説明

液体燃料燃焼装置

【課題】 燃料の残量が少ない状態で操作部を操作した時給油を報知できる液体燃料燃焼装置を提供する。
【解決手段】
本体タンク1内の燃料の残量を検出する油面検知手段2と、カートリッジタンク4が本体内に挿入されているかを検知するカートリッジタンク検知手段15と、操作部17と、報知手段19と、制御部20とを備えた液体燃料燃焼装置に於いて、燃料の残量が所定残量以下になった時、操作部17のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知するので、使用者が操作部17のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来るので、燃料が無くなって給油報知された時に再度液体燃料燃焼装置に近づいて給油を行う手間が省け、使い勝手を向上させることができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、暖房器に用いられる液体燃料燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、カートリッジタンクの給油の報知をタイミングよく行うために、例えば燃料の残量が所定以下になると、時間の経過と共に給油ランプの点滅を順次早くするものがあった。
(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
またカートリッジタンク内の燃料の初期値を認識し、そこから使用燃料量を減算してカートリッジタンク内の燃料の残量を計算して燃料の残量や残りの運転可能時間を表示部に表示するものがあった。
(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−318059号公報
【特許文献2】特開2001−349532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、特許文献1では液体燃料燃焼装置内の本体タンク内の燃料量を検知する油面検知手段が、燃料の残量が所定以下になるのを検知したら給油ランプの点滅を順次早くするもので、本体タンク内の燃料はだいたい15〜20分くらい燃焼を継続できるが、カートリッジタンク内の燃料がほとんど無い状態で液体燃料燃焼装置の運転スイッチを操作して運転を開始したり、カートリッジタンク内の燃料がほとんど無い状態の時に液体燃料燃焼装置の操作部を操作した時には、もうすぐカートリッジタンク内の燃料が無くなるのはわからず、それから15〜20分後に本体タンク内の燃料が無くなって給油の報知を行うので、使用者は再度液体燃料燃焼装置のところに行ってカートリッジタンクの給油を行わなければならなかった。
【0006】
また、特許文献2でもカートリッジタンク内の燃料の残量や残りの運転可能時間を表示部に表示するが、これも使用者が液体燃料燃焼装置のところに行って表示部を見なければわからないので、使用者が液体燃料燃焼装置のところに行って表示部を見なければ、結局カートリッジタンク内の燃料が無くなった後に本体タンク内の燃料が無くなって給油の報知をされた後、使用者は液体燃料燃焼装置のところに行ってカートリッジタンクの給油を行わなければならなかった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、使用者が運転を開始するために運転スイッチを操作しに液体燃料燃焼装置のところに行ったり、運転中に設定温度を変更したり運転を停止するために運転スイッチを操作しに液体燃料燃焼装置のところに行った時に、燃料の残量が少なければそれを報知して使用者が給油のために再度液体燃料燃焼装置のところに行かなくてよい使い勝手のよい液体燃料燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、装置本体内に設けられた本体タンクと、該本体タンク内の燃料の残量レベルを検出する油面検知手段と、バーナ部と、本体タンク内の燃料を汲み上げてバーナ部に供給する電磁ポンプと、本体タンク内に燃料を供給するカートリッジタンクと、該カートリッジタンクが本体内に挿入されているかを検知するカートリッジタンク検知手段と、運転スイッチや室温設定スイッチ等を備えた操作部と、表示部と、報知手段と、運転を制御する制御部とを備えた液体燃料燃焼装置に於いて、前記制御部は算出した今現在の燃料残量が所定残量より少なくなった時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知するものである。
【0009】
また、請求項2では、前記制御部は、カートリッジタンク検知手段がカートリッジタンクが本体内から取り出されたのを検知した時、燃料残量を初期値に設定し、その燃料残量から運転開始後の燃料消費量を減算することで今現在の燃料残量を算出するものである。
【0010】
また、請求項3では、前記燃料残量の初期値をカートリッジタンクの容量としたものである。
【0011】
また、請求項4では、前記制御部は、算出した今現在の燃料の残量が所定残量以上の時に、油面検知手段が本体タンク内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下したのを検知した時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知するものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の請求項1によれば、算出した今現在の燃料残量が所定残量より少なくなった時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知するので、使用者が操作部のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来るので、燃料が無くなって給油報知された時に再度液体燃料燃焼装置に近づいて給油を行う手間が省け、使い勝手を向上させることができるものである。
【0013】
また、請求項2によれば、カートリッジタンク検知手段がカートリッジタンクが本体内から取り出されたのを検知した時、燃料残量を初期値に設定し、その燃料残量から運転開始後の燃料消費量を減算することで今現在の燃料残量を算出するので、カートリッジタンクが本体内から取り出された後に装置本体内に挿入されたカートリッジタンクの重さを検出する重量センサ等の重量検知手段が不要となり、部品を増加することなく使用者が操作部のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来き、燃料が無くなって給油報知された時に給油を行う手間が省け、使い勝手を向上させることができるものである。
【0014】
また、請求項3によれば、前記燃料残量の初期値をカートリッジタンクの容量としたので、通常の給油としてカートリッジタンク満タンに給油してからカートリッジタンクを装置本体内に挿入するので、今現在の燃料残量をカートリッジタンクの重さを検出する重量センサ等の重量検知手段がなくとも算出することが出来、部品を増加することなく使用者が操作部のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来き、燃料が無くなって給油報知された時に給油を行う手間が省け、使い勝手を向上させることができるものである。
【0015】
また、請求項4によれば、算出した今現在の燃料の残量が所定残量以上の時に、油面検知手段が本体タンク内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下したのを検知した時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知するので、満タンに給油しない状態でカートリッジタンクを液体燃料燃焼装置内に挿入した場合でも、本体タンク内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下した時から本体タンク内の灯油の油面高さが給油高さ以下になって給油報知して運転が自動的に終了までの間、使用者が操作部のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施形態を示す液体燃料燃焼装置の概略図
【図2】同構成図
【図3】同少残量報知制御のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明を適用した液体燃料燃焼装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は液体燃料としての灯油を一定量貯えておく本体タンク、2は本体タンク1内の灯油の残量レベルを検出する油面検知手段で、フロート3が本体タンク1内の油面変動に追従して上下に応動することで、本体タンク1内の灯油の油面をして残量レベルを検出するものである。
【0018】
4は本体タンク1内に灯油を供給するカートリッジタンク、5は本体タンク1内の灯油を汲み上げる電磁ポンプ、6は送油管、7はヒーター8を内包したバーナ部、9はバーナ部7の温度を検出するバーナ部温度検知手段、10は燃焼用の一次空気,二次空気を送る送風機である。
本体タンク1から送油管6を通して供給された灯油は予め高温に保たれたバーナ部7に入って気化し、送風機10からの一次空気と混合されて混合気になる。
【0019】
11はこの気化ガスに点火するための点火手段、12は炎を形成するバーナーヘッド、13は燃焼筒、14はバーナーヘッド12で形成された炎を検知する炎検知手段、15はカートリッジタンク4が本体内に挿入されているかを検知するカートリッジタンク検知手段、16は室温を検知する室温検知手段、17は運転スイッチや室温設定スイッチ等を備えた操作部、18は液晶等により表示を行う表示部、19はブザー音や音声により報知を行う報知手段、20はマイクロコンピューターで構成された制御部である。
【0020】
次に、図3のフローチャートを参照しながら動作について説明する。
まず、制御部20は液体燃料燃焼装置の電源プラグがコンセントに差し込まれて、液体燃料燃焼装置に電源が接続されている状態かを確認し(S1)、液体燃料燃焼装置に電源が接続されている状態で運転スイッチがオン操作されると(S2)、カートリッジタンク検知手段15の検出値により液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されているかを確認する。(S3)
【0021】
そして(S3)で、液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されていなければ、制御部20は表示部18及び報知手段19によりカートリッジタンク無しを報知し(S4)、少残量報知モードをオフして(S5)、記憶している燃料残量をカートリッジタンク容量である初期値に設定し(S6)、消火して(S 19)、運転終了(S20)へ進むものである。
【0022】
又、(S3)で、液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されていれば、次に制御部20は油面検知手段2により本体タンク1内の灯油の油面高さが給油が必要となる給油高さよりも高いかを確認し(S7)、本体タンク1内の灯油の油面高さが給油高さ以下の時は燃料無しと判断し、制御部20は表示部18及び報知手段19により燃料が無くて給油するように給油報知し(S18)、その後(S19)へ進むものである。
【0023】
又(S7)で本体タンク1内の灯油の油面高さが給油が必要となる給油高さよりも高い時は燃料有りと判断し、バーナ部7のヒーター8に通電してバーナ部7の温度を上昇させ、バーナ部7の温度が所定の温度に達したら電磁ポンプ5にて本体タンク1内の灯油をバーナ部7に供給すると共に、送風機10にて燃焼用の一次空気及び二次空気を送り、バーナ部7内で混合された混合気がバーナーヘッド12から噴き出すところを点火手段11にて着火して燃焼させ、運転を開始するものである。(S8)
【0024】
そして運転開始後、制御部20は運転中にカートリッジタンク検知手段15の検出値により液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されているかを確認し(S9)、液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されていないのを確認したら、運転中にいきなりカートリッジタンク4が取り出された異常状態と判断して(S4)へと進むものである。
【0025】
又(S9)で液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4が挿入されていれば、次に制御部20は運転開始後のその燃焼レベルでの毎秒の燃料消費量を算出し(S10)、それを記憶している累計消費燃焼量に加算して今現在の累計消費燃焼量を算出し(S11)、更に初期値がカートリッジタンク容量である燃料残量から(S11)で算出した今現在の累計消費燃焼量を減算することで今現在の燃料残量を算出するものである。(S12)
【0026】
そして制御部20は、予め設定されている所定残量、例えばカートリッジタンク4内の燃料残量が1リットルとなる量と、(S12)で算出した今現在の燃料残量を比較し(S13)、(S12)で算出した今現在の燃料残量が所定残量未満になると、制御部20は少残量報知モードをオンし(S14)、操作部17のいずれかのスイッチが操作された時(S15)、「灯油の残りが少ないです」と報知手段19により燃料の少残量報知をするものである。(S16)
【0027】
それにより使用者が何か操作しようとして液体燃料燃焼装置に近づいて操作部17のいずれのスイッチを操作した時に燃料の少残量報知をすることで、使用者が操作部17のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来るので、燃料が無くなって給油報知された時に再度液体燃料燃焼装置に近づいて給油を行う手間が省け、使い勝手が向上するものである。
【0028】
そして(S16)で燃料の少残量報知をした後及び(S15)で操作部17のいずれのスイッチも操作されなかった時、制御部20は油面検知手段2により本体タンク1内の灯油の油面高さが給油が必要となる給油高さよりも高いかを確認し(S17)、本体タンク1内の灯油の油面高さが給油高さ以下の時は燃料無しと判断し、制御部20は表示部18及び報知手段19により燃料が無くて給油するように給油報知し(S18)、そして電磁ポンプ5及び送風機10を停止して消火して(S19)、運転を終了となり(S20)、(S1)へと戻るものである。
【0029】
又(S17)で本体タンク1内の灯油の油面高さが給油が必要となる給油高さよりも高い時は燃料有りと判断し、次に運転スイッチがオフされたかを確認し(S21)、運転スイッチがオフされなければ(S9)へと戻り、運転スイッチがオフされれば(S19)へ進むものである。
【0030】
又(S13)で今現在の燃料残量が所定残量以上の時、制御部20は油面検知手段2により本体タンク1内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下したかを確認し(S22)、油面高さが所定時間継続して低下すれば(S14)に進み、油面高さが所定時間継続して低下しなければ(S17)に進むものである。
【0031】
これにより、カートリッジタンク4に給油した際、満タンに給油せずに例えば半分くらい給油して液体燃料燃焼装置内にカートリッジタンク4を挿入した場合、制御部20は燃料残量の初期値をがカートリッジタンク容量に設定しているので、算出した今現在の燃料残量よりも実際の燃料残量は常に少ない状態となり、算出した今現在の燃料残量が予め設定されている所定残量未満になる前に実際の燃料残量は所定残量未満になり、結局少残量報知モードがオンされる前に本体タンク1内の灯油の油面高さが給油高さ以下になって給油報知して運転が自動的に終了しまう。
【0032】
そこで、算出した今現在の燃料残量が予め設定されている所定残量以上でも、油面検知手段2により本体タンク1内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下した時、既にカートリッジタンク4内は空になったと判断して少残量報知モードがオンされるので、本体タンク1内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下した時から本体タンク1内の灯油の油面高さが給油高さ以下になって給油報知して運転が自動的に終了までの間、使用者が操作部17のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、「灯油の残りが少ないです」と報知手段19により燃料の少残量報知をするものである。
【0033】
それにより、満タンに給油しない状態でカートリッジタンク4を液体燃料燃焼装置内に挿入した場合でも、使用者が操作部17のいずれのスイッチを操作して液体燃料燃焼装置に近づいた時に、ついでに少残量となった燃料を給油することが出来るので、燃料が無くなって給油報知された時に再度液体燃料燃焼装置に近づいて給油を行う手間が省け、使い勝手が向上するものである。
【符号の説明】
【0034】
1 本体タンク
2 油面検知手段
4 カートリッジタンク
5 電磁ポンプ
7 バーナ部
15 カートリッジタンク検知手段
17 操作部
18 表示部
19 報知手段
20 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に設けられた本体タンクと、該本体タンク内の燃料の残量レベルを検出する油面検知手段と、バーナ部と、本体タンク内の燃料を汲み上げてバーナ部に供給する電磁ポンプと、本体タンク内に燃料を供給するカートリッジタンクと、該カートリッジタンクが本体内に挿入されているかを検知するカートリッジタンク検知手段と、運転スイッチや室温設定スイッチ等を備えた操作部と、表示部と、報知手段と、運転を制御する制御部とを備えた液体燃料燃焼装置に於いて、前記制御部は算出した今現在の燃料残量が所定残量より少なくなった時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知することを特徴とする液体燃料燃焼装置。
【請求項2】
前記制御部は、カートリッジタンク検知手段がカートリッジタンクが本体内から取り出されたのを検知した時、燃料残量を初期値に設定し、その燃料残量から運転開始後の燃料消費量を減算することで今現在の燃料残量を算出することを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
【請求項3】
前記燃料残量の初期値をカートリッジタンクの容量としたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の液体燃料燃焼装置。
【請求項4】
前記制御部は、算出した今現在の燃料の残量が所定残量以上の時に、油面検知手段が本体タンク内の灯油の油面高さが所定時間継続して低下したのを検知した時、操作部のいずれかのスイッチが操作されたら燃料の残量が少ないことを報知手段により報知することを特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3記載の液体燃料燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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