説明

液体試料の自動処理のための機器および工程

【課題】培養する必要のある試料/試薬の混合物を用意するための、冷却された試薬の使用を伴う試料分析の自動処理を改良する。
【解決手段】試料および反応容器を受け取るためのサンプリング領域14と、試料を分析するための分析領域13と、試薬容器を貯蔵するための複数のホルダを備えたコンベアと反応容器を受け取るように構成される培養器21とを備えた反応領域12と、少なくとも1つの第一グリッパと少なくとも1つの第一ピペッタとから選択され、サンプリング領域から培養器まで反応容器を移し、試料および/または試薬を反応容器内へピペット操作するために、第一機能デバイスを備えた第二デバイスリソースと少なくとも1つの第二グリッパと少なくとも1つの第二ピペッタとから選択され、培養器から分析領域へと反応容器を移し、液体を反応容器へ分注または反応容器から回収するために、第二機能デバイスを備えた第三デバイスリソースとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床分析および医療診断の分野のものであり、より詳細には、液体試料の自動処理のための機器および処理に関する。
【背景技術】
【0002】
主に、臨床分析の数が増え続けていることから、近年、液体試料の自動分析に対する強い需要が見受けられる。試料分析は、もっとも典型的には、試料を1つまたは2つ以上の試薬と混ぜることによって、その中に含まれる1つまたは2つ以上の検体の有無および任意で濃度を測定することを伴う。市販の分析器には、典型的には、試料および試薬をピペット操作するためのピペットロボットが使用される。
【0003】
多くの試薬は、使用前に冷却および/または調整(たとえば、混ぜる)する必要がある。日常業務では、業者から得た試薬容器を冷却貯蔵して、試薬が必要になるまで試薬をそこに置いておくのが好都合である。容器の開口を通して挿入されたピペットによって、事前に冷却しておいた中の試薬の一部を回収するための、容器回転ラックなどの操作装置に、冷却された試薬容器を載せるための専用の搭載用装置が、市販されている液体試料の自動処理用機器に含まれることがよくある。
【0004】
反応状態は温度によって変わりうるため、液体試料分析のための多くの反応では、反応した試料を分析器に移す前に、試料/試薬の混合物を加熱または培養する必要がある。通常、試料/試薬の混合物の温度は上げられ、少なくとも1つの特定の時間間隔の間、一定に保たれることによって、所望の反応を進行させること、および、反応を実行できるような、概して制御された環境を得ることができる。その結果、同等の分析結果を、高い信頼性をもって得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記を踏まえて、本発明の目的は、反応した試料を得るために培養する必要のある試料/試薬の混合物を用意するための、冷却された試薬の使用を伴う試料分析の自動処理を改良することである。本発明のさらなる目的は、液体試料の処理におけるワークフローを改良することである。いっそうさらなる目的は、特に機器の設置面積について、機器の小型化を達成することである。
【0006】
これらの、および、さらなる目的は、独立請求項による、液体試料を処理するための自動化された機器および工程によって達成される。本発明の好ましい実施態様は、従属請求項の特徴によって得られる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで使用される「試料」という用語は、一般的に、1つまたは2つ以上の対象検体が存在し得る、生物学的および非生物学的(化学的)液状流体に関するものである。生物学的流体の例として、血液、血清、尿、唾液および脳脊髄液のような体液が挙げられる。生物学的流体は、たとえば、医療および医薬の研究と、臨床診断、たとえば、臨床化学的または免疫化学的解析とにおいて、分析および検査されうるものである。非生物学的流体の例として、工場廃水、または、湖、河川または泉からの環境水の試料が挙げられる。非生物学的流体には、たとえば、薬物相互作用検査、環境解析および有機物の識別といった化学的な分析および検査がたとえば行われうる。試料はまた、たとえば、核酸が見つかる可能性のある生物学的材料を含むような、体液の抽出物のような前処理された流体とすることもできる。試料はまた、その自動分析が1つまたは2つ以上の試薬の使用を伴う限り、他のあらゆる対象流体または対象流体抽出物とすることもできる。こうした流体または流体抽出物の例として、細胞、細胞組織および微生物が挙げられるが、これらに限定されない。ここで使用される「試料」という用語はまた、1つまたは2つ以上の試薬と組み合わせた試料に関するものとなりうる。
【0008】
ここで使用される「試薬」という用語は、一般的に、液体試料と組み合わせるのに好適な、あらゆる液状流体に関するものである。この用語のより厳格な意味においては、試薬とは、試料に存在する1つまたは2つ以上の検体に結合すること、またはそれを変質することができる合成物または化学物質のような反応物質を含んだ液状の溶液である。具体的には、反応物質を、液状の試料と混合することによって、これに含まれる1つまたは2つ以上の検体に反応して発せられる光学信号のような、検出可能な変化を得ることができる。試薬はまた、他のあらゆる試薬と混ぜることもできる。したがって、試薬は、試料に含まれる1つまたは2つ以上の検体と反応するための反応物質を含んでよい。反応物質の例として、酵素、酵素基質、共役色素、蛋白質結合分子、核酸結合分子、抗体、キレート剤、プロモーター、阻害剤、エピトープ、抗原および触媒が挙げられる。しかし、試薬は、緩衝剤、溶剤および希釈液のような非反応流体とすることもできる。
【0009】
ここで使用される「試薬容器(reagent container)」という用語は、一般的に、液体を入れるリザーバに関し、そのそれぞれが、キャップによって開くか、または閉じる容器開口を備えた容器本体を備える。キャップの例として、容器本体に回転可能に固定されたヒンジキャップ、または、容器本体から取り外しできる取り外し可能なキャップが挙げられるが、これらに限定されない。試薬容器の例として、取り外し可能なキャップまたはヒンジキャップを備えた試料管または試料カップ、単独の試薬容器、および、たとえば互いに連続的に配置された、複数の試薬容器を備えた試薬カセットが挙げられる。
【0010】
ここで使用される「反応容器(reaction vessel)」という用語は、一般的に、試料を1つまたは2つ以上の試薬と反応させるために使用することができる、あらゆる容器に関するものである。
【0011】
ここで使用される「試料容器(sample vessel)」という用語は、一般的に、液体試料を貯蔵するために使用できる、あらゆる容器に関するものである。
【0012】
本発明の第一の態様によると、新規な液体試料を処理するための自動化機器が提案される。この機器は、たとえば、様々な免疫化学的および/または臨床化学的な分析項目に関する検査や解析を実行することによって、試料の自動分析に適合されうる。
【0013】
具体的には、本発明の機器は、試料および反応容器を受け取るためのサンプリング領域を備える。さらに、試料分析のための少なくとも1つの分析器を備えた、以下において「第一デバイスリソース」と呼ばれる、デバイスリソースを備えた分析領域を備える。ここで使用される「リソース」という用語は、液体試料を処理するために使用することができる、1つまたは2つ以上のデバイスに関するものである。
【0014】
この機器は、いっそうさらに、たとえば貯蔵領域と分析領域との間に配置することができる、コンベアを備えた反応領域を備える。コンベアの例として、試薬を入れる試薬容器を貯蔵するための複数のホルダと、反応容器を受け取って、中に入っている試料を培養するように構成された培養器とを備えた駆動式回転ラックが挙げられるが、これに限定されない。たとえば、サンプリング領域および分析領域は、回転ラックのようなコンベアの異なる側、たとえば、対向する側に配置することができる。ここで使用される、培養という用語は、少なくとも1つの所定の時間間隔の間、所定の温度または温度プロファイルに、試料をさらすことに関するものである。
【0015】
本発明の機器は、いっそうさらに、以下において「第二デバイスリソース」と呼ばれる、もう1つのデバイスリソースを備える。第二デバイスリソースは、反応容器をグリップするための少なくとも1つの第一グリッパ、および、試料および/または試薬などの液体をピペット操作するための少なくとも1つの第一ピペッタから選択される、第一機能デバイスを備える。具体的には、第一機能デバイスは、たとえば、駆動式の第一移動手段に取り付けることができる。さらに、第一機能デバイスは、サンプリング領域および反応領域にだけアクセスし、分析領域にはアクセスしないように構成されることによって、サンプリング領域から培養器へと反応容器を移すことと、培養器へ移された反応容器に、ピペット操作で、試料および/または試薬を入れることとができる。
【0016】
本発明の機器は、さらに、以下において「第三デバイスリソース」と呼ばれる、さらにもう1つのデバイスリソースを備える。第三デバイスリソースは、反応容器をグリップするための少なくとも1つの第二グリッパ、および、反応容器内の反応した試料のような液体をピペット操作するための、少なくとも1つの第二ピペッタから選択される、第二機能デバイスを備える。具体的には、第二機能デバイスは、たとえば、駆動式の第二移動手段に取り付けることができる。さらに、第二移動手段は、反応領域および分析領域にだけアクセスし、貯蔵領域にはアクセスしないように構成されることによって、培養器から分析領域へと反応容器を移し、分析領域に移された反応容器へ/反応容器から、1つまたは2つ以上の液体を分注および/または回収する。
【0017】
この自動化機器は、さらに、1つの試料を処理するための、第一〜第三デバイスリソースを動作するように構成された、液体試料の分析を制御するための制御部(電気的論理装置)を備え、そのデバイスリソースの少なくとも2つが、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、少なくとも一時的に同時に動作する。より詳細にいえば、この制御部は、たとえば、第二デバイスリソースの1つまたは2つ以上の第一機能デバイスを動作した後、第三デバイスリソースの1つまたは2つ以上の第二機能デバイスを動作し、その後、一つの試料を処理するための、第一デバイスリソースの1つまたは2つ以上の分析器を動作するように設定することができる。制御部は、たとえば、この順番で、引き続いて(連続的に)、デバイスリソースを動作するよう、設定することができる。
【0018】
さらに、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、第一〜第三のデバイスリソースが、少なくとも一時的に(部分的に)同時に動作することによって、非常に時間的およびコスト的に効率的に液体試料が処理される。さらに、第一機能デバイスは、サンプリング領域および培養器にだけアクセスするように動作し、第二機能デバイスは、培養器および分析領域にだけアクセスするように動作する。したがって、貯蔵・反応領域と、反応・分析領域とに、それぞれ、選択的にアクセスする、第一および第二機能デバイスの上述のような構成は、プログラム制御によって得られる。さらに、第一および第二機能デバイスが、1つずつしか培養器にアクセスしないように、つまり、第一機能デバイスまたは、その代わりに、第二機能デバイスが、培養器にアクセスするように、制御部が第一および第二機能デバイスの動作を制御する。
【0019】
上述のような機器においては、制御部によって、液体試料分析の処理のプログラム制御が可能となる。このプログラム制御は、たとえば、2つまたは3つ以上の液体試料を処理するために、様々なデバイスリソースを動作するためのタイムスロットを生成して、割り当てるように構成され、以下において「スケジューラ」と呼ばれる、専用のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポネントにおいて実装される。したがって、制御部は、液体試料処理における衝突を回避するために、デバイスリソースの動作を、協調的に制御する。
【0020】
たとえば、第一および第二機能デバイスを、機器の異なる領域(反応領域は通常アクセス可能な領域である)において同時に移動および/または稼働することによって、2つまたは3つ以上の液体試料を処理するために、第一〜第三デバイスリソースが、少なくとも一時的に同時に稼働することができることにより、本発明の機器によって、有利にも、試料を1つまたは2つ以上の試薬と混ぜることと、試料/試薬の混合物を培養することによって反応した試料を得ることと、その反応した試料を、少なくとも1つの分析器によって分析することとを含むような、いくつかの液体試料を一度に行う、時間的およびコスト面で非常に効率的な分析が可能になる。
【0021】
本発明の1つの実施態様によると、コンベアの複数のホルダが、中央領域を少なくとも部分的に囲み、培養器が中央領域に配置される。コンベアは、たとえば、駆動式回転ラックとして構成することができ、この回転ラックにおいては、ホルダが、中央領域を囲むように環状の列に配置される。具体的には、コンベアが、培養器に対して移動、たとえば、培養器に対して回転できるように、培養器が、反応領域に対して固定されていることが好ましい。培養器を中央領域に配置することによって、この機器は、特に、小型化され、形状がコンパクトになるため、たとえば、槽および試料を移動する距離を短くすることによって、液体試料分析のワークフローの改良が可能になる。
【0022】
本発明の1つの実施態様によると、この機器、たとえば、第一移動手段は、第一移送アームを備え、この第一移送アームは、第一方向に移動可能であり、1つまたは2つ以上の第一機能デバイスを取り付けるための、第一方向と垂直な第二方向に移動可能な少なくとも1つの第一移送ヘッドを備える。さらに、この機器、たとえば、第二移動手段は、第二移送アームを備え、この第二移送アームは、第一方向に移動可能であり、1つまたは2つ以上の第二機能デバイスを取り付けるための、第二方向に移動可能な少なくとも1つの第二移送ヘッドを備える。したがって、第一および第二機能デバイスは、上記スケジューラによって実施されるような制御に応じて、様々な領域に、容易かつ迅速に移動することができる。さらに、この機器は、非常にコスト効果の高い方法で製造することができる。
【0023】
本発明の1つの実施態様によると、この機器は、ホルダによって貯蔵される試薬容器を積極的に冷却するための、回転ラックのようなコンベアを含んだ冷却セルを備え、培養器は冷却セルから熱的に分離される。したがって、有利なことに、この機器によって、専用の冷却貯蔵用のコンパートメントを設けることなく、試薬容器の冷却を積極的に行うことができるようになるため、機器が小型化し、その設置面積が減少する。さらに、試薬容器は、専用の冷却貯蔵部からコンベアに移動する必要なく使用することができるため、液体試料分析のワークフローを改良することができる。さらに、試薬を使用中に冷却することによって、その劣化の進行を回避し、分析結果の信頼性を改善することもできる。さらに、培養器をコンベア上に貯蔵される試薬容器から熱的に分離することによって、試薬を効率的に冷却することができる。
【0024】
本発明の1つの実施態様によると、回転ラックのようなコンベアは、以下から選択される装置の1つまたは2つ以上に機能的に連結される。
【0025】
1)回転ラックのようなコンベアに配置され、ホルダへ/ホルダから試薬容器を載せる/降ろすように構成されたロード/アンロード部。より具体的にいえば、たとえば、液体試料の分析中に、コンベアへ/コンベアから試薬容器を載せる/降ろすために、ロード/アンロード部を使用することによって、試料処理におけるワークフローを有利にも改良することができる。
【0026】
2)コンベアに配置され、コンベアによって貯蔵される試薬容器のキャップを開放する/閉鎖するように構成された開放/閉鎖部。より詳細にいえば、開放/閉鎖方向の双方向に枢動するように、この機器は、容器本体に枢動可能に固定されたキャップをそれぞれが備えた試薬容器を使用するように構成できる。具体的には、この機器は、たとえば、カセットのように固定配列に設けられた、複数の流体容器を同時に開放/閉鎖するように構成することができる。このように、本発明の機器によって、有利なことに、1つのまたは複数の流体容器を(たとえば、同時に)開放し、任意で閉鎖することが可能になる。たとえば、開放/閉鎖部は、コンベアの周りを放射状に配置することができ、回転ラックに向かって、および回転ラックから、移動可能に移動できるキャリッジを備えることができる。具体的には、このキャリッジは、たとえば、ベース部およびベース部を軸に枢動可能な枢動部を備えることによって、試薬容器を開くことと、閉じることとが、それぞれ可能である。キャリッジの枢動部を枢動させることによって、流体容器それぞれのキャップを開放/閉鎖するために、流体容器に向かって、および流体容器から離れるように、キャリッジを移動できるため、この装置は、有利にも、垂直方向寸法を小さくすることができ、したがって、試薬容器の上方に比較的大きな自由スペースができるため、たとえば、試薬容器内に入っている液体を操作するために使用するピペッタまたは他のあらゆる機器によって、試薬容器へのアクセスが制限なく可能になる。こうした機器の例として、液状流体ミキサーが挙げられるが、これに限定されない。概して、試薬容器に入った液状流体を操作するためのいずれの装置も、有利なことに、試薬容器の上方に配置することができる。
【0027】
3)コンベアに配置され、かつ、コンベアによって貯蔵される試薬容器に入った液体を混ぜるように構成されたミキサー。より具体的にいえば、このミキサーは、たとえば、試薬容器内に下ろすことができるパドルを備えた棒を有する撹拌棒を備え、縦軸を中心に撹拌棒を回転させることにより、試薬容器に入った液体を混ぜる。上記に詳細を記載したとおり、開放/閉鎖部が放射状に配置されるため、有利にも、ミキサーを、試薬容器の上方に配置することによって、機器の垂直方向寸法を小さくすることができる。
【0028】
4)コンベアによって貯蔵される試薬容器を識別することができる識別機。
【0029】
1つの実施態様によると、上記の装置の1つまたは2つ以上は、冷却セル内に含まれる。したがって、機器において、試薬容器および/または試薬容器内の試薬の操作が可能でありながら、試薬容器は、非常に効果的な方法で冷却できる。
【0030】
本発明の1つの実施態様によると、サンプリング領域は、第一ピペット手段のディスポーザブルピペットチップを貯蔵するように構成される。したがって、この機器によって、有利にも、試料のキャリーオーバーを回避するために、使用後に容易に交換できるディスポーザブルピペットチップを使用することができる。
【0031】
本発明の第二の態様にしたがって、液体試料を自動処理するための新たな工程が提案される。1つの実施態様において、液体試料を処理するために、以下に記載した工程を、引き続いて(連続的に)実行することができるが、他の順番でも実行することができる。具体的には、この工程は、1つまたは2つ以上の試薬容器を備えた、試薬容器を貯蔵するための複数のホルダを有する回転可能な回転ラックといった駆動式コンベアを設ける(たとえば、第一の)工程を含み、前記ホルダは、1つまたは2つ以上の反応容器を受け取るための培養器を含む中央領域を、少なくとも部分的に囲む。こうしたホルダは、たとえば、中央領域を囲む、環状の列に配置することができる。
【0032】
この工程は、第一グリッパを使用して、サンプリング領域から培養器まで、反応容器の少なくとも1つを移動する、さらなる(たとえば、第二の)工程を含む。
【0033】
この工程は、培養器に対してコンベアを動かす(たとえば、回転ラックを回転させる)ことによって、少なくとも1つの試薬容器を、その中の試薬をピペット操作するように構成された、以下「ピペット位置」と呼ばれる、専用位置に移動させる(たとえば、回転させる)、いっそうさらなる(たとえば、第三の)工程を備える。
【0034】
この工程は、第一ピペッタを使用して、培養器において受け取られた反応容器へと、少なくとも1つの試薬容器に入った試薬を、ピペット操作により移動させる、いっそうさらなる(たとえば、第四の)工程を備える。
【0035】
この工程は、第一ピペッタを使用して、培養器において受け取られた、試薬を含む反応容器へと、サンプリング領域内の1つの試料を、ピペット操作により移すことによって、試料−試薬の混合物を得る、いっそうさらなる(たとえば、第五の)工程を備える。
【0036】
この工程は、試料−試薬の混合物を培養することによって、反応した試料を得る、いっそうさらなる(たとえば、第六の)工程を備える。
【0037】
この工程は、第二グリッパを使用して、培養器から、試料分析用の、少なくとも1つの分析器を備えた分析領域へと、反応した試料が入った反応容器を移す、いっそうさらなる(たとえば、第七の)工程を備える。
【0038】
この工程は、少なくとも1つの検体について、反応した試料を分析するために、反応容器から分析器へ、反応した試料を移す、いっそうさらなる(たとえば、第八の)工程を備える。
【0039】
したがって、本発明の工程によって、有利なことに、中に含まれる1つまたは2つ以上の検体についての、液体試料の処理を、正確に、時間およびコスト的に非常に効率よく行うことができる。
【0040】
本発明の工程の1つの実施態様によると、この工程は、試料−試薬の混合物を培養する前に、第一ピペッタを使って、培養器において受け取られた、試料−試薬の混合物の入った反応容器に、もう1つの試薬をピペット操作で入れる工程を含む。1つの実施態様において、このさらなる試薬は、たとえば、2つまたは3つ以上の試薬容器を備えた試薬カセットとして、第一の試薬容器とともにすでにピペット位置に位置している、もう1つの試薬容器から取ったものである。1つの実施態様において、この工程を、培養器に対してコンベアを動かす工程と組み合わせることによって、中の試薬をピペット操作するためのピペット位置に、少なくとも1つのさらなる(他の)試薬容器が移される。この手順は、試料に加えられる試薬の数にしたがって、一度または数回、実行することができる。
【0041】
本発明の工程の1つの実施態様によると、この工程は、中に入った試薬をピペット操作する前に、1つまたは2つ以上の試薬容器のキャップを開く、および任意で閉じる工程を含む。したがって、中に入った試薬の汚染および蒸発を回避するために、試薬容器は、使用前には閉じたままにすることができ、任意で、使用後に閉じることができる。
【0042】
本発明の工程の1つの実施態様によると、コンベアによって貯蔵される、1つまたは2つ以上の試薬容器は、培養器から熱的に分離しつつ、積極的に冷却される。したがって、試薬は、有利にも、使用前、使用中および使用後に、非常に効果的に冷却することができる。
【0043】
本発明の工程の1つの実施態様によると、第二ピペッタを使って、1つまたは2つ以上の液体が、反応容器内の反応した試料へ分注および/またはその反応した試料から回収される。
【0044】
本発明の工程の1つの実施態様によると、第一グリッパおよび第一ピペッタを備えた第二デバイスリソース、第二グリッパおよび第二ピペッタを備えた第三デバイスリソース、および、分析器を備えた第一デバイスリソースは、1つの試料を処理するために連続して動作し、また、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、デバイスリソースの少なくとも2つが、少なくとも一時的に(部分的に)同時に動作することによって、試料処理のワークフローが改良されるため、非常に効率的に試料分析が実行される。具体的には、第一グリッパおよび第一ピペッタから選択される、少なくとも1つのデバイスは、第二グリッパ手段および第二ピペッタから選択される、少なくとも1つのデバイスと同時に移動および/または同時に動作する。
【0045】
本発明の工程の1つの実施態様によると、この工程は、以下の工程の1つまたは2つ以上を備える。
コンベアに貯蔵される少なくとも1つの試薬容器のキャップを開き、その後、その中に入った試薬をピペット操作する工程、
試薬のピペット操作後、コンベアに貯蔵される試薬容器のキャップを閉じる工程、
試薬容器に入った試薬を混ぜ、その後、その中に入った試薬をピペット操作する工程、
コンベアによって貯蔵される試薬容器を識別し、その後、試薬をピペット操作する工程。
【0046】
上記のような、本発明の様々な態様および実施態様を、本発明の範囲から逸脱することなく、単独で、またはこれらを組み合わせて使用してよい。
【0047】
本発明の他のさらなる目的、特徴および利点は、以下の記載から、より全貌が現れる。添付の図面は、上記の概要および以下の詳細とあわせて、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の代表的な機器の第一部分の斜視図である。
【図2】代表的な機器の第一部分のもう1つの斜視図である。
【図3】代表的な機器の第一部分の上面図である。
【図4】図3の拡大詳細図である。
【図5】代表的な機器の第二部分の斜視図である。
【図6】代表的な機器の第二部分の上面図である。
【図7】代表的な機器の開放/閉鎖部の斜視図である。
【図8A】図7の開放/閉鎖部の枢動部の拡大詳細斜視図である。
【図8B】図7の開放/閉鎖部の枢動部の拡大詳細斜視図である。
【図9A】図7の開放/閉鎖部の様々な枢動部の斜視図である。
【図9B】図7の開放/閉鎖部の様々な枢動部の斜視図である。
【図10】液体試料を分析するための、本発明の工程の代表的な実施態様を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図示により、本発明が実施されうるような、特定の代表的な実施形態について、以下説明する。この点に関して、「水平の」、「垂直の」、「上部の」および「下部の」といった、向きおよび方向に関する用語は、説明する図の向きに対して使用される。記載される構成要素は、複数の異なった向きに位置しうるため、こうした用語は、例示だけの目的で使用されるものであり、決して限定するものではない。
【0050】
まず、概して参照符号1とされる、液体試料を自動処理するための本発明の機器の、代表的な実施態様の第一部分2および第二部分3を例示する、図1および5を参照する。機器1は、通常、上部カバーを備えているが、この図においては、わかりやすくするために取り除かれている。機器1は、体外診断を含む(生物)化学において使用してよいし、試料と試薬とを混ぜることや、こうした反応の結果を検知することを含む、様々な解析を実行するように構成することができる。機器1は、たとえば、免疫測定法のような診断的解析方法を使って、様々な免疫化学的解析の項目に関して、液体試料を分析するために使用される。詳細には、捕捉用抗体のような反応物質が、固体担体に固定化されるような、ヘテロジニアス免疫測定法(ヘテロジニアスイムノアッセイ)を実行するためには有用であろう。こうした固体担体の例として、磁気に応答する(つまり、磁気に吸引されるまたは磁気に反発する)粒子が挙げられるが、これに限定されない。たとえば、このような粒子は、たとえば、試料に含まれる少なくとも1つの検体に特異的に結合するように適合された抗体のような分子結合要素といった、固定化反応物質を備えた磁気応答性材料でできた磁性ビーズまたはマイクロスフィアとして実施することができる。
【0051】
したがって、機器1は、参照符号45で示される機器1のフロント側から見て、図1に描写される第一部分、つまり右部分2と、図5に描写される第二部分、つまり左部分3とを備える。第一および第二部分2、3は、単に例示を容易にするために、別々に示されているが、これら2つの機器部分は、互いに固定される2つの設置面「A」にて、並んで配置されることを意図している。
【0052】
特に図1〜4に関して、機器1の第一部分2は、2つの側壁5およびベースプレート6を備えた取り付け台4を含む。機器1のフロント側45では、機器1の内部へのアクセスを可能にするため、および、機器のフロント側45の下部を閉じるために、2つのサイドドア7およびフロントカバー8が、取り付け台4にヒンジ留めされる。機器1は、いくつかの垂直方向の段に分けられ、そのそれぞれは、機器1の様々な構成要素を含む。上段11は、反応容器の移動および流体のピペット操作を伴う液体試料分析用の処理ゾーンまたは作業ゾーンとして使用される。以下、機器1の上段11だけを、詳細に説明する。
【0053】
このように、機器1の作業ゾーンは、構造的におよび/または機能的に異なった構成要素(ユニット)となる、いくつかの領域に分割することができる。より詳細にいえば、機器1は、分析領域13とサンプリング領域14との間に配置された反応領域12を含み、サンプリング領域14は、反応領域12の一方側(フロント側45から見て左側)に配置され、分析領域13は、反応領域12の他方側(フロント側45から見て右側)に配置される。サンプリング領域14は、2つのサブ領域、つまり、機器1の第一部分2に備わるディスポーザブル製品貯蔵領域15、および、上記のとおり、左側壁5で第一部分2と並列に置かれる、機器1の第二部分3に備わる試料受け取り領域16から構成される。
【0054】
具体的には、反応領域12は、モータ駆動式の回転可能な回転ラック(carousel)17を備え、この回転ラック17は、回転ラック17の回転しない(固定された)中央領域20を囲むように、互いに円周上に配置された、試薬カセット19を貯蔵するための複数のホルダ18を備える。したがって、ホルダ18および、そこに貯蔵される試薬カセット19は、それぞれ、機器1に対して固定された中央領域20の周りを回転できる。回転ラック17が28個のホルダ18を有するように示されているが、ユーザーの特定の需要に応じて、ホルダ18の数をそれ以外のいずれの数にも想定できることを、当業者は、理解するであろう。
【0055】
反応容器60を受け取るための、複数の受容部9を備えた回転ラック17の中央領域20に、培養器21は配置される。試料分析には、典型的には、そこに含まれる特定の物質について化学的または免疫化学的反応を開始するために、試料を1つまたは2つ以上の試薬と結合させる必要がある。具体的には、試料に含まれる検体は、検体に選択的に結合するように構成された分子結合要素を備えた磁気応答性粒子に結合することができる。さらに、粒子に結合した検体に、蛍光マーカーのような検出可能なラベルでラベリングするために、反応容器60を使用することができる。反応容器60に入った試料/試薬の混合物を培養するように、つまり、所定の時間間隔の間、温度を一定に保つことによって、反応率を高め、かつ、反応が概して制御された環境で行えるように、この培養器21は構成される。この培養器21は、たとえば、試料/試薬の混合物の温度を、およそ37℃(±0.3℃)に保つように構成することができる。
【0056】
反応領域12はさらに、回転ラック17のホルダ18へ、またはホルダ18から試薬カセット19を載せる/降ろすことができるロード/アンロード部10を含む。たとえば、図3から理解できるように、ロード/アンロード部10は、少なくとも部分的に互いに平行に配列され、回転ラック17に対して径方向に並ぶ、2つの移送ライン22を備える。より詳細にいえば、通常、移送ライン22を、2つの隣接するホルダ18と並べることによって、移送ライン22とホルダ18との間の移送接続を確立することができる。回転ラック17のホルダ18への搭載/取り外しを行うために、回転ラック17を回転することによって、2つの隣接するホルダ18は、選択的に移送ライン22と並ぶことができる。したがって、たとえば、回転ラック17に試薬カセット19を装填する、空の試薬カセット19を取り除く、といったユーザーによる特定の需要にしたがって、試薬カセット19は、ホルダ18へ、またはホルダ18から双方向での移送が可能である。さらに、手動で、または、自動的に、たとえば、試薬カセット19をグリップするためのグリッパを備えたロボットアームによって、試薬カセット19が、移送ライン22に置かれるか、またはそこから取り去ることができる。
【0057】
たとえば、試薬カセット19をホルダ18へ押し入れるか、または移送ライン22へ引き込むために、たとえば、その底部側で、試薬カセット19の1つまたは両方と把持係合するように構成される、移動可能な(駆動式の)グリップ用ピン(図示せず)により、移送ライン22上の試薬カセット19を移動することができる。ロード/アンロード部10は、2つの移送ライン22によって試薬カセット19を連続的に移動させるためのグリップ用ピンを備えることができる。あるいは、2つの移送ライン22上で、同じ方向または逆方向に、2つの試薬カセット19が同時に移動することを可能にする、個別のグリップ用ピンを、各移送ライン22が備えていてもよい。ロード/アンロード部10が2つの移送ライン22を含むように図示されているが、当業者は、ユーザーの特定の需要にしたがって、移送ライン22をより少なく、または、より多くすることを想定できることがわかるであろう。ロード/アンロード部10が、回転ラック17に対して径方向に配置されていること、および、培養器21に入った試薬容器60、および、回転ラックによって貯蔵される試薬カセット19が、上方から容易にアクセスできるということにより、液体試料分析の処理中でさえも、ロード/アンロード部10によって、試薬カセット19を回転ラック17に装填し、または回転ラック17から取り出すことが有利にも可能となる。さらに、2つの移送ライン22が利用可能であるため、2つの試薬カセット19を同時に移動して、同時に回転ラック17に入れることができ、または、1つの試薬カセット19を回転ラック17に装填し、同時にもう1つの試薬カセット19を回転ラック17から外すことができる。
【0058】
反応領域12は、いっそうさらに、回転ラック17のホルダ18によって貯蔵される、個別の試薬カセット19のキャップ26を開く/閉じることができる、開放/閉鎖部23を含む。特に図7、8A、8B、9Aおよび9Bを参照すると、開放/閉鎖部23は、機器1の上段11において開放/閉鎖部23を固定するために使用される取り付け台61を備える。開放/閉鎖部23はさらに、たとえば、線状のガイドレールによってガイドされるローラーとして構成されるような、移動機構を用いて、取り付け台61によって移動可能に支持される、キャリッジ62を備える。したがって、キャリッジ62は、略水平面内で、取り付け台61に対して双方向に移動することができる。具体的には、回転ラック17に向かうように、および回転ラック17から離れるように、第一および第二の移動方向に沿って、キャリッジ62を移動することによって、キャリッジ62は、2つの停止位置、つまり、第一移動位置と第二移動位置との間を双方向に移動することができる。
【0059】
図示されるように、1つの実施態様において、各試薬カセット19は、互いに連続した配列で固定された、複数の、たとえば、3つの試薬容器24を備える。各試薬容器24は、キャップ26によって閉鎖される開口部63を備えた、試薬を入れるための容器本体25を備える。このキャップ26は、容器本体25に枢動可能に固定され(ヒンジ留めされ)、1つの枢動方向に(開放方向)にキャップ26を枢動することによって、開口部63を開放し、もう1つの(逆の)枢動方向(閉鎖方向)にキャップ26を枢動することにより、開口部63を閉鎖する。したがって、各試薬容器24は、以下に説明するスケジューラにしたがって、繰り返して開閉することができる。
【0060】
図を参照して例示される特定の実施態様において、各試薬容器24は、第一キャップ閉鎖位置および第二キャップ閉鎖位置を有する閉鎖機構(これ以上詳細には説明しない)を備え、第一キャップ閉鎖位置(「ハードクローズ」)においては、第二キャップ閉鎖位置(「ソフトクローズ))と比べて、キャップ26は容器本体25に、より強く固定される。たとえば、第一キャップ閉鎖位置においては、キャップ26はロック機構によってロックすることができる一方、第二キャップ閉鎖位置においては、容器本体25にキャップ26を固定することなく、キャップ26は、開口部63に差し込まれているだけである。したがって、第一キャップ閉鎖位置は、典型的に、試薬カセット19を移動または冷却保存するために使用されることになるが、第二キャップ閉鎖位置は、主に、試薬容器24に含まれる流体の使用中の蒸発、漏出および汚染を回避するのに役立つ。試薬容器24をはじめて使用する際、キャップ26は、典型的には、第一キャップ閉鎖位置にあるため、最初に開く必要がある。さらに、例示のとおり、各キャップ26は、キャップ26を開放方向および閉鎖方向に回転させるために、たとえば、円筒状のピンとして構成される、2つの突起部64を備え、これら突起部は、キャップ26の2つの対向する側に、略水平面上で、キャップ26から横方向に突出している。
【0061】
さらに、キャリッジ62は、下部、つまりベース部65、および、ベース部65によって枢動可能に支持され、かつ、前方部17および後方部18を備えた、上部、つまり枢動部66を備える。たとえば、それぞれが略S字状となる、水平に配置された、2対の対向する枢動アーム67として構成されるような枢動機構を使って、枢動部66は、ベース部65によって、枢動可能に支持される。具体的には、枢動機構は、前方ペアおよび後方ペアを含み、各枢動アーム67の下端部が、ベース部65に回転可能に連結されるため、枢動アーム16は、ベース部65を軸に枢動することができる。
【0062】
回転ラック17、つまり、試薬カセット19へ向かうように、および、試薬カセット19から離れるようにキャリッジ62を移動させるため、および、ベース部65を軸に枢動部66を枢動させるために、開放/閉鎖部23はさらに、枢動部66に動作可能に連結された駆動式のスピンドル駆動部68を備える。より詳細にいえば、スピンドル駆動部68は、略水平に配置されたスピンドル70を回転可能に支持するフレーム69を備える。このように、スピンドル70を回転させることによって、スピンドルナット71は、スピンドル70に沿って双方向に移動することができ、電気モータ72の駆動式シャフト(例示なし)は、スピンドル70に回転可能に接続されることによって、スピンドル70を両方の回転方向に回転させる。スピンドル駆動部68において、スピンドル70に沿って移動するスピンドルナット71によって引っ張られるように、垂直方向に配置された、2つの対向するガイドロール73の対にスピンドルナット71が接続されている。さらに、ガイドロール73は、垂直方向にガイドするための垂直ガイドケージ74に収容される。ガイドケージ74は、枢動アーム67に接続される。したがって、スピンドル70を回転させることにより、スピンドルナット71が、ガイドロール73を引っ張るスピンドル70に沿って移動するため、枢動アーム67が枢動する。したがって、スピンドル駆動部68によって駆動された枢動部66は、ベース部65を軸に、双方向に枢動することによって、2つの停止位置、つまり、第一および第二枢動方向に沿った、第一枢動位置と第二枢動位置との間で枢動部66を相互に移動させる。
【0063】
開放/閉鎖部23を使って、その前方に位置する、つまり、キャリッジ62の移動経路に位置する1つの試薬カセット19のキャップ26を開放し、任意で閉鎖することができる。キャップ開放方向に、および任意でキャップ閉鎖方向にキャップ26を枢動させるために、枢動部66は、キャリッジ62の第二移動位置においてキャップ26の突起部64に接触する、少なくとも1対の接触ロッド75、76を備える。
【0064】
より詳細にいえば、図8Aおよび8Bに示されるとおり、一実施態様において、枢動部66は、突起部64に接触するように、または、キャリッジ62が取り付け台61に対して第二移動位置についたときに、枢動部66を枢動させることによって突起部64に接触するように配置された、2つの対向する下側接触ロッド75のペアを備える。図示のとおり、各下側接触ロッド75は、キャップ26の突起部64を挿入するための、複数の、たとえば、3つの、互いに連続して配された半円形凹部77を備える。したがって、試薬容器24を開くよう、キャップ26をキャップ開放方向に枢動させるために、下側接触ロッド75を使用することができ、また、凹部77に突起部64が挿入されることから、キャップ閉鎖方向にキャップ26を枢動させるためにも、下側接触ロッド75を使用することができる。さらに、開口部63を開放するか、または閉鎖するためにキャップ開放またはキャップ閉鎖方向にキャップ26を枢動する間、ベース部65は、試薬カセット19を保持するように構成される。より詳細にいえば、ベース部65は、キャリッジ62の第二移動位置において、試薬容器24の上方肩部79に接触するように置かれた、2つの対向する内部支柱78を備える。
【0065】
図9A、9Bに例示されるとおり、枢動部66はまた、その変形例において、2つの対向する下側接触ロッド75のペアおよび、2つの対向する上側接触ロッド76のペアを備えることにより、突起部64は、上部および下側接触ロッド75、76の間に位置することができる。下側接触ロッド75を使用して、キャップ開放方向にキャップ26を枢動することにより、試薬容器24を開くことができる。さらに、上側接触ロッド76を使用して、逆の、つまりキャップ閉鎖方向にキャップ26を枢動させることにより、試薬容器24を閉じることができる。
【0066】
したがって、各試薬容器24は、中の試薬の汚染および蒸発を避ける、といったユーザーからの特定の需要にしたがって、繰り返し開放および閉鎖することとができる。開放/閉鎖部23が、回転ラック17に対して放射状方向に配置されるため、ホルダ18によって貯蔵される個別の試薬カセット19は、回転ラック17を回転させることによって、開放/閉鎖部23と並ぶことができる。さらに、開放/閉鎖部23が放射状に配置されるため、機器1は、形状を非常にコンパクトにすることができ、また、試薬カセット19を開放/閉鎖する間にも試料処理を継続することができるように、試薬カセット19と、培養器21内の反応容器60は、容易に上方からアクセスできる。こうした開放/閉鎖部23および、これに関連する試薬カセット19の詳しい説明は、欧州特許出願公開第11167523.7号明細書から得られる。この開示全体を参照することによって、本文に含まれるものとする。
【0067】
磁性ビーズの懸濁液のような試薬には、使用前に均質化する必要のあるものがあり、これは、典型的には、試薬内へ下降されるパドルをその自由端に有する撹拌棒によって行われる。したがって、ロッド56を、その縦軸を中心に回転させる際に、流体を撹拌するように構成されたパドル57をその下方端部に有する細長いロッド56を備えた、再利用可能な垂直の撹拌棒28を備えたミキサー27を、反応領域12はさらに含む。撹拌棒28は、回転ラック17のホルダ18によって貯蔵される個別の試薬容器24内に下ろすことができる。キャリーオーバーおよび二次汚染を避けるため、撹拌棒28は、連続した操作の合間に洗浄する必要がある。したがって、機器1は、撹拌棒28を洗浄するための、オープントップの洗浄ステーション(図示なし)を備える。より詳細にいえば、撹拌棒28は、洗浄ステーションの上方を、その開口の直上の位置まで移動し、その後、洗浄液の入ったキャビティへと下降される。さらに、撹拌棒28を洗浄するために流体噴流を発生させることができる。こうした流体噴流を発生させながら、パドル57を回転させることにより、全面を徹底的に洗浄することができる。そして、次の撹拌操作を実行するために、撹拌棒28を上方へ移動させることができる。ここで使用される「洗浄液」という用語は、自動臨床分析器で一般的に使用される液体、たとえば、洗浄剤、塩、保存剤および可溶化剤といった、特定の物質が加えられた水溶液のことである。さらに、撹拌棒28を洗浄するために、脱イオン水を使用することもできる。開放/閉鎖部23およびロード/アンロード部10が放射状に配置されるため、撹拌棒28は、回転ラック17にアクセスでき、容易に試薬容器24の上方に位置することにより、そこに入った試薬へと下ろされ、混ぜる作業を実行できる。
【0068】
図示されていないが、反応領域12は、移送ライン22上に置かれた、および/または、回転ラック17に貯蔵された、個別の試薬カセット19および/または個別の試薬容器24を識別できる識別機をさらに含む。より詳細にいえば、各試薬カセット19および/または各試薬容器24には、バーコードリーダーのような識別機によって自動的に読み取ることができる、バーコードのような機械で読み取り可能なラベルをつけることができる。さらに、各試薬カセット19および/または各試薬容器24は、識別機によって読み取ることができる、RFID(無線自動識別装置)タグを備えることができる。ラベルまたはRFIDタグ上の、機械で読み取り可能な形態で表示された情報によって、個別の試薬カセット19および/または試薬容器24が識別され、また、こうした情報によって、たとえば、その識別に好適なロット番号またはその他のあらゆる情報は、コード化することができる。こうした情報は、試薬の使用に関連しうる日付別の使用などの情報を追加で含んでいてもよい。有利なことに、たとえば、試料処理の信頼性を向上するために、中に入った試薬の操作を行う前に、試薬カセット19および/または試薬容器24を、識別することができる。
【0069】
特に図1を参照すると、反応領域12は、周囲から熱的に分離された内部スペース30を形成する、発泡スチロールなどの、熱的に分離する材料でできた複数の厚いセル壁31によって形成される箱状の冷却セル29をさらに備える。具体的には、冷却セル29は、回転ラック17、開放/閉鎖部23およびロード/アンロード装置10を収容する。図示されるように、冷却セル29の前方部が、冷却セル29の内部スペース30に向かって開口し、かつ、ロード/アンロード部10に対応して配置される第一セル開口部32を備えることによって、有利にも、冷却セル29の内部冷却を実質的に損なうことなく、第一セル開口部32を介して、試薬カセット19を、移送ライン22上に置くこと、またはそこから取り去ることが可能になるため、冷却セル29の非常に効率的な冷却が可能となる。
【0070】
さらに、冷却セル29の上部は、3つの第二セル開口部33を備え、これら第二セル開口部33は、冷却セル29の内部スペース30に開口しており、かつ、開放/閉鎖部23によってキャップ26を開放し、また任意で閉鎖することを可能とする、専用の回転位置において、ホルダ18によって貯蔵される1つの試薬カセット19の試薬容器24に対応して配置される。こうした3つの第二セル開口部33によって、開放している試薬容器24に入った試薬の操作、たとえば、ミキサー27によって試薬を混ぜる操作、または、中の試薬をピペットで移す操作が可能になる。第二セル開口部33の数は、典型的には、1つの試薬カセット19の試薬容器24の数に対応するが、当業者は、その数や配置が、ユーザーの特定の需要にしたがって変化してよいことを理解するであろう。したがって、第二セル開口部33によって、有利にも、冷却セル29による冷却中に、1つの試薬カセット19の試薬容器24が、上方からアクセス可能となるため、中に入った試薬の劣化を回避することによって検査結果の信頼性を向上することができる。
【0071】
さらに、冷却セル29は、培養器21を収容するための、冷却された内部スペース30に対して熱的に隔離された中央凹部34を備える。したがって、冷却された内部スペース30に対して熱的に隔離された、冷却セル29の外側に、培養器21が配置されることによって、非常に効率的な冷却セル29の冷却が可能になる。さらに、培養器21を中央領域20に配置することにより、機器1は、特に、その形状をコンパクトにすることができる。
【0072】
上述したとおり、冷却セル29の内部スペース30は、冷却装置(例示なし)によって積極的に冷却することができる。冷却装置の例として、ペルチェ効果を利用した熱電(ペルチェ)素子が挙げられるが、これに限定されない。技術者には知られているように、ペルチェ素子に電流を通すと、加えられた電流の方向に応じて、この素子は、熱を吸収できるヒートシンクとして作用するため、このヒートシンクによって内部スペース30が冷却される。したがって、内部スペース30から熱的に隔離された培養器21を(同時に)加熱しながら、冷却セル29の内部スペース30を冷却することによって、回転ラック17のホルダ18によって(冷却)貯蔵されているか、または、ロード/アンロード部10の移送ライン22に配置される試薬カセット19を冷却する。冷却セル29は、たとえば、6〜10℃、好ましくは、6〜8℃の範囲内の温度で、試薬カセット19を冷却貯蔵するように構成することができる。
【0073】
機器1において、分析領域13は、反応した試料を分析するための、少なくとも1つの分析器35を備える。この分析器35は、反応生成物を検出するための、1つまたは2つ以上の検出器またはセンサーを備える。この例として、光度測定器などの光検知器、イオン選択電極(ISE)に結合されたフロースルーセル、酵素電気化学的検出器などのバイオセンサー、および、電気化学発光(ECL)検出器が挙げられるが、これらに限定されない。例示のとおり、この実施態様において、分析器35は、たとえば、ECL検出器54を備える。
【0074】
図示のとおり、分析領域13はさらに、反応した試料が入った、1つまたは2つ以上の反応容器60を受け取るための第一反応容器受け取りブロック36を備える。本実施態様において、第一反応容器受け取りブロック36を使って、たとえば、反応した試料に含まれる磁気応答性粒子を磁気的に操作する(たとえば、引き付ける)ことができる。より詳細にいえば、反応容器60に入った磁気応答性粒子を磁気的に操作するように、特に、磁気応答性粒子を反応容器内にとどめるように構成された、磁場を発生させるための、少なくとも1つの磁石(例示なし)を、第一反応容器受け取りブロック36が備える。この少なくとも1つの磁石は、たとえば、永久磁石として、またはポールシュー磁石、オン・オフを切り替えられる磁石またはトロイダル磁石を含む電磁石として実施することができる。磁気応答性粒子をとどめつつ、たとえば、結合−遊離分子検出用ラベルを洗い落とすために、流体は、反応容器60から取り出すことができる。針55を使って、反応した試料をピペット操作で分析器35に入れるために、分析領域13は、第一反応容器受け取りブロック36から、1つまたは2つ以上の反応容器60を受け取るための、第二反応容器受け取りブロック82をさらに備える。このように、分析領域13において、針55を使用して、第二反応容器受け取りブロック82に配置された反応容器60から、反応生成物内に含まれる1つまたは2つ以上の検体を検出するためのECL検出器54内に、反応した試料を吸い上げることができる。
【0075】
ECL検出器54は、1つの、または、互いに異なる複数のタイプの免疫化学方法に関連しうる。より詳細にいえば、ECL検出器54による反応生成物の光検出は、光を発する電子励起状態を生じるために、強い発エルゴン反応を起こす、電子化学的に生成された中間体の発生を伴う。具体的には、ECLによって、有利なことに、測定対象となる微生物、ホルモン、ウイルス、抗体、アミノまたは蛋白質の追跡が可能になる。
【0076】
上述のとおり、機器1において、サンプリング領域14は、機器1の第一部分2に設けられたディスポーザブル製品貯蔵領域15と、その左側壁5で第一部分2と並んで置かれる、機器1の第二部分3に設けられる試料受け取り領域16とから構成される。具体的には、ディスポーザブル製品貯蔵領域15は、2つの摺動可能に取り付けられた引き出し37を備え、そのそれぞれは、流体をピペット操作するためのディスポーザブルピペットチップ39が入ったチップラック38と、ディスポーザブル反応容器60が入った反応容器ラック83とを受け取るための複数の凹部44を備える。引き出し37は、機器1から、そのフロント側45で引き出して、新しい(充填済)チップラック38と反応容器ラック83とをそれぞれ入れること、または、使用済(空の)チップラック38と反応容器ラック83とをそれぞれ取り出すことができる。それぞれ、4つのチップラック38と4つの反応容器ラック83とを含んだ、2つの引き出し37は、単に例示を目的として、図1および2において示されているが、液体試料分析用の自動化機器1に適合するであろう、それ以外のあらゆる数および配列の引き出し37、チップラック38および反応容器ラック83を、機器1が備えることができることが理解されるべきである。ディスポーザブルピペットチップ39およびディスポーザブル反応容器60を使用することによって、有利なことに、液体試料および試薬の(二次)汚染を、回避することができる。
【0077】
さらに、図5および図6に例示されるとおり、試料受け取り領域16は、複数のスロット40を備え、そのそれぞれは、分析対象となる試料を受け取るために、互いに連続して配列された、複数のオープントップの管42を運ぶための1つの試料ラック41を受け取るように構成される。単に例示を目的として、5つの管42が、1つの試料ラック41に含まれるように示されているが、各試料ラック41は、液体試料分析用の自動化機器1に適合するであろう、それ以外のあらゆる数および配列の管42を有することができる。
【0078】
機器1はいっそうさらに、2つの別個の2レール式移動システム46、46’、つまり、第一移動システム46および第二移動システム46’を備え、これらはそれぞれ、共通のバックレール43および、互いに直交関係に配置された、個別の移送ヘッドレール47、47’、つまり、第一移送ヘッドレール47および第二移送ヘッドレール47’を備える。2つの2レール式移動システム46、46’は、構造上、類似している。より詳細にいえば、各2レール式移動システム46、46’は、1つの方向(x)に伸びる(共通の)バックレール43を備え、このバックレール43が、水平面において、その直交方向(y)に伸びる移送ヘッドレール47、47’に摺動可能に係合する。したがって、各移送ヘッドレール47、47は、一方向(x)に、バックレール43に沿って、直線運動可能に移動することができる。さらに、第一および第二移送ヘッドレール47、47’は、それぞれ、1つの移送ヘッド48、48’を備え、つまり、第一移送ヘッドレール47が、第一移送ヘッド48を備え、第二移送ヘッドレール47’が、第二移送ヘッド48’を備え、これらを摺動可能に設けられるようにして備えることによって、移送ヘッド48、48’が、それぞれ、直交方向において(y)、移送ヘッドレール47、47’に沿って直線運動可能に移動することができる。したがって、移送ヘッド48、48’が、水平面上で、2つの進行方向に移動することができる。さらに、各移送ヘッド48、48’は、1つの取り付け用ブロック49、49’を備え、つまり、第一移送ヘッド48が、第一取り付け用ブロック49を備え、第二移送ヘッド48’が第二取り付け用ブロック49’を備え、これらをそれぞれ、移送ヘッド48、48’に摺動可能に取り付けられるように備えることによって、取り付け用ブロック49、49’が、垂直方向(z)に直線運動可能に移動することができる。したがって、取り付け用ブロック49、49’は、3つの直交する進行方向に移動できる。取り付け用ブロック49、49’の移動は、たとえば、モータ駆動式のスピンドル駆動部に基づいていてよい。これについては、本文において、これ以上明確に説明しない。
【0079】
具体的には、第一および第二取り付け用ブロック49、49’は、それぞれ、1つの管42をグリップするための1つのグリッパ50、50’を備える。さらに、第一取り付け用ブロック49(フロント側45から見て左)は、ディスポーザブル製品貯蔵領域15に貯蔵されたディスポーザブルピペットチップ39と一緒に使用するように構成された、流体をピペット操作するための第一ピペッタ51を備える。同じ取り付け用ブロック49に取り付けられているため、第一グリッパ50は、第一ピペッタ51とともに移動する。さらに、第二取り付け用ブロック49’(フロント側45から見て右)は、再利用可能な金属針として実施される、流体をピペット操作するための第二ピペッタ51’を備える。同じ取り付け用ブロック49’に取り付けられているため、第二グリッパ50’は、第二ピペッタ51’とともに移動する。金属針を洗浄するためには、撹拌棒28と関連して記載される洗浄ステーションが使用できる。あるいは、例示のとおり、機器1はまた、撹拌棒28の洗浄ステーションと似た構造を有しうる、金属針55を洗浄するための、別個の針洗浄ステーション80を備えることもできる。
【0080】
機器1において、(フロント側45から見て)その左側に配置された2レール式の第一移動システム46は、反応容器60をグリップするため、および、分析領域13ではなく、反応領域12および試料取得領域14内の液体だけをピペット操作するために用いられる。より詳細に言えば、たとえば、第一移動システム46を使用して、サンプリング領域14から培養器21へ反応容器60を移動すること、試料受け取り領域16から培養器21内の反応容器60へと試料をピペット操作すること、回転ラック17によって貯蔵される試薬カセット19から培養器21内の反応容器60へと試薬をピペット操作することができる。さらに、(フロント側45から見て)機器1の右側に配置された2レール式の第二移動システム46’は、反応容器60をグリップするため、および、サンプリング領域14ではなく、反応領域12および分析領域13内の液体だけをピペット操作するために用いられる。より詳細に言えば、たとえば、第二移動システム46’を使用して、培養器21から分析領域13の第一および第二反応容器受け取りブロック36、82へと反応容器60を移動すること、反応容器60を廃棄物容器(図示なし)内へと移動するために、第二反応容器受け取りブロック83から反応容器60を取り出すこと、および、第一反応容器受け取りブロック36内の反応容器60について、流体をピペット操作することができる。
【0081】
(共通の)バックレール43を1つだけ有する2つの2レール式移動システム46、46’によって、有利にも、第一および第二移送ヘッドレール47、47’を比較的短くすることができるような、非常にコンパクトな機器1の構造が可能になる。特に、サンプリング領域14と分析領域13との間に配置される、反応領域12の特定の配置について、こうした構造を適用することができる。さらに、ロード/アンロード部10および開放/閉鎖部23は、回転ラック17に対して放射状に配置されるため、(代替案として)培養器21および回転ラック17に、それぞれ、自由にアクセスできるように、第一および第二移送ヘッドレール47、47’を、容易に移動させることができる。
【0082】
機器1はさらに、液体試料分析のための機器1の動作を制御するための制御部53(これ以上は図示しない)を備える。制御部53は、たとえば、試料/試薬の混合物を得るために試料を1つまたは2つ以上の試薬と混合し、反応した試料を得るために試料/試薬の混合物を培養し、反応した試料を分析器35によって分析することによって、試料を処理するための、所定の工程作業計画に従って、作業を実行するための命令を備えた、コンピュータが読み取り可能なプログラムを実行する、プログラマブル論理制御部として実施してよい。制御部53が、制御を必要とする、様々な機器の構成要素と電気的に接続されることによって、制御信号を送信して、応答信号によって、こうした制御の結果をチェックする。詳細には、制御部53は、装置を動作するためのタイムスロットを生成して割り当てるように構成されたスケジューラとして、以下に詳細に説明するような機器1のリソースに関連する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアのコンポネントを含む。第二デバイスリソースは、第一グリッパ50および第一ピペッタ51を備える。第三デバイスリソースは、第二グリッパ50’および第一ピペッタ51’を備える。第一デバイスリソースは、分析器35と、針55を備えた分析器35のピペッタとを備えた、分析領域13に含まれる装置を備える。より詳細に言えば、制御部53のスケジューラは、1つの試料を処理するために、様々な機能デバイスを引き続き動作するように設定される。さらに、2つまたは3つ以上の液体試料を処理するために、このスケジューラは、第一から第三のデバイスリソースを、少なくとも一時的に(部分的に)同時に動作するように構成される。さらに、第一取り付けブロック49に接続されるデバイス、つまり、第一グリッパ50および第一ピペッタ51が、反応領域12およびサンプリング領域14だけにアクセスするように(分析領域13にはアクセスしないように)、かつ、第二取り付けブロック49’に接続されるデバイス、つまり、第二グリッパ50’および第二ピペッタ51’が、反応領域12および分析領域13だけにアクセスするように(サンプリング領域14にはアクセスしないように)、このスケジューラは設定される。
【0083】
上記に詳細に記載したように、機器1においては、サンプリング領域14は、反応領域12の片側に配置され、分析領域13は、その反対側に配置される。2つの2レール式移動システム46,46’と組み合わせて、反応容器60およびその中の液体は、同時に処理することができる。したがって、たとえば、分析領域13における反応した試料の処理中に、新しい反応容器60を、サンプリング領域14から培養器21へと移動させることができる。さらに、回転ラック17は、たとえば、試料処理中に、継続して、試薬カセット19の搭載または取り外しができる。さらに、2つの2レール式移動システム46,46’およびこれらと組み合わせた機能デバイスの動作を妨害することなく、試薬カセット19を、開放/閉鎖部23によって開くか、または閉じることができる。したがって、液体試料は、非常に迅速に処理できる。さらに、望ましくない水分凝縮を大幅に防ぐことができるように、回転ラック17上の冷却貯蔵された試薬カセット19とは熱的に分離して、試料/試薬の混合物を培養することができるため、大きな利点が得られる。
【0084】
さて、概略流れ図である図10を参照して、制御部53の制御下における液体試料分析のための工程の代表的な実施形態を説明する。こうした試料分析は、試料を1つまたは2つ以上の試薬と組み合わせることに基づいている。こうした試薬の1つに、試料に含まれる少なくとも1つの検体に特異的に結合するよう構成された抗体のような、固定化した反応物質を備えた磁気反応性材料でできた磁性ビーズとして実施される磁気反応性粒子を含むものがある。
【0085】
この工程は、ディスポーザブル製品貯蔵領域15に、ピペットチップ39の入ったチップラック38および空の反応容器60、試料受け取り領域16に、液体試料の入った管42が入った試料ラック41、ならびに、冷却セル29内で積極的に冷却される回転ラック17に載せられた試薬カセット19を備えた、詳細について上述したような機器1を用意することから始まる(工程A)。
【0086】
次の工程(工程B)において、空の反応容器60は、左の(第一)移動システム46の第一グリッパ50を使って、ディスポーザブル製品貯蔵領域15の反応容器ラック83から、培養器21の受容部9へと移される。
【0087】
次の工程(工程C)において、開放/閉鎖部23と並ぶオープン/ピペット位置に、1つの試薬カセット19を選択的に移動させるために回転ラック17が回転した後、開放/閉鎖部23によって、その試薬容器24が開かれる。
【0088】
次の工程(工程D)において、左の(第一)移動システム46の第一ピペッタ51が、ディスポーザブル製品貯蔵領域15のチップラック38に入った未使用のピペットチップ39まで下ろされることによって、ピペットチップ39がそこに固定された後、試薬カセット19の1つまたは2つ以上の試薬容器24から培養器21内の反応容器60まで、試薬をピペット操作する。ピペットチップ39に試薬を吸引するために、第一ピペッタ51が下ろされ、第二セル開口33の1つを通して、所望の試薬容器24に挿入される。1つの実施態様においては、ピペット操作を行う前に、撹拌棒28を下ろし、第二セル開口33を通して試薬容器24へパドル57を挿入し、パドル57によって試薬を混ぜるように、ロッド56をその縦軸に沿って回転させることによって、試薬(たとえば、磁性ビーズを含んだ試薬)が撹拌棒28によって混ぜられる。
【0089】
次の工程(工程E)において、チップ廃棄容器81へと第一ピペッタ51を下ろすことと、第一ピペッタ51を上方に移動させながら、その突起部83に接触することで、第一ピペッタ51からピペットチップ39を外すこととによって、左の(第一)移動システム46の第一ピペッタ51の使用済ピペットチップ39は取り出される。このように、使用済みのピペットチップ39は、チップ廃棄容器81へと排出できる。そして、ディスポーザブル製品貯蔵領域15のチップラック38に入った未使用のピペットチップ39へと、左の(第一)移動システム46の第一ピペッタ51を下ろすことによって、ピペットチップ39は、そこに固定される。
【0090】
次の工程(工程F)において、第一ピペッタ51を使って、試料受け取り領域16から、培養器21内の反応容器60へと、1つの液体試料がピペット操作されることによって、試料−試薬の混合物が得られる。
【0091】
複数の試薬が、培養器21において受け取られた反応容器60へとピペット操作される場合、工程Dに続く、詳細について上述された工程Eは、一度または複数回、繰り返すことができる。
【0092】
次の工程(工程G)において、反応した試料を得るために、試料/試薬の混合物は、所定の時間間隔で培養される。培養器21に置かれた反応容器60に入った試料/試薬の混合物を培養しながら、回転ラック17によって貯蔵される冷却セル29に入れられ、ロード/アンロード部10の輸送ライン22上に置かれる試薬カセット19は、それぞれ、培養器21と熱的に分離して、積極的に冷却される。
【0093】
次の工程(工程H)において、培養後、右の(第二)移動システム46’の第二グリッパ50’を使って、培養器21から、分析領域13の第一反応容器受け取りブロック36へと、反応した試料の入った反応容器60は移される。
【0094】
次の工程(工程I)において、反応容器60内の磁性ビーズが、その内側表面まで引き寄せられることによって、たとえば、結合−遊離分子検出可能ラベルを洗い落とすために、右の(第二)移動システム46’の再利用可能な金属針として実施される第二ピペッタ51’を使った、流体の取り出しが可能になる。さらに、流体を、反応容器60に入れることができる。反応容器受け取りブロック36に配される反応容器60において、流体をピペット操作する前または後に、キャリーオーバーを回避するために、第二ピペッタ51’を洗浄することができる。
【0095】
次の工程(工程J)において、第二グリッパ50’を使って、第二反応容器受け取りブロック82に、反応した試料の入った反応容器60は、移される。
【0096】
次の工程(工程K)において、金属針55を使って、第二反応容器受け取りブロック82内に配置された反応容器60から、中に含まれる1つまたは2つ以上の検体について分析するためのECL検出器54へと、処理済の反応した試料は移される。その後、右の(第二)移動システム46’の第二グリッパ50’を使って、第二反応容器受け取りブロック82から、反応容器60が取り出され、廃棄物容器(図示せず)へと移される。
【0097】
上述の詳細な工程において、2つの移動システム46、46’は、同時に移動することができ、さらに、左の(第一)移動システム46の第一グリッパ50および第一ピペッタ51が、右の(第二)移動システム46’の第二グリッパ50’および第二ピペッタ51’と同時に動作することによって、液体試料を処理する時間を節約することができる。より詳細にいえば、第一または第二反応容器受け取りブロック36、82内に配置された反応容器60の操作中および/またはその中の反応した試料の操作中に、もう1つの反応容器60および/または試料および/または試薬を、培養器21へと移すことができる。さらに、試薬容器24は、その中の試薬のピペット操作をするため、および/または、混ぜるために開くことができ、試薬の蒸発、および空気中に含まれる小さい粒子(粒状物質または埃)による汚染を避けるために、残りの時間で閉めることができる。具体的には、2つの移動システム46,46’ならびに、これに組み合わせたグリッパ50、50’およびピペッタ51、51’の動作中に、有利にも、試料分析の時間を節約するために、試薬容器24を開くか、または閉じることができる。
【0098】
上述の詳細な工程は、たとえば、試薬をピペット操作した後で、回転ラック17に貯蔵された試薬容器24のキャップ26を閉じる、さらなる工程を含んでよい。この工程は、回転ラック17に貯蔵される試薬容器24を識別する、いっそうさらなる工程を含んでよい。
【0099】
1つの実施態様においては、上述の工程において、様々な工程(A〜K)が引き続いて(連続して)実行される。もう1つの実施態様においては、その少なくとも2つの工程が、少なくとも部分的に同時に実行される。1つの実施態様においては、上述の工程において、工程(A〜K)は、記載のとおり、アルファベット順に実行されるが、他の順番を考慮してもよい。
【0100】
本発明の代表的な実施態様についての先の詳細な記載から、非常に低く、形状をコンパクトにすることができる機器1によって、試料を容易に処理および分析できることが、明白となる。ロード/アンロード部10および開放/閉鎖部23の両方は、回転ラック17に対して放射状に配置されるが、これらと組み合わせて、サンプリング領域14と分析領域13との間の中央に反応領域12を配置することで、機器1を非常にコンパクトにして、設置面積を同じように小さくできるため、第一および(代替案として)第二移送ヘッドレール47、47’が、容易に培養器21および回転ラック17の上方を移動できる、迅速でコスト効果の高い試料分析が可能になる。したがって、第一および第二ピペッタ51、51’と、(第一および第二)グリッパ50、50’とを使った他の処理作業の実行中に、開放/閉鎖部23および/またはロード/アンロード部10が動作できるように、回転ラック17および培養器21は、上方から容易にアクセスできる。さらに、液体試料処理の時間を節約するために、それぞれがピペッタ51、51’とグリッパ50、50’とを含んだ2つの移送システム46、46’を使用して、様々な同時の作業を実行することができる。具体的には、回転ラック17への/からの試薬カセット19の搭載/取り外し、培養器21へ、または代替方法として培養器21から、反応容器60を移すこと、試料および/または試薬のピペット操作、試料/試薬の混合物の培養、および、ピペット作業を実行する前または後にキャップ26を開くこと、および閉じることが、同時に実行できる。さらに、機器1のコンパクトな形状によって、2つの移動システム46,46’は、最小のドライブレンジを有するように動作できる。制御部53のスケジューラが、1つの試料を処理するための様々なデバイスリソースを連続して(引き続いて)動作するように構成され、こうしたスケジューラにおいて、関連するデバイスを動作させるためのタイムスロットを生成して割り当てることによって、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、少なくとも2つのデバイスリソースは、少なくとも一時的に同時に動作する。したがって、液体試料が、非常に時間およびコスト的に効率的に処理できる。
【0101】
明らかに、上記内容を踏まえて、本発明の多くの変更形態および変形形態が可能である。したがって、本発明は、添付の請求項の範囲内で、具体的に考案された通り以外にも実施してよいものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0102】
1 機器
2 第一部分
3 第二部分
4 取り付け台
5 側壁
6 ベースプレート
7 サイドドア
8 フロントカバー
9 受容部
10 ロード/アンロード部
11 上段
12 反応領域
13 分析領域
14 サンプリング領域
15 ディスポーザブル製品貯蔵領域
16 試料受け取り領域
17 回転ラック
18 ホルダ
19 試薬カセット
20 中央領域
21 培養器
22 移送ライン
23 開放/閉鎖部
24 試薬容器
25 容器本体
26 キャップ
27 ミキサー
28 撹拌棒
29 冷却セル
30 内部スペース
31 セル壁
32 第一セル開口部
33 第二セル開口部
34 凹部
35 分析器
36 第一反応容器受け取りブロック
37 引き出し
38 チップラック
39 ピペットチップ
40 スロット
41 試料ラック
42 管
43 バックレール
44 凹部
45 フロント側
46 第一移動システム
46’ 第二移動システム
47 第一移送ヘッドレール
47’ 第二移送ヘッドレール
48 第一移送ヘッド
48’ 第二移送ヘッド
49 第一取り付け用ブロック
49’ 第二取り付け用ブロック
50 第一グリッパ
50’ 第二グリッパ
51 第一ピペッタ
51’ 第二ピペッタ
52 突起
53 制御部
54 ECL分析器
55 針
56 ロッド
57 パドル
58 試料容器
59 試料領域
60 反応容器
61 取り付け台
62 キャリッジ
63 開口部
64 突起部
65 ベース部
66 枢動部
67 枢動アーム
68 スピンドル駆動部
69 フレーム
70 スピンドル
71 スピンドルナット
72 モータ
73 ガイド用ロール
74 ガイドケージ
75 下側接触ロッド
76 上側接触ロッド
77 凹部
78 支柱
79 肩部
80 針洗浄ステーション
81 チップ廃棄容器
82 第二反応容器受け取りブロック
83 反応容器ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を処理するための自動化機器(1)であって、
前記試料および反応容器(60)を受け取るためのサンプリング領域(14)と、
前記試料を分析するための少なくとも1つの分析器(35)を備えた第一デバイスリソースが設けられた分析領域(13)と、
試薬を入れる試薬容器(24)を貯蔵するための複数のホルダ(18)が設けられたコンベア(17)、および、1つまたは2つ以上の前記反応容器(60)を受け取るように構成された、その内部に入った前記試料を培養するための培養器(21)を備えた反応領域(12)と、
前記反応容器(60)をグリップするための少なくとも1つの第一グリッパ(50)と、液体をピペット操作するための少なくとも1つの第一ピペッタ(51)とから選択される第一機能デバイスを備えた第二デバイスリソースであって、前記第一機能デバイスが前記サンプリング領域(14)から前記培養器(21)へと前記反応容器(60)を移して、前記反応容器(60)内へ試料および/または試薬をピペット操作するために、前記サンプリング領域(14)および前記反応領域(12)にアクセスできるように構成されている第二デバイスリソースと、
前記反応容器(60)をグリップするための少なくとも1つの第二グリッパ(50’)と、液体をピペット操作するための少なくとも1つの第二ピペッタ(51’)とから選択される第二機能デバイスを備えた第三デバイスリソースであって、前記第二機能デバイスが、前記培養器(21)から前記分析領域(13)へと前記反応容器(60)を移して、前記分析領域(13)へ移された前記反応容器(60)へ/前記反応容器(60)から1つまたは2つ以上の液体を分注および/または回収するために、前記反応領域(12)および前記分析領域(13)にアクセスできるように構成されている第三デバイスリソースと、
1つの試料を処理するための前記第一〜第三デバイスリソースを操作するように構成され、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、前記デバイスリソースの少なくとも2つを少なくとも一時的に同時に操作する制御部(53)とを備えることを特徴とする機器(1)。
【請求項2】
前記コンベア(17)の前記複数のホルダ(18)が、少なくとも部分的に中央領域(20)を囲み、前記培養器(21)が、前記中央領域(20)に配置されることを特徴とする請求項1記載の機器(1)。
【請求項3】
前記コンベア(17)が前記培養器(21)に対して動けるように、前記培養器(21)が、前記反応領域(12)に対して固定されていることを特徴とする請求項2記載の機器(1)。
【請求項4】
第一方向に移動可能な第一移送アーム(47)であって、1つまたは2つ以上の前記第一機能デバイス(50、51)を取り付けるための、前記第一方向に垂直な第二方向に移動可能な、少なくとも1つの第一移送ヘッド(48)を備えた第一移送アーム(47)と、
前記第一方向に移動可能な第二移送アーム(47)であって、1つまたは2つ以上の前記第二機能デバイス(50’、51’)を取り付けるための、前記第二方向に移動可能な、少なくとも1つの第二移送ヘッド(48’)を備えた第二移送アーム(47’)とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機器(1)。
【請求項5】
前記ホルダ(18)によって貯蔵される前記試薬容器(24)を積極的に冷却するために、前記コンベア(17)を収容する冷却セル(29)を備え、前記培養器(21)が前記冷却セル(29)から熱的に分離されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機器(1)。
【請求項6】
前記コンベア(17)が、
前記ホルダ(18)へ/前記ホルダ(18)から前記試薬容器(24)を搭載/取り外しできるロード/アンロード部(10)、
前記コンベア(17)によって貯蔵される前記試薬容器(24)のキャップ(26)を開放/閉鎖することができる開放/閉鎖部(23)、
前記コンベア(17)によって貯蔵される前記試薬容器(24)に入った試薬を混ぜることができるミキサー(27)、
前記コンベア(17)によって貯蔵される前記試薬容器(24)を識別できる識別機
から選択されるデバイスの1つまたは2つ以上に機能的に連結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器(1)。
【請求項7】
1つまたは2つ以上の前記デバイス(10、23)が、少なくとも部分的に前記冷却セル(29)内に収容されることを特徴とする請求項5または6記載の機器(1)。
【請求項8】
前記サンプリング領域(14)が、前記第一ピペッタ(51)のディスポーザブルピペットチップ(39)を貯蔵するように構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の機器(1)。
【請求項9】
前記反応領域(12)が、前記サンプリング領域(14)と前記分析領域(13)との間に位置することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の機器(1)。
【請求項10】
液体試料の自動処理方法であって、
1つまたは2つ以上の試薬容器を備えた試薬容器(24)を貯蔵する複数のホルダ(18)を有し、該ホルダ(18)が、1つまたは2つ以上の反応容器(60)を受け取る、培養器(21)を含む中央領域(20)を少なくとも部分的に囲んでいるコンベア(17)を設ける工程と、
第一グリッパ(50)で、サンプリング領域(14)から前記培養器(21)へ、前記反応容器(60)の少なくとも1つを移す工程と、
中の試薬をピペット操作するためのピペット位置に、少なくとも1つの試薬容器(24)を移動させるために、前記培養器(21)に対して前記コンベア(17)を動かす工程と、
第一ピペッタ(51)で、前記培養器(21)内に受け取られた前記反応容器(60)へ、前記試薬をピペット操作する工程と、
前記第一ピペッタ(51)で、前記試料が入った、前記培養器(21)内に受け取られた前記反応容器(60)へ、前記サンプリング領域(14)内の試料をピペット操作する工程と、
反応した試料を得るために、前記試料と試薬の混合物を培養する工程と、
第二グリッパ(50’)で、前記培養器(21)から、試料を分析するための少なくとも1つの分析器(35)を備えた分析領域(13)へ、前記反応した試料の入った前記反応容器(60)を移す工程と、
前記反応容器(60)から、少なくとも1つの検体について前記反応した試料を分析するための前記分析器(35)へ、前記反応した試料を移す工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記試料と試薬の混合物を培養する前に、前記第一ピペッタ(51)で、前記試料と試薬の混合物が入った、前記培養器(21)内に受け取られた前記反応容器(60)へと、もう1つの試薬をピペット操作する工程が、少なくとも一度は実行されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記培養器(21)とは熱的に分離したまま、前記コンベア(17)によって貯蔵される、前記1つまたは2つ以上の試薬容器(24)が積極的に冷却されることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記第二ピペッタ(51’)で、1つまたは2つ以上の液体が、前記反応容器(60)内の前記反応した試料へ分注および/または前記反応した試料から回収されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第一グリッパ(50)および前記第一ピペッタ(51)を備えた第二デバイスリソース、前記第二グリッパ(50’)および前記第二ピペッタ(51’)を備えた第三デバイスリソース、および、前記分析器(35)を備えた第一デバイスリソースが、1つの試料を処理するために、連続して操作され、2つまたは3つ以上の試料を処理するために、前記デバイスリソースの少なくとも2つが、少なくとも一時的に同時に操作されることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
中の試薬をピペット操作する前に、前記コンベア(17)内に貯蔵される、少なくとも1つの試薬容器(24)のキャップ(26)を開放する工程、
中の試薬をピペット操作した後に、前記コンベア(17)内に貯蔵される、前記試薬容器(24)の前記キャップ(26)を閉鎖する工程、
ピペット操作の前に、前記試薬容器(24)内の試薬を混ぜる工程、および
ピペット操作の前に、前記コンベア(17)によって貯蔵される、前記少なくとも1つの試薬容器(24)を識別する工程
のうち、1つまたは2つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−33036(P2013−33036A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−157618(P2012−157618)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】