説明

液体用拡縮コンテナー及びライナー装着脱装置

【課題】可燃、危険物を除く液体大量輸送をタンクローリーから鉄道車両、又は、普通トラックに切り替えて運輸コストの低減と帰り便の空荷運行を撲滅し、かつ、困難であった生乳の保冷車大量輸送可能なコンテナーを提供する。
【解決手段】コンテナー1を、鋼板等からなるリジットな縦型容器本体2を、上下に蓋及び底板を配して胴部を水平方向に輪切り状の複数の異径段差筒状体本体2を設け、各対面する胴部の上部外部周状と下部内部周状にブリッジ機構を設けて垂直スライドと係止可能に形成し、かつ、各同径の胴部を分割して周方向端部に接合耳22を設けて隣接胴部と重接合可能に組み合わせ、かつ、上下各異径胴部を組み立てて本体を形成、かつ、内部に可撓性シール膜9を胴部中間周状に箍を配して本体2に装着して乳等省令適合ポリライナー装着対応可能に形成して上下拡縮と減容水位追随可能に形成し、かつ、ポリライナー装着脱装置を併用可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主に、危険物及び劇物を除く大量液体輸送用の減容拡縮式容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食品及び産業用液体の大量輸送に於いては、タンクローリー等の特殊専用車によって輸送されていて輸送費が割高で、かつ、通常、帰路は空荷運行を余儀なくされるなど物流効率上、及び、地球温暖化防止対策上に於ける課題があった。かつ、特に、生乳輸送時乳等省令適合のポリエチレンフイルム装着可能な液体大量輸送容器が無かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記課題に着目して案出されたもので、可燃物及び危険物を除く液体の大量輸送を特殊専用車両を用いずに、主に、鉄道貨車、又は、保冷車を含む標準バン車等に搭降載可能な、かつ、空時減容可能な中又は大型コンテナーを設けて物流の経済性及び効率化を図り、かつ、地球温暖化防止策に寄与することを目的とする。特に、乳等省令適合のワンウエイ式ポリライナーをも装着可能な液体大量輸送容器の提供を目的とする。
【課題を解決発明するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を達成するため請求項1の如く、可燃物や、劇物以外の鉄道貨車や標準トラックに搭降載可能な液体を対象とするコンテナーを、平面形状が丸型又はほぼ角型の縦型の鋼製又は剛性板等のリジットな外部容器を、異径の胴部筒状体を段差を設けて水平方向に輪切り状の複数に分割して縦方向に順次嵌合して重ね合わせ、この嵌合された胴部筒状体の外部胴上部にフランジ部材を介してボルト締め手段を講じて蓋を接合し、かつ、最内部胴の底部にフランジを介してバルブ付き受け皿を配し、かつ、中間に中間筒状体胴部を配して、これら嵌合して対面する各筒状体下部内部方向周状に、かつ、上部外部方向周状に伸張時相互がスライドしての噛み合い可能なブリッジ機構を、例えば、胴部筒管を上部を外、下部を内の対面方向周状に折り曲げ加工し、又は、周状に所定のリブ構造に設けてスライドと係止可能な容器を形成し、更に、この容器内部に、ポリマーを含浸透又はラミネートしたシート、又は、ポリマー単体からなる可撓性シール膜を容器の上下の径と容器が伸張した状態の長さに見合った異径フランジ付きの筒状に設けて、このシール膜の上下フランジを前記外部胴上部、及び、内部胴下部フランジに狭接して各胴部間嵌合部の隙間をシール、かつ、伸縮可能に設け、かつ、このシール膜の高さ方向中間位置の外側周方向に例えばワイヤーロープを用いた箍を通して筒状胴部の段差部に嵌合させてシール膜胴部遊離防止可能に、かつ、本体減容可能に形成、かつ、内部に、主に、樹脂製等のフイルムからなる接液用ライナーを装着脱可能に配して本発明のシール膜内蔵多段スライド式コンテナーを形成し、内部液の投入量に応じて各異径胴部及び上部蓋が降下減容して全水位満タンの弾性体状態での輸送を可能としている。従って、このようにコンテナー本体がリジットに形成されて、例えば、乳等省令適合の添加剤の入らないポリライナーを装着することが出来る画期的なコンテナーである。なお、輸送時の揺れ防止のため上下フランジ間に筋交い、及び、ラッシングベルト等を配して輸送時の容器を固定可能に、かつ、別途、胴部上下間に反動バネを配してニュートラル時の胴部高さを中腰状に保持して作業性の向上を図ることも出来る。かつ、内部にライナーの装着脱を容易にするため、開閉蓋に逆凹状に膨らむ空間を設けて往復通過用のターンローラーを配して装着時と排出時の弛み巻き取りの手段を講ずることも出来る。もとより、上蓋にはマンホールを設けることも出来る。また、縮小時のコンテナーを積み重ねることも出来る。かつ、本コンテナーは定置式に用いることも出来る。
【0005】
このように構成された本シール膜内蔵多段スライド式コンテナーは容器としての剛性と性能を維持しながら、例えば、2,000リットル乃至5、000リットルの中型コンテナーに適して、かつ、容器の横持ちと設置を容易にして従来欠落していた中間容量帯の物流を補完するのに大変役立つものである。かつ、本コンテナーは、各筒状体胴部間の隙間が内部シール膜によって完全シールされ、又、内容物を排出開始して容器が縮小した時にはシール膜の中間腹部が外部胴の段差部で箍で仮固定されて遊離防止策が講じられていてシール膜はほぼ胴部に沿った状態で折り畳まれるため、シール膜や、内部接液用内ライナーが泳いだり、吸い込まれること無く内部液を排出入、かつ、輸送することが出来る。
従って、このように形成された本コンテナーは、従来、タンクローリー車に頼っていた大量液体輸送手段を、本容器を鉄道車両に、又は、普通トラックに搭載して帰路の空荷運行を撲滅して資源の節約と環境問題に対する大きな貢献が期待され、かつ、異種液の同時輸送、或いは、小口配達を可能にし、かつ、空時は下方に折り畳んでコンパクトな姿で車上に格納、又は、別回収可能に、かつ、帰路の一般貨物積載を可能にして物流システム全体の効率化と経済性を高めることを可能とする。かつ、前記の如く保冷車輸送可能として高品質の保持を可能にし、更に、本コンテナーは、フオークリフトによる横持ち搬送が可能なため、コンテナーへの地上充填と充填したままの積載、及び、荷降ろしを可能として従来のローリー車の荷役時間の大幅短縮を可能とすることも出来る。また、防災用として有事の際の飲料水の緊急補給用容器としても適している。更に、耐圧容器形状に設けて高所,又は、遠所に送水することが出来る。かつ、本シール膜内蔵多段スライド式コンテナーは内面に耐蝕性ライナーを用いて多目的に用いることが出来ると同時に、シール膜自身の素材を自在に選定して、かつ、容器内全面に装着して直入れの耐蝕用容器としても大変巾広く活用することが可能である。なお、コンテナーは、箱型トラック車の場合、後部1基を後方から荷台のパレット上に、かつ、箱型サイドに後方扉と同様の扉を設けて横入れ横だしすることも出来る。又は、車上で連結排出入することも出来る。
【0006】
また、本発明は請求項2の如く、前記液体用上下多段拡縮コンテナーのリジットな外部容器製法に関し、アルミ鋼、又は、強化樹脂等を用いて平面形状が丸型、又は、ほぼ角型の異径筒管を各段上下端部周状にブリッジ機構を配した複数の胴部を金型成型して組み立て可能に形成ため、前記各異径筒管異径各段ごとの周状に、上下端部ブリッジ機構付きブロックを均等の複数に分割し、かつ、平面形状が丸型容器の場合、等分割の複数に設けてこの各ブロックの左右何れか1方の片側背部垂直方向に段差を有する耳を設けて、隣接するブロックに外部重接合して両内面が面一可能に、かつ、この耳部に掛かる嵌合する外部筒管の下部ブリッジ両端を部分切欠して相互上下スライド可能に組み立てて構成することが出来る。なお、耳部接合はリベット式、或いは、接着式に設けることも出来る。また、四辺が所定長の直線部と四隅のアールを設けたコーナー部からなるほぼ角型の多段式コンテナーに於いては、直線部胴部を金型押し出し式の長尺成型し、かつ、各段異径コーナー胴部毎に、左右端部背部垂直方向に段差を有する耳を配して単体成型して、夫々の、隣接する長尺成型品と重接合して両内面面一可能に組み立てることが出来る。
【0007】
このように形成された上下多段拡縮式液体コンテナーは、通常、異径複数段の懸架機構を設けた胴部を製作のため、例えば、アルミ鋼板を上下周状の鍵状に折り曲げたり、或いは、周状にリブを配したりしてブリッジ機構を設け、かつ、上下スライド可能に形成されていたが、いずれも加工が困難で、かつ、加工精度がままならなかった。しかし、本発明の如き金型成型部材を熱溶接以外のリベット加工、又は、接着等によって接合可能な構造に設けることによってブリッジ機構の精度が確実になり、かつ、加工工数を格段に低減することが出来る。
【0008】
また、本発明は請求項3の如く、前記シール膜内蔵多段スライド式コンテナー内面に装着する前記ライナーの着脱を容易にするため、かつ、内部液排出時のライナーの下部吸い込み防止手段を講ずるため、本装置は、主に、前記コンテナーの上蓋に配した間隙通過のターンローラーと組み合わせて構成することが望ましく、前記、主に、樹脂フイルムライナーが射出等による製作時、ガセット状の所定巾の封筒状に成型されたライナーを所定径の所定長さに設けられたフランジ付き巻き芯に巻き取って、これを、液体投入前のコンテナーの上部蓋の開口部近傍の巾方向の両端に設けたスタンドにセットし、ライナーの先端部のノズルを開閉蓋裏面の逆凹状の空間に設置のターンローラーの間隙を通過してコンテナーのノズルに装着し、かつ、バルブを装着して液体を下部から投入することが出来る。このようにして充填液がライナーを底部から隅々に張りながら、上方の巻き芯に巻き取られたライナーを徐々に引き出しながら空気に触れることなく所定量を充填することが出来る。このような要領で所定量の液充填終了後、コンテナー拡張固定の筋交い等を緩めて、かつ、ライナーをターンポケットで絞って余尺を束ねて蓋の裏面に収納し、かつ、蓋を下方に加締め,かつ、ラッシングベルト等で締めて液体を弾性体化して輸送することが出来る。輸送中は空巻き芯のセットされたスタンドを蓋上で転倒して一時格納しておき、目的地に到着後、コンテナーを上方に引き上げておいて開閉蓋を開けてターンポケットから引き出したライナーの先端を、再び、巻き芯にセットしてハンドルを回し乍ら液排出時に生ずるライナーの弛みの余尺分を巻き取って排出口への吸い込みを防止すると同時に使用後のライナーの回収を容易に形成している。
【0009】
この様に形成された本発明の多段拡縮コンテナー用ライナー装着脱装置は、初期装着時エアーで膨らましたり、或いは、人が潜ったりして難義であったライナーの装着をひとたびノズルをセットするだけで充填液が自然にライナーを引き出して膨らまして皺もなく装着出来、かつ、排出時に生ずるライナーの弛み分を逐次巻き取ることによって吸い込みを防止することが出来る。かつ、使用済ライナーの回収も、容器ノズルからライナーのノズルを液が垂れないようにして外すだけで装置のハンドル操作で巻き芯で巻き取り回収することが出来る。かつ、ライナー取り外し作業は帰着後行うことも出来る。と同時に、目的地でライナーを交換して異種液を搭載することも出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の外部容器がリジットタイプの液体用拡縮コンテナーとライナー装着脱装置は、以下の如き効果が期待出来る。
イ) 特殊車両を用いずに鉄道貨車、或いは、標準トラックを用いて液体の大量輸送を 可能にし、かつ、帰り便を有効活用して運送費の大幅コストダウンが可能となる 。
ロ) リジットな外部容器が上下方向に拡縮して減容可能なため、空き容器を横持ちし てフオークリフトでトラックに搭降載出来、かつ、積み重ね出来る。
ハ) 内部液の充填量に応じて容器内容積が可変して全水位満タンで波,泡立ち無く輸 送が出来る。
ニ) 保冷車で液体の大量輸送が出来るため輸送液の高品質の維持が可能である。
ホ) 内部に、ポリライナーを装着して用途の多目的化を図ると同時に、容器の内部洗 浄を不要とし、かつ、例えば、乳等省令適合のライナーを装着可能として生乳の 保冷トラック車による大量輸送を可能とする。
ヘ) 容器重量が軽量のため積載量がアップする。
ト) 従来型ローリー車による帰路の空荷運行撲滅でCO2の排出を確実に低減出来る 。
チ) コンテナーの蓋上にライナー簡易装着脱装置を配して着脱を極めて容易にし、か つ、吸い込み防止を図ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の形態を図1〜3及び図6によって説明する。
【実施例1】
【0012】
図1はこの発明を実施したシール膜内蔵多段スライド式コンテナー1のスライド式本体2が、鋼板又は樹脂剛板等のリジットな、平面形状が丸型、又は、ほぼ角型に設けられた外部筒状胴部3がフランジ3Aを介して開閉蓋4A付き上部蓋4と接合されて中間胴5A,5Bを配し,かつ、内部胴6がフランジ6Aを介して底板7のフランジ7Aと接合して夫々が段差Aを設けて順次縦方向に組み合わされ、かつ、対面する外部胴3の下部内面と中間胴5Aの上部外面、該下部内面と中間胴5Bの上部外面、該下部内面と内部胴6上部外面の周状にブリッジ機構8を設けて上下垂直方向スライド、かつ、係止可能に形成、かつ、上部胴フランジ3Aと内部胴フランジ6Aに、本体2各胴部を拡張した状態でポリマー含浸又はラミネート又はポリマー単体のシートからなる上下が異型の筒状シール膜9を上部フランジ9A,下部フランジ9Bを設けて接合して各隙間Bをシールし、かつ、該シール膜9胴部中間の外部周状に、例えば、ワイヤーロープ等を用いた箍10を通し穴11を設けて挿入して、例えば、これを、中間胴5Aと5Bの段差Aに嵌合して中間胴5Aがスライド可能に仮固定装着し、かつ、底板7にバルブ12を配し、かつ、フオークリフト差込み穴13Aを設けた底部架台13に組み立て、かつ、底部架台13の4隅に所定高の脚柱16を配して折り畳まれたシール膜9付き空容器2を積み重ね可能に形成、かつ、胴部上下間任意固定可能な筋交い14等の冶具及びラッシングベルト15を任意に配してシール膜内蔵多段スライド式コンテナー1を構成している。かつ、本コンテナーはこの様に形成されて、内部に配したシール膜9の本体胴部5A,5Bからの遊離を拘束することによって接液用ポリライナー17の内部装着可能に形成していると同時に、本体外部上下間に反動バネ18を配してライナー17装着等の作業や操作を容易にしている。なお、シール膜9には襞9Cを配して伸縮時の作動のより円滑化を図ることも出来る。なお、前記ブリッジ機構8はこれを上部8Aを下方に、下部8Bを上方に折り曲げ加工して形成することも、或いは、図示しないが対面する相互面に所定のリブを周状に配して噛み合い可能なブリッジ機構8を形成することも出来る。かつ、本コンテナーは図6の如く、上部蓋4の開閉蓋4A裏面の巾方向に図8に示す逆凹状の間隙回路19を設けてターンローラー20を配してガセット状に折り畳まれた、又は、排液後のポリライナー17を往復通過可能に形成することが出来る。もとより、上蓋4は、図示しないがマンホール式に設けることも出来る。かつ、該コンテナーを定置式に使用すことも出来る。或いは、図示しないが、シール膜は外部容器内全面に装着することも出来る。かつ、本体仕様を耐圧仕様に設けて高所、遠所への送水可能に形成することが出来る。
【0013】
この様に形成された本発明の多段スライド式コンテナー1は可燃物及び危険物を除く各種液体を対象にするもので、主に、2、000リットル乃至5、000リットルのリジットな容器を多段スライド式に設けて減容を可能とすると同時に、シール膜9が各筒状体胴部の動きに追随して隙間Bを確実にシールし、内部にはポリフイルム等のワンウエイ式接液用ライナー17を装着可能に形成しているため充填水位が中間であっても胴部及び蓋が下がって全水位満タンの状態で輸送することが出来る。従って、本コンテナー1は容器を、フオークリフト等を用いて車上に搭載、かつ、固定して、本体2を上方に引き上げて筋交い14等の冶具で固定し、かつ、ポリライナーのノズル17Aと本体のノズル7B同士の装着を確認し、ポリライナーを上方に延ばしておいて下部バルブ12から所定量の液体の充填を行い、ポリライナー17内のエアーの無い満タン状態を確認後、ポリライナーを蓋4A裏に収納して上部蓋4を充分に押し下げて冶具14で固定し、更に、ラッシングベルト15等で緊締して内部液を弾性体貨物化して輸送することが出来る。かつ、本発明は、リジットな外部容器本体2を用いることによって、例えば、乳等省令適合の添加物の入らないポリライナーを装着して生乳の大量輸送を行うことも出来、或いは、多目的の用途に対応を可能とし、かつ、目的地で内容液排出時、本体を上方に引き上げておいて、ポリライナーを延ばした状態でバルブ12を開いて容易に排出出来る。荷役終了後、コンテナーをシール膜9装着のまま下方に折り畳んで減容して、この減容したコンテナーを架台の脚柱16に積み重ねて帰り便で、或いは、別便で回収することが出来る。なお、折り畳み縮小後も筋交い14、又は、ベルト15で緊締しておくことが望ましい。なお、この様に形成された本コンテナーは箱型車の場合、コンテナーを直列に配置して直列に排出入を行うことも出来ると同時に、トラックのサイドに、後方と同様の開閉扉を設置して横出し入れと後部出し入れ可能に設けることが出来る。又は、。かつ、本コンテナー1は、地上で液体を充填してトラック、又は、鉄道車両に積載することも可能と同時に、液体の充填されたままのコンテナー1を目的地で重機を用いて荷降ろしすることが出来、かつ、充填した状態でこれを暫時、通常容器として利用することも出来る。かつ、ポリライナーは、帰着後交換することも、或いは、目的地で交換して異種液を搭載することも出来る。
【実施例2】
【0014】
また、本発明は図4及び図5に示す如く、前記液体用上下多段拡縮コンテナー1を、例えば、平面形状が丸型の異径筒管をアルミ鋼、又は、強化樹脂等を用いて各段ごとに複数分割成型して周状に組み合わせて胴部形成可能とし、かつ、各異径上下段を組み合わせ可能に形成するため、各同径筒管の上下端部周状にブリッジ機構8A、,8Bを配した等分割のブロック21を設け、かつ、該各ブロックの左右何れか1方の背部に段差を有する耳22を配して、順次隣接するブロック20の外部背部に重接合して筒状内面を面一可能に組み立て形成、かつ、この耳部22に掛かって嵌合する外部筒管の下部ブリッジ8Bを切欠Cして相互上下スライド可能に組み立てて構成することも出来る。各耳部22接合はリベット式D、或いは、接着式に設けることも出来る。また、平面形状ほぼ角型の四辺が所定長の直線部長尺ブロック23Aと四隅のアールを設けたコーナー部ブロック23Bからなる多段式コンテナー1に於いては、直線部胴部を金型押し出し式の長尺成型品を所定長にカットして直胴ブロック23Aを設け、かつ、各異径コーナー胴部23Bを各段毎に単体成型し、かつ、この各異径コーナー胴部左右端部背部に段差を有する接合用耳22を配して、隣接する直胴ブロック背部に外部重接合して周状内面面一可能に組み立てることが出来る。かつ、前記同様に、外部嵌合する筒管下部ブリッジ部を切欠Cして上下スライド可能にコンテナーを形成出来る。
【0015】
このように形成された上下多段拡縮式液体コンテナー1は、事前にブリッジ機構を設けた異径複数段の胴部を製作のため、例えば、多くが人手加工によってアルミ鋼板、或いは、ステンレス鋼板の上下周状に鍵状に折り曲げたり、或いは、周状にリブを配したりしてブリッジ機構を設け、かつ、上下スライド可能に形成されていたが、いずれも加工上難易度が高く、かつ、嵌合精度が安定しなかった。しかし、本発明の如き各段胴部ごとに周方向に等分割した耳22付きの金型成型部材を熱溶接以外のリベット加工、又は、接着等によって接合可能な構造に設けることによってブリッジ機構の精度が確実になり、かつ、重接合加工方式を用いることによって上下スライドを容易にし、かつ、加工工数を格段に低減することが出来る。
【実施例3】
【0016】
また、本発明は図6〜図9に示す如く、前記シール膜9内蔵式多段スライド式コンテナー1内面に装着する、例えば、ポリライナー17の装着脱を容易にするための装置24を、ライナー製作時、通常,ガセット状の封筒状に成型されたライナー17を所定のコンテナー巾に見合って設けられたフランジ25A付き巻き芯25に巻き取って、これを液体投入前の拡張したコンテナー上部蓋4の開口部近傍の巾方向の両端に任意転倒格納可能なスタンド26を設けてセットし、コンテナー本体2を上方に引き上げた状態で、ライナーの先端部のノズル17Aを開閉蓋4A裏面の逆凹状の空間32に設置のターンローラー20の間隙回路19を通過してコンテナーのノズル7Bに装着し、かつ、バルブ12を装着して液体を下部から投入することが出来、充填液が底部から隅々に張られて、上方の巻き芯25からライナー17を徐々に引き出しながら所定量を充填することが出来る。所定量の液体充填終了後、コンテナーの筋交い14を緩めて、かつ、ライナー17の余尺をターンローラー20で絞って束ねて開閉蓋4Aの裏面に収納して、かつ、上蓋4を下方に加締めて筋交い14で固定し,かつ、ラッシングベルト15で締めて液体を弾性体化して輸送することが出来る。輸送中は空巻き芯25をセットしたままスタンド26を、例えば、上蓋4上で転倒して格納ポケット27に一時格納しておき、目的地に到着後、車上に積載されて内部充填状のコンテナーを上方に全拡張した状態で、開閉蓋4Aを開けて蓋裏から引き出したライナー17の先端を、再び、巻き芯25にセットして下部バルブ12を開いて排出を開始し、ハンドル28を回し乍ら液排出に伴って生ずるライナー17の弛み分を巻き取って排出口への吸い込みを防止すると同時に内部液排出後、バルブ12を外して液の垂れないようにして使用後のノズル付きライナー17の回収を容易に形成している。なお、ライナーの回収は帰着後行うことも出来る。或いは、目的地でライナーの交換を行って異種液を搭載することも出来る。なお、図示しないが前記使用後の巻き取り装置24はこれを転倒式アームを設けて同様に形成することが出来ると同時に、これを戻りバネ方式の半自動巻き取り式等の機械的装置を形成することが出来る。
【0017】
この様に形成された本発明の多段コンテナー用ライナー総着脱装置24は、従来、人が容器内へ潜ったり、或いは、エアーで膨らましたりして難義だったライナーの装着をノズルをセットするだけで充填液がライナーを自然に隅々に膨らまして、かつ、皺もなく装着出来、かつ、排出時に生ずるライナーの余尺を逐次巻き取ることによって排出口への吸い込みを防止することが出来る。特に、ライナーメーカーで、初期、巻き芯25に巻き取った状態て持ち込まれたものを、そのまま装置24のスタンドの差込み穴26A、26Bにに差し込んでセットして引き出せば良く、かつ、食品の場合、エアーで膨らます場合のエアーに含まれる雑菌を排除することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の内部にシール膜装着の多段スライド式コンテナーの斜視全体図で、かつ、胴部を半割り状に設けて縮小時の様子を角型容器で示す。
【図2】同上本体の構成図を示す正面断面図で、かつ、片側は伸張時を短絡して、片側は下方にスライドして縮小した様子を示す。
【図3】本発明のコンテナー内に装着の箍付きシール膜の正面図で、片側は断面を示す。
【図4】コンテナー丸型本体外部容器を成型ブロック組み立て式に設けた正面部分図。
【図5】同上のフランジ付き上段ブロック単体成型の内部正面図。
【図6】本発明のコンテナーの上蓋に設けられたライナー装着脱装置の斜視全体図
【図7】同上用巻き芯。
【図8】同上スタンド式ライナー装着脱装置の着脱作業側面断面図。
【図9】同上手動式ライナー装着脱装置に巻き芯装着の様子を示す側面断面図。
【符号の説明】
【0019】
1 シール膜内蔵多段スライド式コンテナー 2 スライド式本体 3 外部筒状胴部
3A 同フランジ 4 上部蓋 4A 開閉蓋 5A,5B 中間胴
6 内部胴 6A 同フランジ 7 底板 7A ノズル
8 ブリッジ機構 8A 上部ブリッジ 8B下部ブリッジ
9 可撓性シートからなるシール膜 9A同上部フランジ 9B同下部フランジ
9C 襞 10 箍 11通し穴 12バルブ
13底部架台 13A フオークリフト差込み穴 14 筋交い等の冶具
15 ラッシングベルト 16脚柱 17 接液用ポリライナー
17A 同ノズル 18 反動バネ 19 間隙回路 20 ターンローラー
21 丸型成型ブロック 22 接合耳 23A 長尺ブロック
23B コーナー部ブロック 24 ライナー装着脱装置 25 巻き芯
25A 同フランジ 26 スタンド 26a ライナーの第一差し込み口
26b 同第二差し込み口 27 巻き芯収納ポケット 28 ハンドル
29 ロック 30 ヒンジ 31 充填液
32 逆凹状のターンローラー用空間部
A 段差 B 隙間 C 切欠部 D リベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道貨車、又は、普通トラックに搭降載可能な液体用コンテナーを、鋼製、又は、剛性の(以下リジットと言う)外部容器内に接液用フイルム(以下ライナーと言う)を装着脱可能に配して内部液全水位満タン輸送可能に形成するものとし、前記胴部は、異径筒状の水平方向輪切り状に分割の複数多段嵌合式に設けて該最外部胴上部にフランジ部材を介して開閉蓋付き上蓋を、同様に最内部胴下部にバルブ付き底板(以下受け皿又はパンとも言う)を配し、かつ、前記各異径筒状胴部間に所定の間隙を設けて対面する各胴部下部端部内方向周状に、かつ、上部端部外方向周状に懸架機構(以下ブリッジ又はブリッジ機構と言う)を配して上下スライドと係止可能な多段容器本体を形成し、かつ、該容器構成の胴部内面に接して各段隙間シール可能な可撓性膜体(以下シール膜と言う)を、主に、前記上下フランジ間に配し、かつ、該シール膜胴部中間の少なくとも1箇所外部周状に遊離防止手段(以下箍と言う)を配したことを特徴とし、かつ、該全内面に前記ライナー装着脱可能なコンテナーを形成、かつ、任意に、前記開閉蓋裏面ほぼ面一にターンローラーを配して前記ライナーを間隙部通過可能に構成された多段スライド式液体用拡縮コンテナー。
【請求項2】
前記液体用のリジットな外部容器上下拡縮式コンテナーに於いて、主に、アルミ鋼、又は、強化樹脂製の平面形状丸型の、若しくは、四隅コーナー部に丸みを設けた(以下アールと言う)ほぼ角型の前記輪切り状の異径多段筒状胴部を各段上下端部内外周状に前記ブリッジを配して上下スライド可能に嵌合する容器本体の製法に関するもので、各段ごとの同径胴部を複数分割して周状に組み立て可能に形成のため、前記丸型各段異径胴部を複数等分割の単体成型(以下ブロックと言う)し、若しくは、前記ほぼ角型の胴部を直線部の押し出し成型品と、コーナー部ブロックを設け、前記等分割ブロックの左右端部何れか一方、又は、前記コーナーブロックの左右両側の端部背面垂直方向に段差接合代(以下耳とも言う)を設けて隣接相互胴部を重接合して各内周面面一可能に形成し、かつ、該各耳部に掛かる前記外部胴下部ブリッジ部分を切欠して前記各異径胴部が嵌合、かつ、上下スライド可能に組み立て構成された請求項1記載の多段スライド式液体用拡縮コンテナー。
【請求項3】
前記液体用拡縮コンテナー内部装着用ライナー着脱装置に関するもので、前記上蓋の開閉蓋内面ほぼ面一に配した前記ライナー間隙通過用ターンローラーに併設して、前記開閉蓋巾方向近傍に転倒式スタンド又はアーム等を任意格納可能に常設し、該スタンド起立後、初期、所定径の芯体(以下巻き芯と言う)に巻き取りされた前記ライナーを自在引き出し可能にセットして該ノズルを容器ノズルに装着して充填液下部投入可能に形成、かつ、該内部液排出開始時、前記巻き芯に前記ライナーの端部を固定して、前記巻き芯を手動、又は、機械的手段を講じて該ライナー発生余尺分を逐次巻き取り回収して容器排出口吸い込み防止可能に構成された請求項1及び2記載のライナー装着脱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−18543(P2013−18543A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162545(P2011−162545)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(395019111)有限会社ライセン (10)
【Fターム(参考)】