説明

液晶ディスプレイ装置及びその製造方法

【課題】光の乱反射を減らした液晶ディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の基板が相互対向して配され、その間に液晶層が形成された液晶ディスプレイパネルと、液晶ディスプレイパネルの下部に配され、液晶ディスプレイパネルに光を照射するバックライトユニットと、を備えるが、液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面に形成された欠陥ホール内に充填され、基板の表面に対して水平面になるように充填材が形成され、充填材が充填された欠陥ホール上にカバー部材が付着されたことを特徴とする液晶ディスプレイ装置である。これにより、充填材によって欠陥ホールが形成された領域を充填させるので、光の乱反射を未然に防止する。このように、エッチング工程で発生する物理的な限界を克服して超薄型加工を通じて薄型のディスプレイ装置を具現可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置に係り、さらに詳細には、基板から発生した欠陥ホールをカバーした液晶ディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、液晶ディスプレイパネル(Liquid Display Panel)のようなディスプレイ装置は、それ自体が発光して画像を形成できず、外部から光が入射されて画像を表示する受光型ディスプレイ装置である。
【0003】
液晶ディスプレイパネルは、自発的に発光できないので、液晶ディスプレイパネルの後方には、バックライトユニットが設置されて、パネル側に光を照射する。これにより、暗い所でも画像が観察できる。バックライトユニットは、液晶ディスプレイパネルのような受光型ディスプレイ装置以外にも、照明看板のような面光源装置としても使われている。
【0004】
液晶ディスプレイパネルは、二枚の基板間に液晶を注入して、電源供給時に液晶分子の配列を変化させることによって、イメージ、数字、文字を表示する。液晶ディスプレイパネルは、駆動方式、表示方式、及び表示形態によって多様に分類できる。このうち、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイパネルは、基板上の各ピクセルごとにトランジスタを一定に配列したパネルを称す。
【0005】
最近では、液晶ディスプレイパネルの軽薄短小化のために、複数の基板の厚さをさらに薄くしている。しかし、複数の基板の厚さを薄く製造した後、複数の基板内にそれぞれの機能層を形成させれば、焼成のような高温工程など、各機能層を製造する過程で薄型の基板の破損や変形、各機能層のパターン不良が発生しうる。
【0006】
これにより、従来には、複数の基板内にそれぞれの機能層を形成した後に、複数の基板に対するエッチングによって基板の薄型化を達成した。しかし、従来のエッチング液によって基板をエッチングする時、基板に形成された欠陥ホールの制御が難しかった。
【0007】
例えば、通常、基板に発生する欠陥ホールの深さは、約10ないし50μmであるが、研磨機を利用して5ないし10μmの厚さに研磨することによって、欠陥ホールのサイズを減らそうとしていた。
【0008】
しかし、研摩機を利用してエッチングされた基板の表面を研磨する時、研磨される厚さを減らすのに限界がある。これにより、基板には、依然として欠陥ホールが存在する。
【0009】
特に、量産時、複数の基板全体にわたって欠陥ホールが散在しているので、研磨しようとする基板の選定が難しい。
【0010】
しかも、研磨によって欠陥ホールのサイズを減らすとしても、基板に対する良品判定を受ける確率は、70%以下であり、さらに、基板の厚さは、さらに薄くなっている状態で、欠陥ホールのサイズは、相対的にさらに大きくなって、不良の発生確率がさらに上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、基板に形成された欠陥ホールを充填材で充填することによって、光の乱反射を減らす液晶ディスプレイ装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を達成するために、本発明の一側面による液晶ディスプレイ装置は、複数の基板が相互対向するように配され、その間に液晶層が形成された液晶ディスプレイパネルと、前記液晶ディスプレイパネルの下部に配され、前記液晶ディスプレイパネルに光を照射するバックライトユニットと、を備えるものの、前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面に形成された欠陥ホール内に充填され、前記基板の表面に対して水平面になるように充填材が形成され、前記充填材が充填された欠陥ホール上にカバー部材が付着されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有する。
【0014】
さらに、前記充填材は、液状のアクリル系充填材である。
【0015】
さらに、前記充填材は、少なくとも一つ以上のガスが混合されている。
【0016】
また、前記ガスは、二酸化炭素ガスを含む。
【0017】
本発明の他の側面による液晶ディスプレイ装置の製造方法は、複数の基板内に液晶層が形成されて画像を形成することに係り、前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面から形成された欠陥ホール内に液状の充填材を充填する工程と、前記液状の充填材が充填され、前記基板の表面に対して水平面になる工程と、を含む。
【0018】
また、前記液状の充填材を充填する工程では、液状のアクリル系充填材用原素材がスクイーズによって前記欠陥ホール内に充填される工程と、前記液状のアクリル系充填材用原素材に紫外線光線を照射して硬化させる工程と、を含む。
【0019】
さらに、前記液状の充填材を充填する工程では、前記液状の充填材用原素材を吐き出すノズル部の直径が、前記欠陥ホールのサイズより小さく形成されたディスペンサを利用して、液状のアクリル系充填材用原素材を前記欠陥ホール内に噴射する工程と、前記液状のアクリル系充填材用原素材が硬化する工程と、を含む。
【0020】
また、前記液状の充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有する。
【0021】
本発明のさらに他の側面による液晶ディスプレイ装置の製造方法は、複数の基板内に液晶層が形成されて画像を形成することに係り、前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面から形成された欠陥ホール内に気相の充填材を充填する工程と、前記充填材が充填された欠陥ホール上にカバー部材を付着する工程と、を含む。
【0022】
さらに、前記複数の基板は、気相の充填材雰囲気の真空チャンバ内に配され、前記気相の充填材が存在する結合ホール上に前記カバー部材が付着される。
【0023】
また、前記気相の充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有する。
【0024】
さらに、前記カバー部材は、前記充填材が充填された基板の表面上に接着剤を媒介として偏光膜を備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明の液晶ディスプレイ装置及びその製造方法は、充填材によって欠陥ホールが形成された領域を充填させるので、光の乱反射を未然に防止する。このように、エッチング工程で発生する物理的な限界を克服して、超薄型加工を通じて薄型のディスプレイ装置を具現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】通常の液晶ディスプレイパネルの一部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶ディスプレイ装置を一部切除して示す断面図である。
【図3】図2のA部分を拡大して示す断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態による液状の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図2の基板上に液状の充填材を充填する状態を示す断面図である。
【図4B】本発明の一実施形態による液状の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図4Aの欠陥ホールにカバー部材を付着させた後の状態を示す断面図である。
【図5A】本発明の他の実施形態による液状の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図2の基板上に液状の充填材を充填する状態を示す断面図である。
【図5B】本発明の他の実施形態による液状の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図5Aの欠陥ホールにカバー部材を付着させた後の状態を示す断面図である。
【図6A】本発明の一実施形態による気相の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図2の基板上に気相の充填材を充填する状態を示す断面図である。
【図6B】本発明の一実施形態による気相の充填材を利用する状態を示す断面図であって、図6Aの欠陥ホールにカバー部材を付着させた後の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明による望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0028】
図1は、通常の液晶ディスプレイパネル100を示した図面である。
【0029】
図面を参照すれば、前記液晶ディスプレイパネル100は、第1基板101と、第2基板102と、前記第1及び第2基板101,102間に形成された液晶層103と、第1基板101の上面に形成された第1機能層104と、前記第2基板102の下面に形成された第2機能層105と、前記第1基板101の外面に接着剤106を媒介として付着された第1偏光膜107と、第2基板102の外面に形成された第2偏光膜(図示せず)と、を備える。
【0030】
前記のような構成を有する液晶ディスプレイパネル100は、前記第1基板101及び第2基板102上にそれぞれ第1機能層104及び第2機能層105をパターニングした後に、第1基板101及び第2基板102に対するエッチングによって、前記第1基板101及び第2基板102の薄型化を達成する。
【0031】
この時、前記第1基板101や第2基板102には、これらを準備する過程や各機能層104,105を形成させる過程で、ディンプル(dimple)形状の欠陥ホール108が多数発生する。
【0032】
前記欠陥ホール108が形成されれば、矢印で示したように、バックライトユニットから照射された光によって、前記欠陥ホール108が形成された第1基板101や第2基板102から乱反射が発生する。乱反射が発生すれば、液晶ディスプレイ装置を視聴する時、欠陥として視認する。
【0033】
したがって、エッチングされた第1基板101や第2基板102の表面を研磨して前記欠陥ホール108のサイズを減らすことによって、前記欠陥ホール108による光の乱反射を減少させる必要がある。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態による液晶ディスプレイ装置200を示した図面である。
【0035】
図面を参照すれば、前記液晶ディスプレイ装置200は、液晶ディスプレイパネル210と、前記液晶ディスプレイパネル210に光を照射するバックライトユニット260とを備える。
【0036】
前記液晶ディスプレイパネル210は、第1基板201と、前記第1基板201と対向して配された第2基板202とを備える。前記第1基板201及び第2基板202は、透明な基板、例えば、ソーダライムガラスのような透明なガラス基板や透明なプラスチック基板が使用可能である。
【0037】
前記第1基板201上には、第1機能層203が形成されている。
【0038】
すなわち、前記第1基板201の上面には、バッファ層204が形成されている。前記バッファ層204は、第1基板201の平滑性を確保し、不純元素の流出を防止するために形成する。前記バッファ層204は、SiO及び/またはSiNxで形成できる。
【0039】
前記バッファ層204上には、半導体活性層205が所定のパターンで形成されている。前記半導体活性層205上には、ゲート絶縁膜206が形成され、前記ゲート絶縁膜206上には、ゲート電極207が所定のパターンで形成されている。前記ゲート電極207上には、これをカバーするように層間絶縁膜208が形成されている。
【0040】
前記層間絶縁膜208が形成された後には、ドライエッチングなどの工程によってゲート絶縁膜206と層間絶縁膜208とをエッチングして、半導体活性層205の領域が露出されるようにコンタクトホールを形成する。コンタクトホールを通じて前記半導体活性層205と電気的に連結されるように、ソース電極209及びドレイン電極229が形成されている。
【0041】
前記ソース電極209及びドレイン電極229は、パッシベーション膜211によってカバーされている。前記パッシベーション膜211上には、平坦化膜212が形成されている。前記パッシベーション膜211及び平坦化膜212をエッチングして、前記ソース電極209またはドレイン電極229と電気的に連結されるように、所定のパターンで第1電極213を形成する。
【0042】
前記第2基板202の下部には、第2機能層214が形成されている。
【0043】
すなわち、前記第2基板202の下面には、カラーフィルタ層215が形成されている。前記カラーフィルタ層215の下面には、第2電極216が形成されている。
【0044】
前記第1電極213の上部には、第1液晶配向層217が形成され、前記第2電極216の下部には、第2液晶配向層218が形成されている。前記第1液晶配向層217と第2液晶配向層218との間には、液晶層219が形成されている。前記カラーフィルタ層215と平坦化膜212との間には、液晶層219を区画するスペーサ220が形成されている。
【0045】
一方、前記第1基板201の外面には、第1偏光膜221が形成されている。前記第2基板202の外面には、第2偏光膜222が形成されている。
【0046】
前記液晶ディスプレイパネル210の後方には、発光部であるバックライトユニット260が設置されている。
【0047】
前記バックライトユニット260は、光源素子(図示せず)と、光源素子から供給される光を案内して液晶ディスプレイパネル210に提供する導光板261とを備える。
【0048】
前記導光板261は、均一な面光源を提供するために、特定のパターンで形成させうる。例えば、前記導光板261には、透明なアクリル樹脂の一面に入射される光を散乱及び拡散させるために、ビード状の酸化チタンと、ガラスまたはアクリルとを含むインクを利用して、複数の導光パターン部を印刷しうる。
【0049】
導光パターン部は、前記した印刷方式以外に、無印刷方式、例えば、金型を利用したスタンピング方式や射出成形方式で形成できる。さらに望ましくは、導光パターン部は、レーザビームによって加工し、アクリル樹脂の気化によって、その端面に鋸歯形状を形成しうる。微細鋸歯形は、マイクロレンズの役割を可能にするので、多様な角度から光の散乱性を拡大させうる。
【0050】
前記した導光パターン部は、所定深さのグルーブからなるドット型や四角形、格子型、及びこれらの混合型、または所定深さの断続的なグルーブからなる点線型や連続的なグルーブからなる直線型でありうる。また、導光パターン部は、光源素子から遠ざかるほど、光拡散及び散乱率を高めるために、グルーブのサイズが順次に大きくなるか、またはグルーブのピッチが順次に小さくなりうる。
【0051】
前記液晶ディスプレイパネル210と導光板261との間には、光学シート262が介されている。前記光学シート262は、少なくとも1枚以上のシートであって、拡散シートと、プリズムシートとを含み、前記導光板261から案内された光を拡散または集光して、前記液晶ディスプレイパネル210にさらに均一な面光源として入射可能である。
【0052】
前記光学シート262と反対側の導光板261の背面には、反射シート263が設置されている。前記反射シート263は、前記導光板261の背面を透過した光を、前記液晶ディスプレイパネル210に反射させて光の利用効率を向上させる。
【0053】
図示していないが、光源素子は、冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプ、または発光ダイオードを利用でき、白色光を照射する複数の白色発光ダイオードを使用することが望ましい。
【0054】
ここで、前記液晶層219が配された部分に対して離隔して配された第1基板201の表面や第2基板202の表面には、原素材を準備する過程や第1機能層203及び第2機能層214を形成させる過程で、欠陥ホール321が形成されうるが、前記欠陥ホール321には、充填材331が充填されている。
【0055】
これをさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0056】
図3は、図2のA部分を拡大して示した図面である。
【0057】
以下、第1基板201の表面に形成された欠陥ホール321の充填について説明するが、前記第2基板202にも、同一に適用可能である。
【0058】
図面を参照すれば、前記第1基板201の第1面201aには、接着剤311によって第1偏光膜221が付着されている。前記第1面201aは、バックライトユニット260(図2)から照射された光が入射される面である。前記第1面201aと反対側の第2面201bには、第1機能層203が形成されている。
【0059】
前記第1機能層203は、図2に示したように、バッファ層204、活性層205、ゲート絶縁膜206、ゲート電極207、層間絶縁膜208、ソース電極209、ドレイン電極229、パッシベーション膜211、平坦化膜212、第1電極213、及び第1液晶配向層217を備える。
【0060】
前記第2基板202の第1面202a、すなわち、前記第1機能層203と対向する部分には、第2機能層214が形成されている。前記第2機能層214は、図2に示したように、カラーフィルタ層215、第2電極216、及び第2液晶配向層218を備える。
【0061】
前記第1基板201と第2基板202との間には、液晶層219が形成されている。
【0062】
この時、前記第1基板201を薄型化させるために適用するエッチング工程で、エッチング液が接触する前記第1基板201の第1面201aには、第1基板201を準備する過程や第1機能層203を形成させる過程で、複数のディンプル形状の欠陥ホール321が発生しうる。
【0063】
前記欠陥ホール321が存在した状態で、第1基板201と第2基板202とを結合することによって製造された液晶ディスプレイ装置200を視聴すれば、欠陥ホール321が形成された領域で、光の乱反射が発生して、視認性が低下する。
【0064】
これを防止するために、前記欠陥ホール321には、充填材331が充填されている。すなわち、前記充填材331は、液晶層219が形成された部分に対して離隔して配された第1基板201の第1面201aに形成された欠陥ホール321に充填されている。
【0065】
前記充填材331は、前記欠陥ホール321に充填する時、前記第1基板201の第1面201aに対して水平面になっている。前記充填材331は、液状や気相及び固状のうちいずれか一つの素材を利用して形成しうる。
【0066】
ここで、本明細書中における水平面とは、第1面201aに形成された欠陥ホール321に充填された充填材331の形成する面が、例えば第1面201aに平行であり、及び/又は第1面201aの面内にあることをいうものとする。他の面に形成された欠陥ホールについても同様である。
【0067】
液状の素材を利用する場合、前記充填材331は、アクリル系素材が望ましい。また、気相の素材を利用する場合、前記充填材331は、一種のガス、または二つ以上のガスを混合したものであって、二酸化炭素(CO)ガスを含むことが望ましい。
【0068】
この時、前記充填材331は、前記第1基板201の屈折率に対して±10%以内の屈折率を有する。望ましくは、前記充填材331の屈折率は、前記第1基板201の屈折率と同じであることが望ましい。
【0069】
例えば、前記第1基板201が透明なガラス基板からなる場合、前記第1基板201の屈折率は、約1.5である。この時、前記欠陥ホール321に充填されたアクリル系素材のような液状の充填材331の屈折率も、前記第1基板201と実質的に同一に1.5であることが望ましい。
【0070】
さらに、前記欠陥ホール321に充填された二酸化炭素(CO)ガスを含む気相の充填材331の屈折率も、第1基板201の屈折率に対して±10%以内の近似値を有する約1.63である。
【0071】
前記液状や気相の充填材331が充填された欠陥ホール321を備える前記第1基板201の第1面201aには、接着剤311を媒介としてカバー部材の役割を行う第1偏光膜221が付着されている。前記第1偏光膜221によって、液状や気相の充填材331が充填された欠陥ホール321をカバーしている。
【0072】
前記のような構成を有する液晶ディスプレイ装置200は、発光部の役割を行うバックライトユニット260から光を照射すれば、直進性を有する光は、第1偏光膜221及び接着剤311を透過して、第1基板201の第1面201aに入射する。
【0073】
この時、前記欠陥ホール321が形成された領域では、光の乱反射が発生するが、本実施形態では、液状や気相の充填材331が欠陥ホール321を充填し、第1基板201の第1面201aに対して充填材331が同じ水平面になり、しかも、前記第1基板201の屈折率に対して±10%の屈折率を有する充填材331が充填されることによって、図3の矢印で示したように、屈折率の偏差による光の乱反射を除去し、光の直進性を確保しうる。
【0074】
前記のような構成を有する液晶ディスプレイ装置200の製造過程を、図2及び図3を参照して説明すれば、次の通りである。
【0075】
まず、第1基板201と第2基板202とを準備する。
【0076】
準備した第1基板201の第2面201b上には、第1機能層203を形成する。この時、第1機能層203は、バッファ層204、活性層205、ゲート絶縁膜206、ゲート電極207、層間絶縁膜208、ソース電極209、ドレイン電極229、パッシベーション膜211、平坦化膜212、第2電極213、及び第2液晶配向層217を備える。
【0077】
前記第2基板202の第1面202a上には、第2機能層214を形成する。この時、第2機能層214は、カラーフィルタ層215、第2電極216、及び第2液晶配向層218を備える。
【0078】
第1機能層203及び第2機能層214が前記第1基板201及び第2基板202上にそれぞれ形成された後には、前記第1基板201と第2基板202との間の空間を外部から密閉させた後、別途に設けられた液晶注入孔を通じて液晶を注入することによって、第1基板201と第2基板202との間の空間に液晶層219を形成する。
【0079】
このように、前記第1基板201及び第2基板202上にそれぞれ第1機能層203及び第2機能層214を形成した後には、第1基板201の第1面201aや第2基板202の第1面202aと向き合う表面に形成されたディンプル形状の欠陥ホール321を、充填材331によって充填させる。前記充填材331の屈折率は、前記第1基板201や第2基板202の屈折率に対して±10%以内の値を有する。
【0080】
一方、前記第1基板201及び第2基板202上にそれぞれ第1機能層203及び第2機能層214を形成する以前に、前記第1基板201の第1面201aや、第2基板202の第1面202aと向き合う面に形成された欠陥ホール321に充填材331を充填させることもある。
【0081】
以下、前記第1基板201の第1面201aに形成された欠陥ホール321に充填材331を充填させる多様な方法について説明するが、前記第2基板202も、同一に適用可能である。
【0082】
まず、図4Aに示したように、前記充填材331が液状の素材、例えば、アクリル系素材用原素材332を使用する場合、スクイーズ401を利用して前記第1基板201の第1面201aに塗布する。前記第1面201aは、バックライトユニット260(図2)から光が入射される面であって、前記液晶層219(図2)が配された部分に対して離隔して配された面である。
【0083】
この時、前記アクリル系素材用原素材332は、第1基板201の第1面201aの全体領域にわたって塗布されうるが、ディンプル形状の欠陥ホール321が形成された部分にのみ選択的に形成させることが望ましい。また、前記アクリル系素材用原素材332の屈折率は、1.5であって、前記第1基板201の屈折率と同一である。
【0084】
次いで、前記欠陥ホール321に充填されたアクリル系素材用原素材332は、紫外線光線を照射することによって硬化させる。以後、追加的な工程としては、硬化したアクリル系素材用原素材332を第1基板201の第1面201aに対して水平面になるように研磨しうる。
【0085】
次いで、図4Bに示したように、前記第1基板201の第1面201aには、接着剤311を媒介としてカバー部材の役割を行う第1偏光膜221を付着させる。このように、前記第1偏光膜221によって硬化した充填材331が充填された欠陥ホール321をカバーしている。
【0086】
前記した方法以外に、液状の充填材331を形成させる他の製造方法を説明すれば、次の通りである。
【0087】
図5Aを参照すれば、前記第1基板201の第1面201aに形成されたディンプル形状の欠陥ホール321に、アクリル系素材用原素材332を保存するディスペンサ501を利用して、前記欠陥ホール321にこれを噴射させることによって充填させる。
【0088】
この時、前記アクリル系素材用原素材332を噴射させる吐出口の役割を行うディスペンサ501のノズル部502の直径は、前記欠陥ホール321のサイズより小さく形成されることが、前記第1基板201の第1面201aの所望の領域に選択的に吐出させるのに有利である。
【0089】
これにより、前記欠陥ホール321には、前記アクリル系素材用原素材332が充填され、これを硬化させる。次いで、追加的な工程としては、前記充填材331が第1基板201の第1面201aに対して水平面になるように研磨しうる。
【0090】
次いで、図5Bに示したように、前記第1基板201の第1面201aには、接着剤311を媒介としてカバー部材の役割を行う第1偏光膜221を付着させる。このように、前記第1偏光膜221によって液状の充填材331が充填された欠陥ホール321をカバーしている。
【0091】
一方、気相の充填材631を形成させる方法を説明すれば、次の通りである。
【0092】
以下、欠陥ホール621が形成された第1基板201を抜粋して示すが、実質的に第1基板201と第2基板202とが結合された状態である。
【0093】
図6Aに示したように、気相の素材を利用する場合、機能層203が形成された第1基板201を真空チャンバ601に配置する。この時、前記真空チャンバ601内の雰囲気は、一種のガス、または二つ以上のガスを混合したものであって、二酸化炭素(CO)ガス602を含んでいる。前記二酸化炭素ガス602は、充填材用原素材として利用される。前記第1基板201aが真空チャンバ601内に配されているので、前記欠陥ホール621にも二酸化炭素ガス602が存在する。
【0094】
この時、前記真空チャンバ601内の二酸化炭素ガス602の屈折率は、1.63であって、約1.5の屈折率である第1基板201に対して±10%ほどの近似値を有する。
【0095】
次いで、図6Bに示したように、前記第1基板201の第1面201aには、接着剤311を媒介としてカバー部材の役割を行う第1偏光膜221を付着させる。このように、前記第1偏光膜221によって気相の充填材631が充填された欠陥ホール621をカバーする。
【0096】
前記のような構成を有する液晶ディスプレイ装置200の作用は、次の通りである。
【0097】
図2を参照すれば、ゲート電極207、ソース電極209、及びドレイン電極229によって制御された外部信号によって、第1電極213と第2電極216との間に電位値が形成され、電位差によって液晶層219の配列が決定され、液晶層219の配列によってバックライトユニット260から提供される光が遮蔽または透過される。透過された光は、カラーフィルタ層215を透過しつつ色を帯びて画像を具現する。
【0098】
この時、図3に示したように、前記第1基板201の第1面201aや第2基板202の第1面202aと反対になる表面には、基板を準備する過程や第1機能層203及び第2機能層214を準備する過程で、ディンプル形状の欠陥ホール321が形成されうるが、前記欠陥ホール321には、液状や気相の充填材331が充填されている。
【0099】
この時、前記充填材331の屈折率は、前記第1基板201や第2基板202の屈折率に対して±10%以内の値、望ましくは、同じ値を有するので、前記欠陥ホール321が形成された部分で屈折率の偏差による光の乱反射を除去する。
【0100】
本発明は、図面に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、ディスプレイ関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
200 液晶ディスプレイ装置
201 第1基板
201a 第1基板の第1面
201b 第1基板の第2面
202 第2基板
202a 第2基板の第1面
203 第1機能層
204 バッファ層
205 活性層
206 ゲート絶縁膜
207 ゲート電極
208 層間絶縁膜
209 ソース電極
210 液晶ディスプレイパネル
211 パッシベーション膜
212 平坦化膜
213 第1電極
214 第2機能層
215 カラーフィルタ層
216 第2電極
217 第1液晶配向層
218 第2液晶配向層
219 液晶層
220 スペーサ
221 第1偏光膜
222 第2偏光膜
229 ドレイン電極
260 バックライトユニット
261 導光板
262 光学シート
263 反射シート
311 接着剤
321 欠陥ホール
331 充填材
401 スクイーズ
501 ディスペンサ
601 真空チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板が相互対向して配され、その間に液晶層が形成された液晶ディスプレイパネルと、
前記液晶ディスプレイパネルの下部に配され、前記液晶ディスプレイパネルに光を照射するバックライトユニットと、を備えるが、
前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面に形成された欠陥ホール内に充填され、前記基板の表面に対して水平面になるように充填材が形成され、
前記充填材が充填された欠陥ホール上にカバー部材が付着されたことを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記充填材は、液状のアクリル系充填材であることを特徴とする請求項2に記載の液晶ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記充填材は、一種のガス、または二つ以上のガスが混合されたことを特徴とする請求項2に記載の液晶ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記ガスは、二酸化炭素ガスを含むことを特徴とする請求項4に記載の液晶ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、接着剤を媒介として付着された偏光膜を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の液晶ディスプレイ装置。
【請求項7】
複数の基板内に液晶層が形成されて画像を形成することに係り、
前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面から形成された欠陥ホール内に液状の充填材を充填する工程と、
前記液状の充填材が充填されて前記基板の表面に対して水平面になる工程と、を含む液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項8】
前記液状の充填材を充填する工程では、
液状のアクリル系充填材用原素材がスクイーズによって前記欠陥ホール内に充填される工程と、
前記液状のアクリル系充填材用原素材に紫外線光線を照射して硬化させる工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項9】
前記液状の充填材を充填する工程では、
前記液状の充填材用原素材を吐出するノズル部の直径が、前記欠陥ホールのサイズより小さく形成されたディスペンサを利用して、液状のアクリル系充填材用原素材を前記欠陥ホール内に噴射する工程と、
前記液状のアクリル系充填材用原素材が硬化する工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項10】
硬化したアクリル系充填材の表面を研磨する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8または9に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項11】
前記液状の充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有することを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項12】
前記充填材が充填された基板の表面には、接着剤を媒介として偏光膜が付着されることを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項13】
複数の基板内に液晶層が形成され、画像を形成することに係り、
前記液晶層が形成された部分に対して離隔して配された基板の表面から形成された欠陥ホール内に気相の充填材を充填する工程と、
前記充填材が充填された欠陥ホール上にカバー部材を付着する工程と、を含む液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項14】
前記複数の基板は、気相の充填材雰囲気の真空チャンバ内に配され、
前記気相の充填材が存在する結合ホール上に前記カバー部材が付着されることを特徴とする請求項13に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記気相の充填材の屈折率は、前記基板の屈折率に対して±10%以内の値を有することを特徴とする請求項13に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項16】
前記充填材は、一種のガス、または二つ以上のガスが混合されたことを特徴とする請求項15に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項17】
前記ガスは、二酸化炭素ガスを含むことを特徴とする請求項16に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項18】
前記カバー部材は、前記充填材が充填された基板の表面上に接着剤を媒介として偏光膜を備えることを特徴とする請求項13に記載の液晶ディスプレイ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2011−232732(P2011−232732A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20946(P2011−20946)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】