説明

液剤吐出装置

【課題】ノズル内における液剤の滞留を抑制して一軸偏心ねじポンプの停止時における液剤の垂れを低減することのできる液剤吐出装置を提供する。
【解決手段】液剤吐出装置は、雌ねじ状の内周面を有する貫通孔16が形成されたステータ12及び雄ねじ状に形成されたロータ13を有する一軸偏心ねじポンプ2と、一軸偏心ねじポンプ2から送出される液剤を吐出するノズル3とを備えた。そして、ノズル3における貫通孔16の送出口16aに接続される吸込口31に、少なくとも、該吸込口31における送出口16a側の開口領域であって、該送出口16aの長手方向中央部と対向する領域を埋めるコマ部材41を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一軸偏心ねじポンプを用いた液剤吐出装置(ディスペンサ)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雌ねじ状の内周面を有する貫通孔が形成されたステータ及び貫通孔内に嵌挿される雄ねじ状のロータを有する一軸偏心ねじポンプと、同ポンプから圧送される接着剤等の液剤をワーク上に吐出するノズルとを備えた液剤吐出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6に示す例では、一軸偏心ねじポンプ51のステータ52は、その軸方向に延びる貫通孔53が形成された円筒状に形成されている。貫通孔53の内周面は二条の雌ねじ状に形成されており、その軸直交断面は長円状に形成されている(図7参照)。一方、ロータ54は一条の雄ねじ状に形成されており、その軸直交断面は略真円形状に形成されている(図7参照)。また、ロータ54は、貫通孔53内でステータ52(貫通孔53)の軸心に対して偏心回転可能な状態でモータ(図示略)に駆動連結されている。そして、一軸偏心ねじポンプ51は、モータ駆動によりロータ54が回転しながらステータ52の長円形に形成された貫通孔53内をその長手方向に沿って往復動することにより、貫通孔53とロータ54との間の空間内に存在する液剤を、同貫通孔53におけるノズル55側の端部である送出口53aから送出する。
【0004】
ノズル55は、貫通孔53の送出口53aに接続される吸込口56、及び吸込口56に連通路57を介して連通される吐出口58を有している。吸込口56は、通常、加工性等の観点から連通路57側に向かうにつれて先細となるテーパ状(ろうと状)に形成されている。そして、一軸偏心ねじポンプ51から吸込口56内に送出された液剤は、連通路57及び吐出口58を介してワーク上に吐出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−236424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図7に示すように、一軸偏心ねじポンプ51では、貫通孔53内をロータ54が長手方向に沿って往復動することにより液剤が送出されるため、主として液剤は送出口53aの長手方向両端側からそれぞれ送出され、長手方向中央部からはほとんど送出されない。そのため、吸込口56における送出口53a側の開口領域のうち、該送出口53aの長手方向中央部と対向する領域では、液剤が流れずに滞留し易い。従って、図8(a)に示すように、例えばノズル55の交換時等において吸込口56内に混入した気泡Bが、送出口53aの長手方向中央部と対向する上記領域、すなわち液剤の滞留し易い領域に存在すると、液剤を吐出することで気泡Bを排出しようとしても、同気泡Bが排出されずに吸込口56内に留まり易くなる。なお、図8では、液剤を点ハッチングで示す。
【0007】
このように吸込口56内に気泡が混入した状態で、図8(b)に示すように、ポンプ51を駆動して液剤をノズル55からワーク59上に吐出(塗布)すると、吸込口56内の圧力が高くなることで気泡Bは圧縮されてその体積が小さくなる。そして、図8(c)に示すように、ポンプ51を停止し、液剤がノズル55内に送出されなくなると、吸込口56内の圧力が低下することで気泡Bの体積が大きくなる。その結果、ノズル55内の液剤が吐出口58から垂れる虞があり、例えば次に液剤を吐出する際に液剤の吐出量がばらつくといった問題が生じる。特に、液剤が接着剤等の高粘度の流体である場合には、吐出時におけるノズル55内の圧力が高くなるため、こうした問題が顕著なものとなっており、その改善が強く求められていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ノズル内における液剤の滞留を抑制して一軸偏心ねじポンプの停止時における液剤の垂れを低減することのできる液剤吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、雌ねじ状の内周面を有する貫通孔が形成されたステータ及び雄ねじ状に形成されたロータを有する一軸偏心ねじポンプと、前記一軸偏心ねじポンプから送出される液剤を吐出するノズルとを備え、前記貫通孔の軸直交断面は長円形状に形成され、前記ロータが回転しながら前記貫通孔内をその長手方向に往復動することにより、該貫通孔における前記ノズル側の端部である送出口から前記ノズルの吸込口内に液剤が送出される液剤吐出装置において、前記吸込口内には、少なくとも、該吸込口における前記送出口側の開口領域であって、該送出口の長手方向中央部と対向する領域を埋めるブロック手段が設けられたことを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、吸込口内における送出口側の開口領域であって、該送出口の長手方向中央部と対向する領域がブロック手段により埋められるため、当該領域内に液剤が滞留することを抑制できるようになる。そして、液剤の滞留が抑制されることで、同液剤とともに気泡が排出され易くなる、すなわち液剤を吐出する際に気泡がノズル内に留まり難くなり、気泡の排出性を向上させることができる。これにより、一軸偏心ねじポンプの停止時における液剤の垂れを低減し、吐出量のばらつきを抑えることが可能になる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液剤吐出装置において、前記ブロック手段は、前記送出口の長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が前記ノズルの吐出口側に向かうにつれて徐々に近接するように構成されたことを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、送出口の長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が吐出口側に向かうにつれて徐々に近接するため、ブロック手段を設けたことに起因して液剤の滞留し易い領域がノズル内に形成されることを防止できるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液剤吐出装置において、前記ブロック手段は、前記送出口の長手方向において前記吸込口を二分割するように構成されたことを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、ブロック手段と吸込口の内周面との間に、送出口の短手方向の隙間が形成されるように同ブロック手段を構成する場合に比べ、吸込口内で液剤が滞留することを十分に抑制できる。これにより、ノズル内で液剤が滞留することをより抑制できるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液剤吐出装置において、前記吸込口における前記送出口側の開口形状が、前記送出口の長手方向長さと等しい外径を有する円形状に形成されたことを要旨とする。
【0016】
吸込口の開口形状が送出口の長円形状に比べて大きいと、同吸込口内における外周近傍で液剤が滞留し易くなる。この点、上記構成によれば、吸込口における送出口側の開口形状が送出口の長手方向長さと等しい外径を有する円形状に形成されるため、吸込口内で液剤が滞留することをより一層抑制できるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ノズル内における液剤の滞留を抑制して一軸偏心ねじポンプの停止時における液剤の垂れを低減することのできる液剤吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)本実施形態の液剤吐出装置の概略構成を示す断面図、(b)(a)のA−A断面図。
【図2】本実施形態のノズル近傍の拡大断面図。
【図3】本実施形態のノズルの側面を示す一部破断図。
【図4】コマ部材の斜視図。
【図5】図2のB−B断面図。
【図6】従来のノズル近傍の拡大断面図。
【図7】貫通孔の軸直交断面におけるロータの動作を示す概略構成図。
【図8】(a)〜(c)吸込口内に気泡が混入した状態での液剤の吐出工程を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)に示すように、液剤吐出装置(ディスペンサ)1は、液剤(本実施形態では、接着剤)を圧送するための圧力源である一軸偏心ねじポンプ2と、同ポンプ2から送出される液剤を所定形状に成形してワーク上に吐出するノズル3とを備えている。
【0020】
一軸偏心ねじポンプ2は、略円筒状のケーシング11と、ケーシング11の一端に固定される略円筒状のステータ12と、ステータ12内に嵌挿されるロータ13を有している。ケーシング11は、金属材料からなり、その側面には液剤が貯留された貯留タンク(図示略)に接続される接続孔14が径方向に貫通して形成されている。
【0021】
ステータ12は、一端にノズル3が固定されるとともに他端にケーシング11に固定される外筒15、及び外筒15内に固定されるとともに軸方向に沿って貫通した貫通孔16を有する内筒17からなる。なお、本実施形態では、外筒15は金属材料により構成され、内筒17は樹脂材料により構成されている。貫通孔16の内周面は、二条の雌ねじ状に形成されており、同図(b)に示すように、貫通孔16は、ステータ12の軸線と直交する断面(軸直交断面)が長円形状に形成されている。そして、貫通孔16におけるノズル3側の端部である送出口16aはノズル3内に開口するとともに、同貫通孔16におけるケーシング11側の端部である送入口16bは、ケーシング11内に開口して接続孔14と連通されている。
【0022】
図1(a)に示すように、ロータ13は、金属材料からなり、雄ねじ状に形成されている。なお、ロータ13が構成する雄ねじのピッチは、貫通孔16の内周面が構成する雌ねじのピッチの略1/2に設定されている。そして、同図(b)に示すように、ロータ13の軸直交断面は、貫通孔16の円弧部分と略等しい直径を有する略真円形状に形成されている。
【0023】
また、ロータ13は、貫通孔16内でステータ12の軸心に対して偏心回転可能な状態でモータ21に駆動連結されている。具体的には、モータ21には、ステータ12と同軸配置される駆動軸22が駆動連結されている。そして、ロータ13は、同ロータ13と駆動軸22とがそれぞれ自在継手23,24を介して連結軸25に連結されることにより、貫通孔16内で偏心回転可能となっている。
【0024】
図1及び図2に示すように、ノズル3は、貫通孔16の送出口16aに連続して接続される吸込口31、及び吸込口31に連通路32を介して連通される吐出口33を有している。
【0025】
吸込口31は、送出口16aから連通路32に近接するにつれて縮径するテーパ状(ろうと状)に形成されている。連通路32は、断面略円形状に形成されるとともに、吐出口33側で屈曲したL字状に形成されている。吐出口33は、断面略四角形状に形成されており、液剤を平面状に成形してワーク上に吐出(塗布)することが可能になっている。
【0026】
なお、本実施形態では、図2及び図3に示すように、ノズル3は、吸込口31及び連通路32が形成されたノズル本体34と、ノズル本体34における連通路32の一端が開口する側面34aに固定される略平板状のプレート35とからなる。ノズル本体34の側面34aには、連通路32と対応する位置に凹部36が形成されるとともに、プレート35には、ノズル本体34の凹部36に対応した形状の凹部37が形成されている。そして、凹部36,37が対向するようにプレート35をノズル本体34に固定することにより上記吐出口33が形成されている。
【0027】
このように構成された液剤吐出装置1では、モータ駆動により、ロータ13が回転しながら貫通孔16内をその長手方向に往復動する。これにより、貯留タンクから接続孔14を介してケーシング11内に供給された液剤が、貫通孔16の送入口16bから同貫通孔16とロータ13との間の空間内に送入されるとともに、同空間内に存在する液剤が貫通孔16の送出口16aからノズル3の吸込口31内に送出される。そして、液剤は、連通路32及び吐出口33介してワーク上に吐出される構成となっている。
【0028】
(液剤の滞留抑制構造)
次に、ノズル内での液剤の滞留を抑制する構造について説明する。
上述のように液剤は、長円形状に形成された送出口16aの長手方向両端部からそれぞれ送出され、ロータ13が常に位置する長手方向中央部からはほとんど送出されないため、吸込口31における送出口16a側の開口領域のうち、該送出口16aの長手方向中央部と対向する領域では、液剤が流れずに滞留し易い。そのため、吸込口31内に混入した気泡が送出口16a内の上記領域に存在すると、液剤を吐出することで気泡を排出しようとしても、同気泡が排出されずに吸込口31内に留まり易くなり、一軸偏心ねじポンプ2の停止時において液剤の垂れが発生する虞がある(図7及び図8参照)。
【0029】
この点を踏まえ、図2、図3及び図5に示すように、ノズル3には、少なくとも、吸込口31における送出口16a側の開口領域であって、該送出口16aの長手方向中央部と対向する領域を埋めるブロック手段としてのコマ部材41が設けられている。そして、コマ部材41は、送出口16aの長手方向において吸込口31を二分割するとともに、送出口16aの長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が吐出口33側(下流側)に向かうにつれて徐々に近接するように形成されている。
【0030】
詳述すると、図4及び図5に示すように、コマ部材41は、同コマ部材41における送出口16aの短手方向両側の端部が丸みを帯びた略直方体状に形成されている。そして、コマ部材41における送出口16aの短手方向に沿った幅Wは、送出口16aの長手方向長さLよりも大きく形成されている。また、コマ部材41における送出口16aの長手方向に沿った厚さTは、送出口16aの長手方向長さLよりも小さく形成されている。詳しくは、コマ部材41と吸込口31の内周面との間に形成される送出口16aの長手方向の隙間が、送出口16aの長手方向一端部に位置したロータ13と同長手方向他端部の内周面との間に形成される隙間と略等しくなるような厚さに形成されている。なお、図2及び図3に示すように、コマ部材41におけるステータ12の軸方向に沿った長さは、吸込口31の軸方向に沿った長さと略等しく形成されており、同コマ部材41は、ロータ13と接触しないようになっている。
【0031】
一方、図5に示すように、吸込口31における送出口16a側の開口形状、すなわちノズル3におけるステータ12の一端と当接する当接面42での開口形状は、送出口16aの長手方向長さLと等しい外径を有する円形状に形成されている。なお、ノズル3の当接面42は平坦な平面状に形成されている。また、吸込口31の内周面には、コマ部材41自身の長手方向(送出口16aの短手方向に沿った方向)両端部と対応する形状の嵌合凹部43が形成されている。そして、コマ部材41が嵌合凹部43と嵌合するように吸込口31内に挿入することで、吸込口31内が送出口16aの長手方向に二分割され、コマ部材41と吸込口31との間に送出口16aの短手方向の隙間が生じないように形成されている。
【0032】
また、図2及び図5に示すように、コマ部材41における送出口16aの長手方向両側の側面41aには、同送出口16a(吸込口31)の軸方向に延びる流路溝44が吸込口31の内周面と対向する位置に形成されている。流路溝44は、連通路32側に向かうにつれて吸込口31の内径に合わせてその幅が狭くなるとともに、その深さが深くなるように形成されている。これにより、送出口16aの長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が徐々に近接して合流するようになっている。
【0033】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ノズル3に、少なくとも、吸込口31における送出口16a側の開口領域であって、該送出口16aの長手方向中央部と対向する領域を埋めるコマ部材41を設けたため、当該領域に液剤が滞留することを抑制できるようになる。そして、液剤の滞留が抑制されることで気泡がノズル3内に留まり難くなるため、その排出性を向上させることができる。これにより、一軸偏心ねじポンプ2の停止時における液剤の垂れを低減し、吐出量のばらつきを抑えることが可能になる。
【0034】
(2)コマ部材41を、送出口16aの長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が吐出口33側に向かうにつれて徐々に近接するように形成したため、コマ部材41を設けたことに起因して液剤の滞留し易い領域がノズル3内に形成されることを防止できるようになる。
【0035】
(3)コマ部材41を、長手方向において前記吸込口31を二分割するように、すなわちコマ部材41と吸込口31との間に送出口16aの短手方向の隙間が生じないように形成した。上記構成によれば、コマ部材41と吸込口31との間に送出口16aの短手方向の隙間が生じるように同コマ部材41を形成する場合に比べ、吸込口31内で液剤が滞留することを十分に抑制できるため、ノズル3内で液剤が滞留することをより抑制できるようになる。
【0036】
(4)吸込口31における送出口16a側の開口形状を送出口16aの長手方向長さと等しい外径を有する円形状に形成した。
ここで、吸込口31の開口形状が送出口16aの長円形状に比べて大きいと、同吸込口31内における外周近傍で液剤が滞留し易くなる。この点、上記構成によれば、吸込口31における送出口16a側の開口形状が貫通孔16(送出口16a)の長手と等しい外径を有する円形状に形成されるため、吸込口31内で液剤が滞留することをより一層抑制できるようになる。
【0037】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、吸込口31の送出口16a側の開口形状を、送出口16aの長手方向長さLと等しい外径を有する円形状に形成したが、これに限らず、例えば長手方向長さLよりも大きな又は小さな外径を有する円形状に形成してもよい。
【0038】
・上記実施形態では、吸込口31内を送出口16aの長手方向に二分割するようにコマ部材41を形成したが、吸込口31内を完全には二分割せず、コマ部材41自身の長手方向両端部と吸込口31との間に送出口16aの短手方向に延びる隙間が残るようにしてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、コマ部材41を金属材料により構成したが、これに限らず、液剤の吐出時における圧力で変形(圧縮)しない程度の剛性を有すれば、樹脂等の他の材料により構成してもよい。
【0040】
・上記実施形態では、本発明を、接着剤を吐出する液剤吐出装置1に適用したが、グリスやシーリング剤等の他の液剤を吐出する液剤吐出装置1に適用してもよい。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0041】
(イ)雌ねじ状の内周面を有する貫通孔が形成されたステータ及び雄ねじ状に形成されたロータを有し、軸直交断面が長円形状に形成された前記貫通孔内を前記ロータが回転しながらその長手方向に往復動することにより、該貫通孔の送出口から液剤を送出する一軸偏心ねじポンプ用のノズルにおいて、前記送出口に接続される吸込口には、少なくとも、該吸込口における前記送出口側の開口領域であって、該送出口の長手方向中央部と対向する領域を埋めるブロック部材が設けられたことを特徴とするノズル。上記構成によれば、請求項1と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0042】
1…液剤吐出装置、2…一軸偏心ねじポンプ、3…ノズル、11…ケーシング、12…ステータ、13…ロータ、15…外筒、16…貫通孔、16a…送出口、16b…送入口、17…内筒、31…吸込口、32…連通路、33…吐出口、41…コマ部材、41a…側面、42…当接面、43…嵌合凹部、44…流路溝、L…長手方向長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ねじ状の内周面を有する貫通孔が形成されたステータ及び雄ねじ状に形成されたロータを有する一軸偏心ねじポンプと、前記一軸偏心ねじポンプから送出される液剤を吐出するノズルとを備え、前記貫通孔の軸直交断面は長円形状に形成され、前記ロータが回転しながら前記貫通孔内をその長手方向に往復動することにより、該貫通孔における前記ノズル側の端部である送出口から前記ノズルの吸込口内に液剤が送出される液剤吐出装置において、
前記吸込口内には、少なくとも、該吸込口における前記送出口側の開口領域であって、該送出口の長手方向中央部と対向する領域を埋めるブロック手段が設けられたことを特徴とする液剤吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液剤吐出装置において、
前記ブロック手段は、前記送出口の長手方向両端部からそれぞれ送出される液剤が前記ノズルの吐出口側に向かうにつれて徐々に近接するように構成されたことを特徴とする液剤吐出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液剤吐出装置において、
前記ブロック手段は、前記送出口の長手方向において前記吸込口を二分割するように構成されたことを特徴とする液剤吐出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液剤吐出装置において、
前記吸込口における前記送出口側の開口形状が、前記送出口の長手方向長さと等しい外径を有する円形状に形成されたことを特徴とする液剤吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−241648(P2012−241648A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113757(P2011−113757)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】