説明

液体貯留装置

【課題】水位を検知するフロート表面や液体貯留タンクの内壁に付着物が堆積しないようにし、フロートスイッチの動作不良を防止するとともに、それらの清掃を容易にする。
【解決手段】液体貯留タンク3と、液体貯留タンク3内の液位を検知するフロートスイッチ24A,24Bと、液体貯留タンク3に液体を供給する液体供給手段16と、フロートスイッチ24A,24Bの液位の検知結果に基づいて液体貯留タンク3への液体の供給を制御する液体供給制御手段41A,41Bと、を備えた液体貯留装置1A,1Bにおいて、液体供給制御手段41A,41Bは、液体貯留タンク3に液体を供給するときフロートスイッチ24A,24Bが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、フロートスイッチ24A,24Bが所定の液位を検知してから液体貯留タンク3に供給される液体の量を可変とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ式自動販売機や飲料ディスペンサ等の液体貯留装置に関し、特にその液体貯留容器の内部に所定量の液を貯留する液体貯留装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の液体貯留装置としては、先に公開された特開2001−165506号公報(特許文献1)に記載されるような液体貯留装置が知られている。この特許文献1に記載される液体貯留装置は、湯を貯留する貯湯タンクと、この貯湯タンクに水を補給する給水口と、貯湯タンク内の湯の水位を検知するフロートスイッチと、を備え、フロートスイッチの検知する水位に応じて給水口を開閉動作させ、給水口から貯湯タンクに供給される水量を制御することによって、設定された一定量の湯が貯湯タンク内に常に貯留されるように構成されている。ここで、このフロートスイッチは、貯湯タンク内の水面(湯面)上に浮遊し、水面の上下の変動に追従して移動するフロートと、そのフロートの略中央を僅かな隙間を介して上下方向に貫通し、そのフロートを水面の変動に応じて上下方向に案内する棒状のフロートガイドを有している。そして、このような液体貯留装置においては、貯湯タンク内の水位は、略一定の水位(満水状態)に保持される状態が長く続くから、その水位の水面に接するフロートガイドの外周面や、湯タンクの内壁面に湯に溶解・混合する物質(水垢等)が付着し、漸次堆積する。またフロートは、その水面に接する吃水線が略一定であるから、それに沿って湯に溶解・混合する物質が同様に付着し、堆積し易い。そうすると、この従来の液体貯留装置においては、フロートガイドの外周面に付着する堆積物やフロートの吃水部に付着する残留物質が、フロートとフロートガイドの間に介在する僅かな隙間を塞ぎ、フロートが水面変動に対して円滑に追従できなくなることで、フロートスイッチが適宜に動作しない問題が生じる虞があった。
【0003】
そして、このような問題を解決すため、先に公開された特開2003−307450号公報(特許文献2)に記載されるような液体貯留タンクが出願されている。この特許文献2に記載される液体貯留タンクは、液体を貯留するタンクと、このタンク内に臨む液体供給管と、そのタンク内の液面を検知して動作するフロートスイッチを備え、フロートスイッチの動作により液体供給管からタンク内へ液体を供給する液体貯留タンクであり、液体供給管に洗浄液噴射孔を設けて、タンク内への液体供給時に洗浄液噴射孔からフロートスイッチを構成するフロートやフロートガイドに向けて液体を噴射し、それらの表面を洗浄するものである。すなわち、これにより貯留タンクにおけるフロートスイッチのフロートやフロートガイドの表面での残留物質の付着を防止して、その機能を長期間保持させようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−165506号公報
【特許文献2】特開2003−307450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載される液体貯留タンクにおいては、液体供給管に洗浄液噴射孔を設けるからその構造が複雑になり、コストが上昇する。また、フロート各部の表面の洗浄が行われるのは、液体供給管からの液体の供給時であるから、液体の供給間隔が長くなるとその付着物が固着して、洗浄によっても付着物が除去できない虞がある。さらに、液体貯留タンクの内壁に付着する残留物質は、洗浄の対象ではないから、別途に洗浄する手間が必要である。この液体貯留タンクには、このような問題があった。
本発明は、このような問題に対応するため、特別な装置を用いないで、フロート各部の表面や液体貯留タンクの内壁へ付着する物質が堆積しないようにして、フロートスイッチの動作不良を防止するとともに、その清掃を容易にすることができるコストの安い液体貯留装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、液体が貯留される液体貯留タンクと、前記液体貯留タンク内の液位を検知するフロートスイッチと、前記液体貯留タンクに液体を供給する液体供給手段と、前記フロートスイッチの液位の検知結果に基づいて前記液体貯留タンクへの液体の供給を制御する液体供給制御手段と、を備えた液体貯留装置において、前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を可変とするものである。これによれば、前記液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を変化させることによって、液体補給時の前記液体貯留タンク内の液位を容易に変化させることができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液体貯留装置において、前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するまでの遅延時間を制御することにより、前記液体貯留タンクに供給される液体の量を可変するものである。これによれば、流量計等の特別な装置を備えることなく、前記液体貯留タンクに供給される液体の量を変化させることができる。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の液体貯留装置において、前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を、その都度に変化させるものである。これによれば、前記液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を、液体の補給の都度に変化させ、その液位を変化させることができる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の液体貯留装置において、前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を、所定の経過時間に応じて変化させるものである。これによれば、前記液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を、所定の経過時間に応じて変化させることができる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を変化させることによって、液体補給時の液体貯留タンク内の液位を容易に変化させることができるから、例えばフロートスイッチのフロートガイドの周面や液体貯留タンクの内壁に、液体の水面付近で付着する液体の残留物質の付着位置を変化させることができる。すなわち、同一箇所に液体の残留物質が堆積されて盛り上がることが防止されるから、フロートスイッチを構成するフロートとフロートガイドの間に介在する僅かな隙間に液体の残留物質が堆積することがなく、これによりフロートスイッチの動作不良が防止される。また、液体の残留物質が、液体貯留タンクの内壁の一箇所に集中して堆積し固着することがなくなるから、その清掃を容易にすることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、流量計等の特別な装置を備えることなく、液体貯留タンクに供給される液体の量を変化させることができるから、コストの安い液体貯留装置を提供することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を、液体の補給の都度に変化させ、その液位を変化させることによって、例えば液体の水面付近でフロートスイッチの表面や液体貯留タンクの内壁に付着する液体の残留物質が、同一箇所に堆積して付着することが確実に防止される。また、請求項4に係る発明によれば、液体貯留タンクに液体を補給するとき、その内部に貯留される液体の量を、所定の経過時間に応じて変化させ、その液位を変化させることによって、上記と同様に液体の水面付近でフロートスイッチ各部の表面や液体貯留タンクの内壁に付着する液体の残留物質が、同一箇所に堆積して付着することが適宜に防止される。すなわち、例えばフロートスイッチの動作不良を防止し、清掃を容易にすることができるコストの安い液体貯留装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る液体貯留装置を概略的に示す縦断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る液体貯留装置の制御手段の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置を概略的に示す縦断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置の制御手段の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態の液体貯留装置について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の第一の実施形態に係る液体貯留装置を概略的に示す縦断面図、図2は本発明の第一の実施形態に係る液体貯留装置の制御手段の要部構成を示すブロック図である。
この液体貯留装置1Aは、カップ式自動販売機や飲料ディスペンサ等において湯を貯留する貯湯装置であって、図に示すように上面を開口して箱型状に形成された貯湯タンク(液体貯留タンク)3と、その上面開口を覆う蓋部4を備えている。そして、この貯湯タンク3Bの底部には貯留される湯を加熱するためのヒータ10が設けられている。また、貯湯タンク3の上部には給水口15が配置され、給水弁(液体供給手段)16を介して清水の供給される給水源(図示なし)と接続されている。また、貯湯タンク3の下部には湯吐出口20が設けられ、湯ポンプ21を介して飲料を調理するミキシングボールやコーヒーブリュア(いずれも図示なし)に接続されている。すなわち、この貯湯タンク3内には給水口15から供給された清水が湯として貯留され、必要に応じて湯吐出口20からミキシングボールやコーヒーブリュアに供給されるように構成されている。なお、貯湯タンク3の上方には、貯湯タンク3から溢れた湯を排出するためのオーバーフロー管19が配設されている。
【0011】
ところで、この貯湯タンク3には所定量の湯が貯留されるようになっている。そのため、貯湯タンク3には、貯留された湯の水位を検知するフロートスイッチ24Aが設けられている。このフロートスイッチ24Aは、略垂直に立設された縦長の案内パイプ25と、この案内パイプ25の外周に僅かな隙間を設けて摺動自在に嵌装された中空円筒状のフロート27Aから構成されている。案内パイプ25の内部には、上下の2箇所に上限リードスイッチ29Aと、下限リードスイッチ30Aが配置されている。この上限リードスイッチ29Aと下限リードスイッチ30Aはフロート27Aがその周囲の位置に移動すると、フロート27Aに埋設された磁石(図示なし)に感応して動作するように構成されている。このフロートスイッチ24Aは蓋部4の裏側に垂下状に取り付けられている。また、案内パイプ25の外周における下側の下限リードスイッチ30Aの下方には、フロート27Aを突き当てるストッパ31が嵌着されている。ここで、上側の上限リードスイッチ29Aは上限水位WHを、下側の下限リードスイッチ30Aは下限水位WLをそれぞれ検知するように機能する。なお、上限水位WHは満水位を示し、下限水位WLは清水の補給を必要とする水位を示す。また、貯湯タンク3の上部に設けられる給水口15の下方には、給水口15から供給される清水を貯湯タンク3の底部に導いて放出する導水板13が設けられている。
【0012】
また、図2に示すように、この液体貯留装置1Aの制御手段40Aは、装置全体を制御する主制御部41A(液体供給制御手段)を備え、主制御部41Aは制御プログラム等を記憶する不揮発メモリ部42aと、設定データ、運転履歴等の種々のデータを記憶する揮発メモリ部42bと、時間を計時する時計部43と、を備えている。そして、この主制御部41Aには、貯湯タンク3内の湯を加熱するヒータ10の駆動、制御を行う加熱制御部46と、給水口15から貯湯タンク3に清水を供給するとき開く給水弁16と、貯湯タンク3内の湯を湯吐出口20を介して吐出するとき動作する湯ポンプ21と、フロートスイッチ24Aを構成するものであって貯湯タンク3内の上限水位WHを検知する上限リードスイッチ29Aと、同様の貯湯タンク3A内の下限水位WLを検知する下限リードスイッチ30Aと、各種の設定入力や履歴表示の操作を行う設定入力装置47等が接続されている。
次に、このように構成される第一の実施形態の液体貯留装置1Aの動作について説明する。先ず初めに、給水弁16が開かれて、給水口15から貯湯タンク3に清水の供給が開始される。そして、貯水タンク3Aの水位が上昇し、それに伴ってフロートスイッチ24Aのフロート27Aが上昇移動し、その水位が上限水位WHに達したことが上限リードスイッチ29Aの作動により検知されると、その後に給水弁16が閉じられて給水口15からの給水が停止される。
【0013】
この場合、上限リードスイッチ29Aが作動すると、主制御部41Aはその時計部43の計時を開始し、所定の遅延時間が経過したとき給水弁16を閉じて給水を停止する。ここで、この所定の遅延時間は、給水弁16が開かれて給水口15から貯水タンク3Aに清水が供給される都度に変化するように設定され、これにより貯湯タンク3内に貯留される湯の量をその都度に変更し、その水位を変化させるように制御される。すなわち、これにより貯湯タンク3への給水の都度に水面の位置が上下に変化するように制御される。
そしてこの給水の後、例えば、湯ポンプ21が駆動されて、貯湯タンク3内の湯が湯吐出口20からミキシングボールやコーヒーブリュアに供給されると、貯湯タンク3の水位が次第に低下する。そして、フロートスイッチ24Aのフロート27Aが下方に移動し、その水位が下限水位WLに到達したことが下限リードスイッチ30Aにより検知されると、給水口15側の給水弁16が開いて清水の供給が開始される。そして、その水位が上限水位WHに達したことが上限リードスイッチ29Aの作動により検知されると上述の動作と同様に給水が停止される。なお、上限リードスイッチ29Aが作動してから、給水弁16が閉じられるまでの遅延時間は、給水の都度に変更するものではなく、例えば、貯湯タンク3内の湯を取り替えた時刻を基準として、その後に経過する経過時間に応じて変更されるものであってもよい。なお、この経過時間は、貯湯タンク3内の湯の水質等に応じて(すなわち残留物質の付着のし易さ等に応じて)、適宜に設定することもできる。
【0014】
以上のように、本発明の第一の実施形態に係る液体貯留装置1Aによれば、貯湯タンク3に清水を補給するとき、その内部に貯留される湯の量を変化させることによって、給水時の貯湯タンク3内の水位を容易に変化させることができるから、例えばフロートスイッチ24Aの案内パイプ25の周面や貯湯タンク3の内壁に、湯の水面付近で付着する湯の残留物質の付着位置を変化させることができる。すなわち、同一箇所に湯の残留物質が堆積されて盛り上がることが防止されるから、フロートスイッチ24Aを構成するフロート27Aと案内パイプ25の間に介在する僅かな隙間に湯の残留物質が堆積することがなく、これによりフロートスイッチ24Aの動作不良が防止される。また、湯の残留物質が、貯湯タンク3の内壁の一箇所(例えば特定の吃水線)に集中して堆積し固着することもなくなるから、その清掃を容易にすることができる。
また、フロートスイッチ24Aが所定の水位を検知してから清水の供給を停止するまでの遅延時間を制御することにより、流量計等の特別な装置を備えることなく、貯湯タンク3に供給される清水の量を変化させることができるから、コストの安い液体貯留装置を提供することができる。
また、貯湯タンク3に清水を補給するとき、その内部に貯留される湯の量を、清水の補給の都度、または基準時刻(例えば、湯を取り替えた時刻等)からの経過時間に応じて変化させ、その水位を変化させることによって、例えば、フロートスイッチ24Aの案内パイプ25及びフロート27Aの表面や貯湯タンク3の内壁に、湯の水面付近で付着する湯の残留物質が、同一箇所に堆積して付着することが防止される。すなわち、フロートスイッチ24A等の動作不良を防止し、また清掃を容易にすることができる液体貯留装置を提供することができる。
【0015】
次に本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置について説明する。
図3は本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置を概略的に示す縦断面図、図4は本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置の制御手段の要部構成を示すブロック図である。この第二の実施形態に係る液体貯留装置は、第一の実施形態に係る液体貯留装置において貯湯タンク3内に略垂直に立設されたフロートスイッチ24Aに替えて、「く」字状に折曲された支持棒26の下端にフロート27Bを有する他の形態のフロートスイッチ24Bを配設したものである。なお、第一の実施形態に係る液体貯留装置に備えるものと同じ、または同様の機能を有するものには同符号を付し、その説明を省略する。
この液体貯留装置1Bの貯湯タンク3には、第一の実施形態の液体貯留装置と同様に所定量の湯が貯留されるようになっている。そのため、この貯湯タンク3には、貯留された湯の水位を検知するフロートスイッチ24Bが設けられている。このフロートスイッチ24Bは、「く」字状に折曲された支持棒26と、支持棒26の下端に設けられ、水面の変化に連動して上下するフロート27Bと、蓋部4の上面に設けられて支持棒26を左右に搖動自在に支持する支軸部28と、支軸部28の両側に配設され、支持棒26の搖動に連動して動作する上限水位スイッチ29Bと下限水位スイッッチ30Bと、から構成されている。このフロートスイッチ24Bは、フロート27Bが蓋部4の裏側に垂れ下がるように取り付けられている。そして、この上限水位スイッチ29Bは、フロート27Bが満水状態にある貯湯タンク3に浮遊するとき、フロート27Bが一端に設けられた支持棒26の他端側に押圧されて動作し、また下限水位スイッチ30Bは、フロート27Bが清水の補給を必要と水位にある貯湯タンク3に浮遊するとき、同様に支持棒26の他端側に押圧されて動作するように構成されている。すなわち、上限水位スイッチ29Bは満水位の上限水位WHを、下限水位スイッチ30Bは清水の補給を必要とする下限水位WLをそれぞれ検知するように機能する。
【0016】
また、図4に示すように、この液体貯留装置1Bの制御手段40Bは、装置全体を制御する主制御部(液体供給制御手段)41Bを備え、主制御部41Bは制御プログラム等を記憶する不揮発メモリ部42aと、設定データ、運転履歴等の種々のデータを記憶する揮発メモリ部42bと、時間を計時する時計部43と、を備えている。そして、この主制御部41Bには、貯湯タンク3内の湯を加熱するヒータ10の駆動、制御を行う加熱制御部46と、給水口15から貯湯タンク3に清水を供給するとき開く給水弁16と、貯湯タンク3内の湯を湯吐出口20を介して吐出するとき動作する湯ポンプ21と、貯湯タンク3B内の上限水位を検知する上限水位スイッチ29Bと、貯湯タンク3B内の下限水位を検知する下限水位スイッチ30Bと、各種の設定入力や履歴表示の操作を行う設定入力装置47等が接続されている。
次に、このように構成される第二の実施形態の液体貯留装置1Bの動作について説明する。先ず初めに、給水弁16が開かれて、給水口15から貯湯タンク3Bに清水の供給が開始される。そして、貯湯タンク3の水位が上昇し、それに伴ってフロートスイッチ24Bのフロート27Bが上昇移動し、その水位が上限水位WHに達したことが上限水位スイッチ29Bの作動により検知されると、その後に給水弁16が閉じられて給水口15からの給水が停止される。
【0017】
この際に、上限水位スイッチ29Bが作動すると、主制御部41Bは、第一の実施形態の液体貯留装置1Aと同様に、その時計部43の計時を開始し、所定の遅延時間が経過したとき給水弁16を閉じて給水を停止する。ここで、この所定の遅延時間は、給水弁16が開かれて給水口15から貯湯タンク3に清水が供給される都度に変化するように設定され、これにより貯湯タンク3内に貯留される湯の量をその都度に変更し、その水位を変化させるように制御される。すなわち、これにより貯湯タンク3への給水の都度に水面の位置が上下に変化するように制御される。
そしてこの給水の後、例えば、湯ポンプ21が駆動されて、貯湯タンク3内の湯が湯吐出口20からミキシングボールやコーヒーブリュアに供給されると、貯湯タンク3Bの水位が次第に低下する。そして、フロートスイッチ24Bのフロート27Bが下方に移動し、その水位が下限水位WLに到達したことが下限水位スイッチ30Bにより検知されると、給水口15側の給水弁16が開いて清水の供給が開始される。そして、その水位が上限水位WHに達したことが上限水位スイッチ29Bの作動により検知されると上述の動作と同様に給水が停止される。なお、上限水位スイッチ29Bが作動してから、給水弁16が閉じられるまでの遅延時間は、給水の都度に変更するのではなく、貯湯タンク3B内の湯を取り替えた時刻を基準として、その後の経過時間に応じて変更されるようにしても当然よい。
【0018】
以上のように、本発明の第二の実施形態に係る液体貯留装置1によれば、貯湯タンク3に清水を補給するとき、その内部に貯留される湯の量を変化させることによって、給水時の貯湯タンク3内の水位を容易に変化させることができるから、例えばフロートスイッチ24Bのフロート27B表面や貯湯タンク3Bの内壁に、水面付近で付着する湯の残留物質の付着位置を変化させることができる。すなわち、第一の実施形態の液体貯留装置1Aと同様に、同一箇所に湯の残留物質が堆積されて盛り上がることが防止されるから、湯の残留物質が、フロート27B表面や貯水タンク3Bの内壁等の一定箇所(特定の吃水線等)に集中して堆積し固着することがなくなるから、その清掃を容易にすることができる。
なお、本発明は、言うまでもなく本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。例えば、給水弁16を閉じて給水を停止するときに、時計部43により計時が開始される遅延時間の起算を、上限リードスイッチ29A又は上限水位スイッチ29Bが動作するときではなく、下限リードスイッチ30A又は下限水位スイッチ30Bが動作するときとしても良い。そうすれば、上限リードスイッチ29A又は上限水位スイッチ29Bを削除することも可能であるから、コストを安くすることもできる。また、フロートスイッチ24A,24Bや貯湯タンク3等の形状や配置構成等は、本発明を実施する液体貯留装置の態様、構成に応じて適宜に設定されるものである。
【符号の説明】
【0019】
1A (第一の実施形態に係わる)液体貯留装置
1B (第二の実施形態に係わる)液体貯留装置
3 貯湯タンク(液体貯留タンク)
15 給水口
16 給水弁(液体供給手段)
18 排水弁
21 湯ポンプ
24A (第一の実施形態に係わる)フロートスイッチ
24B (第二の実施形態に係わる)フロートスイッチ
27A (第一の実施形態に係わる)フロート
27B (第二の実施形態に係わる)フロート
29A 上限リードスイッチ
29B 上限水位スイッチ
30A 下限リードスイッチ
30B 下限水位スイッチ
41A (第一の実施形態に係わる)主制御部(液体供給制御手段)
41B (第二の実施形態に係わる)主制御部(液体供給制御手段)
43 時計部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯留される液体貯留タンクと、前記液体貯留タンク内の液位を検知するフロートスイッチと、前記液体貯留タンクに液体を供給する液体供給手段と、前記フロートスイッチの液位の検知結果に基づいて前記液体貯留タンクへの液体の供給を制御する液体供給制御手段と、を備えた液体貯留装置において、前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を可変とすることを特徴とする液体貯留装置。
【請求項2】
前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するまでの遅延時間を制御することにより、前記液体貯留タンクに供給される液体の量を可変することを特徴とする請求項1に記載の液体貯留装置。
【請求項3】
前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を、その都度に変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体貯留装置。
【請求項4】
前記前記液体供給制御手段は、前記液体貯留タンクに液体を供給するとき前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから液体の供給を停止するものであって、前記フロートスイッチが所定の液位を検知してから前記液体貯留タンクに供給される液体の量を、所定の経過時間に応じて変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体貯留装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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