説明

液晶シャッタ眼鏡、テレビ受像機及びテレビ受像システム

【課題】視力補正の機能が追加された液晶シャッタ眼鏡、テレビ受像機及びテレビ受像システムを提供する。
【解決手段】液晶シャッタ眼鏡は、視力補正レンズ3a及び3b及び視力補正レンズ3a及び3bを保持する視力補正レンズ用リム30及び31を含む視力補正手段3と、印加電圧に応じて入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ4a及び4b及び液晶シャッタ4a及び4bを保持する液晶シャッタ用リム40及び41を含む液晶シャッタ手段4とを備える。液晶シャッタ用リム40及び41は、視力補正レンズ用リム30及び31に対して着脱可能であり、コネクタ35、36、45及び46を介して相互に信号の送受信を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶シャッタ眼鏡、テレビ受像機及びテレビ受像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶シャッタ眼鏡は、3D映像システムで用いられる表示装置に表示されている右目用及び左目用の映像に同期させて右目用及び左目用の液晶シャッタを開閉し、右目用及び左目用の映像を透過又は遮断することにより3D映像を映し出す(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−266840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般の眼鏡を装着している者が3D映像を視聴する場合、視聴者は、眼鏡の上に3D映像視聴用の液晶シャッタ眼鏡を重ねて装着する必要がある。しかし、眼鏡及び液晶シャッタ眼鏡の形状は通常異なるため、両者を一緒に装着するのは容易ではない。また、視聴中、視聴者の顔の動きに伴い、液晶シャッタ眼鏡のレンズ部及び眼鏡のレンズの位置関係がずれ易いため、視聴者は随時、それらの位置関係を調整しなければならず不便であった。
【0005】
そこで、本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、視力の弱い視聴者が一般の眼鏡の上に液晶シャッタ眼鏡を重ねて装着することなく3D映像の視聴を可能にする液晶シャッタ眼鏡、テレビ受像機及びテレビ受像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、視力補正用のレンズ及び該レンズを保持するレンズ枠を含む視力補正手段と、印加電圧に応じて入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ、及び該液晶シャッタを保持し、前記レンズ枠と対向配置されるシャッタ枠を含む液晶シャッタ手段とを備え、前記レンズ枠及びシャッタ枠夫々に、互いを着脱可能に連結し相互間で信号の入出力を行う第一連結部及び第二連結部が設けられ、前記液晶シャッタ手段は、外部から送信された信号を受信する受信部と、該受信部により受信された信号を、前記第二連結部を介して前記視力補正手段に出力する出力部と、前記視力補正手段から出力された信号を、前記第二連結部を介して入力する入力部とを備え、前記視力補正手段は、前記液晶シャッタ手段から出力された信号を、前記第一連結部を介して入力する入力部と、該入力部により入力した信号に従い前記印加電圧を制御する信号を生成する制御部と、該制御部により生成された信号を、前記第一連結部を介して前記液晶シャッタ手段に出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、視力補正手段及び液晶シャッタ手段を着脱可能にすると共に、両者に3D映像を視聴するために必要な機能(ハードウェア)を分配し、両者の間で所定の信号の入出力を行わせる構成にした。視聴者は、3D映像を視聴しないときには視力補正手段だけを装着し、それを一般の眼鏡と同様に使用する一方、3D映像を視聴するときには視力補正手段に液晶シャッタ手段を取り付けて使用する。視力補正手段に液晶シャッタ手段を取り付けると、両者は、一体化され、全体として液晶シャッタ眼鏡として機能を発揮する。本発明によれば、互いに着脱可能な視力補正手段及び液晶シャッタ手段が、3D映像の視聴の際に一体化される構成をとっているため、両者のレンズの位置関係にずれが生じることがない。よって、視聴者は、3D映像を視聴している間、従来の使用態様では必要であったレンズの位置関係の調整という煩わしい作業を行わなくてもすむ。
【0008】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、前記第一連結部及び第二連結部の先端が夫々、凹型及び凸型の形状を成していることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、視力補正手段に設けられた第1連結部の先端は凹型であるため、視聴者は、3D映像を視聴していないときに視力補正手段を単体で装着してもよい。その理由は、凸型形状と異なり凹型形状は外観上目立ちにくいからである。
【0010】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、前記シャッタ枠の内縁に弾性体が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、液晶シャッタのシャッタ枠の内縁に弾性体が設けられているため、視力補正レンズを弾性体により嵌合させることができ、それにより、視力補正レンズをシャッタ枠に密着させた状態で保持させることができる。
【0012】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、前記液晶シャッタと重なり合う視力補正用のレンズを備え、該レンズの周縁部が前記弾性体に嵌合していることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、視力補正用のレンズの周縁部が弾性体に嵌合しているため、レンズがシャッタ枠から外れにくい。
【0014】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、レンズ枠と、該レンズ枠を前記シャッタ枠と重なり合うように取り付けるための留め具とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、レンズ枠とシャッタ枠とを重なり合うように取り付けるための留め具を備えているため、視力補正用のレンズを液晶シャッタの面に重なり合うように固定することができる。
【0016】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、前記留め具が弾性体であることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、留め具が弾性体(例えば、バネ)であるため、レンズ枠と液晶シャッタ枠との間に所望の開口を容易につくることができ、その開口から視力補正用のレンズをシャッタ枠内に簡単に挿入することができ、更に、視力補正用のレンズがシャッタ枠から外れ落ちることはない。
【0018】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、前記レンズ枠内に前記液晶シャッタと重なり合う視力補正用のレンズを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、弾性体の留め具を用いて視力補正用のレンズが液晶シャッタと重なり合うようにレンズ枠内に保持されているため、視力補正用のレンズの取り付けが容易であり、更に、視力補正用のレンズがシャッタ枠から外れ落ちることはない。
【0020】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、前記シャッタ枠に、前記シャッタ枠の内外を貫通する貫通孔が形成され、前記シャッタ枠内に、前記貫通孔を通して前記シャッタ枠外から前記シャッタ枠内に挿入される視力補正用のレンズを前記液晶シャッタと重なり合うように収納する収納部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、シャッタ枠にシャッタ枠の内外に貫通する貫通孔が形成され、その貫通孔から視力補正用のレンズをシャッタ枠内に挿入する構造をなしているため、視力補正用のレンズの取り付けが容易であり、更に、視力補正用のレンズがシャッタ枠から外れ落ちることはない。
【0022】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、視力補正用のレンズが前記収納部に収納してあることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、シャッタ枠に形成された貫通孔から挿入された視力補正用のレンズがシャッタ枠内に収容されているため、視力補正用のレンズの取り付けが容易であり、更に、視力補正用のレンズがシャッタ枠から外れ落ちることはない。
【0024】
本発明の液晶シャッタ眼鏡は、液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、視力補正用のレンズと、該レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠及びシャッタ枠を、前記レンズと前記液晶シャッタとが対向する方向に接離するように回動可能に連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、視力補正用のレンズと、レンズを保持するレンズ枠と、レンズ枠及びシャッタ枠を、レンズと液晶シャッタとが対向する方向に接離するように回動可能に連結する連結部を有している。そのため、シャッタ枠に連結されたレンズ枠を回動させるだけで視力補正用のレンズを液晶シャッタに重ね合わせることができ、視力補正用のレンズの装着が容易に行える。更に、視力補正用のレンズはレンズ枠に連結されているため、視力補正用のレンズを紛失することもない。
【0026】
本発明のテレビ受像機は、上記の液晶シャッタ眼鏡に信号を送信することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、3D映像を視聴する際に一般の眼鏡に液晶シャッタ眼鏡を重ねて装着するという使用態様をとらないため、視聴者は、液晶シャッタ及び視力補正レンズの位置調整という面倒な作業を行う必要はない。よって、視聴者は、3D映像を安定した状態で視聴できる。
【0028】
本発明のテレビ受像システムは、テレビ受像機と、該テレビ受像機から送信される信号を受信する上記の液晶シャッタ眼鏡とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、3D映像を視聴する際に一般の眼鏡に液晶シャッタ眼鏡を重ねて装着するという使用態様をとらないため、視聴者は、液晶シャッタ及び視力補正レンズの位置調整という面倒な作業を行う必要はない。よって、視聴者は、3D映像を安定した状態で視聴できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、液晶シャッタ眼鏡に視力補正の機能を追加したため、視力の弱い視聴者は一般の眼鏡の上に液晶シャッタ眼鏡を重ねて装着するという従来の使用形態をとらなくてすみ、視聴者は、レンズの位置調整といった煩わしい作業を行わなくとも3D映像を視聴できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】3D映像を視聴できるテレビ受像システムの概略図である。
【図2】表示装置の外観図である。
【図3】液晶シャッタ眼鏡の外観斜視図である。
【図4】液晶シャッタ眼鏡に含まれる液晶シャッタ部及び視力補正眼鏡部が分離した状態を示す分解斜視図である。
【図5】表示装置の一構成例を示すブロック図である。
【図6】液晶シャッタ眼鏡の構成例を示すブロック図である。
【図7】右目用及び左目用液晶シャッタの開閉動作と表示パネルに表示される右目用及び左目用の映像表示との関係を示す模式図である。
【図8】液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
【図9】液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
【図10】取り付け用フレームが装着された液晶シャッタ眼鏡と、視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
【図11】可動式の取り付け用フレームが装着された液晶シャッタ眼鏡と、視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
【図12】液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
【図13】液晶シャッタ眼鏡に視力補正レンズが取り付けられている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施の形態1
以下、図面を参照して実施の形態1を具体的に説明する。
図1は、3D映像を視聴できるテレビ受像システムの概略図、図2は、表示装置の外観図、図3は、液晶シャッタ眼鏡の外観斜視図、図4は、液晶シャッタ眼鏡に含まれる液晶シャッタ部及び視力補正眼鏡部が分離した状態を示す分解斜視図である。
尚、図2Aは表示装置1の外観正面図、図2Bは表示装置1の上面図である。
テレビ受像システムは、表示装置1及び液晶シャッタ眼鏡2を有する。表示装置1は、略直方体の表示パネル1a、表示パネル1aの後側を覆うバックキャビネット1b、スタンド1c及び表示パネル1aの縁部を取り囲むフロントキャビネット1d及び液晶シャッタ眼鏡2に同期信号を赤外線により送信する同期信号送信部1eを有する。
【0033】
表示パネル1aは、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等であり、テレビチューナ、又は光学ドライブを有する画像再生装置から与えられる映像信号に基づき3D映像を表示する。
同期信号送信部1eは、フロントキャビネット1dの下部中央に設けられる。
表示パネル1aは、バックキャビネット1b及びフロントキャビネット1dにより把持される。スタンド1cは、表示パネル1a、バックキャビネット1b及びフロントキャビネット1dを起立状態で支持する。
【0034】
図3に示すように、液晶シャッタ眼鏡2は、ゴーグル形状に類似した形状を有し、視力補正眼鏡部3及び液晶シャッタ部4を含む。視力補正眼鏡部3は、一般の眼鏡のように使用者が日常的に装着し得るものである。視力補正眼鏡部3の外観は、概ね一般の眼鏡と同様であるが、視力補正眼鏡部3の内部には液晶シャッタ眼鏡の機能の一部を担う電気回路が搭載されている点で一般の眼鏡と異なる。すなわち液晶シャッタ部4を視力補正眼鏡部3に取り付けて両者を一体化させることにより全体として液晶シャッタ眼鏡としての機能が発揮されるため、使用者は、視力補正眼鏡部3に液晶シャッタ部4を取り付けることによって3D映像を視聴する。
【0035】
図4に示すように、視力補正眼鏡部3は、ゴーグル形状に類似した形状を有し、右目用及び左目用の視力補正レンズ3a及び3bと、視力補正レンズ3a及び3bを保持するフレーム3cとを含む。
右目用及び左目用の視力補正レンズ3a及び3bは、矩形状であり、一般の眼鏡に用いられるレンズと同様のものである。
フレーム3cは、全体として略8の字形状を成すレンズ枠であるリム30及び31と、リム30及び31の外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル32及び33と、リム30及び31の下側縁の間に形成された逆V字型の切り欠け34と、矩形状のメス型コネクタ35及び36と、液晶シャッタ眼鏡2への電源供給のオンオフを切り替えるための矩形状の電源スイッチ37とを含む。
【0036】
リム30及び31の内縁には、上縁部30a及び30bと、下縁部30c及び30dと、外側縁部30e及び30fと、内側縁部30g及び30hとが含まれる。視力補正レンズ3a及び3bは、リム30及び31の内縁に取り囲まれた状態でリム30及び31内に保持される。即ち、上縁部30a及び30bは、視力補正レンズ3a及び3bを下縁部30c及び30dの方向に支持し、下縁部30c及び30dは、視力補正レンズ3a及び3bを上縁部30a及び30bの方向に支持する。また、外側縁部30e及び30fは、視力補正レンズ3a及び3bを内側縁部30g及び30hの方向に支持する。更に、内側縁部30g及び30hは、視力補正レンズ3a及び3bを外側縁部30e及び30fの方向に支持する。
【0037】
テンプル32は、リム30の外側縁部30eの近傍の外縁からリム30の裏面側、即ち、装着時における使用者の顔の方向に延在し、テンプル33は、リム30の外側縁部30fの近傍の外縁からリム30の裏面側に延在する。使用者は、テンプル31及び32の後部を耳に掛けると共にそれらにより側頭部を狭持させ、視力補正眼鏡部3を顔に装着する。
【0038】
メス型コネクタ35及び36夫々は、リム30及び31の表面であって左右両側の短手の縁部の略中央に形成されている。一方、メス型コネクタ35及び36に対応するオス型コネクタ45及び46は矩形状であり、液晶シャッタ部4の裏面であって左右両側の短手の縁部の略中央に夫々形成されている。メス型コネクタ35及び36とオス型コネクタ45及び46とは着脱可能な構造をなし、オス型コネクタ45及び46をメス型コネクタ35及び36に差し込むことにより、液晶シャッタ部4及び視力補正眼鏡部3は一体化され、両者は物理的且つ電気的に接続された状態になる。
尚、視力補正眼鏡部3に設けるコネクタはメス型コネクタが好ましい。その理由は、視力補正眼鏡部3は日常的に装着される場合があるため、フレーム3cの表面から突出した部分があると、視力補正眼鏡3の外観を損ねるからである。
【0039】
電源スイッチ37は、テンプル33の外面であってリム30bの近傍に設けられている。電源スイッチ37がオンされると液晶シャッタ眼鏡2は起動し、使用者は、表示パネル1aに表示されている3D映像を見ることができるようになる。
【0040】
液晶シャッタ部4は、視力補正眼鏡部3からテンプル32及び33を除いた部分の形状と略同一の形状を有する。液晶シャッタ部4は、右目用及び左目用の液晶シャッタ4a及び4bと、液晶シャッタ4a及び4bを保持するシャッタ枠であるリム40及び41と、オス型コネクタ45及び46と、表示装置1の同期信号送信部1eから送信される同期信号を受信する矩形状の同期信号受信部47とを有する。
右目用及び左目用の液晶シャッタ4a及び4bの大きさ及び形状は、右目用及び左目用の視力補正レンズ3a及び3bの大きさ及び形状と略同一である。また、リム40及び41の大きさ及び形状は、リム30及び31の大きさ及び形状と略同一である。
【0041】
前述した通り、オス型コネクタ45及び46は、視力補正眼鏡部3に設けられたメス型コネクタ35及び36に対応するコネクタである。オス型コネクタ45及び46をメス型コネクタ35及び36に差し込むことにより、液晶シャッタ部4と視力補正眼鏡部3とは一体化され、両者の間で各種信号の送受信を行えるようになる。
メス型コネクタ35及び36とオス型コネクタ45及び46としては、例えば、互いに挿脱可能なメス型及びオス型のUSB(登録商標)のコネクタを用いることができる。USBは、Universal Serial Busの略である。
【0042】
同期信号受信部47は、リム40及び41の間に設けられている。同期信号受信部47は、表示装置1の同期信号送信部1eから赤外線で送信される同期信号を受信し、受信した同期信号をオス型コネクタ45又は46、及びメス型コネクタ35又は36を介して、視力補正眼鏡部3の内部の回路に送る。
尚、上述した各部の形状は例示であり、丸形、三角形等の他の形状であってもよい。
【0043】
図5は、表示装置の一構成例を示すブロック図、図6は、液晶シャッタ眼鏡の構成例を示すブロック図、図7は、右目用及び左目用液晶シャッタの開閉動作と表示パネルに表示される右目用及び左目用の映像表示との関係を示す模式図である。
【0044】
図5に示すように、表示装置1は、表示制御部100、映像入力部110、チューナ部120、AVスイッチ130、信号処理部140、表示パネル1a、スピーカ150及び同期信号送信部1eを有する。
【0045】
表示制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、表示装置1の全体制御を行う。映像入力部110は、HDDレコーダ又はBDレコーダ等の画像再生装置から映像信号及び音声信号を受け取り、受け取った映像信号及び音声信号をAVスイッチ130に与える。チューナ部120は、アンテナAが受信した映像信号及び音声信号から特定チャンネルの映像信号及び音声信号を選択し、選択した映像信号及び音声信号をAVスイッチ130に与える。AVスイッチ130は、表示制御部100による制御を受け、映像入力部110又はチューナ部120から受け取った映像信号及び音声信号を信号処理部140に与える。
【0046】
信号処理部140は、AVスイッチ130から映像信号及び音声信号を受け取った場合、表示制御部100による制御を受け、1フレーム映像中の右目用映像及び左目用映像を作成する。表示制御部100は、作成された右目用映像及び左目用映像を表示パネル1aに表示させる。また、信号処理部140は、音声信号に対して信号処理を行う。表示制御部100は、信号処理された音声信号をスピーカ150に与える。更に、信号処理部140は、液晶シャッタ眼鏡2が内蔵する右目用及び左目用液晶シャッタ4a及び4bの開閉動作を、表示パネル1aでの右目用及び左目用映像の表示動作に同期させるために必要な同期信号を同期信号送信部1eに与える。
【0047】
同期信号送信部1eは、赤外線エミッタ回路を含み、信号処理部140から受け取った同期信号を赤外線で液晶シャッタ眼鏡2の液晶シャッタ部4に向けて送信する。
【0048】
図6に示すように、液晶シャッタ眼鏡2は、視力補正眼鏡部3及び液晶シャッタ部4を含む。
【0049】
視力補正眼鏡部3は、液晶シャッタ眼鏡制御部300、電池310、電源スイッチ37、液晶シャッタ駆動部330、眼鏡用ポート340及びタイマ350を有する。一方、液晶シャッタ部4は、同期信号受信部47、右目用及び左目用液晶シャッタ4a及び4bと、液晶シャッタ用ポート420を有する。
【0050】
液晶シャッタ眼鏡制御部300は、主に液晶シャッタ駆動部330の制御を行う。電池310は例えばボタン型リチウムイオン電池である。
【0051】
同期信号受信部47は、表示装置1から同期信号を受け取り、液晶シャッタ用ポート420を介して眼鏡用ポート340に送る。眼鏡用ポート340は、液晶シャッタ用ポート420から受け取った同期信号を液晶シャッタ眼鏡制御部300に与える。液晶シャッタ眼鏡制御部300は、眼鏡用ポート340から受け取った同期信号に従って液晶シャッタ駆動部330を制御する。液晶シャッタ駆動部330は、液晶シャッタ眼鏡制御部300による制御を受け、右目用及び左目用液晶シャッタ駆動信号を作成し、眼鏡用ポート340及び液晶シャッタ用ポート420を介して右目用及び左目用液晶シャッタ4a及び4bに与える。右目用及び左目用液晶シャッタ駆動信号に応じて、右目用及び左目用液晶シャッタ4a及び4bに印加する電圧の状態(オン又はオフ)は切り替わる。即ち、液晶シャッタ眼鏡2は、表示装置1の同期信号送信部1eから受け取った同期信号に従って右目用及び左目用液晶シャッタ4a及び4bの開放及び閉鎖を交互に行う。例えば、液晶シャッタ眼鏡2は、右目用液晶シャッタ4aを開放している間は左目用液晶シャッタ4bを閉鎖し、左目用液晶シャッタ4bを開放している間は右目用液晶シャッタ4aを閉鎖する。液晶シャッタが開放されている間、入射光は透過し、閉鎖されている間、入射光は遮断される。したがって、右目用液晶シャッタ4aが開放されて左目用液晶シャッタ4bが閉鎖されている間、右目用映像は、使用者の右目に投影される。また、左目用液晶シャッタ4bが開放されて右目用液晶シャッタ4aが閉鎖されている間、左目用映像は、使用者の左目に投影される。つまり、表示パネル1aに表示されている右目用映像及び左目用映像は、同期信号に従って使用者の右目及び左目に投影され、それにより視聴者は3D映像を知覚できる。
【0052】
タイマ350は、同期信号受信部47が同期信号を受信していない時間を計測し、その時間が所定時間を経過した場合、液晶シャッタ眼鏡制御部300にタイムアウト信号を与える。例えば、表示装置1の電源が切られてから所定時間経過した場合、タイマ350はタイムアウト信号を液晶シャッタ眼鏡制御部300に与える。また、表示装置1の電源が投入されている状態では、タイマ350は、3D映像の視聴が終了してからの時間を計測する。タイマ350は、その時間が所定時間を経過した場合、タイムアウト信号を液晶シャッタ眼鏡制御部300に与える。タイマ350からタイムアウト信号を受け取った液晶シャッタ眼鏡制御部300は、視力補正眼鏡部3の電源スイッチ37を自動的にオフにする。こうした制御により、液晶シャッタ眼鏡2の電力消費量を節約することができる。
【0053】
上述した液晶シャッタ眼鏡2の場合、ハードウェアの分配として、視力補正眼鏡部3に、液晶シャッタ眼鏡制御部300、電池310、電源スイッチ37、液晶シャッタ駆動部330等の多くのハードウェアを含ませる構成とした。その理由は、視力補正眼鏡部3を液晶シャッタ眼鏡部よりも重くすることにより、液晶シャッタ眼鏡2の重心を顔側に近づけることができ、その方が液晶シャッタ眼鏡を顔に装着した際の装着バランスを良好に保つことができるからである。しかし、装着バランスを適度に保てるのであれば、上記の分配とは異なる分配にしてもよい。
【0054】
図7Aは、右目用液晶シャッタを開放し、左目用液晶シャッタを閉鎖することにより使用者の右目に右目用映像を投影させた状態を示す。図7Bは、左目用液晶シャッタを開放し、右目用液晶シャッタを閉鎖することにより使用者の左目に左目用映像を投影させた状態を示す。
【0055】
図7Aに示すように、液晶シャッタ眼鏡2は、右目用映像8が表示パネル1aに表示されている間、右目用液晶シャッタを開放し、左目用液晶シャッタを閉鎖する。また、図7Bに示すように、液晶シャッタ眼鏡2は、左目用映像9が表示パネルに表示されている間、右目用液晶シャッタを閉鎖し、左目用液晶シャッタを開放する。液晶シャッタ眼鏡2は、表示パネル1aに表示される右目用映像8及び左目用映像9の切替と、右目用及び左目用液晶シャッタの開閉とを同期させ、右目用映像8及び左目用映像9を使用者の右目及び左目に投影させる。
【0056】
以上の通り、液晶シャッタ眼鏡2は、視力の弱い使用者が視力補正のために日常的に装着することが可能な視力補正眼鏡部3及び3D映像を視聴するために必要な液晶シャッタ部4を含み、両者は、着脱可能な構成をとる。したがって、使用者は、3D映像を視聴する場合、液晶シャッタ部4を視力補正眼鏡部3に容易に取り付けることができる。また、使用者は、3D映像を視聴しない場合、液晶シャッタ部4を視力補正眼鏡部3から容易に取り外すことできる。さらに、液晶シャッタ部4を視力補正眼鏡3に取り付けると両者は一体化されるため、両者の位置関係は一定状態を保つ。
【0057】
実施の形態2
次に、図面を参照して実施の形態2を具体的に説明する。
実施の形態1では、電気回路を夫々含む視力補正眼鏡部3及び液晶シャッタ部4を合体させ、それらが協働して液晶シャッタ眼鏡の機能を果たす形態を示した。これに対して、実施の形態2では、液晶シャッタ眼鏡のリムの内縁に弾性体を設け、一般に用いられる視力補正レンズを弾性体に装着させて保持することにより、液晶シャッタ眼鏡に視力補正の機能をもたせる形態を示す。
【0058】
図8は、液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡50は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bと、フレーム50cとを有する。フレーム50cは、右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム50f及び50gと、リム50f及び50gの外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル50d及び50eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き50hと、矩形状の電源スイッチ57とを含む。
【0059】
右目用及び左目用の視力補正レンズ51及び52は、右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bと略同一の形状及び大きさを有する。
右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bを保持するリム50f及び50gの内縁であって右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bの裏面側にある内縁には、ラバー50i及び50jが設けられている。ラバーは、わずかな力で大きく伸び、外力を除くと瞬間的に元に戻るゴム弾性を有する弾性体である。したがって、視力補正レンズ51及び52の全縁をラバー50i及び50jに容易に密着させることができる。視力補正レンズ51及び52をラバー50i及び50jに密着させることにより、視力補正レンズ51及び52は、右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bに重ねられた状態でリム50f及び50g内に保持される。
【0060】
実施の形態2では、液晶シャッタ眼鏡50のリム50f及び50gの内縁にラバー50i及び50jを設け、右目用及び左目用液晶シャッタ50a及び50bの裏面側から視力補正レンズ51及び52をラバー50i及び50jに装着し、リム50f及び50g内に視力補正レンズ51及び52を保持する。実施の形態2によれば、簡易な構成で液晶シャッタ眼鏡50に視力補正の機能をもたせることができる。
【0061】
実施の形態3
次に、図面を参照して実施の形態3を具体的に説明する。
上述した実施の形態2では、液晶シャッタ眼鏡50のリム50f及び50gの内縁にラバー50i及び50jを装着し、ラバー50i及び50jを用いてリム50f及び50g内に視力補正レンズ50a及び50bを保持させる形態を示した。これに対して、実施の形態3では、ラバーの代わりにホルダ及びビスを用いて、液晶シャッタ眼鏡のリム内に視力補正レンズを保持させる形態を示す。
【0062】
図9は、液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡60は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bと、フレーム60cとを有する。フレーム60cは、右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム60f及び60gと、リム60f及び60gの外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル60d及び60eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き60hと、矩形状の電源スイッチ67とを含む。
【0063】
右目用及び左目用の視力補正レンズ61及び62は、右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bと略同一の形状及び大きさを有する。
【0064】
液晶シャッタ眼鏡60は、ホルダ60i及びそれに対応するビス60jと、ホルダ60k及びそれに対応するビス60mと、ホルダ60n及びそれに対応するビス60pとを有する。また、リム60f及び60gの裏面には、ビス60j、60m及び60pを通すビス穴(図示せず)が形成されている。例えば、3つのビス穴は、右目用液晶シャッタ60aの外側縁部近傍のリム60fの短手の一部と、切り欠き60hの左右にあるリム60f及び60gの短手の一部と、左目用液晶シャッタ60bの外側縁部近傍のリム60gの短手の一部とに形成されている。3つのビス穴は、リム60f及び60gの下縁部から略同一の高さに形成されており、3つのビス穴を結んだ線はリム60f及び60gの下縁部に対して水平な線となる。
【0065】
3つのホルダ60i、60k及び60nは、右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bの裏面側に視力補正レンズ61及び62を取り付けるために用いられる。例えば、ホルダ60iは、ビス60jにより切り欠き60hの上側にあるリムの一部に取り付けられ、視力補正レンズ61及び62を右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bに向けて押圧する。ホルダ60kは、ビス60mにより右目用液晶シャッタ60aの外側縁部近傍のリムの一部に取り付けられ、視力補正レンズ61を右目用液晶シャッタ60aに向けて押圧する。ホルダ60nは、ビス60pにより左目用液晶シャッタ60bの外側縁部近傍のリムの一部に取り付けられ、視力補正レンズ62を左目用液晶シャッタ60bに向けて押圧する。このように、3つのホルダ60i、60k及び60n及び3つのビス60j、60m及び60pを用いることにより、視力補正レンズ61及び62は、右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bに重ねられた状態でリム60f及び60g内に保持される。
【0066】
実施の形態3では、3つのホルダ60i、60k及び60nと、3つのビス60j、60m及び60pを用いて、視力補正レンズ61及び62を右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bの裏面側に保持する。実施の形態3によれば、簡易な構成で液晶シャッタ眼鏡60に視力補正の機能をもたせることができる。
尚、上記の例では、視力補正レンズ61及び62を右目用及び左目用液晶シャッタ60a及び60bの裏面側に装着させるためのホルダ60i、60k及び60nをビス60j、60m及び60pを用いてリム60f及び60gに固定しているが、ビス以外の種類の留め具を用いてホルダ60i、60k及び60nを固定してもよい。
【0067】
実施の形態4
次に、図面を参照して実施の形態4を具体的に説明する。
実施の形態3では、ホルダ及びビスを用いて、液晶シャッタ眼鏡のリム内に視力補正レンズを保持させる形態を示した。これに対して、実施の形態4では、液晶シャッタ眼鏡のフレームに対して着脱可能な視力補正レンズ取り付け用フレーム(以下、「取り付け用フレーム」と呼ぶ)を用いて視力補正レンズを液晶シャッタ眼鏡に保持させる形態を示す。
【0068】
図10は、取り付け用フレームが装着された液晶シャッタ眼鏡と、視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡70は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bと、フレーム70cとを有する。フレーム70cは、右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム(図示せず)と、リムの外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル70d及び70eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き70iと、矩形状の電源スイッチ77とを含む。
【0069】
右目用及び左目用の視力補正レンズ71及び72は、右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bと略同一の形状及び大きさを有する。
【0070】
液晶シャッタ眼鏡70は、取り付け用フレーム70fを有する。取り付け用フレーム70fは、視力補正レンズ71及び72を液晶シャッタ70a及び70bの裏面に重ねた状態でフレーム70cに取り付けられる。フレーム70c及び取り付け用フレーム70fには、ビス70j、70k及び70mを通るビス穴(図示せず)が形成されている。視力補正レンズ71及び72は、取り付け用フレーム70fのリム70g及び70hと、液晶シャッタ70a及び70bとにより挟み込まれる。この状態で、ビス70j、70k及び70mを用いて、取り付け用フレーム70fをフレーム70cに取り付ける。取り付けフレーム70fの場合、ビス穴は、右目用液晶シャッタ70aの外側縁部近傍のリム70gの短手の一部と、切り欠き70iの上側にあるリム70g及び70hの短手の一部と、左目用液晶シャッタ70bの外側縁部近傍のリム70hの短手の一部とに形成されている。フレーム70cの場合、取り付けフレーム70fをフレーム70cに取り付けた場合、取り付けフレーム70fに形成されているビス穴に対応する位置にビス穴が形成されている。
【0071】
右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bの裏面に視力補正レンズ71及び72を被せ、更に取り付け用フレーム70fを被せる。これにより、右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bと取り付け用リム70cとの間に視力補正レンズ71及び72が挟み込まれた状態になる。次いで、この状態で、取り付け用フレーム70fとフレーム70cとの位置合わせを行う。位置合わせ後、ビス70j、70k及び70mを取り付け用フレーム70f及びフレーム70cのビス穴に通し、ビス止めする。これにより、視力補正レンズ71及び72は、右目用及び左目用液晶シャッタ70a及び70bに重ねられた状態で液晶シャッタ眼鏡70に保持される。
【0072】
実施の形態4では、フレーム70cに対して着脱可能な取り付け用フレーム70fを用いて、視力補正レンズ71及び72を液晶シャッタ眼鏡70に保持する。実施の形態4によれば、簡易な構成で液晶シャッタ眼鏡70に視力補正の機能をもたせることができる。
【0073】
実施の形態5
次に、図面を参照して実施の形態5を具体的に説明する。
実施の形態4では、液晶シャッタ眼鏡のフレームに対して取り付け用フレーム70fを用いて視力補正レンズ71及び72を液晶シャッタ眼鏡70に保持させる形態を示した。これに対して、実施の形態5では、可動式の取り付け用フレームを設け、取り付け用フレームを移動させることにより形成される開口から視力補正レンズを挿入することにより視力補正レンズを液晶シャッタ眼鏡に保持させる形態を示す。
【0074】
図11は、可動式の取り付け用フレームが装着された液晶シャッタ眼鏡と、視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡80は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ80a及び80bと、フレーム80cとを有する。フレーム80cは、右目用及び左目用液晶シャッタ80a及び80bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム80i及び80jと、細長形状のテンプル80d及び80eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き80fと、矩形状の電源スイッチ87とを含む。
【0075】
右目用及び左目用の視力補正レンズ81及び82は、液晶シャッタ眼鏡80の右目用及び左目用液晶シャッタ80a及び80bと略同一の形状及び大きさを有する。
液晶シャッタ眼鏡80は、可動式の取り付け用フレーム80pを有する。取り付け用フレーム80pは、リム80q及び80sと、切り欠き80rとを含む。取り付け用フレーム80pは、液晶シャッタ80a及び80bの裏面側に装着される。フレーム80cの裏面及びその裏面側に配置される取り付け用フレーム80pの表面の間に両者を接続する留め具が設けられる。実施の形態5では、留め具として3つのバネ80k、80m、80nを用いる。バネは伸縮性を有するため、テンプル80d及び80eの延出方向に取り付け用フレーム80pを手で動かすことによりバネ80k、80m、80nは伸び、取り付け用フレーム80pの位置を若干、フレーム80cから離れた位置に移動させることができる。これにより、フレーム80cの上部及び取り付け用フレーム80pの上部の間に視力補正レンズ81及び82を挿入するための開口が形成される。また、取り付け用フレーム80pから手を離した場合、バネ80k、80m、80nは縮まり、取り付け用フレーム80pは元の位置に戻る。
【0076】
開口は、取り付け用フレーム80pの上部であって右目用及び左目用液晶シャッタ80a及び80bの上部近傍に形成され、そこから視力補正レンズ81及び82が液晶シャッタ80a及び80bの裏面側に挿入される。これにより、視力補正レンズ81及び82は、右目用及び左目用液晶シャッタ80a及び80bに重ねられた状態で液晶シャッタ眼鏡80に保持される。
【0077】
実施の形態5では、可動式の取り付け用フレーム80pを用いて、視力補正レンズ81及び82を液晶シャッタ眼鏡80に保持する。実施の形態5によれば、簡易な構成で液晶シャッタ眼鏡80に視力補正の機能をもたせることができる。
【0078】
実施の形態6
次に、図面を参照して実施の形態6を具体的に説明する。
実施の形態2では、液晶シャッタ眼鏡のリムの内縁にラバーを設け、ラバーが視力補正レンズを嵌め込むことにより、視力補正レンズを液晶シャッタ眼鏡に保持させる形態を示した。これに対して、実施の形態6では、液晶シャッタ眼鏡のリムの内縁にラバーを設けると共に、リムの上面にストッパ付きの2つの貫通孔を設け、貫通孔から挿入された視力補正レンズをリムの上面に設けられたストッパにより押さえることにより、視力補正レンズを液晶シャッタ眼鏡に保持させる形態を示す。
【0079】
図12は、液晶シャッタ眼鏡と視力補正レンズとが分離した状態を示す分解斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡90は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bと、フレーム90cとを有する。フレーム90cは、右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム90f及び90gと、リム90f及び90gの外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル90d及び90eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き90hと、矩形状の電源スイッチ97とを含む。
【0080】
右目用及び左目用の視力補正レンズ91及び92は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタと略同一の形状及び大きさを有する。
フレーム90cには、2つの矩形状の貫通孔90n及び90pと、貫通孔90n及び90pを閉鎖する蓋としての機能を有する細長形状のストッパ90i及び90jと、矩形状のフック穴90q及び90rとが設けられている。また、右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bを保持するリム90f及び90gの内縁であって右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bの裏面側にある内縁には、ラバー90s及び90tが設けられている。貫通孔90n及び90pの下には視力補正レンズの収納部が形成されている。
【0081】
貫通孔90n及び90pは、右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bの上部の近傍であってリム90f及び90gの上面に形成されている。貫通孔90n及び90p夫々の短手の片側と可動式のストッパ90i及び90j夫々の片側とは連結されている。また、ストッパ90i及び90jの片側にはフック90k及び90mが形成されている。ストッパ90i及び90jにより貫通孔90n及び90pを閉鎖するためには、使用者は、ストッパ90i及び90jの当該片側を支点としてストッパ90i及び90jを貫通孔90n及び90p側に倒し、フック90k及び90mをフック穴90q及び90rに係合させる。
【0082】
貫通孔90n及び90pは通常、ストッパ90i及び90jにより閉鎖されているため、視力補正レンズ91及び92を液晶シャッタ眼鏡90に装着する場合、使用者は、先ず、フック90k及び90mをフック穴90q及び90rから引き抜く。次に、使用者は、ストッパ90i及び90jを引き上げ、貫通孔90n及び90pを露出させる。次に、使用者は、視力補正レンズ91及び92を貫通孔90n及び90pから収納部に収納する。視力補正レンズ91及び92を貫通孔90n及び90pから挿入後、使用者は、ストッパ90i及び90jを倒し、フック90k及び90mをフック穴90q及び90rに係合させる。これにより貫通孔90n及び90pは閉鎖され、視力補正レンズ91及び92は、右目用及び左目用液晶シャッタ90a及び90bに重ねられた状態で液晶シャッタ眼鏡90に保持される。
【0083】
実施の形態6では、リム90f及び90gの内縁にはラバー90s及び90tを設け、フレーム90cには、貫通孔90n及び90pと、貫通孔90n及び90pを閉じる可動式のストッパ90i及び90jとを設ける。実施の形態6によれば、ストッパ90i及び90jが設けられているため、リム90f及び90g内に挿入された視力補正レンズ91及び92がラバー90s及び90tから跳ね返り、外部に飛び出すことを防ぐことができる。
尚、貫通孔90n及び90pとストッパ90i及び90jの設置場所は、リム90f及び90gの上面に限定されず、例えば、リム90f及び90gの側面又は下面に設置してもよい。また、貫通孔90n及び90pがリム90f及び90gの上面又は側面に設置され、視力補正レンズ91及び92が液晶シャッタ眼鏡90内に安定して保持されている場合、ストップは必ずしも必要ない。
【0084】
実施の形態7
次に、図面を参照して実施の形態7を具体的に説明する。
実施の形態2〜6では、液晶シャッタ眼鏡に着脱可能な視力補正レンズを右目用及び左目用液晶シャッタの裏面側に保持させる形態を示した。これに対して、実施の形態7では、液晶シャッタ眼鏡に視力補正レンズを常設し、3D映像を視聴する際、視力補正レンズを右目用及び左目用液晶シャッタの表面側に回動させる形態を示す。
【0085】
図13は、液晶シャッタ眼鏡に視力補正レンズが取り付けられている状態を示す斜視図である。
液晶シャッタ眼鏡100は、矩形状の右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bと、フレーム10cと、矩形状の視力補正レンズ10i及び10jと、略円柱状の連結部10k及び10mとを有する。フレーム10cは、右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bを保持し全体として略8の字形状を成すシャッタ枠であるリム10f及び10gと、リム10f及び10gの外側縁の短手から延出する細長形状のテンプル10d及び10eと、使用者の鼻に当てられる逆V字型の切り欠き10hと、矩形状の電源スイッチ17とを含む。連結部10k及び10mは例えばヒンジである。
【0086】
右目用及び左目用の視力補正レンズ10i及び10jは、液晶シャッタ眼鏡100の右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bと略同一の形状及び大きさを有する。
視力補正レンズ10i及び10jは、連結部10k及び10mを介してフレーム10cに連結している。視力補正レンズ10i及び10jは連結部10k及び10mを支点として右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bの表面側に回動可能である。使用者は、3D映像を視聴する際、視力補正レンズ10i及び10jを右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bの表面側に回動させる。
尚、視力補正レンズ10i及び10jが右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bの裏面側に回動させることができる連結部を用いてもよい。
【0087】
実施の形態7では、視力補正レンズ10i及び10jを連結部10k及び10mを介して液晶シャッタ眼鏡100のフレーム10cに連結している。そのため、3D映像を視聴する際、視力補正レンズ10i及び10jを右目用及び左目用液晶シャッタ10a及び10bの表面側に回動させるだけで済む。つまり、視力補正レンズの取り付け及び取り外しが不要であるため使用者にとって使い勝手がよく、さらに、視力補正レンズを紛失することもない。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 表示装置
2、50、60、70、80、90、100 液晶シャッタ眼鏡
3 視力補正眼鏡部
4 液晶シャッタ部
4a、60a、70a、80a、90a 右目用液晶シャッタ
4b、60b、70b、80b、90b 左目用液晶シャッタ
35、36 メス型コネクタ
17、37、57、67、77、87、97 電源スイッチ
45、46 オス型コネクタ
47 同期信号受信部
50i、50j ラバー
60i、60k、60n ホルダ
60j、60m、60p、70j、70k、70m ビス
80k、80m、80n バネ
80p、70f 取り付け用フレーム
90s、90t ラバー
90i、90j ストッパ
90k、90m フック
90n、90p 貫通孔
90q、90r フック穴
10k、10m 連結部
300 液晶シャッタ眼鏡制御部
310 電池
330 液晶シャッタ駆動部
340 眼鏡用ポート
350 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視力補正用のレンズ及び該レンズを保持するレンズ枠を含む視力補正手段と、
印加電圧に応じて入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ、及び該液晶シャッタを保持し、前記レンズ枠と対向配置されるシャッタ枠を含む液晶シャッタ手段と
を備え、
前記レンズ枠及びシャッタ枠夫々に、互いを着脱可能に連結し相互間で信号の入出力を行う第一連結部及び第二連結部が設けられ、
前記液晶シャッタ手段は、
外部から送信された信号を受信する受信部と、
該受信部により受信された信号を、前記第二連結部を介して前記視力補正手段に出力する出力部と、
前記視力補正手段から出力された信号を、前記第二連結部を介して入力する入力部と
を備え、
前記視力補正手段は、
前記液晶シャッタ手段から出力された信号を、前記第一連結部を介して入力する入力部と、
該入力部により入力した信号に従い前記印加電圧を制御する信号を生成する制御部と、
該制御部により生成された信号を、前記第一連結部を介して前記液晶シャッタ手段に出力する出力部と
を備えることを特徴とする液晶シャッタ眼鏡。
【請求項2】
前記第一連結部及び第二連結部の先端は夫々、凹型及び凸型の形状を成していることを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ眼鏡。
【請求項3】
液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、
前記シャッタ枠の内縁に弾性体が設けられていることを特徴とする液晶シャッタ眼鏡。
【請求項4】
前記液晶シャッタと重なり合う視力補正用のレンズを備え、
該レンズの周縁部が前記弾性体に嵌合していることを特徴とする請求項3に記載の液晶シャッタ眼鏡。
【請求項5】
液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、
レンズ枠と、
該レンズ枠を前記シャッタ枠と重なり合うように取り付けるための留め具と
を備えることを特徴とする液晶シャッタ眼鏡。
【請求項6】
前記留め具は弾性体であることを特徴とする請求項5に記載の液晶シャッタ眼鏡。
【請求項7】
前記レンズ枠内に前記液晶シャッタと重なり合う視力補正用のレンズを備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶シャッタ眼鏡。
【請求項8】
液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、
前記シャッタ枠に、前記シャッタ枠の内外に貫通する貫通孔が形成され、
前記シャッタ枠内に、前記貫通孔を通して前記シャッタ枠外から前記シャッタ枠内に挿入される視力補正用のレンズを前記液晶シャッタと重なり合うように収納する収納部が形成されている
ことを特徴とする液晶シャッタ眼鏡。
【請求項9】
視力補正用のレンズが前記収納部に収納してある
ことを特徴とする請求項8に記載の液晶シャッタ眼鏡。
【請求項10】
液晶シャッタ、該液晶シャッタを保持するシャッタ枠及び外部から送信された信号を受信する受信部を備え、該受信部により受信された信号に基づき入射光を透過又は遮断する液晶シャッタ眼鏡において、
視力補正用のレンズと、
該レンズを保持するレンズ枠と、
前記レンズ枠及びシャッタ枠を、前記レンズと前記液晶シャッタとが対向する方向に接離するように回動可能に連結する連結部と
を備えることを特徴とする液晶シャッタ眼鏡。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の液晶シャッタ眼鏡に信号を送信することを特徴とするテレビ受像機。
【請求項12】
テレビ受像機と、
該テレビ受像機から送信される信号を受信する請求項1から10のいずれか1項に記載の液晶シャッタ眼鏡と
を備えることを特徴とするテレビ受像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−155156(P2012−155156A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14526(P2011−14526)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】