説明

液体製剤の上昇型放出を提供する剤形

本発明は液体活性製剤を経時的に上昇する速度で放出する剤形を含む。本発明の剤形は液体活性製剤を含有することができるカプセルまたは他のリザーバー、液体活性製剤を長期間にわたりカプセルから放出するための押し出し手段、および押し出し手段がカプセルから液体活性製剤を放出する速度を上げる速度改変手段を含む。また本発明は、上昇する速度で液体活性製剤の放出を提供する制御放出剤形の製造法を含む。本発明の方法は、液体活性製剤を含有するために適するカプセルまたはリザーバーを準備し、カプセルを液体活性製剤で充填し、カプセルに液体活性製剤をカプセルから使用環境に放出するための押し出し手段を提供し、そして押し出し手段が液体活性製剤を放出する速度を上げる速度改変手段を提供することを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は液体製剤の上昇型放出(ascending release)を提供する剤形を含む。特に本発明は経時的に上昇する透過性を表す膜を含む液体剤形を送達するための剤形を含み、これは上昇する速度で液体製剤の送達を促進する。
【背景技術】
【0002】
技術の状態:液体製剤の放出制御を提供する剤形は当該技術分野において知られている。例えばアルザコーポレーション(ALZA Corporation)に割り当てられ、そして引用により本明細書に編入する特許文献1、2、3、4、5、6、7および8は、液体剤形の放出制御を提供する種々の剤形を教示する。これらの特許明細書に記載されている剤形は、一般に液体製剤を含むための硬質もしくは軟質カプセル、浸透性組成物(osmotic composition)、半透性外膜(semipermeable outer membrane)および出口開口部を含む。使用環境からの水性流体がこれらの剤形に含まれる浸透性組成物に吸収される時、浸透性組成物は膨張し、そして出口開口部を通って剤形から液体製剤を押し流す。一般に液体製剤の送達のための放出制御型の浸透性剤形(osmotic dosage form)に含まれる半透膜の物質構造(make−up)および厚さは、水性流体が剤形に入り、そして浸透性組成物を水和する速度を制御する。したがって液体製剤の送達のための放出制御型浸透性剤形の半透膜は、所望する放出速度を提供するために修飾されることができる。
【0003】
しかし種々の活性剤または活性製剤は、上昇する速度で個体の胃腸(“GI”)管内で放出制御から利益を受けることができる。例えば種々の活性剤は個体のGI管内で経時的に上昇する速度で送達される時、上昇する治療的価値および減少する副作用を提供することができる。さらに活性製剤は放出制御型剤形から上昇する速度で放出される時、中に含まれる活性剤の生物学的利用性(bioavailability)の上昇を促進することができる。例えば上部GI管と比較した時、比較的高いpH、特定酵素の存在もしくは不存在、または比較的少量の水性媒質のような個体のGI管の下部における環境的条件は、特定の活性製剤から活性剤のGI吸収に対して、より伝導性となる得る。活性剤が下部GI管で上昇した生物学的利用性を表す場合、または特定の活性製剤が下部GI管に送達された時に活性剤の吸収の上昇を可能にする場合、経時的に上昇する速度で活性製剤を送達する剤形は、相対的により多くの活性製剤が、活性剤がより容易に吸収されるGI管の下部に送達されることをより確実にすることができる。したがって液体活性製剤を所望の期間にわたり上昇する速度で送達することができる剤形を提供することが望ましい。特にそのような剤形が種々の液体製剤中の種々の活性剤を、個体のGI管の所望する領域に上昇する濃度で送達することができればが望ましい。
【参考文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,419,952号明細書
【特許文献2】米国特許第6,342,249号明細書
【特許文献3】米国特許第6,183,466号明細書
【特許文献4】米国特許第6,174,547号明細書
【特許文献5】米国特許第5,614,578号明細書
【特許文献6】米国特許第5,413,572号明細書
【特許文献7】米国特許第5,324,280号明細書
【特許文献8】米国特許第4,627,850号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
本発明は、ある期間にわたり上昇する速度で液体活性製剤を放出する剤形を含む。本発明の剤形は、液体活性剤を含有することができるカプセルまたは他のリザーバー、長期にわたりカプセルから液体活性製剤を放出するための押し出し手段(driving mean)、および押し出し手段がカプセルから液体活性製剤を放出する速度を上昇させる速度改変手段を含む。1つの観点では、本発明の剤形は硬質または軟質カプセルを使用して形成される浸透性剤形を含む。本発明による浸透性剤形は、水和によりカプセルから液体活性製剤を放出するように作用する膨張可能な浸透性組成物、浸透性組成物の水和を可能とするが、活性剤物質に対しては非透過性(impermeable)である半透膜、および半透膜と浸透性組成物との間に配置された上昇型放出材料を含む。本発明の浸透性剤形に含まれる上昇型放出材料は、浸透性組成物の水和の速度を経時的に上昇させ、これは次いで上昇した速度で浸透層(osmotic layer)の膨張を引き起こし、そして剤形から液体活性製剤の上昇する放出速度をもたらす。本発明の剤形は、広い範囲の液体活性製剤を使用環境に送達するために適する。
【0006】
また本発明は上昇する速度で液体活性製剤の放出を提供する放出制御剤形の製造法を含む。本発明の方法は、液体活性製剤を含有するために適するカプセルまたはリザーバーを準備し、カプセルを液体活性製剤で充填し、カプセルにカプセルから使用環境へ液体活性製剤を放出するための押し出し手段を提供し、そして押し出し手段が液体活性製剤を放出する速度を上昇させる速度改変手段を提供することを含む。1つの態様では、本発明の方法はカプセルを準備し、カプセルに液体活性製剤を負荷し、カプセルに膨張可能な浸透性組成物を提供し、そして浸透性組成物の水和速度が、剤形が使用環境に送達された時に経時的に上昇するように、カプセルに上昇型放出材料を提供することを含む。もちろん本発明の方法は、所望する上昇速度で目的とする期間にわたり液体活性製剤を送達する剤形を達成するために望むように改変することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明の剤形は、長期間にわたり上昇する速度で操作環境に液体活性製剤の放出を提供する剤形を含む。本明細書で使用する用語「上昇する速度」および「上昇する放出速度」は、ある時間にわたり上昇する剤形からの液体活性製剤の放出速度を示す。特に用語「上昇する速度」および「上昇する放出速度」は約2時間以上の間にわたり上昇する液体活性製剤の放出速度を指し、約2時間〜約24時間の間が好適であり、そして約4時間〜約12時間の間が特に好適である。本明細書で使用する用語「操作環境」は、動物のGI管に存在する水性流体のような動物に見いだされるインビボ媒質を含め、水を含有する環境または水を含む流体を指す。
【0008】
本発明の剤形は液体活性製剤を含有するために適するカプセルまたは他のリザーバーを含む。剤形にはさらに、剤形が操作環境に送達された後にカプセルから液体活性製剤を放出するために役立つ押し出し手段を提供する。重要であるのは本発明の剤形が、押し出し手段がカプセルから液体活性製剤を放出する速度を上昇させるために役立つ速度改変手段も含む点である。本発明の剤形は、所望の液体活性製剤を送達するために使用できる任意のカプセルまたはリザーバー、および剤形が使用環境に送達された後に所望する期間にわたり上昇する速度で、カプセルから液体活性製剤の放出を可能にする任意の材料またはメカニズムを構成することができる押し出し手段を含むことができる。また速度改変手段は、液体活性製剤が上昇する速度で使用環境に放出されるように、押し出し手段がカプセルから液体活性製剤を放出する速度を上昇させることができる任意の材料またはメカニズムを含むことができる。
【0009】
1つの態様では、本発明の剤形は浸透性剤形である。本発明の浸透性剤形は一般に、液体活性製剤が充填されたカプセル、および膨張可能な浸透性組成物で形成された押し出し手段、剤形に構造的な支持を提供し、そして浸透性組成物の制御された水和を可能とする半透膜、および浸透性組成物の水和速度が上昇し、そして浸透性組成物が上昇する速度で剤形から液体経過製剤を放出するように配置された上昇型放出材料により提供される速度改変手段を含む。本発明の浸透性剤形に含まれる上昇型放出材料は、剤形が操作環境に置かれた後に時間と共に上昇する透過性を表す。上昇型放出材料の透過性が上昇すると、水性流体が浸透性組成物中に流入する速度が上昇し、時間と共に上昇する速度で浸透性組成物の水和を引き起こす。浸透性組成物が上昇した速度で水和すると、浸透性組成物は上昇した速度で膨張し、そして本発明の剤形から液体活性製剤の上昇する放出速度を提供する。
【0010】
本発明の浸透性剤形に含まれる上昇型放出材料は、一般に半透膜に隣接して配置される。本明細書で使用する用語「隣接する」とは、上昇型放出材料が半透膜の上または下に配置されるが、半透膜と直接的に接触する必要は無いことを示す。例えば上昇型放出材料は半透膜のすぐ上またはすぐ下に配置することができる。あるいは上昇型放出材料は1以上のさらなる材料層により半透膜から離れてもよい。しかし液体活性製剤の上昇型放出を提供するために、上昇型放出材料は使用環境からの水性流体が本発明の浸透性剤形に含まれる浸透性組成物に到達する前に上昇型放出材料を通って流動するように配置されなければならない。
【0011】
本発明による浸透性剤形に含まれる上昇放出型材料は、剤形の中または上に提供することができ、そして操作環境で経時的に上昇する透過性を表す任意の材料であることができる。1つの態様では、上昇型放出材料は使用環境で時間と共に上昇する透過性を表すポリマー膜を使用して形成される。1つの態様では、本発明による上昇型放出のポリマー膜は、疎水性ポリマー材料および膨潤性の親水性材料から形成される。膨潤性の親水性材料はポリマー膜にブレンドすることができ、そして操作環境で水和すると膨潤する任意の材料を含むことができる。1つの好適な態様では、膨潤性の親水性材料は膨潤性の親水性ポリマーである。本明細書で使用する用語「上昇型放出膜」は用語「上昇型放出材料」と互換的に使用する。
【0012】
本発明の上昇型放出膜が疎水性ポリマーおよび膨潤性の親水性材料で形成される場合、上昇型放出膜は比較的低い初期透過性を表すように配合される。上昇型放出膜の低い初期透過性は、剤形に含まれる浸透性組成物の比較的低い初期水和速度を生じる。しかし水性流体が疎水性ポリマー材料および膨潤性の親水性材料で形成される上昇型放出膜を通って進むと、膨潤性の親水性材料が水を吸収し、そして膨張する。時間が経つにつれて、親水性材料の膨潤は水が上昇型放出膜を通ってさらに容易に流れることを可能とする水路を生成し、そしてこれにより時間の関数として上昇型放出膜の水透過性を上げると考えられる。特に経時的に膨潤性の親水性材料の粒子は膨張し、そして他の膨潤性の親水性粒子と接するようになり、そして接触している粒子は水が上昇型放出膜を通って流れる水路を形成すると考えられる。本発明によるポリマー性の上昇型放出膜に含まれる疎水性ポリマーと膨潤性の親水性材料の相対的量は、透過性に目的とする変化を、または所望する上昇型放出速度を表す上昇型放出膜を提供するように変動させることができる。
【0013】
本発明の浸透性剤形に含まれる上昇型放出膜を形成するために適するポリマー材料は、所望の操作環境で経時的に上昇する透過性を表す製薬学的に許容され得る上昇型放出膜を提供する任意のポリマー材料またはポリマー材料の組み合わせを含む。しかし疎水性ポリマー材料は好ましくは、膜を損なうことなく膨潤性の親水性物質の膨潤を可能とする柔軟性膜のコーティングを可能とし、そして膨潤性の親水性物質は好ましくは膜内で膨潤するが、少なくとも所望の放出プロファイルが達成されるまで、膜を溶出または溶解しないように選択される。膜が柔軟性の疎水性ポリマーで形成され、そして膨潤性の親水性材料が溶解し、または膜から溶出する場合、疎水性ポリマーは親水性材料により残された空所を閉じ、そしてこれにより膜の透過性を下げる。本発明により形成される上昇型放出ポリマー膜は、約80重量%〜約50重量%の疎水性ポリマー材料および約20重量%〜約50重量%の膨潤性の親水性材料を含み、約60重量%〜約70重量%の疎水性ポリマー材料および30重量%〜約40重量%の膨潤性の親水性材料を含むポリマー膜が好適である。
【0014】
疎水性ポリマー材料および膨潤性の親水性材料の種々の組み合わせを使用して本発明の上昇型放出膜を形成することができるが、アクリルおよびビニルポリマーのブレンドを使用して形成された膜が、所望する放出速度特性を提供する柔軟性の上昇型放出膜を生成することが分かった。本発明の上昇型放出膜の疎水性部分として役立つことができるアクリルポリマー材料には、Eudragit NEおよびEudragit FSを含む。特に架橋化ポリビニルピロリドンと組み合わされた85/15重量/重量ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSが所望する柔軟性および放出速度特性を表す上昇型放出膜を提供することが分かった。Eudragit NEおよびEudragit FSの85/15ブレンドは、グライダント材料をほとんど必要としないか、または必要としない標準的なコーティング技術を使用して均一な上昇型放出膜のコーティングを可能とする。Eudragit NEは単独で適当な疎水性コーティングを提供するが、コーティングは粘着性で、しかもコーティング工程の最中および後に剤形の凝集を防止するために比較的大量のグライダントの使用を要する。Eudragit FSをEudragit NEとブレンドすることにより、適当に柔軟性があるがEudragit NE単独での粘性を表さず、しかもグライダント材料をほとんど必要としないか、または必要としない標準的な噴霧コーティング技術を使用して剤形上にコーティングすることができる疎水性コーティングを提供する。
【0015】
本発明の浸透性剤形に含まれる上昇型放出膜は、架橋化ポリビニルピロリドンと組み合わされたEudragit NEおよびEudragit FSのブレンドにより形成される膜に限定されない。本発明の上昇型放出膜の形成に適当となり得るさらなる例示的な疎水性ポリマーには、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアセテート、ポリ−メチルメタクリレート、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ブチルメタクリレート(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)、およびメタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー等を含む。本発明による上昇型放出膜の形成に適当となり得るさらなる膨潤性の疎水性材料には、例えば低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアセテートポリビニルピロリドンコポリマー、ゼラチン、澱粉、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールコポリマー、カラゲーナン、アルギン、寒天、アラビアガム、カラヤガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、ガッティガムグアガム、カゼイン塩、20重量%未満のアセチル含量の酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールグラフコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、または所望するそれぞれの任意のブレンド、分子量または組み合わせを含む。また本発明の上昇型放出膜は、1より多くの異なる疎水性ポリマーまたは1より多くの異なる膨潤性の親水性物質を使用して配合することもできる。
【0016】
本発明による剤形に含まれる上昇型放出材料または膜は、適当な方法を使用して剤形上に提供することができる。例えば上昇型放出材料がコーティングすることができる材料で形成される場合、本発明の剤形には任意の適切な噴霧コーティングまたは浸漬コーティング技術を使用して上昇型放出材料の所望するコーティングを提供することができる。あるいは上昇型放出材料は中間剤形アッセンブリーの回りに所望する形状に圧縮することができ、または上昇型放出材料は所望する形状に形成され、そして水透過性および生物学的に適合性の接着剤を使用して中間剤形アッセンブリーに結合することもできる。本明細書で使用する用語「中間剤形アッセンブリー」は、本発明の剤形の1以上の成分を含むが、本発明の剤形のすべての成分は未だ含まないアッセンブリーを示す。
【0017】
本発明の上昇型放出剤形には、任意の所望する液体活性製剤を提供することができる。本明細書で使用する「活性剤」という表現は、意図する個体に利益を提供するために送達され得る任意の薬剤、治療用化合物または組成物を包含する。「液体活性製剤」という表現は、活性剤を含み、そして本発明の剤形から使用環境に流動することができる製剤を示すために本明細書で使用する。本発明の上昇型放出剤形での使用に適する液体活性製剤は、正味の液体活性剤または溶液、懸濁液、スラリー、エマルジョン、自己乳化型組成物、リポソーム溶液、または活性剤が存在する他の流動可能な製剤であることができる。液体活性製剤は、意図する動物またはヒト個体の体温のような操作環境の温度のより低い温度で固体または非流動性であり得るが、そのような製剤は少なくとも剤形が操作環境に導入された後は流動性となるべきである。結合剤、酸化防止剤、製薬学的に許容され得る担体、透過強化剤等は液体活性製剤中の活性剤に付随することができ、そして液体活性製剤は表面活性剤または表面活性剤の混合物を含むことができる。引用により本明細書に編入する米国特許第6,174,547号および同第6,245,357号明細書および米国特許出願第08/075,084号、同第09/733,847号、同第60/343,001号および同第60/343,005号明細書は、本発明の剤形での使用に適する液体活性製剤を形成するために使用できる例示的な薬剤、担体および他の成分を詳述する。
【0018】
本発明による剤形の3種の例示態様を、図1から図3で具体的に説明する。図1で具体的に説明する態様では、本発明の剤形10は軟質カプセル32または「軟質キャップ」を使用して形成される。図1から分かるように、バリア層34は軟質キャップ32の回りに形成され、そして膨張性の浸透性組成物36または「浸透層」がバリア層34の回りに形成される。上昇型放出膜35が浸透性組成物36の回りに提供され、そして半透膜22が上昇型放出膜35の回りに形成される。出口開口部24は好ましくは半透膜22、上昇型放出膜35、浸透層36およびバリア層34を通って形成されて、軟質キャップの上昇型放出剤形10から液体活性製剤14の送達を促進する。
【0019】
本発明の上昇型放出剤形10を作成するために使用する軟質キャップ32は従来のゼラチンカプセルでよく、そしてその最終製造で2つの区画に、または単一ユニットのカプセルとして形成することができる。好ましくはバリア層34の存在により、軟質キャップ32の壁33は、壁33が出口開口部24の露出する領域で溶解する場所を除き、その完全性およびゲル様特性を維持する。一般に軟質キャップ32の壁33の完全性を維持することは、製剤14の十分に制御された送達を促進する。しかし製剤14の送達中に出口開口部24から伸びる軟質キャップ32の幾らかの溶解部分は、液体活性製剤14の放出速度または放出速度プロファイルに有意な影響を及ぼすことなく収容することができる。
【0020】
任意の適切な軟質キャップを、本発明の上昇型放出剤形を形成するために使用することができる。軟質キャップ32は、標準的なカプセル形状を含んでなる単一の本体ユニットとして、常法に従い製造することができる。そのような単一本体の軟質キャップは典型的には3〜22minims(1minimは0.0616mlに等しい)のサイズで、卵形、長円およびその他の形状で提供され得る。軟質キャップ32は、例えば軟質ゼラチン材料または操作中に軟化する硬質ゼラチン材料を使用して常法に従い製造することができる。軟質キャップ32は、通常、(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)および(5)(最大の数が最小のカプセルサイズに対応する)と命名される標準形および種々の標準サイズに製造することができる。しかし軟質キャップ32が軟質ゼラチンカプセルまたは操作中に軟化する硬質ゼラチンカプセルを使用して製造されてもされなくても、特定の応用に必要または望まれるならば、軟質キャップ32は通常ではない形状およびサイズに形成することができる。
【0021】
少なくとも操作中に、軟質キャップ32の壁33は柔らかくし、そして変形して、所望の上昇型放出速度を達成すべきである。本発明の上昇型放出剤形10を作成するために使用する軟質キャップ32の壁33は、典型的には本発明に従い硬質カプセルの上昇型放出制御剤形を作成するために使用する硬質カプセル120の壁の厚さよりも大きな厚さを有する。例えば軟質キャップは10〜40milsの次元の壁厚を有することができ、約20milsが最も多いが、硬質キャップは2〜6milsの次元の壁厚を有することができ、約4milsが最も多い。米国特許第5,324,280号および同第6,419,952号明細書および米国特許出願第60/343,001号および同第60/343,005明細書(これらの内容はすでに引用により本明細書に編入する)は、本発明の上昇型放出剤形を形成するために有用な種々の軟質キャップの製造を記載する。
【0022】
軟質キャップ32の回りに形成されるバリア層34は、浸透層36により発揮される圧力下で変形可能であり、そして好ましくは浸透層36中および液体活性製剤14の送達中に使用する環境中に存在し得る流体または物質に対して非透過性(impermeable)(または透過性が低い)である。またバリア層34も好ましくは本発明の液体活性製剤14に対して非透過性(または透過性が低い)である。しかしバリア層34のある程度の透過性は、液体活性製剤14の放出速度または放出速度プロファイルが悪影響を受けなければ許容され得る。バリア層34は浸透層36によりかかる力の下で変形可能なので、バリア層34は浸透層36が膨張すると軟質キャップ32の圧縮を可能とする。次いでこの圧縮は出口開口部24から液体活性製剤14を押し出す。好ましくはバリア層34は、バリア層34が出口開口部24が形成される領域で浸透層36と半透層22との間にシールを形成するような程度まで変形可能である。その様式では、バリア層34は出口開口部24が形成される時に浸透層36および半透膜22が最初に露出した領域を密閉するために限定された程度まで変形または流動する。本発明の軟質キャップの放出制御剤形10に含まれるバリア層34を形成するために適する材料および方法は、米国特許第6,419,952号明細書および米国特許出願第60/343,001号および同第60/343,005号明細書に教示されており、その内容は引用により本明細書に編入する。
【0023】
本発明の軟質キャップの放出制御剤形10に含まれる浸透層36には、水または胃液中に存在するような水性流体の存在下で膨張するヒドロ活性化組成物を含む。浸透層36は米国特許第5,324,280号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第60/392,775号明細書に記載されている材料および方法を使用して調製することができ、これらの内容は引用により本明細書に編入する。浸透層36が外部の流体を吸収(imbibe)かつ/または吸収(absorbe)すると、浸透層36は膨張し、そしてゲル−キャップ32のバリア層34および壁33に対して圧力をかけ、これにより液体活性製剤14が出口開口部24を通って出るようにする。本発明の軟質キャップの上昇型放出剤形10に含まれる浸透層36は、所望する放出速度または送達効率を達成するように望ましく設計でき、そして本発明の上昇型放出剤形に包含され得る種々の浸透層の形状の形状は、米国特許第5,324,280号および同第6,419,952号明細書に詳述され、それらの内容は引用により本明細書に編入する。
【0024】
上昇型放出層35の回りに形成される半透膜22は非毒性であり、そして軟質キャップの放出制御剤形10の操作中にその物理的および化学的完全性を維持する。半透膜22は水の通過に対して透過性であるが、液体活性製剤14に含まれる活性剤の通過に対しては実質的に非透過性である。さらに半透膜22の厚さまたは物質的構造(make−up)を調整することにより、剤形10に含まれる浸透層36が水和し、そして膨張する最大速度を制御することができる。したがって、本発明の剤形10をコーティングする半透膜22は、剤形10により達成される放出速度を制御するために使用することができる。
【0025】
本発明の上昇型放出剤形10に含まれる半透膜22は、水に対して透過性の任意の材料を使用して形成することができ、活性剤に対して実質的に非透過性であり、製薬学的に許容され、そして剤形の他の成分と適合性がある。一般に半透膜22は半透性ポリマー、半透性ホモポリマー、半透性コポリマーおよび半透性ターポリマーを含む材料を使用して形成することができる。半透性ポリマーは当該技術分野では知られており、そして米国特許第4,077,407号明細書(これは引用により本明細書に編入する)に例示され、そしてそれらはニューヨークのインターサイエンス出版社(Interscience Publishers)から出版されたポリマー科学および技術辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)、第3巻、325〜354頁、1964に記載された手順により作成することができる。本発明の剤形10に含まれる半透膜22は、半透膜22の柔軟性および伸長特性(elongation properties)を与える可塑剤、または半透膜22を通る流体透過性または流動の調節を補助するために、流動強化または流動低下剤のような流動調節剤も含むことができる。本発明の剤形10に含まれる半透膜22を形成するために適する材料および方法を記載するさらなる技術文献には、米国特許第6,174,547号、同第6,245,357号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第08/075,084号、同第09/733,847号、同第60/343,001号、同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)含む。
【0026】
本発明の軟質キャップの上昇型放出剤形10は、出口開口部24で露出する浸透層36の任意の部分を密閉するメカニズムを含むことが現在、好ましい。そのような密閉メカニズムは液体活性製剤14の送達中に浸透層36が系から溶脱することを防ぐ。1つの態様では、出口開口部24を孔あけし、そして浸透層36の露出した部分をバリア層34により密閉し、これはそのゴムのような弾性様の特性から、出口開口部24の形成中および/または後に、そして特に軟質キャップの上昇型放出剤形が作動すると出口開口部24の内面のまわりから外側に伸長する。この様式で、バリア層34は浸透層34、上昇型放出膜と半透性層22との間の領域を効果的に密閉する。伸長し、そして密閉するために、バリア層34は弾性のゴム様の粘稠度を系の操作が起こる温度で持つべきである。アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマーのような材料、特にドイツ、ダルムシュタットのロームファルマ(RohmPharma)により供給されるEudragit NE30Dが好適である。そのような密閉メカニズムを有する軟質キャップの上昇型放出剤形10は、軟質キャップ32をバリア層34、浸透層36、上昇型放出膜および半透層22で順次コーティングすることにより調製し、次いで出口開口部24を孔あけして剤形10を完成することができる。出口開口部24は軟質キャップ32の一部を露出するために、半透層22、上昇型放出膜35、浸透層36およびバリア層35を通して作成される。
【0027】
あるいはプラグ(示さず)を使用して、浸透層36の露出部のために望ましい密閉メカニズムを形成することができる。プラグは最初に半透膜22、上昇型放出膜35およびバリア層34に穴を提供し、次いで穴を例えば熱、照射等により硬化され得る液体ポリマーで充填することにより形成することができる。適当なポリマーには例えばコネチカット州、ハートホードのロックタイト社(Loctite Corpration)により販売されているLoctite(商標)3201、Loctite(商標)3211、Loctite(商標)3321およびLoctite(商標)3301のようなポリカーボネートボンド接着剤等を含む。出口開口部の内面上に形成されるシールを有する軟質キャップの上昇型放出剤形を調製するために適するさらに他の方法は、米国特許第6,174,547号、同第6,245,357号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第08/075,084号、同第09/733,847号、60/343,001号、同第60/343,005号明細に記載されている。
【0028】
硬質カプセル本体120または「硬質キャップ」を使用して製造される本発明の例示的な上昇型放出剤形を図2および図3で具体的に説明する。図面から分かるように、本発明の硬質キャップの上昇型放出剤形100は、液体活性製剤140が充填されたカプセル本体120、カプセル本体120の第1末端200に配置された浸透性組成物36、本発明による上昇型放出膜35、および上昇型放出膜35上に形成される半透膜22を含む。図2および図3で具体的に説明するように、浸透性組成物36は膨張性浸透層180と液体活性製剤140との間に配置されたバリア層220を有する二層錠剤化組成物として形成され得る。バリア層220を含める場合、これは液体活性製剤140が膨張可能な浸透性組成物180と混ざることを防ぐように作用し、そして剤形100から液体活性製剤140のより完全な送達を確実とするために役立つ。液体活性製剤140の放出を促進するために、本発明の硬質キャップの上昇型放出剤形100は出口開口部260を含み、これは好ましくはカプセル本体120の第2末端280付近の領域に形成され、第2末端は一般に浸透性組成物36の反対側に位置する。
【0029】
本発明の硬質キャップ剤形100に含まれるカプセル本体120は、所望する量の液体活性製剤140を含むように形成され、そして第1末端200および第2末端280を含む。図2および図3を参照にして分かるように、本発明の硬質キャップの剤形100に含まれるカプセル本体120はキャップ210を含むことができ、またはカプセル本体120の第1末端200は開放されており、単に浸透性組成物36を収容するためにサイズを合わせ、そして成形されている。必ずしも必要ではないが、開放された第1末端200を有するようにカプセル本体120を設計することは、剤形100の操作前に浸透性組成物36とカプセル本体との間の接触を減らし、そしてこれにより膨張性の浸透性組成物180とカプセル本体120との間の相互作用が、剤形100の操作前または最中のいずれかにカプセル本体120の構造的安定性に影響を及ぼす可能性を減らす。図2および図3に具体的に説明するカプセル本体120は一般に長円形であるが、本発明の上昇型放出型の硬質キャップ剤形100のカプセル本体はそのように限定されず、そして所望の量の液体活性製剤を含むために、または特定の薬剤送達の応用に適するように、所望するようなサイズおよび形状にすることができる。
【0030】
本発明の硬質キャップ剤形に含まれるカプセル本体120は、任意の適当な材料から形成することができる。例えばカプセ本体は引用により本明細書に編入する米国特許第6,174,547号、同第5,413,572号および同第5,614,578号明細書、および米国特許出願第60/392,774号明細書に記載されているゼラチンまたはポリマー材料を使用して形成することができる。好適な態様では、本発明の硬質キャップ剤形のカプセル本体は、水溶性ポリマー材料を使用して形成される。カプセル製造に典型的に使用されるゼラチン材料に比べて、水溶性ポリマー材料は水分損失に対して感度が低く、そして水分含量における変化に対する感度が顕著に低い。カプセル本体120を形成するために使用することができるポリマー材料には、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(ビニルアルコール−コ−エチレングリコール)のような多糖材料、およびカプセル本体を作成するための浸漬−コーティングまたは押出し法に適する他の水溶性ポリマーを含む。本発明の硬質キャップ剤形100に含まれるカプセル本体120は単一のポリマー材料を使用して製造することができるが、カプセル本体120は1より多くのポリマー材料の混合物を使用して製造することもできる。現在、HPMCカプセルは市販されており、そして所望する製造、安定性および送達特性を提供するので、それらが本発明の硬質キャップ剤形100のカプセル本体120を形成するために好ましく使用される。本発明による硬質キャップ放出制御剤100のカプセル本体120は、米国特許第6,174,547号、同第5,413,572号および同第5,614,578明細書、および米国特許出願第60/392,774号明細書に記載されているような既知の製造技術を使用して形成することができる。
【0031】
また図3から分かるように、本発明の硬質キャップ放出制御剤100はカプセル本体120上に形成される水非透過性のサブコート160を含むことができる。水非透過性のサブコート160は、外部環境からカプセル本体120を通り、そして液体活性剤140への水の移動を最少にするか、または防ぐように作用する。効果的となるために、水非透過性サブコート160は水の通過に対して完全に非透過性となる必要はない。本明細書で使用するように、「水非透過性」という表現は、約10−4(mil・cm/atm・hr)より低い水の流動を表すサブコートを指す。十分な水非透過性のサブコートを提供し、製薬学的に許容され、そして剤形100の他の成分と適合する任意の材料は、水非透過性のサブコート160を形成するために使用することができる。しかしカラルコン社(Colorcon Inc.)から入手可能なSurelease(商標)ラテックス材料、BASFから入手可能なKollicoat(商標)SRラテックス材料、Eudragit(商標)SR、および他のポリメチルアクリレートラテックス材料のようなラテックス材料が、水非透過性サブコート160を形成するために現在好適である。
【0032】
水非透過性サブコート160は、適切なコーティング技術を使用してカプセル本体120上に提供することができる。例えばカプセル本体120には、既知の浸漬コーティング法を使用して水非透過性サブコート160が提供され得る。水非透過性サブコート160は、既知の噴霧コーティング法を使用してカプセル本体120上に形成することもできる。
【0033】
しかし噴霧コーティング法を使用し、そして完成した剤形中にカプセル本体120がキャップを含まないことを望む場合、好ましくはカプセル本体120は噴霧コーティング法を行う前に取り外し可能なキャップが提供される。噴霧コーティング法の前に取り外し可能なキャップをカプセル本体120に提供することは、カプセル本体120の内面が水非透過性サブコート160を形成する材料で望ましくなくコーティングされることを防止する。さらにカプセル本体120がキャップ210を含まない場合、噴霧コーティング法は十分な水非透過性サブコート160のコーティングを可能とすると同時に、コーティングされたカプセル本体120のさらなる処理を行うことができるように、水非透過性サブコート160の形成後に取り外し可能なキャップ120の除去を可能とするようにあつらえられなければならない。そのような噴霧コーティング法は、米国特許出願第60/392,774号明細書に記載され、この内容は引用により本明細書に編入する。
【0034】
本発明の軟質キャップ剤形10に含まれる浸透性組成物36でそうであるように、本発明の硬質キャップ剤形100に含まれる浸透性組成物36は、浸透性組成物36が使用環境から水を吸収する時に膨張するように配合される。浸透性組成物36が膨張する時、浸透性組成物36は液体活性製剤140に対する力を発揮し、そして出口開口部26を通る液体活性製剤140の放出を引き起こす。そのような特性を現し、製薬学的に許容され、そして本発明の剤形の他の成分と適合性がある任意の組成物を、本発明の硬質キャップ剤形100に含まれる浸透性組成物36を形成するために使用することができる。本発明の硬質キャップ剤形100に使用するための膨張可能な浸透性組成物180を形成する例示的材料および方法は、米国特許第6,174,547号、同第6,245,357号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第09/733,847号、同第60/343,001号および同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書に詳述されている。
【0035】
また図2および図3を参照にして認識されるように、好適な放出制御型硬質キャップ100の浸透性組成物36は、好ましくは膨張性の浸透層180およびバリア層220を含む二層錠剤に錠剤化される。バリア層220は、剤形100の操作前および最中に液体活性製剤140が膨張可能な浸透層180と混ざることを最少にするか、または防ぐように作用する。液体活性製剤140が膨張可能な浸透層180と混ざることを最少にするか、または防ぐことにより、バリア層220は浸透性組成物36が膨張を止めた後、または剤形100の内部が充填された後に、剤形100内に残る残存活性剤の量を減らすために役立つ。またバリア層220は、浸透性組成物36の押し出し力が剤形100に含まれる液体活性製剤140に伝わる均一性を上げるためにも役立つ。好適な硬質キャップの放出制御剤形100に含まれるバリア層220は、米国特許出願第08/075,084号、同第60/343,001号、同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書に記載されている材料および方法を使用して形成することができる。
【0036】
本発明の硬質キャップ剤形100に含まれる半透膜22は、水の通過に対して透過性であるが、液体活性製剤140に含まれる活性剤の通過に対しては実質的に非透過性である。半透膜22は意図する個体に対して非毒性であり、そして剤形100の操作中にその物理的および化学的完全性を維持する。さらに半透膜240の厚さまたは物質的構造を調整することにより、本発明の剤形100に含まれる浸透性組成物36が膨張する最大速度を制御することができる。したがって本発明の硬質キャップ剤形100をコーティングする半透膜22は、一部は硬質キャップ剤形100により達成される放出速度または放出速度プロファイルを制御することができる。本発明の硬質キャップの放出制御剤形に提供される半透膜22は、図1で具体的に説明した軟質キャップの放出制御剤形に関連してすでに記載した材料および方法を使用して提供することができる。
【0037】
本発明の硬質キャップ剤形100に含まれる出口開口部26は、液体活性製剤140の放出を可能とするために適する種々の構造の1つにより具体化され得る。図2および図3で具体的に説明するように、出口開口部26は一般にカプセル本体120の第2末端280またはその付近に形成され、そして半透膜22、上昇型放出膜35、および提供される場合は水非透過性サブコート160を通って形成される開口27を含むことができる。出口開口部26の開口27はカプセル本体120の一部を露出するが、好ましくはカプセル本体120を貫通しない。剤形100を操作環境に投与すると、操作環境に存在する水が開口27により露出したカプセル本体120の一部を弱め、または溶解し、カプセル本体120に含まれる液体活性製剤140を排出できるようにする。図2および図3で示す出口開口部26を形成するために使用する開口27は、既知の機械的またはレーザードリル技術を使用して単純に形成することができる。それにもかかわらず、本発明の硬質キャップ剤形100は図2および図3で具体的に説明する出口開口部26に限定されない。本発明の硬質キャップ剤形100に使用できる出口開口部のさらなる記載は、例えば本明細書にすでに引用した特許および特許出願、ならびに米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号および同第4,200,098号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)に記載されている。
【0038】
1つの態様では、本発明の放出制御剤形は、剤形が個体の下部GI管に入った後にのみ液体活性剤形を放出し始めるように設計される。本明細書で使用する用語「下部GI管」とは個体の遠位小腸および結腸を示す。1つのそのような態様では本発明の放出制御剤形には、剤形が個体の下部GI管に入るまで剤形の作動を防止するように作用する腸溶性オーバーコートが提供される。腸溶性のコーティングは当該技術分野では既知であり、そして予め定めたpHを有する水性環境に暴露されるまで、完全なままであるように設計される。したがって本発明に従い得る放出制御剤形には、個体の上部GI管内では完全なままであるが、剤形がGI管の上部からGI管の下部へ移動する時に起こるpHの変化により下部GI管で溶解する腸溶性コーティングが提供され得る。腸溶性コーティングの例は例えば、レミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science)、(1965)、第13版、第604〜605頁、マック出版社(Mack Publishing Co.)、イーストン、ペンシルバニア州;制御薬剤送達用のポリマー(Polymers for Controlled Drug Delivery)、第3章、CRC出版、1991;Eudragit(商標)コーティング、ローム ファルマ(Eudragit(商標)Coating Rohm Pharma)、(1985);および米国特許第4,627,851号明細書で検討されている。所望により本発明の剤形上に形成される腸溶性コーティングの厚さおよび化学成分は、下部GI管の特異的領域内で本発明の製剤の放出を標的とするように選択することができる。
【0039】
もちろん上部GIを通過した後に液体活性製剤を放出し始めるように設計された本発明の制御放出剤形は、腸溶性コーティングを有する制御放出剤形に限定されない。例えば半透膜、浸透性組成物または上昇型放出膜は、一般に剤形の個体の下部GI管への通過を確実にするために十分な時間、制御放出剤形が液体活性製剤を送達し始めないように配合し、そして設計することができる。あるいは本発明の放出制御剤形は、投与後に所望する期間にわたり侵食する外側コーティングを剤形に提供することにより、個体の下部GI管に液体活性製剤が送達され始めるように設計することができ、このコーティングの侵食は環境的pHからは実質的に独立している。
【0040】
本発明の上昇型放出剤形が半透膜を含む浸透性剤形である場合、半透膜に隣接して含まれる上昇型放出膜は、一般に半透膜により現されるよりも有意に大きい値まで、経時的に上昇する水性流体に対する透過性を現すように設計される。そのような設計により半透膜および上昇型放出膜の最大総透過性が半透膜の最大透過性により確かに決定できるようになり、そして浸透性剤形に含まれる浸透性組成物の最大水和速度の容易な制御が可能となる。
【実施例1】
【0041】
本発明による例示的な硬質キャップの上昇型放出剤形を製造し、そして剤形の放出速度を評価した。例示的な硬質キャップ剤形は、市販されているサイズ#0硬質カプセルを使用して製造した。例示的な硬質キャップ剤形に負荷した製剤は、4重量%のサリチル酸ナトリウムをCremophorELおよびMyvacet9−45の混合物に含んだ。CremophorELおよびMyvacet9−45の混合物は、75重量%のCremophorELおよび25重量%のMyvacet9−45を含んだ。剤形は標準的技術を使用して混合され、そして負荷された。
【0042】
例示的な硬質キャップ剤形には錠剤化された二層浸透性組成物が提供された。錠剤化組成物に含まれる浸透層は、250mgの膨張性Polyox組成物を使用して形成し、そしてバリア層は50mgの標準ワックスバリア材料を使用して形成された。Polyox組成物およびワックスバリア材料は標準的方法を使用して形成され、そして錠剤化された。
【0043】
例示的な硬質キャップ剤形には、架橋化ポリビニルピロリドン(PVP XL−10)と組み合わされたEudragit NEおよびEudragit FSのブレンドを使用して形成された上昇型放出膜がコーティングされた。上昇型放出膜は、標準的な噴霧コーティング法を使用してコーティングした。上昇型放出膜は、40重量%のPVP XL−10および60重量%の85/15ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSを使用して配合された。例示的な硬質キャップ剤形は、約173mgの上昇型放出膜が達成されるまで上昇型放出膜組成物を用いてコーティングされた。
【0044】
上昇型放出膜がコーティングされた後、例示的な硬質キャップ剤形は上昇型放出膜の上に半透膜をコーティングし、そして各剤形に出口開口部を提供することにより完成された。半透膜は標準的なコーティング技術を使用して形成され、そして75重量%の酢酸セルロース398−10および25重量%のPluronic F68を含んだ。しかし例示的な硬質キャップ剤形の第1バッチには比較的軽い半透膜(50mg)が提供され、一方、例示的な硬質キャップ剤形の第2バッチには比較的重い半透膜(109mg)が提供された。半透膜が形成された後、例示的な硬質キャップ剤形の両バッチは、各剤形に10milの出口開口部を提供することにより完成された。出口開口部は機械的ドリルを使用して形成された。
【0045】
次いで例示的な硬質キャップ剤形をAIFに置き、そして例示的な硬質キャップ剤形により提供される放出速度を評価した。そのような評価の結果を図4に示す。図4を参照にして分かるように、例示的な硬質キャップ剤形は上昇するサリチル酸ナトリウムの放出速度を提供し、比較的重い半透膜を含む剤形はより遅い上昇型の放出速度を提供し、そして比較的軽い半透膜を含む剤形は比較的迅速に上昇する放出速度を提供した。
【実施例2】
【0046】
本発明による例示的な軟質キャップの上昇型放出剤形を製造し、そして剤形の放出速度を評価した。例示的な軟質キャップ剤形は、液体グアイフェニセン(Guaifenisen)製剤が前以て充填された市販の軟質カプセルを使用して製造した。例示的な軟質キャップ剤形に、50重量%のEudragit FSおよび50重量%のEudragit NEを含有する37mgのバリア層を標準的なバリア層コーティング法を使用してコーティングした。バリア層の形成後、例示的な軟質キャップ剤形は260mgの標準的な浸透性組成物がコーティングされ、そして本発明の上昇型放出膜が浸透性組成物上に提供された。
【0047】
例示的な軟質キャップ剤形に含まれる上昇型放出膜は、30重量%のPVP XL−10および70重量%の85/15ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSを含んだ。上昇型放出膜は、約202mg重量の上昇型放出膜が達成されるまで標準的な噴霧コーティング法を用いて浸透性組成物上にコーティングされた。
【0048】
上昇型放出膜がコーティングされた後、例示的な軟質キャップ剤形は上昇型放出膜の上に半透膜をコーティングし、そして各剤形に出口開口部を提供することにより完成された。半透膜は標準的なコーティング技術を使用して形成され、そして60重量%の酢酸セルロース398−10および40重量%のPluronic F68を含んだ。例示的な軟質キャップ剤形は剤形が108mg重量の半透膜でコーティングされるまで半透膜材料でコーティングされた。半透膜の形成後、例示的な軟質キャップ剤形は各剤形に38milの出口開口部を提供することにより完成された。出口開口部はここでも機械的ドリルを使用して提供された。
【0049】
次いで例示的な軟質キャップ剤形をAIFに置き、そして例示的な軟質キャップ剤形により提供される放出速度を評価した。そのような評価の結果を図5に示す。図5を参照にして分かるように、例示的な軟質キャップ剤形はAIFに導入した後、最初の約2時間にわたり上昇するグアイフェニセンの放出速度を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による軟質キャップの上昇型放出剤形の概略的断面表示を提供する。
【図2−3】本発明による2つの異なる硬質キャップの上昇型放出剤形の概略的断面表示を提供する。
【図4】本発明に従い調製される硬質キャップの上昇型放出剤形により提供される上昇型放出速度プロファイルを具体的に説明するグラフを提供する。
【図5】本発明に従い調製される軟質キャップの上昇型放出剤形の放出速度プロファイルを具体的に説明するグラフを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバー;
リザーバー内に含まれる液体活性製剤;
浸透性組成物;
半透膜;
半透膜に隣接する上昇型放出材料、該上昇型放出材料は水性流体に暴露すると上昇する透過性を示し;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項2】
上昇型材料がポリマーを含んでなる請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
上昇型放出材料が疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含んでなる、請求項1に記載の剤形。
【請求項4】
上昇型放出材料が疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含んでなり、親水性ポリマーが水膨潤性である請求項1に記載の剤形。
【請求項5】
疎水性ポリマーが約50重量%〜約80重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約20重量%〜約50重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項3に記載の剤形。
【請求項6】
疎水性ポリマーが約60重量%〜約70重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約30重量%〜約40重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項3に記載の剤形。
【請求項7】
上昇型放出材料が、水性流体への暴露前に第1の透過性を示し、そして水性流体への暴露後に第2の透過性を示すように配合され、第2の透過性は上昇型放出材料が水性流体に暴露される時間にわたり上昇する請求項1に記載の剤形。
【請求項8】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を少なくとも2時間の間にわたり提供するように、リザーバー、浸透性組成物、半透膜および半透膜に隣接する上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項1に記載の剤形。
【請求項9】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約2〜約24時間の間にわたり提供するように、リザーバー、浸透性組成物、半透膜および半透膜に隣接する上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項1に記載の剤形。
【請求項10】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約4〜約12時間の間にわたり提供するように、リザーバー、浸透性組成物、半透膜および半透膜に隣接する上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項1に記載の剤形。
【請求項11】
上昇型放出材料が疎水性アクリルポリマーおよび親水性ビニルポリマーを含んでなる、請求項1に記載の剤形。
【請求項12】
疎水性アクリルポリマーが85/15重量/重量ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSを含んでなり、そして親水性ビニルポリマーが架橋化ポリビニルピロリドンを含んでなる、請求項11に記載の剤形。
【請求項13】
上昇型放出材料が疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含んでなり、そして疎水性ポリマーがポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアセテート、ポリ−メチルメタクリレート、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ブチルメタクリレート(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)、およびメタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項1に記載の剤形。
【請求項14】
上昇型放出材料が疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含んでなり、そして親水性ポリマーが低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアセテートポリビニルピロリドンコポリマー、ゼラチン、澱粉、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールコポリマー、カラゲーナン、アルギン、寒天、アラビアガム、カラヤガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、ガッティガムグアガム、カゼイン塩、20重量%未満のアセチル含量の酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールグラフコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項1に記載の剤形。
【請求項15】
カプセル;
カプセル内に含まれる液体活性製剤;
浸透性組成物;
半透膜;
半透膜に隣接する上昇型放出材料、該上昇型放出材料は水性流体に暴露すると上昇する透過性を示す;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項16】
カプセル;
カプセル内に含まれる液体活性製剤;
カプセルの回りに形成される浸透性組成物;
浸透性組成物上に形成される、水性流体に暴露すると上昇する透過性を示す上昇型放出材料;
上昇型放出材料に隣接して形成される半透膜;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項17】
バリア層がカプセルの回りに形成され、そして浸透性組成物がバリア層の回りに形成される、請求項16に記載の剤形。
【請求項18】
カプセル;
カプセル内に含まれる液体活性製剤;
カプセルの回りに形成される浸透性組成物;
浸透性組成物上に形成される半透膜;
半透膜上に形成される、水性流体に暴露すると上昇する透過性を示す上昇型放出材料;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項19】
バリア層がカプセル回りに形成され、そして浸透性組成物がバリア層の回りに形成される、請求項18に記載の剤形。
【請求項20】
カプセルがゼラチン材料を含んでなる、請求項15に記載の剤形。
【請求項21】
浸透性組成物が錠剤化組成物から形成され、そして少なくとも一部がカプセル内に配置され、上昇型放出材料がカプセル上に形成され、そして半透膜が上昇型放出材料上に形成される、請求項15に記載の剤形。
【請求項22】
浸透性組成物が浸透性組成物およびバリア層を有する二層錠剤化組成物を含んでなる、請求項21に記載の剤形。
【請求項23】
カプセル;
カプセル内に含まれる液体活性製剤;
カプセルの回りに形成される浸透性組成物;
水性流体に暴露すると上昇する透過性を示す上昇型放出材料、該上昇型放出材料は浸透性組成物上に形成され、そして疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含むポリマーのブレンドを含んでなり;
上昇型放出材料に隣接して形成される半透膜;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項24】
上昇型放出材料が水膨潤性の親水性ポリマーを含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項25】
疎水性ポリマーが約50重量%〜約80重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約20重量%〜約50重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項26】
疎水性ポリマーが約60重量%〜約70重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約30重量%〜約40重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項27】
上昇型放出材料が、水性流体への暴露前に第1の透過性を示し、そして水性流体への暴露後に第2の透過性を示すように配合され、第2の透過性は上昇型放出材料が水性流体に暴露される時間にわたり上昇する請求項23に記載の剤形。
【請求項28】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を少なくとも2時間の間にわたり提供するように、カプセル、浸透性組成物、半透膜およ上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項23に記載の剤形。
【請求項29】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約2〜24時間の間にわたり提供するように、カプセル、浸透性組成物、半透膜およ上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項23に記載の剤形。
【請求項30】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約4〜約12時間の間にわたり提供するように、カプセル、浸透性組成物、半透膜および上昇型放出材料が選択され且つ設計された請求項23に記載の剤形。
【請求項31】
上昇型放出材料が疎水性アクリルポリマーおよび親水性ビニルポリマーを含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項32】
疎水性アクリルポリマーが85/15重量/重量ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSを含んでなり、そして親水性ビニルポリマーが架橋化ポリビニルピロリドンを含んでなる、請求項31に記載の剤形。
【請求項33】
疎水性ポリマーがポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアセテート、ポリ−メチルメタクリレート、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ブチルメタクリレート(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)、およびメタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項34】
親水性ポリマーが低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアセテートポリビニルピロリドンコポリマー、ゼラチン、澱粉、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールコポリマー、カラゲーナン、アルギン、寒天、アラビアガム、カラヤガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、ガッティガムグアガム、カゼイン塩、20重量%未満のアセチル含量の酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールグラフコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項23に記載の剤形。
【請求項35】
カプセル本体;
カプセル本体内に含まれる液体活性製剤;
カプセル内に少なくとも一部が配置された錠剤化浸透性組成物;
水性流体に暴露すると上昇する透過性を示す上昇型放出材料、該上昇型放出材料は浸透性組成物上に形成され、そして疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含むポリマーのブレンドを含んでなり;
上昇型放出材料に隣接して形成される半透膜;および
出口開口部
を含んでなる剤形。
【請求項36】
浸透性組成物が浸透性組成物およびバリア層を有する二層錠剤化組成物を含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項37】
さらにカプセル本体の外面上に形成される水非透過性サブコートを含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項38】
水非透過性サブコートがラテックス材料を含んでなる、請求項37に記載の剤形。
【請求項39】
上昇型放出材料が水膨潤性親水性ポリマーを含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項40】
疎水性ポリマーが約50重量%〜約80重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約20重量%〜約50重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項41】
疎水性ポリマーが約60重量%〜約70重量%の上昇型放出材料を含んでなり、そして親水性ポリマーが約30重量%〜約40重量%の上昇型放出材料を含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項42】
上昇型放出材料が、水性流体への暴露前に第1の透過性を示し、そして水性流体への暴露後に第2の透過性を示すように配合され、第2の透過性は上昇型放出材料が水性流体に暴露される時間にわたり上昇する請求項35に記載の剤形。
【請求項43】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を少なくとも2時間の間にわたり提供するように、カプセル本体、浸透性組成物、半透膜および上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項35に記載の剤形。
【請求項44】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約2時間〜約24時間の間にわたり提供するように、カプセル本体、浸透性組成物、半透膜および上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項35に記載の剤形。
【請求項45】
液体活性製剤の制御された上昇型放出を約4時間〜約12時間の間にわたり提供するように、カプセル本体、浸透性組成物、半透膜および上昇型放出材料が選択され且つ設計されている、請求項35に記載の剤形。
【請求項46】
上昇型放出材料が疎水性アクリルポリマーおよび親水性ビニルポリマーを含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項47】
疎水性アクリルポリマーが85/15重量/重量ブレンドのEudragit NE/Eudragit FSを含んでなり、そして親水性ビニルポリマーが架橋化ポリビニルピロリドンを含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項48】
疎水性ポリマーがポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアセテート、ポリ−メチルメタクリレート、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ブチルメタクリレート(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)、およびメタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項49】
親水性ポリマーが低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアセテートポリビニルピロリドンコポリマー、ゼラチン、澱粉、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールコポリマー、カラゲーナン、アルギン、寒天、アラビアガム、カラヤガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、ガッティガムグアガム、カゼイン塩、20重量%未満のアセチル含量の酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールグラフコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1以上の材料を含んでなる、請求項35に記載の剤形。
【請求項50】
液体活性製剤の上昇型放出を提供する剤形の製造法であって:
リザーバーを準備し;
液体活性製剤をリザーバー内に負荷し;
浸透性組成物をリザーバーと操作可能に結合させ;
剤形の少なくとも一部の上に上昇型放出材料を形成し;そして
該上昇型放出材料に隣接する半透膜を形成する、
ことを含んでなる上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507305(P2006−507305A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550267(P2004−550267)
【出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2003/034525
【国際公開番号】WO2004/041255
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】