文献2では、固体を液体と混合することが可能な静的ミキサーについて開示している。混合する成分が静的ミキサーを通過した後、混合物が生成され、その他の混合装置を用いない限り、全面的な混合は改善されない。所望の混合比を達成する為には、供給成分の流量も正確に調整しなければならない。
【0006】
特許文献3では、とりわけ建築資材要素を混合するのに適している他の静的ミキサーについて開示している。この静的ミキサーにおいて、水分などの液体成分は、流れ方向にまず分岐箇所、続いて収束箇所を有する管要素を通過する。管要素の分岐箇所は、混合する他の液体成分又は例えば粉末などの固体成分を供給するフィード系統と連結している。したがって、この混合装置はとりわけ単純な設計であるが、様々な用途に必要となる、成分の十分な均一混合を可能としていない。
【0007】
特許文献4及び特許文献5では、液体を混合する役目を果たし、かつ混合槽を含有する動的ミキサーについて開示しており、この混合層の中では駆動軸によって支えられている混合要素が移動する。特許文献6では、容器内にあり、かつ液体が磁気攪拌子によって十分に混合される混合ポケットを含有する動的ミキサーについて開示している。このような大容量混合装置の場合、比較的長時間の混合後にのみ十分に申し分のない混合が達成される。
【0008】
特許文献6によると、混合成分の汚染を防ぐために、混合物と接する混合装置部品を混合装置稼動前に十分洗浄する必要がある。これは、特許文献4及び特許文献5に記載の混合装置及び実質的に閉鎖された混合槽を有する混合装置の場合、ほぼ不可能である。特許文献6に開示された混合装置では、洗浄が比較的容易である。しかしながら、混合ポケットを使用するため、混合装置全体の設計は相当複雑である。
【0009】
複数の成分を混合する際、これら成分の正確な計量はさらに重要であり、前記装置の場合、比較的複雑な計量手段及び/又は計量装置を用いた場合のみ可能である。
【0010】
さらに、前記混合装置は機動的に使用することはほとんどできない。それ故、これらの混合装置は、例えば足場などの暴露面でほとんど使用することはできない。
【0011】
さらに、前記混合装置の保管及び輸送に比較的な大きな空間を要する。
【0012】
反応性成分を利用する場合、手順はオリゴマーの生成を防ぐべく高希釈度で実施され、例えば激しく攪拌された高希釈成分を同様に高希釈の第二成分にゆっくり滴下することで成される。しかしながら、このような手法では所望の物質を低濃度でのみ合成することが可能でなり、したがって例えば溶媒を蒸留によってさらに何度も濃縮する必要性が生じ、さらなる付加労力及びその結果、製品費用の増大を伴う。
【特許文献1】国際公開第02/32562号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4191480号明細書
【特許文献3】米国特許第4264212号明細書
【特許文献4】米国特許第5240327号明細書
【特許文献5】米国特許第6024481号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0190372号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、冒頭に述べた種の改良型混合装置に関するものである。
【0014】
とりわけ、本発明に係る混合装置は二つもしくはそれ以上の成分を容易かつ正確に計量することができ、使用者が特定できる程度に前記成分を迅速かつ均一に混合されるようにするべきである。
【0015】
さらに、本発明に係る混合装置は、単純な設計を有するべきであり、経済的に製造でき、及び機動的に利用ができることが望ましく、わずかな労力により容易に操作、洗浄及び保守できることが好ましい。コンパクトで、容易に輸送でき、とりわけ可搬な装置が実現可能である。
【0016】
さらに、本発明に係る混合装置は、保管及び輸送においてごくわずかな空間を占有するべきである。
【0017】
本発明において、前述の目的は請求項1の特徴により達成できる。本発明の係るその他の有利な形態は下位クレームより明らかである。
【0018】
本発明に係る装置は、液体第一成分と少なくとも一つの液状、粘性又は粉状の他の成分とを混合する役目を果たし、これら第1成分と他の成分とは、混合容器の混合槽に供給可能であり、混合プロセス実施後は混合物の形で前記混合槽から再度取り出すことができる。
【0019】
本明細書において、呼称“混合物”(“MP”と略記)は、成分K1、K2及び随意の他の成分K3、K4、…などの混合によって得られた生成物を意味する。特に、前記混合物はこれらの成分の混合により生じた反応生成物も備える。
【0020】
本発明によると、混合容器は内蔵型、好ましくは環状の管システムであり、内部は混合槽を形成し、混合物は運搬要素によって循環的に前記混合槽を移動する。
【0021】
混合容器は、混合する成分を供給可能な複数の供給開口部(inlet opening)を備える。さらに、混合物を排出可能な排出開口部(outlet opening)を少なくとも一つ備える。供給開口部及び排出開口部、さらに随意に備えたオーバーフロー開口部は、手動又は自動で、機械的又は電気機械的作動弁により閉じることができる。例えば、従来の栓又は制御装置によって作動する電気機械的作動弁を排出開口部に備えることができる。供給弁は、密閉要素を有する排出開口部を備えることができ、前記密閉要素は前記開口部に対して配置されており、復元性を有するか、又は前記開口部に弾性的に押し付けられている。前記密閉要素は、成分を供給する際の圧力によって移動し、その結果、成分は出口開口部を通じて混合槽内に流れ込むことはできるが、その一方、逆流が防がれる。供給開口部に、二つの弁を割り当てることができ、そのうち第一の弁は成分供給を制御し、続く第二の弁は単に混合物の逆流を防ぐ。
【0022】
本発明に係る混合装置は、混合する成分を計量する種々のとりわけシンプルな実行可能性を示し、その結果による成分の充填物は混合槽内を混合物が循環するために欠かせないものである。本発明における利点は、一つ又はそれ以上の成分の僅かな体積分率が第一成分の中に供給される際、特に明白である。成分を計量する主な手法を以下に示す。
【0023】
例えば、混合槽に部分的に第一成分が充填された後、その他の成分が供給される。成分が添加される前には、例えば重量測定法又は容積測定法の手法によって、もしくは成分添加中においては例えば計量装置など、混合槽の充填量を制御することによって、計量を遂げることが可能である。測定装置又はピストン計量、任意でピストンポンプを用いた、制御された方法で成分を供給する計量槽の利用、及びこれに続く混合槽に移動することは可能である。
【0024】
しかしながら、好ましくは混合槽が完全に第一成分で満たされた後、前記混合槽の容積を変化、又は第一成分のある一定の体積分率を混合槽から取り除き、供給可能となった容積を他の一つの成分で満たす。この場合、混合槽自体が計量装置としての機能を果たし、その他の成分を計量するための装置はさらに一つのみしか必要とならない。例えば、混合層内に計量本体、計量ネジ又は計量シリンダーを備え、好ましい体積分率を作り出すために必要程度まで後方に押し出すことが可能である。排出弁又はオーバーフロー弁を通じて第一成分の相当する体積分率を取り込む容器を用いることは可能である。容器内の充填量レベルを検出及び拡張容器の供給開口部を閉じることにより弁を制御する、制御装置に対応する電気信号を出力する計量センサーを用いることも可能である。
【0025】
計量槽を有する計量本体の使用は特に好適である。当該計量槽は、第二又は他の成分で満たされた後に第一成分で満たされた混合槽に移動され、当該混合槽において前記計量槽は第一成分について検知され、前記混合槽を循環する。
【0026】
前述のように、混合槽自体は既知容積を有することから計量装置として利用することができる。混合槽の好ましい容積を得る為に、特に管要素及び接続装置などの様々な要素から混合容器を構築することが可能となった。例えば、一方を他方へ押し込むなど、望む容積を構築することができる調節可能な管要素の利用がさらに考えられる。
【0027】
本発明に係る混合装置は、互いに連結することができ、好ましくは混合物を好ましい容量製造できるよう様々なサイズを備え、複数の管システム部品を備えた一体型設計又はモジュール設計を有することが可能である。角型要素(angle elements)及び直管型要素(straight tube elements)を備えることが好ましい。直管型要素は、供給開口部、排出開口部及び/又はオーバーフロー開口部、随意に計量本体、静的ミキサー及び/又は運搬要素を特に容易に備えることができる。混合装置のすべての本質的な機能要素を備え、閉じた、環状の混合槽が形成されるように、柔軟なホース様であるか、又は堅いか、又は堅い弾力性のある管のような補助的構成要素と連結することが出来る単一の管部分を用いることは、特に好都合である。
【0028】
管システム部分を連結するために、好ましくは、例えば、真直ぐな管要素にねじ込むことができる環状フランジが設けられる。混合装置使用後、当該装置は容易に分解、洗浄及び小さな収容スペースに保管及び輸送することができる。真直ぐな管要素が複数設けられた場合、一方を他方の中に押し込むことができるように異なる直径で設けられることが好ましい。そのうえ混合槽容積を調節することができるベローズ形要素などの伸長可能管要素の利用も可能である。
【0029】
混合物の運搬及び循環に用いられる運搬要素は、様々な構造及び様々な方法で駆動することができる。当該運搬要素は、混合槽の中もしくは外に配置することが可能である。
【0030】
一実施形態では、蠕動ポンプの形の運搬要素は、少なくとも蠕動ポンプの領域において弾性を有する管システムの領域にかかる蠕動力によって外から作用する。蠕動力は、通常回転ローラーで管システムに伝達され、この管システムはここでは一般的にホースの形である。結果として、管は圧縮される。流れ方向のローラーの動きを受けて、混合物は流れの方向に進められる。蠕動力の除去による管の緩和後、管内部の横断面は再び増加し、よって、この領域の中の混合物が流れ方向に流れ続けることができる。
【0031】
好ましい構成においては、例えばネジ又はプロペラの形状を有する運搬要素は、シャフトによって回転自在に保持されており、シャフトの回転又は運搬要素に及ぼす直接的磁気作用によって回転できるようにされている。例えば、運搬要素に強固に結合しているシャフトは、手動又は電気モーターによって回転することができる。さらに、運搬要素は混合物を運搬するために、軸方向前後に動かすことができる。この目的のために、運搬要素は、例えばジョイントによって支えられた動作方向の機能として開閉するウィング又はバケツ要素を備える。
【0032】
さらに、前記運搬要素に永久磁石を備えることができ、この永久磁石に外部磁場が作用することで混合槽内の運搬要素を回転させる、又は該運搬要素を前後に動かすことができる。したがって、前記混合槽には機械的介入はなく、それ故に対応する装置部品及びシール要素は省略されている。
【0033】
外部磁場は、駆動装置のコイル又は好ましくは環状に混合装置を取り囲む磁石ホルダー上に配置される永久磁石によって発生することができる。外部磁場の回転、置換又は切り替えによって、例えばコイル又は駆動装置の電流変化もしくは磁気ホルダーを置換又は回転することによって、運搬要素を相応して動かすことができる。
【0034】
運搬要素は、好ましくは、混合物の運搬のみならず、完全に混合する役目を果たす。成分が望むべき徹底的な混合を成し遂げるまで、混合物を循環することができる。対応して設計された運搬要素は混合物の全流動を検出及び流体化することができることから、特に効率的な混合プロセスが実現可能である。
【0035】
運搬要素は、供給する成分を流体化及び混合する動的ミキサーとしての機能を成し遂げることができる。混合物の実質的な層流運搬を成すことも当然ながら可能である。これは、例えば、成分の特性が上記を必要とする、及び/又は混合槽が少なくとも一つの静的ミキサーを備え、混合物が混合プロセス途中に循環して通過する場合に、試みられる。しかしながら、本発明に係る混合装置は、動的及び静的ミキサーとして同時に作動し、最適効率を成し遂げることが好ましい。
【0036】
混合プロセスの終了及び排出開口部を開いた後、混合槽の迅速かつ完全な排出には、ガス状媒体、とりわけ空気又は窒素などの不活性ガスを供給開口部のうちの一つを通じて供給することができ、前記混合物はガス状媒体の圧力によって排出開口部より排出される。同様に、最終混合生成物にも適用できる。
【0037】
混合容器又はその要素は、随意にプラスチックや金属などの被膜された物質を含有し、混合する成分及び結果として生じる混合物について不活性であることが好ましい。
【0038】
混合容器の形状寸法は、種々選択することができる。例えば、混合容器は円形又は長方形であってもよい。混合槽及び混合槽の突出部分のすべての箇所が完全に同一平面とされ、とりわけ循環が生じない箇所又は不十分に循環が行われている箇所が生じないよう、混合容器の形状寸法は有利に選択するべきである。
【0039】
装置の操作は、完全に手動又は部分的もしくは完全に自動化された方法で成し遂げることができる。
【0040】
前記装置は非常にコンパクトに成り得て、長さ、幅及び高さが2m未満の寸法、とりわけ1m未満の寸法で実現することができる。このような装置は、軽量、すなわち容易に輸送、とりわけ携帯型(すなわち30kg未満、とりわけ20kg未満、好ましくは10kg未満)に造ることもできる。
【0041】
本発明に係る装置は、とりわけ反応性成分を混合するのに用いることができることを見出した。特に、成分K2と成分K1との反応もしくは成分K1の影響下、成分K2同士が反応する場合に適している。前記装置は、とりわけ成分K1が水分もしくは水分を含有し、成分K2がシランもしくはシランを含有する、水性シランを生成するのに適していることを示した。この手法により、望ましくない比較的高分子量のオリゴマー又は反応生成物の生成を防ぐもしくは少なくとも大いに減らせることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に、本発明に基づく実施例が図面を参照してさらに詳細な説明がされている。同一要素には、様々な図にて同じ参照番号が用いられている。本発明において直接理解するために必要不可欠な要素のみが記載されている。媒体の流れ方向及び回転方向は矢印で示してある。
【0043】
図1は、本発明に係る混合装置1を示し、この混合装置1は単純に設計された環状の混合容器10を備え、該容器の内部は運搬要素7によって混合物MPが循環的に移動可能な混合槽100を構成する。混合容器10の上部には、密閉可能な複数の供給開口部101、102、103、104が設けられ、混合する成分K1、K2、K3及びK4が供給注入系統91、92、93及び94で運ばれ、前記供給開口部を通って混合槽100に供給される。最終混合生成物MPが排出ライン99中へ出現する、密閉可能な排出開口部109が底部に設けられている。
【0044】
供給開口部101、102、103は、成分K1、K2、K3、K4の供給注入系統91、92、93、94に混合物MPの逆流を防ぐべく逆止弁51、52、53を備える。さらに、通気路5001を有する通気ネジ5000は、開口部1050に設けられ、混合する成分K1、K2を供給する際、空気は混合槽100から前記開口部を経て放出される。排出開口部109は、手動操作弁又は栓によって閉じられ、単純な設計上、車輪590によって回転可能及び排出溝へ回転可能な通路591を有する回転可能な軸で構成される。
【0045】
この特に単純な設計の混合装置1では、成分K1、K2、…は加圧下、混合槽1へ供給することが可能であり、駆動装置を作動させ全体的に混合した後、排出弁59及び排出ライン99を経て混合物MPとして取り出される。当然ながら、環状混合容器10は他の望ましい形状、例えば円形、長円形、又は楕円形の形状を有することができる。
【0046】
図1aは、逆止弁53の構造を示し、軸方向の穴と、弾性要素又は差込要素504に基づく金属バネ5033によって押し上げられた球5034によって閉じることが可能な排出開口部501とを含む弁本体500を備える。
【0047】
図2は、図1の混合装置1を示し、この混合装置1は、二箇所据え付け、及び回転腕750によって手動駆動することが可能なシャフト75によって支えている運搬要素7’’用の手動操作の機械駆動装置75、750を有する。
【0048】
図2はさらに、混合槽100に成分K1、K2を供給することが可能な、好ましい構造を有する弁51、52を示す図である。様々な弁は勿論例示の目的のためのみである。通常、出来る限り標準の弁が用いられる。
【0049】
図2aは、弁本体500が、弾性管5031で囲まれた排出開口部501を設けられた弁51を示す図であり、弾性管5031は、供給された第一成分K1による圧力で排出開口部501を開き、次いで、混合物MPが系統91に侵入しないよう再度排出開口部501を閉じる。
【0050】
図2bは、弁本体500が延伸性排出開口部50321を有する弾性キャップ5032で囲まれた、弁52を示す図であり、延伸性排出開口部50321は、供給された第二成分K2による圧力で拡幅され、前記第二成分が通り抜け、ついで混合物MPが系統91に侵入しないよう再度閉じることを可能としている。
【0051】
図3は、運搬要素7’’用の電気式駆動装置70を備えた、図1の混合装置1を示す図である。運搬要素7’’を備えたシャフト75は、スイッチ79のスイッチを入れたり切ったりすることできる電動機70によって駆動される。好ましくは、シャフト75は、軸受要素76によって混合槽100内部に据え付けられ、よって前記シャフトは混合容器10の一表面からのみ現れ、当該箇所にはシール要素が設けられなければならない。
【0052】
図3はさらに、混合槽100の(自由)容積を調整可能とする計量本体81A、81Bなどの計量装置及び成分K1が計量され送り出すことができる拡張容器8を示す図である。充填量のレベルを正確に示すことができるレベル指示器4もさらに示されている。
【0053】
液体第一成分K1及び液状の粘性もしくは粉状の第二成分の二成分の混合は、後述のように図3の混合装置1によって行われる。
【0054】
第一に、混合される成分K1、K2は、計量された状態で混合槽100内に投入し、混合することができる。これは従来の重量測定法又は容積測定法の計量により行うことができ、周知の作業で可能ある。代替的に、充填レベルはレベル指示器4の目盛が刻まれたスケール40に示され、第二成分K2は適切に計算された充填レベルに到達するまで供給することができる。
【0055】
しかしながら、当初から既知容量を有する混合槽100が、例えば水分などの第一成分K1で完全に満たされている場合、本発明に係る混合装置1によって上述した作業を実質的に回避することができる。第二成分K2の空間は続いて混合槽100の内に作成される。例えば、ある一定の容積の第一成分K1が手動操作弁55を通って第一拡張容器8に取り出されるか、もしくは排出開口部より排出される。代替的に、計量ネジ81Aもしくはピストン81Bを、第二成分K2を対象とした体積分率が放出されるまで混合容器10から外す、もしくは引き抜くことができる。利用できるようになった容積に空気が流れ込むことが出来ない場合、生じた吸引力によって第二成分K2は自動的に混合槽100内へ吸引される。例として計量ネジ81Aの1回転毎に5mlの第二成分K2が正確に混合槽100へ供給される。
【0056】
計量は、供給弁51、52、53、計量ネジ81A及び圧力除去弁510を備えた、図4に示す混合装置1を用いることでとりわけ簡単に成し遂げることができる。供給弁51、52、53への供給系統又はこれら供給弁自体を閉鎖装置910、920、930によって閉じることが出来る。第一段階では、混合槽100は第一閉鎖装置910を開いてから圧力除去弁510から出るまで、すなわち混合槽100が第一成分K1で完全に満たされるまで、第一成分K1(例えば水など)で満たされる。第二段階では、第一閉鎖装置910を再度閉じて第二閉鎖装置920を開き、計量ネジ81Aを混合槽100から外へn回転回す事で、相当する容積の第二成分K2が混合槽100内に自動的に吸引される。第三段階では、第二閉鎖装置920を再度閉じ、第三閉鎖装置930を開き、計量ネジ81Aを混合槽100から外へm回転回す事で、相当する容積の第三成分K3が混合槽100内に自動的に吸引される。第二成分K2以降のさらなる成分が継続的に混合されるよう、第一成分K1供給後に駆動装置を作動させることが好ましい。
【0057】
ここで、混合物MPは望む度合いの混合が生じるまで混合槽内を循環させる。このようにして、望む混合の度合いが高効率かつ最短時間で達成されるように、全混合物MPは毎回混合過程において含まれる。
【0058】
混合プロセス後、排出開口部109又は排出弁59が開かれ、出来上がった混合物MPは混合槽100より取り出される。混合物MPの排出もしくは放出は、空気など、ガス状媒質Lの圧力の作用下で成され、例えば供給開口部の一つを通じて(図1、弁54を参照)、混合槽100へ供給される。ガス状媒質Lの圧力下、混合槽100から出現した混合物MPは、一時的に蓄えられるか、又は即時適用することができる。
【0059】
図5a、5b、及び5cは、計量槽1000内の第二成分K2を任意の容量提供することを可能にする計量装置を示す。
【0060】
図5aでは、成分K2は計量槽1000に供給され、充填レベルが浮きによって保持された目盛り付き棒4を用いて計測されることを示す。充填量が望むレベルに到達した後、計量した成分K2は弁53dを通って計量槽1000内に送り込まれる空気により接続系統92を経て混合槽100内に移動する。場合によって、基重量法による移動も可能である。
【0061】
図5bでは、計量槽1000よりある程度まで計量ピストン81Bを移動することで、成分K2が弁52dを通じて前記計量槽内に吸引されることを示す。図5cでは、計量ピストン81Bを戻し、その結果、弁52dは閉じ、計量した成分K2は接続系統92を経て混合槽100内に移動すること示す。
【0062】
図6は、供給系統92、900、901及びシャフト32によって回転可能に据え付けられた計量ドラム3を有するドラム槽1030を備えた計量装置を示す図である。計量ドラム3は、例えばシャフト32の回転によって混合槽100(図6に示す)の中へ回転可能な複数個の計量槽31を備える。この構成では、ドラム槽1030は混合容器10の一体の部分であり、境界面1035、1036に供給及び排出開口部102のみを有し、この供給及び排出開口部102を通じて、ドラムが特定の位置にある時、媒質を計量槽31へ、又は計量槽31から移動することができる、。境界面1035、1036及び随意に備えたシール要素は、供給する媒体を計量槽31にのみ供給でき、混合物MPが混合槽100から浮上することはできないことを確実にする。一つもしくはそれ以上の計量槽31の使用が可能である。
【0063】
図6の計量装置は以下のとおり機能する。第一の位置において、計量槽31の一つが第一供給系統900及び排出系統900’に接続され、これら第一供給系統900及び排出系統900’を通じて、計量槽31を空にして洗い流すために、洗浄成分、随意に空気が供給される。任意に設けられた第二の位置において、計量槽31は第二供給系統901に接続され、この第二供給系統901を通じて、ガス状媒質L、随意に空気又は窒素が計量槽31を乾燥するために供給される。第三の位置において、計量槽31は成分K2を運ぶ供給系統92に接続され、前記成分K2は、混合され、計量槽31にのみに供給されるか、もしくは供給系統92を通じて排出系統92’に送り込まれる。さらに、計量槽31は混合槽100内へ回転移動し、第一成分によって洗い流される。その後、第一成分K1を満たした計量槽31は、さらに第一の位置へ回転移動し、計量槽31より第一成分K1が排出される。計量槽31の充填及び排出操作は、全計量を成し遂げるまで実行される。複数個の計量槽31が設けられている場合、記載されている一連の過程は個々の計量槽31について、計量ドラム3が一回転する間に連続して行われる。当然ながら、その他の成分を収容する第四ならびにそれ以上の位置を備えることも可能である。また、全成分を同じ系統92を通じて連続して供給することも可能である。
【0064】
計量ドラム3を有する装置は、例えば制御された電気モーターを用いて計量ドラム3のシャフト32を駆動することによって有利にオートメーション化することができる。
【0065】
計量ドラム3を手動で把持し、回転させるためには、ドラム槽1030は開口部を備えることもできるが、端部でシールされるべきである。
【0066】
図6aは、三つの排出系統900’、901’、92’を備えた、図5の計量装置を示す図である。例えば、系統900、900’、901、901’及び92、92’は、それぞれ閉じた循環の一部と成り得る。
【0067】
図6bは、混合槽100にて収容された液体が除去される、ただ一つの排出系統900’を備えた、図5の計量装置を示す図である。他方で、第二系統901より供給された空気は、開口部10361を通り抜けて周囲に放出される。第三の位置では、計量槽31は一方の側が境界面1036によって塞がれている。
【0068】
環状の混合容器10は、一つ又はそれ以上の部品から構成することができる。図7は、第一管要素111が様々な第二管要素112と連結要素110を介して連結された、図1の混合装置1を示す図である。例えば、ホース様の柔軟な第二管要素112Aは、第一管要素111と連結することができる。さらに、金属又はプラスチック製の、大きさの異なる管要素112B、112Cを用いることにより、混合槽100の一定の容積を構築することが可能である。管要素111、112は、例えばベロー形要素1120Cを用いることにより、拡張できたり、またさもなければ調節することも可能である。さらに、互いに連結され、内径及び外径が互いに合うように調整でき、端部に容易に螺合できるように内部及び外部のねじ山が互いに対応する、管要素を用いることができる。個々の応用においては、管要素の片方をもう一方に押し込むことで十分であり、種々の方法で混合槽100の容積を調整することが可能である。
【0069】
弾性管要素111、112の使用は、供給する成分K1、K2、K3、…の圧力により混合槽100の規定拡大をさらに可能とする。圧力下では、例えば弾性を有するベロー形要素1120Cは、必要に応じて膨張する。それ故に混合容器10は、混合プロセス開始以前に混合槽100の容積を速やかに一定値に設定でき、及び/又は混合プロセス中に、供給する成分K1、K2、K3の圧力により容積を一定値に可変的に調整できる、といった方法で設計することが可能である。ホース様の弾性管要素112Aは、例えばある一定容積で供給される第一成分K1による加圧により拡大可能となった後、加圧下で所定量の第二成分K2が供給され、その結果、弾性管要素112Aのさらなる膨張が生じる。
【0070】
図7に示す混合装置1は、第1の間要素111の出口、及び供給バルブ51,52に、任意に静的混合機を設けられており、この混合機によって混合性生物MPは流動化されるか、又は実質的に部分的な層流に分けられ、これら層流は、混合層100の第1の断面部分から第2の断面部分へと個々に移動される。
流動化は好都合である。静的ミキサー2を用いることにより、混合プロセスをさらに加速することが可能となる。
【0071】
図7に示す混合装置が使用された後、混合容器10を構成する部品111、112は分解、問題なく洗浄、そしてコンパクトに保管することが可能である。
【0072】
図8は、機械的逆止弁51、52,53と結合した電気制御弁51’、52’、53’を備えた、図1の混合装置1を示す図である。例えば、第一成分K1充填時に空気が弁54’を通じて逃げられるよう、空気Lを供給する電気制御弁54’のみが逆止弁と結合していない。任意に液体の容器への移動を可能とする電気制御オーバーフロー弁55’を備えることができる。制御弁51’、52’、…、54’は、制御装置6と制御系統61、62、…、64とで接続され、好ましくは、前記制御装置は駆動装置70も制御する。前記装置の制御、とりわけ計量装置の制御は、制御装置6により全自動で実施することができる。このために、例えば拡張容器8の充填レベルの測定及び関連した弁55(図8を参照)の作動手段を用いた計量センサー800(図3を参照)を備えることが好ましい。さらに、混合物MPの温度を測定することが可能であり、随意に加熱要素を制御することも可能である。
【0073】
混合装置1に用いる弁は、例えば空気圧、又は油圧など、他の方法で制御することも可能である。
【0074】
図8の混合装置1は、さらに随意に静的ミキサー2a、2bを備えており、これら静的ミキサー2a、2bは、混合槽100に成分K2及びK3をそれらを通じて供給する弁52,53の出口開口部付近に配置されている。
これにより、混合槽100へ供給後、成分K2及びK3を混合物へ迅速に混合することが可能である。
【0075】
上述のように、シャフト75を中心に、もしくはシャフト75とともに回転出来るように、又はシャフト75に沿って軸方向に変位可能となるように据え付けられた運搬要素7、7’は、磁力で駆動されることが好ましい。
【0076】
図9は、磁気回転子として設計され、シャフト75と磁石を備えた磁石リング72との間に保持され、強固に配置された羽根要素71を備えた、図1の運搬要素7を示す図である。磁気回転子7が回転する間、混合物MPは羽根要素71によって流れの方向に運搬される。磁石リング72に据え付けた磁石は、例えばAlNiCo、SmCo、又はNdFeBから作られる。好ましくは、希土類金属を備える高エネルギー磁石が用いられる。これらの素材は、1立方メートル当たり300kJ以上の高エネルギー製品によって差別化される。それに関して、実用的見地から、とりわけサマリウム−コバルト(SmCo)及びネオジム−鉄−ホウ素(NdFeB)などのランタノイド類の素材が重要である。
【0077】
図9、10、11、及び12に示すように、電気コイル700又は700A、700Bによって、又は外部磁気的支持装置もしくは外部磁気リング7000、7000’によって発生する外部磁場を適用することにより、運搬要素7、7’を作動することができる。
【0078】
図9では、コイル700が回転磁場を発生し、この回転磁場は、磁気ローターの形状であり、その上に永久磁石が交互に位置決めされた運搬要素7が検知、回転させる。
【0079】
図10では、永久磁石を有する外部磁気的支持装置もしくは外部磁気リング7000が、混合容器10の外に設けられ、互いに協調する内部磁気リング72及び外部磁気リング7000の永久磁石の磁場が同じ方向に一列に位置合わせされ、互いに増幅するように磁気ホルダー又は磁気リングが磁気ローター7と結合している。従って、内部磁気リング72及び外部磁気リング7000は互いに強固に結合している。その結果、外部磁気リング7000が手動で、もしくは動力装置によって回転する場合、望ましい磁気リング72の回転も生じ、その後、羽根要素71が混合物MPを流動化させ、混合槽100の中を通って運ばれる。
【0080】
図11は図2の運搬要素7’’を示す図であり、この運搬要素7’’は、軸方向に変位可能となるよう据え付けられており、さらに二つの位置の間を回転できるように軸711によって据え付けられた羽根要素710を備えている。第一の位置では、羽根要素710は折り畳まれておらず、混合物MPを一方の移動方向に運搬する。他方の移動方向では、混合物MPが妨げられることなく通り抜けられるように、羽根要素710は折り畳まれている。代替的に、運搬要素7’には網目要素を設けることができ、この網目要素は、混合物MPとの衝突によって閉じ、混合物MPによって引きずられることで開く、る。このように設計された運搬要素7’がシャフト75に沿って前後に動かされる場合、混合物MPは常に一方向だけに運搬される。この構造では、内部磁石リング72は同じ極軸が配列(N−N−…)した永久磁石を設けられることが好ましい。
【0081】
電流が図11に示すコイル700A、700Bを通じて違う方向に通り抜ける場合、異なった極性の場が生じ、その一方が内部磁石リング72を一つの方向に引き付け、他方は前記内部磁石リングを同方向に反発する。よって、電流を単に切り替えることにより、運搬要素7’は軸方向前後に移動し、混合物MPが運搬される。
【0082】
また図12では、永久磁石を有する外部磁石リング7000’が設けられ、この永久磁石は、運搬要素7’の永久磁石と同様に放射状に同方向に位置合わせされ、その結果、内部磁石リング7’と外部磁石リング7000’との間の結合が得られる。磁石7’、7000’間の結合を向上するために、互いに外方に向いた永久磁石の磁極が密接に結合されることによるヨーク要素7050’、7500がさらに設けられる。したがって、外部磁石リング7000’は常に内部磁石リング72の高さで浮遊し、当該内部磁石リングは外部磁石リング7000’の動きに追随し、よって駆動され得る。外部磁石リング7000’自身は、手動もしくはモーターによって駆動することができる。
【0083】
したがって、運搬要素7又は7’は、外部から作用する磁力によって、混合槽100内の力学的干渉なしに回転もしくは軸方向に移動させることが可能である。混合槽100外部で磁場の形成のために磁気的に強い磁石を用いることは、外部駆動ユニット7を有する運搬要素7、7’の特に有利な非接触結合を可能とし、この外部駆動ユニット7は運搬要素77又は77’を駆動するためにのみエネルギーを消費し、磁場を発生させるためにはエネルギーを消費しないようにする必要がある。
【0084】
図13は、直管型要素111及び付加的に柔軟な、弾力性のある、又は硬質な補助的要素112A又は112Bを有する環状混合装置10を備えた、本発明に係る混合装置1を示す図である。混合装置1のすべての機能要素、すなわち運搬要素7を有する装置7、随意に備えた静的ミキサー2、供給及び排出弁51、52、53、59ならびに計量本体81Aは、直管型要素111内に、又は該要素上に設けられる。本発明に係る混合装置1は、この構造のように非常にコンパクトな設計をすることができる。ホースが補助的要素112Aとして用いられた場合、混合装置1の寸法は保管又は輸送のために直管型要素111の寸法に縮小される。ホースの代わりに、弾力性のある硬いプラスチック管又は軽金属管112Bを用いることもでき、例えば直管型要素111に二つのフランジ要素を用いて連結される。
【0085】
単純な設計と小さな寸法のため、図1から13に示す混合装置1は自由に用いることもできる。混合装置1は、利用する場所へ支障なしに運搬することができ、随意にそこで組み立てられ、利用できる。
【0086】
本発明に係る混合装置1は、好ましい構成で記述、及び示されている。しかしながら、本発明による教訓に基づいて、さらに適格な構造を実現することができる。具体的には、混合槽100を内蔵した混合容器10の別の形状を実現することは可能であるが、この混合容器10は、例えば環状又は円形など、いかなる望ましい形状を有することもかのうである。さらに、さらなる駆動及び制御機構及び言うまでもなくその他の弁を利用することが可能であり、これら弁は、当業者に知られている方法で、混合容器10に例えばねじ込みもしくは溶接によって連結される。さらに、必要に応じて、装置部品の材料を選択することももちろん可能である。
【0087】
前記装置は、液体成分及びさらに少なくとも一つの液体の、粘性がある、もしくは粉末成分(K1、K2、…)を混合するのに適している。
【0088】
とりわけ、上記装置は反応性化合物を混合するのに適している。具体的には、この装置は、液体成分K1に反応性化合物K2を混合するに適しており、反応性化合物K2が液体成分K1と反応するか、もしくは液体成分K1の影響下、反応性化合物K2同士が反応することができる。これらの場合、制御されていない反応を防ぐことが度々大切となる。このような反応は、例えば重合もしくはオリゴマー化反応においてしばしば遭遇ものである。このよう反応において、多くの場合、成分K1内に成分K2を出来る限り低濃度で混合する必要性がある。
【0089】
成分K1の量は、成分K2、K3…よりもとても多いことが好ましい。典型的に、使用したK1の重量と混合物の重量との比は、≧0.5、とりわけ≧0.6、好ましくは≧0.7である。
【0090】
それ故に、例えば、成分K1が過酸化水素又は有機過酸化物の分散、及び成分K2が(メタ)アクリレートの場合、低分子量ポリマー又はオリゴマーが生成される。
【0091】
本発明に係る装置の使用におけるさらなる実例として、ポリイソシアネート及びポリアミン付加体の生成において生じる。成分K1が、例えば化学式H2N−R’−NH2のジアミン、もしくは溶媒に溶解された該化合物の溶液などのポリアミンで、成分2が計量されており、例えば化学式OCN−R’’−NCOのポリイソシアネートで、R’及びR’’がそれぞれ二価の有機原子団の場合、式(I)の付加体を大変効率良く生成することができる。
【0092】
【化1】
【0093】
一方、成分K1が、例えば化学式OCN−R’’−NCOのポリイソシアネートで、成分K2が計量されており、例えば化学式H2N−R’−NH2のジアミン、もしくは溶媒に溶解された該化合物の溶液などのポリアミンで、R’及びR’’がそれぞれ二価の有機原子団の場合、式(II)の付加体を大変効率良く生成することができる。
【0094】
【化2】
【0095】
いずれにしても、高分子量付加体の生成を大幅に減らすことができる。
【0096】
本発明に係る装置の使用におけるさらなる実例として、分子内反応、とりわけ分子内環化を経て得る、分子の生成が挙げられる。成分K2にジオールHO−R’−OH、成分K3にカルボン酸ジクロリドClCO−R’’−COCl、ならびに成分K1に塩基を入れた溶媒の反応で得られる分子内ジエステル(III)が、以下にこの例として図式的に示す。したがって、ポリエステルの生成(IV)(m>>1)は大幅に減らすことが可能である。
【0097】
【化3】
【0098】
本発明に係る装置の使用における好適な例として、シラン水溶液の生成が挙げられる。
【0099】
成分K1が水分もしくは水溶液で、成分2に少なくとも一のシラン及び/又は少なくとも一のチタン酸が計量されている場合、本発明による装置を用いることで、高濃度のシロキサン又はチタン酸塩のオリゴマーによって発生する沈殿又は混濁を生成することなく、均一水溶液を得ることができる。
【0100】
好適な実施形態では、成分K1は水に加えて少なくとも一の酸性物質が含まれる。酸性物質は有機又は無機となり得る。有機酸は、まず、とりわけ蟻酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、及びクエン酸を含む群から選択することができるカルボン酸類、そしてとりわけアスパラギン酸及びグルタミン酸などのアミノ酸がある。pKa値が4から5の酸が好ましい。これらのpKa値のおかげで、これらの酸は本発明への最適条件で、かつ成分K1、K2、…の混合後の結果が、pKa値が3.5から4.5の範囲で優れた緩衝作用を示す。化学者は“pKa”を、酸解離定数Kaの負の常用対数(pKa=−log10Ka)と解することが知られている。
【0101】
酢酸はカルボン酸として好ましい。一方、その他の好ましい有機酸として、硫黄原子もしくはリン原子を含むものがある。前記の有機酸は、とりわけ有機スルホン酸がある。有機スルホン酸は、炭素原子を有する有機原子団であり、少なくとも一の官能基−SO3Hを有する化合物、という意味で解されている。芳香族スルホン酸は、単環式もしくは多環式であり、一もしくはそれ以上のスルホン酸基を与えることができる。これは、例えば、1−もしくは2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、もしくはアルキルベンゼンスルホン酸となり得る。
【0102】
成分K1は、さらなる構成要素を備えることができるが、さらなる成分K3、K4、…として別々に添加することもできる。このような添加剤の例として、溶媒、無機充填剤、触媒及び安定剤、染料又は顔料が挙げられる。
【0103】
とりわけ好適な実施形態では、成分K2は少なくとも一のシランを備える。
【0104】
本明細書において、用語“有機シラン”又は略して“シラン”は、一方では少なくとも一つの加水分解性基、一般に二つもしくは三つの加水分解性基がケイ素原子に直接結合しており、他方では少なくとも一の有機原子団がケイ素原子に直接結合(Si−C結合経由)して、Si−O−Si結合を有さない化合物を意味する。シラン又はそのシラン基は、水分と接触することによって加水分解する性質を有する。有機シラノール類、すなわち、一もしくはそれ以上のシラノール基(Si−OH基)を有する有機ケイ素化合物は、結果として、及びそれに続く縮合反応によって有機シロキサン類、すなわち、一もしくはそれ以上のシロキサン基(Si−O−Si)基を生成する。
【0105】
本明細書において、用語“チタン酸塩”は、一方では少なくとも一の加水分解性基、一般に二もしくは三の、典型的には四つの加水分解性基がチタン原子に直接結合する化合物を意味する。
【0106】
用語“アミノシラン”、“エポキシシラン”、“アルキルシラン”、“(メタ)アクリレートシラン”、“メルカプトシラン”及び“ビニルシラン”は、対応する官能基を含有するシラン、すなわち、ここではアミノアルキルシラン、エポキシアルキルシラン、アルキルシラン、(メタ)アクリルオキシシラン、メルカプトアルキルシラン、及びビニルシランを意味する。
【0107】
好適なシランは、とりわけアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリレートシラン及びアルキルシランである。
【0108】
まず、式(V)のアミノシランは、特にアミノシランとして適している。
【0109】
次に、式(V)のアミノシラン及びアミン反応性化合物(ARC)の反応によって得られた反応生成物は、とりわけアミノシラン、第一級又は第二級アミノ基と反応することができる官能基を少なくとも一つ有するアミン反応性化合物、及び少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を有する式(V)のアミノシランとして適している。
【0110】
【化4】
【0111】
ここで、R1は、1から8個の炭素原子を有するアルキル基で、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0112】
さらに、Xは、加水分解性基で、とりわけOR2基であり、R2は1から5個の炭素原子を有するアルキル基で、メチル基又はエチル基又はイソプロピル基であることが好ましい。R2は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0113】
さらに、R3は、1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基である。R3は、プロピレン基であることが好ましい。
【0114】
さらに、R4は、1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又は式(VI)の置換基である。
【0115】
【化5】
【0116】
さらに、R5は、水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又はさらなるヘテロ原子を含有する1から10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基、又は式(VI)の置換基である。
【0117】
【化6】
【0118】
CH2CH2NH2基及びCH2CH2NHCH2CH2NH2基は、1から10個の炭素原子を有し、さらにヘテロ原子R5を含む直鎖状のアルキレン基の、とりわけ有利な基であると考えられる。
【0119】
最後に、指数aは、0、1、もしくは2、とりわけ0もしくは1の値である。aは0であることが好ましい。
【0120】
式(V)のアミノシランの例として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルジメトキシメチルシラン、
アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルジメトキシメチルシラン、
N−シクロヘキシルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−メチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−エチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−プロピルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−ブチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルプロピル)アミン及びケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基もしくはイソプロピルオキシ基を有するこれらの類縁体が挙げられる。
【0121】
式(V)の好ましいアミノシランは、式(VII)、(VIII)及び(IX)のアミノシランを含む群から選択されるアミノシランである。
【0122】
【化7】
【0123】
【化8】
【0124】
【化9】
【0125】
最も好ましい式(V)のアミノシランは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン及びトリス(トリメトキシシリルプロピル)アミンである。
【0126】
一実施形態において、アミノシランは、第一級又は第二級アミノ基を反応することができる官能基を少なくとも一つ含有する化合物(ARC)と、少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を有する、前述の式(V)のアミノシランとの反応生成物である。
【0127】
第一級又は第二級アミノ基と反応することができるこの官能基は、好ましくはエポキシ基である。しかしながら、例えば、イソシアネート基もしくは活性化された二重結合など、その他の基も考えられる。エポキシ基を有するとりわけ好ましい化合物は、エポキシシランである。少なくとも一つの第二級もしくは第一級アミノ基を有し、式(V)のアミノシランと反応することができる好適な化合物(ARC)は、式(X)のエポキシシランである。
【0128】
【化10】
【0129】
ここで、R1’は1から8個の炭素原子を有するアルキル基で、好ましくはメチル基又はエチル基である。R2’は、1から5個の炭素原子を有するアルキル基である。さらに、R3’は、1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキレン基で、a’は0、1、又は2で、とりわけ0もしくは1である。
【0130】
R1’は、とりわけメチル基である。R2’は、メチル基又はエチル基もしくはイソプロピル基であることが好ましい。R2’は、特にメチル基又はエチル基が好ましい。R3’は、プロピレンであることが好ましい。指数a’は、0であることが好ましい。
【0131】
エポキシシランの例として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0132】
好ましいエポキシシランは、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。最も好ましいエポキシシランは、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0133】
反応生成物に使用される式(V)のアミノシランは、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、好ましくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに加え、特に式(VII)又は(VIII)のアミノシラン、とりわけ3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンを含む。3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンが好ましい。
【0134】
式(V)のアミノシラン及びアミン反応性化合物(ARC)の化学量論に応じて、反応生成物は第一級又は第二級アミノ基を有することも有しないこともあり得る。
【0135】
かかる反応生成物の一例として、式(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)及び(XVI)の化合物が挙げられる。
【0136】
式(XI)、(XII)及び(XIII)の化合物は、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0137】
【化11】
【0138】
【化12】
【0139】
【化13】
【0140】
式(XIV)及び(XV)の化合物は、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0141】
【化14】
【0142】
【化15】
【0143】
式(XVI)の化合物は、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンと3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの反応より得られる。
【0144】
【化16】
【0145】
当然ながら、環形成反応及びトランスエステル化反応から得られる、さらなる分子間及び分子内反応生成物も可能である。
【0146】
活性化された二重結合を有するアミン反応性化合物(ARC)の例として、例えば、α,β−不飽和化合物、とりわけマレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、桂皮酸エステル、イタコン酸ジエステル、ビニルホスホン酸ジエステル、ビニルスルホン酸アリールエステル、ビニルスルホン、ビニルニトリル、1−ニトロエチレン又は、例えばマロン酸ジエステルとホルムアルデヒド、アセトアルデヒドもしくはベンズアルデヒドなどのアルデヒドとのクネーフェナーゲル縮合体が挙げられる。この種のアミン反応性化合物は、二重結合にアミンが付加したマイケル付加体を生成する。この種の反応生成物の例として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン又はアミノメチルジメトキシメチルシランと、ジメチル、ジエチル又はジブチルマレート、テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ヘキシル、ラウリル、ステアリル、2−ヒドロキシエチル又は3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチル、ジエチル又はジブチルホスホネート、アクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、フマロニトリルもしくはβ−ニトロスチレンとのマイケル付加体、及びケイ素上にメトキシ基の代わりにエトキシ基を有する前記アミノシランの類縁体が挙げられる。とりわけ、ジエチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートについて挙げられる。
【0147】
イソシアネート基を有するアミン反応性化合物の例として、イソシアナトシラン又はポリイソシアネートが挙げられる。3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン及び3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランは、特定のイソシアナトシランとして挙げられる。ポリイソシアネートは、例えば2,4−及び2,6−ジイソシアン酸トリレン(TDI)ならびにこれらの異性体の所望する任意の混合物、4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)ならびにこれらとさらに異性体の所望する任意の混合物、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−メチルペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソシアネートならびにこれらの異性体の所望する任意の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアナート又はIPDI)、ペルヒドロ−2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、メタ−及びパラ−キシレンジイソシアネート(XDI)、1,3−及び1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3−及び1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、上記ポリイソシアネート類のオリゴマー及び上記イソシアネート類の所望する任意の混合物が挙げられる。好ましくは、MDI、TDI、HDI及びIPDIならびにそれらのビウレット及びイソシアヌレートである。
【0148】
シランがエポキシシランの場合、アミン反応性化合物として前記エポキシシランは好ましい。
【0149】
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシランは、メルカプトシランの一例として挙げられる。
【0150】
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メタクリオイルプロピルトリエトキシシランは、(メタ)アクリレートシランの一例として挙げられる。
【0151】
シランがアルキルシランの場合、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びブチルトリメトキシシランなどの、C1−C6アルキル基を有するシランについて特に挙げられる。
【0152】
成分K2は、その他の構成要素を含むことができる。当該構成要素は、一方で、成分K3、K4など個々に添加することも可能である。このような他の構成要素は、特に界面活性剤、溶媒、無機充填剤、触媒及び安定化剤、染料又は顔料である。
【0153】
界面活性剤には、溶液中、水分又はその他の液体の溶液中で界面張力が低減される天然もしくは合成物質を使用することができる。陰イオン性、陽イオン性、非イオン性又は両性の界面活性剤もしくはこれらの混合物は、界面活性剤として用いることができ、湿潤剤とも呼ばれる。シランと界面活性剤との比率は5:1から1:2が好ましい。シランと界面活性剤との最適な比率は、特にシランがアミノシランの場合、3:1から2:3の値である。成分K2は、シランの少なくとも33重量%、とりわけ少なくとも40重量%含むことが好ましい。また、成分K2は多くて1重量%まで、とりわけ多くて0.5重量%の水分を含んでいることが好ましい。成分K2は、基本的にシラン及び界面活性剤のみ備えることが特に好ましい。ここで、“基本的に”とは、シラン及び界面活性剤の合計重量が、成分K2の重量に対して、90重量%以上、とりわけ95重量%以上、好ましくは99重量%以上であることを意味する。
【0154】
本発明は、前記装置を用いて少なくとも一つの液体成分及び少なくとも一つの他の液状の粘性又は粉末成分(K1、K2、…)を混合する工程にも関する。
【0155】
このように、成分K1及びK2が少なくとも反応時に互いに接触した場合、反応生成物の低い局所濃度のみが生じるように、完全な混合が可能となることがわかった。従って、比較的高分子量の分子の生成を防ぐか、もしくは大幅に減少することができ、よって実質的に低分子量の化合物が生成される。
【0156】
さらに、これらの所望する低分子量化合物は、大量の溶媒を除去することなく比較的高い濃度で得ることができる。
【0157】
本発明に係る装置において、まず環状ライン内で成分K1又は混合物の強力な循環を有し、個々の成分、とりわけ成分K2の供給中もしくは直後において乱流が生じることが特に好ましい。したがって、静的ミキサー2又は運搬要素7、7’、7’’の利用、とりわけ流れ方向において供給開口部101、102、103又は計量槽31の直後又は周辺での使用が好ましい。より効率的な混合を成す為に、複数の運搬要素7、7’、7’’及び/又は静的ミキサー2を用いたほうが有利である場合がある。成分は徐々に計量されることが好ましい。これは連続的な又は律動的な添加によって達成される。計量速度は成分の反応性、流動速度、濃度、粘性及び混合槽内における渦流、とりわけ混合槽内に成分が供給される最中又は後に、適合するべきである。
【0158】
典型的に、工程は以下の通り達成される。混合槽100は成分K1によって満たされる。続いて成分K2が、運搬装置7、7’、7’’によって成分K1の循環と共に計量供給され、よってK1及びK2の混合物もしくはそこから生成された反応生成物が槽内に存在し、かつ同様に循環する。成分K2の計量が終了した後、望む品質の所望の混合物が得られるまで循環は継続される。ここで、混合槽100は満杯であると好都合である場合がある。例えば、完全に充填された混合槽100内にはすべての可能な泡沫形成は存在せず、もしくは大幅に抑制される。また、混合槽100が液体で完全に充填されておらず、例えば空気又は窒素などの不活性ガスがまだ混合槽内に存在する場合でも、好都合である場合がある。このような充填は、例えばより良い混合について好都合である場合がある。
【0159】
所望の混合物が望む品質で得られた後、前記混合物は排出開口部109を通じて装置から取り除かれる。装置は、次いでその他の混合処理過程に用いることが可能である。混合物を装置から取り除いた後、装置の洗浄過程が果たされれば好都合である場合がある。このように、混合槽は、溶媒又は成分K1で充填され及び循環され、次に取り除かれ、必要に応じて空気又はガスを用いて乾燥することができる。このような洗浄過程は、例えば所定の混合及び除去過程又は一定時間間隔後に自動的に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係る混合装置1を示し、供給開口部101、102、103を有する混合容器10、及び混合される成分が循環され、磁気駆動70を駆動力とする運搬要素7によって完全に混合された、混合槽100を有する排出開口部109を備えた図である。
【図1a】図1に示した供給開口部103に用いた弁53の断面図である。
【図2】手動操作の機械駆動装置75、運搬要素7’’用の750、好ましく設計された弁51、52、53及び通気ネジ5000を備えた、図1に示した混合装置1の図である。
【図2a】弾性管(resilient hose)5031に囲まれ、加圧下で開口する排出開口部501を備えた弁本体500を備えた、図2の弁51を示す図である。
【図2b】延伸性排出開口部50321を有し、弾性キャップ5032に囲まれた弁本体500を備えた、図2の弁52を示す図である。
【図3】運搬要素7’’用の電気駆動装置70及び計量本体81A、82B、及び拡張容器8などの計量装置を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図4】二つの計量ネジ81A及び圧力除去弁510を備えた、図3の混合装置1を示す図である。
【図5a】弁52d、53d及び計量装置4を有する計量本体を示す図である。
【図5b】弁52d及び計量装置81Bを有する計量本体を示す図である。
【図5c】弁52d及び計量装置81Bを有する計量本体を示す図である。
【図6】三本の注入系統92、900、901を備え、混合槽100の中に回転可能な計量室31を備えた計量ドラム3を有する計量装置を示す図である。
【図6a】三本の排出系統を備えた、図5の計量装置を示す図である。
【図6b】一本の排出系統を備えた、図5の計量装置を示す図である。
【図7】様々な第二管要素112が連結可能な第一管要素111を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図8】機械的逆止弁51、52,53と結合している電気制御弁51’、52’、53’を備えた、図1の混合装置1を示す図である。
【図9】コイルによって誘起された回転磁界で駆動された永久磁石を備えた、図1の運搬要素7を示す図である。
【図10】回転可能な外部磁気的支持装置7000と結合している永久磁石を備えた、図1の回転自在に据え付けた運搬要素7を示す図である。
【図11】永久磁石を備え、軸方向に変位可能であるように据え付けられ、第一と第二の位置間でコイル700A、700Bによって移動される、図1の運搬要素7を示す図である。
【図12】永久磁石を備え、軸方向に変位可能となるよう据え付けられ、軸方向移動可能な外部磁気的支持装置7000’と一体となった図1の運搬要素7を示す図である。
【図13】本発明に係る混合装置1を示し、混合装置1の全ての機能要素及び付加的に柔軟又は硬質な補助的要素112又は112’を含む、直管型要素111を有する環状混合容器10を備えた図である。
【符号の説明】
【0161】
1 混合装置
10 混合容器
100 混合槽
1000 計量槽
1030 ドラム槽
1035、1036 境界面
101、102、103 供給開口部
105 オーバーフロー開口部
1050 オーバーフロー開口部又は通気口
109 排出開口部
110 連結要素
111 第一管要素
112A、112B、112C 第二管要素
1120C 伸長要素、ベローズ
2、2a、2b 静的ミキサー
3 計量ドラム
31 計量ドラム3内の計量槽
32 計量ドラム3のシャフト
4 目盛り付き棒、レベル指示器、目盛り付きガラス
40 スケール
5000 通気及び/又はオーバーフローネジ
5001 通気ネジ内の風洞
500 穴開き弁本体
501 側部排出開口部
502 弁本体の穴
5031 弾性要素又は弾性ホース
5032 弾性要素又は弾性キャップ
50321 キャップ524内の通路
5033 弾性要素又は弾性バネ
5034 球
504 末端要素
51、…59 機械的作動弁
51’、…、59’ 電気機械的作動弁
52d、53d 計量槽1000内の作動弁
510 圧力除去弁
590 回転輪付きシャフト
591 穴
6 制御装置
61、62、… 制御装置6に接続された線
7、7’、7’’ 運搬要素
70 駆動装置
700 コイルパケット
7000、7000’ 外部磁石リング、磁気的支持装置
71、710 固定又は回転可能な据え付けた羽根要素
711 回転可能な据え付けた羽根要素
72 (内部)磁石リング
75 シャフト
750 クランク軸
76 シャフト75用軸受要素
79 スイッチ
8 拡張容器
800 計量センサー
81A、81B 計量ネジ、計量ピストン
900、900’、901、901’ 系統、空気系統、ガス系統、洗浄系統
91、92 混合槽100の注入系統
91’、92’ 計量槽1000の注入系統
99 排出系統
K1、K2、… 混合成分
L 空気、ガス、窒素
MP 混合物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの液体第一成分と一つの液状、粘性又は粉状の第二成分(K1、K2、…)とを混合するための装置であって、前記少なくとも一つの液体第一成分と一つの液状、粘性又は粉状の第二成分(K1、K2、…)とは、混合容器(10)の混合槽(100)内に供給可能であるとともに、混合プロセス実施後は混合物(MP)として前記混合槽から再度取り出される、装置において、
前記混合容器(10)は内蔵型の好ましくは環状管システムであり、前記混合容器(10)の内部は混合槽(100)を形成し、混合物(MP)は運搬要素(7、7’、7’’)によって前記混合槽内を循環的に移動することができ、成分(K1、K2、…)を供給する複数の密閉可能な供給開口部(101、102、…)及び混合物(MP)の取り出すための少なくとも一つの密閉可能な排出開口部(109)が前記混合容器(10)に設けられていることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記運搬要素(7、7’’)が、管システムの外部から力により作用し、又は前記運搬要素(7、7’’)が、シャフト(75)によって回転可能であり、又は混合物(MP)が実質的に障害なく一方向に通り抜けることを可能とする前記運搬要素(7’)が、前記シャフト(75)に沿って前後に移動可能であるように保持され、前記運搬要素(7、7’)又は前記シャフト(75)を機械的、電気機械的もしくは磁気的駆動装置(70、75、750)によって駆動できることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つの静的ミキサー(2、2a、2b)が、好ましくは流れ方向に他の成分(K2、K3、…)の前記供給開口部(102、103、…)の近くの前記混合槽(100)に配置され、前記静的ミキサー(2、2a、2b)を通じて混合プロセス中に前記混合物(MP)が循環的に移動し、静的ミキサー(2a、2b)が好ましくは個々の前記他の成分(K2、K3、…)に合わせられることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
a)前記混合容器(10)に少なくとも一つのオーバーフロー開口部(105、1050)が設けられ、前記オーバーフロー開口部から混合物(MP)又は未だ混合されていない前記第一成分(K1)が、好ましくは調整可能な量で出現すること、及び/又は、
b)前記混合容器(10)に計量ネジ(81A)又は計量ピストン(81B)など、少なくとも一つの計量本体が設けられ、前記計量本体は前記混合槽(100)から外へ移動することができ、前記混合槽(100)に自由体積分率が生じ、他の成分(K2、K3、…)により充填できるように好ましくは容量を選択できること、及び/又は、
c)計量槽(1000)が前記混合槽(100)と結合し、前記計量槽に成分(K2、K3、…)の所定の容量を計量装置(4)を用いて、及び/又は移動ピストン(81B)によって供給することができ、前記成分(K2、K3、…)の所定の容量を、ガス状媒質(L)を供給又は前記ピストン(81B)を動かすことにより前記混合槽(100)内に移動できること、及び/又は、
d)計量槽(31)を有する計量ドラム(3)が設けられ、該計量ドラムは、前記計量槽(31)の両側が開くように、前記混合容器(10)に隣接して、好ましくは閉じたドラム槽(1030)の内側に回転可能に据え付けられ、前記計量ドラム(3)の第一の位置では前記計量ドラムは成分(K2、K3、…)の注入系統(92)に、及び/又は該注入系統(92)と放出系統(92’)とにしっかりと密着するように連結し、第二の位置において開放状態で前記混合槽(100)内に突出していること、
を特徴とする請求項1、2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記計量ドラム(3)は、前記計量ドラム(3)の第三の位置において、計量槽(31)が洗浄系統(900)に連結し、及び/又は第四の位置において、前記計量槽がガス系統(901)に連結するように、回転可能に据え付けられ、前記計量ドラムによって、前記計量槽(31)が洗浄され、ブローされ、及び任意で乾燥されるように、回転可能に据え付けられていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記オーバーフロー開口部(105、1050)から流出する前記混合物(MP)又は前記第一成分K1の容量は、好ましくは調整可能な容積を有する拡張容器(8、80)によって制限され、充填レベルを電気的に検出可能な計量センサー(800)好ましくは設けることができることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記供給開口部(103)の一つが、空気又は窒素などのガス状媒体(L)を供給及び/又は放出するのに用いられ、前記ガス状媒体(L)は、圧縮機又はガスボンベの圧力により前記混合槽(100)に供給又は放出されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
供給開口部、排出開口部及び/又はオーバーフロー開口部(101、102、…、109)のうちの少なくとも一つが、好ましくは手動、電動、空気圧もしくは油圧制御式の弁(51、…59、51’、…59’)で閉じられ、及び/又は前記混合槽(100)中に突出した機械式弁(51、…59)が前記供給開口部(101、102、…)に連結していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記混合容器(10)が、一体成形されているか、もしくは互いに分離し連結した一つもしくはそれ以上の管システム部品から成り、前記一つもしくはそれ以上の管システム部品は、好ましくは例えば真直ぐな第一、及び例えば湾曲した第二管要素(111、112)であり、好ましくは真直ぐな第一管要素(111)の少なくとも一つが供給、排出及び/又はオーバーフロー開口部(101、102、…、109)、前記静的ミキサー(2)、前記計量容器(81)及び/又は前記運搬要素(7、7’、7’’)を備え、少なくとも一つの柔軟な、堅い弾力性又は堅い、随意に伸長可能な第二管要素(112)に連結されていること特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前期混合容器(10)又はその構成要素が、混合される前記成分(K1、K2、…)及び生じる前記混合物(MP)に対して不活性な、例えばプラスチックや金属などから成るか、又は混合される前記成分(K1、K2、…)及び生じる前記混合物(MP)に対して不活性な、例えばプラスチックや金属などから成る材料を含有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
好ましくは制御プログラムを提供された制御装置(6)を備え、該制御装置によって少なくとも一つの前記弁(51、…、59)、前記運搬要素(7,7’、7’’)の駆動装置(70)及び/又は特に成分(K1、K2、…)を供給するための少なくとも一つのポンプが好ましくは前記計量センサー(800)の信号出力の関数として制御可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記運搬要素(7、7’)が、シャフトによって回転又は変位可能に据え付けられているとともに永久磁石を備え、該永久磁石は、前記混合容器(10)の外側に回転又は変位可能に据え付けられた好ましくは環状の磁石支持装置(7000、7000’)の永久磁石と一対となるか、又はコイル(700、700A’、700B’)によって発生した磁場と偶力となることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記回転可能に据え付けられた運搬要素(7、7’’)が強固に保持された運搬要素(71)を備えるか、又は軸方向に移動可能となるように据え付けられた前記運搬要素(7’)が第一及び第二の位置の間に回転もしくは移動可能に保持された運搬要素(710)を備え、前記運搬要素(710)は、該運搬要素(710)が前記混合物(MP)を通過する移動方向に依存して第一及び第二位置を占め、よって適切に前記混合物(MP)を移動するか、又は前記混合物が通り抜けることを可能とすることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記弁(51、…)が、弾性要素(5033)に据え付けた球(5034)によって閉じることが可能な貫通孔(502)を有する弁本体(500)を有するか、又は前記弁(51、…)が、穿孔(502)及び少なくとも一つの排出開口部(501)を備え、好ましくはホース様弾性要素(5031)が前記排出開口部(501)押圧しているか、又は前記弁(51、…)が、貫通孔(502)を有する弁本体(500)を備え、前記貫通孔(502)は圧力によって開く通路(50321)を有する弾性要素(502)によって覆われていることを特徴とする請求項1から13いずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記成分K2が、前記成分K1と反応する成分であるか、又は前記成分K1が、前記成分K2同士の反応を開始することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記成分K1が、水であるか、又は水分を含有し、前記成分K2が、シラン、とりわけアルコキシシランであることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記シランは、特に式(V)のアミノシランである、又は当該アミノシランを含有し、又は少なくとも一つの官能基が第一級又は第二級アミノ基と反応することができる化合物(ARC)と、少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を含有する式(V)との反応生成物であり、
【化1】
式中、
R1は1から8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基、特にメチル基であり、
Xは加水分解可能な基、とりわけOR2基であり、R2は1から5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基又はイソプロピル基、特にメチル基又はエチル基であり、
R3は1から4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、特にプロピレン基であり、
R4は水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、もしくは式(VI)の置換基であり、
【化2】
R5は水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、又は1から10個の炭素原子を有し、さらにヘテロ原子を有する、直鎖状又は分岐したアルキレン基、もしくは式(VI)の置換基であり、
【化3】
aの値は、0、1又は2、とりわけ0又は1、好ましくは0であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の装置を使用して、液体第一成分及び少なくとも一つの液状の粘性又は粉状の他の第二成分(K1、K2、…)を混合するプロセス。
【請求項19】
成分K2が前記成分K1と反応するか、又は前記成分K1の影響により成分K2同士が反応する、請求項1から17のいずれかに記載の装置を使用した低分子量反応物の生成プロセス。
【請求項1】
少なくとも一つの液体第一成分と一つの液状、粘性又は粉状の第二成分(K1、K2、…)とを混合するための装置であって、前記少なくとも一つの液体第一成分と一つの液状、粘性又は粉状の第二成分(K1、K2、…)とは、混合容器(10)の混合槽(100)内に供給可能であるとともに、混合プロセス実施後は混合物(MP)として前記混合槽から再度取り出される、装置において、
前記混合容器(10)は内蔵型の好ましくは環状管システムであり、前記混合容器(10)の内部は混合槽(100)を形成し、混合物(MP)は運搬要素(7、7’、7’’)によって前記混合槽内を循環的に移動することができ、成分(K1、K2、…)を供給する複数の密閉可能な供給開口部(101、102、…)及び混合物(MP)の取り出すための少なくとも一つの密閉可能な排出開口部(109)が前記混合容器(10)に設けられていることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記運搬要素(7、7’’)が、管システムの外部から力により作用し、又は前記運搬要素(7、7’’)が、シャフト(75)によって回転可能であり、又は混合物(MP)が実質的に障害なく一方向に通り抜けることを可能とする前記運搬要素(7’)が、前記シャフト(75)に沿って前後に移動可能であるように保持され、前記運搬要素(7、7’)又は前記シャフト(75)を機械的、電気機械的もしくは磁気的駆動装置(70、75、750)によって駆動できることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つの静的ミキサー(2、2a、2b)が、好ましくは流れ方向に他の成分(K2、K3、…)の前記供給開口部(102、103、…)の近くの前記混合槽(100)に配置され、前記静的ミキサー(2、2a、2b)を通じて混合プロセス中に前記混合物(MP)が循環的に移動し、静的ミキサー(2a、2b)が好ましくは個々の前記他の成分(K2、K3、…)に合わせられることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
a)前記混合容器(10)に少なくとも一つのオーバーフロー開口部(105、1050)が設けられ、前記オーバーフロー開口部から混合物(MP)又は未だ混合されていない前記第一成分(K1)が、好ましくは調整可能な量で出現すること、及び/又は、
b)前記混合容器(10)に計量ネジ(81A)又は計量ピストン(81B)など、少なくとも一つの計量本体が設けられ、前記計量本体は前記混合槽(100)から外へ移動することができ、前記混合槽(100)に自由体積分率が生じ、他の成分(K2、K3、…)により充填できるように好ましくは容量を選択できること、及び/又は、
c)計量槽(1000)が前記混合槽(100)と結合し、前記計量槽に成分(K2、K3、…)の所定の容量を計量装置(4)を用いて、及び/又は移動ピストン(81B)によって供給することができ、前記成分(K2、K3、…)の所定の容量を、ガス状媒質(L)を供給又は前記ピストン(81B)を動かすことにより前記混合槽(100)内に移動できること、及び/又は、
d)計量槽(31)を有する計量ドラム(3)が設けられ、該計量ドラムは、前記計量槽(31)の両側が開くように、前記混合容器(10)に隣接して、好ましくは閉じたドラム槽(1030)の内側に回転可能に据え付けられ、前記計量ドラム(3)の第一の位置では前記計量ドラムは成分(K2、K3、…)の注入系統(92)に、及び/又は該注入系統(92)と放出系統(92’)とにしっかりと密着するように連結し、第二の位置において開放状態で前記混合槽(100)内に突出していること、
を特徴とする請求項1、2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記計量ドラム(3)は、前記計量ドラム(3)の第三の位置において、計量槽(31)が洗浄系統(900)に連結し、及び/又は第四の位置において、前記計量槽がガス系統(901)に連結するように、回転可能に据え付けられ、前記計量ドラムによって、前記計量槽(31)が洗浄され、ブローされ、及び任意で乾燥されるように、回転可能に据え付けられていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記オーバーフロー開口部(105、1050)から流出する前記混合物(MP)又は前記第一成分K1の容量は、好ましくは調整可能な容積を有する拡張容器(8、80)によって制限され、充填レベルを電気的に検出可能な計量センサー(800)好ましくは設けることができることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記供給開口部(103)の一つが、空気又は窒素などのガス状媒体(L)を供給及び/又は放出するのに用いられ、前記ガス状媒体(L)は、圧縮機又はガスボンベの圧力により前記混合槽(100)に供給又は放出されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
供給開口部、排出開口部及び/又はオーバーフロー開口部(101、102、…、109)のうちの少なくとも一つが、好ましくは手動、電動、空気圧もしくは油圧制御式の弁(51、…59、51’、…59’)で閉じられ、及び/又は前記混合槽(100)中に突出した機械式弁(51、…59)が前記供給開口部(101、102、…)に連結していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記混合容器(10)が、一体成形されているか、もしくは互いに分離し連結した一つもしくはそれ以上の管システム部品から成り、前記一つもしくはそれ以上の管システム部品は、好ましくは例えば真直ぐな第一、及び例えば湾曲した第二管要素(111、112)であり、好ましくは真直ぐな第一管要素(111)の少なくとも一つが供給、排出及び/又はオーバーフロー開口部(101、102、…、109)、前記静的ミキサー(2)、前記計量容器(81)及び/又は前記運搬要素(7、7’、7’’)を備え、少なくとも一つの柔軟な、堅い弾力性又は堅い、随意に伸長可能な第二管要素(112)に連結されていること特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前期混合容器(10)又はその構成要素が、混合される前記成分(K1、K2、…)及び生じる前記混合物(MP)に対して不活性な、例えばプラスチックや金属などから成るか、又は混合される前記成分(K1、K2、…)及び生じる前記混合物(MP)に対して不活性な、例えばプラスチックや金属などから成る材料を含有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
好ましくは制御プログラムを提供された制御装置(6)を備え、該制御装置によって少なくとも一つの前記弁(51、…、59)、前記運搬要素(7,7’、7’’)の駆動装置(70)及び/又は特に成分(K1、K2、…)を供給するための少なくとも一つのポンプが好ましくは前記計量センサー(800)の信号出力の関数として制御可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記運搬要素(7、7’)が、シャフトによって回転又は変位可能に据え付けられているとともに永久磁石を備え、該永久磁石は、前記混合容器(10)の外側に回転又は変位可能に据え付けられた好ましくは環状の磁石支持装置(7000、7000’)の永久磁石と一対となるか、又はコイル(700、700A’、700B’)によって発生した磁場と偶力となることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記回転可能に据え付けられた運搬要素(7、7’’)が強固に保持された運搬要素(71)を備えるか、又は軸方向に移動可能となるように据え付けられた前記運搬要素(7’)が第一及び第二の位置の間に回転もしくは移動可能に保持された運搬要素(710)を備え、前記運搬要素(710)は、該運搬要素(710)が前記混合物(MP)を通過する移動方向に依存して第一及び第二位置を占め、よって適切に前記混合物(MP)を移動するか、又は前記混合物が通り抜けることを可能とすることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記弁(51、…)が、弾性要素(5033)に据え付けた球(5034)によって閉じることが可能な貫通孔(502)を有する弁本体(500)を有するか、又は前記弁(51、…)が、穿孔(502)及び少なくとも一つの排出開口部(501)を備え、好ましくはホース様弾性要素(5031)が前記排出開口部(501)押圧しているか、又は前記弁(51、…)が、貫通孔(502)を有する弁本体(500)を備え、前記貫通孔(502)は圧力によって開く通路(50321)を有する弾性要素(502)によって覆われていることを特徴とする請求項1から13いずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記成分K2が、前記成分K1と反応する成分であるか、又は前記成分K1が、前記成分K2同士の反応を開始することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記成分K1が、水であるか、又は水分を含有し、前記成分K2が、シラン、とりわけアルコキシシランであることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記シランは、特に式(V)のアミノシランである、又は当該アミノシランを含有し、又は少なくとも一つの官能基が第一級又は第二級アミノ基と反応することができる化合物(ARC)と、少なくとも一つの第二級又は第一級アミノ基を含有する式(V)との反応生成物であり、
【化1】
式中、
R1は1から8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基、特にメチル基であり、
Xは加水分解可能な基、とりわけOR2基であり、R2は1から5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基又はイソプロピル基、特にメチル基又はエチル基であり、
R3は1から4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、特にプロピレン基であり、
R4は水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、もしくは式(VI)の置換基であり、
【化2】
R5は水素原子又は1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐したアルキレン基、又は1から10個の炭素原子を有し、さらにヘテロ原子を有する、直鎖状又は分岐したアルキレン基、もしくは式(VI)の置換基であり、
【化3】
aの値は、0、1又は2、とりわけ0又は1、好ましくは0であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の装置を使用して、液体第一成分及び少なくとも一つの液状の粘性又は粉状の他の第二成分(K1、K2、…)を混合するプロセス。
【請求項19】
成分K2が前記成分K1と反応するか、又は前記成分K1の影響により成分K2同士が反応する、請求項1から17のいずれかに記載の装置を使用した低分子量反応物の生成プロセス。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−515692(P2009−515692A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540618(P2008−540618)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068617
【国際公開番号】WO2007/057441
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068617
【国際公開番号】WO2007/057441
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
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