説明

液晶アレイ検査装置およびライン座標位置算出方法

【課題】表示パターンのフレームサンプリングから得られた撮像画像(シグナルイメージ)の収縮、膨張等のフレーム間の幅に不均等な部分が生じた場合であっても、各ラインの座標位置を正確に算出し、液晶パネルのピクセル位置を正確に算出する。
【解決手段】表示パターンを撮像して得られる撮像画像(シグナルイメージ)において、実検出ラインの座標位置を検出した後、次に座標位置を検出する実検出ラインを求める際に、前の実検出ラインの信号強度パターンと比較することによってラインの良・不良の検出、および、不良ラインの収縮又は膨張の判定を行い、次の実検出ラインを求める。ラインの良・不良を検出し、不良ラインの収縮・膨張の判定することによって、ライン幅にばらつきが生じた場合であっても、各ラインの座標位置を正確に算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル基板製造工程において、製造された液晶アレイが正しく駆動するか否かを検査する液晶検査装置、および液晶パネルのピクセル位置を位置決めするために用いるラインの座標位置の算出に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル基板の製造工程では、製造された液晶パネル基板の液晶アレイが正しく駆動するかの検査が行われる(特許文献1,2)。
【0003】
液晶パネル基板には、複数のピクセルに対応して液晶アレイが形成されており、この液晶アレイに駆動信号を印加することによって特定のピクセルを駆動することができる。
【0004】
液晶アレイ検査において、液晶アレイに所定パターンの検査信号を印加し、液晶パネル基板内のピクセルを所定パターンで駆動する。
【0005】
液晶パネル基板の液晶アレイの検査は、例えば、検査対象である液晶アレイに検査信号を印加し、検査信号によって各液晶アレイを駆動する。液晶パネル基板製造工程において、液晶パネル基板によってディスプレイが形成された段階では、液晶パネルに検査信号を印加し、このとき液晶パネルに現れる表示パターンを光学的に観察し、表示パターンが印加された信号パターンに対応するか否かによって液晶アレイを検査することが知られている。
【0006】
また、液晶パネル基板製造工程において、液晶パネル基板によってディスプレイが未形成の段階では、液晶アレイに検査信号を印加して所定の電位状態とし、液晶アレイ上に電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを二次元的に照射して走査し、この荷電ビーム走査で得られる走査画像に基づいて電位状態を検出して、液晶アレイを検査することが知られている。
【0007】
表示パターンの光学画像や荷電ビーム走査の走査画像によって、ピクセルを検査するには、液晶パネル内に設けられた複数のピクセルを特定する必要がある。
【0008】
液晶アレイに印加する検査信号として、例えば、横方向および縦方向で隣接するピクセルに対して互いに信号強度を異にする格子状の検査信号(チェッカー信号)を用いることが知られている。格子状の検査信号(チェッカー信号)を印加することによって、液晶パネルには市松模様の表示パターンが表示され、また、液晶パネル基板には市松模様の電圧パターンが形成される。
【0009】
表示パターンの光学画像による液晶アレイ検査において、ピクセル位置を特定するために、光学画像の市松模様の表示パターン(チェッカーパターン)を光学的に撮像し、撮像で得られた撮像画像(シグナルイメージ)を用いて行うことが知られている。
【0010】
このチェッカーパターンを用いたピクセル位置の特定では、撮像画像(シグナルイメージ)上に現れる横方向のラインについて、はじめに先頭のラインを識別し、先頭ラインの座標位置を求め、この座標位置に基づいてピクセル位置を特定する。次に、先頭ラインの座標位置に基準ピッチ分をオフセットした座標位置を算出し、この算出した座標位置を次のラインの座標位置とし、このラインの座標位置に基づいてピクセル位置を特定する。
【0011】
以下、ラインの座標位置に基準ピッチ分をオフセットすることによって次のラインの座標位置を算出し、ラインの座標位置に基づいてピクセル位置を特定する処理を繰り返すことによって、液晶パネルのピクセル位置を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−271516号公報
【特許文献2】特開2004−309488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
表示パターンの撮像は、複数のラインを含むフレームを単位として得られる。フレームは、所定時間間隔のトリガ信号に基づいて撮像することで取得される。
【0014】
トリガ信号の時間間隔は均等となるように形成されるが、信号処理時のノイズ等によってトリガ信号間の時間間隔にずれが生じる場合がある。このようにトリガ信号間の時間間隔にずれが生じると、隣接するフレーム間の幅に不均等な部分が生じ、ライン幅のばらつきの要因となる。ライン幅にばらつきが生じると、次のラインの座標位置の算出に支障が生じ、液晶パネルのピクセル位置の算出が困難となるという問題が生じる。
【0015】
図15は、表示パターンのフレームサンプリングと撮像画像(シグナルイメージ)との関係を説明するための図である。
【0016】
フレームサンプリング(図15(a))は、表示パターンを複数のフレームによって順次に撮像することを意味している。表示パターンは、横方向に交互に異なる表示模様が連続してなるラインが縦方向に複数本配置され、市松模様が形成されている。表示模様の各単位は、格子状の検査信号(チェッカー信号)が印加されるアレイの単位に対応し、一アレイを単位として検査信号(チェッカー信号)を印加した場合には、各表示模様の単位は一ピクセルに対応することになる。
【0017】
図15に示すフレームサンプリングのピクセル数およびライン数は、表示パターンを撮像する撮像装置の仕様に応じて定まるが、ここでは、説明の便宜から一フレームは横方向に4ピクセル分縦方向に4ライン分を有する例を示している。この例は一例であってこの例に限られるものではない。各フレームはトリガ信号に基づいて撮像が行われ、撮像画像(シグナルイメージ)(図15(b))が取得される。
【0018】
図16は、フレームサンプリングを取得するためのトリガ信号を説明するための図である。トリガ信号(図16(b))は、例えば、クロック信号(図16(a))を計数し、所定数のクロック信号を計数したときに形成される。トリガ信号の信号間隔は所定数のクロック信号によって定まるが、トリガ信号を形成する信号処理においてノイズ等の影響を受けると、トリガ信号の信号間隔にばらつきが生じる場合がある。図16(b)では、トリガ信号Aとトリガ信号Bとの信号間隔がT、トリガ信号Bとトリガ信号Cとの信号間隔がT+Δt1、トリガ信号Cとトリガ信号Dとの信号間隔がT、トリガ信号Dとトリガ信号Eとの信号間隔がT+Δt2、トリガ信号Eとトリガ信号Fの信号間隔がTの例を示している。
【0019】
信号間隔がずれたトリガ信号によってサンプリングを行うと、得られる撮像画像(シグナルイメージ)に、ライン幅が縮まる収縮あるいはライン幅が広まる膨張の現象が生じる。ライン幅の収縮は、トリガ信号間の信号間隔が広まることで生じ、図15ではトリガ信号Bとトリガ信号Cとの信号間隔がT+Δt1となるフレームの場合が対応する。一方、ライン幅の膨張は、トリガ信号間の信号間隔が狭まることで生じ、図15ではトリガ信号Dとトリガ信号Fとの信号間隔がT+Δt2となるフレームの場合が対応する。なお、Δt2は負である。
【0020】
ライン幅が収縮する場合には、フレームサンプリングにおいて、ラインの一部について撮像が行われず画像信号が欠落する。また、ライン幅が膨張する場合には、フレームサンプリングにおいて、ラインの一部が重複して撮像され同じ画像信号が連続して形成される。
【0021】
図17は、撮像画像(シグナルイメージ)のチェッカーパターンからラインを検出し、検出したラインの座標位置に基づいてピクセル位置を特定する状態を示している。
【0022】
図17(a)の撮像画像(シグナルイメージ)は、4ライン分のチェッカーパターンを示している。ここでは、ラインに収縮や膨張がない場合を示している。
【0023】
はじめに、先頭ラインL1を識別し、先頭ラインL1を実検出ラインとして座標位置を検出し、この座標位置に基づいてピクセル位置(図中L1上の×印)を特定する。次に、先頭ラインL1の座標位置に基準ピッチ分Pをオフセットした座標位置を算出し、設定ライン(図中のラインL2)として設定する。この設定ラインを次の実検出ラインとして座標位置を検出し、この座標位置に基づいてピクセル位置(図中L2上の×印)を特定する。
【0024】
さらに、前ラインと同様に、ラインL3の座標位置に基準ピッチ分Pをオフセットした座標位置を算出し、次の設定ライン(図中のラインL3)として設定する。この設定ラインを次の実検出ラインとして座標位置を検出し、この座標位置に基づいてピクセル位置(図中L3上の×印)を特定する。
【0025】
図17(b),(c),(d)はラインL1,L2,L3の撮像画像(シグナルイメージ)の信号強度を示している。格子状の検査信号を印加することで得られる撮像画像(シグナルイメージ)の各ラインの信号強度パターンは、隣接ラインで互いに相補的に変化する。基準ピッチ分Pだけ離れたラインの信号強度パターンが互いに相補的に変化することから、ラインに収縮や膨張がないことを認識することができる。
【0026】
図18はラインが収縮する場合を示している。撮像画像(シグナルイメージ)のチェッカーパターンにおいてラインが収縮している場合には、ラインL11を実検出ラインとして次に設定される設定ラインL12の信号強度パターンは、実検出ラインL11の信号強度パターンと同一となる。図18(b),(c)はラインL11,L12の撮像画像(シグナルイメージ)の信号強度を示し、同じ信号強度パターンを示している。
【0027】
図19はラインが膨張する場合を示している。撮像画像(シグナルイメージ)のチェッカーパターンにおいてラインが膨張している場合には、ラインL21を実検出ラインとして次に設定される設定ラインL22の信号強度パターンは、実検出ラインL21の信号強度パターンと互いに相補的となるが、ラインL22を実検出ラインとして次に設定される設定ラインL23の信号強度パターンは、ラインL22の信号強度パターンと同一となる。
【0028】
図19(b),(c),(d)はラインL21,L22, L23の撮像画像(シグナルイメージ)の信号強度を示し、ラインL22とラインL23の信号強度パターンは同一となる。
【0029】
格子状の検査信号を印加することで得られる撮像画像(シグナルイメージ)の各ラインの信号強度パターンは、隣接ラインで互いに相補的に変化することが期待されるが、ラインが収縮あるいは膨張した場合には同一となる。そのため、基準ピッチ分Pをオフセットすることによって次のラインの座標位置を設定し、このラインの位置座標に基づいてピクセル位置を求めると、収縮の場合には一ライン分飛ばしたラインのピクセル位置を算出することになり、膨張の場合には同一ラインのピクセル位置を算出することになり、正確なライン位置座標およびピクセル位置を検出することができない。
【0030】
そこで、本発明は上記課題を解決して、表示パターンのフレームサンプリングから得られた撮像画像(シグナルイメージ)に収縮や膨張といった、隣接するフレーム間の幅に不均等な部分が生じ、ライン幅にばらつきが生じた場合であっても、各ラインの座標位置を正確に算出し、液晶パネルのピクセル位置を正確に算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、表示パターンを撮像して得られる撮像画像(シグナルイメージ)において、実検出ラインの座標位置を検出した後、次に座標位置を検出する実検出ラインを求める際に、前の実検出ラインの信号強度パターンと比較することによってラインの良・不良の検出、判定、および、不良ラインの収縮又は膨張の判定を行い、次の実検出ラインを求める。
【0032】
ラインの良・不良の検出、判定、不良ラインの収縮・膨張の判定を行うことによって、ライン幅にばらつきが生じた場合であっても、各ラインの座標位置を正確に算出することができる。さらに、算出したラインの座標位置から、液晶パネルのピクセル位置を正確に算出することができる。
【0033】
本願発明は、液晶アレイ検査装置の態様、およびライン座標位置算出方法の態様を備え、何れの態様も、実検出ラインの座標位置を検出した後、次に座標位置を検出する実検出ラインを求める際に、前の検出ラインの信号強度パターンと比較することによってラインの良・不良の検出、判定、および、不良ラインの収縮又は膨張の判定を行うことで、次の実検出ラインを求めるという共通する技術事項を備える。
【0034】
[液晶アレイ検査装置の態様]
本願発明の液晶アレイ検査装置の態様は、液晶アレイが形成された液晶アレイ基板上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で得られる走査画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置、および、液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置の何れの液晶アレイ検査装置に適用することができる。
【0035】
液晶アレイ検査装置の態様は、液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて、撮像画像を構成する各ラインのライン座標位置を算出するライン座標位置算出部を備える。
【0036】
本発明のライン座標位置算出部は、液晶パネルの表示パターンを撮像して撮像画像を取得する撮像画像取得部と、撮像画像からライン座標位置を演算処理により算出するライン座標位置演算処理部とを備える。
【0037】
本発明のライン座標位置演算処理部は、ラインの信号強度パターンを比較する信号パターン比較部と、前記比較部の比較に基づいてラインの良・不良の検出、判定、およびライン幅の変化状態を判定する検出・判定部、次の実検出ラインを選出する選出部、および座標算出部を備え、撮像画像を構成する複数のラインの中から撮像方向に沿って順に一ラインずつ選出し、一連の演算処理によって、選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する。
【0038】
一連の演算処理において、本発明の検出・判定部は、実検出ラインのライン座標位置から基準ピッチ分だけオフセットした座標位置を算出して設定ラインを設定し、前の実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとを比較し、この比較に基づいてライン幅の変化によるラインの良・不良を検出し判定する。
【0039】
ラインの良・不良検出、判定によってラインの不良を検出したときに、設定ラインのライン座標位置に所定長さだけオフセットした座標位置を算出して探索ラインを設け、前の実検出ラインの信号強度パターンと探索ラインの信号強度パターンとを比較し、この比較に基づいてライン幅の変化状態を判定する。
【0040】
本発明の選出部は、ラインの良・不良検出判定でラインが不良であることを検出したときには探索ラインを次の実検出ラインとして選出し、ラインの良・不良検出判定でラインが良であることを検出したときには設定ラインを次の実検出ラインとして選出する。
【0041】
本発明の座標算出部は、選出部が選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する。
【0042】
設定ラインを設定する際に、実検出ラインのライン位置座標からのオフセットに用いる基準ピッチは、正常なラインが備えるライン幅とする。実検出ラインの位置座標から基準ピッチ分をオフセットさせた設定ラインを設定することによって、ライン幅が一定であれば常に表示パターン上の各ラインのライン位置座標を取得することができ、ライン幅が変化した場合には、検出・判定部による信号強度パターンの比較によってラインの不良を検出することができる。
【0043】
本発明が定める探索ラインの態様、および、探索ラインを用いたライン幅の変化状態(収縮又は膨張)を判定する態様は、2つの態様とすることができる。
【0044】
ここで、撮像方向は、複数のラインを含むフレームを単位として表示パターンを撮像する際において、各フレームを順次に撮像する際の撮像方向であり、ライン幅の変化はこの撮像方向に生じる。
【0045】
(探索ラインの第1の態様)
第1の態様による探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向に所定長さだけオフセットした一本のラインである。第1の態様の探索ラインは、設定ラインのライン位置から次の実検出ラインを定める方向に定める。設定ラインから所定長さだけオフセットした位置にあるラインを探索ラインとして定め、この探索ラインの信号強度パターンが次の実検出ラインの信号強度パターンとして適当であるか否か、およびライン幅の収縮・膨張を判定する。
【0046】
検査信号として、ライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号を用いる場合には、本発明の検出・判定部は、実検出ラインの信号強度パターンと探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張した判定する。
【0047】
(探索ラインの第2の態様)
第2の態様による探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした二本のラインである。
【0048】
第2の態様の探索ラインは、設定ラインのライン位置から次の実検出ラインを定める方向に定める一ラインと、設定ラインのライン位置から前の実検出ラインの方向に定めるラインの一ラインの二本のラインを定める。
【0049】
設定ラインを挟んで反対側にそれぞれ所定長さだけオフセットした位置に二本のラインを探索ラインとして定め、この探索ラインの信号強度パターンが次の実検出ラインの信号強度パターンとして適当であるか否か、およびライン幅の収縮・膨張を判定する。
【0050】
検査信号として、ライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号を用いる場合には、本発明の検出・判定部は、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであり、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定する。また、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであり、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張したと判定する。
【0051】
[ライン座標位置算出方法の態様]
本願発明のライン座標位置算出方法の態様は、液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて、撮像画像を構成する各ラインのライン座標位置を算出するライン座標位置算出方法において、撮像画像を構成する複数のラインの中から撮像方向に沿って順に一ラインずつ選出し、選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する一連の工程を有する。
【0052】
一連の工程は、実検出ラインのライン座標位置から基準ピッチ分だけオフセットした座標位置を算出して設定ラインを設定し、前の検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとを比較し、この比較に基づいてライン幅の変化によるラインの良・不良を検出する検出工程と、検出工程で不良を検出したときに、設定ラインのライン座標位置に所定長さだけオフセットした座標位置を算出して探索ラインを設け、前の実検出ラインの信号強度パターンと探索ラインの信号強度パターンとを比較し、この比較に基づいてライン幅の変化状態を判定する判定工程と、検出工程でラインが不良であることを検出したときには判定工程で設けた探索ラインを次の実検出ラインとして選出し、検出工程でラインが良であることを検出したときには設定ラインを次の実検出ラインとして選出する選出工程と、選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する座標算出工程とを備える。
【0053】
設定ラインを設定する際に、実検出ラインのライン位置座標からのオフセットに用いる基準ピッチは、正常なラインが備えるライン幅とする。実検出ラインの位置座標から基準ピッチ分をオフセットさせた設定ラインを設定することによって、ライン幅が一定であれば常に表示パターン上の各ラインのライン位置座標を取得することができ、ライン幅が変化した場合には、検出工程による信号強度パターンの比較によってラインの不良を検出することができる。
【0054】
本発明のライン座標位置算出方法において、探索ラインの態様は2つの態様とすることができる。ここで、撮像方向は、複数のラインを含むフレームを単位として表示パターンを撮像する際において、各フレームを順次に撮像する際の撮像方向であり、ライン幅の変化はこの撮像方向に生じる。
【0055】
(探索ラインの第1の態様)
第1の態様による探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向に所定長さだけオフセットした一本のラインである。第1の態様の探索ラインは、設定ラインのライン位置から次の実検出ラインを定める方向に定める。設定ラインから所定長さだけオフセットした位置にあるラインを探索ラインとして定め、この探索ラインの信号強度パターンが次の実検出ラインの信号強度パターンとして適当であるか否か、およびライン幅の収縮・膨張を判定する。
【0056】
検査信号として、ライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号を用いる場合には、本発明の判定工程は、実検出ラインの信号強度パターンと探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張した判定する。
【0057】
(探索ラインの第2の態様)
第2の態様による探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした二本のラインである。
【0058】
第2の態様の探索ラインは、設定ラインのライン位置から次の実検出ラインを定める方向に定める一ラインと、設定ラインのライン位置から前の実検出ラインの方向に定めるラインの一ラインの二本のラインを定める。
【0059】
設定ラインを挟んで反対側にそれぞれ所定長さだけオフセットした位置に二本のラインを探索ラインとして定め、この探索ラインの信号強度パターンが次の実検出ラインの信号強度パターンとして適当であるか否か、およびライン幅の収縮・膨張を判定する。
【0060】
検査信号として、ライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号を用いる場合には、本発明の判定工程は、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであり、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定する。また、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであり、前の実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張したと判定する。
【0061】
二本の探索ラインを設定する第2の態様において、設定ラインのライン位置から前の実検出ラインの方向に定める探索ラインを実検出ラインとし、この実検出ラインのライン位置座標を算出することによって、ライン幅が収縮した際の収縮ラインについてライン位置座標を算出することができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、表示パターンのフレームサンプリングから得られた撮像画像(シグナルイメージ)に収縮や膨張といった、隣接するフレーム間の幅に不均等な部分が生じ、ライン幅にばらつきが生じた場合であっても、各ラインの座標位置を正確に算出し、液晶パネルのピクセル位置を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の液晶アレイ検査装置の構成例を説明するための図である。
【図2】本発明のライン座標位置演算処理部一構成例を説明するための図である。
【図3】本発明のライン座標位置を算出する第1の態様例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明のライン座標位置を算出する第1の態様例のライン収縮を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明のライン座標位置を算出する第1の態様例のライン収縮を説明するための図である。
【図6】本発明のライン座標位置を算出する第1の態様例のライン膨張を説明するための図である。
【図7】本発明のライン座標位置を算出する第1の態様例のライン膨張を説明するための図である。
【図8】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン収縮を説明するための図である。
【図10】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン収縮を説明するための図である。
【図11】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン膨張を説明するための図である。
【図12】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン膨張を説明するための図である。
【図13】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン収縮を説明するための図である。
【図14】本発明のライン座標位置を算出する第2の態様例のライン収縮を説明するための図である。
【図15】表示パターンのフレームサンプリングと撮像画像(シグナルイメージ)との関係を説明するための図である。
【図16】フレームサンプリングを取得するためのトリガ信号を説明するための図である。
【図17】撮像画像(シグナルイメージ)からのライン検出を説明するための図である。
【図18】撮像画像(シグナルイメージ)からのライン検出を説明するための図である。
【図19】撮像画像(シグナルイメージ)からのライン検出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1,2を用いて本発明の液晶アレイ検査装置の構成例を説明し、図3〜図14を用いて本発明のライン座標位置算出について説明する。図3〜図7は設定ラインに対して撮像方向に探索ラインを定める例を示し、図8〜図14は設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向の両側に探索ラインを定める例を示している。
【0065】
[液晶アレイ検査装置の構成例]
図1を用いて本発明の液晶アレイ検査装置の構成例を説明する。図1に示す構成例は、液晶アレイが形成された液晶アレイ基板上に荷電ビームを照射して走査し、荷電ビーム走査で得られる走査画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置、および、液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置の何れの液晶アレイ検査装置の両装置例を合わせて示している。
【0066】
液晶アレイ検査装置1は、液晶基板100はステージ5上に載置され、ステージ5はステージ制御部13によって制御される。液晶基板100を荷電ビームの走査によって得られる走査画像、あるいは液晶基板100を撮像して得られる撮像画像によって液晶アレイを検査する。
【0067】
走査画像を取得する構成として、液晶基板100に電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム源3、液晶基板100から放出される二次電子を検出する二次電子検出器等の検出器4、検出器4の出力信号から走査画像を取得する走査画像取得部22、走査制御を行う走査制御部12を備える。走査制御部12は、荷電粒子ビーム源3の荷電粒子の走査制御やステージ制御部13のステージ制御を制御することで、液晶基板100上の荷電粒子ビームの走査を制御する。
【0068】
撮像画像を取得する構成として、液晶基板100を撮像する撮像部2、撮像部2の撮像のタイミングを制御するトリガ信号を生成するトリガ信号生成部14、撮像部2の撮像信号から撮像画像を取得する撮像画像取得部21を備える。
【0069】
液晶アレイ検査装置1は検査部23を備え、検査部23は走査画像取得部22で取得した走査画像あるいは撮像画像取得部21で取得した撮像画像を入力し、入力した走査画像あるいは撮像画像に基づいて液晶アレイ検査を行う。
【0070】
液晶アレイ検査装置1は、液晶アレイ検査においてピクセル位置座標を特定するための構成として、撮像部2、撮像画像取得部21、およびライン座標位置演算処理部24を備える。
【0071】
ライン座標位置演算処理部24は、液晶パネルを所定の検査信号を印加することで表示された表示パターンを撮像して得られた撮像画像(シグナルイメージ)に基づいて、液晶アレイが形成するラインの座標位置を算出する。
【0072】
液晶アレイ検査装置1は、液晶アレイに検査信号を印加する検査信号印加部6を備える。印加する検査信号は、例えば、横方向および縦方向で隣接するピクセルに対して互いに信号強度を異にする格子状の検査信号(チェッカー信号)を用いる。格子状の検査信号(チェッカー信号)を印加することによって、液晶パネルには市松模様の表示パターンが表示される。
【0073】
走査制御部12,およびトリガ信号生成部14は制御部11によって制御される。なお、制御部11は、液晶アレイ検査装置の全体を制御することができる。
【0074】
次に、ライン座標位置演算処理部24の一構成例について図2を用いて説明する。ライン座標位置演算処理部24は、撮像画像データ記憶部24a、撮像画像データ読み出し部24b、ライン算出部24c、信号パターン比較部24d、判定部24e、座標算出部24fを備える。なお、ライン算出部24cは、ラインを選択する選出部を構成し、信号パターン比較部24dおよび判定部24eは検出・判定部を構成する。
【0075】
撮像画像データ記憶部24aは、撮像部を構成するCDD等の撮像装置から撮像画像データを入力し、記憶する。
【0076】
撮像画像データ読み出し部24bは、ライン算出部24cで算出されたラインに対応する撮像画像データを撮像画像データ記憶部24aから読み出して信号パターン比較部24dに出力する。
【0077】
信号パターン比較部24dは、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとを比較する比較部24d1と、実検出ラインの信号強度パターンと探索ラインの信号強度パターンとを比較する比較部24d2とを備える。
【0078】
判定部24eは、比較部24d1の比較結果に基づいて、ラインのライン幅が収縮あるいは膨張するといったラインの良・不良を判定して検出する良・不良判定部24e1と、比較部24d2の比較結果に基づいて、不良検出されたラインについてライン幅が収縮であるか、あるいは膨張であるかを判定する収縮・膨張判定部24e2とを備える。
【0079】
ライン算出部24cは、判定部24eの判定結果に基づいて、次の実検出ラインの座標位置を算出し、撮像画像データ読み出し部24bは算出した実検出ラインの座標位置に基づいて撮像画像データ記憶部24aから撮像画像データを読み出し、実検出ラインの信号強度に基づいてピクセルの座標位置を算出する。
【0080】
実検出ラインの信号強度を用いたピクセルの座標位置の算出は、例えば、実検出ラインの信号強度のライン長さ方向の変化から、各ピクセルに対応する信号強度列を求め、求めた信号強度列の中央位置をそのピクセルの座標位置とすることができる。
【0081】
[ライン座標位置の算出]
本発明は、ライン座標位置の算出において、ラインが不良であるときに、座標位置を求めるために次の実検出ラインを定める際において、ラインを設定する態様として二つの態様を備える。
【0082】
第1の態様は、不良が検出されたラインに対して撮像方向に所定長さだけオフセットした位置に一本のラインを定め、このラインを探索ラインとして次の実検出ラインを定める。第2の態様は、不良が検出されたラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした位置に二本のラインを定め、この二本のラインを探索ラインとして次の実検出ラインを定める。撮像方向は、複数のラインを含むフレームを単位として表示パターンを撮像する際において、各フレームを順次に撮像する際の撮像方向である。
【0083】
(ライン座標位置の算出の第1の態様)
はじめに、ライン座標位置を算出する第1の態様例について図3のフローチャート、図4〜図7の説明図を用いて説明する。なお、図4に示す撮像画像の例は3ピクセル分について5ライン(内、1ラインはライン幅が収縮している)のみを示し、図5に示す撮像画像の例は3ピクセル分について6ライン(内、1ラインはライン幅が収縮している)のみを示し、図6に示す撮像画像の例は3ピクセル分について3ライン(内、1ラインはライン幅が膨張している)のみを示し、図7に示す撮像画像の例は3ピクセル分について4ライン(内、1ラインはライン幅が膨張している)のみを示している。
【0084】
実検出ラインを基にして、基準のライン間隔だけ離れた設定ラインを算出する。基準のライン間隔は、例えば、撮像画像の各ラインのライン幅Pである基準ピッチとすることができる。基準ピッチを撮像画像の各ラインのライン幅Pに合わせて設定することによって、撮像画像の表示パターンに正常なライン幅で表されている場合には、全ラインについて設定ラインを設定し、各ラインの座標位置を算出することができる(S1)。
【0085】
実検出ラインと設定ラインの信号強度パターンを求める。図4、5はライン幅が収縮した場合を示し、図6、7はライン幅が膨張した場合を示している。図4において、ラインL11を現時点で座標位置を算出する実検出ラインとし、このラインL11から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL12を設定ラインとして設定する。また、図6において、ラインL21を現時点で座標位置を算出する実検出ラインとし、このラインL21から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL22を設定ラインとして設定し、さらにラインL22を実検出ラインとしこのラインL22から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL23を設定ラインとして設定する(S2)。
【0086】
実検出ラインと設定ラインの信号強度パターンを比較する。図4に示したライン幅が収縮する例では、ラインL11の実検出ラインの信号強度パターン(図4(b))と、ラインL12の設定ラインの信号強度パターン(図4(c))とを比較すると、同じ信号強度パターンを示している。
【0087】
ここでは、検査信号として、撮像画像の信号強度パターンがライン方向および撮像方向で交互に変化し、信号強度が相補的に現れる表示パターンが形成されるような信号パターンを印加している。したがって、ライン幅が正常であれば、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとは、互いに相補的な関係となる。
【0088】
これに対して、図4に示すようにライン幅が収縮した場合には、ライン幅の収縮によって、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとは同じ信号強度パターンとなる。
【0089】
また、図6に示したライン幅が膨張する例では、ラインL21の実検出ラインの信号強度パターン(図6(b))と、ラインL22の設定ラインの信号強度パターン(図6(c))とを比較すると、相補的な信号強度パターンを示している。次に、ラインL22を実検出ラインとし、基準ピッチ分オフセットしたラインL23を設定ラインとした場合には、ラインL22の実検出ラインの信号強度パターン(図6(c))と、ラインL23の設定ラインの信号強度パターン(図6(d))とを比較すると、同一信号強度パターンとなる。ラインL22とラインL23はライン膨張によって同一のラインであるため、ラインL22とラインL23を実検出ラインとしてライン座標位置を算出すると、同一ラインについて2つの座標位置を設定することになり、正確なライン座標位置およびピクセルの座標位置の算出に支障が生じる。
【0090】
したがって、ライン幅が収縮あるいは膨張する場合には、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとが同じ信号強度パターンであることを検出することによって、ライン不良を検出することができる(S3,S4,S8)。
【0091】
ライン幅が正常である場合には、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとが相補的な信号強度パターンであることを検出することによって、ライン良を検出することができる(S3,S4)。
【0092】
ラインが良と判定された場合には、設定ラインを実検出ラインとし(S5)、実検出ラインの信号強度に基づいて、各ピクセルの中心に相当する座標位置を求め(S6)、ピクセルの座標位置を算出する(S7)。
【0093】
ラインが不良と判定された場合には(S8)、設定ラインに対して撮像方向側に探索範囲を設定し、探索範囲内に探索ラインを設ける。探索ラインは、設定ラインから所定距離だけオフセットした位置に設ける。
【0094】
収縮したラインの収縮幅が、P/2以上でライン幅がP/2以下であると仮定した場合に、ラインの収縮を検出するための探索範囲の幅はP/2以下とする。なお、ライン幅はPとする。また、膨張したラインのライン幅を(P+P/2)以上と仮定した場合には、ラインの膨張を検出するための探索範囲の幅はP/4以上とする。したがって、ラインの収縮と膨張を検出するための探索範囲はP/4〜P/2とし、この探索範囲に探索ラインを設定する。
【0095】
設定した探索ラインの信号強度パターンを求め(S10)、求めた探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとを比較することによって、ラインの収縮・膨張を判定する(S11)。探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが同一信号強度パターンである場合には収縮と判定し(S12)、探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが相補的な信号強度パターンである場合には膨張と判定する(S13)。
【0096】
S11の工程において、上記判定が成されない場合には、探索ラインを変更してS9の工程に戻り判定を繰り返す。
【0097】
ライン収縮の場合には、図4に示すように、設定ラインであるラインL12と探索ラインであるラインL12Aは、同じライン幅内にあって同じ信号強度パターンを有するため、実検出ライン(L11)の信号強度パターン(図4(b))と、探索ライン(L12A)の信号強度パターン(図4(d))とは同じ信号強度パターンとなる。
【0098】
この実検出ライン(L11)の信号強度パターン(図4(b))と、探索ライン(L12A)の信号強度パターン(図4(d))とが同じ信号強度パターンとなることから、ライン収縮であることを判定する。
【0099】
ライン膨張の場合には、図6に示すように、設定ラインであるラインL22とラインL23は同じライン幅内にあって同じ信号強度パターンを有し、かつ、設定ラインのラインL22に対して定めた探索ラインのラインL23Aは、それぞれ相補的な信号強度パターンを有するラインであるため、実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図6(b))と、探索ライン(L23A)の信号強度パターン(図6(d))とは相補的な信号強度パターンとなる。
【0100】
この実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図6(b))と、探索ライン(L23A)の信号強度パターン(図6(d))とが相補的な信号強度パターンとなることから、ライン膨張であることを判定する。
【0101】
次に、探索ラインを実検出ラインとし(S14)、実検出ラインの座標位置を求め、この座標位置に基づいて実検出ライン上にある各のピクセルの中心位置を求め(S15)、求めた中心位置をピクセルの座標位置とする(S16)。
【0102】
S7およびS16の工程でピクセルの座標位置を求めた後は、S1の工程に戻り、前記したS1〜S16の工程を繰り返す。
【0103】
ピクセルの中心位置は、例えば、実検出ライン上の信号強度パターンの信号強度変化から各ピクセルの範囲を求め、求めたピクセルの範囲の中心をピクセルの中心位置とすることで算出する。
【0104】
ライン収縮の場合には、図5に示すように、探索ライン(L12A)を実検出ラインとしてラインの座標位置およびピクセルの座標位置を求める。その後、ラインL12Aから基準ピッチだけオフセットしたラインL13について座標位置およびピクセルの座標位置を求める。
【0105】
ライン膨張の場合には、図7に示すように、探索ライン(L23A)を実検出ラインとしてラインの座標位置およびピクセルの座標位置を求める。その後、ラインL23Aから基準ピッチだけオフセットしたラインL24について座標位置およびピクセルの座標位置を求める。
【0106】
(ライン座標位置の算出の第2の態様)
次に、ライン座標位置を算出する第2の態様例について図8のフローチャート、図9〜図12の説明図を用いて説明する。なお、図9に示す撮像画像の例は3ピクセル分について4ライン(内、1ラインはライン幅が収縮している)のみを示し、図10に示す撮像画像の例は3ピクセル分について5ライン(内、1ラインはライン幅が収縮している)のみを示し、図11に示す撮像画像の例は3ピクセル分について3ライン(内、1ラインはライン幅が膨張している)のみを示し、図12に示す撮像画像の例は3ピクセル分について4ライン(内、1ラインはライン幅が膨張している)のみを示している。
【0107】
図8に示すフローチャートは、図3に示すフローチャートと共通する工程は同じ符号Sを用いて示している。
【0108】
実検出ラインを基にして、基準のライン間隔だけ離れた設定ラインを算出する。基準のライン間隔は、例えば、撮像画像の各ラインのライン幅Pである基準ピッチとすることができる。基準ピッチを撮像画像の各ラインのライン幅Pに合わせて設定することによって、撮像画像の表示パターンに正常なライン幅で表されている場合には、全ラインについて設定ラインを設定し、各ラインの座標位置を算出することができる(S1)。
【0109】
実検出ラインと設定ラインの信号強度パターンを求める。図9、10はライン幅が収縮した場合を示し、図11、12はライン幅が膨張した場合を示している。図9において、ラインL11を現時点で座標位置を算出する実検出ラインとし、このラインL11から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL12を設定ラインとして設定する。また、図11において、ラインL21を現時点で座標位置を算出する実検出ラインとし、このラインL21から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL22を設定ラインとして設定し、さらにラインL22を実検出ラインとし、このラインL22から基準ピッチ(ライン幅P)だけオフセットした位置に定めたラインL23を設定ラインとして設定する(S2)。
【0110】
次に、実検出ラインと設定ラインの信号強度パターンを比較する。図9に示したライン幅が収縮する例では、ラインL11の実検出ラインの信号強度パターン(図9(b))と、ラインL12の設定ラインの信号強度パターン(図9(c))とを比較すると、同じ信号強度パターンを示している。
【0111】
ここでは、検査信号として、撮像画像の信号強度パターンがライン方向および撮像方向で交互に変化し、信号強度が相補的に現れる表示パターンが形成されるような信号パターンを印加している。したがって、ライン幅が正常であれば、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとは、互いに相補的な関係となる。
【0112】
これに対して、図9に示すようにライン幅が収縮した場合には、ライン幅の収縮によって、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとは同じ信号強度パターンとなる。
【0113】
また、図11に示したライン幅が膨張する例では、ラインL21の実検出ラインの信号強度パターン(図9(b))と、ラインL22の設定ラインの信号強度パターン(図9(c))とを比較すると、相補的な信号強度パターンを示している。次に、ラインL22を実検出ラインとし、基準ピッチ分オフセットしたラインL23を設定ラインとした場合には、ラインL22の実検出ラインの信号強度パターン(図9(c))と、ラインL23の設定ラインの信号強度パターン(図9(d))とを比較すると、同一信号強度パターンとなる。ラインL22とラインL23はライン膨張によって同一のラインであるため、ラインL22とラインL23を実検出ラインとしてライン座標位置を算出すると、同一ラインについて2つの座標位置を設定することになり、正確なライン座標位置およびピクセルの座標位置の算出に支障が生じる。
【0114】
したがって、ライン幅が収縮あるいは膨張する場合には、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとが同じ信号強度パターンであることを検出することによって、ライン不良を検出することができる(S3,S4,S8)。
【0115】
ライン幅が正常である場合には、実検出ラインの信号強度パターンと設定ラインの信号強度パターンとが相補的な信号強度パターンであることを検出することによって、ライン良を検出することができる(S3,S4)。
【0116】
ラインが良と判定された場合には、設定ラインを実検出ラインとし(S5)、実検出ラインの信号強度に基づいて、各ピクセルの中心に相当する座標位置を求め(S6)、ピクセルの座標位置を算出する(S7)。
【0117】
ラインが不良と判定された場合には(S8)、設定ラインに対して撮像方向側に探索範囲を設定し、探索範囲内に探索ラインを設ける。探索ラインは、設定ラインから所定距離だけオフセットした位置に設ける。
【0118】
第2の態様による探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした二本のラインとし、設定ラインのライン位置から前の実検出ラインの方向に定める探索ラインを第1の探索ラインとし、設定ラインのライン位置から次の実検出ラインを定める方向に定める探索ラインを第2の探索ラインとする。
【0119】
第2の態様では、収縮したラインの収縮幅が、P/2以上でライン幅がP/2以下であると仮定し、膨張したラインのライン幅を(P+P/2)以上と仮定した場合には、ラインの収縮と膨張を検出するための探索範囲は、設定ラインの前後にそれぞれP/4の幅とし、この探索範囲に探索ラインを設定する。なお、正常なラインのライン幅はPとする(S9A)。
【0120】
設定した探索ラインの信号強度パターンを求め(S10)、求めた探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとを比較することによって、ラインの収縮・膨張を判定する(S11)。
【0121】
第1の探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが相補的な信号強度パターンであり、第2の探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが同一の信号強度パターンである場合には収縮と判定する(S12)。
【0122】
第1の探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが同一の信号強度パターンであり、第2の探索ラインの信号強度パターンと実検出ラインの信号強度パターンとが相補的な信号強度パターンである場合には膨張と判定する(S13)。
【0123】
S11の工程において、上記判定が成されない場合には、探索ラインを変更してS9の工程に戻り判定を繰り返す。
【0124】
ライン収縮の場合には、図9に示すように、第1の探索ラインであるラインL12aは収縮したラインであるため、第1の探索ラインのラインL12aと設定ラインのラインL12とは相補的な信号強度パターンを有し、実検出ライン(L11)の信号強度パターン(図9(b))と、第1の探索ライン(L12a)の信号強度パターン(図9(d))とは相補的な信号強度パターンとなる。
【0125】
一方、第2の探索ラインであるラインL12bと設定ラインのラインL12とは同じライン内にあるため、実検出ライン(L11)の信号強度パターン(図9(b))と、第2の探索ライン(L12b)の信号強度パターン(図9(e))とは同一の信号強度パターンとなる。
【0126】
この実検出ライン(L11)の信号強度パターン(図9(b))と、第1の探索ライン(L12a)および第2の探索ライン(L12b)の信号強度パターン(図9(d)、(e))との関係からライン収縮であることを判定する。
【0127】
ライン膨張の場合には、図11に示すように、第1の探索ラインであるラインL23aは膨張したラインにあるため、第1の探索ラインのラインL23aと設定ラインのラインL21とは相補的な信号強度パターンを有し、実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図11(b))と、第1の探索ライン(L23a)の信号強度パターン(図11(d))とは相補的な信号強度パターンとなる。
【0128】
一方、第2の探索ラインであるラインL23bは膨張したラインの隣のライン内にあるため、実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図11(b))と、第2の探索ライン(L23b)の信号強度パターン(図11(e))とは同一の信号強度パターンとなる。
【0129】
この実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図11(b))と、第1の探索ライン(L23a)の信号強度パターン(図11(e))とが相補的な信号強度パターンとなり、実検出ライン(L21)の信号強度パターン(図11(b))と、第2の探索ライン(L23b)の信号強度パターン(図11(f))とが相補的な信号強度パターンとなることから、ライン膨張であることを判定する。
【0130】
次に、第2の探索ラインを実検出ラインとし(S14A)、実検出ラインの座標位置を求め、この座標位置に基づいて実検出ライン上にある各のピクセルの中心位置を求め(S15)、求めた中心位置をピクセルの座標位置とする(S16)。
【0131】
S7およびS16の工程でピクセルの座標位置を求めた後は、S1の工程に戻り、前記したS1〜S16の工程を繰り返す。
【0132】
ライン収縮の場合には、図10に示すように、第2の探索ライン(L12b)を実検出ラインとしてラインの座標位置およびピクセルの座標位置を求める。その後、ラインL12bから基準ピッチだけオフセットしたラインL13について座標位置およびピクセルの座標位置を求める。
【0133】
ライン膨張の場合には、図12に示すように、第2の探索ライン(L23b)を実検出ラインとしてラインの座標位置およびピクセルの座標位置を求める。その後、ラインL23bから基準ピッチだけオフセットしたラインL24について座標位置およびピクセルの座標位置を求める。
【0134】
ピクセルの中心位置は、例えば、実検出ライン上の信号強度パターンの信号強度変化から各ピクセルの範囲を求め、求めたピクセルの範囲の中心をピクセルの中心位置とすることで算出する。ラインの座標位置およびピクセルの座標位置は、前記した第1の態様と同様にして算出することができる。
【0135】
第2の態様において、上記した例は第2の探索ラインを実検出ラインとして定める例であり、この例では、収縮したラインを除いて次のラインからライン座標位置を求めている。
【0136】
以下、図13,図14を用いて、第2の態様において収縮したラインについてもライン座標位置を求める例について説明する。
【0137】
この例は、前記した図8のフローチャートにおいてS14の工程のみが相違するため、以下ではS14の工程についてのみ説明し、他の説明は省略する。
【0138】
図13のフローチャートにおいて、S14の実検出ラインを定める工程は、ライン収縮の場合の工程S14Aとライン膨張の場合の工程S14Bとを含む。
【0139】
S12の工程でラインが収縮していると判定された場合には、第1の探索ラインを実検出ラインとし(S14A)、S13の工程でラインが膨張していると判定された場合には、第2の探索ラインを実検出ラインとする(S14B)。
【0140】
図14は、ラインが収縮していると判定された場合に、第1の探索ラインのラインL12aを実検出ラインとして定め、このラインから基準ピッチ分オフセットした位置に設定ラインL13を定める。これによって、収縮したラインについてもライン座標位置を求めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、液晶アレイ基板の他、有機EL等種々の半導体基板に適用することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 液晶アレイ検査装置
2 撮像部
3 荷電粒子ビーム源
4 検出器
5 ステージ
6 検査信号印加部
11 制御部
12 走査制御部
13 ステージ制御部
14 トリガ信号生成部
21 撮像画像取得部
22 走査画像取得部
23 走査部
24 ライン座標位置演算処理部
24a 撮像画像データ記憶部
24b 撮像画像データ読み出し部
24c ライン算出部
24d 信号パターン比較部
24d1,24d2 比較部
24e 判定部
24e1 良・不良判定部
24e2 収縮・膨張判定部
24f 座標算出部
100 液晶基板
A〜F トリガ信号
L1,L2,L3 ライン
L11,L12,L13 ライン
L12A ライン
L12a,L12b ライン
L21,L22,L23,L24 ライン
L23A ライン
L23a,L23b ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶アレイが形成された液晶アレイ基板上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で得られる走査画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置において、
液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて、撮像画像を構成する各ラインのライン座標位置を算出するライン座標位置算出部を備え、
前記ライン座標位置算出部は、
液晶パネルの表示パターンを撮像して撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像からライン座標位置を演算処理により算出するライン座標位置演算処理部とを備え、
前記ライン座標位置演算処理部は、
ラインの信号強度パターンを比較する信号パターン比較部と、前記信号パターン比較部の比較に基づいてラインの良・不良の検出、およびライン幅の変化状態を判定する検出・判定部、次の実検出ラインを選出する選出部、および座標算出部を備え、
撮像画像を構成する複数のラインの中から撮像方向に沿って順に一ラインずつ選出し、当該選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する一連の演算処理を行い、
前記一連の演算処理において、
前記検出・判定部は、
実検出ラインのライン座標位置から基準ピッチ分だけオフセットした座標位置を算出して設定ラインを設定し、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記設定ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化によるラインの良・不良を検出し、
ラインの良・不良検出でラインが不良であると検出したときに、前記設定ラインのライン座標位置に所定長さだけオフセットした座標位置を算出して探索ラインを設け、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化状態を判定し、
前記選出部は、ラインの良・不良検出でラインが不良であると検出されたときには探索ラインを次の実検出ラインとして選出し、ラインの良・不良検出でラインが良であると検出されたときには前記設定ラインを次の実検出ラインとして選出し、
前記座標算出部は、前記選出部が選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出することを特徴とする、液晶アレイ検査装置。
【請求項2】
液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて液晶アレイを検査する液晶アレイ検査装置において、
液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて、撮像画像を構成する各ラインのライン座標位置を算出するライン座標位置算出部を備え、
前記ライン座標位置算出部は、
液晶パネルの表示パターンを撮像して撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像からライン座標位置を演算処理により算出するライン座標位置演算処理部とを備え、
前記ライン座標位置演算処理部は、
ラインの信号強度パターンを比較する信号パターン比較部と、前記信号パターン比較部の比較に基づいてラインの良・不良の検出、およびライン幅の変化状態を判定する検出・判定部、次の実検出ラインを選出する選出部、および座標算出部を備え、
撮像画像を構成する複数のラインの中から撮像方向に沿って順に一ラインずつ選出し、当該選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する一連の演算処理を行い、
前記一連の演算処理において、
前記検出・判定部は、
実検出ラインのライン座標位置から基準ピッチ分だけオフセットした座標位置を算出して設定ラインを設定し、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記設定ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化によるラインの良・不良を検出し、
ラインの良・不良検出でラインが不良であると検出したときに、前記設定ラインのライン座標位置に所定長さだけオフセットした座標位置を算出して探索ラインを設け、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化状態を判定し、
前記選出部は、ラインの良・不良検出でラインが不良であると検出されたときには探索ラインを次の実検出ラインとして選出し、ラインの良・不良検出でラインが良であると検出されたときには前記設定ラインを次の実検出ラインとして選出し、
前記座標算出部は、前記選出部が選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出することを特徴とする、液晶アレイ検査装置。
【請求項3】
前記基準ピッチは、正常ラインが備えるライン幅であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液晶アレイ検査装置。
【請求項4】
前記探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向に所定長さだけオフセットした一本のラインであることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の液晶アレイ検査装置。
【請求項5】
前記検査信号はライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号であり、
前記検出・判定部は、
前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、
前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張した判定することを特徴とする、請求項4に記載の液晶アレイ検査装置。
【請求項6】
前記探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした二本のラインであることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の液晶アレイ検査装置。
【請求項7】
前記検査信号はライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号であり、前記検出・判定部は、
前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであり、前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、
前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであり、前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張したと判定することを特徴とする、請求項6に記載の液晶アレイ検査装置。
【請求項8】
液晶アレイに検査信号を印加して得られる液晶パネルの表示パターンの撮像画像に基づいて、撮像画像を構成する各ラインのライン座標位置を算出するライン座標位置算出方法において、
撮像画像を構成する複数のラインの中から撮像方向に沿って順に一ラインずつ選出し、当該選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する一連の工程を有し、
前記一連の工程は、
実検出ラインのライン座標位置から基準ピッチ分だけオフセットした座標位置を算出して設定ラインを設定し、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記設定ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化によるラインの良・不良を検出する検出工程と、
前記検出工程でラインの不良を検出したときに、前記設定ラインのライン座標位置に所定長さだけオフセットした座標位置を算出して探索ラインを設け、前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとを比較し、当該比較に基づいてライン幅の変化状態を判定する判定工程と、
前記検出工程でラインが不良であることを検出したときには前記判定工程で設けた探索ラインを次の実検出ラインとして選出し、前記検出工程でラインが良であることを検出したときには前記設定ラインを次の実検出ラインとして選出する選出工程と、
選出したラインを実検出ラインとしてライン座標位置を算出する座標算出工程とを備えることを特徴とする、ライン座標位置算出方法。
【請求項9】
前記基準ピッチは、正ラインが備えるライン幅であることを特徴とする、請求項8に記載のライン座標位置算出方法。
【請求項10】
前記探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向に所定長さだけオフセットした一本のラインであることを特徴とする、請求項8又は9に記載のライン座標位置算出方法。
【請求項11】
前記検査信号はライン毎に相補的な表示パターンを形成する信号であり、
前記判定工程は、
前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、
前記実検出ラインの信号強度パターンと前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張した判定することを特徴とする、請求項10に記載のライン座標位置算出方法。
【請求項12】
前記探索ラインは、設定ラインに対して撮像方向および撮像方向と逆方向に所定長さだけオフセットした二本のラインであることを特徴とする、請求項8又は9に記載のライン座標位置算出方法。
【請求項13】
前記判定工程は、
前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであり、前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであるときはライン幅が収縮したと判定し、
前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向と逆方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが同じパターンであり、前記実検出ラインの信号強度パターンと、撮像方向の前記探索ラインの信号強度パターンとが相補パターンであるときはライン幅が膨張したと判定することを特徴とする、請求項12に記載のライン座標位置算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図13】
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【図16】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−230056(P2012−230056A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99617(P2011−99617)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】