説明

液体燃料の改質装置

【課題】液体燃料の分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして、燃費向上を図ることができて、構造が簡単で安価にできる液体燃料の改質装置を提供すること。
【解決手段】2つの収納筒状体8内にセラミック体1を収納した状態で、両蓋体11の円柱状の部分を収納筒状体8内に圧入して、両蓋体11で両収納筒状体8の両端部の開口を蓋する。また、収納筒状体10内に人口鉱石5を収納した状態で、両蓋体11の円柱状の部分を収納筒状体10内に圧入して、両蓋体11で前記収納筒状体10の両端部の開口を蓋する。次いで、このように組み立てられた一方の構造物15の左の蓋体11の貫通孔12、セラミック体1の貫通孔2及び右の蓋体11の貫通孔12に挿入し、間隔子13に挿入する。また他方の構造物16の左の蓋体11の貫通孔12及び右の蓋体11の貫通孔12に挿入し、次に間隔子13に挿入する。そして、もう一つの構造物15にも同様に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関等における液体燃料の改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の液体燃料の改質装置については、例えば特許文献1などに開示されているように、液体燃料の特性を短時間で変化させて、燃費向上を図ることができる液体燃料の改質装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−7136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、液体燃料の表面張力を低下させる球形のガラス組成物を内筒内及び内筒と外筒との間に装填させる構造であるため、構造が複雑で実用的ではない。
【0005】
そこで本発明は、上記の点に鑑み、液体燃料の分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして、燃費向上を図ることができて、構造が簡単で安価にできる液体燃料の改質装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、主成分であるSiOから成るセラミック体と、このセラミック体を収納するもので少なくとも一方の端部を開口せる中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体と、前記セラミック体を収納した状態の前記収納筒状体に前記蓋体を取り付けた状態で、この蓋体及び前記収納筒状体を貫通した線材とから成ることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、主成分であるSiOから成る人口鉱石と、この人口鉱石を収納するもので少なくとも一方の端部を開口せる中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体と、前記人口鉱石を収納した状態の前記収納筒状体に前記蓋体を取り付けた状態で、この蓋体及び前記収納筒状体を貫通した線材とから成ることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、
主成分であるSiOから成るセラミック体と、少なくとも一方の端部を開口して前記セラミック体を収納した中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体とから成る第1の構造体と、
主成分であるSiOから成る人口鉱石と、少なくとも一方の端部を開口して前記人口鉱石を収納した中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体とから成る第2の構造体と、
前記第1及び第2の構造体を貫通した線材とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液体燃料の分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして、燃費向上を図ることができて、構造が簡単で安価にできる液体燃料の改質装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ガソリンの改質装置の分解図である。
【図2】ガソリンの改質装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図1及び図2に基づき、燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料を改質する液体燃料の改質装置の実施の形態に説明するが、自動車のガソリンタンク内のガソリン中に浸漬されるガソリンの改質装置を例として説明する。先ず、図1に基づいて、1はテラヘルツ帯域の電磁波を放射する円柱状のセラミック体で、主成分であるSiO(酸化ケイ素)が約70質量%、Al(酸化アルミニウム)が約15質量%、その他酸化物であるCaO、MnO、CuO、KOなどから構成される。
【0012】
このセラミック体1には、その軸線方向に貫通孔2が開設され、この貫通孔2内に、例えばステンレス製の線材3が移動可能に貫通される。なお、この線材3は銅製でもよい。このセラミック体1は、液体燃料であるガソリンの分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして、液体燃料の霧化を向上させて、未燃ガスを最少としてより完全燃焼させて、燃焼効率の向上を図ることができる。
【0013】
5はテラヘルツ帯域の電磁波を放射する粒状(例えば、小豆程度の大きさ)の多数個の人口鉱石で、主成分であるSiO(酸化ケイ素)が約90質量%以上、その他Al(酸化アルミニウム)、CaO、MgO、KOなどの粉末を焼結して作製される。この人口鉱石5も、液体燃料であるガソリンの分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして、液体燃料の霧化を向上させて、未燃ガスを最少としてより完全燃焼させて、燃焼効率の向上を図ることができる。
【0014】
8は前記セラミック体1を内周壁との間に隙間を存した状態で(空間内に)収納するための両端部が開口した中空円筒状の収納筒状体で、その周側面には90毎に2個ずつ開口9が形成されており、開口9を介して液体燃料であるガソリンがこの収納筒状体8内に出入りできる構成である。10は前記人口鉱石5を内周壁との間に隙間を存した状態(空間内に)で収納するための両端部が開口した中空円筒状の収納筒状体で、その周側面には開口は形成されていないが、前記人口鉱石が抜けない大きさの開口を形成してもよい。
【0015】
なお、前記収納筒状体8及び10は、中空円筒状を呈するが、中空円筒状に限らず、角筒状、その他の形状でもよく、また外観形状を筒状に形成すればよいので、網で形成してもよい。
【0016】
11は蓋体で、前記収納筒状体8内に前記セラミック体1を、また前記収納筒状体10内に前記人口鉱石5を収納した状態で、前記収納筒状体8、10の両端部の開口の蓋をして前記セラミック体1、前記人口鉱石5が抜け出るのを防止する。この蓋体11は外形が円柱状の部分と円錐台状の部分とからなる、例えば概ね漏斗のような形状を呈しており、円錐台状の部分の頂部には前記線材3が貫通する貫通孔12が形成されているが、網で形成してもよい。
【0017】
なお、前記収納筒状体8、10の一方の端部は、当初より深絞り加工して貫通孔を有する蓋部を一体に形成してもよい。従って、前記収納筒状体8、10は少なくとも一端部に開口を形成して、この開口を蓋体11で閉めてもよい。
【0018】
13は間隔子で、例えば中空円筒状を呈して移動可能に貫通する。この間隔子13は前記各収納筒状体8と10との間に少し移動可能な間隔を存して配設される。この間隔子13、前記蓋体11及び前記収納筒状体8、10は、銅製であると、燃費向上に好適であるが、ステンレス製、その他の材質でもよい。
【0019】
次に、ガソリンなどの液体燃料の改質装置の組立について、説明する。先ず、2つの前記収納筒状体8内に前記セラミック体1を収納した状態で、前記両蓋体11の円柱状の部分を前記収納筒状体8内に圧入して、前記両蓋体11で両収納筒状体8の両端部の開口を蓋する。この場合、古くなって効能が発揮できなくなった前記セラミック体1から新しいセラミック体1に交換するために、工具を用いて抜くか、使用者が手で抜くことができる程度に嵌合するように、各寸法を定める。更には、前記収納筒状体8、10の開口内に前記蓋体11を嵌合させる場合に限らず、前記収納筒状体8、10端部の外側に前記蓋体11を被せるように嵌合させるようにしてもよい。
【0020】
また、一方の蓋体11の円柱状の部分を前記収納筒状体10内に圧入して、この収納筒状体10内に前記人口鉱石5を収納した状態で、他方の蓋体11の円柱状の部分を前記収納筒状体10内に圧入して、前記両蓋体11で前記収納筒状体10の両端部の開口を蓋する。この場合、古くなって効能が発揮できなくなった前記人口鉱石5から新しい人口鉱石5に交換するために、工具を用いて抜くか、使用者が手で抜くことができる程度に嵌合するように、各寸法を定める
そして、以上のように組み立てられた構造物15、16に、前記線材3を挿入するが、先ず一方の構造物15の左の蓋体11の貫通孔12、前記セラミック体1の貫通孔2及び右の蓋体11の貫通孔12に挿入し、次に間隔子13に挿入する。
【0021】
次いで、他方の構造物16に、前記線材3を挿入するが、この構造物16の左の蓋体11の貫通孔12、右の蓋体11の貫通孔12に挿入し、次に間隔子13に挿入する
そして、もう一つの構造物15に、前記線材3を挿入するが、この構造物15の左の蓋体11の貫通孔12、前記セラミック体1の貫通孔2及び右の蓋体11の貫通孔12に挿入する。
【0022】
即ち、二つの構造物15の間に他方の構造物16が位置するように構成する。しかし、種々の配置が考えられ、一方の構造物15のみ、他方の構造物16のみでもよく、更には両者を1以上とする複数の構造物で構成してもよい。
【0023】
なお、二つの構造物15の前記収納筒状体8内に収納された前記セラミック体1は前記収納筒状体8内で移動して動揺できるように前記収納筒状体8の内壁との間に空間ができるように収納され、この空間内にガソリンが移動できる構成であり、この空間を利用して前記線材3が前記構造物15を貫通することができるので、必ずしも前記セラミック体1には前記貫通孔2を開設しなくともよい。
【0024】
そして、挿入した線材3の一方の端部である先端部の近傍、例えば先端部から約1cm程度の位置で、線材3が右の構造物15より外方へ導出した位置において、前記構造物15、16が先端方向へ移動できないように、溶接などにより規制部(抜け止め部)17を形成する。従って、この規制部17によって、前記構造物15、16が先端方向から抜けることが防止される。
【0025】
また、挿入した線材3の他方の端部側には前記規制部17を設けないので、自動車の燃料タンクであるガソリンタンクの内部形状に合わせて、前記構造物15、16が移動できるので前記線材3を曲げることができて、車種の異なる自動車のガソリンタンクの内部形状に適切に対応することができる。更には、挿入した線材3の他方の端部側には前記規制部17を設けない場合には、前記セラミック体1や、人口鉱石5を交換する際に、線材3から前記構造物15、16を外すことが容易となり、便利である。
【0026】
なお、挿入した線材3の他方の端部側には前記規制部17を設けてもよいが、その場合には、前記構造物15、16が多少の距離を移動できるようにして、前記線材3を曲げることの妨げとならないような位置に設ける必要がある。
【0027】
なお、このようにして組立てられた液体燃料の改質装置をガソリンタンク内のガソリン中に浸漬させて、自動車のガソリンタンクの蓋の内側に前記線材3の他方の端部に形成された引っ掛け部(図示せず)などの固定部を介して固定する。
【0028】
従って、このような状態で、使用することにより、セラミック体1及び人口鉱石5がテラヘルツ帯域の電磁波を放射するので、ガソリンの分子の電位のバランスを崩してクラスタを小さくして液体燃料であるガソリンの霧化を向上させて、未燃ガスを最少としてより完全燃焼させて、内燃機関であるエンジンにおける燃焼効率の向上を図ることができる。しかも、構造が簡単で安価にできる液体燃料の改質装置を提供することができる。
【0029】
以上のように、本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0030】
1 セラミック体
3 線材
5 人口鉱石
8、10 収納筒状体
11 蓋体
13 間隔子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、主成分であるSiOから成るセラミック体と、このセラミック体を収納するもので少なくとも一方の端部を開口せる中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体と、前記セラミック体を収納した状態の前記収納筒状体に前記蓋体を取り付けた状態で、この蓋体及び前記収納筒状体を貫通した線材とから成ることを特徴とする液体燃料の改質装置。
【請求項2】
燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、主成分であるSiOから成る人口鉱石と、この人口鉱石を収納するもので少なくとも一方の端部を開口せる中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体と、前記人口鉱石を収納した状態の前記収納筒状体に前記蓋体を取り付けた状態で、この蓋体及び前記収納筒状体を貫通した線材とから成ることを特徴とする液体燃料の改質装置。
【請求項3】
燃料タンクから燃焼機関に供給される液体燃料中に浸漬されて、この液体燃料を改質する液体燃料の改質装置において、
主成分であるSiOから成るセラミック体と、少なくとも一方の端部を開口して前記セラミック体を収納した中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体とから成る第1の構造体と、
主成分であるSiOから成る人口鉱石と、少なくとも一方の端部を開口して前記人口鉱石を収納した中空状の収納筒状体と、この収納筒状体の前記開口を蓋するための蓋体とから成る第2の構造体と、
前記第1及び第2の構造体を貫通した線材とから成ることを特徴とする液体燃料の改質装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−251507(P2012−251507A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125751(P2011−125751)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507152659)
【出願人】(511101232)
【出願人】(511101243)
【Fターム(参考)】