説明

液体試料を収集及び希釈する方法並びに装置

液体試料を収集する器具(50、100)は、毛管力を用いて液体試料を収集するコレクタ(106)と、液体試料を希釈する、器具(50、100)に組み込まれる希釈剤(55、104)のリザーバ(59、103)とを備える。液体試料を収集する方法は、毛管力を用いる器具(50、100)を使用して液体試料を収集すること、及び液体試料を、器具(50、100)に組み込まれる希釈剤(55、104)のリザーバ(59、103)を用いて器具(50、100)内で希釈することを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
少量の血液試料は多くの場合、ランセット又は他の鋭利な器具を用いて小さな切開部を形成し、そこから血液が出た後で収集される。収集すると、これらの試料を多種多様な目的のために分析することができる。血液成分の分析及び定量化は、患者の健康状態をよりよく理解する上で重要な診断ツールである。
【0002】
血液試料を抜き出すために切開部を形成するこの方法は明らかに侵襲的であり、試料を採集される人にとっては痛みを伴う。不都合にも、適切で非侵襲的な血液分析技術は現在のところ利用可能ではない。したがって、血液試料は依然として、試料用の血液を抜き出すために切開部を形成する侵襲的な方法によって得る必要がある。
【0003】
多数の患者が頻繁に、毎日でさえも血液試料を採取及び分析する必要がある。糖尿病患者個人が血糖値を自己管理することがよく知られた例である。血糖値を自己管理する多くの製品が市販されている。医師の推奨を受けこのような製品を使用する際に、患者は通常、自身の血糖値制御の成功を管理できるように1日に何度も血糖値を測定する。多くの糖尿病患者にとって、定期的に血糖をテストすることの失敗は、腎不全、失明、高血圧及び他の深刻な合併症等の、組織及び臓器の損傷につながる可能性がある。自身の血液を定期的にテストする必要があり得る他の患者には、進行性腎疾患患者及び心不全患者が挙げられる。
【0004】
それにもかかわらず、既存の管理製品は複雑、不便且つ痛みを伴う場合があるという単純な理由から、多くの患者が自身の血液を定期的にテストしていない。さらに、これらの製品は、有用な測定値を得るために或る程度の技術、器用さ及び訓練を必要とする。
【発明の開示】
【0005】
液体試料を収集する器具は、毛管力を用いて液体試料を収集するコレクタと、液体試料を希釈する、器具に組み込まれる希釈剤のリザーバとを備える。液体試料を収集する方法は、毛管力を用いる器具を使用して液体試料を収集すること、及び液体試料を、器具に組み込まれる希釈剤のリザーバを用いて器具内で希釈することを含む。
【0006】
添付の図面は、本発明の種々の実施形態を示すと共に本明細書の一部である。図示の実施形態は本発明の例に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0007】
図面を通して、同一の参照符号は、同様であるが必ずしも同一ではない要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、血液試料等の液体試料を採取する器具又は装置及び方法であって、既知の量の希釈剤又は試薬が、試料を収集するのに用いられるのと同じ器具を用いて、当該器具内の既知の量の試料に加えられる、器具又は装置及び方法を記載する。以下に詳細に説明するように、これにより、従来のシステムで要していたような手先の器用さ又は機器を必要とすることなく、試料をはるかに容易に収集すると共にその後の分析のために調製することが可能となる。
【0009】
全血、血液成分、他の体液及び他の液体のうちの少量(例えば10マイクロリットル以下)の試料は一般的に、凝固、蒸発、及び微小流体システムでは毛管力によって動かなくなるため管理するのが非常に困難である。多量の試料を採取することによりこれらの困難は改善される。しかし、特に血液試料を比較的頻繁に採取しなければならない糖尿病患者の例のように、多量の試料を採取することは明らかに不都合である。
【0010】
したがって、少量の血液試料又は他の試料と既知の量の液体希釈剤又は試薬とを混合することが慣例である。試料を希釈剤又は試薬に混合することにより、凝固、蒸発及び動かなくなることによる問題は大幅に低減されるか、又はなくなることさえある。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、用語「希釈剤」は、後の分析用の試料を調製するために血液又は他の液体の試料と混合される任意の作用物質を広範に指すのに用いられる。
【0011】
従来のシステムでは、血液試料は通常、1つの器具を用いて収集され、次にこの収集用器具から異なる容器内の一定量の希釈剤へ押し出されていた。このようなシステムの一例を図1に示す。
【0012】
図1に示すように、毛管式器具50を用いて少量の血液試料を収集する。上述したように、通常は患者の指に切開部が形成され、次に所望の血液試料が収集される。指は単純に、非常に容易に利用することができるため日常的な試料採取に好ましい場所である。
【0013】
ランセット又は穿刺装置によって切開部が形成される。穿刺装置は、単純な針から交換可能なランセットを有するばね作動式の穿刺装置まで、多くの形態であり得る。切開部を形成すると共に血液試料を抜き取る任意の装置を使用することができる。
【0014】
ばね作動式の穿刺装置であると仮定して、ここで、図1に示されるシステムを用いて血液試料を採取するプロセスを説明する。まず、患者又は試料を採取する医師が患者の指を清潔にする。次に、試料を採取する人が、(1)カバーを外し、(2)穿刺装置に使い捨てのランセットを配置し、(3)鋭利なランセット先端から保護シールドを外し、(4)カバーを再びかけ、(5)ランセットを皮膚に駆動する力を提供するばねの様な機構を穿刺装置内にセットすることによって穿刺装置を準備する。これらのステップのいくつか又は全ては同時に行われる場合があり、例えば、穿刺装置によっては、ランセットを設置するとばね機構が自動的にセットされるものもある。
【0015】
次いで、試料を採取する人が指に穿刺装置を置く。神経末端の密度は指先の外側縁部に向かって減少する。したがって、切開部を形成するのには指先に対してわずかに横方向位置が好ましい。穿刺装置を指に位置付けた後、試料を採取する人が装置のボタン又はスイッチを押し、ランセットを解放する。ばねがランセットを前方に駆動し、小さい傷口を作る。
【0016】
穿刺後、血液の少量の液滴が穿刺部位に自然に現われ得る。この液滴は通常、量が2マイクロリットル〜20マイクロリットルである。血液試料が自然に現われなかった場合、患者は指をわずかにマッサージするか又はきつく握ることによって指を「絞り」、それにより傷口からの血流を促してもよい。いずれにせよ、試料を採取する人は血液の液滴を調べ、液滴のサイズが十分な血液試料を提供するかどうかを目と経験により判断しなければならない。量が不十分である場合、試料を採取する人は、十分な量の血液が流出するまで指又は穿刺部位をマッサージし続けるであろう。
【0017】
この時点で、試料を採取する人は図1に示す毛管式器具50を用いる。器具50の先端60が穿刺部位から抜き出された血液の液滴と接触する。器具50の本体内に延びる毛管51は、器具50の先端60において開いている。先端60が血液の液滴と接触すると、毛管力が血液を毛管51内に引き込むことにより所望の血液試料を収集する。
【0018】
線又は他の指示子等の目に見える印を、器具50に毛管53に沿って描くか又は他の方法で形成することができる。この印により、毛管51が後の分析のために十分な試料用の血液で充填されなければならない量が示される。
【0019】
次に、試料を器具50から希釈剤55に押し出す。希釈剤55は別個の管又は瓶54中に収容されている。毛管式器具50の先端60を管54の上部に挿入する。器具50の上部に設けられるバルブ52をきつく握るか又はポンプのように使うことにより血液試料を毛管51から押し流し、管54中の希釈剤55に入れることができる。
【0020】
試料を管54に押し出すこのプロセスは或る程度の器用さを要する。希釈剤55をこぼすことなく管54からキャップを外し、器具50を管54に入れ、試料を希釈剤55に押し出さなければならない。このプロセスは、困難ではない人もいるが、分析のために血液を自分で頻繁に試料採取する必要がある人もいるであろう、身体に障害があるか又は年配の患者にとっては困難である可能性がある。
【0021】
試料を希釈剤55で希釈した後、搬送ピペット56を用いて、希釈された試料を分析機器に移す。ユーザはスクイーズバルブ58を圧縮し、次にピペット56のバレル57を希釈された試料に挿入する。スクイーズバルブ58を解放し、中空のバレル57を通してピペットのリザーバ59へ一定量の希釈された試料を自然に引き込むように拡張させる。
【0022】
次いで、バレル57を、試料を適切な分析機器に入れるように位置付けることができる。スクイーズバルブ58を再び圧縮し、希釈された試料をリザーバ59からバレル57を通して分析機器内又は分析機器上に押し出す。糖尿病患者の例では、試料は搬送ピペット56から電子血糖測定器の試料ウェルへ押し出される。同様に、搬送ピペットを使用して搬送液体を管54から分析機器へ抜き取るこのプロセスは、ユーザによっては困難であり得る或る程度の器用さを要する。
【0023】
このシステムの代替として、希釈されていない試料をテストディスク上に押し出す、他のシステムが開発されており、そこでは、中心に一定量の水性希釈剤と、ディスクの周縁でキュベット中の乾燥した試薬ビーズとを含む。この場合、試料と希釈剤及び試薬との混合は、ディスクが回転する際の遠心力及び毛管力によって制御される。プラズマ分離及び容積測定もディスクを用いて実施することができる。
【0024】
ディスク全体が専用の分析装置に挿入され、混合及びこの結果生じる希釈された試料に関する所望の分析が行われる。しかし、このシステムは、テストディスク及びテストディスクを支持するために必要な専用の分析機器の両方により、複雑さ及び費用が増す。さらに、少量の試料に関連する問題の多く、すなわち凝固、蒸発及び動かなくなることは、試料がテストディスクに提供され、それに続いて希釈される前又はその際に依然として起こる可能性がある。
【0025】
図2は、血液試料等の液体試料の収集及び当該試料と一定量の希釈剤との混合の両方を行う新規の毛管式器具100を示す。図2に示すように、器具100は毛管101を含むコレクタ106を有する。毛管101の直径は例えば約1mmであり得る。
【0026】
コレクタ106の先端の毛管101の開放端が、例えば血液である一定量の液体と接触すると、その液体の試料が毛管力によって毛管101内に引き込まれる。このように、その液体の所望の試料を収集することができる。
【0027】
液体は、破断特徴部102に達するまで毛管101内に引き込まれ続ける。破断特徴部102は毛管101内で働く毛管力を妨げ、液体が毛管101内にさらに引き込まれないようにする。破断特徴部102は、例えば、毛管力が働かなくなる点まで毛管101を拡げることであり得る。代替的に、破断特徴部102はコレクタ106内の小さい孔であってもよく、この孔が毛管力の作用を妨げる。孔は、ガス透過性膜によって覆われることにより、器具からのいかなる液体の漏れも防止することができる。毛管力を妨げる任意の他の手段を破断特徴部102として用いてもよい。
【0028】
コレクタ106は通常、透明材料から形成され、破断特徴部102まで毛管106内に引き込まれる試料をユーザが見ることができるようにする。破断特徴部102はまた、コレクタ106上に配置される目に見える線107又は他の目に見える指示子と関連付けることができ、それにより、破断特徴部102の場所、及び試料を収集する際に毛管101を充填すべき量をユーザが容易に見ることができるようにする。このように、破断特徴部102は、後の分析用に必要な量に基づく毛管101内に収集されるべき試料の量を示すように、特に毛管101に沿って位置付けられることができる。
【0029】
器具100は、特定の既知の量の希釈剤104で充填される希釈剤リザーバ103も含む。このリザーバ103は、より詳しく後述するように、コレクタ106の毛管101と、おそらくは最小限の量の圧力下でない限り希釈剤104が毛管101に流入するのを防止する弁、破断可能な膜又は他の手段と流体連通している。
【0030】
器具100は希釈剤リザーバ103と流体連通しているチャンバ105も含み、当該チャンバは試料及び希釈剤104を器具100から押し出すのに使用される。図2に示す例では、チャンバ105は、可撓性であると共に最初に一定量の空気若しくは他の気体、又は液体を充填されているスクイーズチャンバ又はスクイーズバルブである。
【0031】
試料がコレクタ106の毛管101内に引き込まれた後、毛管101の開放端を有するコレクタ106の先端を、希釈された試料を受け取って分析する用意ができている分析機器上に位置付けることができ、例えばこれは、化学分析器の試料ウェル、テストカード又はストリップ等である。
【0032】
次に、ユーザはスクイーズチャンバ105を圧縮して、空気又は他の液体を圧力下でチャンバ105から押し出す。チャンバ105は希釈剤リザーバ103と流体連通しているため、この動作によりリザーバ103内の希釈剤104に圧力が加わる。
【0033】
これにより、希釈剤104が毛管101内に、毛管101を通して押し流される。希釈剤104が毛管101を通して押し流されると、希釈剤104は毛管101から試料を流す一方、自動的に試料と混合されて試料を希釈する。この結果、適当に希釈された試料が、対応する分析機器による使用の準備ができている状態で器具100から押し出される。
【0034】
したがって、図示の器具100により血液又は他の液体の少量の試料を容易に収集すると共に、試料を分析する準備として当該試料と適切な既知の量の希釈剤とを混合することができる。器具100のユーザは、本明細書に記載した従来のシステムに必要な希釈剤混合管、搬送ピペット、希釈剤を保持するテストディスク又は他のさらなる機器を使用する必要がない。さらに、器具100及びその使用方法は、上述した代替的なシステムに要するよりもわずかな手先の器用さしか必要としない。
【0035】
図3は、器具100の別の可能な特徴を示す。図3に示すように、試料をコレクタ106内に引き込んだ後、フィルタ107をコレクタ106の先端及び毛管101の開放端に配置してもよい。このフィルタ107は、希釈剤104及び分析に所望の試料の1つ又は複数の成分のみを毛管内に通すように設計される。
【0036】
例えば、コレクタ106内の試料は全血であり得る。全血よりも血漿の分析が所望される場合、適切なフィルタ107をコレクタ106の先端に配置する。このフィルタ107は、チャンバ105が圧縮されると希釈剤及び血漿のみを通す。他の血液成分はコレクタ106内に保持される。この結果、器具100は分析用の希釈された血漿の試料を、全血の試料採取よりも容易且つ迅速に提供する。
【0037】
図4は、器具100の別の可能な特徴を示した。この例において、希釈剤104を押し出すのに使用される器具のチャンバは可撓性容器又はスクイーズバルブである必要はない。むしろ、図4に示すように、チャンバ111はプランジャ110を組み込んでもよい。圧力がプランジャ110に加わり、チャンバ111内の空気又は他の液体の内部容積が減る。それにより、圧力下でリザーバ103からコレクタ106の毛管101を通して希釈剤104を押し出す。
【0038】
図5は、本明細書に記載の器具を操作する例示的な方法を示すフローチャートである。図5に示すように、液体試料が毛管力によって器具のコレクタへ引き込まれる(ステップ200)。これは、開放した毛管を含む器具の先端を試料採取すべき液体と接触させることによって行われる。
【0039】
試料が器具内に収集されると、試料の特定の成分(複数可)のみが分析のために後に押し出されるように試料をろ過することが望ましい場合がある。ろ過が望ましい場合(決定201)、適切なフィルタを、試料を収容しているコレクタの先端に適用する(ステップ202)。ろ過が所望でない場合、フィルタを適用する必要はない。
【0040】
次に、試料を希釈し、希釈された試料を分析機器に押し出すように圧力を器具のチャンバに加える(ステップ203)。上述したように、チャンバに圧力を加えることは、例えば可撓性のチャンバを圧縮するか、又はチャンバ内に配置されるプランジャを動作させることを含み得る。
【0041】
この結果、希釈剤がコレクタへ押し流され、コレクタにおいて希釈剤が試料と混合し、試料を器具から適切な分析機器へ流す(ステップ204)。これにより、適当に希釈された試料を、さらなる機器又はこのような機器を扱う器用さをあまり必要とすることなく、説明した1つの器具のみを用いて分析機器に押し出すことができる。
【0042】
先行する説明は、本発明の実施形態の図示及び説明のみを目的として提示されている。網羅的であることも、本発明を開示されるいかなる厳密な形態に限定することも意図されない。多くの変更形態及び変形形態が上記教示を鑑みて可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】血液試料を採取及び希釈するための従来のシステムを示す図である。
【図2】血液試料等の液体試料を採取及び希釈するための、本明細書に記載される原理に従う器具の一例を示す図である。
【図3】分析機器に送達される際に液体試料をろ過するフィルタを含む、本明細書に記載される例示的な器具の別の図である。
【図4】収集した試料を分析機器に送達するために圧力を加えるプランジャを含む、本明細書に記載される例示的な器具の別の図である。
【図5】本明細書に記載される器具を操作する例示的な方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を収集する器具(50、100)であって、
毛管力を用いて前記液体試料を収集するコレクタ(106)と、
前記液体試料を希釈する、前記器具(50、100)に組み込まれる希釈剤(55、104)のリザーバ(59、103)とを備えることを特徴とする液体試料を収集する器具(50、100)。
【請求項2】
前記希釈剤(55、104)の前記リザーバ(59、103)は前記コレクタ(106)と流体連通しており、このことによって、前記液体試料が前記器具(50、100)から押し出されると、前記希釈剤(55、104)と前記液体試料とを混合することを特徴とする請求項1に記載の器具(50、100)。
【請求項3】
前記コレクタ(106)の毛管(51、101)に沿って配置される破断特徴部(102)をさらに備え、前記破断特徴部(102)は前記毛管力を妨げることを特徴とする請求項1に記載の器具(50、100)。
【請求項4】
前記コレクタ(106)に取り外し可能に設けられるフィルタをさらに備え、このことによって、前記液体試料が前記器具(50、100)から押し出される際に、前記液体試料をろ過することを特徴とする請求項1に記載の器具(50、100)。
【請求項5】
液体試料を収集する方法であって、
毛管力を用いる器具(50、100)を使用して前記液体試料を収集することと、
前記液体試料を、前記器具(50、100)に組み込まれる希釈剤(55、104)のリザーバ(59、103)を用いて前記器具(50、100)内で希釈することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記液体試料は血液であることを特徴とする請求項5に記載の液体試料を収集する方法。
【請求項7】
前記液体試料を前記リザーバ(59、103)からの希釈剤(55、104)を用いてコレクタ(106)から流すことをさらに含み、このことによって、前記液体試料が前記希釈剤(55、104)で希釈されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
液体試料を収集する器具(50、100)を製造する方法であって、
毛管力を用いて前記液体試料を収集する毛管(51、101)を有するコレクタ(106)を形成することと、
前記液体試料を希釈する、前記器具(50、100)に組み込まれる希釈剤(55、104)のリザーバ(59、103)を形成することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
液体試料を収集する器具(50、100)であって、
毛管力を用いて前記液体試料を収集するようになっているコレクタ(106)と、
前記コレクタ(106)と流体連通しているリザーバ(59、103)であって、予め選択される量の希釈剤(55、104)を保持するように構成されているリザーバ(59、103)とを備え、
前記器具(50、100)から前記希釈剤(55、104)を押し出すことにより前記希釈剤(55、104)と前記液体試料とを混合することを特徴とする器具(50、100)。
【請求項10】
液体試料を収集する器具(50、100)であって、
毛管コレクタ管(54)であって、前記管(54)に沿って配置される毛管破断部を有し、前記管(54)内の毛管力を妨げると共に前記液体試料を収集するように構成されている、毛管コレクタ管(54)と、
前記毛管コレクタ管(54)と流体連通しているリザーバ(59、103)であって、予め選択される量の希釈剤(55、104)を保持するように構成されているリザーバ(59、103)と、
圧力が加えられるチャンバ(105、111)であって、前記リザーバ(59、103)と流体連通しているチャンバ(105、111)とを備え、
前記チャンバ(105、111)へ圧力が加わることにより、前記希釈剤(55、104)と前記液体試料とを混合する前記毛管コレクタ管(54)内へ、前記希釈剤(55、104)が押し流されることを特徴とする器具(50、100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−503542(P2009−503542A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525004(P2008−525004)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/028348
【国際公開番号】WO2007/019015
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】