液体用大型容器
【解決手段】円筒状部100と、該円筒状部の下端に連結された有底の漏斗状体130と、前記円筒状部より小径の円筒首部110と、該円筒首部の下端と前記円筒状部の上端とを連結する周状傾斜部120とを有するとともに、前記周状傾斜部に、前記円筒状部の上端から内側に延在する水平部140aと、前記円筒首部の外面と略面一な垂直部140bと、相対する側部140cとからなる切り欠き部140を、前記周状傾斜部に、相対するように形成することにより、前記水平部と前記円筒状部の上端部とからなる引っ掛け庇部150を形成した液体用大型容器に関するものである。
【効果】液体用大型容器の周状傾斜部に、相対するように配置された引っ掛け庇部を形成したので、支持部材に収納されている液体用大型容器を、支持部材から容易に取り出すことができる。
【効果】液体用大型容器の周状傾斜部に、相対するように配置された引っ掛け庇部を形成したので、支持部材に収納されている液体用大型容器を、支持部材から容易に取り出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学薬品や塗料や燃料等の種々の液体を収容するための液体用大型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラム缶のような、平らな底面を有する円筒状の液体用大型容器が、一例として、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特公平3−39905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の液体用大型容器は、底面が平であるために、液体用大型容器に収容されている液体をホースを用いて吸い上げる際に、完全に吸い上げることができず、底部に液体が残存するという問題があった。
【0005】
また、従来の液体用大型容器には、クレーン等のフックや手が引っ掛かる部分がないために、収容されている液体を吸い出した後の液体用大型容器を、液体用大型容器の支持部材から排出する際に、多大の労力と時間を要するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の液体用大型容器が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、液体用大型容器において、第1には、円筒状部と、該円筒状部の下端に連結された有底の漏斗状体と、前記円筒状部より小径の円筒首部と、該円筒首部の下端と前記円筒状部の上端とを連結する周状傾斜部とを有するとともに、前記周状傾斜部に、前記円筒状部の上端から内側に延在する水平部と、前記円筒首部の外面と略面一な垂直部と、相対する側部とからなる切り欠き部を、前記周状傾斜部に、相対するように形成することにより、前記水平部と前記円筒状部の上端部とからなる引っ掛け庇部を形成したものであり、第2には、有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
液体用大型容器の周状傾斜部に、相対するように配置された引っ掛け庇部を形成したので、支持部材に収納されている液体用大型容器を、支持部材から容易に取り出すことができる。
【0009】
有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したので、円筒状底部に挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、従って、円筒状底部に残存する液体を、確実に、且つ、完全に吸い上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
先ず最初に、図1〜図8を用いて、参考例について説明する。
【0012】
図1及び図2に示されているように、参考例の液体用大型容器は、容器本体1、蓋部材2及び脚部材3とにより構成されている。
【0013】
容器本体1は、図3に示されているように、上部開口部11aを有するとともに略中間部にフランジ部11bを有する上部円筒状部11と、上部円筒状部11に、その上端が連接された下方に向かって外側に傾斜した周状傾斜部12と、周状傾斜部12の下端に連接された下部本体部13とから形成されている。
【0014】
容器本体1を構成する下部本体部13は、円筒体13aと、円筒体13aの下端に連接された下方に向かって内側に傾斜した逆円錐台状筒体13bと、逆円錐台状筒体13bの下端に連接された有底の漏斗状体13cとから形成されており、有底の漏斗状体13cは、傾斜面13c1を介して、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめの内径を有し、ホース先端部が挿入可能な円筒状底部13c2を有している。また、上記の逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとの境界部には、環状嵌合凹部14が形成されている。
【0015】
容器本体1を構成する下部本体部13は、逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとを有しており、上部開口部11aから容器本体1内に挿入された液体を吸い上げるホースの先端部は、下方に向かって内側に傾斜した逆円錐台状筒体13b及び逆円錐台状筒体13bの下端に連接された有底の漏斗状体13cの傾斜面13c1に接触し案内されながら下方に進行し、円筒状底部13c2に到達するように構成されている。従って、容器本体1の有底の漏斗状体13cの円筒状底部13c2に、最終的に残存する液体を、ホースにより、完全に吸い上げることができる。
【0016】
上述したように、容器本体1に収容された液体を、従来のように液体用大型容器を傾けることなく吸い上げることができるので、容器本体1からの液体の吸い上げ作業の作業性が向上する。また、容器本体1に収容された液体を、完全に吸い上げることができるので、容器本体1の洗浄作業が容易になるとともに、残存液体の排出量が大幅に減少するので、残存液体の処理に伴う公害問題を解決することができる。
【0017】
また、有底の漏斗状体13cを構成する円筒状底部13c2の内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部13c2に挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、円筒状底部13c2に溜まった液体を、略完全に吸い上げることができる。
【0018】
図4に示されているように、蓋部材2は、天板21と、天板21の周縁に沿って形成された逆U字状嵌合部22と、逆U字状嵌合部22を形成するとともに、その下端が天板21より下方に位置する外壁22aの下端から外側に延在するフランジ部23とを有している。また、天板21の周縁部には、天板21の平坦部21aの外周に形成され、且つ、外側に向かって上方に傾斜している傾斜部21bを介して、水平な載置部21cが形成されている。このように、天板21に、傾斜部21bを介して、水平な載置部21cを形成したことにより、蓋部材2の強度や剛性を高めることができる。
【0019】
図6に示されているように、容器本体1を、蓋部材2により被蓋した際には、容器本体1の上部筒状部11の先端部が、蓋部材2の逆U字状嵌合部22の内部空隙部24に嵌入されるとともに、容器本体1のフランジ部11bの上面11b1と蓋部材2のフランジ部23の下面23aとが、当接或いは実質的に当接するように構成されている。
【0020】
図5に示されているように、脚部材3は、略円筒状の円筒体31と、円筒体31の上端から内側に延在する係止突部32を有している。そして、図6に示されているように、容器本体1の下方に配置された脚部材3の係止突部32が、容器本体1の逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとの境界部に形成された環状嵌合凹部14に嵌入されることにより、脚部材3が、容器本体1に連結されるように構成されている。脚部材3が、容器本体1に連結された際には、図6に示されているように、有底の漏斗状体13cを構成する円筒状底部13c2の下面13c2’が、脚部材3の円筒体31の下端31aより、上方に位置するように構成されている。
【0021】
上述したように、有底の漏斗状体13cを有する容器本体1に、略円筒状の脚部材3を嵌着させることにより、上部円筒状部11を、倒れることなく、床や台座等に、安定した状態で載置することができる。
【0022】
次に、図7を用いて、容器本体1と蓋部材2と脚部材3とにより構成される液体用大型容器を、上下方向に積み重ねた、所謂、段積みした状態について説明する。
【0023】
下に位置する液体用大型容器Cbに、上に位置する液体用大型容器Caを段積みした際には、下に位置する液体用大型容器Cbの蓋部材2を構成する水平な載置部21cに、上に位置する液体用大型容器Caの脚部材3の円筒体31の下端31aが載置されるように構成されている。このように、脚部材3を、容器本体1に取着することにより、液体用大型容器を、蓋部材2を介して、段積みすることができるとともに、上に位置する液体用大型容器Caの脚部材3が、傾斜部21bを形成することにより強度や剛性が高められた下に位置する液体用大型容器Cbの蓋部材2の載置部21cに載置されるように構成されているので、安定した状態で、液体用大型容器を段積みすることができる。
【0024】
なお、上述した液体用大型容器を構成する容器本体1や蓋部材2や脚部材3は、ブロー成形や射出成形等の成形手段により、それぞれ、合成樹脂で、一体に成形されている。
【0025】
次に、図8〜図10を用いて、上述した参考例と部分的に共通する構成を有する本発明の実施例について説明する。
【0026】
本発明の液体用大型容器においては、上述した参考例における上部円筒状部11が形成されておらず、下部本体部13が上方まで延在している円筒状部100を有しており、円筒状部100の下端には、上述した参考例の有底の漏斗状体13cと同様の有底の漏斗状体130が連結されている。有底の漏斗状体130には、上述した参考例の有底の漏斗状体13cと同様に、傾斜面130aを介して、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめの内径を有し、ホース先端部が挿入可能な円筒状底部130bが形成されている。また、本実施例においては、上述した参考例の脚部材3の係止突部32が嵌入されるような環状嵌合凹部14は形成されていない。
【0027】
円筒状部100の上部には、円筒状部100より小径の円筒首部110と、円筒首部110の下端と円筒状部100の上端を連結する周状傾斜部120とが形成されている。
【0028】
また、周状傾斜部120の一部には、切り欠き部140が形成されており、切り欠き部140は、円筒状部100の上端から内側に延在する水平部140aと、円筒首部110の外面と略面一の垂直部140bと、周状傾斜部120を切り欠くことにより形成された相対する側部140cとから構成されている。このような切り欠き部140を形成することにより、液体用大型容器の内部には、切り欠き部140を構成する水平部140aと円筒状部100の上端部により形成される引っ掛け庇部150が形成されている。本実施例においては、上記の切り欠き部140は、周状傾斜部120の周状に、相対するように、換言すれば、180度の間隔で、2箇所形成されているが、90度の間隔で、4箇所、形成することもでき、また、4箇所以上形成することもできる。
【0029】
上述した液体用大型容器C’は、図11に示されているような、下部に、漏斗状体130の円筒状底部130bが挿入可能な透孔s1を有する略円筒状の支持部材Sに収納されている。支持部材Sに収納された液体用大型容器C’にホースを挿入し、収容されている液体を吸い出した後には、液体用大型容器C’の引っ掛け庇部150を形成する水平部140aに、クレーン等のフックや手を引っ掛け持ち上げることにより、支持部材Sから排出することができるように構成されている。
【0030】
上述したように、液体用大型容器C’の周状傾斜部120の一部に、相対するように配置された引っ掛け庇部150を形成したので、液体用大型容器C’を、支持部材Sから容易に取り出すことができる。
【0031】
また、有底の漏斗状体130を構成する円筒状底部130bの内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部130bに挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、円筒状底部130bに残存する液体を、略完全に吸い上げることができる。
【0032】
更に、上部開口部を有する円筒状体100と該円筒状体100の下方に配設された有底の漏斗状体130とを有し、且つ、上記有底の漏斗状体130には、傾斜面130aを介して連接されたホース先端部が挿入可能な円筒状底部130bが形成されているので、ホースの先端部を、傾斜面130aに沿って、円筒状底部130bに迅速に、且つ、確実に案内することができるとともに、円筒状底部130bに最終的に残存する液体を、ホースにより、完全に吸い上げることができる。
【0033】
更にまた、有底の漏斗状体130を構成する円筒状底部130bの内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部130bに挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、従って、円筒状底部130bに残存する液体を、確実に、且つ、完全に吸い上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は参考例の液体用大型容器の分解斜視図である。
【図2】図2は参考例の液体用大型容器の分解側断面図である。
【図3】図3は参考例の液体用大型容器を構成する容器本体の側断面図である。
【図4】図4は参考例の液体用大型容器を構成する蓋部材の側断面図である。
【図5】図5は参考例の液体用大型容器を構成する脚部材の側断面図である。
【図6】図6は参考例の液体用大型容器の側断面図である。
【図7】図7は参考例の液体用大型容器が段積みされた状態の側断面図である。
【図8】図8は本発明実施例の液体用大型容器の斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施例の液体用大型容器の側断面図である。
【図10】図10は同じく本発明の実施例の液体用大型容器の側断面図である。
【図11】図11は本発明の実施例の液体用大型容器が支持部材に配設された状態の一部切り欠き部を含む正面図である。
【符号の説明】
【0035】
1・・・・・・・・・容器本体
11・・・・・・・・上部円筒部
12・・・・・・・・周状傾斜部
13・・・・・・・・下部本体部
13a・・・・・・・漏斗状体
14・・・・・・・・環状嵌合凹部
2・・・・・・・・・蓋部材
3・・・・・・・・・脚部材
32・・・・・・・・係止突部
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学薬品や塗料や燃料等の種々の液体を収容するための液体用大型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラム缶のような、平らな底面を有する円筒状の液体用大型容器が、一例として、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特公平3−39905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の液体用大型容器は、底面が平であるために、液体用大型容器に収容されている液体をホースを用いて吸い上げる際に、完全に吸い上げることができず、底部に液体が残存するという問題があった。
【0005】
また、従来の液体用大型容器には、クレーン等のフックや手が引っ掛かる部分がないために、収容されている液体を吸い出した後の液体用大型容器を、液体用大型容器の支持部材から排出する際に、多大の労力と時間を要するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の液体用大型容器が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、液体用大型容器において、第1には、円筒状部と、該円筒状部の下端に連結された有底の漏斗状体と、前記円筒状部より小径の円筒首部と、該円筒首部の下端と前記円筒状部の上端とを連結する周状傾斜部とを有するとともに、前記周状傾斜部に、前記円筒状部の上端から内側に延在する水平部と、前記円筒首部の外面と略面一な垂直部と、相対する側部とからなる切り欠き部を、前記周状傾斜部に、相対するように形成することにより、前記水平部と前記円筒状部の上端部とからなる引っ掛け庇部を形成したものであり、第2には、有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
液体用大型容器の周状傾斜部に、相対するように配置された引っ掛け庇部を形成したので、支持部材に収納されている液体用大型容器を、支持部材から容易に取り出すことができる。
【0009】
有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したので、円筒状底部に挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、従って、円筒状底部に残存する液体を、確実に、且つ、完全に吸い上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
先ず最初に、図1〜図8を用いて、参考例について説明する。
【0012】
図1及び図2に示されているように、参考例の液体用大型容器は、容器本体1、蓋部材2及び脚部材3とにより構成されている。
【0013】
容器本体1は、図3に示されているように、上部開口部11aを有するとともに略中間部にフランジ部11bを有する上部円筒状部11と、上部円筒状部11に、その上端が連接された下方に向かって外側に傾斜した周状傾斜部12と、周状傾斜部12の下端に連接された下部本体部13とから形成されている。
【0014】
容器本体1を構成する下部本体部13は、円筒体13aと、円筒体13aの下端に連接された下方に向かって内側に傾斜した逆円錐台状筒体13bと、逆円錐台状筒体13bの下端に連接された有底の漏斗状体13cとから形成されており、有底の漏斗状体13cは、傾斜面13c1を介して、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめの内径を有し、ホース先端部が挿入可能な円筒状底部13c2を有している。また、上記の逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとの境界部には、環状嵌合凹部14が形成されている。
【0015】
容器本体1を構成する下部本体部13は、逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとを有しており、上部開口部11aから容器本体1内に挿入された液体を吸い上げるホースの先端部は、下方に向かって内側に傾斜した逆円錐台状筒体13b及び逆円錐台状筒体13bの下端に連接された有底の漏斗状体13cの傾斜面13c1に接触し案内されながら下方に進行し、円筒状底部13c2に到達するように構成されている。従って、容器本体1の有底の漏斗状体13cの円筒状底部13c2に、最終的に残存する液体を、ホースにより、完全に吸い上げることができる。
【0016】
上述したように、容器本体1に収容された液体を、従来のように液体用大型容器を傾けることなく吸い上げることができるので、容器本体1からの液体の吸い上げ作業の作業性が向上する。また、容器本体1に収容された液体を、完全に吸い上げることができるので、容器本体1の洗浄作業が容易になるとともに、残存液体の排出量が大幅に減少するので、残存液体の処理に伴う公害問題を解決することができる。
【0017】
また、有底の漏斗状体13cを構成する円筒状底部13c2の内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部13c2に挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、円筒状底部13c2に溜まった液体を、略完全に吸い上げることができる。
【0018】
図4に示されているように、蓋部材2は、天板21と、天板21の周縁に沿って形成された逆U字状嵌合部22と、逆U字状嵌合部22を形成するとともに、その下端が天板21より下方に位置する外壁22aの下端から外側に延在するフランジ部23とを有している。また、天板21の周縁部には、天板21の平坦部21aの外周に形成され、且つ、外側に向かって上方に傾斜している傾斜部21bを介して、水平な載置部21cが形成されている。このように、天板21に、傾斜部21bを介して、水平な載置部21cを形成したことにより、蓋部材2の強度や剛性を高めることができる。
【0019】
図6に示されているように、容器本体1を、蓋部材2により被蓋した際には、容器本体1の上部筒状部11の先端部が、蓋部材2の逆U字状嵌合部22の内部空隙部24に嵌入されるとともに、容器本体1のフランジ部11bの上面11b1と蓋部材2のフランジ部23の下面23aとが、当接或いは実質的に当接するように構成されている。
【0020】
図5に示されているように、脚部材3は、略円筒状の円筒体31と、円筒体31の上端から内側に延在する係止突部32を有している。そして、図6に示されているように、容器本体1の下方に配置された脚部材3の係止突部32が、容器本体1の逆円錐台状筒体13bと有底の漏斗状体13cとの境界部に形成された環状嵌合凹部14に嵌入されることにより、脚部材3が、容器本体1に連結されるように構成されている。脚部材3が、容器本体1に連結された際には、図6に示されているように、有底の漏斗状体13cを構成する円筒状底部13c2の下面13c2’が、脚部材3の円筒体31の下端31aより、上方に位置するように構成されている。
【0021】
上述したように、有底の漏斗状体13cを有する容器本体1に、略円筒状の脚部材3を嵌着させることにより、上部円筒状部11を、倒れることなく、床や台座等に、安定した状態で載置することができる。
【0022】
次に、図7を用いて、容器本体1と蓋部材2と脚部材3とにより構成される液体用大型容器を、上下方向に積み重ねた、所謂、段積みした状態について説明する。
【0023】
下に位置する液体用大型容器Cbに、上に位置する液体用大型容器Caを段積みした際には、下に位置する液体用大型容器Cbの蓋部材2を構成する水平な載置部21cに、上に位置する液体用大型容器Caの脚部材3の円筒体31の下端31aが載置されるように構成されている。このように、脚部材3を、容器本体1に取着することにより、液体用大型容器を、蓋部材2を介して、段積みすることができるとともに、上に位置する液体用大型容器Caの脚部材3が、傾斜部21bを形成することにより強度や剛性が高められた下に位置する液体用大型容器Cbの蓋部材2の載置部21cに載置されるように構成されているので、安定した状態で、液体用大型容器を段積みすることができる。
【0024】
なお、上述した液体用大型容器を構成する容器本体1や蓋部材2や脚部材3は、ブロー成形や射出成形等の成形手段により、それぞれ、合成樹脂で、一体に成形されている。
【0025】
次に、図8〜図10を用いて、上述した参考例と部分的に共通する構成を有する本発明の実施例について説明する。
【0026】
本発明の液体用大型容器においては、上述した参考例における上部円筒状部11が形成されておらず、下部本体部13が上方まで延在している円筒状部100を有しており、円筒状部100の下端には、上述した参考例の有底の漏斗状体13cと同様の有底の漏斗状体130が連結されている。有底の漏斗状体130には、上述した参考例の有底の漏斗状体13cと同様に、傾斜面130aを介して、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめの内径を有し、ホース先端部が挿入可能な円筒状底部130bが形成されている。また、本実施例においては、上述した参考例の脚部材3の係止突部32が嵌入されるような環状嵌合凹部14は形成されていない。
【0027】
円筒状部100の上部には、円筒状部100より小径の円筒首部110と、円筒首部110の下端と円筒状部100の上端を連結する周状傾斜部120とが形成されている。
【0028】
また、周状傾斜部120の一部には、切り欠き部140が形成されており、切り欠き部140は、円筒状部100の上端から内側に延在する水平部140aと、円筒首部110の外面と略面一の垂直部140bと、周状傾斜部120を切り欠くことにより形成された相対する側部140cとから構成されている。このような切り欠き部140を形成することにより、液体用大型容器の内部には、切り欠き部140を構成する水平部140aと円筒状部100の上端部により形成される引っ掛け庇部150が形成されている。本実施例においては、上記の切り欠き部140は、周状傾斜部120の周状に、相対するように、換言すれば、180度の間隔で、2箇所形成されているが、90度の間隔で、4箇所、形成することもでき、また、4箇所以上形成することもできる。
【0029】
上述した液体用大型容器C’は、図11に示されているような、下部に、漏斗状体130の円筒状底部130bが挿入可能な透孔s1を有する略円筒状の支持部材Sに収納されている。支持部材Sに収納された液体用大型容器C’にホースを挿入し、収容されている液体を吸い出した後には、液体用大型容器C’の引っ掛け庇部150を形成する水平部140aに、クレーン等のフックや手を引っ掛け持ち上げることにより、支持部材Sから排出することができるように構成されている。
【0030】
上述したように、液体用大型容器C’の周状傾斜部120の一部に、相対するように配置された引っ掛け庇部150を形成したので、液体用大型容器C’を、支持部材Sから容易に取り出すことができる。
【0031】
また、有底の漏斗状体130を構成する円筒状底部130bの内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部130bに挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、円筒状底部130bに残存する液体を、略完全に吸い上げることができる。
【0032】
更に、上部開口部を有する円筒状体100と該円筒状体100の下方に配設された有底の漏斗状体130とを有し、且つ、上記有底の漏斗状体130には、傾斜面130aを介して連接されたホース先端部が挿入可能な円筒状底部130bが形成されているので、ホースの先端部を、傾斜面130aに沿って、円筒状底部130bに迅速に、且つ、確実に案内することができるとともに、円筒状底部130bに最終的に残存する液体を、ホースにより、完全に吸い上げることができる。
【0033】
更にまた、有底の漏斗状体130を構成する円筒状底部130bの内径が、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成されているので、円筒状底部130bに挿入されたホース先端を水平方向に移動するようなことがなく、従って、円筒状底部130bに残存する液体を、確実に、且つ、完全に吸い上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は参考例の液体用大型容器の分解斜視図である。
【図2】図2は参考例の液体用大型容器の分解側断面図である。
【図3】図3は参考例の液体用大型容器を構成する容器本体の側断面図である。
【図4】図4は参考例の液体用大型容器を構成する蓋部材の側断面図である。
【図5】図5は参考例の液体用大型容器を構成する脚部材の側断面図である。
【図6】図6は参考例の液体用大型容器の側断面図である。
【図7】図7は参考例の液体用大型容器が段積みされた状態の側断面図である。
【図8】図8は本発明実施例の液体用大型容器の斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施例の液体用大型容器の側断面図である。
【図10】図10は同じく本発明の実施例の液体用大型容器の側断面図である。
【図11】図11は本発明の実施例の液体用大型容器が支持部材に配設された状態の一部切り欠き部を含む正面図である。
【符号の説明】
【0035】
1・・・・・・・・・容器本体
11・・・・・・・・上部円筒部
12・・・・・・・・周状傾斜部
13・・・・・・・・下部本体部
13a・・・・・・・漏斗状体
14・・・・・・・・環状嵌合凹部
2・・・・・・・・・蓋部材
3・・・・・・・・・脚部材
32・・・・・・・・係止突部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状部と、該円筒状部の下端に連結された有底の漏斗状体と、前記円筒状部より小径の円筒首部と、該円筒首部の下端と前記円筒状部の上端とを連結する周状傾斜部とを有するとともに、前記周状傾斜部に、前記円筒状部の上端から内側に延在する水平部と、前記円筒首部の外面と略面一な垂直部と、相対する側部とからなる切り欠き部を、前記周状傾斜部に、相対するように形成することにより、前記水平部と前記円筒状部の上端部とからなる引っ掛け庇部が形成されていることを特徴とする液体用大型容器。
【請求項2】
有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したことを特徴とする請求項1に記載の液体用大型容器。
【請求項1】
円筒状部と、該円筒状部の下端に連結された有底の漏斗状体と、前記円筒状部より小径の円筒首部と、該円筒首部の下端と前記円筒状部の上端とを連結する周状傾斜部とを有するとともに、前記周状傾斜部に、前記円筒状部の上端から内側に延在する水平部と、前記円筒首部の外面と略面一な垂直部と、相対する側部とからなる切り欠き部を、前記周状傾斜部に、相対するように形成することにより、前記水平部と前記円筒状部の上端部とからなる引っ掛け庇部が形成されていることを特徴とする液体用大型容器。
【請求項2】
有底の漏斗状体を構成する円筒状底部の内径を、液体を吸い上げるためのホース先端の外径より若干大きめに形成したことを特徴とする請求項1に記載の液体用大型容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−55690(P2007−55690A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327912(P2006−327912)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【分割の表示】特願2002−185459(P2002−185459)の分割
【原出願日】平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【分割の表示】特願2002−185459(P2002−185459)の分割
【原出願日】平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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