説明

液晶パネルおよびその駆動方法並びに投射型表示装置

【課題】 MOSFETを用いた反射型アクティブマトリックス液晶パネルは、微細加工プロセスを使用するためデバイスサイズが透過型に比較して小さくなるので、TFTアレーを有する液晶パネルのように、見切りのための遮光部材を対向基板側に設けると、相対的な合わせずれが大きくなってしまうという不具合がある。
【解決手段】 反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、反射側基板(20)の画素領域(22)の周囲に見切り電極(28)となる導電層を形成し、この導電層に、対向基板(10)に設けられた透明共通電極(11)との間に狭持された液晶が黒レベルの表示を行なうような交流電圧を印加させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型アクティブマトリックス液晶パネルおよびその駆動方法に関し、特に投射型表示装置のライトバルブに利用して好適な反射型液晶パネルおよびそれを用いた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクティブマトリックス液晶パネルとしては、ガラス基板上にアモルファスシリコンを用いたTFTアレーを画素電極と1対1で形成し、TFTで画素電極に駆動電圧を印加するようにした構造の液晶パネルが実用化されている。
【0003】また、アクティブマトリックス液晶パネルには、反射型と透過型とがあり、反射型アクティブマトリックス液晶パネルは、透過型アクティブマトリックス液晶パネルと比較して以下のような利点がある。
【0004】■信号線(ソース線もしくはデータ線)、走査線(ゲート線)、容量線などの配線や画素駆動用トランジスタ(TFT)や保持容量など、表示には直接寄与しない部分を画素電極の下に形成することで、実質的に高い開口率を得ることができる。
【0005】■上記理由から配線を太くしても開口率が低下しないので、配線抵抗を減らして良効な表示を行うことができる。
【0006】■反射型の場合、絶縁基板または半導体基板上に駆動能力の大きいTFTやMOSFETアレーを形成し、さらにその上に反射電極となる画素電極を形成してトランジスタで駆動電圧を印加するように構成することができる。特に半導体基板上にMOSFETを形成する構成の場合、シリコンICのプロセスを利用することができるので、微細加工が可能である。そのため、透過型に比べて小型高精細で明るい表示が得られるため、プロジェクタのライトバルブとして着目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反射型アクティブマトリックス液晶パネルは、光の反射強度を高めるためデバイスサイズを透過型に比較して小さくすることが求められている。液晶パネルには、見切り(表示画面の周縁を隠すためのマスク)のための遮光部材を対向基板側に設けることが必要であるが、パネルサイズが小さくなると遮光部材と画素領域との相対的な位置合わせが難しくなってしまうという不具合がある。
【0008】そこで、本発明者は、反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて見切りを形成する技術について検討した。その結果、以下のような課題があることが明らかになった。
【0009】SH(Super Homeotropic)液晶を使用したSH液晶モードのようなネガモードの場合、液晶に電圧が印加されない状態では黒表示になるので、画素領域の周囲の液晶が正常に配向していれば、トランジスタ側基板の周辺が反射状態でも無反射状態でも表示は黒くなり、見切りとしての機能は得られる。しかし、SH液晶モードは液晶を垂直配向させる必要があり、従来の技術では均一な垂直配向処理が極めて困難であるため、周囲を完全に黒表示させることが難しい。また、SH液晶モードで使用する負の誘電異方性の液晶材料は、TN(Twisted Nematic)液晶モードで使用される正の誘電異方性液晶材料に比べると種類が少なく、使用できる温度範囲も狭く、信頼性に乏しいという欠点がある。
【0010】一方、TN液晶モードの液晶パネルであれば実績のある既存技術で製造することができるので、信頼性の点では問題はない。しかし、TN液晶モードの反射型液晶パネルを投射型表示装置に組み込んだ場合、ポジ表示となるので画素領域の周辺に見切りが設けられていないと表示部の周囲に白い輪郭がでてしまうという不具合がある。
【0011】この発明の目的は、反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、画素領域の周囲に見切りを設けたのと同様な黒枠表示を行なうことができる技術を提供することにある。
【0012】この発明の他の目的は、プロセスを複雑にすることなく見切りを設けたのと同様な黒枠表示を行なうことができるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するため、反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、反射側基板の画素電極アレー(画素領域)の周囲に導電層を形成し、対向基板すなわち入射側基板に設けられた透明共通電極との間に狭持された液晶に黒レベルの表示を行なうような交流電圧を印加させるようにした。これによって、見切りと同様な画素領域を囲む黒枠表示を行なうことができる。しかも、上記導電層は、反対側基板に形成されるため、対向基板側に形成される遮光部材に比べて位置合わせ精度が高くなり合わせずれによる表示不良(白輪郭の発生)も回避することができる。この発明は、上記液晶パネルの表示モードがポジ表示である場合に特に有効である。
【0014】また、上記画素領域の周囲に、表示に寄与しないダミーの画素電極とこの電極に駆動電圧を印加するスイッチング素子とからなるダミー画素列を配置して、上記ダミー画素電極に、対向基板に設けられた透明共通電極との間に狭持された液晶に黒レベルの表示を行なうような交流電圧を印加させるようにした。従来より、画素領域周縁の表示むらを防止するためダミー画素電極を設ける技術が知られており、本発明はかかるダミー画素電極を利用して見切りとなる黒枠表示を行なわせることで、何らプロセスを変更することなく上記目的を達成することができる。もちろん、ダミー画素電極の外側に上記黒枠表示用の導電層を形成して黒レベルの表示を行なわせる交流電圧を液晶に印加するように構成してもよい。
【0015】さらに、反射側基板上にスイッチング素子アレーを画素電極と1対1で形成し、スイッチング素子を介して画素電極に駆動電圧を印加するとともに周囲にトランジスタ等のスイッチング素子からなる周辺回路を設けた反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、上記導電層を遮光性の材料で上記周辺回路を覆うように形成する。これによって、入射した光によってスイッチング素子にリーク電流が流れて回路が誤動作するのを防止することができる。上記導電層やダミーの画素電極は画素領域の画素電極と同一材料で同時に形成するようにすることができる。また、上記導電層およびダミー画素電極の表面に反射防止処理を施すようにしてもよい。
【0016】上記導電層により液晶に印加される交流電圧は、上記対向電極に印加されるコモン電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧で、上記ダミー画素電極により液晶に印加される交流電圧は、上記対向電極に印加される信号の中心電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧であるのが望ましい。経時的に液晶に直流電圧が印加されるのを防止するためである。また、上記交流電圧は、1画素への印加電圧の極性の反転周期と同一もしくはそれよりも短い周期の交流電圧、望ましくは商用電源の50Hz以上で液晶の応答速度よりも低い100kHz以下の交流電圧である。50Hz以上とするのはフリッカを防止するためである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0018】図1〜図3は、本発明を適用した反射型アクティブマトリックス液晶パネルの第1の実施例を示す。このうち、図1は画素電極およびトランジスタが形成された反射側基板の平面レイアウト、図2は液晶パネル全体の断面構成、図3(a)は画素領域の一部の拡大断面を示す。図3(b)は一画素の等価回路図を示す。
【0019】図1〜図3において、10は入射側の基板となるガラス基板、20は反射側の基板となるガラス基板、30は上記基板間に封入されたTN液晶、31はシール材である。図1に示されているように、この実施例においては、反射側基板20の中央に画素電極21がマトリックス状に形成されてなる画素領域22が設けられ、その周囲に、信号線に画像データを供給する信号線駆動回路23や上記信号線上の電圧を画素電極に印加するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)のゲートが接続された走査線4を順番に選択する選択走査線駆動回路24、パッド領域25を介して外部から入力される画像データを取り込む入力回路26、これらの回路を制御するタイミング制御回路27等からなる周辺回路が設けられている。
【0020】上記周辺回路は、上記画素電極21に電圧を印加するトランジスタと同一工程で形成されるトランジスタを能動素子もしくはスイッチング素子とし、これに抵抗や容量などの負荷素子を組み合わせることで構成される。この実施例では、上記画素領域22の周囲に、上記周辺回路に光が入射するのを防止する遮光層を兼ねた導電層である見切り電極28が設けられている。見切り電極28の内端形状すなわち開口形状は上記画素領域22の外形とほぼ一致するようにされている。外部から信号を入力したり、電源電圧を供給するパッド領域25は、上記シール材31の外側に来るように、その位置が設定されている。
【0021】図2に示すように、入射側のガラス基板10の内面(図では下面)には液晶の対向電位となるLCコモン電位が印加される透明導電膜(ITO)からなる共通電極11が設けられ、上記反射側のガラス基板20と入射側のガラス基板10が適当な間隔をおいて配置され、周囲をシール材31で封止された間隙内にTN(Twisted Nematic)型液晶30などが封入されて液晶パネルとして構成されている。
【0022】なお、ここで、LCコモン電位(LC−COM)とは、上記画素電極21と液晶30を挟んで対向される共通電極11に印加される電圧で、液晶駆動で問題となるいわゆるプッシュダウン(トランジスタの寄生容量の電荷が画素電極側に流れ実質的な書込み電圧がマイナス側シフトする現象)を考慮してその分だけ予めシフトした電圧である。つまり、トランジスタの寄生容量CTr、画素の液晶容量CLCD 、画素の電荷保持容量CH 、トランジスタのゲートに印加する走査信号の電圧振幅Vgのとき、{CTr/(CTr+CLCD +CH )}×Vgの電圧分の電荷がトランジスタの非導通期間(非選択期間)に画素に流れ込むことにより、液晶の印加電圧が降下するので、この電圧分を画像信号の振幅中心電位と、共通電極に印加される電位LC−COMとの間にバイアスしたものである。
【0023】また、上記共通電極11は、上記画素領域22の画素電極21および上記周辺回路上の見切り電極28と液晶30を介して対向するように画素領域22よりも広く構成されている。しかも、この実施例においては、特に限定されないが、上記見切り電極25は、画素電極21と同一工程で形成されるアルミニウム等の金属層で構成されている。これによって、プロセスを簡略化することができる。また、画素領域22と見切り電極28との間隔を、プロセスの最小加工寸法まで小さくすることができ、かつマスクの合わせずれによる位置ずれも回避することができる。
【0024】図3(a)に示されているように、反射側のガラス基板20の表面にはTFTの動作領域となるポリシリコン等の半導体層41が島状に形成され、この半導体層41の上にはゲート絶縁膜を介して2層目のポリシリコンまたはポリシリコンと高融点金属の多層からなる走査線兼ゲート電極42が形成され、この走査線兼ゲート電極12の上方からガラス基板20表面にかけてはPSG膜のような層間絶縁膜43が形成されている。また、この層間絶縁膜43の上にはアルミニウム等の金属層からなる信号線44が形成され、この信号線44は上記層間絶縁膜43に形成されたコンタクトホールにて上記半導体層41のゲート電極42の側方に位置するソース(もしくはドレイン)領域に接続されている。
【0025】そして、上記信号線44および層間絶縁膜43の上には二酸化シリコンのような絶縁物からなるLTO(Low Tenperature Oxide)膜あるいはスピンコートにより形成されたSOG膜等からなる平坦化膜45が形成され、この平坦化膜45の上に二層目のアルミニウム層等の金属からなる画素電極21が形成され、この画素電極21の一部が上記平坦化膜45および層間絶縁膜43に形成されたコンタクトホールにてTFTのドレイン(もしくはソース)領域に電気的に接続されている。また、図3(b)は1画素の等価回路図であり、通常、各画素のTFTには保持容量46(図3(a)には図示しない)が接続される。なお、図示しないが、上記画素電極21の表面(図では上面)および共通電極11の表面(図では下面)には封入される液晶を配向させるための配向膜が形成されている。
【0026】上記画素電極21は、層間絶縁膜43としてLTO膜を使用する場合にはLTO膜をCMP(化学的機械研磨)法で削って平坦化してから、またSOG膜を使用する場合にはコートした膜をベーク(焼付け)してから、例えば低温スパッタ法により、一辺が約20μmの正方形のような形状とされる。上記画素電極21は、アルミニウムに限定されず、反射率の高い導電体であればどのような材料であっても良い。また、画素電極21は、その表面をCMP法で研磨してさらに反射率を高めるようにしてもよい。
【0027】一方、上記実施例では、画素領域22の周囲に設けられ周辺回路を覆う見切り電極28を画素電極21と同一のアルミニウム等の金属で形成しているが、アルミニウム以外の導電体で形成しても良い。また、上記見切り電極28は入射した光を反射する必要はなく散乱もしくは吸収してしまった方が良いので、見切り電極28の表面を例えばエッチング処理などで曇らせたりCr層等を形成したりして、反射防止処理を施しておくようにしても良い。
【0028】この実施例の液晶パネルは、上記共通電極11にLCコモン電位LC−COMが印加され、また見切り電極28には図4(a)に示すように、LC−COMを中心に正負に実質的に対称となる振幅の電圧Vaを印加する。この電圧Vaは、直線偏光された光が入射側基板10から入射され、見切り電極28により反射されて入射側基板10の外側に位置する偏光素子に入射されたときの偏光素子を介した光透過率が少なくとも10%以下、より好ましくは0.5%以下となる電圧、具体的には透過率特性における黒側の飽和電圧程度のレベルの電圧Vaが印加される(図4(c)参照)。図4(c)は、入射側基板の外側に液晶パネルからの反射光を入射する偏光素子を配置した構成において、偏光素子を透過する光の液晶への印加電圧対透過率特性図である。この図においては、ポジモードになるように偏光素子の偏光軸は設定されている。これによって、周辺回路上方の見切り電極28と共通電極11との間に介在する液晶には交流電圧が印加され、液晶分子が垂直な状態になって入射した光は見切り電極28でそのまま反射されて出て行く。一方、電圧が印加されていない画素電極では、液晶分子がねじれたままとなり、入射した偏光は画素電極で反射して90°偏光軸が回転されて出て行く。
【0029】このように、上記実施例の液晶パネルは後述の投射型表示装置に組み込まれたときポジ表示、すなわち電圧が印加された部分が黒くなるような表示を行なうように構成されている。従って、上記のごとく画素領域22を囲むように形成された見切り電極28に交流電圧が印加されているとその部分は黒レベル表示となって、入射側基板に見切りとなる遮光部材を形成することなく見切りと同様な機能を有する黒枠表示を行なうことができ、画素領域22との位置合わせ精度が高くなり、合わせずれによる表示不良(白輪郭の発生)も回避することができる。尚、見切り電極が駆動されないと液晶を駆動する領域が画素領域と見切り電極との境界で不連続となり、表示ノイズが発生してしまうが、本実施例では、画素領域と見切り電極領域の液晶は共に交流駆動されるので、表示むらの発生が抑えられる。
【0030】また、対向基板の外側に遮光部材を配置する場合は、遮光部材の開口端部を見切り電極28上に位置合わせすればよく、遮光部材の位置合わせの精度が低くてもよくなり、組立が簡単となる。加えて、遮光部材と見切り電極領域での黒レベル表示との組み合わせにより見切りの黒色表示ができるので、より光漏れをより少なくできる。
【0031】尚、以上の実施例では、TFTを画素のトランジスタ素子として説明したが、反射側基板を半導体基板とし、半導体基板にMOSFETを形成し、画素や周辺回路のトランジスタをMOSFETとして構成してもよい。
【0032】また、スイッチング素子は、トランジスタではなくMIM等の2端子型非線形素子を用いてもよい。
【0033】図5および図6は、本発明を適用した反射型アクティブマトリックス液晶パネルの第2の実施例を示す。
【0034】この実施例では、反射側基板20の画素領域22の周囲に本来の表示に寄与しないダミー画素電極29が複数列形成されたダミー画素領域が設けられている。一方、対向基板10の外面(図では上面)側の周縁には、反射率の低い樹脂材料で構成もしくは表面にCr(クロム)膜等を形成した遮光部材12が、上記ダミー画素領域途中からその外側の周辺回路の上方を覆うように接合されている。つまり、この実施例では、上記遮光部材12の内端(開口端)がダミー画素領域内に位置するように設計されている。そして、上記ダミー画素電極29に、第1の実施例における見切り電極28と同様に交流電圧が印加されるように構成されている。
【0035】第1の実施例の液晶パネルでは、反射側基板の画素電極が形成された画素領域の周囲に形成された見切り電極に、対向基板に形成される共通電極に印加されるLCコモン電位に対して実質的に正負同一振幅となる波形を有するように電圧を印加しているが、ダミー画素を設けたこの第2実施例においては、信号線に供給される画像信号の振幅中心電位Vbに対して実質的に正負同一振幅となる波形を有する電圧Vc(図4(b)参照)を、ダミー画素電極が接続される信号線に印加するのが良い。実施例では、ダミー画素も表示用画素と同一構造であり、ダミー画素電極も表示用画素電極と同様に1対1対応で設けられているトランジスタにより電圧が印加されるように構成される。従ってトランジスタの寄生容量によって生ずるプッシュダウンが画素と同様に発生するため、ダミー画素に供給する電圧も表示用画素と同一の振幅中心で変化させ、ダミー画素電極と共通電極間に直流電圧が印加され続けないように工夫している。
【0036】上記ダミー画素は2列に限定されるものでなく、何列であっても良い。通常は6列もあれば充分である。
【0037】表示用の画素の周囲にダミー画素を設けることにより、見切り表示ができるだけではない。画素領域とダミー画素領域との境界が液晶を駆動する上で不連続でなくなる(液晶が共に駆動された領域となる)ので、従来、画素領域と液晶を駆動しない周辺領域との境界にて発生し画素領域での表示に影響を与えた表示むらは、画素領域近傍では抑えることができ、表示の画質を向上できる。
【0038】また、遮光部材を設けたとしても、その内端を上記ダミー画素電極領域上に配置すればよく、遮光部材を画素領域の周辺端部に一致させなくてよいので遮光部材の位置合わせが簡単となる。加えて、遮光部材とダミー電極領域での黒レベル表示との組み合わせにより見切りの黒色表示ができるので、より光漏れをより少なくできる。
【0039】また、スイッチング素子は、トランジスタではなくMIM等の2端子型非線形素子を用いてもよい。
【0040】尚、第1の実施例と同様にトランジスタはTFTでMOSFETでもよい。
【0041】また、ダミー画素電極の表面は第1実施例の見切り電極と同様に反射防止処理をしてもよい。
【0042】図7および図8は、本発明を適用した反射型アクティブマトリックス液晶パネルの第3の実施例を示す。
【0043】この実施例では、反射側基板20の画素領域22の周囲に本来の表示に寄与しないダミー画素電極29が複数列形成されたダミー画素領域が設けられ、さらにその外側に第1の実施例と同様な見切り電極28が設けられている。そして、上記ダミー画素電極29に、第2の実施例と同様に画像信号の振幅中心電位に対して実質的に正負同一振幅となる波形を有する電圧Vcが印加され、ダミー画素領域の周囲に形成された見切り電極28に対しては、第1の実施例と同様に対向基板に形成される共通電極に印加されるLCコモン電位に対して実質的に正負同一振幅となる波形を有する電圧Vaが印加されるように構成されている。
【0044】尚、第1及び第2の実施例と同様に、第3実施例においても、画素領域の周辺近傍での表示むらが低減されるので、画質を向上できる。
【0045】また、対向基板の外側に遮光部材を配置する場合は、遮光部材の開口端部をダミー電極または見切り電極上に位置合わせすればよく、遮光部材の位置合わせの精度が低くてもよくなり、組立が簡単となる。加えて、遮光部材とダミー電極領域及び/又は見切り電極領域での黒レベル表示との組み合わせにより見切りの黒色表示ができるので、より光漏れをより少なくできる。
【0046】また、トランジスタは、上記の実施例と同様に、TFTでもMOSFETでもよく、MIM等の2端子型非線形素子に置き換えてもよい。
【0047】また、ダミー画素電極及び/又は見切り電極の表面に第1実施例と同様に反射防止処理を施してもよい。
【0048】図9には上記実施例の反射型液晶パネルをライトバルブとして応用した投射型表示装置の一例としてプロジェクタの構成例が示されている。
【0049】図9において、100は光源としてのランプ、101は反射ミラー、102A,102Bはそれぞれ直角プリズムである。2つの直角プリズムは界面に偏光ビームスプリッタ層102aを有し接着剤により接合されてキューブプリズムを構成している。この接着剤は屈折率がプリズムの屈折率により近いものが使われる。偏光ビームスプリッタ層102aは光源100からの光のうちS偏光を選択的に透過し、P偏光成分を選択的に反射する。もちろん、この偏光成分スプリッタはP偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する構成でも構わない。
【0050】103は赤色光の波長成分のみ透過し他の成分(緑色および青色光)は反射するダイクロイックミラー、104は緑色光のみ反射し他の成分(赤色および青色光)は透過するダイクロイックミラー、105は青色光のみ透過し他の成分(緑色および赤色光)は反射するダイクロイックミラー、106,107,108は上記実施例の反射型液晶パネルを用いた赤色光用、緑色光用、青色光用のライトバルブであり、110は各ライトバルブにより変調され上記プリズムで各色光を合成してなるカラー画像をスクリーンに投射する投射レンズである。
【0051】以上の構成において、光源からの光は次に説明するように、分離、変調、合成、投射される。
【0052】光源100から出た光は上記偏光ームスプリッタ層102aでP偏光のみ反射され、反射されたP偏光成分は、ダイクロイックミラー103に入射され、赤色光の波長成分のみ透過し、他の波長成分は反射される。これにより、液晶パネル106には赤色光が入射される。一方、上記偏光ームスプリッタ層102aを透過したS偏光成分は、ダイクロイックミラー104に入射され、緑色光の波長成分のみ反射し、他の波長成分は透過する。従って、ダイクロイックミラー104により反射された緑色光は、液晶パネル107に入射される。また、ダイクロイックミラー104を透過した色光には赤色光成分だけでなく、青色光成分も含まれている。そこで、ダイクロイックミラー105によって青色光のみ透過して、液晶パネル108へは青色光のみを入射するようにしている。
【0053】液晶パネル106,107,108はTN型液晶を採用した反射型液晶パネルである。TN型液晶を採用した場合には、液晶層への印加電圧がほぼ0の画素(OFF状態)では、入射した色光は液晶層にて楕円偏光され、画素電極により反射され、液晶層により再度楕円偏光されるので、入射した色光の偏光軸とほぼ90度ずれた偏光軸の光として反射・出射される。一方、液晶層に電圧印加された画素(ON状態)では、入射した色光のまま画素電極に至り、反射されて、入射時と同一の偏光軸のまま反射・出射される。また、画素電極に印加された電圧に応じてTN型液晶の液晶分子の配列角度が変化するので、入射光に対する反射光の偏光軸の角度は、画素のトランジスタを介して画素電極に印加する電圧に応じて可変される。
【0054】例えば、液晶パネル106では、P偏光の赤色光が入射されると、TN型液晶の場合には、OFF状態画素はS偏光に変換して反射・出射、ON状態画素はP偏光のまま反射・出射する。一方、液晶パネル107,108では、S偏光の色光が入射されるので、TN型液晶の場合には、OFF状態画素はP偏光に変換して反射・出射、ON状態画素はS偏光のまま反射・出射する。
【0055】液晶パネル106で反射された赤色光はダイクロイックミラー103を透過して、P偏光成分反射・S偏光透過の偏光ビームスプリッタ102aに至る。従って、液晶パネル106の反射光は、TN型液晶の場合には、OFF状態画素で反射されてS偏光された反射光は透過して投射レンズ110へ至るが、ON状態画素のP偏光の反射光は反射されてレンズ110へは至らない。以上の変調制御により、液晶パネル106の各画素への電圧印加に応じて、102aでの透過光量が画素毎に制御され、赤色光の画像が形成される。なお、偏光ビームスプリッタ102aで反射されたP偏光のうち緑色光と青色光はダイクロイックミラー103でP偏光のまま反射されるので、偏光ビームスプリッタ102aで反射されてレンズ110へは至らない。
【0056】これに対して、液晶パネル107,108により反射された色光はダイクロイックミラー104で合成されて、偏光ビームスプリッタ102aに至る。従って、液晶パネル107,108の反射光は、TN型液晶の場合には、OFF状態画素でP偏光された反射光は反射して投射レンズ110へ至るが、ON状態画素のS偏光の反射光は透過してレンズ110へは至らない。以上の変調制御により、液晶パネルの各画素への電圧印加に応じて、102aでの透過光量が画素毎に制御され、緑色光と青色光の画像が形成される。なお、偏光ビームスプリッタ102aを透過したS偏光のうち青色光はダイクロイックミラー105でS偏光のまま反射されるので、偏光ビームスプリッタ102aを透過してしまいレンズ110へは至らない。
【0057】従って、偏光ビームスプリッタ102aによる反射・透過により、液晶パネル106〜108でそれぞれ形成された3原色の画像を合成したカラー画像が形成され、投射レンズ110によりスクリーン110へ投射される。その結果、上記TN型液晶の反射型液晶パネルをライトバルブとして組み込んだ図9の投射型プロジェクターでは、OFF状態画素の反射光は投射レンズ110へ至るため、スクリーンへの投射画像はポジモードで表示されることとなる。
【0058】図10には、TN液晶を用いた上記液晶パネルにおける素子基板(反射側基板)と対向基板の配向膜の最適なラビング方向(配向処理方向)等のパラメータの一例が示されている。このうち図10(A)は図9における液晶パネル106〜108のうちS偏光が入射されるパネル107,108に最適なパラメータを、また図10(B)は図9における液晶パネル106のようなP偏光が入射されるパネルに最適なパラメータをそれぞれ示す。
【0059】前記第1および第3の実施例の液晶パネルを使用した図9のプロジェクタでは、図1〜図3にて説明したように、反射側基板の画素電極が形成された画素領域の周囲は見切り電極で覆われ、対向基板に形成される共通電極に印加されるLCコモン電位に対して交流波形となる電圧を印加しているので、画素領域の周囲は黒枠として表示される。これが見切りとして機能するため対向基板側に見切りとなる遮光部材を設ける必要がなくなる。もしくは、遮光部材を設けたとしても見切り電極が遮光機能を有するので、遮光部材を画素領域の端部に位置合わせしなくてもよく遮光部材の内端を見切り電極上に設ければよいので、遮光部材の位置合わせが簡単となる。また、画素電極と同一基板上に見切り電極を形成したので、画素領域と見切り領域との位置合わせ精度が高くなり合わせずれによる表示不良(白輪郭の発生)も回避することができる。さらに、画素電極と見切り電極とが同一工程で形成されれば、その位置合わせはより高精度となる。また、第2の実施例の液晶パネルを使用したプロジェクタでは、ダミー画素電極と遮光部材とが一体となって見切りとして機能するとともに、遮光部材が周辺回路に光が入射するのを防止することができるというダミー電極のみでは得られない利点を有する。
【0060】なお、上記実施例では、反射側基板としてガラス基板を用いこのガラス基板上に形成されたポリシリコンを能動層とするいわゆるポリシリコンTFTを画素電極へ電圧を印加するスイッチング素子としたものについて説明したが、単結晶シリコンのような半導体ウェハを基板としてその上にMOSFETや画素電極等を形成したものを反射側基板とする液晶パネルであっても良い。また、画素電極へ電圧を印加する素子としてTFTを用いた液晶パネルのみでなく、MIM(Meta-Insulator-Metal)等の2端子型非線形素子を画素電極へ電圧を印加する素子とした液晶パネルにも適用することができる。
【0061】さらに、上記実施例ではTN液晶を用いた反射型液晶パネルに適用した場合について説明したが、この発明はSH液晶を用い偏光板を入射側に設けた液晶パネルあるいは高分子分散型液晶パネルに適用することも可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、反射側基板の画素領域の周囲に導電層を形成し、この導電層に、対向基板すなわち入射側基板に設けられた透明共通電極との間に狭持された液晶が黒レベルの表示を行なうような交流電圧を印加させるようにしたので、見切りと同様な画素領域を囲む黒枠表示を行なうことができるとともに、上記導電層は、画素電極のある反射側基板に形成されるため、位置合わせ精度が高くなり合わせずれによる表示不良(白輪郭の発生)も回避することができるという効果がある。
【0063】また、見切りをこの導電層でできるので、遮光部材を不要とすることもできる。また、遮光部材を設けたとしても、その内端を上記導電層上に配置すればよく、遮光部材を画素領域の周辺端部に一致させなくてよいので遮光部材の位置合わせが簡単となる。
【0064】また、画素領域の周囲に表示に寄与しないダミーの画素電極とこの電極に駆動電圧を印加するスイッチング素子を配置して、上記ダミー画素電極と対向基板に設けられた透明共通電極との間に狭持された液晶により黒レベルの表示を行なうように交流電圧を印加させるようにしたので、これらのダミー画素電極を利用して見切りとなる黒枠表示を行なわせることができる。
【0065】さらに、基板上にスイッチング素子を画素電極と1対1で形成し、スイッチング素子を介して画素電極に駆動電圧を印加するとともに周囲にスイッチング素子からなる周辺回路を設けた反射型アクティブマトリックス液晶パネルにおいて、上記導電層を遮光性の材料で上記周辺回路を覆うように形成したので、周辺回路を構成するスイッチング素子に入射した光によってリーク電流が流れて回路が誤動作するのを防止することができるという効果がある。
【0066】また、上記導電層やダミーの画素電極は画素領域の画素電極と同一材料で同時に形成することによりプロセスの簡略化を図ることができる。
【0067】さらに、上記導電層およびダミー画素電極の表面に反射防止処理を施すことにより一層コントラストの高い見切りを得ることができる。
【0068】さらに、上記導電層に印加される電圧として、上記対向電極に印加されるコモン電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧を、また上記ダミー画素電極に印加される電圧として、画像信号の中心電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧を用いるようにしたので、液晶に直流電圧が印加されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第1の実施例を示す平面レイアウト図。
【図2】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第1の実施例を示す断面図。
【図3】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第1の実施例の拡大断面図。
【図4】本発明を適用した反射型液晶パネルの見切り電極およびダミー画素電極に印加される交流電圧の一例を示す波形図。
【図5】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第2の実施例を示す平面レイアウト図。
【図6】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第2の実施例を示す断面図。
【図7】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第3の実施例を示す平面レイアウト図。
【図8】本発明を適用した反射型液晶パネルの反射側基板の第3の実施例を示す断面図。
【図9】実施例の反射型液晶パネルをライトバルブとして応用した投射型表示装置の一例としてプロジェクタの概略構成図。
【図10】TN液晶を用いた反射型液晶パネルにおける素子基板(反射側基板)と対向基板の配向膜の最適なラビング方向を示す説明図である。
【符号の説明】
10 対向基板(入射側基板)
11 共通電極
12 見切りとなる遮光部材
20 反射側基板
21 画素電極
22 画素領域
23 信号線駆動回路
24 走査線駆動回路
25 パッド領域
26 入力回路
27 タイミング制御回路
28 見切り電極
29 ダミー画素電極
30 液晶
31 シール材
41 ポリシリコン層(MOSFETの動作層)
42 走査線兼ゲート電極
43 層間絶縁膜
44 信号線
45 平坦化膜
100 ランプ
101,102 直角プリズム
103〜105 ダイクロイックミラー
106〜108 反射型液晶パネル
110 投影レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有する反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルにおいて、上記反射側基板の上記画素領域の周囲に導電層が形成され、該導電層と上記対向電極との間に狭持された液晶に表示を黒色方向の表示レベルにする交流電圧が印加されるように構成されてなることを特徴とする液晶パネル。
【請求項2】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有する反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルにおいて、上記反射側基板の上記画素領域の周囲には本来の表示に寄与しない疑似画素電極と該電極に電圧を印加するためのスイッチング素子とからなるダミー画素列が形成され、上記入射側基板には上記ダミー画素の形成領域の一部およびその外周にかけて遮光部材が設けられているとともに、上記疑似画素電極と上記対向電極との間に狭持された液晶には表示を黒色方向の表示レベルにする交流電圧が印加されるように構成されてなることを特徴とする液晶パネル。
【請求項3】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有する反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルにおいて、上記反射側基板の上記画素領域の周囲には本来の表示に寄与しない疑似画素電極と該電極に電圧を印加するためのスイッチング素子とからなるダミー画素列が形成され、さらにこのダミー画素列の形成領域の周囲には導電層が形成され、上記疑似画素電極および上記導電層と上記対向電極との間に狭持された液晶には表示を黒色方向の表示レベルにする交流電圧がそれぞれ印加されるように構成されてなることを特徴とする液晶パネル。
【請求項4】 上記画素領域の周囲には、上記スイッチング素子に供給される信号を形成する周辺回路が形成されているとともに、上記導電層は遮光性材料で構成されかつ上記周辺回路の上方を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1または3に記載の液晶パネル。
【請求項5】 上記導電層は、上記画素電極と同一材料により構成されていることを特徴とする請求項1、3または4に記載の液晶パネル。
【請求項6】 上記導電層は、その表面が反射防止処理されていることを特徴とする請求項1、3、4または5に記載の液晶パネル。
【請求項7】 上記導電層に印加される電圧は、上記対向電極に印加される電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧であることを特徴とする請求項1、3、4、5または6に記載の液晶パネル。
【請求項8】 上記疑似画素電極は、上記画素電極と同一材料により構成されていることを特徴とする請求項2、3または4に記載の液晶パネル。
【請求項9】 上記疑似画素電極は、その表面が反射防止処理されていることを特徴とする請求項2、3、4または8に記載の液晶パネル。
【請求項10】 上記疑似画素電極に印加される電圧は、上記画素電極に印加されるべき画像信号の中心電位を中心として実質的に正負同一振幅を有する交流電圧であることを特徴とする請求項2、3、4、8または9に記載の液晶パネル。
【請求項11】 上記交流電圧は、1画素への印加電圧の極性の反転周期と同一もしくはそれよりも短い周期の交流電圧であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項12】 上記液晶は、ツイステッドネマチック型液晶であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の液晶パネルの光出射側に偏光手段を設け、前記導電層及び/又は前記疑似画素電極により反射された光が前記偏光手段を透過する透過率が10%以下となるように、前記導電層及び/又は前記疑似画素電極と、前記対向電極との間に挟持された液晶に交流電圧が印加されることを特徴とする液晶パネル。
【請求項14】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有し、上記画素領域の周囲には導電層が形成されてなる反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルの駆動方法にであって、上記導電層と上記対向電極との間に狭持された液晶には表示を黒レベルにする交流電圧を印加するようにしたことを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
【請求項15】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有し、上記画素領域の周囲には本来の表示に寄与しない疑似画素電極と該電極に電圧を印加するためのスイッチング素子とからなるダミー画素列が形成される反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記入射側基板には上記ダミー画素の形成領域の一部およびその外周にかけて遮光部材が設けられ、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルの駆動方法であって、上記疑似画素電極と上記対向電極との間に狭持された液晶には表示を黒色方向の表示レベルにする交流電圧が印加されるようにしたことを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
【請求項16】 反射電極となる画素電極がマトリックス状に形成されるとともに各反射電極に対応して各々スイッチング素子が形成された画素領域を有し、上記画素領域の周囲には本来の表示に寄与しない疑似画素電極と該電極に電圧を印加するためのスイッチング素子とからなるダミー画素列が形成され、さらにこのダミー画素列の形成領域の周囲には導電層が形成される反射側基板と、対向電極を有する入射側の透明基板とが相対向して配置されるとともに、上記反射側基板と上記透明基板との間隙内に液晶が封入され、上記スイッチング素子を介して上記反射電極に電圧が印加されるように構成された液晶パネルであって、上記疑似画素電極および上記導電層と上記対向電極との間に狭持された液晶には表示を黒色方向の表示レベルにする交流電圧がそれぞれ印加されるようにしたことを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
【請求項17】 請求項14〜16のいずれかに記載の液晶パネルの光出射側に偏光手段を設け、前記導電層及び/又は前記疑似画素電極により反射された光が前記偏光手段を透過する透過率が10%以下となるように、前記導電層及び/又は前記疑似画素電極と、前記対向電極との間に挟持された液晶に交流電圧を印加したことを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
【請求項18】 光源と、該光源からの光を変調して反射する請求項1〜13のいずれかに記載の構成の液晶パネルと、これらの液晶パネルにより変調された光を集光し投射する投射レンズとを備えていることを特徴とする投射型表示装置。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開平10−170935
【公開日】平成10年(1998)6月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−330071
【出願日】平成8年(1996)12月10日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)