説明

液処理装置および液処理方法

【課題】ノズルを支持するノズル支持アームに付着した汚れにより処理室内の基板が汚れてしまうことを防止することができる液処理装置および液処理方法を提供する。
【解決手段】液処理装置10は、基板Wを保持する基板保持部21および当該基板保持部21の周囲に配設されるカップ40が内部に設けられた処理室20と、基板保持部21に保持された基板Wに対して流体を供給するためのノズル82aと、ノズル82aを支持するノズル支持アーム82とを備えている。ノズル支持アーム82には、ノズル支持アーム82の先端面82eに向けてガスを噴出するガス噴出機構75が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を水平状態に保持した状態で回転させながら当該基板に処理液を供給することにより基板の洗浄処理やエッチング処理、メッキ処理、現像処理等の液処理を行う液処理装置および液処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体ウエハ等の基板(以下、ウエハともいう)を水平状態に保持した状態で回転させながら当該基板の表面や裏面に処理液を供給することにより基板の洗浄処理やエッチング処理、メッキ処理、現像処理等の液処理を行う液処理装置として、様々な種類のものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。特許文献1には、基板をスピンチャックにより水平に保持して回転させ、スピンチャックにより保持されて回転する基板の表面に処理液を供給するような、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の液処理装置が開示されている。また、このような枚葉式の液処理装置において、処理室の上方にFFU(ファンフィルタユニット)を設け、このFFUからN2ガス(窒素ガス)やクリーンエア等のガスをダウンフローで処理室内に送るような技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−94525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような従来の液処理装置では、ノズルを支持するアームやこのアームを支持するアーム支持部が処理室内に設けられている。ここで、従来の液処理装置では、アームに付着した汚れが処理室内のウエハに落下して付着してしまうおそれがある。また、処理室内でウエハの液処理を行う際に薬液等が飛散してアームに付着すると、この薬液がアームに残存してしまい、その後のウエハの処理においてこの残存した薬液の雰囲気によりウエハが汚れてしまう等の悪影響を与えてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ノズルを支持するノズル支持アームに付着した汚れにより処理室内の基板が汚れてしまうことを防止することができる液処理装置および液処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、基板を保持する基板保持部および当該基板保持部の周囲に配設されるカップが内部に設けられた処理室と、前記基板保持部に保持された基板に対して流体を供給するためのノズルと、前記ノズルを支持するノズル支持アームと、前記ノズル支持アームに取り付けられ、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出するガス噴出機構と、を備えた液処理装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の観点によれば、処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、ノズルを支持するノズル支持アームを前記処理室内に進出させることと、前記処理室内に進出したノズル支持アームのノズルにより、前記基板保持部により保持された基板に流体を供給することと、前記ノズル支持アームに取り付けられたガス噴出機構により、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出することと、を備えた液処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液処理装置および液処理方法によれば、ノズルを支持するノズル支持アームの先端面に付着した汚れにより処理室内の基板が汚れてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。
【図2】本発明の実施の形態による液処理装置の概略的な構成を示す上面図である。
【図3】図2に示す液処理装置の側面図である。
【図4】図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図であって、カップ外周筒が下方位置にあるときの状態を示す図である。
【図5】図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図であって、カップ外周筒が上方位置にあるときの状態を示す図である。
【図6】図4等に示す液処理装置におけるカップ外周筒の構成を示す斜視図である。
【図7】図2等に示す液処理装置における処理室および6つのノズル支持アームを示す斜視図である。
【図8】図7に示すノズル支持アームの拡大斜視図である。
【図9】図7等に示す各ノズル支持アームを、これらのノズル支持アームの後方から処理室に向かって見たときの構成を示す図である。
【図10】図7等に示すノズル支持アームの構成の詳細を示す側断面図である。
【図11】(a)は、図7に示すノズル支持アームにガス噴出機構が設けられている様子を示す図であり、(b)は、(a)に示すガス噴出機構を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図11は、本実施の形態による液処理装置を示す図である。より詳細には、図1は、本発明の実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。また、図2は、本発明の実施の形態による液処理装置の概略的な構成を示す上面図であり、図3は、図2に示す液処理装置の概略的な構成を示す側面図である。また、図4および図5は、図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図である。また、図6は、図4等に示す液処理装置におけるカップ外周筒の構成を示す斜視図である。また、図7乃至図11は、図2等に示す液処理装置に設けられたノズル支持アームの構成を示す図である。
【0011】
まず、図1を用いて、本実施の形態による液処理装置を含む液処理システムについて説明する。図1に示すように、液処理システムは、外部から被処理基板としての半導体ウエハ等の基板W(以下、ウエハWともいう)を収容したキャリアを載置するための載置台101と、キャリアに収容されたウエハWを取り出すための搬送アーム102と、搬送アーム102によって取り出されたウエハWを載置するための棚ユニット103と、棚ユニット103に載置されたウエハWを受け取り、当該ウエハWを液処理装置10内に搬送する搬送アーム104と、を備えている。図1に示すように、液処理システムには、複数(図1に示す態様では4個)の液処理装置10が設けられている。
【0012】
次に、本実施の形態による液処理装置10の概略的な構成について図2および図3を用いて説明する。
【0013】
図2および図3に示すように、本実施の形態による液処理装置10は、ウエハWが収容され、この収容されたウエハWの液処理が行われる処理室(チャンバー)20を備えている。図3に示すように、処理室20内には、ウエハWを水平状態で保持して回転させるための保持部21が設けられており、この保持部21の周囲にはリング状の回転カップ40が配設されている。また、図2および図3に示すように、処理室20内において回転カップ40の周囲には円筒状のカップ外周筒50が配設されている。後述するように、このカップ外周筒50はウエハWの処理状況に応じて昇降可能となっている。これらの保持部21、回転カップ40およびカップ外周筒50の構成の詳細については後述する。
【0014】
また、液処理装置10には、保持部21に保持されたウエハWに対してウエハWの上方から処理液やN2ガス等の流体を供給するためのノズル82aおよびこのノズル82aを支持するノズル支持アーム82が設けられている。図2に示すように、1つの液処理装置10には複数(具体的には例えば6つ)のノズル支持アーム82が設けられており、各ノズル支持アーム82の先端近傍にノズル82aが設けられている。また、図3に示すように、各ノズル支持アーム82にはアーム支持部84が設けられており、各アーム支持部84は後述するアーム駆動機構85によって図3における左右方向に駆動されるようになっている。このことにより、各ノズル支持アーム82は、ノズル82aが処理室20内に進出した進出位置と、ノズル82aが処理室20から後述するアーム待機部内へ退避した退避位置との間で水平方向に直線運動を行うようになっている(図2および図3における各ノズル支持アーム82に設けられた矢印参照)。また、図3に示すように、各ノズル支持アーム82には表面処理液供給管82mが設けられており、各表面処理液供給管82mは表面処理液供給部89に接続されている。そして、表面処理液供給部89から各表面処理液供給管82mを介して各ノズル支持アーム82のノズル82aに処理液やN2ガス等の流体が供給されるようになっている。
【0015】
図2および図3に示すように、液処理装置10において、アーム待機部80が処理室20に隣接して設けられている。このアーム待機部80において、処理室20から退避したノズル支持アーム82が待機するようになっている。また、アーム待機部80と処理室20との間には鉛直方向に延びる壁90が設けられている。この壁90は、各ノズル支持アーム82が通過可能な開口88pが設けられたアーム洗浄部88を有している。このアーム洗浄部88により各ノズル支持アーム82の洗浄が行われるようになっている。アーム洗浄部88の構成の詳細については後述する。
【0016】
また、図3に示すように、処理室20の上方にはFFU(ファンフィルタユニット)70が設けられており、このFFU70からN2ガス(窒素ガス)やクリーンエア等のガスがダウンフローで処理室20内に送られるようになっている。また、図2および図3に示すように、処理室20の底部におけるカップ外周筒50の内側には排気部54が設けられており、この排気部54により処理室20内の雰囲気の排気が行われるようになっている。このように、FFU70から処理室20内にクリーンエア等のガスがダウンフローで送られ、このガスが排気部54により排気されることにより、処理室20内の雰囲気の置換が行われるようになっている。
【0017】
また、図2および図3に示すように、処理室20の底部におけるカップ外周筒50の外側には排気部56が設けられており、この排気部56により処理室20内の雰囲気の排気が行われるようになっている。この排気部56により、処理室20内におけるカップ外周筒50の外側の雰囲気の排気を行うことができるようになっている。具体的には、排気部56により、アーム待機部80内の雰囲気がカップ外周筒50内に入り込むことが抑止される。また、この排気部56により、カップ外周筒50内の雰囲気がアーム待機部80に出てしまうことが抑止される。
【0018】
また、図2および図3に示すように、アーム待機部80の底部には排気部58が設けられており、この排気部58によりアーム待機部80内の雰囲気の排気が行われるようになっている。具体的には、各ノズル支持アーム82を駆動するためのアーム駆動機構85(後述)から発生するパーティクルを排気部58により引くことができるようになっている。
【0019】
また、図2に示すように、液処理装置10の処理室20およびアーム待機部80の出入口にはそれぞれメンテナンス用のシャッター60、62が設けられている。処理室20およびアーム待機部80にそれぞれメンテナンス用のシャッター60、62が設けられていることにより、これらの処理室20内やアーム待機部80内の機器を個別にメンテナンスすることができる。
【0020】
また、図2に示すように、液処理装置10の側壁には、搬送アーム104により処理室20内へウエハWを搬入したり処理室20からウエハWを搬出したりするための開口94aが設けられており、この開口94aには、当該開口94aを開閉するためのシャッター94が設けられている。
【0021】
なお、図2に示す液処理装置10において、処理室20内におけるカップ外周筒50の内部の領域はクリーンルームに対して微陽圧となっており、一方、処理室20内におけるカップ外周筒50の外側の領域はクリーンルームに対して微陰圧となっている。このため、処理室20内において、カップ外周筒50の内部の領域の気圧はカップ外周筒50の外側の領域の気圧よりも大きくなっている。
【0022】
次に、図2および図3に示すような液処理装置10の構成の詳細について図4および図5を用いて説明する。
【0023】
図4および図5に示すように、保持部21は、ウエハWを保持するための円板形状の保持プレート26と、保持プレート26の上方に設けられた円板形状のリフトピンプレート22とを備えている。リフトピンプレート22の上面には、ウエハWを下方から支持するためのリフトピン23が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図4および図5では2つのリフトピン23のみを表示している。また、リフトピンプレート22にはピストン機構24が設けられており、このピストン機構24によりリフトピンプレート22が昇降するようになっている。より具体的には、搬送アーム104(図1参照)によりウエハWをリフトピン23上に載置したりリフトピン23上からウエハWを取り出したりするときには、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図4等に示すような位置から上方に移動させられ、このリフトピンプレート22は回転カップ40よりも上方に位置するようになる。一方、処理室20内でウエハWの液処理を行う際には、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図4等に示すような下方位置に移動させられ、ウエハWの周囲に回転カップ40が位置するようになる。
【0024】
保持プレート26には、ウエハWを側方から支持するための保持部材25が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図4および図5では2つの保持部材25のみを表示している。各保持部材25は、リフトピンプレート22が上方位置から図4および図5に示すような下方位置に移動したときにこのリフトピン23上のウエハWを保持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させるようになっている。
【0025】
各保持部材25は、ウエハWを受け取る受け取り位置と、ウエハWを保持する保持位置との間で移動可能な構造を有しており、また各保持部材25は、リフトピンプレート22の昇降と連動して動くようになっている。すなわち、リフトピンプレート22が上方位置にあるときは、各保持部材25が受け取り位置に移動し、リフトピンプレート22が下方位置にあるときは、各保持部材25が保持位置に移動する。
【0026】
また、リフトピンプレート22および保持プレート26の中心部分にはそれぞれ貫通穴が形成されており、これらの貫通穴を通るよう処理液供給管28が設けられている。この処理液供給管28は、保持プレート26の各保持部材25により保持されたウエハWの裏面に薬液や純水等の処理液を供給するようになっている。また、処理液供給管28はリフトピンプレート22と連動して昇降するようになっている。処理液供給管28の上端には、リフトピンプレート22の貫通穴を塞ぐよう設けられたヘッド部分28aが形成されている。また、図4等に示すように、処理液供給管28には処理液供給部29が接続されており、この処理液供給部29により処理液供給管28に処理液が供給されるようになっている。
【0027】
図4および図5に示すように、保持部21の周囲にはリング状の回転カップ40が配設されている。この回転カップ40は保持プレート26に取り付けられており、保持プレート26と一体的に回転するようになっている。より詳細には、回転カップ40は、保持プレート26の各保持部材25により支持されたウエハWを側方から囲うよう設けられており、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液を受けるようになっている。
【0028】
また、回転カップ40の周囲には、ドレインカップ42、第1案内カップ43、第2案内カップ44および第3案内カップ45が上方から順に設けられている。ドレインカップ42および各案内カップ43、44、45はそれぞれリング状に形成されている。ここで、ドレインカップ42は処理室20において固定されている。一方、各案内カップ43、44、45にはそれぞれ昇降シリンダ(図示せず)が連結されており、これらの案内カップ43、44、45は対応する昇降シリンダにより互いに独立して昇降自在となっている。
【0029】
図4および図5に示すように、ドレインカップ42や各案内カップ43、44、45の下方には、第1処理液回収用タンク46a、第2処理液回収用タンク46b、第3処理液回収用タンク46cおよび第4処理液回収用タンク46dがそれぞれ設けられている。そして、各案内カップ43、44、45の上下方向における位置により、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液が、この処理液の種類に基づいて、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうちいずれか一つの処理液回収用タンクに選択的に送られるようになっている。具体的には、全ての案内カップ43、44、45が全て上方位置にあるときには(図4および図5に示すような状態)、ウエハWから側方に飛散した処理液は第4処理液回収用タンク46dに送られるようになっている。一方、第3案内カップ45のみが下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第3処理液回収用タンク46cに送られるようになっている。また、第2案内カップ44および第3案内カップ45が下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第2処理液回収用タンク46bに送られるようになっている。また、全ての案内カップ43、44、45が下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第1処理液回収用タンク46aに送られるようになっている。
【0030】
また、図4および図5に示すように、第4処理液回収用タンク46dの内側には排気部48が設けられている。そして、各案内カップ43、44、45の上下方向における位置が所定の位置となることにより、ウエハWの周囲の雰囲気が、排気部48により排気されるようになっている。
【0031】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、処理室20内においてドレインカップ42や各案内カップ43、44、45の周囲にカップ外周筒50が設けられている。このカップ外周筒50は、図4に示すような下方位置と図5に示すような上方位置との間で昇降可能となっている。また、図2および図3に示すように、カップ外周筒50には、ノズル支持アーム82が通過可能な開口50mが設けられている。カップ外周筒50は、図5に示すような上方位置にあるときに、カップ外周筒50内の領域を外部に対して隔離するようになっている。
【0032】
このようなカップ外周筒50の構成の詳細について図6を用いて説明する。図6は、カップ外周筒50の構成を示す斜視図である。図6に示すように、カップ外周筒50の側面には、ノズル支持アーム82が通過可能な開口50mが、ノズル支持アーム82の本数に応じて設けられている(例えばノズル支持アーム82が6本の場合、6つの開口50mが設けられる)。また、カップ外周筒50の上部には、このカップ外周筒50を支持するための支持部材50aが連結されており、支持部材50aには当該支持部材50aを昇降させる駆動機構50bが設けられている。そして、駆動機構50bにより支持部材50aを昇降させることにより、この支持部材50aに支持されるカップ外周筒50も昇降するようになっている。
【0033】
また、図4および図5に示すように、FFU70にはガイド部材51が取り付けられている。このガイド部材51は、図5に示すようにカップ外周筒50が上方位置にあるときに、このカップ外周筒50から内側にわずかに距離を隔てて位置するよう配置されている。また、本実施の形態の液処理装置10においては、図5に示すようにカップ外周筒50が上方位置にあるときには、カップ外周筒50内の気圧はカップ外周筒50の外側の気圧よりも大きくなるようになっている。このため、カップ外周筒50が上方位置にあるときには、FFU70により生じる処理室20内のダウンフローのガスが、ガイド部材51によりカップ外周筒50の上端近傍において当該カップ外周筒50の内側から外側に案内されるようになっている。
【0034】
また、図4および図5に示すように、処理室20内には、カップ外周筒50を洗浄するための洗浄部52が設けられている。この洗浄部52は、純水等の洗浄液を貯留するための貯留部分52aを有しており、図4に示すようにカップ外周筒50が下方位置にあるときにこのカップ外周筒50が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになっている。洗浄部52は、貯留部分52aに貯留された洗浄液にカップ外周筒50が浸されることにより、このカップ外周筒50の洗浄を行うようになっている。
【0035】
図4に示すように、カップ外周筒50が下方位置にあるときにはこのカップ外周筒50の大部分が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになる。また、図5に示すように、カップ外周筒50が上方位置にあるときにもこのカップ外周筒50の下部が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになる。このため、カップ外周筒50が上方位置にあるときには、貯留部分52aに貯留された洗浄液とカップ外周筒50の下部との間で水シールを行うとともに、カップ外周筒50の上部とガイド部材51との間が狭くなるので、カップ外周筒50内の領域を外部から隔離することができるようになる。
【0036】
また、図4および図5に示すように、処理室20内において、洗浄部52の内側には処理室20内の雰囲気の排気を行うための排気部54が設けられており、また、洗浄部52の外側には処理室20内の雰囲気の排気を行うための排気部56が設けられている。このような排気部54および排気部56が設けられていることにより、カップ外周筒50が図4に示すような下方位置にあるときには、これらの排気部54および排気部56により処理室20内全体の雰囲気の排気を行うことができる。一方、カップ外周筒50が図5に示すような上方位置にあるときには、カップ外周筒50内の領域が外部から隔離されるので、排気部54によりカップ外周筒50の内部の雰囲気の排気を行うことができ、また、排気部56によりカップ外周筒50の外側の雰囲気の排気を行うことができる。
【0037】
前述のように、本実施の形態においては、1つの液処理装置10に複数(具体的には例えば6つ)のノズル支持アーム82が設けられており、各ノズル支持アーム82の先端にノズル82aが設けられている。具体的には、各ノズル82aは、それぞれ、第1の薬液(具体的には、例えば酸性の薬液)、第2の薬液(具体的には、例えばアルカリ性の薬液)、純水、N2ガス、IPA(イソプロピルアルコール)、純水のミストをウエハWの上面に供給するようになっている。
【0038】
以下、本実施の形態におけるノズル支持アーム82の構成について図7乃至図11を用いて詳述する。ここで、図7は、図2等に示す液処理装置10における処理室20および6つのノズル支持アーム82p〜82uを示す斜視図であり、図8は、図7に示す各ノズル支持アーム82p〜82uの拡大斜視図である。また、図9は、図7等に示す各ノズル支持アーム82p〜82uを、これらのノズル支持アーム82p〜82uの後方から処理室20に向かって見たときの構成を示す図であり、図10は、図7等に示す各ノズル支持アーム82p〜82uの構成の詳細を示す側断面図である。また図11(a)は、各ノズル支持アーム82p〜82uに後述するガス噴出機構が設けられている様子を示す斜視図であり、図11(b)は、図11(a)に示すガス噴出機構を拡大して示す斜視図である。
【0039】
図7に示すように、6つのノズル支持アーム82は、例えば純水供給用アーム82p、第1の薬液供給用アーム82q、N2ガス供給用アーム82r、第2の薬液供給用アーム82s、純水のミスト供給用アーム82tおよびIPA供給用アーム82uから構成されている。前述のように、これらのアーム82p〜82uの先端近傍にはノズル82aが設けられている。このようにして、純水供給用アーム82pの先端近傍に設けられたノズル82aからは純水がウエハWの上面に供給され、第1の薬液供給用アーム82qの先端近傍に設けられたノズル82aからは第1の薬液(具体的には、例えば酸性の薬液)がウエハWの上面に供給され、N2ガス供給用アーム82rの先端近傍に設けられたノズル82aからはN2ガスがウエハの上面に供給されるようになっている。また、第2の薬液供給用アーム82sの先端近傍に設けられたノズル82aからは第2の薬液(具体的には、例えばアルカリ性の薬液)がウエハWの上面に供給され、純水のミスト供給用アーム82tの先端近傍に設けられたノズル82aからは純水のミストがウエハWの上面に供給され、IPA供給用アーム82uの先端近傍に設けられたノズル82aからはIPAがウエハWの上面に供給されるようになっている。
【0040】
図8および図10に示すように、各ノズル支持アーム82には、当該ノズル支持アーム82を直進運動させるためのアーム駆動機構85が設けられている。アーム駆動機構85は、ベース部材85dに取り付けられ正逆両方向に回転するモータ85aと、モータ85aに対向するようベース部材85dに取り付けられたプーリ85bと、モータ85aおよびプーリ85bに巻き掛けられた循環ベルト85cと、循環ベルト85cに取り付けられたベルト取付部材85eとを有している。ここで、ベルト取付部材85eは、ノズル支持アーム82を支持するアーム支持部84の下部に取り付けられており、ベルト取付部材85eおよびアーム支持部84は一体的に移動するようになっている。そして、このようなアーム駆動機構85において、モータ85aが回転することにより循環ベルト85cが図10における右方向または左方向に移動し、この循環ベルト85cに取り付けられたベルト取付部材85eが図10における右方向または左方向に移動することにより、アーム支持部84が図10における左右方向に直進運動を行うようになる。このようにして、アーム支持部84に支持されるノズル支持アーム82も図10における左右方向に直進運動を行う。
【0041】
本実施の形態の液処理装置10においては、アーム駆動機構85が処理室20の外部に設けられていることにより、このアーム駆動機構85から発生するゴミ等が処理室20内に入ってしまうことを抑制することができる。また、処理室20内の雰囲気がアーム駆動機構85に到達してしまうことを抑制することができる。
【0042】
また、図9に示すように、上述した6つのアーム82p〜82uのうち、純水供給用アーム82p、N2ガス供給用アーム82rおよび純水のミスト供給用アーム82tは同じ高さレベルに設置されている。より具体的には、図9において、これらのアーム82p、82r、82tは、図9における二点鎖線Aで囲まれる領域の高さレベルに設置されている。一方、上述した6つのアーム82p〜82uのうち、第1の薬液供給用アーム82q、第2の薬液供給用アーム82sおよびIPA供給用アーム82uも同じ高さレベルに設置されている。より具体的には、図9において、これらのアーム82q、82s、82uは、図9における二点鎖線Bで囲まれる領域の高さレベルに設置されている。そして、図9に示すように、純水供給用アーム82p、N2ガス供給用アーム82rおよび純水のミスト供給用アーム82tは、それぞれ、第1の薬液供給用アーム82q、第2の薬液供給用アーム82sおよびIPA供給用アーム82uよりも高い位置に設置されている。
【0043】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、高さレベルが互いに異なる複数のアーム82p〜82uが同時に処理室20内に進出したときにアーム同士が衝突または干渉しないようになっている。
【0044】
図10に示すように、各アーム82p〜82uは二重配管構造となっている。より詳細には、各アーム82p〜82uは内部配管82bおよび外部配管82cから構成されている。内部配管82bはノズル82aに連通しており、この内部配管82bからノズル82aに流体が送られるようになっている。内部配管82bは例えばフッ素系樹脂から構成されている。また、内部配管82bは外部配管82cに覆われるようになっており、この外部配管82cは例えばステンレス鋼パイプにフッ素系樹脂をコーティングしたものからなる。
【0045】
また図10に示すように、各アーム82p〜82uのノズル82aは、各アーム82p〜82uの側面82dを介してウエハWの上面に流体を供給するよう構成されている。ここで側面82dとは、各アーム82p〜82uの表面のうち各アーム82p〜82uの長手方向と同一の方向に延びる面のことである。
【0046】
また、図8および図10等に示すように、各アーム82p〜82uの後端側におけるこれらのアーム82p〜82uの外側には、各内部配管82bに連通する渦巻き形状配管83p〜83uがそれぞれ設けられている。各渦巻き形状配管83p〜83uは可撓性材料から形成されている。具体的には、各渦巻き形状配管83p〜83uは例えばフッ素系樹脂等のチューブが渦巻き形状に曲げられたものから形成されている。図7、図8および図10に示すように、各渦巻き形状配管83p〜83uは、対応するアーム82p〜82uが退避位置にあるときに、これらのアーム82p〜82uの延びる方向に直交する平面(すなわち、鉛直方向に延びる平面)上で渦巻き形状となるよう構成されている。そして、各渦巻き形状配管83p〜83uに薬液等の流体が送られることにより、各アーム82p〜82uの内部に設けられた内部配管82bを経てノズル82aから流体が下方に噴射されるようになっている。また、各渦巻き形状配管83p〜83uは可撓性材料から形成されているため、対応するアーム82p〜82uが処理室20内に進出した場合には、渦巻き形状配管83p〜83uは図8に示すような渦巻き形状から変形して円錐螺旋形状(先端が徐々に細くなるような螺旋形状)となる。
【0047】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、各アーム82p〜82uは、当該アーム82p〜82uの移動方向に沿った長手方向軸を中心として回転可能となっている。具体的には、図8に示すように、各アーム82p〜82uには回転機構86が設けられており、この回転機構86により各アーム82p〜82uは図8における矢印方向に回転するようになっている。各アーム82p〜82uを回転させることにより、ノズル82aの向きを図10に示すような下向きから他の方向に変えることができるようになる。また、各渦巻き形状配管83p〜83uは渦巻き形状となっているとともに可撓性材料から形成されているため、回転機構86により各アーム82p〜82uを回転させた場合でも、対応する渦巻き形状配管83p〜83uはアーム82p〜82uの回転に合わせてスムーズに変形するようになり、アーム82p〜82uの回転が各渦巻き形状配管83p〜83uにより妨げられることはない。
【0048】
回転機構86は、保持部21に保持されたウエハWに対してノズル82aにより流体を供給する際に、このノズル82aを支持するアーム82p〜82uを選択的に長手方向軸を中心として回転させるようになっている。具体的には、保持部21に保持されたウエハWの周縁部にノズル82aが近づくと、このノズル82aの向きは下向きから斜めに傾斜するようアーム82p〜82uが回転するようになっている。このことにより、保持部21に保持されたウエハWの周縁部において、ノズル82aから斜め下方に流体が噴射されることによって、ノズル82aからウエハWに供給された流体、具体的には薬液等の液体について、ウエハWの周縁部上での液ハネを抑制することができるようになる。このように、回転機構86は、ノズル82aがウエハWの中心に位置する場合とノズル82aがウエハWの周縁部に位置する場合とで、ノズル82aの向きを変えることができるようになっている。
【0049】
また、回転機構86は、各アーム82p〜82uが進出位置と退避位置との間で移動する際に、ノズル82aが下向き以外の向き、具体的には例えば上向きとなるよう、長手方向軸を中心としてアーム82p〜82uを回転させるようになっている。このことにより、アーム82p〜82uを移動させる際にノズル82aから薬液等の液体がボタ落ちしてしまうことを防止することができる。
【0050】
また、図7および図10に示すように、各アーム82p〜82uには、これらのアーム82p〜82uの洗浄を行うためのアーム洗浄部88がアーム82p〜82u毎に位置固定で設けられている。各アーム洗浄部88は、それぞれ対応するアーム82p〜82uが移動する際に当該アーム82p〜82uの洗浄を行うようになっている。このような各アーム洗浄部88による各アーム82p〜82uの洗浄のタイミングは自由に設定できるようになっており、具体的には、各アーム82p〜82uの洗浄は例えば処理毎に、または一日一回、あるいは月に一回行われるようになっている。
【0051】
アーム洗浄部88の構成の詳細について図10を用いて説明する。図10に示すように、アーム洗浄部88には、ノズル支持アーム82(82p〜82u)が通過する貫通穴が水平方向(図10における左右方向)に延びるよう設けられている。この貫通穴の断面は、ノズル支持アーム82の断面よりもわずかに大きくなっている。また、この貫通穴には、洗浄液が収容される収容部分88aが設けられている。また、収容部分88aには洗浄液供給管88bが接続されており、洗浄液供給管88bから収容部分88aに洗浄液が供給されるようになっている。収容部分88aに洗浄液が供給されると、この収容部分88a内でノズル支持アーム82の外周面上に液膜が張られるようになる。そして、アーム洗浄部88において、収容部分88aに収容された洗浄液にノズル支持アーム82(82p〜82u)の一部が接触しながら当該ノズル支持アーム82が移動することによりノズル支持アーム82の洗浄が行われるようになっている。
【0052】
また、アーム洗浄部88において、ノズル支持アーム82の移動方向(図10における左右方向)における収容部分88aよりも処理室20に近い前方位置および収容部分88aよりも処理室20から遠い後方位置にはそれぞれ吸引機構88c、88dが設けられている。これらの吸引機構88c、88dは、収容部分88aに収容された洗浄液がこの収容部分88aから外部に漏れたときに漏れた分の洗浄液を吸引して排液するようになっている。
【0053】
また、吸引機構88c、88dは、ノズル支持アーム82が洗浄された後に、このノズル支持アーム82に付着した液滴を吸引することにより、ノズル支持アーム82の表面の乾燥、とりわけ側面82dの乾燥を行うようになっている。
【0054】
また、アーム洗浄部88において、ノズル支持アーム82の移動方向における収容部分88aよりも後方位置には、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留した薬液等の液体を排出するための排液部分88eが設けられている。また、排液部分88eにはドレン管88fが接続されており、排液部分88eに送られた液体はドレン管88fにより排出されるようになっている。そして、ノズル82aが排液部分88eの真上に位置するようノズル支持アーム82が移動して、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留した薬液等の液体がノズル82aから排液部分88eに吐出されるようになっている。このような排液部分88eが設けられていることにより、ウエハWの液処理が終了した後、ノズル支持アーム82の内部配管82bに液体が残留してしまった場合でも、このノズル支持アーム82に設けられたノズル82aを用いて次の液処理を行う際に、内部配管82bに残留した液体を予めこの内部配管82bから排出することができるようになる。とりわけ、ウエハWに高温の薬液等をノズル82aから供給するときには、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留している液体は冷めている場合が多いため、この残留している冷めた液体を排液部分88eにより予め内部配管82bから排出することが望ましい。
【0055】
なお、排液部分88eは、ノズル支持アーム82の移動方向における収容部分88aよりも後方位置ではなく収容部分88aよりも前方位置に設けられていてもよい。この場合でも、ノズル82aが排液部分88eの真上に位置するようノズル支持アーム82が移動し、ノズル82aから薬液を吐出することにより、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留した薬液等の液体がノズル82aから排液部分88eに送られるようになる。
【0056】
図7および図10に示すように、各アーム82p〜82uに対応する各アーム洗浄部88は、処理室20とアーム待機部80との間に設けられた壁90の外側に取り付けられるようになっている。このため、各アーム洗浄部88はカップ外周筒50の外側に設けられるようになる。なお、各アーム洗浄部88は壁90の外側に取り付けられる代わりに壁90の内側に取り付けられるようになっていてもよい。この場合には、各アーム洗浄部88は、回転カップ40とアーム待機部80との間の領域に位置するようになる。
【0057】
本実施の形態の液処理装置10においては、アーム洗浄部88はノズル支持アーム82の全体を洗浄するようになっていてもよく、あるいはノズル支持アーム82の一部分のみを洗浄するようになっていてもよい。また、アーム洗浄部88はノズル支持アーム82の全周を洗浄するようになっているが、このことに限定されることはない。
【0058】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、図2や図10に示すように、各アーム82p〜82uは、アーム待機部80で待機しているときに、処理室20とアーム待機部80との間に設けられた壁90のアーム洗浄部88の開口88pを塞ぐようになっている。このことにより、各アーム82p〜82uは、壁90のアーム洗浄部88の開口88pを塞ぐ蓋として機能するようになり、処理室20内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができるようになる。
【0059】
また、各アーム82p〜82uは、図5に示すような上方位置にあるカップ外周筒50の開口50mも塞ぐことができるようになっている。このことにより、カップ外周筒50内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができるようになる。
【0060】
図11(a)に示すように、各ノズル支持アーム82p〜82uには、各ノズル支持アーム82p〜82uの先端面82eに向けてガスを噴出するガス噴出機構75が設けられている。ここで先端面82eとは、各アーム82p〜82uの表面のうち各アーム82p〜82uの長手方向と異なる方向に延びる面であって、各アーム82p〜82uの先端に位置する面のことである。図11(b)に示す例において、この先端面82eは、ノズル支持アーム82の長手方向軸線に直交する方向に延びる平坦な面となっている。このようにノズル支持アーム82の先端面82eを構成することにより、ノズル支持アーム82が壁90の開口88pをより強固に塞ぐことが可能となる。
【0061】
図11(b)に示すように、ガス噴出機構75は、ノズル支持アーム82の先端面82eから突出するよう形成され、ガスを噴出するガス噴出孔76aを有する突出部76と、ノズル支持アーム82の内部に設けられ、突出部76へガスを供給するガス供給管77と、を有している。このようなガス噴出機構75をノズル支持アーム82に設けることにより、後述するように、ノズル支持アーム82の先端面82eに付着した汚れをガスによって取り除くことができる。
【0062】
なお、ノズル支持アーム82の先端面82eに付着した汚れとしては、上述のアーム洗浄部88による洗浄の際、収容部分88aから外部に漏れて先端面82eに付着した洗浄液の液滴であって、アーム洗浄部88の吸引機構88c、88dによっては吸引されなかった液滴が挙げられる。他にも、ノズル支持アーム82のノズル82aからウエハWの上面に供給された流体がウエハWで跳ね返され、これによって、流体の液滴が先端面82eに汚れとして付着することも考えられる。また、ウエハWに高温の薬液をノズル82aから供給するときには、高温の薬液から発生する蒸気が先端面82eに汚れとして付着することも考えられる。
【0063】
突出部76のガス噴出孔76aからノズル支持アーム82の先端面82eに向けて噴出されるガスが特に限られることはなく、エアやN2ガスなど、ノズル支持アーム82の先端面82eに付着した汚れを取り除くことができる様々なガスが用いられ得る。
【0064】
好ましくは、突出部76のガス噴出孔76aは、互いに異なる少なくとも2つの方向においてガスが噴出されるよう、少なくとも2つ設けられている。例えば図11(b)に示されるように、ノズル支持アーム82の長手方向軸線周りの異なる周方向位置に複数、例えば8個のガス噴出孔76aが設けられている。これによって、図11(b)に矢印で示されるように、突出部76を中心として放射状に先端面82eに沿ってガスを噴出させることができる。このことにより、先端面82eの全面にわたって先端面82eに付着した汚れを取り除くことができる。
【0065】
なお図11(b)においては、ノズル支持アーム82の先端面82eに沿って突出部76のガス噴出孔76aからガスが噴出される例を示した。すなわち、ガスの噴出方向が先端面82eの延びる方向に略平行となっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ガスの噴出方向と先端面82eの延びる方向との間に所定の角度が形成されるよう、先端面82eに向けてガス噴出孔76aからガスが噴出されてもよい。すなわち「先端面82eに向けてガスを噴出する」とは、先端面82eに沿ってガスを噴出する場合だけでなく、先端面82eに向けて所定の角度でガスを噴出する場合も含む概念となっている。
【0066】
次に、このような構成からなる液処理装置10の動作について説明する。
【0067】
まず、保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示す位置から上方に移動させることと、処理室20の開口94aに設けられたシャッター94をこの開口94aから退避させることにより開口94aを開くことを行う。そして、液処理装置10の外部からウエハWが搬送アーム104により開口94aを介して処理室20内に搬送され、このウエハWがリフトピンプレート22のリフトピン23上に載置され、その後、搬送アーム104は処理室20から退避する。この際に、カップ外周筒50は図4に示すような下方位置に位置している。また、各ノズル支持アーム82は処理室20から退避した退避位置に位置している。すなわち、各ノズル支持アーム82はアーム待機部80で待機している。また、FFU70から処理室20内にクリーンエア等のガスが常にダウンフローで送られ、このガスが排気部54により排気されることにより、処理室20内の雰囲気の置換が行われるようになっている。
【0068】
次に、リフトピンプレート22および処理液供給管28を下方に移動させ、これらのリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示すような下方位置に位置させる。この際に、保持プレート26に設けられた各保持部材25が、リフトピン23上のウエハWを支持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させる。
【0069】
その後に、またはリフトピンプレート22の下降中に、カップ外周筒50に設けられた駆動機構50bにより、このカップ外周筒50を上方に移動させ、カップ外周筒50を図5に示すような上方位置に位置させる。そして、カップ外周筒50が上方位置に移動した後、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうち一または複数のノズル支持アーム82が壁90のアーム洗浄部88の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する(図5の二点鎖線参照)。この際に、アーム駆動機構85によりノズル支持アーム82は直線運動を行う。
【0070】
そして、保持部21における保持プレート26およびリフトピンプレート22を回転させる。このことにより、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWも回転する。
【0071】
その後、まず、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対して酸性の薬液により処理を行い、その後引き続いてリンス処理を行う。具体的には、図5に示すような状態で、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうち第1の薬液供給用アーム82qおよび純水供給用アーム82pがそれぞれ壁90のアーム洗浄部88の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に同時に進出する。この際に、第1の薬液供給用アーム82qおよび純水供給用アーム82pは互いに高さレベルが異なるようになっているので、これらのアーム82q、82pが互いに干渉することはない。
【0072】
そして、ウエハWが回転した状態で、処理室20内に進出した第1の薬液供給用アーム82qのノズル82aからウエハWの上面に酸性の薬液を供給する。また、この際に、ウエハWの下面(裏面)に向かって処理液供給管28から酸性の薬液を供給してもよい。このようにして、ウエハWの少なくとも上面に酸性の薬液が供給され、ウエハWの薬液処理が行われる。ウエハWに供給された酸性の薬液は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第1処理液回収用タンク46aに送られて回収される。また、上述のような薬液処理が行われる際に、純水供給用アーム82pは、第1の薬液供給用アーム82qのノズル82aによる酸性の薬液の吐出位置からわずかに後退した位置に当該純水供給用アーム82pのノズル82aが位置するよう、処理室20内で待機している。
【0073】
そして、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対して酸性の薬液が供給された後に中断することなく引き続きこのウエハWに純水が供給される。具体的には、処理室20内に進出した第1の薬液供給用アーム82qに設けられたノズル82aからウエハWに対して酸性の薬液を供給した後に、処理室20内に進出した純水供給用アーム82pに設けられたノズル82aから純水を中断することなく引き続きウエハWに供給する。ウエハWに供給された純水は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第3処理液回収用タンク46cに送られて回収される。このようにして、カップ外周筒50内でウエハWに対して酸性の薬液により処理が行われ、その後引き続いてリンス処理が行われるようになる。この際に、処理室20内において純水供給用アーム82pと第1の薬液供給用アーム82qは互いに高さレベルが異なっているのでこれらのアーム82p、82qが互いに干渉することはない。そして、ウエハWに対する酸性の薬液による処理およびリンス処理が終了すると、処理室20に進出した第1の薬液供給用アーム82qはこの処理室20から退避してアーム待機部80で待機するようになる。一方、純水供給用アーム82pは処理室20内に残ったままとなる。また、リンス処理が行われる間に、第2の薬液供給用アーム82sが壁90のアーム洗浄部88の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。より詳細には、上述のようなリンス処理が行われる際に、第2の薬液供給用アーム82sは、純水供給用アーム82pのノズル82aによる純水の吐出位置からわずかに後退した位置に当該第2の薬液供給用アーム82sのノズル82aが位置するよう、処理室20内で待機している。
【0074】
その後、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対してアルカリ性の薬液により処理を行い、その後引き続いてリンス処理を行う。具体的には、処理室20内に進出している第2の薬液供給用アーム82sおよび純水供給用アーム82pにより、ウエハWに対してアルカリ性の薬液による処理およびリンス処理が行われる。この際に、第2の薬液供給用アーム82sおよび純水供給用アーム82pは互いに高さレベルが異なるようになっているので、これらのアーム82s、82pが互いに干渉することはない。
【0075】
具体的に説明すると、ウエハWが回転した状態で、処理室20内に進出した第2の薬液供給用アーム82sのノズル82aからウエハWの上面にアルカリ性の薬液を供給する。また、この際に、ウエハWの下面(裏面)に向かって処理液供給管28からアルカリ性の薬液を供給してもよい。このようにして、ウエハWの少なくとも上面にアルカリ性の薬液が供給され、ウエハWの薬液処理が行われる。ウエハWに供給されたアルカリ性の薬液は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第2処理液回収用タンク46bに送られて回収される。また、上述のような薬液処理が行われる際に、純水供給用アーム82pは、第2の薬液供給用アーム82sのノズル82aによるアルカリ性の薬液の吐出位置からわずかに後退した位置に当該純水供給用アーム82pのノズル82aが位置するよう、処理室20内で待機している。
【0076】
そして、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対してアルカリ性の薬液が供給された後に中断することなく引き続きこのウエハWに純水が供給される。具体的には、処理室20内に進出した第2の薬液供給用アーム82sに設けられたノズル82aからウエハWに対してアルカリ性の薬液を供給した後に、処理室20内に進出している純水供給用アーム82pに設けられたノズル82aから純水を中断することなく引き続きウエハWに供給する。ウエハWに供給された純水は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第3処理液回収用タンク46cに送られて回収される。このようにして、カップ外周筒50内でウエハWに対してアルカリ性の薬液により処理が行われ、その後引き続いてリンス処理が行われるようになる。そして、ウエハWに対するアルカリ性の薬液による処理およびリンス処理が終了すると、処理室20に進出した第2の薬液供給用アーム82sおよび純水供給用アーム82pはこの処理室20から退避してアーム待機部80で待機するようになる。また、上述のようなリンス処理が行われる間に、IPA供給用アーム82uが壁90のアーム洗浄部88の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。より詳細には、上述のようなリンス処理が行われる際に、IPA供給用アーム82uは、純水供給用アーム82pのノズル82aによる純水の吐出位置からわずかに後退した位置に当該IPA供給用アーム82uのノズル82aが位置するよう、処理室20内で待機している。
【0077】
その後、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対してIPAにより乾燥処理が行われる。具体的には、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうちN2ガス供給用アーム82rが壁90のアーム洗浄部88の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。このようにして、処理室20内にN2ガス供給用アーム82rおよびIPA供給用アーム82uがそれぞれ進出した状態となる。この際に、N2ガス供給用アーム82rおよびIPA供給用アーム82uは互いに高さレベルが異なるようになっているので、これらのアーム82r、82uが互いに干渉することはない。
【0078】
そして、ウエハWが回転した状態で、処理室20内に進出したIPA供給用アーム82uに設けられたノズル82aからウエハWに対してIPAを供給した後に、このウエハWにおけるIPAが供給された箇所に対して処理室20内に進出したN2ガス供給用アーム82rに設けられたノズル82aからN2ガスを供給する。具体的には、処理室20内において、IPA供給用アーム82uに設けられたノズル82aによりウエハWの中心にIPAが供給される。その後、IPA供給用アーム82uがウエハWの中心から周縁部に移動し、IPAが供給された後のウエハW上の領域に対して、N2ガス供給用アーム82rに設けられたノズル82aによりガスが噴射されるウエハW上の領域が後を追うように、これらのIPA供給用アーム82uおよびN2ガス供給用アーム82rをウエハW上で移動させる。このようにして、ウエハWの表面において、IPAが供給された箇所にN2ガスがすぐに供給されるようになり、ウエハWの乾燥処理を適切に行うことができるようになる。なお、ウエハWに供給されたIPAは、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第4処理液回収用タンク46dに送られて回収される。ウエハWの乾燥処理が終了すると、処理室20に進出したIPA供給用アーム82uおよびN2ガス供給用アーム82rはこの処理室20から退避してアーム待機部80で待機するようになる。
【0079】
ウエハの乾燥処理が終了すると、カップ外周筒50に設けられた駆動機構50bにより、このカップ外周筒50を下方に移動させ、カップ外周筒50を図4に示すような下方位置に位置させる。
【0080】
その後、保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示す位置から上方に移動させる。この際に、保持プレート26の保持部材25により支持されたウエハWがリフトピンプレート22のリフトピン23上に受け渡される。次に、処理室20の開口94aに設けられたシャッター94をこの開口94aから退避させることにより開口94aを開き、液処理装置10の外部から開口94aを介して搬送アーム104を処理室20内に進出させ、この搬送アーム104によりリフトピンプレート22のリフトピン23上のウエハWを取り出す。搬送アーム104により取り出されたウエハWは液処理装置10の外部に搬送される。このようにして、一連のウエハWの液処理が完了する。
【0081】
なお、各ノズル支持アーム82の洗浄は、ノズル支持アーム82が処理室20からアーム待機部80における退避位置に移動する際にアーム洗浄部88により行ってもよい。また、各ノズル支持アーム82の洗浄は、ウエハWに対する各処理後に行ってもよいし、あるいは定期的に行ってもよい。
【0082】
ここで、本実施の形態の液処理装置10によれば、アーム洗浄部88がアーム待機部80に位置固定で設けられており、このアーム洗浄部88は、ノズル支持アーム82が移動する際に当該ノズル支持アーム82の洗浄を行えるようになっている。このように、アーム洗浄部88によりノズル支持アーム82を洗浄することによって、汚れが付着していない状態でノズル支持アーム82が処理室20内に進入することができるようになり、ノズル支持アーム82に付着した汚れにより処理室20内のウエハWが汚れてしまうことを防止することができる。さらに、アーム洗浄部88が処理室20の外部に設けられることにより、処理室20内の気流が乱れてしまうことを防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、アーム洗浄部88は、洗浄液が収容される収容部分88aを有しており、アーム洗浄部88において、収容部分88aに収容された洗浄液にノズル支持アーム82の一部が接触しながらノズル支持アーム82が移動することによりノズル支持アーム82の洗浄が行われるようになっている。この場合には、アーム洗浄部88を移動させることなく、位置が固定された収容部分88aに収容された洗浄液によりノズル支持アーム82の洗浄を行うことができるので、アームの洗浄を行うための機構をシンプルなものとすることができる。
【0084】
ところで本実施の形態においては、図10に示すように、アーム洗浄部88の吸引機構88c、88dは、ノズル支持アーム82が洗浄された後に、ノズル支持アーム82の表面に付着した液滴を側方から吸引するよう構成されている。このため、ノズル支持アーム82の表面に付着した液滴のうち、ノズル支持アーム82の側面82dに付着した液滴は十分に吸引されるが、ノズル支持アーム82の先端面82eに付着した液滴は十分には吸引されないことが考えられる。
【0085】
ここで本実施の形態においては、図11(a)(b)に示すように、ノズル支持アーム82には、ノズル支持アーム82の先端面82eに向けてガスを噴出するガス噴出機構75が設けられている。このため、アーム洗浄部88による洗浄の後にノズル支持アーム82の先端面82eに液滴などの汚れが残っている場合であっても、ガス噴出機構75から噴出されるガスによって液滴などの汚れを確実に取り除くことができる。このことにより、ノズル支持アーム82の先端面82eに付着した汚れにより処理室20内のウエハWが汚れてしまうことをより確実に防止することができる。
【0086】
なお、ガス噴出機構75がノズル支持アーム82の先端面82eに向けてガスを噴出するタイミングが特に限定されることはないが、例えば、ノズル支持アーム82が処理室20から退避した退避位置に位置している時に、ガス噴出機構75が先端面82eに向けてガスを噴出する。この場合、好ましくは、先端面82eが吸引機構88cの近傍にある時に、ガス噴出機構75が先端面82eに向けてガスを噴出する。これによって、ガスによって先端面82eから吹き飛ばされた液滴などの汚れを、吸引機構88cによって吸引することができる。なお「吸引機構88cの近傍」とは、ガスによって先端面82eから吹き飛ばされた液滴などの汚れが吸引機構88cによって吸引され得る範囲を意味する。
【0087】
なお、先端面82eが上述のように吸引機構88cの近傍に至る過程が特に限定されることはない。
例えば、はじめに、先端面82eが収容部分88aの近傍に移動し、次に、収容部分88aに収容された洗浄液によって先端面82eを洗浄し、その後、先端面82eが吸引機構88cの近傍に移動し、そして、ガス噴出機構75が先端面82eに向けてガスを噴出してもよい。この場合、先端面82eが吸引機構88cの近傍にある時に先端面82eに付着している液滴は、収容部分88aから供給された洗浄液の液滴となっている。なお、好ましくは、先端面82eが収容部分88aの近傍へ移動する過程において、すなわち、ノズル支持アーム82が退避位置へ移動する過程において、収容部分88aからの洗浄液によってノズル支持アーム82の側面82dなどの外周面が洗浄される。
若しくは、はじめに、ノズル82aおよび先端面82eが処理室20内に進出し、次に、ノズル82aがウエハWに薬液等の流体を供給し、その後、先端面82eが吸引機構88cの近傍に移動し、そして、ガス噴出機構75が先端面82eに向けてガスを噴出してもよい。この場合、先端面82eが吸引機構88cの近傍にある時に先端面82eに付着している液滴は、ノズル82aからウエハWに供給された流体に関連する液滴となっている。
【0088】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、ノズル支持アーム82は、ノズル82aに流体を送るための内部配管82bを有しており、アーム洗浄部88において、ノズル支持アーム82の移動方向における収容部分88aよりも後方位置に、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留した液体を排出するための排液部分88eが設けられている。そして、ノズル82aが排液部分88eの真上に位置するようノズル支持アーム82が移動することにより、ノズル支持アーム82の内部配管82bから排出された液体がノズル82aから排液部分88eに送られるようになっている。このことにより、ウエハWの液処理が終了した後、ノズル支持アーム82の内部配管82bに不要な液体が残留してしまった場合でも、このノズル支持アーム82に設けられたノズル82aを用いて次の液処理を行う際に、内部配管82bに残留した液体を予めこの内部配管82bから排出することができるようになる。とりわけ、ウエハWに高温の薬液等をノズル82aから供給するときには、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留している液体は冷めている場合が多いため、この残留している冷めた液体を排液部分88eにより予め内部配管82bから排出することが望ましい。
【0089】
また、本実施の形態の液処理装置10においては、アーム洗浄部88はカップ外周筒50の外側に設けられている。このことにより、カップ外周筒50内の気流がアーム洗浄部88により乱れてしまうことを防止することができる。
【0090】
なお、本実施の形態による液処理装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、処理室20内に進出したノズル支持アーム82のノズル82aおよび処理液供給管28によりウエハWの上面および下面の両方に処理液を供給する必要はなく、ノズル支持アーム82のノズル82aによりウエハWの上面のみに処理液を供給するようになっていてもよい。
【0091】
また、一本のノズル支持アーム82に対して複数のノズル82aが設けられるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0092】
10 液処理装置
20 処理室
21 保持部
29 処理液供給部
40 回転カップ
75 ガス噴出機構
82 ノズル支持アーム
82a ノズル
82e 先端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部および当該基板保持部の周囲に配設されるカップが内部に設けられた処理室と、
前記基板保持部に保持された基板に対して流体を供給するためのノズルと、
前記ノズルを支持するノズル支持アームと、
前記ノズル支持アームに設けられ、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出するガス噴出機構と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記ガス噴出機構は、前記ノズル支持アームの前記先端面から突出するよう形成された突出部と、前記ノズル支持アームの内部に設けられたガス供給管と、を有し、
前記突出部は、ガス噴出孔を有し、
前記ガス供給管は、前記突出部へガスを供給するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
【請求項3】
前記突出部の前記ガス噴出孔は、互いに異なる少なくとも2つの方向においてガスが噴出されるよう、少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液処理装置。
【請求項4】
前記処理室に隣接して設けられたアーム待機部をさらに備え、
前記ノズル支持アームは、前記処理室内に進出した進出位置と、前記アーム待機部内へ退避した退避位置との間で水平方向に移動自在になっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項5】
前記ノズル支持アームの洗浄を行うためのアーム洗浄部をさらに備え、
前記アーム洗浄部は、前記処理室における前記カップと前記アーム待機部との間の領域または前記アーム待機部に位置固定で設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液処理装置。
【請求項6】
前記処理室と前記アーム待機部との間には鉛直方向に延びる壁が設けられており、
前記壁には、前記ノズル支持アームが通過可能な開口が設けられており、
前記壁に前記アーム洗浄部が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の液処理装置。
【請求項7】
前記ノズル支持アームが前記退避位置にあるとき、前記ノズル支持アームの前記先端面によって前記壁の前記開口が塞がれることを特徴とする請求項6に記載の液処理装置。
【請求項8】
前記処理室内において前記カップの周囲に配設され、上方位置と下方位置との間で昇降可能となっており、前記ノズル支持アームが通過可能な開口が設けられた円筒状のカップ外周筒をさらに備え、
前記アーム洗浄部は、前記カップ外周筒の外側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項9】
処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、
ノズルを支持するノズル支持アームを前記処理室内に進出させることと、
前記処理室内に進出したノズル支持アームのノズルにより、前記基板保持部により保持された基板に流体を供給することと、
前記ノズル支持アームに設けられたガス噴出機構により、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出することと、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項10】
前記ノズル支持アームに設けられたガス噴出機構により、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出することが、前記ノズル支持アームが処理室から退避した退避位置に位置している時に実施されることを特徴とする請求項9に記載の液処理方法。
【請求項11】
前記ノズル支持アームが前記処理室内の位置から前記退避位置へ移動する過程において、前記ノズル支持アームをアーム洗浄部によって洗浄することをさらに備え、
前記ノズル支持アームに設けられたガス噴出機構により、前記ノズル支持アームの先端面に向けてガスを噴出することが、前記ノズル支持アームが前記アーム洗浄部によって洗浄された後に実施されることを特徴とする請求項10に記載の液処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−4662(P2013−4662A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133189(P2011−133189)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】