説明

液体貯蔵容器

【課題】バリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐える液体貯蔵容器の提供。
【解決手段】容器本体2及び蓋3、4を有する液体貯蔵容器であって、容器本体はその内側表面に本体側フッ化処理層2bを有し、蓋はその内側表面に内蓋側フッ化処理層3bを有し、蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、液体貯蔵容器とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵容器、特にバリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐える液体貯蔵容器に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性の液体、特に催涙性を伴う揮発性液体、刺激臭を有する揮発性液体を貯蔵する容器は、貯蔵、保管、及び/又は輸送の際に、バリヤ性及び/又はシール性が求められる。
例えば、このような液体として、クロルピクリン又は該クロルピクリンを含有する農薬などを挙げることができる。この薬剤を保管又は輸送する容器として、特許文献1は、金属容器内側をフェノール樹脂を塗布して被覆した容器を開示する。また、特許文献2は、内側から順にガスバリヤ性の高い樹脂へと変化する多層構造を有する容器を開示する。さらに、特許文献3は、高ニトリル樹脂を延伸ブロー成形した容器の口部に高ニトリルフィルムが接する様にヒートシールした容器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−20204号公報。
【特許文献2】特開2004−83549号公報。
【特許文献3】特開2000−229665号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2は、容器本体についてのバリヤ性及び/又はシール性は向上するが、蓋についての言及がなく、蓋の部分から揮発性液体が漏れ出すおそれがある。一方、特許文献3は、蓋の部分からの揮発性液体の漏れ出すことを抑える技術を開示するが、ヒートシール部は一旦開封されると破損するため、使用・保管を数度に亘って繰り返す際には、全く用を為さなくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、バリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐える液体貯蔵容器を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記容器の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記容器による液体の保管方法及び/又は輸送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、次の発明を見出した。
<1> 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器。
【0007】
<2> 上記<1>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<3> 上記<2>において、外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
【0008】
<4> 上記<1>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<5> 上記<4>において、内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
【0009】
<6> 上記<5>において、内蓋側フッ化処理層は、内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
【0010】
<7> 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器の製造方法であって、
a)容器本体の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に本体側フッ化処理層を設ける工程;
b)蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に蓋側フッ化処理層を設ける工程;
を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb)工程を行う、上記方法。
【0011】
<8> 上記<7>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
b)工程が、b’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;であり、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb’)工程を行うのがよい。
<9> 上記<8>において、さらにc)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;を有するのがよい。
【0012】
<10> 上記<7>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
b)工程が、b”)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;であり、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb”)工程を行うのがよい。
<11> 上記<10>において、さらにc’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;を有するのがよい。
【0013】
<12> 上記<11>において、内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記c’)工程、並びに/もしくは上記a)工程及び/又はb”)工程を行うのがよい。
【0014】
<13> 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、液体を入れて蓋をして輸送する、液体の輸送方法。
【0015】
<14> 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、液体を入れて蓋をして保管する、液体の保管方法。
【0016】
<15> 上記<13>又は<14>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<16> 上記<15>において、外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
【0017】
<17> 上記<13>又は<14>において、蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<18> 上記<17>において、内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
【0018】
<19> 上記<18>において、内蓋側フッ化処理層は、内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、バリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐える液体貯蔵容器を提供することができる。
また、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記容器の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記容器による液体の保管方法及び/又は輸送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願の液体貯蔵容器を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本願は、容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器を提供する。
以下、個々について説明する。
【0022】
本発明の液体貯蔵容器の容器本体は、用いる液体に依存するが、一般に、いかなる材質であってもよい。ただし、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)等(以下、ポリエチレンについて単に「PE」と略記する場合がある))、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVOH)、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等であるのが好ましい。また、PA/AD(接着性ポリオレフィン)/PE多層容器、HDPE/AD/EVOH/AD/HDPE多層容器、HDPE/AD/PA/AD/HDPE多層容器、HDPE/AD/EVOH/AD/RC(リサイクル層)/HDPE多層容器、PP/AD/EVOH/AD/RC/PP多層容器等様々な組合せにより成形された多層容器であるのが好ましい。
容器本体の形状は、蓋、特に内蓋及び外蓋が設けられる形状であれば、その形状は問わない。
【0023】
容器本体は、その内側表面、即ち容器に液体が入り該液体が容器と接触する表面に、本体側フッ化処理層を有する。該本体側フッ化処理層は、その製法により、容器本体の材質に依存する場合、依存しない場合の双方がある。例えば、製法により、本体側フッ化処理層が容器本体の材質に依存する場合、該本体側フッ化処理層として、容器本体の表面層をフッ素ガスなどで改質して得られる層を挙げることができる。この場合、例えば、容器本体がPPSの場合、該PPSの表面層の全体又は表面層の一部がフッ化処理により改質した層が、本体側フッ化処理層に相当する。
また、その製法により、容器本体の材質に依存しない本体側フッ化処理層として、フッ化ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、該フッ化ポリマーを含む化合物、フッ素加工ポリエチレンを含む化合物などを容器本体の表面に積層して得られるものを挙げることができる。
【0024】
本体側フッ化処理層に関して、蓋、特に内蓋及び/又は外蓋とのシール性の点から、蓋、特に内蓋及び/又は外蓋を容器本体に設置した際に、蓋、特に内蓋及び/又は外蓋と本体容器とが接する箇所にフッ化処理層を有するのがよいが、それに留まらず、容器本体の内側表面全体に本体側フッ化処理層を有するのがよい。また、容器本体の外側表面にもフッ化処理層を有するのが好ましく、特に、外蓋の内側表面に外蓋側フッ化処理層を有する場合、容器本体は、外蓋と接触する開口部の外側に、フッ化処理層を有するのがよい。さらに、容器本体の外側表面全体にもフッ化処理層を有するのが好ましい。
容器本体の外側表面のフッ化処理層は、内側表面の本体側フッ化処理層と同じであっても異なってもよく、同じである方が製造コストの点から好ましい。
【0025】
本発明の液体貯蔵容器の蓋は、容器本体の開口部に蓋をする形状であれば、どのような形状であってもよい。
蓋は、好ましくは内蓋及び外蓋を有するのがよい。これらの内蓋及び外蓋も、容器本体の開口部に蓋をする形状であれば、どのような形状であってもよい。
例えば、図1は、本願の液体貯蔵容器を模式的に示す図であるが、図1(a)に示すように、内蓋は、内蓋3のような形状であっても、他の形状であってもよい。なお、図1(a)及び(b)において、容器本体2と外蓋4とは、相互に螺合するように、それぞれにネジ6及びネジ7が設けられる。また、容器本体2は、上述のように、及び図1(b)に示すように、容器本体の2aの層の内側表面に、本体側フッ化処理層2bを設けてなる。なお、外蓋の内側表面に外蓋側フッ化処理層を有する場合、容器本体は、ネジ6の外側にフッ化処理層を有する(この場合は図示していない)のが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点で、よい。
【0026】
蓋の材質は、用いる容器本体の材質、用いる液体などに依存するが、一般に、いかなる材質であってもよい。ただし、PE(HDPE、LDPE、LLDPE、MDPE等)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、フッ素樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、接着性ポリオレフィン、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ゴム、フッ素ゴム等であるのが好ましい。
【0027】
蓋は、上述のように、内蓋及び外蓋を有するのがよい。この場合、内蓋の材質は、用いる容器本体の材質、用いる液体などに依存するが、一般に、いかなる材質であってもよい。ただし、PE(HDPE、LDPE、LLDPE、MDPE等)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、フッ素樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、接着性ポリオレフィン、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ゴム、フッ素ゴム等であるのが好ましい。
【0028】
本発明の液体貯蔵容器が、内蓋及び外蓋を有する場合、該外蓋は、上記容器本体と螺合することができるのであれば、その構造、材質は問わない。例えば、外蓋の材質として、金属、PE、ポリプロピレンなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
なお、後に詳述するが、外蓋も、その内側、即ち内蓋設置側にフッ化処理層を有するのが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点で好ましい。また、その外側にもフッ化処理層を有するのが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点でより好ましい。
【0029】
蓋は、その内側表面、即ち容器に液体が入り該液体が蓋と接触し得る表面に、蓋側フッ化処理層を有する。なお、蓋が、上述のように、内蓋及び外蓋を有する場合、内蓋が、その内側表面、即ち容器に液体が入り該液体が内蓋と接触し得る表面に、内蓋側フッ化処理層を有するか、及び/又は、外蓋が、その内側表面、即ち内蓋側の表面に、外蓋側フッ化処理層を有するのがよい。なお、内蓋側フッ化処理層及び外蓋側フッ化処理層は、本体側フッ化処理層と同じであっても異なってもよい。また、内蓋側フッ化処理層と外蓋側フッ化処理層とは、同じであっても異なってもよい。
図1(b)において、内蓋の層3aの内側表面、即ち容器に液体が入り該液体が内蓋と接触し得る表面に、内蓋側フッ化処理層3bが設けられる。
【0030】
蓋側フッ化処理層、もしくは内蓋側フッ化処理層又は外蓋側フッ化処理層は、その製法により、蓋、内蓋又は外蓋の材質に依存する場合、依存しない場合の双方がある。例えば、製法により、蓋側フッ化処理層、もしくは内蓋側フッ化処理層又は外蓋側フッ化処理層が蓋、内蓋又は外蓋の材質に依存する場合、該蓋側(もしくは内蓋側又は外蓋側)フッ化処理層として、蓋、内蓋又は外蓋の表面層をフッ素ガスなどで改質して得られる層を挙げることができる。この場合、例えば、蓋、内蓋又は外蓋がPPSの場合、該PPSの表面層の全体又は表面層の一部がフッ化処理により改質した層が、蓋側(もしくは内蓋側又は外蓋側)フッ化処理層に相当する。
また、その製法により、蓋、内蓋又は外蓋の材質に依存しない蓋側(もしくは内蓋側又は外蓋側)フッ化処理層として、フッ化ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、該フッ化ポリマーを含む化合物、フッ素加工ポリエチレンを含む化合物などを容器本体の表面に積層して得られるものを挙げることができる。
【0031】
蓋側フッ化処理層と本体側フッ化処理層とは、そのフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A(蓋側フッ化処理層の表面分析値)及びB(本体側フッ化処理層の表面分析値)の比A/Bが、0.6を越えて1未満であることを要する。好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。A/Bが上記範囲にあることにより、液体貯蔵容器、特にバリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐えることができる。
なお、蓋が、上述のように、内蓋及び外蓋を有する場合、内蓋側フッ化処理層表面分析値A’とB(本体側フッ化処理層の表面分析値)の比A’/Bが、0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
また、外蓋が外蓋側フッ化処理層を有する場合、外蓋側フッ化処理層表面分析値A”とB(本体側フッ化処理層の表面分析値)の比A”/Bが、0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
【0032】
ここで、蓋側フッ化処理層、特に内蓋側フッ化処理層、外蓋側フッ化処理層、及び本体側フッ化処理層についての、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による測定方法について詳述する。
本体内側から5mm角切り出し、全反射測定法(Attenuated Total Reflection、ATR法)で測定を行った。また、蓋、特に内蓋又は外蓋については、蓋(もしくは内蓋又は外蓋)の内側中央部分から5mm角切り出し、ATR法で測定を行った。
【0033】
本発明の液体貯蔵容器は、蓋と本体とを、特に外蓋と容器本体とを、もしくは、内蓋と容器本体とをヒートシールしているわけではないため、本発明の液体貯蔵容器を開封し、容器内の液体を使用した後に、再度、保管した場合であっても、開封前と同様なシール性及び/又はバリヤ性を奏することができる。
【0034】
本発明の液体貯蔵容器は、すべての液体を貯蔵することができるが、特に揮発性を有する液体を貯蔵する点で、その効果を奏する。揮発性を有する液体として、上述のクロルピクリン、該クロルピクリンを含有する農薬の他、2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−6−ジエチルチオホスフェイト、トリフルラリン、エトフェンプロックス、ジノテフラン、レピメクチン、ミルベメクチン、ペンチオピラド、ヒドロキシイソキサゾール、シメコナゾール、フルスルファミド、及びピラゾレート等からなるA群から選ばれる成分、もしくはA群から選ばれる成分を少なくとも1種含有する農薬、ガソリン、軽油などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0035】
本願は、上述の液体貯蔵容器の製造方法も提供する。
該製造方法は、
a)容器本体の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に本体側フッ化処理層を設ける工程;
b)蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に蓋側フッ化処理層を設ける工程;
を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb)工程を行う。
【0036】
また、蓋が、内蓋及び外蓋を有する場合、上記b)工程に代えて、
b’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;を設けるのがよく、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb’)工程を行うのがよい。
【0037】
さらに、蓋が、内蓋及び外蓋を有する場合、上記b)工程に代えて、
b”)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;を設けるのがよい、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb”)工程を行うのがよい。
なお、本方法は、上記以外の工程を有してもよい。
【0038】
容器本体、蓋、特に内蓋及び外蓋、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による測定については、上述と同じである。
a)工程及び/又はb)工程(もしくはb’)工程及び/又はb”)工程)におけるフッ化処理は、従来より公知のフッ化処理を行うことができる。例えば、バッチ式処理、インライン式処理等を挙げることができる。
【0039】
工程a)及びb)(又はb)工程に代えてb’)工程及び/又はb”)工程)は、一つの工程で行ってもよい。ただし、容器本体の材質と蓋(内蓋及び/又は外蓋)の材質が同じ場合、双方を一つの工程でフッ化処理すると、双方共に同程度にフッ化処理されるため、A/B(もしくはA’/B又はA”/B)の値が1となり、上述の範囲外になるため、好ましくない。
【0040】
本願は、上述の液体貯蔵容器を用いた液体の保管方法及び/又は輸送方法も提供する。
該方法は、液体を上述の液体貯蔵容器に入れ、保管及び/又は輸送する方法である。これにより、例えば催涙性を有する揮発性液体であっても、安全に保管及び/又は輸送することができる。また、本発明の液体貯蔵容器は、バリヤ性及び/又はシール性について、繰り返し使用に耐えることができるため、たとえ一度開封したとしても、安全に保管及び/又は輸送することができる。
【0041】
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
液体貯蔵のための容器本体(ポリエチレン製、容量:500L)A1を準備した。該容器本体は、内径約18mmの開口部を有し、該開口部に設置可能な外蓋B1(ポリエチレン製)及び内蓋C1(低密度ポリエチレン製)もあわせて準備した。
フッ化処理専用チャンバ(以下、単に「チャンバ」と略記する)内に、容器本体A1と内蓋C1を静置し、チャンバ内を真空後、窒素とフッ素ガスとの混合ガスを導入し、所定時間、容器本体A1の表面全体及び内蓋C1の表面全体をフッ化処理し、フッ化処理した容器本体A1−F1と内蓋C1−F1を得た。
【0043】
<フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による測定>
フッ化処理済み容器本体A1−F1とフッ化処理済み内蓋C1−F1とについて、その表面をFT−IRによりフッ化処理レベルを測定した。
その結果、内蓋C1−F1の表面の1196cm−1での表面分析値は、0.105である一方、容器本体A1−F1の表面の1204cm−1での表面分析値は0.125であった。また、その比は0.84であった。
【0044】
<バリヤ性測定>
フッ化処理済み容器本体A1−F1にクロルピクリン500mLを入れ、フッ化処理済み内蓋C1−F1をし、その後、外蓋B1をすることによりシールした。
クロルピクリン透過量は、40℃保存中の累積透過量と日数とのグラフにおいて、連続5点プロットを結んだ際、直線が見られ、その直線の相関係数が0.95以上になった時点で測定を行った。その結果、クロルピクリン透過量は、0.098g/m/日であった。
【0045】
(比較例1)
実施例1と同じ容器本体A1、外蓋B1及び内蓋C1を準備した。フッ化処理しない容器本体A1にクロルピクリン500mLを入れ、フッ化処理しない内蓋C1をし、その後、外蓋B1をすることによりシールし、実施例1と同様に、クロルピクリン透過量を測定したところ、10.98g/m/日であった。実施例1と比較例1との結果から、フッ化処理により、クロルピクリン透過量が格段に減ること、即ちバリヤ性及び/又はシール性が格段に向上することがわかった。
【実施例2】
【0046】
実施例1とは、フッ化処理条件を代えた以外、実施例1と同様な方法により、フッ化処理済み容器本体A1−F2及び内蓋C1−F2を得た。
内蓋C1−F2の表面の、FT−IRによる1200cm−1での表面分析値は、0.08である一方、容器本体A1−F2の表面の、FT−IRによる1203cm−1での表面分析値は0.125であり、その比は0.64であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、0.147g/m/日であり、十分に満足する値であった。
【0047】
(比較例2)
内蓋として、ポリエチレン製の内蓋C2を用いた以外、実施例1と同様に、容器本体A1及び内蓋C2をフッ化処理し、フッ化処理済み容器本体A1−F3及び内蓋C2−F3を得た。
内蓋C2−F3の表面の、FT−IRによる1198cm−1での表面分析値は、0.188である一方、容器本体A1−F3の表面の、FT−IRによる1203cm−1での表面分析値は0.125であった。また、その比は1.5であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、4.8g/m/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではなかった。
【0048】
(比較例3)
実施例1とフッ化処理条件を代えた以外、実施例1と同様に、フッ化処理した容器本体A1−F4と内蓋C1−F4を得た。
内蓋C1−F4の表面の、FT−IRによる1201cm−1での表面分析値は、0.029である一方、容器本体A1−F4の表面の、FT−IRによる1200cm−1での表面分析値は0.073であった。また、その比は0.4であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、6.0g/m/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではなかった。
【0049】
(比較例4)
特許文献3に開示される内容に基づいて、容器口部にヒートシールを有する容器(以下、「特許文献3の容器」と略記する)を調製した。この特許文献3の容器について、ヒートシールを剥がす前の透過量を、実施例1と同様に測定したところ、0.06g/m/日であり、十分に満足する値であった。しかし、この特許文献3の容器について、ヒートシールを剥がし保管をした後、透過量を実施例1と同様に測定したところ、5.2g/m/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではないことが分かった。
一方、実施例1において、内容物であるクロルピクリンを内容量500mLから250mLまで使用した後、再度、蓋を閉め、実施例1と同様に、透過量を測定したところ、0.102g/m/日であった。この透過量は、液体貯蔵容器としては十分に満足する値であった。また、透過量0.102g/m/日は、実施例1での値(0.098g/m/日)からは増えているが、繰り返し使用によっても、本実施例の液体貯蔵容器は、十分なバリヤ性及び/又はシール性を有することがわかる。
【実施例3】
【0050】
実施例1と同じ容器本体A1、外蓋B1及び内蓋C1を準備した。
実施例1において、内蓋C1の代わりに外蓋B1をフッ化処理した以外、実施例1と同様に、フッ化処理済み容器本体A1−F5及び外蓋B1−F5を得た。なお、内蓋は、上述のように、フッ化処理せず、そのまま用いた。
外蓋B1−F5の表面の、FT−IRによる1205cm−1での表面分析値は、0.119である一方、容器本体A1−F5の表面の、FT−IRによる1202cm−1での表面分析値は0.122であった。また、その比は0.98であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、1.04g/m/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては満足する値であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器。
【請求項2】
前記蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
前記内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
前記内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満である請求項1記載の液体貯蔵容器。
【請求項3】
前記蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
前記外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
前記外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満である請求項1又は2記載の液体貯蔵容器。
【請求項4】
容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、
液体を入れて前記蓋をして輸送する、液体の輸送方法。
【請求項5】
容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、
液体を入れて前記蓋をして保管する、液体の保管方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−96823(P2012−96823A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244991(P2010−244991)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000132932)株式会社タカギセイコー (29)
【Fターム(参考)】