説明

液体調味料

【課題】ネギ属植物特有のフレッシュ感が増強され、且つそのフレッシュ感が長期保存後も保持されたネギ属植物を含有する液体調味料の提供。
【解決手段】ネギ属植物及びl−メントールを含有する液体調味料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネギ属植物を含有する液体調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
食品素材の香気を引き立たせることを目的とした技術やその香気を持続させるための技術は、食品の嗜好性の向上とその品質を維持する観点からこれまでに種々検討されている。例えば、わさび特有の豊かな香味と辛味を有するわさびを提供する方法として、サイクロデキストリンを配合することで製造直後の香味と辛味を豊かにすると共に、6ヶ月の保存後もこれを保持させる方法(特許文献1)、ε−ポリ−L−リジンを添加することにより調味料の風味やコク味の強さを高める方法(特許文献2)、β−2,1結合を主成分とするイヌリンタイプの多糖であるポリフラクタンを含有させることにより、調味料の持つ風味と保存性を高める方法(特許文献3)等が開示されている。
【0003】
一方、食品へのメントールの使用としては、例えば、清涼剤としてだったんそばに使用(特許文献4)、緑茶フレーバーの香味改善に使用(特許文献5)、メントールを主成分とするペパーミントを乳飲料の熱に起因する劣化臭を抑えるために使用(特許文献6)、ω−3系多価不飽和脂肪酸含有油脂組成物の酸化に伴う不快臭改善にペパーミントオイルを使用(特許文献7)等が知られている。
【0004】
更に、レモン果汁を有する液体調味料にハーブを配合することにより、すっきりとしたレモン本来の香りを引き立たせる方法(特許文献8)、スペアミント等によって唐辛子の辛味をエンハンスさせる方法(特許文献9)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−67559号公報
【特許文献2】特開平8−70813号公報
【特許文献3】特開平4−299957号公報
【特許文献4】特開2001−78692号公報
【特許文献5】特開2005−143467号公報
【特許文献6】特開2009−45021号公報
【特許文献7】特開平6−133707号公報
【特許文献8】特開平8−214831号公報
【特許文献9】特開2005−143308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
にんにくに代表されるネギ属植物は、その独特な風味を活かす食材としてドレッシング等の液体調味料に広く使用されている。しかし、製造工程中又は保存中にネギ属植物独特のフレッシュな香気が損失してしまい、風味が弱くなってしまう。特に長期保存後は、みずみずしいフレッシュな香気が感じられるものではなかった。
前記従来技術において、一般に包接作用による香気のリリース制御が可能であるといわれているサイクロデキストリンは、わさび加工品においては効果があるものの、ネギ属植物を含有する液体調味料では製造直後であっても香気の増強効果は認められず、製造後数ヶ月程度経った後では、フレッシュな香気は殆ど感じられなくなることが発明者らの研究により判明した。
【0007】
従って、本発明の課題は、ネギ属植物特有のフレッシュ感が増強され、且つそのフレッシュ感が長期保存後も保持されたネギ属植物を含有する液体調味料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ネギ属植物を含有する液体調味料におけるフレッシュ感の強化とその持続性について検討したところ、l−メントールを含有させることにより、製造後初期のネギ属植物特有のフレッシュ感が増強され、且つ長期間保存した後もこのフレッシュ感が保持されることを見出した。これまでに、液体調味料においてl−メントールを使用する技術は知られていたが、l−メントールが保存後の香気に対してどのような作用を有するかは知られていない。
さらに、本発明者らは検討したところ、液体調味料の成分として白ワインビネガー等の特定の成分を特定量併用すれば、ネギ属植物特有のフレッシュ感及び当該香気の持続性がより一層高まることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、ネギ属植物及びl−メントールを含有する液体調味料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネギ属植物を有する液体調味料において、ネギ属植物特有のフレッシュ感が増強され、且つそのフレッシュな香気が保存後も保持された液体調味料とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、ネギ属植物とは、ネギ属(Allium)に分類される植物をいい、例えば、にんにく、たまねぎ、ネギ、ニラ、アサツキ、ワケギ、エシャロット、リーキ、エレファントガーリック、ギョウジャニンニク、ラッキョウ、ニラネギ等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。なかでも、にんにく、たまねぎを用いることが製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から好ましい。ここで、製造後「初期」とは、室温保存の場合は製造後14日まで、好ましくは3日までの期間をいい、5℃保存の場合は製造後70日まで、好ましくは50日までの期間をいう。また、「保存後」とは、前記「初期」を経過した後の期間のことをいうが、調味料としての賞味期限を考慮すれば室温保存の場合は3ヶ月以上、好ましくは7ヶ月以上経過後をいう。また、40℃等の高温で保存した場合は、「保存後」は20日以上、好ましくは40日以上経過後をいう。
【0012】
ネギ属植物の含有量(乾燥固形分)は、調味料としてネギ属植物特有の香味が得られる点から、液体調味料中に0.1〜7質量%(以下、単に「%」と記載する)、更に1〜6%、特に2〜4%であることが好ましい。
【0013】
ネギ属植物の状態は、特に制限されず、生のものでも乾燥品でも良いが、製造後の液体調味料の香味のばらつきを低減させる点、衛生管理の点から、乾燥品を用いることが好ましい。
【0014】
また、ネギ属植物の形態は、特に制限されず、切断、破砕(すりおろしを含む)したものが挙げられる。なかでも、破砕したものが好ましく、その大きさは、口に含んだ際の食感が良好である点から、平均粒径が0.1〜10mmであることが好ましく、更に0.2〜5mm、特に0.3〜3mmであることが好ましい。
【0015】
本発明において使用するl−メントールは、食品の着香料として広く使用されており、合成品又は天然品のいずれも使用することができる。合成品は公知の方法(例えば、「BINAP-金属錯体触媒を用いた不斉合成技術の開発」、雲林秀徳、高砂香料時報、No.127 Page.4-11 (1997.09))により得ることができる。また、l−メントールを含有する市販品としては、例えば、薄荷脳、ソフトメントール、薄荷白油、薄荷特油、ペパーミントオイル ウィラメット、ペパーミントオイル ミッドウエスト、ペパーミントオイル マドラス(長岡実業(株)製)等がある。形態はl−メントールの結晶品の他、l−メントールを含有する食品素材の形態でも使用することができ、例えば、粉末エキス(パウダー)やオイル等が挙げられる。
【0016】
本発明において、l−メントールの含有量は、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から、液体調味料中に0.1〜2ppm、更に0.2〜1.7ppm、特に0.3〜1.5ppm、殊更0.5〜1.2ppmであることが好ましい。具体的には、前記商品等を用いて、当該含有量となるように配合するのが好ましい。液体調味料中のl-メントールの含有量の測定は、試料に対して水及びヘプタンを加え、精油定量用蒸留装置にて蒸留を行い、ヘプタン層を分取しガスクロマトグラフ−質量分析法にて定量可能である。
【0017】
本発明において、液体調味料中のl−メントールとネギ属植物(乾燥固形分換算)の含有質量比、l−メントール/ネギ属植物は0.5×10-5〜8×10-5であることが、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から好ましく、更に1×10-5〜6×10-5、特に1.2×10-5〜5×10-5であることが好ましい。
【0018】
本発明の態様において、液体調味料に白ワインビネガーを含有させることが、製造後初期のフレッシュ感及びその持続性を高める点から好ましい。白ワインビネガーとは、ぶどう果汁をアルコール発酵させた後、さらに酢酸菌で発酵させて作られた酢(ぶどう酢)のことであり、白ぶどうを原料として作られたものである。本発明で使用する白ワインビネガーは、公知の方法で合成したものでも、市販品であってもよい。市販品では例えば、株式会社ミツカン製のものを使用することができる。
【0019】
本発明において、白ワインビネガーの含有量は、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から、液体調味料中に3〜18%、更に4〜16%、特に5〜14%、殊更5.5〜12%であることが好ましい。
【0020】
白ワインビネガーは、ネギ属植物の製造後初期のフレッシュ感強化の点から、液体調味料中における酸度(液体調味料が油相と水相を含む場合には水相の酸度、以下同じ)が0.5〜1.6%となるように含有させることが好ましく、更に0.6〜1.4%、特に0.7〜1.2%となるように含有させるのが好ましい。ここで酸度とは、測定の対象となる液体を0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで滴定を行い、その終点の滴定量から次の式(1)により算出したものをいう(食酢の日本農林規格(平成9年9月3日農林水産省告示第1381号)を参考に酢酸相当酸度の質量%を導出したものをいう。
酸度=(a×v×f)/w×100 (1)
(a:0.1mol/Lの水酸化ナトリウム1mLに相当する酢酸量0.006g、v:0.1mol/Lの水酸化ナトリウムの使用量(mL)、f:0.1mol/Lのファクター、w:試料採取量(g))
なお酸度は、酢酸の他、グルコン酸、クエン酸等の各種有機酸のいずれを使用した場合でも、これら全ての酸を酢酸換算して得た値の試料質量中の百分率で表したものである。
【0021】
本発明の液体調味料には、前記白ワインビネガー以外の食酢、例えばアルコール由来の醸造酢を配合することも可能である。白ワインビネガー以外の食酢は、刺激的な酸味(いわゆる酢かど)の点から、液体調味料全体の酸度のうちの0.5〜50%、好ましくは1〜45%、更に好ましくは5〜40%の範囲になるように含有させるのが好ましい。
【0022】
本発明の態様において、液体調味料に酒石酸もしくはその塩、クエン酸もしくはその塩及びエリスリトールから選ばれる1種以上を含有させることが、製造後初期のフレッシュ感及びその持続性を高める点から好ましい。
ここで、酒石酸、クエン酸の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
【0023】
本発明において、酒石酸又はその塩の含有量は、遊離の酒石酸に換算した場合、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から、液体調味料中に0.01〜1.5%、更に0.1〜1%、特に0.2〜0.8%、殊更0.3〜0.7%であることが好ましい。
【0024】
本発明において、クエン酸又はその塩の含有量は、遊離のクエン酸に換算した場合、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から、液体調味料中に0.01〜1.2%、更に0.05〜1%、特に0.1〜0.8%、殊更0.2〜0.6%であることが好ましい。
【0025】
酒石酸、クエン酸又はそれらの塩は、ネギ属植物の製造後初期のフレッシュ感強化の点から、液体調味料中における酸度が0.5〜1.6%となる範囲内で含有させることが好ましく、更に0.6〜1.4%、特に0.7〜1.2%となる範囲内で含有させるのが好ましい。
【0026】
本発明において、エリスリトールの含有量は、製造後初期のフレッシュ感の強化、保存後のフレッシュ感の保持の点から、液体調味料中に0.1〜10%、更に0.5〜8%、特に1〜7%、殊更2〜6%であることが好ましい。
【0027】
本発明の液体調味料は、水相のみ又は油相及び水相を含む液体調味料であるのが、ネギ属植物のフレッシュ感発現の点から好ましい。
液体調味料が油相を含む場合、その形態としては、油相を水相の上に積層した分離液状型、油を水相に分散させたO/W乳化型が挙げられる。分離液状型の場合、油相と水相の重量比率は、栄養及び官能の点から、5/95〜60/40、更に20/80〜40/60、特に25/75〜35/65が好ましい。O/W乳化型の場合、油相と水相の重量比率は、栄養、官能に加え乳化安定性の点から、5/95〜60/40、更に20/80〜50/50、特に30/70〜40/60が好ましい。
【0028】
本発明の液体調味料に用いることのできる油相は、食用油脂が主成分であり、動物性、植物性のいずれでも良く、例えば、動物油としては牛脂、豚脂、魚油等、植物油としては大豆油、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油、胡麻油等が挙げられるが、風味、実用性の点から、大豆油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、胡麻油等の植物油を用いることが好ましい。
【0029】
更に油相には、親油性の乳化剤等を配合できる。
【0030】
また、本発明の液体調味料に用いることのできる水相は、水が主成分であり、その他の成分として、水溶性乳化剤、食塩、糖類、アミノ酸・核酸・有機酸等の旨み調味料、蛋白質、増粘多糖類、澱粉等を配合できる。
本発明の液体調味料には、更にスパイス等の香味料、着色料、保存料、安定剤等を加えることもできる。
【0031】
また、本発明の液体調味料には、抗酸化剤を添加することが好ましい。抗酸化剤は、通常、食品に使用されるものであればいずれでもよいが、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビン酸脂肪酸エステル、BHT、BHAから選ばれる1種以上が好ましく、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸エステルから選ばれる1種以上が特に好ましい。抗酸化剤は、油相、水相どちらにも配合できるが、油相への添加が好ましい。特に好ましい抗酸化剤の含有量は、油相中50〜5000ppm、更に200〜2000ppmである。
【0032】
本発明の液体調味料においては、pH(液体調味料が油相と水相を含む場合には水相のpH、20℃)が1〜6、更に2〜6、特に3〜5とするのが、保存性の点から好ましい。この範囲に水相のpHを調節するためにD,L−リンゴ酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、レモン果汁等の酸味料を使用できる。
【0033】
本発明の液体調味料とは、具体的には、ドレッシング、焼肉のたれ等、ネギ属植物を含み性状が液体である調味料全てを指す。
【実施例】
【0034】
実施例1〜15及び比較例1〜6
〔液体調味料の調製〕
表1記載の組成の分離液状タイプドレッシングを製造した。先ず、食用油を除いた原料を撹拌混合して溶解し、水相部を調製した。水相部を十分にかき混ぜながら100mlのねじ口瓶(GL45、デュラン社製)に注ぎ、閉栓した。次に、常温から加熱して80℃に到達してから4分間保持することにより殺菌処理を行った後、冷却し、常温とした後に容器に充填し、次いで食用油(日清オイリオ(株)製サラダ油)を充填することにより分離液状タイプドレッシングを調製した。なお、乾燥にんにくパウダー及び乾燥たまねぎチョップの乾燥固形分は、常圧加熱乾燥法により測定し、それぞれ95.2%及び94.8%であった。
【0035】
〔官能評価〕
市販レタス20gに、分離液状型液体調味料を8gかけ、パネル30名による食味試験を行い、香り立ちについて比較評価した。評価は、液体調味料を調製直後にそれぞれ5℃と40℃に分けて保存し、40日後に各サンプルを室温に戻した後、5℃保存のものを製造後「初期」、40℃保存のものを「保存後」のものとして同時に評価を行った。なお、5℃で40日間保存したサンプルと、製造直後のものの風味が同じであることは確認済みである。評価は、以下に示す基準に従って行い、30名の平均値を四捨五入して評価値とした。
結果を表1に示す。
【0036】
〔風味評価基準〕
9:フレッシュ感が非常に強い
5:フレッシュ感が感じられる
1:フレッシュ感が非常に弱い
ここで、まず全てのサンプルについて評価を行ったところ、比較例1の「保存後」が最もフレッシュ感が弱く、実施例6の「初期」が最もフレッシュ感が強かった。そこで、比較例1の「保存後」の風味を1点、実施例6の「初期」の風味を9点とし、その他のサンプルについては上記基準内で相対的位置付けを行った。また、5点以上をネギ属植物特有のフレッシュ感が増強され、且つそのフレッシュ感が保存後も保持されているものとした。
【0037】
〔l−メントール含有量の測定〕
l-メントールの含有量の測定は、試料に対して水及びヘプタンを加え、精油定量用蒸留装置にて蒸留を行い、ヘプタン層を分取しガスクロマトグラフ−質量分析法にて定量した。機器条件は次のように設定した。
機種:6890N/5975B interXL(Agilent Technologies社)
カラム:DB-WAX(Agilent Technologies社)
温度:試料注入口 220℃、カラム80℃(1分保持)→5℃/分昇温→150℃→15℃/分
昇温→200℃
注入方法:スプリット 30:1
注入量:1μl
ガス流量: ヘリウム 1ml/分
イオン源温度:230℃
イオン化法:EI
設定質量数:m/z 95,82 メントール、m/z 136 ナフタレン-d8(内標準物質)
が挙げられる。
【0038】
〔酸度の測定〕
「食酢の日本農林規格(平成9年9月3日農林水産省告示第1381号)」に基づき酢酸相当酸度の質量%を導出した。
【0039】
〔pHの測定〕
pHは、試料の品温を20℃にした後、(株)堀場製作所製pHメーター(F−22)を使用し測定した。
【0040】
【表1】

【0041】
表1に示したように、ネギ属植物とl−メントールを配合した液体調味料(実施例1−15)は、製造後初期のフレッシュ感を充分に感じることができ、保存後のフレッシュ感も保持されていた。特に、白ワインビネガーを併用した液体調味料(実施例4−6)は、製造後初期及び保存後において、フレッシュ感を充分に感じることができた。また、酒石酸、クエン酸又はエリスリトールを併用した液体調味料(実施例7−15)においても、製造後初期及び保存後において、フレッシュ感を充分に感じることができた。
これに対し、l−メントールを配合しない液体調味料(比較例1)ではフレッシュ感が弱く、保存後は感じられなくなった。また、サイクロデキストリンを配合した液体調味料(比較例2)では、製造後初期であってもフレッシュ感が弱く、保存後は感じられなくなった。
l−メントールを配合しない液体調味料に白ワインビネガーを併用した場合(比較例3)は、製造後初期ではフレッシュ感は感じられたものの、保存後のフレッシュ感は弱かった。同様に、l−メントールを配合しない液体調味料に酒石酸、クエン酸又はエリスリトールを併用した場合(比較例4、比較例5、比較例6)は、製造後初期ではフレッシュ感は感じられたものの、保存後のフレッシュ感は弱かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネギ属植物及びl−メントールを含有する液体調味料。
【請求項2】
l−メントールの含有量が0.1〜2ppmである請求項1記載の液体調味料。
【請求項3】
ネギ属植物の含有量が0.1〜7質量%である請求項1又は2記載の液体調味料。
【請求項4】
l−メントール/ネギ属植物の含有質量比が0.5×10-5〜8×10-5である請求項1〜3のいずれか1項記載の液体調味料。
【請求項5】
さらに酒石酸又はその塩を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の液体調味料。
【請求項6】
さらにクエン酸又はその塩を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の液体調味料。
【請求項7】
さらにエリスリトールを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の液体調味料。
【請求項8】
さらに白ワインビネガーを3〜18質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の液体調味料。
【請求項9】
ネギ属植物がにんにく及び/又はたまねぎである請求項1〜8のいずれか1項記載の液体調味料。