説明

液処理装置、液処理方法、プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】複数の液体を混合してなる混合液を用いる液処理装置における混合液の濃度について、大きなコストをかけることなく、よりワイドレンジな調整を実現すること。
【解決手段】液処理装置10は、主配管20と、主配管に接続された液供給機構40と、主配管から分岐する複数の分岐管25と、各分岐管に接続された複数の処理ユニット50と、を有する。液供給機構40は、主配管上に設けられた混合器43と、第1液源からの第1液を前記混合器へ供給する第1液供給管41bと、第2液源からの第2液を前記混合器へ供給する第2液供給管42bと、を有する。第2液供給管42bに流量調整バルブ42dが設けられると共に、主配管20を液供給機構40に対して他側から開閉し得る主開閉機構22が設けられている。前記混合比に基づいて流量調整バルブ42dと主開閉機構22とが制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液を用いて被処理体を処理する液処理装置および液処理方法に関する。また、本発明は、液を用いて被処理体を処理する液処理方法を実行するためのプログラム、並びに、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる複数の液体を混合してなる混合液を用いた被処理体の処理、例えば、半導体ウエハ(以下において、単にウエハと呼ぶ)や硝子基板に対する洗浄処理が、実施されてきた。ウエハや硝子基板等の被処理体に対して液体を用いて処理を行う液処理装置には、通常、処理チャンバーを形成する処理ユニットが複数設けられ、各処理ユニット内で被処理体が順次処理されていくようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−204201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された液処理装置では、異なる液を混合して供給する液供給機構が、各処理ユニットに対して別個に割り当てられている。この種の液処理装置においては、各処理ユニットでの液体の消費に合わせて、液が対応する液供給機構から当該処理ユニットへ供給されるようになっている。しかしながら、このような液処理装置においては、複数の液供給機構から供給される混合液の濃度がばらつき、異なる処理ユニットで処理された被処理体間で処理の程度がばらついてしまう。また、液処理装置の構成および液処理装置の制御が複雑化してしまう。
【0005】
また、混合液の濃度について、大きなコストをかけることなく、よりワイドレンジな調整を実現することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主配管と、前記主配管上に設けられた混合器と、第1液源からの第1液を前記混合器へ供給する第1液供給管と、第2液源からの第2液を前記混合器へ供給する第2液供給管と、を有し、前記第1液と前記第2液とを前記混合器で所定の混合比となるよう混合してなる混合液を、前記主配管に一側から供給する液供給機構と、前記主配管に設けられ、前記主配管を前記液供給機構に対する他側において開閉し得る主開閉機構と、前記液供給機構と前記主開閉機構との間の区間において前記主配管からそれぞれ分岐するように設けられた複数の分岐管と、各分岐管にそれぞれ対応して設けられた複数の処理ユニットであって、対応する分岐管を通じて供給される混合液を用いて被処理体を処理するように構成された、複数の処理ユニットと、を備え、前記第2液供給管には、流量調整バルブが設けられており、前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉機構とを制御する制御部が設けられていることを特徴とする液処理装置である。
【0007】
本発明によれば、一つの液供給機構から主配管に供給される混合液が、複数の処理ユニットでの被処理体の処理に用いられる。したがって、異なる処理ユニットで処理された被処理体間での処理のばらつきを低減することができる。また、所定の混合比に基づいて流量調整バルブと共に主開閉機構が制御されることによって、よりワイドレンジの混合比を実現することが可能である。
【0008】
例えば、前記主開閉機構は、互いに並列に設けられて選択的に切換利用される少なくとも2つの経路を有しており、そのうち少なくとも一方の経路には、主開閉流量調整バルブが設けられており、前記制御部は、前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉流量調整バルブとを制御するようになっている。
【0009】
より好ましくは、前記主開閉機構は、互いに並列に設けられて選択的に切換利用される少なくとも2つの経路を有しており、そのうち少なくとも一方の経路には、開閉弁と主開閉流量調整バルブとが設けられており、そのうち少なくとも他の一方の経路には、開閉弁が設けられており、前記制御部は、前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉流量調整バルブとを制御するようになっている。
【0010】
なお、前記第2液供給管には、前記第2液源が予め接続されていてよい(接続された状態で、液処理装置が出荷・販売され得る)。例えば、第2液源は、高濃度薬液である。一方、前記第1液供給管には、例えば、第1液としての水が供給され得るが、この接続(第1液源への接続)は通常、液処理装置を工場に設置する際になされる。
【0011】
また、本発明は、別個の処理ユニットへそれぞれ通じている複数の分岐管が延び出していると共に主開閉機構によって他側が開閉可能な主配管内に、第1液供給管から供給される第1液と第2液供給管から流量調整バルブを介して供給される第2液とを混合してなる混合液を、前記主配管の一側から充填する混合充填工程と、前記主配管内の混合液が各分岐管を通じて各処理ユニットへ供給され、当該混合液を用いて各処理ユニット内で被処理体の処理が実施される処理工程と、を備え、前記混合充填工程において、前記混合液における所望の混合比を得るために、前記流量調整バルブに加えて前記主開閉機構をも制御されることを特徴とする液処理方法である。
【0012】
本発明によれば、一つの液供給機構から主配管に供給される混合液が、複数の処理ユニットでの被処理体の処理に用いられる。したがって、異なる処理ユニットで処理された被処理体間での処理のばらつきを低減することができる。また、所定の混合比を得るために流量調整バルブと共に主開閉機構が制御されることによって、よりワイドレンジの混合比を実現することが可能である。
【0013】
被処理体への混合液の供給状態の均一という点では、前記処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数に依存することなく、前記主開閉機構による前記主配管の開放流量が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御されることが好ましい。あるいは、前記処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数に依存することなく、前記主配管内の圧力が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御されることが好ましい。これらのような条件が満たされる場合には、混合液の圧力変動が抑制されるため、混合液の圧力変動に起因する被処理体の処理のばらつきが防止される。
【0014】
本発明の一態様によるプログラムは、液処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、前記制御装置によって実行されることにより、上述した本発明の一態様による液処理方法のいずれかを、液処理装置に実施させる。
【0015】
本発明の一態様による記録媒体は、液処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、上述した本発明の一態様による液処理方法のいずれかを、液処理装置に実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態による液処理装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1の液処理装置における主開閉機構の一構成例を示す概略図である。
【図3】図3は、図1の液処理装置を用いて実施され得る被処理体への液処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、液処理装置の一変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0018】
なお、以下の実施の形態においては、本発明を、半導体ウエハ(被処理体の一例)の洗浄処理、とりわけ薬液を用いた処理(薬液処理)に適用した例を示している。しかしながら、本発明は、少なくとも本願出願の時点では、ウエハの洗浄処理への適用に限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、液処理装置10は、主配管20と、主配管20の一側に接続され主配管20に混合液を供給する液供給機構40と、主配管20の他側に設けられた主開閉機構22と、主配管20から分岐した複数の分岐管25と、を有している。複数の分岐管25のそれぞれに対応して処理ユニット50が設けられている。各分岐管25には、分岐管25を開閉する分岐管用開閉弁27が設けられている。また、液処理装置10は、液処理装置10の各構成要素の動作等を制御する制御装置12を有している。以下、各構成要素について、順に、説明していく。
【0020】
まず、液供給機構40について説明する。液供給機構40は、主配管20および分岐管25を介し、多数の処理ユニット50の各々へ、ウエハ(被処理体)Wの処理に用いられる混合液を供給する。本実施の形態において、液供給機構40は、ウエハ(被処理体)Wの薬液処理に用いられる薬液を主配管20内に供給するように構成されている。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態において、液供給機構40は、主配管20の一側に設けられた混合器43(本例では、混合バルブ)と、第1液を供給する第1液供給管41bと、第1液とは異なる第2液を供給するための第2液タンク42a(第2液源の一例)と、を有している。第1液供給管41bは、混合器43と第1液源41aとの間を延びている。第2液タンク42aと混合器43との間に第2液供給管42bが設けられ、第2液供給管42bを介して第2液タンク42aから混合器43に第2液が供給されるようになっている。混合器43は、第1液供給管41bと、第2液供給管42bと、の合流部をなす部材である。第1液源41aからの第1液および第2液タンク42aからの第2液は、混合器43において、合流して混ざり合い、これにより、第1液と第2液とを混合してなる混合液が得られるようになる。なお、混合器43は、第1液と第2液とを積極的に混合する機能を有する部材から構成され得る。ただし、これに限られず、混合器43は、専ら第1液および第2液の合流前の各液流に起因して第1液および第2液が混合されるようになる部材(例えば、T字状の継ぎ手であるチーズ)から構成されてもよい。
【0022】
本実施の形態においては、水、とりわけ純水が、第1液源41aから第1液として供給され、高濃度薬液が、第2液タンク42aから第2液として供給される。液供給機構40は、第1液供給管41bからの水と第2液タンク42aからの高濃度薬液とを混合して、所望の濃度に調節した薬液としての混合液を主配管20内に供給することができるようになっている。なお、第2液タンク42aから供給される高濃度薬液(第2液)として、ウエハWを洗浄処理するために用いられ得る種々の薬液を採用することができる。例えば、第2液タンク42aから、希フッ酸、アンモニア過水(SC1)、または、塩酸過水(SC2)が供給されるようにしてもよい。また、第1液源41aは、処理装置10が設置される場所に設備された水源、例えば工場の用力であってもよい。
【0023】
ところで、液供給機構40は、主開閉機構22によって主配管20の他側が所定の流量だけ開放されている場合であっても、主配管20に接続された複数の処理ユニット50のすべてへ同時に供給し得る圧力で、混合比を調節された混合液を、主配管20内へ供給するように、構成されている。
【0024】
図示する例では、液供給機構40の第1液供給管41b上に定圧弁41cが介設されている。定圧弁41cには、加圧用の圧縮空気源41dと電空レギュレータ41e(例えば、製品名:HLレギュレータ942N)が接続されていて、定圧弁41cを所望に作動させるようになっている。また、定圧弁41cを適切に作動させるべく、電空レギュレータ41eに圧力センサ41fが設けられていて、その検出圧力を電空レギュレータ41eの制御のために制御装置12にフィードバックするようになっている。すなわち、電空レギュレータ41eの制御(定圧弁41cの制御)についても、制御装置12が担うようになっている。このような構成により、第1液源から提供される第1液は、主開閉機構22によって主配管20の他側が所定の流量だけ開放されている場合であっても、主配管20に接続された複数の処理ユニット50のすべて(正確には、処理中(混合液消費中)の処理ユニット50のすべて)へ同時に供給され得る圧力で、第1液供給管41bを介して主配管20へと供給され得るようになっている。なお、図1中、41mは流量計であり、41gは開閉弁である。開閉弁41gは、流体圧駆動により開閉動作を駆動され得る弁、例えば空気圧で開閉動作を駆動されるエアオペバルブから、構成されている。
【0025】
一方、第2液供給管42bには、流量計42mおよび流量調整バルブ42dが介設されている。更に、流量調整バルブ42dに対して直列的に、開閉弁42gが設けられている。開閉弁42gの開閉制御は、制御装置12が担うようになっている。
【0026】
また、流量調整バルブ42dの制御も、制御装置12が担うようになっている。具体的には、流量計41mによる第1液の通過流量の測定値と流量計42mによる第2液の通過流量の測定値とをフィードバック情報として利用しながら、制御装置12が、所望の混合比を実現するように、流量調整バルブ42dを制御するようになっている。
【0027】
第2液タンク42aは、ウエハWを処理している(混合液を消費している)処理ユニット50の数に応じた量(さらに、主開閉機構22から廃棄される分も考慮される(詳細は後述される))の第2液を、混合器43を介して主配管20に供給するように構成されている。具体的には、第2液タンク42aは、第2液を加圧するために設けられた窒素ガス源42kからの加圧を受けて、第2液を混合器43に向けて送り込むようになっている。
【0028】
窒素ガス源42kからの加圧力は、不図示の電空レギュレータによって制御されてもよい。その場合、当該電空レギュレータの制御によって、窒素ガス源42kからの加圧力が制御され、結果的に、第2液の第2液タンク42aからの送出流量が制御されることとなる。例えば、第2液タンク42aに、加圧用の窒素ガス源42kと電空レギュレータ(例えば、製品名:HLレギュレータ942N)が接続されて、第2液タンク42a内の第2液を所望に加圧できるようになっていてもよい。また、第2液の加圧の程度(送出力の程度)を適切に調整するべく、電空レギュレータに圧力センサが設けられて、その検出圧力を電空レギュレータの制御のために制御装置12にフィードバックするようになっていてもよい。すなわち、電空レギュレータの制御についても、制御装置12が担ってよい。
【0029】
第2液の液量は、主配管20に接続された処理ユニット50のうちの主配管20内の液を消費してウエハWを処理している処理ユニット50の数に応じて、更には、当該処理工程時に主開閉機構22から廃棄される液量に応じて、所望の混合比に基づいて決定される。当該液量の第2液が主配管20に供給されるように、制御装置12によって、流量調整バルブ42dの通流量が制御される。
【0030】
具体的には、例えば、第1液の量=単位時間当たりの混合液供給量(混合液消費ユニット数×単位ユニット当たりの単位時間当たりの混合液消費量+主開閉機構22からの単位時間当たりの廃液量)、第2液の量=流量調整バルブ42dの単位時間当たりの通流量、として混合比が調整される。(第1液の量の方が第2液の量よりも圧倒的に多いので、このように、混合液の量(=第1液の量+第2液の量)と第1液の量とは区別しないのが通常である。)なお、主開閉機構22からの単位時間当たりの廃液量は、本実施の形態では、後述する主開閉流量調整バルブ22bによって調整可能となっている。
【0031】
以上のような制御により、主開閉機構22によって主配管20の他側が所定の流量だけ開放されている場合であっても、液供給機構40は、主配管20内を、所定の濃度の混合液によって、所定の圧力に維持することができる。
【0032】
次に、主配管20および主開閉機構22について説明する。主配管20は一側において、上述したように、液供給機構40に接続されている。そして、主配管20は、液供給機構40が接続された一側とは反対側にあたる他側において、廃棄ラインに通じている。すなわち、主開閉機構22は、主配管20の液供給機構40に対して他側に取り付けられている。主開閉機構22の開閉動作は、制御装置12によって、制御されるようになっている。
【0033】
本実施の形態の主開閉機構22は、図2に示すように、互いに並列に設けられて選択的に切換利用される2つの経路を有している。一方の経路には、開閉弁22cと主開閉流量調整バルブ22bとが設けられており、他方の経路には、開閉弁22aのみが設けられている。2つの経路は、開閉弁22a及び開閉弁22cの制御によって、切換利用可能である。開閉弁22a及び開閉弁22cは、それぞれ、流体圧駆動により開閉動作を駆動され得る弁、例えば空気圧で開閉動作を駆動されるエアオペバルブ、から構成されている。主開閉流量調整バルブ22bは、例えば、単位時間当たりの廃液量が500〜5000ml/min(例えば1000ml/min)となるように構成されたニードルバルブから構成されている。もっとも、ニードルバルブの代わりに、流体流量コントローラが採用されてもよい。その場合には、自動的に流量を調整できる。
【0034】
開閉弁22a及び開閉弁22cの各々の開閉制御は、制御装置12が担うようになっている。これによって、主開閉流量調整バルブ22bの通過の有無を切り換えることができ、結果として開放流量の調整制御の有無を切り換えることができる。
【0035】
本実施の形態では、制御装置12による制御により、廃液時には、開閉弁22a及び開閉弁22cの両方が開放される。また、処理工程時には、開閉弁22aは閉鎖されるが、開閉弁22cは常時開放状態が維持される。すなわち、混合液は、開閉弁22cを介して常時廃棄される状態となる。このことによって、単位時間当たりに定圧弁41cによって供給され主配管20を通流する第1液(ここでは、水)の量が増大された状態となる。これは、廃棄される混合液が常に存在してしまうというデメリットがある一方で、単位時間当たりに廃棄される量の分だけ第2液の希釈率を増大させることができるというメリットがある。すなわち、実現できる混合比が、従来技術と比較して、極めてワイドレンジになる。
【0036】
混合比は、液処理装置の工程管理者等によって予め設定されるが、制御装置12は、当該混合比を実現するべく、流量調整バルブ42dと主開閉流量調整バルブ22bとを制御するようになっている。
【0037】
また、処理工程時において、開閉弁22cが常時開放状態に維持されることにより、各処理ユニット50における混合液の消費状態に依存して生じ得る主配管20内の圧力変動が、効果的に抑制される。
【0038】
特に、被処理体への混合液の供給状態の均一という点では、当該処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数、あるいは、各処理ユニット50における混合液の消費状態に依存することなく、前記主開閉機構による前記主配管の開放流量が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御されることが好ましい。あるいは、当該処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数、あるいは、各処理ユニット50における混合液の消費状態に依存することなく、前記主配管内の圧力が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御されることが好ましい。これらのような条件が満たされる場合には、混合液の圧力変動が極めて効果的に抑制されるため、混合液の圧力変動に起因する被処理体の処理のばらつきが極めて効果的に防止される。
【0039】
次に、分岐管25、分岐管用開閉弁27および処理ユニット50について説明する。図1に示すように、複数の分岐管25は、液供給機構40と主開閉機構22との間の区間において主配管20から延び出ている。図1に示すように、各分岐管25は、主配管20に接続している側とは反対側において、対応する処理ユニット50内へ延び入っている。各分岐管25は、主配管20に接続している側とは反対側の端部として、液を吐出する吐出開口26aを有しており、吐出開口26aは処理ユニット50内で支持部材54に支持されている。
【0040】
分岐管用開閉弁27は、上述した開閉弁22a等と同様に、流体圧駆動により開閉動作を駆動され得る弁、例えば空気圧で開閉動作を駆動されるエアオペバルブから、構成されている。そして、分岐管用開閉弁27の開閉動作は、制御装置12によって、制御されるようになっている。
【0041】
処理ユニット50は、ウエハWを保持する保持機構52と、ウエハWを処理するための処理チャンバーを画定する隔壁(図示せず)と、を有している。保持機構52は、ウエハWの表面が略水平方向に沿うようにしてウエハWを保持する。保持機構52は、円板状の形状からなるウエハWの中心を軸として、保持したウエハWを回転させることができるように、構成されている。分岐管25は隔壁の内部に延び入り、分岐管25の吐出開口26aは処理チャンバー内に配置されている。
【0042】
支持部材54は、ウエハWに対して移動可能(例えば揺動可能)に構成されている。支持部材54が移動することにより、分岐管25の吐出開口26aは、保持機構52に保持されたウエハWの略中心に上方から対面する処理位置と、ウエハWの上方の領域から横方向にずれた待機位置と、の間を移動することができる。吐出開口26aが処理位置にある場合、吐出開口26aから吐出される液体はウエハWに供給され、ウエハWは供給された液体によって処理されるようになる。一方、吐出開口26aが待機位置にある場合、吐出開口26aから吐出される液体はウエハWに供給されることはなく、例えば、廃棄されるようになる。
【0043】
また、図1に示すように、処理ユニット50は、吐出開口26aからウエハWに向けて吐出された液を回収するカップ56をさらに有している。カップ56は、処理チャンバー内に設けられ、吐出開口26aから吐出された液が処理チャンバー内で飛散することを防止する。
【0044】
ところで、上述してきたように、本実施の形態における液供給機構40は、主配管20および分岐管25を介し、処理ユニット50内のウエハWに濃度調節された薬液を混合液として供給するようになっている。そして、本実施の形態において、液処理装置10は、ウエハWの洗浄処理に必要となるその他の液、例えばリンス液を、ウエハWに供給することができるようにも構成されている。
【0045】
具体的な構成としては、図1に示すように、上述した分岐管用開閉弁27に並べられるようにして、分岐管20上にリンス液用開閉弁28が設けられている。このリンス液用開閉弁28に、図示しないリンス液源に通じるリンス液供給管31が接続されている。すなわち、図示する例では、液処理装置10の分岐管25の下流側の一部分が、リンス液の供給管としても機能する。
【0046】
さらに、分岐管用開閉弁27およびリンス液用開閉弁28に並べられるようにして、廃液用開閉弁29が設けられている。廃液用開閉弁29は廃液管32に通じている。例えば廃液用開閉弁29を開閉することによって、分岐管25の分岐管用開閉弁27よりも下流側内の液体を廃棄することができる。
【0047】
次に、制御装置12について説明する。制御装置12には、工程管理者等が液処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、液処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる入出力装置が接続されている。また、制御装置12は、液処理装置10で実行される処理を実現するためのプログラム等が記録された記録媒体13にアクセス可能となっている。記録媒体13は、ROMおよびRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMおよびフレキシブルディスク等のディスク状記録媒体等、既知のプログラム記録媒体から構成され得る。
【0048】
次に、以上のような構成からなる液処理装置10を用いて実行され得る液処理方法の一例について、説明する。以下に説明する液処理方法においては、図3に示すようにして、被処理体としてのウエハWが、一つの処理ユニット50内において、洗浄処理を施される。そして、図3に示す一連の液処理方法のうちの薬液処理工程S2において、ウエハWは、上述した液処理装置10の液供給機構40から供給される混合液を用いて、処理される。以下においては、まず、図3に示すフローチャートを参照しながら、一つの処理ユニット50内においてウエハWに対して施される液処理方法の概略を説明し、その後に、薬液処理工程S2を行うことに関連した液処理装置10の動作について説明する。
【0049】
なお、以下に説明する液処理方法を実行するための各構成要素の動作は、予めプログラム記録媒体13に格納されたプログラムに従った制御装置12からの制御信号によって、制御される。
【0050】
図3に示すように、まず、洗浄処理を施されるウエハWが、液処理装置10の各処理ユニット50内へ持ち込まれ、各処理ユニット50内で保持機構52によって保持される(図3の工程S1)。
【0051】
次に、第1液供給管41bからの水(第1液)と、第2液タンク42aからの高濃度薬液(第2液)と、の混合液が、液供給機構40から処理ユニット50内へ供給される。そして、この混合液が、各処理ユニット50へ持ち込まれたウエハWに向けて吐出され、ウエハWへの処理が施される(工程S2)。ウエハWの洗浄処理においては、例えば、希フッ酸、アンモニア過水(SC1)、塩酸過水(SC2)等の濃度調節された薬液が、液供給機構40から混合液として供給され得る。
【0052】
ここで、混合液における濃度調整は、制御装置12(制御部)からの制御信号によって流量調整バルブ42dと主開閉流量調整バルブ22bとが制御されることによって、所望に実現される。本実施の形態では、定圧弁41cを用いる一方で開閉弁22cを開放して主開閉流量調整バルブ22bを所望に制御することによって(開閉弁22aは閉じている)、第1液の送出流量が制御される一方、流量調整バルブ42dの制御によって、第2液の当該流量調整バルブ42dの通過流量が制御されることによって、極めてワイドレンジな混合比を実現することができる。例えば、主開閉機構22(開閉弁22a、22c及び主開閉流量調整バルブ22b)の制御によって第1液の送出流量を1〜2倍に制御できるならば(1倍=開閉弁22a、開閉弁22cのいずれもが閉鎖された状態)、流量調整バルブ42dだけの制御の場合と比べて、2倍だけワイドレンジな混合比を実現することができる。
【0053】
混合液(薬液)を用いたウエハWの処理が終了すると、次に、水、とりわけ純水をリンス液として用いるリンス処理がウエハWに施される(工程S3)。具体的には、リンス液供給管31およびリンス液用開閉弁28を介して、リンス液が、処理ユニット50内へ供給される。そして、リンス液が、各処理ユニット50において、混合液が残っているウエハWに向けて吐出され、ウエハW上に残留する混合液がリンス液によって置換される。
【0054】
リンス処理が終了すると、保持機構52によってウエハWを高速回転させることにより、ウエハWの乾燥処理が実施される(工程S4)。以上のようにして、一つの処理ユニット50内におけるウエハWの洗浄処理が終了し、処理が終了したウエハWが処理ユニット50から搬出される(工程S5)。
【0055】
次に、薬液処理を行うことに関連した液処理装置10の動作について説明する。
【0056】
まず、混合液(薬液)を用いてウエハWを処理する薬液処理工程S2に先立って、混合液が主配管20に充填される。主配管20への混合液の充填は、上述したウエハWを各処理ユニット50内へ搬入する工程S1の前に開始される。また、主配管20への混合液の充填は、ウエハWを各処理ユニット50内へ搬入する工程S1と並行して実施されるようにしてもよい。
【0057】
具体的には、第1液源41aから水が混合器43に供給されるとともに、第2液タンク42aから高濃度薬液が混合器43に供給される。これにより、主配管20上に設けられた混合器43において、水と高濃度薬液との混合液としての薬液が調合され、この薬液が主配管20に一側から供給されるようになる。
【0058】
この際、本実施の形態では、主開閉機構22の制御によって主配管20の他側からの廃液量が制御され、これにより、主配管20が所望の混合比の混合液によって満たされつつ常時廃棄ラインから廃液されるという状態が形成される。なお、主配管20に混合液を充填している期間中、分岐管用開閉弁27は開いていてもよいし閉じていてもよい。
【0059】
液供給機構40から混合液を主配管20に供給し始める際に、主開閉機構22の制御によって主配管20の他側が開放されていることは、背圧によって混合液が主配管20内に流れ込み難くなることを防止するという効果もある。この効果により、主配管20内に混合液を迅速且つ安定して行き渡らせることができる。
【0060】
主配管20内に供給された混合液は、分岐管用開閉弁27を開放することにより分岐管25にも流れ込み、分岐管25にも濃度調節された混合液が充填される。この際、各処理ユニット50の支持部材54を揺動させ、分岐管25の吐出開口26aを待機位置に配置しておく。これにより、主配管20から分岐管25に流れ込んだ混合液は、待機位置に配置された吐出開口26aから吐出されるようになる。
【0061】
この状態で、分岐管用開閉弁27が閉鎖すると、第1液の供給工程が終了する。すなわち、準備工程としての、主配管20に混合液を充填する工程、及び、分岐管25に混合液を充填する工程、が終了する。この状態で、主配管20から廃棄ラインへの廃液は継続したままである。
【0062】
なお、ここで説明した主配管20内および分岐管25内に混合液を充填する方法の具体例は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、分岐管用開閉弁27を開放ないし閉鎖するタイミングは、上述の例に限られない。例えば、主配管20内および分岐管25内に混合液を並行して充填するようにしてもよい。
【0063】
以上のようにして混合液が主配管20内および分岐管25内に充填され、且つ、上述したように処理ユニット50内にウエハWが搬入されると、当該処理ユニット50内においてウエハWが順次処理されていく(上述した工程S2が開始される)。
【0064】
この工程S2中、処理ユニット50内に搬入されたウエハWは、保持機構52によって保持されるとともに、保持機構52によって回転させられる。また、支持部材54は、吐出開口26aがウエハWに上方から対面する処理位置に位置するように、配置される。この状態において、分岐管用開閉弁27が開き、定圧弁41cの作用により十分な圧力に保持された混合液が主配管20から分岐管25へ流れ込む。そして、混合液が、分岐管25の吐出開口26aを介してウエハWの上面(表側の面)に吐出される。混合液は回転中のウエハWの表面上に広がり、ウエハWの表面が混合液によって処理される。
【0065】
なお、ウエハWを処理ユニット50へ搬入する際(工程S1)、ウエハWは、通常、複数の処理ユニット50のそれぞれに順に搬送されていく。したがって、各処理ユニット50へウエハWが持ち込まれるタイミングは互いに異なり、このため、処理ユニット50内での混合液を用いたウエハWの処理は、通常、液処理装置10に含まれる複数の処理ユニット50間で、一斉に開始されるものではない。ウエハWを処理する準備が整った処理ユニット50に対応する分岐岐管用開閉弁27から順次開いていき、対応する各処理ユニット50での混合液を用いたウエハWの処理が順次開始されていく。
【0066】
ところで、混合液が主配管20から分岐管25を介して各処理ユニット50へ供給されると、主配管20内の圧力が低下するおそれがある。しかし、主配管20から供給される混合液を用いて各処理ユニット50内で処理が行われている間、上述したように、液供給機構40は、定圧弁41cの作用により、主配管20から廃棄ラインへの廃液を継続しながら、複数の処理ユニット50のすべてへ同時に供給し得る圧力で、濃度調節された混合液を主配管20内へ送り込んでいる。すなわち、主配管20に充填されていた混合液が処理ユニット50での処理に使用されると、液供給機構40が濃度調節された混合液を主配管20へと新たに送り込み続ける。この結果、主配管20内における混合液の液圧は、一定の圧力に維持される。これにより、単一の液供給機構40を用いて、多数の処理ユニット50に対して、ウエハWの処理に用いられる混合液を安定した流量で供給することができる。
【0067】
以上のようにして処理ユニット50内でウエハWに対して適当量の混合液が供給されると、当該処理ユニット50に対応する分岐管25が、分岐管用開閉弁27によって、閉鎖される。このようにして、各処理ユニット50での混合液を用いたウエハWの処理(薬液処理)が順次終了していく。
【0068】
なお、ウエハWに対する薬液処理(工程S2)が終了すると、上述したように当該ウエハWに対してリンス処理(工程S3)が施される。このリンス処理において、ウエハWに供給されるリンス液は、リンス液用開閉弁28を介して分岐管25に流れ込み、分岐管25の吐出開口26aから吐出される。このため、リンス処理開始時には、分岐管25の下流側の部分内に残留した混合液が水によって押し出されるようになる。このような方法によれば、薬液処理(工程S2)からリンス処理(工程S3)へと、ウエハWに対して連続的に液体を供給することにより、ウエハWの表面を乾燥させることなく、当該ウエハWへの処理内容を変更することができる。これにより、ウォータマークの発生等の不具合を回避することができる。
【0069】
なお、このようにしてリンス処理工程が終了した時点では、分岐管25のリンス液用開閉弁28(分岐管用開閉弁27)よりも下流側の部分内に、リンス液が残留するようになる。そして、次のウエハWへの処理を開始する際には、次のウエハWの搬入工程に先立って又は次のウエハWの搬入工程に並行して、廃液用開閉弁29および廃液管32を介して、分岐管25内に残留するリンス液を分岐管25から廃液しておくことが好ましい。このような処置を行っておくことにより、次のウエハWへの薬液処理工程S2中、ウエハWに対して一定の混合比の混合液を供給することができる。
【0070】
処理済みのウエハWが各処理ユニット50から搬出されると、次に処理されるべきウエハWが各処理ユニット50に持ち込まれる。次に処理されるべきウエハWに対し、同一の処理ユニット50内で直前に処理されたウエハWに対する処理と同一の処理が、施される場合には、すなわち、液供給機構40から供給される混合液の混合比(濃度)を変化させる必要が無い場合には、主配管20内および分岐管25内の混合液を、そのまま残留させておけばよい。
【0071】
一方、次に処理されるべきウエハWと、同一の処理ユニット50内で直前に処理されたウエハWと、の間で処理内容が異なり、ウエハWの処理に用いられる混合液の濃度を変更する必要がある場合には、次に処理されるべきウエハWの薬液処理が開始される前に、次に用いられる混合液を主配管20内に充填する。この場合、まず、第1液源41aからの水(とりわけ、純水)のみを液供給機構40から主配管20内に供給し、主配管20内および分岐管25内に残留する薬液を水によって置換する。具体例として、まず、開閉弁22a、22cを開いて主配管20内を水で置換する。次に、開閉弁22a、22cを閉じるとともに分岐管用開閉弁27を開き、分岐管25内を水で置換する。この際、待機位置に位置する分岐管25の吐出開口26aから水を吐出し、分岐管25を全長にわたって水で洗い流す。このようにして、主配管20内および分岐管25内を水で洗い流した後、上述した方法と同様にして、所望の濃度に調節された混合液を液供給機構40から主配管20に充填するとともに、所望の濃度に調節された混合液を分岐管25に充填する。以上のような準備工程が終了した後、異なる濃度の混合液を用いたウエハWの処理が実施される。
【0072】
なお、ここで説明した、主配管20内および分岐管25内を異なる混合液で置換する方法の具体例は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、開閉弁22a、22cおよび分岐管用開閉弁27を開放および閉鎖するタイミングは、上述の例に限られない。したがって、主配管20内に残留する混合液と、分岐管25内に残留する混合液と、を並行して水で置換するようにしてもよい。また、主配管20内および分岐管25内に残留する混合液をまず水で置換し、その後、主配管20内および分岐管25内に次に用いられるべき混合液を充填することにより、主配管20内および分岐管25内を異なる混合液で置換するようにした例を示したが、これに限られない。主配管20内および分岐管25内に残留する混合液を、直接、次に用いられるべき混合液で置換するようにしてもよい。
【0073】
以上のような本実施の形態によれば、液供給機構40は、主開閉機構22によって主配管20の他側が所定の流量だけ開放されている場合であっても、調節された混合比で第1液と第2液とを混合してなる混合液を、多数の処理ユニット50に対して同時に供給することができる圧力で、主配管20内に一側から送り込むようになっている。したがって、多数の処理ユニット50に対して、単一の液供給機構40を用い、混合液を安定して供給することができる。また、同時に処理が行われている異なる処理ユニット50において、主配管20から供給される同一(例えば同一の濃度)の混合液を用いて異なるウエハWを処理することができる。これにより、ウエハW間で処理の度合いを均一化させることができる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、定圧弁41cを用いる一方で開閉弁22cを開放して主開閉流量調整バルブ22bを所望に制御することによって(開閉弁22aは閉じている)、第1液の送出流量が制御される一方、流量調整バルブ42dの制御によって、第2液の当該流量調整バルブ42dの通過流量が制御されることによって、極めてワイドレンジな混合比を実現することができる。例えば、唯一の処理ユニットのみが混合液を消費している工程時において、主開閉機構22(開閉弁22a、22c及び主開閉流量調整バルブ22b)の制御によって第1液の送出流量を1〜2倍に制御できるならば(1倍=開閉弁22a、開閉弁22cのいずれもが閉鎖された状態)、流量調整バルブ42dだけの制御の場合と比べて、2倍だけワイドレンジな混合比を実現することができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、処理工程時において、開閉弁22cが常時開放状態に維持されることにより、各処理ユニット50における混合液の消費状態に依存して生じ得る主配管20内の圧力変動が、効果的に抑制される。
【0076】
なお、上述した実施の形態において、液供給機構40の構成の具体例を示したが、これに限られない。上述した構成とは異なる構成によって、液供給機構40が、第1液と第2液とを混合してなる混合液を、複数の処理ユニット50のすべてへ同時に供給し得る圧力で、主開閉機構22によって他側が開放された主配管20へ供給するように構成されてもよい。
【0077】
さらに、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
【0078】
例えば、上述した実施の形態において、主配管20が一本の線状に形成されている例を示したが、これに限られない。例えば図4に示すように、主配管20が、液供給機構40から離間した他側において、複数の管路21a,21bに分かれていてもよい。図4に示す例において、各管路21a,21bに、主配管20を液供給機構40に対して他側から開閉し得る主開閉機構22が、設けられている。そして、液供給機構40と各主開閉機構22との間の区間において、各管路21a,21bから複数の分岐管25が延び出している。なお、図4においては、図示および理解のしやすさの便宜上、上述したリンス液用開閉弁28、リンス液供給管31、廃液用開閉弁29および廃液管32が、省略されている。また、図4に示す変形例におけるその他の構成は、上述した実施の形態と同一に構成され得るので、ここでは重複する説明は省略する。
【0079】
図4の例においては、2つの主開閉機構22のうちの一方は、単一の単なる開閉弁で置換され得る。もっとも、2つの主開閉機構22のいずれをも前述の実施の形態と同様の構成としておけば、管路21a,21bの一方のみを利用するという稼働態様を採用できるため(管路21a,21bの液供給機構40側に開閉弁を設けておけば可能となる)、好ましいと言える。
【0080】
さらに、上述した実施の形態において、液供給機構40が、水を供給する第1液供給管41bと、高濃度薬液を供給する第2液タンク42aと、を有する例を示したが、これに限られない。例えば、液供給機構40が、二種類以上の薬液源を有するようにしてもよい。
【0081】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0082】
さらに、冒頭にも述べたように、本発明を、ウエハの洗浄処理以外の処理にも適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 液処理装置
12 制御装置
13 記録媒体
20 主配管
21a,21b 管路
22 主開閉機構
22a 開閉弁
22b 主開閉流量調整バルブ
22c 開閉弁
25 分岐管
26a 吐出開口
27 分岐管用開閉弁
40 液供給機構
41a 第1液源
41b 第1液供給管
41c 定圧弁
41d 圧縮空気源
41g 開閉弁
41m 流量計
42a 第2液タンク
42b 第2液供給管
42d 流量調整バルブ
42e 補助流量調整機構
42k 窒素ガス源
42m 流量計
43 混合器
50 処理ユニット
52 保持機構
54 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主配管と、
前記主配管上に設けられた混合器と、第1液源からの第1液を前記混合器へ供給する第1液供給管と、第2液源からの第2液を前記混合器へ供給する第2液供給管と、を有し、前記第1液と前記第2液とを前記混合器で所定の混合比となるよう混合してなる混合液を、前記主配管に一側から供給する液供給機構と、
前記主配管に設けられ、前記主配管を前記液供給機構に対する他側において開閉し得る主開閉機構と、
前記液供給機構と前記主開閉機構との間の区間において前記主配管からそれぞれ分岐するように設けられた複数の分岐管と、
各分岐管にそれぞれ対応して設けられた複数の処理ユニットであって、対応する分岐管を通じて供給される混合液を用いて被処理体を処理するように構成された、複数の処理ユニットと、
を備え、
前記第2液供給管には、流量調整バルブが設けられており、
前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉機構とを制御する制御部が設けられている
ことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記主開閉機構は、互いに並列に設けられて選択的に切換利用される少なくとも2つの経路を有しており、そのうち少なくとも一方の経路には、主開閉流量調整バルブが設けられており、
前記制御部は、前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉流量調整バルブとを制御するようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
【請求項3】
前記主開閉機構は、互いに並列に設けられて選択的に切換利用される少なくとも2つの経路を有しており、
そのうち少なくとも一方の経路には、開閉弁と主開閉流量調整バルブとが設けられており、
そのうち少なくとも他の一方の経路には、開閉弁が設けられており、
前記制御部は、前記混合比に基づいて前記流量調整バルブと前記主開閉流量調整バルブとを制御するようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
【請求項4】
前記液供給機構は、前記主配管が前記主開閉機構によって所定の流量だけ開放されている場合であっても、前記第1液と前記第2液とを混合してなる前記混合液を、前記複数の処理ユニットのすべてへ同時に供給し得る圧力で、前記主配管の一側から供給できるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項5】
前記液供給機構は、前記主配管が前記主開閉機構によって所定の流量だけ開放されている場合であっても、少なくとも被処理体を処理している処理ユニットへ前記第1液を同時に供給し得る圧力で、前記主配管に前記第1液を供給するように構成されると共に、被処理体を処理している処理ユニットの数に応じた量の前記第2液を、前記主配管に供給するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項6】
前記処理ユニットにおいて被処理体の処理が開始される前に、前記混合液が前記主配管および前記分岐管に充填されるようになっている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項7】
別個の処理ユニットへそれぞれ通じている複数の分岐管が延び出していると共に主開閉機構によって他側が開閉可能な主配管内に、第1液供給管から供給される第1液と第2液供給管から流量調整バルブを介して供給される第2液とを混合してなる混合液を、前記主配管の一側から充填する混合充填工程と、
前記主配管内の混合液が各分岐管を通じて各処理ユニットへ供給され、当該混合液を用いて各処理ユニット内で被処理体の処理が実施される処理工程と、
を備え、
前記混合充填工程において、前記混合液における所望の混合比を得るために、前記流量調整バルブに加えて前記主開閉機構をも制御される
ことを特徴とする液処理方法。
【請求項8】
前記処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数に依存することなく、前記主開閉機構による前記主配管の開放流量が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御される
ことを特徴とする請求項7に記載の液処理方法。
【請求項9】
前記処理工程において、被処理体を処理している処理ユニットの数に依存することなく、前記主配管内の圧力が常時略一定となるように、前記流量調整バルブと前記主開閉機構とが制御される
ことを特徴とする請求項7または8に記載の液処理方法。
【請求項10】
液処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、
前記制御装置によって実行されることにより、請求項7乃至9のいずれか一項に記載された液処理方法を、液処理装置に実施させる、プログラム。
【請求項11】
液処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、
前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、請求項7乃至9のいずれか一項に記載された液処理方法を、液処理装置に実施させる、記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−187891(P2011−187891A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54508(P2010−54508)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】