液化ガス容器
【課題】
本発明は、例えばLPガス(プロパンガス)などの液化ガスを充填しておく液化ガス容器に関し、従来型の容器との互換性を維持しつつ気化潜熱を高効率に取り込むことができる液化ガス容器を提供する。
【解決手段】
外装容器10の内部に内装容器60を配置し、その内装容器60の天鏡70に、内装容器60内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを流出させる第1の流路71を形成し、内装容器60の地鏡80に、内装容器60の液化ガスを液体のまま流出させる第2の流路81を形成した。
本発明は、例えばLPガス(プロパンガス)などの液化ガスを充填しておく液化ガス容器に関し、従来型の容器との互換性を維持しつつ気化潜熱を高効率に取り込むことができる液化ガス容器を提供する。
【解決手段】
外装容器10の内部に内装容器60を配置し、その内装容器60の天鏡70に、内装容器60内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを流出させる第1の流路71を形成し、内装容器60の地鏡80に、内装容器60の液化ガスを液体のまま流出させる第2の流路81を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばLPガス(プロパンガス)などの液化ガスを充填しておく液化ガス容器が広く使われている。この液化ガス容器は、その内部に液化ガスを充填しておき、容器表面から気化潜熱の供給を受けて蒸発し、その蒸発により生成されたガスを容器の外部に取り出して消費する構造となっている。
【0003】
図1,図2は、従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。このLPガス容器は50kgのLPガスを充填できるように設計された容器である。図1,図2は、LPガス容器内に、規定の、それぞれ100%(50kg)、30%(15kg)の充填量のLPガスが充填された状態であって、かつ、いずれもこのLPガス容器からガスを取り出して消費している状態を示している。
【0004】
このLPガス容器10Aは、充填された液体のLPガス50の蒸発に伴って内部が高圧になるため、その高圧に耐えるだけの強度を持った圧力容器である。
【0005】
このLPガス容器10Aは、頂部を覆う天鏡20と、底部を覆う地鏡30と、それら天鏡20と地鏡30を繋いで周囲を取り囲む胴体40とを有する。天鏡20には、容器用弁21が取り付けられている。容器用弁21は、容器内部に充填されたLPガスの取出口であるが、容器内部にLPガスを注入する際のガス注入口としても使われる。
【0006】
また、このLPガス容器10Aの地鏡30には、このLPガス容器10Aを安定的に立てておくためのスカート31が固定されている。
【0007】
このLPガス容器10A内に充填されたLPガスは、容器用弁21を開放することにより、矢印Bで示すようにガスが取り出されて消費される。この際、このLPガス容器10A内に充填されているLPガスは、沸騰を伴って蒸発する。LPガスを継続的に消費するためには、蒸発を継続させる必要があり、このためには、蒸発に必要な気化潜熱を、矢印Aで示すように容器壁面から供給する必要がある。ここで、容器壁面を通じてLPガスに供給される熱量は、外気温度とLPガスの液温との差や、容器壁面のうちの液体のLPガス50が接している部分の面積などにより決定される。
【0008】
一般的な使用形態では、容器内のガス圧力が0.07MPaを下回らない程度に維持する必要があるが、容器内のLPガスの残量が少なくなると容器内の液と容器壁面との接触面積が減少するため、容器壁面からの気化潜熱の供給が減り、ガス圧力が低下する傾向となる。このため、図2に示す残ガス量30%程度の悪条件で必要なガス圧力が得られるように設置本数等を設計することが一般的である。
【0009】
しかしながら、外気温度が低く、かつ単位時間あたりのガス消費量が多いような苛酷な条件下では、特に残ガス量が低下してくると必要なガス圧力を維持することが困難である。
【0010】
図3は、図1,図2に示す従来型のLPガス容器であって、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【0011】
LPガス容器10A内のガスを消費すると熱が気化潜熱として奪われて液温度が低下するため、ガス消費停止時に液温度を上昇させること、すなわちガスを断続で使用する場合にガス消費を止めている間に顕熱分として熱量を蓄えさせることも、容器としての重要な機能である。
【0012】
このLPガス容器10Aでは、図3に示すように、内部に液が接している部分の容器外表面から、外気温と液温との温度差により熱が供給される。しかしながら、この熱の供給時点では内部が沸騰していないこと、およびガス消費時に多量の気化潜熱を奪った結果、容器外表面に氷が付着していることも多く、その氷の影響もあって液温度の上昇、すなわち顕熱分としての熱量の蓄積は緩やかである。
【0013】
ここで、特許文献1,2には、容器外部を通るバイパス路を形成し、そのバイパス路に伝熱フィンを設けてそこを通過する液化ガスに外気の熱を供給することが開示されている。
【0014】
また、特許文献3,4には、ガス内部に発泡体や毛状体を入れておき、毛細管現象を利用して液化ガスと容器壁面との接触面積を増加させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2000−88192号公報
【特許文献2】特開2002−22096号公報
【特許文献3】特開平11−63394号公報
【特許文献4】実開平4−134997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1,2に開示された、バイパス路を形成する提案は、固定設置型のバルク貯槽には適用可能であるが、LPガス容器のような可搬型のガス容器の場合、バイパス路の設置が困難である。特に、図1〜図3に示されているような、従前から使用されているLPガス容器の場合、その頂部に1ヵ所のみ、ガスの注入、取出口が設けられており、そのLPガス容器と互換性を持ってバイパス路を設置することは不可能である。
【0017】
また、特許文献3,4に開示された、発泡体や毛状体をガス容器内部に配置する提案は、LPガス容器のような容器には適用することができない。LPガス容器の場合、溶接工程を経て容器が製造される。このため、その容器を高温に熱して冷ます焼鈍を行なう必要がある。したがって容器内部にはその焼鈍に耐えるだけの耐熱性を持った材料のものしか配置することはできない。また、焼鈍には耐えられる材料であってもその後の長期使用に耐えるだけの耐久性も必要である。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑み、従来型の容器との互換性を維持しつつ気化潜熱を高効率に取り込むことができる液化ガス容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成する本発明の液化ガス容器は、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器において、
頂部を覆う、容器用弁が形成された天鏡と、底部を覆う地鏡と、天鏡と地鏡とを繋いで周囲を取り囲む胴体とを有し、内部に液化ガスが充填される外装容器と、
天鏡との間に空間を空けて外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された天板と、胴体との間に間隔を空けてその胴体に対面して広がり上部が天板周縁に繋がった側板とを含むとともに、外装容器内部の底部において開口した第2の流路を有し、外装容器内部を、天板と天鏡とに挟まれた空間と、側板とその側板が対面する胴体とに挟まれた空間との双方を含む第1の領域と、その第1の領域を除く、その第1の領域との間が第1の流路と第2の流路とで繋がった第2の領域とに区画する仕切り壁とを有することを特徴とする。
【0020】
ここで、本発明の液化ガス容器において、上記仕切り壁が、地鏡との間に間隔を空けて外装容器内部を上下に隔てる、上記第2の流路が形成された地板を有し、上記側板が上記周壁に沿って一周し上部が天板に一周に渡って繋がるとともに下部が地板に一周に渡って繋がった、外装容器内部に配置された内装容器であることが好ましい。
【0021】
また、本発明の液化ガス容器において、上記第1の流路よりも上記第2の流路が広い流路であることが好ましい。
【0022】
ここで、上記第1の流路は、第2の領域内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを第1の領域に流出させる流路であり、上記第2の流路は、第2の領域内の液化ガスを液体のまま第1の領域に流出させる流路である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液化ガス容器によれば、この容器からガスが取り出されて第1の領域内のガス圧力が低下すると第2の流路からガス液が第1の領域に流出して第1の領域の液面が上昇する。このため外装容器壁面を介して気化潜熱が効率的に取り込まれ、ガス液の蒸発が促される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。
【図2】従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。
【図3】図1,図2に示す従来型のLPガス容器であって、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【図4】本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図5】本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の横断面図である。
【図6】図4,図5に示すLPガス容器におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。
【図7】図4,図5に示すLPガス容器におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。
【図8】図4,図5に示すLPガス容器における、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【図9】図4〜図8を参照して説明した第1実施形態のLPガス容器の、外装容器外壁面の温度変化を示した図である。
【図10】第1実施形態のLPガス容器の外壁面の温度変化の、もう1つの実験データを示した図である。
【図11】本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図12】本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の横断面図である。
【図13】本発明の液化ガス容器の第3実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図14】図13に示す第3実施形態の縦断面図の、円Rの部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図4,図5は、本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の、それぞれ縦断面図、横断面図である。
【0027】
これらの図4,図5やさらにこの後説明する図6以降の各図において、図1〜3に示す従来型のLPガス容器の構成要素に対応する構成要素には、図1〜図3において付した符号と同一の符号を付して示す。
【0028】
図4に示す第1実施形態としてのLPガス容器10Bは、天鏡20、地鏡30および胴体40からなる外装容器10と、その外装容器10の内部に配置された、天鏡70、地鏡80、および胴体90とからなる内装容器60を有する。
【0029】
外装容器10を構成する天鏡20、地鏡30、および胴体40は、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aの天鏡20、地鏡30、および胴体40とそれぞれ同じ構成のものである。すなわち、天鏡20は頂部を覆っていて、その天鏡20には、容器用弁21が取り付けられている。また地鏡30は、底部を覆っている。さらに胴体40は、天鏡20と地鏡30とを繋いで周囲を取り囲んでいる。これら天鏡20、地鏡30、および胴体40からなる外装容器10にはその内部にLPガスが充填される。
【0030】
また、この外装容器10の内部に配置されている内装容器60を構成する天鏡70は、外装容器10の天鏡20との間に空間を空けて外装容器10の内部を上下に隔てる板状の部材である。本実施形態では、この内装容器60の天鏡70は、外装容器10の天鏡20の膨らみとほぼ相似形に上に膨らんだ曲面形状を有し、その頂部に、貫通した第1の流路(本実施形態では1mmφの丸穴)71が形成されている。この第1の流路71は、詳細は後述するが、内装容器60内のLPガスの蒸発により生成されたガスを流出させる流路である。また、本実施形態における、内装容器60の地鏡80は、外装容器10の内部の底部に位置し、外装容器10の地鏡30との間に間隔を空けてその地鏡30に沿って広がり、外装容器10の内部を上下に隔てる部材である。本実施形態では、この内装容器60の地鏡80は、外装容器10の地鏡30の膨らみとほぼ相似形に下に膨らんだ曲面形状を有し、その曲面の頂部(下側に最も膨らんだ箇所)には第2の流路(本実施形態では、2mmφの丸穴)81が形成されている。
【0031】
この第2の流路81は、これも詳細は後述するが、内装容器60内のLPガスを液体のまま流出させる流路である。
【0032】
さらに、内装容器60の胴体90は、外装容器10の胴体40との間に間隔を空けてその周面に対面して広がり、上部がその内装容器60の天鏡70の周縁に繋がった部材である。後述する実施形態の中には本実施形態における内装容器60の地鏡80に対応する部材が存在しない実施形態もあるが、本実施形態では、内装容器60の胴体90は外装容器10の胴体40に沿って一周し、上部が内装容器60の天鏡70に一周に渡って繋がるとともに下部が内装容器60の地鏡80に一周に渡って繋がっている。この内装容器60は、図5に示す支持部材91で外装容器10に連結されており、内装容器60は、この支持部材91に支持されることにより、外装容器10内の一定の位置に固定されている。
【0033】
これらの天鏡70、地鏡80、および胴体90からなる内装容器60は、第1の流路71および第2の流路81を有し、LPガスがその内装容器60の内部にも外部にも存在するため外装容器10のような高圧に耐える容器である必要はなく、外装容器10と比べ肉厚の薄い板材からなる容器であってもよい。この外装容器10内に内装容器60を配置したことによる外装容器10の内部の容積の減少は内装容器60の肉厚の体積のみであって僅かで済む。外装容器10は、図1のLPガス容器10Aに示す通り、その内部に規定の100%(50kg)のLPガスを充填させた状態であっても、その容積には余裕があり、したがって、図4に示すLPガス容器10Bが、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aと同一形状、同一構造の外装容器10の内部に内装容器60を配置したものであっても、従来型のLPガス容器10Aと同量のLPガスを充填することができる。すなわち、図4,図5に示すLPガス容器10Bは、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aとの互換性が保たれている。
【0034】
ここでは、後述する第2実施形態以降の実施形態にも共通する用語として、外装容器10の内部空間のうちの、内装容器60の天鏡70と外装容器10の天鏡20とに挟まれた空間と、内装容器60の胴体90とその内装容器60の胴体90が対面する外装容器10の胴体40とに挟まれた空間との双方を含む領域、すなわち、図4,図5に示す第1実施形態の場合は内装容器60の外側の領域を「第1の領域」と称する。また、これに対応して、外装容器10の内部空間のうちの、その第1の領域を除く、その第1の領域との間が第1の流路71と第2の流路81とで繋がった領域、すなわち、図4,図5に示す第1実施形態の場合は内装容器60の内側の領域を「第2の領域」と称する。さらに、この第1実施形態における内装容器60は、後述する第2実施形態以降の実施形態にも共通する用語で表現すると、外装容器10の内部を第1の領域と第2の領域とに区画する「仕切り壁」の一例である。またこれと同様、この第1実施形態における内装容器60の天鏡70は、外装容器の天鏡との間に空間を空けて外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された「天板」の一例である。さらに、この第1実施形態における内装容器60の胴体90は、外装容器の胴体との間に間隔を空けてその外装容器の胴体に対面して広がり、上部が天板周縁に繋がった「側板」の一例である。
【0035】
尚、図4には、このLPガス容器10Bの寸法が示されている。ここに記入したa〜dの各符号は、後述する実験における、容器外壁面の、温度測定用の熱電対を貼り付けた位置である。詳細は後述する。
【0036】
図6,図7は、図4,図5に示す第1実施形態におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。図6,図7ともLPガスの充填量は規定の30%(15kg)であって、図6は、単位時間あたりのガス消費量が少ない場合、図7は単位時間あたりのガス消費量が多い場合を示している。
【0037】
ガス消費量が少ない時や容器内部の液温度が高い場合は、内装容器60の天鏡70に設けられた第1の流路71から必要量のガスを供給することができる。このため、図6に示すように、内装容器60の外部(第1の領域内)の液面50aは、内装容器60内(第2の領域内)の液面50bとほとんど変わらない高さとなっている。
【0038】
これに対し、ガス消費量が多い場合や容器内部の液温度が低い場合は、内装容器60の天鏡70に設けられた第1の流路71が大きな圧力損失(抵抗)になって内装容器60の内部のガス圧力よりも内装容器60の外部のガス圧力が低くなるため、内装容器60の地鏡80に設けられた第2の流路81からLPガスが液体のまま流出して、図7に示すように、第1の領域(内装容器60と外装容器10との間の領域)の液面50aが上昇する。
【0039】
この第1の領域の液面50aが上昇すると、ガス液と外装容器10の壁面との接触面積が大幅に増え、その分、外装容器10の壁面を介して気化潜熱が多量に供給され、大きな蒸発量が確保される。
【0040】
図8は、第1実施形態のLPガス容器における、ガス消費を停止した状態を示した図である。この図8は従来型のLPガス容器における図3に対応する図である。
【0041】
この図8に示す第1実施形態のLPガス容器10Bの内部のガス液の液面の高さは、内装容器60の内外とも図3に示す従来型のLPガス容器10Aにおける液面高さと同じである。ただし、この第1実施形態のLPガス容器10Bの場合、内装容器60の外側の第1の領域と内装容器60の内側の第2の領域との2室に分かれているため、液およびガスの循環が発生する。すなわち冷えた容器内の液表面で凝縮現象が発生することになりガスの流れが起きる。この凝縮により液の流れも発生し、容器内部での循環が継続する。
【0042】
この液およびガスの流れは「ヒートパイプ」と比べ逆の流れであるが、この、液−ガス循環による熱交換は熱を高効率に取り込むことに直結する。すなわち、容器壁面の、図3と同じ高さの部分からの熱の供給(矢印A)のみでなく、それよりも上部でも矢印A´で示すように熱の供給が行なわれ、図3に示す従来型のLPガス容器10Aと比べ内部の液温度が速やかに上昇する。
【0043】
図9は、図4〜図8を参照して説明した第1実施形態のLPガス容器の、外装容器外壁面の温度変化を示した図である。
【0044】
この図9は、残ガス量30%(15kg)から開始し、7.5kg/時の消費量でガスを消費したときのデータである。ここでは、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aについても同様の実験を行ない、この図9には、その従来型のLPガス容器10Aの温度変化も示してある。
【0045】
温度測定点は、第1実施形態のLPガス容器10Bについては図4に示す4点a〜dである。また、従来型のLPガス容器10A(図1参照)については、図4のa,b、dとそれぞれ同一の高さの点である。ただし、ここでは、従来型のデータであることを表わすために、符号a,b、dに代えて符号A,B,Dを使用している。従来型では、第1実施形態における点cに対応する点については温度測定は行なっていない。またここでは「点a」と「カーブa」のように、測度測定点とその温度測定点の温度変化を表わすカーブとで同じ符号を用いている。
【0046】
図9に示すグラフで、従来型(図1)と本実施形態(図4)との相違点が際立って分かるのは、底部から400mmの、点bと点Bの温度変化である。従来型の場合、カーブBに示すように、容器外壁面の温度は50〜60分程度に至るまで若干低下するが、大きくは低下していない。これに対し本実施形態の場合、カーブbに示すように容器外壁面の温度は60〜70分程度経過するまで、カーブaと同じレベルの温度下降カーブをもって大きく下がり続けている。
【0047】
これは、従来型の場合、内部の液は底部から400mmの高さ位置には存在していないが本実施形態の場合60〜70分経過するまでは、その高さ位置まで液が上昇してきていたこと意味している。また、容器外壁面の温度が大きく低下したことはその温度の低下に見合うだけの気化潜熱が容器内部に供給されたことを意味している。また、本実施形態の場合、底部から600mmの高さ位置の温度を示すカーブcも、40分前後までは、カーブa,bと同じレベルの温度下降カーブで低下している。これは、本実施形態の場合、実験開始から40分経過時までは点cまで液が上昇してきていたことを意味している。
【0048】
図10は、第1実施形態のLPガス容器の外壁面の温度変化のもう1つの実験データを示した図である。
【0049】
ここでは、残ガス量60%(30kg)の状態から実験を開始している。ガス消費量は図9の場合と同じく7.5kg/時であり、温度測定点も図9の場合と同じく、図4に示す4点a〜dである。ここでは従来型のLPガス容器については実験を行なっていない。
【0050】
この図10のグラフdは底部から800mmの高さの温度変化を示しているが、実験開始から70分程度経過するまでは底部から600mm,400mmの高さの点c,bの温度変化を示すグラフc,bとほぼ同じ変化速度で温度が下降している。これは、実験開始から70分程度までは底部から800mmの高さまで液が上昇してきていたことを意味する。またこれと同様にグラフc,dから分かるように実験開始から100分程度までは底部から600mmの高さまで液が上昇してきていたこと、実験開始から140分程度までは底部から400mmの高さまで液が上昇してきていたことが分かる。
【0051】
これら図9,図10のグラフから分かるように、本実施形態の場合、第1の領域(外装容器10と内装容器60とに挟まれた領域)の液面50a(図7参照)が上昇して外部からの熱が効率的に取り込まれている。
【0052】
以下に本発明の他の実施形態について例示する。
【0053】
図11,図12は、本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の、それぞれ縦断面図,横断面図である。
【0054】
これら図11,図12において、上述の第1実施形態における構成要素と同じ役割りの構成要素には、形状等に相違があっても第1実施形態の各図において付した符号と同一の符号を付して示し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
この第2実施形態のLPガス容器10Cは、外装容器10とは独立した内装容器60は備えられておらず、その一部を外装容器10と共用した形状となっている。すなわち、この第2実施形態のLPガス容器10Cでは、内装容器60を構成する天鏡70および地鏡80は、その周縁のうちの約半周が外装容器10の内壁に直接に繋がっている。これに対応して、この内装容器60を構成する胴体90は、外装容器10の胴体40と約半周にわたって対面して広がっていて、その上部および下部がそれぞれ内装容器60の天鏡70,地鏡80の周縁に連結している。
【0056】
前述の第1実施形態の場合、外装容器10の内壁面に直接に接するのは第1の領域(内装容器60の外側の領域)に存在するガス液のみであって、第2の領域(内装容器60の内側の領域)内のガス液には外部からの熱を直接には伝えることはできない。これに対し、図9,図10に示す第2実施形態の場合、外部からの熱を第1の領域内の液と第2の領域内の液とに分配して伝えることができる。外装容器10の壁面を介して第2の領域内の液に熱を伝えると第2の領域内のガス圧力が上がり第2の流路81からのガス液の流出が促進される。また第1の領域に流出してきたガス液は内装容器60の胴体90と外装容器10の胴体40との間に挟まれ外装容器10の胴体40を介して熱が伝えられて蒸発が促される。すなわちこの第2実施形態の場合、容器の設計時に熱の伝達の配分を決めることができ、設計の自由度が高められる。また、このLPガス容器の材料費の削減にもつなげることができる。
【0057】
図13は、本発明の液化ガス容器の第3実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。また図14は、図13に示す第3実施形態の縦断面図の、円Rの部分の拡大図である。
【0058】
この図13,図14に示す第3実施形態のLPガス容器10Dは、外装容器10はこれまでの実施形態と同じであるが、その内部には、もはや内装容器とは呼べない仕切り壁60Aが備えられている。この仕切り壁60Aは、天板70Aと、側板90Aと、その側板90Aの下端を塞ぐ塞ぎ板92Aとから構成されている。この仕切り壁60Aを構成する天板70Aは、これまでの実施形態における内装容器60の、上に膨らんだ天鏡70とは異なり、平板で構成されているが、その役割りは、これまでの実施形態における、内装容器60の天鏡70と同じである。すなわち、この第3実施形態の天板70Aも、外装容器10の天鏡20との間に空間を空けて外装容器10の内部を上下に隔てる板材であり、その中央に、貫通した第1の流路71Aが形成されている。
【0059】
また、仕切り壁60Aを構成する側板90Aは、外装容器10の胴体40との間に間隔を空けてその胴体40に対面して一周に渡って広がり、その上部が天板70Aの周縁に繋がっている。塞ぎ板92Aは、仕切り壁60Aの側板90Aと外装容器10の胴体40とに挟まれた空間を、側板90Aの下端に沿って一周にわたって塞いでいる。また、この側板90Aの下部と外装容器10の底部との間には、両端に開口した管93が延びている。すなわち、この第3実施形態のLPガス容器10Dでは、仕切り壁60Aの天板70Aと外装容器10の天鏡20とに挟まれた空間と、仕切り壁60Aの側板90Aとその側板90Aが対面する外装容器10の胴体40とに挟まれた空間との双方により「第1の領域」が形成され、その第1の領域を除く、天板70Aより下かつ側板90Aの内側であって、外装容器10の底部を含む領域により「第2の領域」が形成されている。第1の領域と第2の領域は、天板70Aに形成された第1の流路71Aと、両端が開口し、一方の端が第1の領域に繋がり、もう一方の端が外装容器10の底部に配置されている管93とにより繋がっている。この管93は、本発明にいう第2の流路の一例である。
【0060】
外装容器10の底部の液は、管93を通って第1の領域(側板90Aと胴体40とに挟まれた領域)に流れて第1の領域の液面50aを上昇させ、外装容器10の壁面を介して気化潜熱を受け取って蒸発する。
【0061】
図13,図14に示す第3実施形態のLPガス容器10Dによっても、従来型のLPガス容器との互換性が確保され、かつ気化潜熱が高効率に取り込まれる。
【0062】
尚、第1実施形態のLPガス容器の説明では、第1の流路71は径1mmφの穴、第2の流路81は径2mmφの穴であると説明したが、これらの穴径は例示に過ぎず、そのLPガス容器の寸法や形状、そのLPガス容器に充填したLPガスが使用される地域、環境等に応じて適切な穴径の開口が選択される。
【0063】
また、穴径が小さくて目詰まりするおそれがあるときは、多段オリフィスを使うことによって穴径を広げてもよい。
【0064】
さらに、ここではLPガス容器を例に挙げて説明したが、本発明はLPガス容器に限られるものではなく、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 外装容器
10A,10B,10C,10D LPガス容器
20,70 天鏡
21 容器用弁
30,80 地鏡
31 スカート
40,90 胴体
50 LPガス
60 内装容器
60A 仕切り壁
70A 天板
71,71A 第1の流路
81 第2の流路
90A 側板
91 支持部材
93 管
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばLPガス(プロパンガス)などの液化ガスを充填しておく液化ガス容器が広く使われている。この液化ガス容器は、その内部に液化ガスを充填しておき、容器表面から気化潜熱の供給を受けて蒸発し、その蒸発により生成されたガスを容器の外部に取り出して消費する構造となっている。
【0003】
図1,図2は、従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。このLPガス容器は50kgのLPガスを充填できるように設計された容器である。図1,図2は、LPガス容器内に、規定の、それぞれ100%(50kg)、30%(15kg)の充填量のLPガスが充填された状態であって、かつ、いずれもこのLPガス容器からガスを取り出して消費している状態を示している。
【0004】
このLPガス容器10Aは、充填された液体のLPガス50の蒸発に伴って内部が高圧になるため、その高圧に耐えるだけの強度を持った圧力容器である。
【0005】
このLPガス容器10Aは、頂部を覆う天鏡20と、底部を覆う地鏡30と、それら天鏡20と地鏡30を繋いで周囲を取り囲む胴体40とを有する。天鏡20には、容器用弁21が取り付けられている。容器用弁21は、容器内部に充填されたLPガスの取出口であるが、容器内部にLPガスを注入する際のガス注入口としても使われる。
【0006】
また、このLPガス容器10Aの地鏡30には、このLPガス容器10Aを安定的に立てておくためのスカート31が固定されている。
【0007】
このLPガス容器10A内に充填されたLPガスは、容器用弁21を開放することにより、矢印Bで示すようにガスが取り出されて消費される。この際、このLPガス容器10A内に充填されているLPガスは、沸騰を伴って蒸発する。LPガスを継続的に消費するためには、蒸発を継続させる必要があり、このためには、蒸発に必要な気化潜熱を、矢印Aで示すように容器壁面から供給する必要がある。ここで、容器壁面を通じてLPガスに供給される熱量は、外気温度とLPガスの液温との差や、容器壁面のうちの液体のLPガス50が接している部分の面積などにより決定される。
【0008】
一般的な使用形態では、容器内のガス圧力が0.07MPaを下回らない程度に維持する必要があるが、容器内のLPガスの残量が少なくなると容器内の液と容器壁面との接触面積が減少するため、容器壁面からの気化潜熱の供給が減り、ガス圧力が低下する傾向となる。このため、図2に示す残ガス量30%程度の悪条件で必要なガス圧力が得られるように設置本数等を設計することが一般的である。
【0009】
しかしながら、外気温度が低く、かつ単位時間あたりのガス消費量が多いような苛酷な条件下では、特に残ガス量が低下してくると必要なガス圧力を維持することが困難である。
【0010】
図3は、図1,図2に示す従来型のLPガス容器であって、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【0011】
LPガス容器10A内のガスを消費すると熱が気化潜熱として奪われて液温度が低下するため、ガス消費停止時に液温度を上昇させること、すなわちガスを断続で使用する場合にガス消費を止めている間に顕熱分として熱量を蓄えさせることも、容器としての重要な機能である。
【0012】
このLPガス容器10Aでは、図3に示すように、内部に液が接している部分の容器外表面から、外気温と液温との温度差により熱が供給される。しかしながら、この熱の供給時点では内部が沸騰していないこと、およびガス消費時に多量の気化潜熱を奪った結果、容器外表面に氷が付着していることも多く、その氷の影響もあって液温度の上昇、すなわち顕熱分としての熱量の蓄積は緩やかである。
【0013】
ここで、特許文献1,2には、容器外部を通るバイパス路を形成し、そのバイパス路に伝熱フィンを設けてそこを通過する液化ガスに外気の熱を供給することが開示されている。
【0014】
また、特許文献3,4には、ガス内部に発泡体や毛状体を入れておき、毛細管現象を利用して液化ガスと容器壁面との接触面積を増加させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2000−88192号公報
【特許文献2】特開2002−22096号公報
【特許文献3】特開平11−63394号公報
【特許文献4】実開平4−134997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1,2に開示された、バイパス路を形成する提案は、固定設置型のバルク貯槽には適用可能であるが、LPガス容器のような可搬型のガス容器の場合、バイパス路の設置が困難である。特に、図1〜図3に示されているような、従前から使用されているLPガス容器の場合、その頂部に1ヵ所のみ、ガスの注入、取出口が設けられており、そのLPガス容器と互換性を持ってバイパス路を設置することは不可能である。
【0017】
また、特許文献3,4に開示された、発泡体や毛状体をガス容器内部に配置する提案は、LPガス容器のような容器には適用することができない。LPガス容器の場合、溶接工程を経て容器が製造される。このため、その容器を高温に熱して冷ます焼鈍を行なう必要がある。したがって容器内部にはその焼鈍に耐えるだけの耐熱性を持った材料のものしか配置することはできない。また、焼鈍には耐えられる材料であってもその後の長期使用に耐えるだけの耐久性も必要である。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑み、従来型の容器との互換性を維持しつつ気化潜熱を高効率に取り込むことができる液化ガス容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成する本発明の液化ガス容器は、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器において、
頂部を覆う、容器用弁が形成された天鏡と、底部を覆う地鏡と、天鏡と地鏡とを繋いで周囲を取り囲む胴体とを有し、内部に液化ガスが充填される外装容器と、
天鏡との間に空間を空けて外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された天板と、胴体との間に間隔を空けてその胴体に対面して広がり上部が天板周縁に繋がった側板とを含むとともに、外装容器内部の底部において開口した第2の流路を有し、外装容器内部を、天板と天鏡とに挟まれた空間と、側板とその側板が対面する胴体とに挟まれた空間との双方を含む第1の領域と、その第1の領域を除く、その第1の領域との間が第1の流路と第2の流路とで繋がった第2の領域とに区画する仕切り壁とを有することを特徴とする。
【0020】
ここで、本発明の液化ガス容器において、上記仕切り壁が、地鏡との間に間隔を空けて外装容器内部を上下に隔てる、上記第2の流路が形成された地板を有し、上記側板が上記周壁に沿って一周し上部が天板に一周に渡って繋がるとともに下部が地板に一周に渡って繋がった、外装容器内部に配置された内装容器であることが好ましい。
【0021】
また、本発明の液化ガス容器において、上記第1の流路よりも上記第2の流路が広い流路であることが好ましい。
【0022】
ここで、上記第1の流路は、第2の領域内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを第1の領域に流出させる流路であり、上記第2の流路は、第2の領域内の液化ガスを液体のまま第1の領域に流出させる流路である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液化ガス容器によれば、この容器からガスが取り出されて第1の領域内のガス圧力が低下すると第2の流路からガス液が第1の領域に流出して第1の領域の液面が上昇する。このため外装容器壁面を介して気化潜熱が効率的に取り込まれ、ガス液の蒸発が促される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。
【図2】従来型のLPガス容器の構造を示した縦断面図である。
【図3】図1,図2に示す従来型のLPガス容器であって、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【図4】本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図5】本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の横断面図である。
【図6】図4,図5に示すLPガス容器におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。
【図7】図4,図5に示すLPガス容器におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。
【図8】図4,図5に示すLPガス容器における、ガス消費を停止した状態を示した図である。
【図9】図4〜図8を参照して説明した第1実施形態のLPガス容器の、外装容器外壁面の温度変化を示した図である。
【図10】第1実施形態のLPガス容器の外壁面の温度変化の、もう1つの実験データを示した図である。
【図11】本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図12】本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の横断面図である。
【図13】本発明の液化ガス容器の第3実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。
【図14】図13に示す第3実施形態の縦断面図の、円Rの部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図4,図5は、本発明の液化ガス容器の第1実施形態としてのLPガス容器の、それぞれ縦断面図、横断面図である。
【0027】
これらの図4,図5やさらにこの後説明する図6以降の各図において、図1〜3に示す従来型のLPガス容器の構成要素に対応する構成要素には、図1〜図3において付した符号と同一の符号を付して示す。
【0028】
図4に示す第1実施形態としてのLPガス容器10Bは、天鏡20、地鏡30および胴体40からなる外装容器10と、その外装容器10の内部に配置された、天鏡70、地鏡80、および胴体90とからなる内装容器60を有する。
【0029】
外装容器10を構成する天鏡20、地鏡30、および胴体40は、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aの天鏡20、地鏡30、および胴体40とそれぞれ同じ構成のものである。すなわち、天鏡20は頂部を覆っていて、その天鏡20には、容器用弁21が取り付けられている。また地鏡30は、底部を覆っている。さらに胴体40は、天鏡20と地鏡30とを繋いで周囲を取り囲んでいる。これら天鏡20、地鏡30、および胴体40からなる外装容器10にはその内部にLPガスが充填される。
【0030】
また、この外装容器10の内部に配置されている内装容器60を構成する天鏡70は、外装容器10の天鏡20との間に空間を空けて外装容器10の内部を上下に隔てる板状の部材である。本実施形態では、この内装容器60の天鏡70は、外装容器10の天鏡20の膨らみとほぼ相似形に上に膨らんだ曲面形状を有し、その頂部に、貫通した第1の流路(本実施形態では1mmφの丸穴)71が形成されている。この第1の流路71は、詳細は後述するが、内装容器60内のLPガスの蒸発により生成されたガスを流出させる流路である。また、本実施形態における、内装容器60の地鏡80は、外装容器10の内部の底部に位置し、外装容器10の地鏡30との間に間隔を空けてその地鏡30に沿って広がり、外装容器10の内部を上下に隔てる部材である。本実施形態では、この内装容器60の地鏡80は、外装容器10の地鏡30の膨らみとほぼ相似形に下に膨らんだ曲面形状を有し、その曲面の頂部(下側に最も膨らんだ箇所)には第2の流路(本実施形態では、2mmφの丸穴)81が形成されている。
【0031】
この第2の流路81は、これも詳細は後述するが、内装容器60内のLPガスを液体のまま流出させる流路である。
【0032】
さらに、内装容器60の胴体90は、外装容器10の胴体40との間に間隔を空けてその周面に対面して広がり、上部がその内装容器60の天鏡70の周縁に繋がった部材である。後述する実施形態の中には本実施形態における内装容器60の地鏡80に対応する部材が存在しない実施形態もあるが、本実施形態では、内装容器60の胴体90は外装容器10の胴体40に沿って一周し、上部が内装容器60の天鏡70に一周に渡って繋がるとともに下部が内装容器60の地鏡80に一周に渡って繋がっている。この内装容器60は、図5に示す支持部材91で外装容器10に連結されており、内装容器60は、この支持部材91に支持されることにより、外装容器10内の一定の位置に固定されている。
【0033】
これらの天鏡70、地鏡80、および胴体90からなる内装容器60は、第1の流路71および第2の流路81を有し、LPガスがその内装容器60の内部にも外部にも存在するため外装容器10のような高圧に耐える容器である必要はなく、外装容器10と比べ肉厚の薄い板材からなる容器であってもよい。この外装容器10内に内装容器60を配置したことによる外装容器10の内部の容積の減少は内装容器60の肉厚の体積のみであって僅かで済む。外装容器10は、図1のLPガス容器10Aに示す通り、その内部に規定の100%(50kg)のLPガスを充填させた状態であっても、その容積には余裕があり、したがって、図4に示すLPガス容器10Bが、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aと同一形状、同一構造の外装容器10の内部に内装容器60を配置したものであっても、従来型のLPガス容器10Aと同量のLPガスを充填することができる。すなわち、図4,図5に示すLPガス容器10Bは、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aとの互換性が保たれている。
【0034】
ここでは、後述する第2実施形態以降の実施形態にも共通する用語として、外装容器10の内部空間のうちの、内装容器60の天鏡70と外装容器10の天鏡20とに挟まれた空間と、内装容器60の胴体90とその内装容器60の胴体90が対面する外装容器10の胴体40とに挟まれた空間との双方を含む領域、すなわち、図4,図5に示す第1実施形態の場合は内装容器60の外側の領域を「第1の領域」と称する。また、これに対応して、外装容器10の内部空間のうちの、その第1の領域を除く、その第1の領域との間が第1の流路71と第2の流路81とで繋がった領域、すなわち、図4,図5に示す第1実施形態の場合は内装容器60の内側の領域を「第2の領域」と称する。さらに、この第1実施形態における内装容器60は、後述する第2実施形態以降の実施形態にも共通する用語で表現すると、外装容器10の内部を第1の領域と第2の領域とに区画する「仕切り壁」の一例である。またこれと同様、この第1実施形態における内装容器60の天鏡70は、外装容器の天鏡との間に空間を空けて外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された「天板」の一例である。さらに、この第1実施形態における内装容器60の胴体90は、外装容器の胴体との間に間隔を空けてその外装容器の胴体に対面して広がり、上部が天板周縁に繋がった「側板」の一例である。
【0035】
尚、図4には、このLPガス容器10Bの寸法が示されている。ここに記入したa〜dの各符号は、後述する実験における、容器外壁面の、温度測定用の熱電対を貼り付けた位置である。詳細は後述する。
【0036】
図6,図7は、図4,図5に示す第1実施形態におけるガス消費時の振る舞いを示した図である。図6,図7ともLPガスの充填量は規定の30%(15kg)であって、図6は、単位時間あたりのガス消費量が少ない場合、図7は単位時間あたりのガス消費量が多い場合を示している。
【0037】
ガス消費量が少ない時や容器内部の液温度が高い場合は、内装容器60の天鏡70に設けられた第1の流路71から必要量のガスを供給することができる。このため、図6に示すように、内装容器60の外部(第1の領域内)の液面50aは、内装容器60内(第2の領域内)の液面50bとほとんど変わらない高さとなっている。
【0038】
これに対し、ガス消費量が多い場合や容器内部の液温度が低い場合は、内装容器60の天鏡70に設けられた第1の流路71が大きな圧力損失(抵抗)になって内装容器60の内部のガス圧力よりも内装容器60の外部のガス圧力が低くなるため、内装容器60の地鏡80に設けられた第2の流路81からLPガスが液体のまま流出して、図7に示すように、第1の領域(内装容器60と外装容器10との間の領域)の液面50aが上昇する。
【0039】
この第1の領域の液面50aが上昇すると、ガス液と外装容器10の壁面との接触面積が大幅に増え、その分、外装容器10の壁面を介して気化潜熱が多量に供給され、大きな蒸発量が確保される。
【0040】
図8は、第1実施形態のLPガス容器における、ガス消費を停止した状態を示した図である。この図8は従来型のLPガス容器における図3に対応する図である。
【0041】
この図8に示す第1実施形態のLPガス容器10Bの内部のガス液の液面の高さは、内装容器60の内外とも図3に示す従来型のLPガス容器10Aにおける液面高さと同じである。ただし、この第1実施形態のLPガス容器10Bの場合、内装容器60の外側の第1の領域と内装容器60の内側の第2の領域との2室に分かれているため、液およびガスの循環が発生する。すなわち冷えた容器内の液表面で凝縮現象が発生することになりガスの流れが起きる。この凝縮により液の流れも発生し、容器内部での循環が継続する。
【0042】
この液およびガスの流れは「ヒートパイプ」と比べ逆の流れであるが、この、液−ガス循環による熱交換は熱を高効率に取り込むことに直結する。すなわち、容器壁面の、図3と同じ高さの部分からの熱の供給(矢印A)のみでなく、それよりも上部でも矢印A´で示すように熱の供給が行なわれ、図3に示す従来型のLPガス容器10Aと比べ内部の液温度が速やかに上昇する。
【0043】
図9は、図4〜図8を参照して説明した第1実施形態のLPガス容器の、外装容器外壁面の温度変化を示した図である。
【0044】
この図9は、残ガス量30%(15kg)から開始し、7.5kg/時の消費量でガスを消費したときのデータである。ここでは、図1〜図3に示す従来型のLPガス容器10Aについても同様の実験を行ない、この図9には、その従来型のLPガス容器10Aの温度変化も示してある。
【0045】
温度測定点は、第1実施形態のLPガス容器10Bについては図4に示す4点a〜dである。また、従来型のLPガス容器10A(図1参照)については、図4のa,b、dとそれぞれ同一の高さの点である。ただし、ここでは、従来型のデータであることを表わすために、符号a,b、dに代えて符号A,B,Dを使用している。従来型では、第1実施形態における点cに対応する点については温度測定は行なっていない。またここでは「点a」と「カーブa」のように、測度測定点とその温度測定点の温度変化を表わすカーブとで同じ符号を用いている。
【0046】
図9に示すグラフで、従来型(図1)と本実施形態(図4)との相違点が際立って分かるのは、底部から400mmの、点bと点Bの温度変化である。従来型の場合、カーブBに示すように、容器外壁面の温度は50〜60分程度に至るまで若干低下するが、大きくは低下していない。これに対し本実施形態の場合、カーブbに示すように容器外壁面の温度は60〜70分程度経過するまで、カーブaと同じレベルの温度下降カーブをもって大きく下がり続けている。
【0047】
これは、従来型の場合、内部の液は底部から400mmの高さ位置には存在していないが本実施形態の場合60〜70分経過するまでは、その高さ位置まで液が上昇してきていたこと意味している。また、容器外壁面の温度が大きく低下したことはその温度の低下に見合うだけの気化潜熱が容器内部に供給されたことを意味している。また、本実施形態の場合、底部から600mmの高さ位置の温度を示すカーブcも、40分前後までは、カーブa,bと同じレベルの温度下降カーブで低下している。これは、本実施形態の場合、実験開始から40分経過時までは点cまで液が上昇してきていたことを意味している。
【0048】
図10は、第1実施形態のLPガス容器の外壁面の温度変化のもう1つの実験データを示した図である。
【0049】
ここでは、残ガス量60%(30kg)の状態から実験を開始している。ガス消費量は図9の場合と同じく7.5kg/時であり、温度測定点も図9の場合と同じく、図4に示す4点a〜dである。ここでは従来型のLPガス容器については実験を行なっていない。
【0050】
この図10のグラフdは底部から800mmの高さの温度変化を示しているが、実験開始から70分程度経過するまでは底部から600mm,400mmの高さの点c,bの温度変化を示すグラフc,bとほぼ同じ変化速度で温度が下降している。これは、実験開始から70分程度までは底部から800mmの高さまで液が上昇してきていたことを意味する。またこれと同様にグラフc,dから分かるように実験開始から100分程度までは底部から600mmの高さまで液が上昇してきていたこと、実験開始から140分程度までは底部から400mmの高さまで液が上昇してきていたことが分かる。
【0051】
これら図9,図10のグラフから分かるように、本実施形態の場合、第1の領域(外装容器10と内装容器60とに挟まれた領域)の液面50a(図7参照)が上昇して外部からの熱が効率的に取り込まれている。
【0052】
以下に本発明の他の実施形態について例示する。
【0053】
図11,図12は、本発明の液化ガス容器の第2実施形態としてのLPガス容器の、それぞれ縦断面図,横断面図である。
【0054】
これら図11,図12において、上述の第1実施形態における構成要素と同じ役割りの構成要素には、形状等に相違があっても第1実施形態の各図において付した符号と同一の符号を付して示し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
この第2実施形態のLPガス容器10Cは、外装容器10とは独立した内装容器60は備えられておらず、その一部を外装容器10と共用した形状となっている。すなわち、この第2実施形態のLPガス容器10Cでは、内装容器60を構成する天鏡70および地鏡80は、その周縁のうちの約半周が外装容器10の内壁に直接に繋がっている。これに対応して、この内装容器60を構成する胴体90は、外装容器10の胴体40と約半周にわたって対面して広がっていて、その上部および下部がそれぞれ内装容器60の天鏡70,地鏡80の周縁に連結している。
【0056】
前述の第1実施形態の場合、外装容器10の内壁面に直接に接するのは第1の領域(内装容器60の外側の領域)に存在するガス液のみであって、第2の領域(内装容器60の内側の領域)内のガス液には外部からの熱を直接には伝えることはできない。これに対し、図9,図10に示す第2実施形態の場合、外部からの熱を第1の領域内の液と第2の領域内の液とに分配して伝えることができる。外装容器10の壁面を介して第2の領域内の液に熱を伝えると第2の領域内のガス圧力が上がり第2の流路81からのガス液の流出が促進される。また第1の領域に流出してきたガス液は内装容器60の胴体90と外装容器10の胴体40との間に挟まれ外装容器10の胴体40を介して熱が伝えられて蒸発が促される。すなわちこの第2実施形態の場合、容器の設計時に熱の伝達の配分を決めることができ、設計の自由度が高められる。また、このLPガス容器の材料費の削減にもつなげることができる。
【0057】
図13は、本発明の液化ガス容器の第3実施形態としてのLPガス容器の縦断面図である。また図14は、図13に示す第3実施形態の縦断面図の、円Rの部分の拡大図である。
【0058】
この図13,図14に示す第3実施形態のLPガス容器10Dは、外装容器10はこれまでの実施形態と同じであるが、その内部には、もはや内装容器とは呼べない仕切り壁60Aが備えられている。この仕切り壁60Aは、天板70Aと、側板90Aと、その側板90Aの下端を塞ぐ塞ぎ板92Aとから構成されている。この仕切り壁60Aを構成する天板70Aは、これまでの実施形態における内装容器60の、上に膨らんだ天鏡70とは異なり、平板で構成されているが、その役割りは、これまでの実施形態における、内装容器60の天鏡70と同じである。すなわち、この第3実施形態の天板70Aも、外装容器10の天鏡20との間に空間を空けて外装容器10の内部を上下に隔てる板材であり、その中央に、貫通した第1の流路71Aが形成されている。
【0059】
また、仕切り壁60Aを構成する側板90Aは、外装容器10の胴体40との間に間隔を空けてその胴体40に対面して一周に渡って広がり、その上部が天板70Aの周縁に繋がっている。塞ぎ板92Aは、仕切り壁60Aの側板90Aと外装容器10の胴体40とに挟まれた空間を、側板90Aの下端に沿って一周にわたって塞いでいる。また、この側板90Aの下部と外装容器10の底部との間には、両端に開口した管93が延びている。すなわち、この第3実施形態のLPガス容器10Dでは、仕切り壁60Aの天板70Aと外装容器10の天鏡20とに挟まれた空間と、仕切り壁60Aの側板90Aとその側板90Aが対面する外装容器10の胴体40とに挟まれた空間との双方により「第1の領域」が形成され、その第1の領域を除く、天板70Aより下かつ側板90Aの内側であって、外装容器10の底部を含む領域により「第2の領域」が形成されている。第1の領域と第2の領域は、天板70Aに形成された第1の流路71Aと、両端が開口し、一方の端が第1の領域に繋がり、もう一方の端が外装容器10の底部に配置されている管93とにより繋がっている。この管93は、本発明にいう第2の流路の一例である。
【0060】
外装容器10の底部の液は、管93を通って第1の領域(側板90Aと胴体40とに挟まれた領域)に流れて第1の領域の液面50aを上昇させ、外装容器10の壁面を介して気化潜熱を受け取って蒸発する。
【0061】
図13,図14に示す第3実施形態のLPガス容器10Dによっても、従来型のLPガス容器との互換性が確保され、かつ気化潜熱が高効率に取り込まれる。
【0062】
尚、第1実施形態のLPガス容器の説明では、第1の流路71は径1mmφの穴、第2の流路81は径2mmφの穴であると説明したが、これらの穴径は例示に過ぎず、そのLPガス容器の寸法や形状、そのLPガス容器に充填したLPガスが使用される地域、環境等に応じて適切な穴径の開口が選択される。
【0063】
また、穴径が小さくて目詰まりするおそれがあるときは、多段オリフィスを使うことによって穴径を広げてもよい。
【0064】
さらに、ここではLPガス容器を例に挙げて説明したが、本発明はLPガス容器に限られるものではなく、液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発しその蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 外装容器
10A,10B,10C,10D LPガス容器
20,70 天鏡
21 容器用弁
30,80 地鏡
31 スカート
40,90 胴体
50 LPガス
60 内装容器
60A 仕切り壁
70A 天板
71,71A 第1の流路
81 第2の流路
90A 側板
91 支持部材
93 管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発し該蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器において、
頂部を覆う、容器用弁が形成された天鏡と、底部を覆う地鏡と、該天鏡と該地鏡とを繋いで周囲を取り囲む胴体とを有し、内部に液化ガスが充填される外装容器と、
前記天鏡との間に空間を空けて前記外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された天板と、前記胴体との間に間隔を空けて該胴体に対面して広がり上部が前記天板周縁に繋がった側板とを含むとともに、該外装容器内部の底部において開口した第2の流路を有し、該外装容器内部を、該天板と該天鏡とに挟まれた空間と、該側板と該側板が対面する胴体とに挟まれた空間との双方を含む第1の領域と、該第1の領域を除く、該第1の領域との間が前記第1の流路と前記第2の流路とで繋がった第2の領域とに区画する仕切り壁とを有することを特徴とする液化ガス容器。
【請求項2】
前記仕切り壁が、前記地鏡との間に間隔を空けて前記外装容器内部を上下に隔てる、前記第2の流路が形成された地板を有し、前記側板が前記周壁に沿って一周し上部が前記天板に一周に渡って繋がるとともに下部が前記地板に一周に渡って繋がった、前記外装容器内部に配置された内装容器であることを特徴とする請求項1記載の液化ガス容器。
【請求項3】
前記第1の流路が、前記第2の領域内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを前記第1の領域に流出させる流路であり、
前記第2の流路が、前記第2の領域内の液化ガスを液体のまま前記第1の領域に流出させる流路であることを特徴とする請求項1又は2記載の液化ガス容器。
【請求項4】
前記第1の流路よりも前記第2の流路が広い流路であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の液化ガス容器。
【請求項1】
液化ガスが充填され容器壁面から気化熱の供給を受けて蒸発し該蒸発により生成されたガスを取り出す液化ガス容器において、
頂部を覆う、容器用弁が形成された天鏡と、底部を覆う地鏡と、該天鏡と該地鏡とを繋いで周囲を取り囲む胴体とを有し、内部に液化ガスが充填される外装容器と、
前記天鏡との間に空間を空けて前記外装容器内部を上下に隔てる、貫通した第1の流路が形成された天板と、前記胴体との間に間隔を空けて該胴体に対面して広がり上部が前記天板周縁に繋がった側板とを含むとともに、該外装容器内部の底部において開口した第2の流路を有し、該外装容器内部を、該天板と該天鏡とに挟まれた空間と、該側板と該側板が対面する胴体とに挟まれた空間との双方を含む第1の領域と、該第1の領域を除く、該第1の領域との間が前記第1の流路と前記第2の流路とで繋がった第2の領域とに区画する仕切り壁とを有することを特徴とする液化ガス容器。
【請求項2】
前記仕切り壁が、前記地鏡との間に間隔を空けて前記外装容器内部を上下に隔てる、前記第2の流路が形成された地板を有し、前記側板が前記周壁に沿って一周し上部が前記天板に一周に渡って繋がるとともに下部が前記地板に一周に渡って繋がった、前記外装容器内部に配置された内装容器であることを特徴とする請求項1記載の液化ガス容器。
【請求項3】
前記第1の流路が、前記第2の領域内の液化ガスの蒸発により生成されたガスを前記第1の領域に流出させる流路であり、
前記第2の流路が、前記第2の領域内の液化ガスを液体のまま前記第1の領域に流出させる流路であることを特徴とする請求項1又は2記載の液化ガス容器。
【請求項4】
前記第1の流路よりも前記第2の流路が広い流路であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の液化ガス容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−60972(P2013−60972A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198231(P2011−198231)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000142698)株式会社桂精機製作所 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000142698)株式会社桂精機製作所 (14)
【Fターム(参考)】
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